JPH10230391A - オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤInfo
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- JPH10230391A JPH10230391A JP5112197A JP5112197A JPH10230391A JP H10230391 A JPH10230391 A JP H10230391A JP 5112197 A JP5112197 A JP 5112197A JP 5112197 A JP5112197 A JP 5112197A JP H10230391 A JPH10230391 A JP H10230391A
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- Japan
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- wire
- oxide
- welding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラッ
クス入りワイヤにおいて,アークが安定でスパッタ発生
量が少なく,スラグの被包性及び剥離性が良好等,溶接
作業性の優れた下向及び水平すみ肉溶接用オーステナイ
ト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供す
る. 【解決手段】 ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイ
ヤにおいて,ステンレス鋼からなる外皮内に,フラック
スをワイヤ全重量に対して,TiO2:0.8〜2.4
%,SiO2:1.5〜3.0%,ZrO2:0.3〜
1.0%,Al2O3:0.1〜1.0%,Fe酸化物+
Mn酸化物:0.2〜1.2%,金属弗化物:0.05
〜0.3%,スラグ剤成分:4.0〜9.0%,フラッ
クスの充填率:18〜26%含有し,更に,TiO2<
SiO2+ZrO2かつ(SiO2 +Al2O3)/(Fe
酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満たすことを特
徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラック
ス入りワイヤ.
クス入りワイヤにおいて,アークが安定でスパッタ発生
量が少なく,スラグの被包性及び剥離性が良好等,溶接
作業性の優れた下向及び水平すみ肉溶接用オーステナイ
ト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供す
る. 【解決手段】 ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイ
ヤにおいて,ステンレス鋼からなる外皮内に,フラック
スをワイヤ全重量に対して,TiO2:0.8〜2.4
%,SiO2:1.5〜3.0%,ZrO2:0.3〜
1.0%,Al2O3:0.1〜1.0%,Fe酸化物+
Mn酸化物:0.2〜1.2%,金属弗化物:0.05
〜0.3%,スラグ剤成分:4.0〜9.0%,フラッ
クスの充填率:18〜26%含有し,更に,TiO2<
SiO2+ZrO2かつ(SiO2 +Al2O3)/(Fe
酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満たすことを特
徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラック
ス入りワイヤ.
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼のガスシールドア−ク溶接用フラックス入
りワイヤの改良に係り、特に高入熱条件で使用される場
合に溶接作業性(低スパッタ、スラグの被包剥離性良
好)が優れている、下向及び水平すみ肉溶接用オーステ
ナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関
する。
ステンレス鋼のガスシールドア−ク溶接用フラックス入
りワイヤの改良に係り、特に高入熱条件で使用される場
合に溶接作業性(低スパッタ、スラグの被包剥離性良
好)が優れている、下向及び水平すみ肉溶接用オーステ
ナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステンレス鋼の需要増加に伴い大
型物件の施工が増加してきている。これに伴いステンレ
ス鋼の溶接分野において能率の良いフラックス入りワイ
ヤの採用が高くなり、高能率化を計るために電流、電圧
を高めた高入熱条件での溶接施工が増加してきている。
しかしながら特公平1−59079公報において開示さ
れているようなZrO2 量が過剰なフラックス入りワイ
ヤを用いて高入熱による溶接を行うと、ZrO2 量が過
剰な分スラグの粘性が高まりスパッタ発生量が多くなる
と共に、スラグがビード表面全体を被包しないという現
象が発生した。また、特開昭58−70993号公報に
おいてスパッタ発生量の低減について、金属弗化物の1
0倍以上のSiO2 をワイヤ中に含有させる技術が開示
されているが、金属弗化物は、耐ピット性を改善したり
アーク力調整等に必要な成分であり、他の成分含有の必
要性やフラックス充填率の範囲との兼ね合いの中で前述
のようなSiO2 の十分の一以下という制限は、フラッ
クス入りワイヤの設計上困難なものであった。
型物件の施工が増加してきている。これに伴いステンレ
ス鋼の溶接分野において能率の良いフラックス入りワイ
ヤの採用が高くなり、高能率化を計るために電流、電圧
を高めた高入熱条件での溶接施工が増加してきている。
しかしながら特公平1−59079公報において開示さ
れているようなZrO2 量が過剰なフラックス入りワイ
ヤを用いて高入熱による溶接を行うと、ZrO2 量が過
剰な分スラグの粘性が高まりスパッタ発生量が多くなる
と共に、スラグがビード表面全体を被包しないという現
象が発生した。また、特開昭58−70993号公報に
おいてスパッタ発生量の低減について、金属弗化物の1
0倍以上のSiO2 をワイヤ中に含有させる技術が開示
されているが、金属弗化物は、耐ピット性を改善したり
アーク力調整等に必要な成分であり、他の成分含有の必
要性やフラックス充填率の範囲との兼ね合いの中で前述
のようなSiO2 の十分の一以下という制限は、フラッ
クス入りワイヤの設計上困難なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オーステナ
イト系ステンレス鋼の溶接において、特に高入熱条件で
ア−クが安定で、スパッタ発生量が少なく、スラグの被
包剥離性が良好な、下向及び水平すみ肉溶接用オーステ
ナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提
供することを目的とする。
イト系ステンレス鋼の溶接において、特に高入熱条件で
ア−クが安定で、スパッタ発生量が少なく、スラグの被
包剥離性が良好な、下向及び水平すみ肉溶接用オーステ
ナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨するところ
は、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入
りワイヤにおいて、ステンレス鋼からなる外皮内にワイ
ヤ全重量に対して、TiO2 :0.8〜2.4%、Si
O2 :1.5〜3.0%、ZrO2 :0.3〜1.0
%、Al2 O3 :0.1〜1.0%、Fe酸化物+Mn
酸化物:0.2〜1.2%、金属弗化物:0.05〜
0.3%、スラグ剤成分の合計:4.0〜9.0%、フ
ラックスの充填率:18〜26%、更に、TiO2 <S
iO2 +ZrO2 かつ(SiO2 +Al2 O3 )/(F
e酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満足し、高入
熱でも低スパッタ、スラグの被包剥離性が良好となるこ
とを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フ
ラックス入りワイヤにある。
は、オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入
りワイヤにおいて、ステンレス鋼からなる外皮内にワイ
ヤ全重量に対して、TiO2 :0.8〜2.4%、Si
O2 :1.5〜3.0%、ZrO2 :0.3〜1.0
%、Al2 O3 :0.1〜1.0%、Fe酸化物+Mn
酸化物:0.2〜1.2%、金属弗化物:0.05〜
0.3%、スラグ剤成分の合計:4.0〜9.0%、フ
ラックスの充填率:18〜26%、更に、TiO2 <S
iO2 +ZrO2 かつ(SiO2 +Al2 O3 )/(F
e酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満足し、高入
熱でも低スパッタ、スラグの被包剥離性が良好となるこ
とを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フ
ラックス入りワイヤにある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においての各成分の限定理
由について述べる。まず、スラグ剤成分の一つであるT
iO2 であるが、TiO2 はスラグの被包性及び剥離性
に基因する成分の一つであるが、ワイヤ全重量に対して
0.8%未満ではその効果は発揮されず、2.4%を超
えるとスラグの流動性が劣化すると共に、溶適移行が悪
くなりスパッタが増大する。なお、原料としてはルチー
ル、チタンスラグ、イルミナイト等がある。
由について述べる。まず、スラグ剤成分の一つであるT
iO2 であるが、TiO2 はスラグの被包性及び剥離性
に基因する成分の一つであるが、ワイヤ全重量に対して
0.8%未満ではその効果は発揮されず、2.4%を超
えるとスラグの流動性が劣化すると共に、溶適移行が悪
くなりスパッタが増大する。なお、原料としてはルチー
ル、チタンスラグ、イルミナイト等がある。
【0006】SiO2 はスラグの粘性を調整し被包性の
良いスラグを形成する成分であるが、ワイヤ全重量に対
して、1.5%未満ではその効果は発揮されず、3.0
%を超えるとスラグの焼付きが生じ易くなる。なお、原
料としては、珪砂、珪灰石の他、ジルコンサンド、カリ
長石等の原料の副成分を利用できる。
良いスラグを形成する成分であるが、ワイヤ全重量に対
して、1.5%未満ではその効果は発揮されず、3.0
%を超えるとスラグの焼付きが生じ易くなる。なお、原
料としては、珪砂、珪灰石の他、ジルコンサンド、カリ
長石等の原料の副成分を利用できる。
【0007】ZrO2 はスラグの融点調整及び粘性調整
に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して、0.3
%未満ではその効果は見られず、1.0%を超えるとス
ラグの融点が高くなりすぎ凝固が速くなりビード形状が
劣化する。また、スラグの粘性が劣化しスパッタ量が増
大する。
に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して、0.3
%未満ではその効果は見られず、1.0%を超えるとス
ラグの融点が高くなりすぎ凝固が速くなりビード形状が
劣化する。また、スラグの粘性が劣化しスパッタ量が増
大する。
【0008】Al2 O3 はスラグの融点調整及びスラグ
の剥離性を良化するに必要な成分であるが、ワイヤ全重
量に対して、0.1%未満ではその効果は見られず、
1.0%を超えるとZrO2 と同様にスラグの融点が高
くなりすぎ凝固が速くなりビード形状が劣化する。
の剥離性を良化するに必要な成分であるが、ワイヤ全重
量に対して、0.1%未満ではその効果は見られず、
1.0%を超えるとZrO2 と同様にスラグの融点が高
くなりすぎ凝固が速くなりビード形状が劣化する。
【0009】Fe酸化物+Mn酸化物はスラグの粘性調
整に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して、0.
2%未満ではその効果は見られず、1.2%を超えると
スラグの粘性が低下しビード全体を被包する事が困難と
なる。
整に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して、0.
2%未満ではその効果は見られず、1.2%を超えると
スラグの粘性が低下しビード全体を被包する事が困難と
なる。
【0010】金属弗化物は耐ピット性、アーク状態調整
に必要に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して
0.05%未満では耐ピット性が確保できない。また、
0.3%を超えると、アークが不安定となりスパッタが
増大する。金属弗化物としては、NaF、LiF、Mg
F2 、K2 ZrF6 等を単独もしくは複合して用いる
が、標記範囲内であればその効果はほぼ同等である。
に必要に必要な成分であるが、ワイヤ全重量に対して
0.05%未満では耐ピット性が確保できない。また、
0.3%を超えると、アークが不安定となりスパッタが
増大する。金属弗化物としては、NaF、LiF、Mg
F2 、K2 ZrF6 等を単独もしくは複合して用いる
が、標記範囲内であればその効果はほぼ同等である。
【0011】本発明においてスラグ成分とは標記の酸化
物、金属弗化物等の非金属成分を意味する物であり、標
記の他にアーク状態の調整に用いるK2 O等、更にはこ
れらの原料からもたらされる不純物としてP、S等も含
まれる。これらを含めた全スラグ剤成分の合計がワイヤ
全重量に対して、4.0〜9.0%の範囲とする事が必
要であるが、これはスラグ成分が4.0%未満ではスラ
グ量が不足しビード全体を覆うことができずにビード形
状が劣化する。また、9.0%を超えるとスラグ量が過
剰となりスパッタ発生量が増大すると共に、スラグの巻
き込みが発生する恐れがある。
物、金属弗化物等の非金属成分を意味する物であり、標
記の他にアーク状態の調整に用いるK2 O等、更にはこ
れらの原料からもたらされる不純物としてP、S等も含
まれる。これらを含めた全スラグ剤成分の合計がワイヤ
全重量に対して、4.0〜9.0%の範囲とする事が必
要であるが、これはスラグ成分が4.0%未満ではスラ
グ量が不足しビード全体を覆うことができずにビード形
状が劣化する。また、9.0%を超えるとスラグ量が過
剰となりスパッタ発生量が増大すると共に、スラグの巻
き込みが発生する恐れがある。
【0012】金属剤とはNi、Cr、Mn、Fe、ステ
ンレス粉等をJIS Z3323YF−308Lに相当
するようにそれぞれを添加したワイヤに対する重量比の
合計値である。
ンレス粉等をJIS Z3323YF−308Lに相当
するようにそれぞれを添加したワイヤに対する重量比の
合計値である。
【0013】次に、オーステナイト系ステンレス鋼から
なるパイプの内部に充填するフラックスはワイヤ全重量
に対して18〜26%である。充填率が18%未満では
アークが不安定となると共に、溶適移行が劣化する。一
方、充填率が26%を超えると、フラックスの充填が困
難となると共に、ワイヤ加工時に断線が生じ易くなるた
め生産が困難となる。
なるパイプの内部に充填するフラックスはワイヤ全重量
に対して18〜26%である。充填率が18%未満では
アークが不安定となると共に、溶適移行が劣化する。一
方、充填率が26%を超えると、フラックスの充填が困
難となると共に、ワイヤ加工時に断線が生じ易くなるた
め生産が困難となる。
【0014】標記したTiO2 、SiO2 、ZrO2 、
Al2 O3 、Fe酸化物+Mn酸化物は、TiO2 <S
iO2 +ZrO2 かつ(SiO2 +Al2 O3 )/(F
e酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満足しなけれ
ばならない。これは、それぞれの添加量の比率を決定す
ることにより、スラグの物性を調整し溶接作業性を良好
にするからである。
Al2 O3 、Fe酸化物+Mn酸化物は、TiO2 <S
iO2 +ZrO2 かつ(SiO2 +Al2 O3 )/(F
e酸化物+Mn酸化物)=8以下の条件を満足しなけれ
ばならない。これは、それぞれの添加量の比率を決定す
ることにより、スラグの物性を調整し溶接作業性を良好
にするからである。
【0015】本発明のフラックス入りワイヤとは、図1
に示す様な断面形状のワイヤでパイプからなる外皮1に
よって充填フラックス2を被包したものである。外皮と
しては、設計上容易にできるSUS 304L系の外皮
を使用した。次に、本発明ワイヤのワイヤ径であるが、
市場に多く出回っている1.2mmφとする。また、本
発明ワイヤは、100%CO2 及びAr+20%CO2
のガスシールドアーク溶接に用い、下向及び水平すみ肉
溶接を主体に、立向上進及び下進の姿勢で溶接を行うこ
とができる。
に示す様な断面形状のワイヤでパイプからなる外皮1に
よって充填フラックス2を被包したものである。外皮と
しては、設計上容易にできるSUS 304L系の外皮
を使用した。次に、本発明ワイヤのワイヤ径であるが、
市場に多く出回っている1.2mmφとする。また、本
発明ワイヤは、100%CO2 及びAr+20%CO2
のガスシールドアーク溶接に用い、下向及び水平すみ肉
溶接を主体に、立向上進及び下進の姿勢で溶接を行うこ
とができる。
【0016】
【実施例】表1のオーステナイト系ステンレス鋼のパイ
プを用いて、表2ないし表5のそれぞれフラックス組成
及びフラックス充填率の異なるJIS Z3323 Y
F−308L相当のワイヤ径1.2mmφフラックス入
りワイヤを種々製造し、それらを用いてSUS 304
鋼(板厚9mm)の下向及び水平すみ肉溶接をDC−R
P 250A、34V、溶接速度40cm/min、1
00%CO2 、20リットル/minの溶接条件でガス
シールドアーク溶接を行い、各フラックス組成での溶接
作業性に及ぼす要因について検討した。
プを用いて、表2ないし表5のそれぞれフラックス組成
及びフラックス充填率の異なるJIS Z3323 Y
F−308L相当のワイヤ径1.2mmφフラックス入
りワイヤを種々製造し、それらを用いてSUS 304
鋼(板厚9mm)の下向及び水平すみ肉溶接をDC−R
P 250A、34V、溶接速度40cm/min、1
00%CO2 、20リットル/minの溶接条件でガス
シールドアーク溶接を行い、各フラックス組成での溶接
作業性に及ぼす要因について検討した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】表6において、本発明ワイヤであるNo.
1〜13は、アーク状態が良好で、スパッタ発生量が少
なく、スラグの被包・剥離性及びビード形状共に良好で
極めて満足しえるものであった。
1〜13は、アーク状態が良好で、スパッタ発生量が少
なく、スラグの被包・剥離性及びビード形状共に良好で
極めて満足しえるものであった。
【0023】
【表6】
【0024】比較例中のTiO2 量が不足したNo.1
4のワイヤは、スラグの被包・剥離性が悪くビード止端
部の揃いが悪かった。TiO2 量が過剰なNo.15の
ワイヤは、スラグの流動性が悪く溶滴移行が劣化しスパ
ッタ発生量が多かった。SiO2 量が不足したNo.1
6のワイヤは、スラグの被包性が悪くビード形状が劣化
した。
4のワイヤは、スラグの被包・剥離性が悪くビード止端
部の揃いが悪かった。TiO2 量が過剰なNo.15の
ワイヤは、スラグの流動性が悪く溶滴移行が劣化しスパ
ッタ発生量が多かった。SiO2 量が不足したNo.1
6のワイヤは、スラグの被包性が悪くビード形状が劣化
した。
【0025】SiO2 量が過剰なNo.17のワイヤ
は、ビード表面にスラグの焼付きを生じた。ZrO2 量
が不足したNo.18のワイヤは、スラグの被包性が悪
かった。ZrO2 量が過剰なNo.19のワイヤは、溶
滴移行が悪くスパッタ発生量が多かった。
は、ビード表面にスラグの焼付きを生じた。ZrO2 量
が不足したNo.18のワイヤは、スラグの被包性が悪
かった。ZrO2 量が過剰なNo.19のワイヤは、溶
滴移行が悪くスパッタ発生量が多かった。
【0026】Al2 O3 量の不足したNo.20のワイ
ヤは、スラグの粘性調整が悪く被包性が劣化した。Al
2 O3 量が過剰なNo.21のワイヤは、スラグの被包
性が劣化すると共にスパッタ発生量が多かった。
ヤは、スラグの粘性調整が悪く被包性が劣化した。Al
2 O3 量が過剰なNo.21のワイヤは、スラグの被包
性が劣化すると共にスパッタ発生量が多かった。
【0027】Fe酸化物+Mn酸化物量が不足したN
o.22のワイヤは、スラグの被包性が悪くビード形状
が劣化した。Fe酸化物+Mn酸化物量が過剰なNo.
23のワイヤは、スラグの粘性が低下しすぎてビード上
部の被包性が悪くアンダーカットが発生した。
o.22のワイヤは、スラグの被包性が悪くビード形状
が劣化した。Fe酸化物+Mn酸化物量が過剰なNo.
23のワイヤは、スラグの粘性が低下しすぎてビード上
部の被包性が悪くアンダーカットが発生した。
【0028】金属弗化物量が不足したNo.24のワイ
ヤは、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。金
属弗化物量が過剰なNo.25のワイヤは、アークの吹
付けが強くスパッタ発生量が多かった。
ヤは、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。金
属弗化物量が過剰なNo.25のワイヤは、アークの吹
付けが強くスパッタ発生量が多かった。
【0029】スラグ剤成分量が不足したNo.26のワ
イヤは、スラグ量が少なくビード全体を覆う事ができな
かった。スラグ剤成分量が過剰なNo.27のワイヤ
は、溶滴移行が悪くスパッタ発生量が多かった。フラッ
クス充填率の不足したNo.28のワイヤは、アークが
不安定となりスパッタ発生量が多かった。フラックス充
填率の過剰なNo.29のワイヤは、伸線加工中に断線
が多発し製造不可であった。
イヤは、スラグ量が少なくビード全体を覆う事ができな
かった。スラグ剤成分量が過剰なNo.27のワイヤ
は、溶滴移行が悪くスパッタ発生量が多かった。フラッ
クス充填率の不足したNo.28のワイヤは、アークが
不安定となりスパッタ発生量が多かった。フラックス充
填率の過剰なNo.29のワイヤは、伸線加工中に断線
が多発し製造不可であった。
【0030】これらの結果を表6にまとめて示す。な
お、表6の溶接作業性評価は、良好な場合を○、若干問
題がある場合を△、実用に供し得ない場合を×と判定し
た。
お、表6の溶接作業性評価は、良好な場合を○、若干問
題がある場合を△、実用に供し得ない場合を×と判定し
た。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のオーステ
ナイト系ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接用フラ
ックス入りワイヤによれば、特に高入熱条件使用時にお
いて、ア−クが安定で、スパッタの発生量が少なく、ス
ラグの被包剥離性が良好な、溶接作業性に優れたフラッ
クス入りワイヤを提供することができ、作業能率に大き
く貢献するものである。
ナイト系ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接用フラ
ックス入りワイヤによれば、特に高入熱条件使用時にお
いて、ア−クが安定で、スパッタの発生量が少なく、ス
ラグの被包剥離性が良好な、溶接作業性に優れたフラッ
クス入りワイヤを提供することができ、作業能率に大き
く貢献するものである。
【図1】フラックス入りワイヤの断面形状を示す模式図
1 外皮 2 充填フラックス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石坪 紀久雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 渡邊 大祐 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フ
ラックス入りワイヤにおいて、ステンレス鋼からなる外
皮内にワイヤ全重量に対して、 TiO2 :0.8〜2.4%、 SiO2 :1.5〜3.0%、 ZrO2 :0.3〜1.0%、 Al2 O3 :0.1〜1.0%、 Fe酸化物+Mn酸化物:0.2〜1.2%、 金属弗化物:0.05〜0.3%、 スラグ剤成分の合計:4.0〜9.0%、 フラックスの充填率:18〜26% 更に、TiO2 <SiO2 +ZrO2 かつ(SiO2 +
Al2 O3 )/(Fe酸化物+Mn酸化物)=8以下の
条件を満足し、高入熱でも低スパッタ、スラグの被包剥
離性が良好となることを特徴とするオーステナイト系ス
テンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5112197A JPH10230391A (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5112197A JPH10230391A (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10230391A true JPH10230391A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=12877982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5112197A Withdrawn JPH10230391A (ja) | 1997-02-20 | 1997-02-20 | オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10230391A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100412044B1 (ko) * | 2001-11-29 | 2003-12-18 | 고려용접봉 주식회사 | 오스테나이트계 스테인리스 플럭스 코어드 와이어 |
JP2008246507A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Kobe Steel Ltd | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
CN102229029A (zh) * | 2011-05-30 | 2011-11-02 | 中冶焊接科技有限公司 | 一种奥氏体不锈钢全位置焊接用药芯焊丝 |
-
1997
- 1997-02-20 JP JP5112197A patent/JPH10230391A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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