JPH10230169A - 光触媒粉末、二酸化チタン微粒子の製造方法、塗料、建材 - Google Patents

光触媒粉末、二酸化チタン微粒子の製造方法、塗料、建材

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JPH10230169A
JPH10230169A JP9250905A JP25090597A JPH10230169A JP H10230169 A JPH10230169 A JP H10230169A JP 9250905 A JP9250905 A JP 9250905A JP 25090597 A JP25090597 A JP 25090597A JP H10230169 A JPH10230169 A JP H10230169A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境中の有害物質除去および環境浄化に適し
た、光触媒活性が高い二酸化チタン、塗料、および建材
を得る。 【解決手段】ALCパネル1の凹凸11b面に、酸化チ
タン微粒子を含有する塗膜2を形成することにより、建
材10を得る。この塗膜2は、シリコーン系樹脂液に酸
化チタン微粒子を分散混合したものである。酸化チタン
微粒子の含有率は塗料の全固形分の50〜75重量%と
する。二酸化チタン微粒子としては、結晶子径が6nm
以上20nm未満であり、且つ比表面積が130〜35
0m2 /gであるものを用いる。このような二酸化チタ
ン微粒子は、硫酸法で二酸化チタンを得る場合に、含水
酸化チタンの加熱処理温度を100℃以上400℃以下
とすることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境中の有害物質
(例えば、大気中の窒素酸化物・硫黄酸化物・有機塩素
化合物・悪臭物質・汚れ成分等、水中の有機塩素化合物
・悪臭物質・着色成分等)の除去と、アオコ等の藻類増
殖抑制、抗菌・抗ウィルス・抗黴等の環境浄化に対し
て、高い光触媒機能を発揮することができる光触媒粉末
に関する。また、このような光触媒粉末として好適な二
酸化チタン微粒子の製造方法、さらには、このような光
触媒粉末の光触媒作用が最大限に発揮できる塗料および
建材に関する。
【0002】
【従来の技術】大都市などの交通量の激しい道路周辺で
は、自動車の排気ガスによって大気中に含まれる窒素酸
化物(NOX )濃度が高く、深刻な問題となっている。
そのため、発生源である自動車側で排気ガス対策がなさ
れているが、これだけでは不十分であり、従来より、大
気中に放出された窒素酸化物を効果的に除去する方法が
求められ、種々の方法が提案されている。
【0003】例えば、特開平7−331120号公報に
は、光触媒作用により窒素酸化物を除去する作用を有す
る塗料(チタニア(二酸化チタン)微粒子を含む塗料)
を、窒素酸化物を含む大気中に晒される構造物に塗布す
ることが記載されている。また、特開平6−31561
4号公報には、二酸化チタンを含む粉末をフッ素樹脂な
どのバインダに混合してシート状やパネル状に成形し、
このシートやパネルを、建材の窒素酸化物を含む大気中
に晒される面に張り付けることが記載されている。
【0004】化合物半導体である二酸化チタンには以下
のような性質がある。すなわち、酸化チタンの粒子に紫
外線を照射すると、電子が励起されて価電子帯から伝導
帯に移動し、価電子帯に正孔が生じる。伝導帯に移動し
た電子は強い還元能を有し、価電子帯に生じた正孔は強
い酸化能を有するため、これらと大気中の酸素や水が結
合して、水酸ラジカルなどの強力な酸化剤が生じ、これ
が二酸化チタン粒子の表面に存在するようになる。
【0005】したがって、窒素酸化物を含む大気中に二
酸化チタン粒子が存在すると、窒素酸化物はこの水酸ラ
ジカルにより酸化されて硝酸となる。また、硝酸は雨水
などによって容易に二酸化チタン粒子の表面から洗い流
されるため、二酸化チタンの光触媒活性は容易に再生さ
れる。
【0006】このように、二酸化チタンの粒子を、構造
物や建材の窒素酸化物を含む大気中に晒される面に存在
させることにより、大気中に放出された窒素酸化物を除
去することが理論的に可能であることは公知である。
【0007】また、従来の窒素酸化物除去用の光触媒粉
末を構成する二酸化チタン粒子としては、触媒学会の参
照光触媒となっているP−25(Degussa社製:
結晶子径20nm、比表面積78m2/g;本発明者に
よる測定値)が挙げられる。
【0008】さらに、二酸化チタン粒子の光触媒作用
は、窒素酸化物以外の有害物質を浄化する場合にも有効
であることが確認されている。例えば、「表面科学 1
6,3,206−208(1995)」では、P−25
をハニカムに担持してアセトアルデヒドが分解されるこ
とを報告している。また、「染料と薬品 40,2,4
4−58(1995)」では,P−25が水中の有害有
機物質の分解に有効であることを報告している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際
に、前述のようにして大気中の窒素酸化物を除去する場
合には、使用する二酸化チタンの性状や粒径、二酸化チ
タン粒子を構造物等の表面に存在させるためのバインダ
(酸化チタンを塗料に含有させる場合には塗料の塗膜形
成成分)の種類、二酸化チタンを存在させる構造物の材
質等に応じて、二酸化チタンが発揮する光触媒作用の大
きさは著しく異なる。すなわち、大気中に放出された窒
素酸化物を二酸化チタンの光触媒作用を利用して除去す
る方法は、実用的な技術として確立されてはいないもの
である。
【0010】また、大気中の窒素酸化物除去以外の環境
中の有害物質の除去や環境浄化に関しても、より高い光
触媒作用を発揮できる二酸化チタンが求められている。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなさ
れたものであり、二酸化チタンの光触媒作用を利用して
環境中の有害物質除去および環境浄化を行う方法におい
て、光触媒活性をより高くすること、光触媒活性をより
長時間持続させること、光触媒作用が最大限に発揮でき
るようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、結晶子径が6nm以上20nm未満であ
り、且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gで
ある二酸化チタン微粒子を含有することを特徴とする光
触媒粉末を提供する。ここで、結晶子径とは、X線回折
データよりSchellerの式を用いて算出される結晶の基本
粒径のことを意味する。
【0012】結晶子径が6nm以上20nm未満であ
り、且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gで
あるアナターゼ型の二酸化チタン微粒子は、窒素酸化物
を除去する光触媒としての活性が非常に高い。すなわ
ち、二酸化チタンの光触媒活性は粒径が小さいほど大き
くなるが、結晶子径が6nm未満であると、量子サイズ
効果により、光触媒作用を効果的に発揮する照射波長が
短波長域に移行するため、特殊な光源が必要となり、大
気中に露出して使用する場合には好ましくない。
【0013】したがって、本発明の光触媒粉末は、大気
中に露出して使用する場合に、窒素酸化物等の環境中の
有害物質除去および環境浄化用の光触媒としての活性が
特に高いものとなる。
【0014】本発明はまた、硫酸チタニル水溶液に種子
結晶(結晶核となる二酸化チタン)を添加して加水分解
することにより含水酸化チタンを得、得られた含水酸化
チタンを加熱して結晶水を除去した後、粉砕して二酸化
チタンの微粒子を得る二酸化チタン微粒子の製造方法
(硫酸法)において、種子結晶としてアナターゼ型の二
酸化チタンを用い、結晶水除去のための加熱処理を10
0℃以上400℃以下の温度で行うことを特徴とする二
酸化チタン微粒子の製造方法を提供する。
【0015】これにより、結晶子径が6nm以上20n
m未満であり、且つ比表面積が130m2 /g〜350
2 /gであるアナターゼ型の二酸化チタンが得られ
る。なお、前記加熱処理温度は110〜350℃である
ことが好ましく、110〜150℃であることがより好
ましい。
【0016】本発明の方法において、硫酸チタニル水溶
液の濃度をTiO2 換算で230〜300g/リットルと
し、種子結晶の添加率を硫酸チタニルのTiO2 換算値
に対して0.2〜5重量%とし、硫酸チタニル水溶液の
加水分解処理時間を1〜6時間とし、粉砕方法として、
衝撃粉砕機による粉砕、流体粉砕機による過熱圧縮空気
を用いた粉砕、および流体粉砕機による過熱圧縮蒸気を
用いた粉砕のうちのいずれかの方法を採用することが好
ましい。
【0017】粉砕条件としては、衝撃粉砕機の場合に
は、粉砕ハンマーの周速度が80m/sec程度とする
ことが好ましく、流体粉砕機による過熱圧縮空気粉砕の
場合には、粉砕圧力を5〜8.5kg/cm2 とするこ
とが好ましく、流体粉砕機による過熱圧縮蒸気粉砕の場
合には、粉砕圧力を8.5〜12kg/cm2 とするこ
とが好ましい。粉砕方法としては粉砕強度が大きい方法
を採用することが好ましく、前記三つの粉砕方法のう
ち、流体粉砕機による過熱圧縮蒸気を用いた粉砕が最も
好ましく、流体粉砕機による過熱圧縮空気を用いた粉砕
が次に好ましい。
【0018】種子結晶とするアナターゼ型の二酸化チタ
ンは、所定濃度の硫酸チタニル水溶液をアルカリ中和
後、熟成することによりスラリー状で得ることができ
る。例えば、濃度がTiO2 換算で200〜300g/
リットルの硫酸チタニル水溶液をアルカリにより中和後、熟
成することにより、予め10〜50g/リットルのアナター
ゼ型の二酸化チタンを含むスラリーを得る。そして、こ
のスラリーを、濃度がTiO2 換算で230〜300g
/リットルの硫酸チタニル水溶液に対して、スラリー中のT
iO2 が、硫酸チタニルのTiO2 換算値に対して0.
2〜5重量%となる比率で添加した後に、加水分解処理
を行う。
【0019】前記中和処理に用いるアルカリ源として
は、種々のアルカリが使用可能であるが、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニウム、ア
ンモニアを用いることが好ましい。
【0020】本発明はまた、結晶子径が6nm以上20
nm未満であり且つ比表面積が130m2 /g〜350
2 /gである二酸化チタン微粒子の少なくとも表面に
(すなわち、表面のみか表面と内部の両方に)、SiO
2 が0.1重量%以上5重量%以下の割合で存在してい
る複合微粒子を含有することを特徴とする光触媒粉末を
提供する。
【0021】前記複合微粒子は、本発明の方法でアナタ
ーゼ型の二酸化チタンを得る方法を採用し、加水分解を
硫酸チタニル水溶液に種子結晶とともに珪素化合物を添
加して行うか、加水分解して得られた含水酸化チタン中
に珪素化合物を添加して中和する工程を加えることによ
り得ることができる。
【0022】添加する珪素化合物としてはシリカゾルや
有機珪素化合物が好ましい。中和剤に用いるアルカリ源
としては、種々のアルカリが可能であるが、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニウム、
アンモニアを用いることが好ましい。
【0023】本発明はまた、結晶子径が6nm以上20
nm未満であり且つ比表面積が130m2 /g〜350
2 /gである二酸化チタン微粒子の少なくとも表面に
(すなわち、表面のみか表面と内部の両方に)、Al2
3 が0.1重量%以上5重量%以下の割合で存在して
いる複合微粒子を含有することを特徴とする光触媒粉末
を提供する。
【0024】前記複合微粒子は、本発明の方法でアナタ
ーゼ型の二酸化チタンを得る方法を採用し、加水分解を
硫酸チタニル水溶液に種子結晶とともにアルミニウム化
合物を添加して行うか、加水分解して得られた含水酸化
チタン中にアルミニウム化合物を添加して中和する工程
を加えることにより得ることができる。
【0025】添加するアルミニウム化合物としては、酸
性化合物であればいずれでも良いが、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、アルミナゾルが好ましい。中和
剤に用いるアルカリ源としては、種々のアルカリが可能
であるが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸アンモニウム、アンモニアを用いることが好ま
しい。
【0026】本発明はまた、結晶子径が6nm以上20
nm未満であり且つ比表面積が130m2 /g〜350
2 /gである二酸化チタン微粒子が、多孔質粒子の表
面に固定されている複合微粒子を含有することを特徴と
する光触媒粉末を提供する。
【0027】前記複合微粒子は、本発明の方法でアナタ
ーゼ型の二酸化チタンを得る方法を採用し、加水分解を
硫酸チタニル水溶液に種子結晶とともに多孔質粒子を添
加して行うか、加水分解して得られた含水酸化チタン中
に多孔質粒子を添加する工程を加えるか、加水分解の代
わりに硫酸チタニル水溶液に種子結晶とともに多孔質粒
子を添加して中和処理を行うことにより得ることができ
る。
【0028】添加する多孔質粒子としては、例えば、ゼ
オライト、シリカゲル、活性炭、シラスバルーンなどが
挙げられる。複合微粒子中の多孔質粒子の含有率は、複
合微粒子全重量の1重量%〜99.9重量%の範囲とす
ることが好ましい。
【0029】本発明はまた、オルガノアルコキシシラン
の部分加水分解縮合物を含有するシリコーン樹脂液に、
請求項1および請求項4〜6の少なくともいずれか一つ
に記載の光触媒粉末が分散混合されていることを特徴と
する塗料を提供する。この塗料によれば、オルガノポリ
シロキサンからなるシリコーン樹脂に光触媒粉末が分散
した塗膜が得られるため、屋外における塗膜の耐久性が
高く、光触媒作用が長期に渡って発揮される。
【0030】本発明の塗料は、前記シリコーン樹脂液
が、オルガノアルコキシシランの部分加水分解縮合物
を、全オルガノアルコキシシランの20重量%以上の割
合で含有するものであることが好ましい。この含有率が
20重量%未満であると、塗料としての安定性(例えば
貯蔵安定性)が低下する。
【0031】本発明の塗料は、前記シリコーン樹脂液が
シリカ系微粒子を含有するものであることが好ましい。
本発明の塗料は、溶剤を除いた全重量に対する光触媒粉
末の含有率は30〜80重量%であることが好ましい。
この含有率が30重量%未満であると、光触媒粉末によ
る窒素酸化物の除去効果が不十分であり、80重量%を
超えると、相対的に塗膜形成成分の含有量が少なくすぎ
て塗膜が形成されなくなる。光触媒粉末の含有率の好ま
しい範囲は50〜75重量%であり、より好ましい範囲
は60〜75重量%である。
【0032】本発明の塗料は、活性炭および/または四
酸化三鉄(Fe3 4 )からなる微粒子を含有すること
が好ましい。この微粒子は、光触媒粉末との合計量に対
して0.5〜20重量%となる割合(光触媒粉末に対す
る置換率)で含有していることが好ましく、この含有率
は1.0〜10重量%であることがより好ましい。
【0033】本発明はまた、表面が凹凸状に形成された
板材の凹凸状表面に、酸化チタン微粒子を含有する塗料
を塗布して形成したことを特徴とする建材を提供する。
この酸化チタンは、TiO2 および/またはTiO(O
H)2 を意味する。
【0034】本発明はまた、表面が凹凸状に形成された
板材の凹凸状表面に、請求項7〜11のいずれか一つに
記載の塗料を塗布して形成したことを特徴とする建材を
提供する。
【0035】前記板材としては、ALCパネル(Autocl
aved Light Weight Concrete Panel:セメントペースト
に発泡剤を加えオートクレーブ養生を行って製造される
軽量気泡コンクリート板)が挙げられる。このALCパ
ネルは、発泡により内部は多孔質に形成され、表面は凹
凸状に形成されている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は本発明の一実施形態に相当する建材の
概略断面図であり、図2はその部分拡大図である。
【0037】これらの図に示すように、この建材10
は、長方形のALCパネル(板材)1と、その表面に形
成された光触媒用の酸化チタン微粒子を含有する塗膜2
とで構成される。ALCパネル1の内部には発泡に伴う
多数の孔14が存在し、各面11,12には発泡に伴う
凹凸11b,12bが存在している。このALCパネル
1の一方の面11全体、他方の面12の縁部12a、お
よび四つの端面13に、光触媒用の酸化チタン微粒子を
含有する塗料を塗布して、塗膜2を形成した。
【0038】前記塗料としては、結晶子径(X線回折デ
ータよりSchellerの式を用いて算出される結晶の基本粒
径)が例えば9.0nm以下であり、BET一点法によ
る比表面積が例えば290m2 /g以上である酸化チタ
ン微粒子がシリコーン系樹脂液に分散混合され、塗料の
溶剤を除いた全重量に対する酸化チタン微粒子の含有率
が例えば80重量%であるものを使用する。
【0039】したがって、この建材10を、塗膜2が形
成された凹凸状の面11が窒素酸化物を含む大気中に晒
されるように設置することにより、表面が平らな面に同
じ塗膜が形成されている場合よりも表面積が大きい分だ
け大気中の窒素酸化物が塗膜2に接触しやすくなるた
め、大気中の窒素酸化物を効果的に除去することができ
る。
【0040】なお、前記実施形態では、表面が凹凸状に
形成された板材としてALCパネル1を使用している
が、これに限定されず、吸音板や遮音板として通常使用
されている板材、また、インターロッキングブロック等
でもよい。
【0041】
【実施例】次に、具体的な実施例について説明する。 <実施例A> 〔塗料〕塗料に分散させる酸化チタン微粒子として、下
記の8種類を用意した。
【0042】DN−21A(1) DN−21A(2) DN−1−0 DN−S1 DN−1 DN−7 FA−55W P−25 〜は古河機械金属(株)の商品名、はDegussa 社
の商品名である。
【0043】なお、〜は硫酸法により作製されたも
のであり、最高処理温度(粉砕前の加熱処理温度)がそ
れぞれ異なる。また、との違いは、乾燥後の粉砕圧
力がでは6.5kg/cm2 (過熱圧縮空気による粉
砕)であるのに対して、では9.5kg/cm2 (過
熱圧縮蒸気による粉砕)である。〜の乾燥後の粉砕
圧力はと同じである。
【0044】前記各酸化チタンの結晶状態を調べるため
にX線回折を行った。その結果を図3に示す。また、得
られたX線回折データからSchellerの式を用いて結晶子
径を算出した。また、マイクロメトリック社のFLow Sor
b2-2300 を用い、BET一点法による比表面積を測定し
た。その結果を下記の表1に示す。また、表1には、製
造工程中での最高処理温度(粉砕前の加熱処理温度)を
併せて示す。
【0045】
【表1】
【0046】図3から分かるように、は、2θ=2
5.3付近にアナターゼ型結晶構造に起因するピーク
が、2θ=27.5付近にルチル型結晶構造に起因する
ピークが見られる。(),〜は、ルチル型結晶
構造に起因するピークは見られず、アナターゼ型結晶構
造に起因するピークのみが見られる。また、最高処理温
度が高くなるに従ってアナターゼ型結晶構造に起因する
ピークがシャープになり、結晶性が高くなることが分か
る。また、最高処理温度が低いほど結晶子径は小さく、
比表面積は大きくなっていることが分かる。
【0047】なお、酸化チタンは顔料用であって、比
表面積は8m2 /g、結晶子径は118nm、結晶型は
アナターゼ型である。一方、酸化チタン微粒子を分散さ
せる樹脂液として、オルガノアルコキシシランの加水分
解縮合物を全オルガノアルコキシシランに対して40重
量%含むシリコーン系樹脂液((株)トウペ製 ポーセ
リン♯200 クリヤー)を用意した。
【0048】この樹脂液と前述の各酸化チタンを、湿式
分散機で十分に混合することにより、酸化チタン微粒子
を含有する塗料を作製した。この時、塗料の固形分全重
量に対する酸化チタン微粒子の含有率が、下記の表2に
示す各設定値(「微粒子含有率」の項に記載)となるよ
うに混合した。 〔板材〕前述の塗料を塗布する板材として、日本シポレ
ックス工業(株)のALCパネル(平面寸法300mm
×50mm)を用意した。このALCパネルは全面がm
m単位の凹凸状になっていて、その凹凸が目視で分か
る。
【0049】また、比較のために、同じ形状のコンクリ
ートパネルで、表面が目視では平滑面に見えるものを用
意した。 〔建材〕下記の表2に示す組合せで、板材の表面(前記
実施形態と同様の部分)に塗料を塗布量150g/m2
で塗布することにより、各種建材(実験No. 1〜12)
を作製した。また、比較のために、前記ALCパネルで
塗装しないもの(実験No. 13)、酸化チタンを70
重量%含むフッ素樹脂製シートを前記板材と同じ形状の
スレートの表面に固定したもの(実験No. 14)、酸化
チタンを50重量%の割合で石膏またはセメントに直
接混合したものを前記スレート上で硬化させたもの(実
験No. 15,16)を用意した。 〔評価〕各建材による窒素酸化物の除去効果を評価する
ための実験を、図4に示す実験装置を用いて行った。
【0050】この実験装置は、定量エアーポンプ3、相
対湿度調整部4、ガス流量調節弁5、一酸化窒素の標準
ガス(NO濃度75ppm)が入ったボンベ6、反応ガス
混合器7、反応セル9、反応セル9の入口側と出口側の
三方バルブ81,82、バイパス配管83、温湿度計1
5、化学発光式の窒素酸化物濃度計16、およびブラッ
クライト蛍光ランプ(20W)17で構成されている。
【0051】反応セル9は、上側が開放された建材10
を収める容器91と、この容器91の蓋となる透明石英
ガラス板92とで構成され、容器91に気体導入口91
aと気体排出口91bとを備えている。バイパス配管8
3は、反応ガス混合器7から出た気体を反応セル9を通
さないで窒素酸化物濃度計16に導入するためのもので
あり、両三方バルブ81,82の間に接続されている。
また、ブラックライト蛍光ランプ17は、反応セル9の
上方に設置されている。
【0052】この実験装置の反応セル9内に、塗膜2側
を上にして測定対象の建材10を設置し、常温常圧下
で、以下の方法により窒素酸化物の除去率の測定を行っ
た。 定量エアーポンプ3により取り込んで相対湿度調整部
4を通した空気と、ボンベ6からの一酸化窒素の標準ガ
スを、各流量に調整されたガス流量調節弁5を通して反
応ガス混合器7に導入することにより、入口側の三方バ
ルブ81を介して建材10が設置された反応セル9内
に、相対湿度50%、一酸化窒素濃度0.4ppmの反
応ガスを毎分4リットル流す。 これと同時に、ブラックライト蛍光ランプ17を発光
させて反応セル9の上面に紫外線を照射し、建材10の
塗膜2に含まれる酸化チタンの光触媒作用による一酸化
窒素の酸化反応を生じさせる。このとき、建材10の表
面への紫外線照射強度が1mW/cm2 となるようにす
る。 各三方バルブ81,82を切り換えて、反応セル9の
入口と出口における通気ガス中の一酸化窒素濃度を、そ
れぞれ窒素酸化物濃度計16で測定する。測定値から、
反応セル9内での反応による一酸化窒素除去率を求め
る。 測定を終えた建材10を反応セル9より取り出し、1
リットルのイオン交換水を入れて光を遮蔽したメスシリ
ンダー内に5分間浸積させることにより、前記反応に伴
い酸化チタンに保持されている硝酸を溶出させる。 硝酸の溶出を終えた建材10を乾燥させ、〜の操
作により再度、反応セル9の入口と出口における通気ガ
ス中の一酸化窒素濃度を測定し、一酸化窒素除去率を求
めて、水洗浄による光触媒活性の再生を確認する。
【0053】各建材について、紫外線照射時点から1時
間毎に〜を行い、反応セル9の入口と出口における
通気ガス中の一酸化窒素濃度を、1回目および2回目
(洗浄乾燥後)について測定し、それぞれNO除去率を
算出した。これを紫外線照射時間(反応時間)が18時
間になるまで続けた。その結果を、1回目については下
記の表3に、2回目については下記の表4にそれぞれ示
す。また、各NO除去率の18時間での平均値を、各建
材の構成と共に下記の表2に併せて示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】表2において、実験No. 2と実験No. 5と
の比較により、同じ構成の塗料であっても、コンクリー
トパネルの平滑面に塗布した場合とALCパネルの凹凸
面に塗布した場合とでは、NO除去率が倍以上に高くな
ることが分かる。
【0058】実験No. 1〜4の比較により、同じALC
パネルに塗布されていても塗料の酸化チタン微粒子含有
率が高いほどNO除去率が高くなることが分かる。実験
No. 4と実験No. 6との比較により、粉砕圧力以外は全
く同じ製造方法である酸化チタン微粒子とである
が、粉砕圧力の高い酸化チタン微粒子を含む塗料を塗
布した実験No. 6の方がNO除去率が高く、粉砕圧力が
大きいとNO除去率が高くなることが分かる。
【0059】実験No. 2,No. 7〜12の比較により、
同じALCパネルに塗布されていても塗料の酸化チタン
微粒子の種類によってNO除去率が異なり、結晶子径が
小さいほどNO除去率が高くなることが分かる。
【0060】実験No. 2,No. 7〜10の比較により、
同じALCパネルに塗布されていても塗料の酸化チタン
微粒子の種類によってNO除去率が異なり、同じアナタ
ーゼ型のみの結晶構造であっても、最高処理温度がより
低いもの(結晶性が低いもの)ほどNO除去率が高くな
ることが分かる。
【0061】実験No. 2と実験No. 14との比較によ
り、同じ含有率で酸化チタン微粒子を含有していてもバ
インダがシリコーン樹脂であるNo. 2の方が、バインダ
がフッ素樹脂であるNo. 14よりもNO除去率が高くな
るとともに、水洗浄による光触媒作用の再生が容易であ
ることが分かる。
【0062】実験No. 1と実験No. 15および16との
比較により、同じ含有率で酸化チタン微粒子を含有して
いてもバインダがシリコーン樹脂であるNo. 1の方が、
バインダがセメントであるNo. 15およびバインダが石
膏であるNo. 16よりも、NO除去率が高くなることが
分かる。
【0063】また、バインダがセメントや石膏である場
合には、酸化チタン微粒子の含有率を50重量%以上に
することが難しいが、シリコーン樹脂をバインダとすれ
ば酸化チタン微粒子の含有率を80重量%にすることも
可能であり、シリコーン樹脂をバインダとして使用する
ことの有効性が分かる。
【0064】このように、塗料に含有させる酸化チタン
微粒子の性状や粒径、当該微粒子を構造物等の表面に存
在させるためのバインダの種類、酸化チタン微粒子を存
在させる構造物の材質等に応じて、光触媒作用の大きさ
は著しく異なるが、この実施例では、実際に、NO除去
率が80%以上となる優れた建材を得ることができた。 <実施例B> 〔光触媒粉末の製造〕 実施例1 先ず、濃度がTiO2 換算で245g/リットルの硫酸チタ
ニル水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和処
理後、熟成することにより、アナターゼ型の二酸化チタ
ン(種子結晶)を30g/リットル含むスラリーを得た。こ
のスラリーを、濃度がTiO2 換算で230g/リットルの
硫酸チタニル水溶液に、硫酸チタニルのTiO2 換算値
に対してスラリー中のTiO2 が0.2重量%の比率と
なるように添加した。
【0065】この種子結晶を含む硫酸チタニル水溶液1
リットルを105℃に加熱して、5時間保持することにより
加水分解を行った。加水分解により得られた含水酸化チ
タンスラリーを洗浄して濾過した後、固形物を110℃
で24時間加熱処理することにより含水酸化チタンから
結晶水の除去を行った。加熱処理後の固形物を、衝撃粉
砕機(不二パウダル(株)製アトマイザーAII−5型)
を用い、粉砕ハンマーの周速度80m/secの条件で
粉砕することにより、光触媒粉末(試料1)を得た。 実施例2 加熱処理条件を150℃で16時間としたこと以外は、
実施例1と同様に処理して光触媒粉末(試料2)を得
た。 実施例3 加熱処理条件を350℃で2時間としたこと以外は、実
施例1と同様に処理して光触媒粉末(試料3)を得た。 比較例1 加熱処理条件を530℃で2時間としたこと以外は、実
施例1と同様に処理して光触媒粉末(比較試料1)を得
た。 比較例2 加熱処理条件を600℃で2時間としたこと以外は、実
施例1と同様に処理して光触媒粉末(比較試料2)を得
た。 比較例3 市販品であり、触媒学会の参照光触媒であるDegus
sa社のP−25を比較試料3とした。 実施例4 アナターゼ型の二酸化チタン(種子結晶)を含むスラリ
ーの添加率を、硫酸チタニルのTiO2 換算値に対する
スラリー中のTiO2 が2.0重量%となるようにした
こと以外は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試
料2−A1)を得た。 実施例5 アナターゼ型の二酸化チタン(種子結晶)を含むスラリ
ーの添加率を、硫酸チタニルのTiO2 換算値に対する
スラリー中のTiO2 が5.0重量%となるようにした
こと以外は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試
料2−A2)を得た。 実施例6 加水分解処理条件を105℃で1時間としたこと以外
は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試料2−B
1)を得た。 実施例7 加水分解処理条件を105℃で3時間としたこと以外
は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試料2−B
2)を得た。 実施例8 粉砕を、流体粉砕機により過熱圧縮空気を用いた方法
で、粉砕圧力6.5kg/cm2 の条件で行ったこと以
外は、実施例1と同様に処理して光触媒粉末(試料1−
C1)を得た。この光触媒粉末は、実施例Aで示した酸
化チタン粒子(古河機械金属(株)の商品「DN−2
1A(1)」)に相当する。 実施例9 粉砕を、流体粉砕機により過熱圧縮蒸気を用いた方法
で、粉砕圧力9.5kg/cm2 の条件で行ったこと以
外は、実施例1と同様に処理して光触媒粉末(試料1−
C2)を得た。この光触媒粉末は、実施例Aで示した酸
化チタン粒子(古河機械金属(株)の商品「DN−2
1A(2)」)に相当する。 実施例10 粉砕を、流体粉砕機により過熱圧縮空気を用いた方法
で、粉砕圧力6.5kg/cm2 の条件で行ったこと以
外は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試料2−
C1)を得た。この光触媒粉末は、実施例Aで示した酸
化チタン粒子(古河機械金属(株)の商品「DN−1
−0」)に相当する。 実施例11 粉砕を、流体粉砕機により過熱圧縮蒸気を用いた方法
で、粉砕圧力9.5kg/cm2 の条件で行ったこと以
外は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試料2−
C2)を得た。 実施例12 硫酸チタニル水溶液中に、アナターゼ型の二酸化チタン
(種子結晶)を含むスラリーとともに珪酸エチル(テト
ラエトキシシラン)を添加して加水分解したこと以外
は、実施例2と同様に処理することにより光触媒粉末
(試料2−D1)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チ
タン微粒子の表面にSiO2 が付着している複合微粒子
の集合体であった。この複合微粒子中のSiO2 の存在
率は3重量%であった。 実施例13珪酸エチル(テトラエトキシシラン)の代わ
りに硫酸アルミニウムを添加して加水分解を行ったこと
以外は、実施例12と同様に処理することにより、光触
媒粉末(試料2−D2)を得た。この光触媒粉末は、二
酸化チタン微粒子の表面にAl2 3 が付着している複
合微粒子の集合体であった。この複合微粒子中のAl2
3 の存在率は3重量%であった。 実施例14 含水酸化チタンスラリー中に珪酸ナトリウムを添加した
後、アンモニア水を用いて中和処理した後、洗浄、濾過
を行ったこと以外は、実施例2と同様に処理することに
より光触媒粉末(試料2−E1)を得た。この光触媒粉
末は、二酸化チタン微粒子の表面にSiO2 が付着して
いる複合微粒子の集合体であった。この複合微粒子中の
SiO2 の存在率は3重量%であった。 実施例15 含水酸化チタンスラリー中に珪酸エチル(テトラエトキ
シシラン)の代わりに硫酸アルミニウムを添加して中和
処理を行ったこと以外は、実施例14と同様に処理する
ことにより、光触媒粉末(試料2−E2)を得た。この
光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子の表面にAl2 3
が付着している複合微粒子の集合体であった。この複合
微粒子中のAl2 3 の存在率は3重量%であった。 実施例16 硫酸チタニル水溶液の加水分解を、85℃〜95℃に加
温した50g/リットルのゼオライトスラリーに、実施例1
で得られた種子結晶を含む硫酸チタニル水溶液を滴下す
ることにより混合した状態で行うこと以外は、実施例2
と同様に処理して光触媒粉末(試料2−F1)を得た。
この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子がゼオライトの
表面に固定されている複合微粒子の集合体であった。こ
の複合微粒子中のゼオライトの存在率は50重量%であ
った。ゼオライトとしては比表面積が300m2 /gで
あるモルデナイトを使用した。 実施例17 ゼオライトスラリーの代わりに活性炭スラリーを用いた
こと以外は、実施例16と同様に処理して光触媒粉末
(試料2−F2)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チ
タン微粒子が活性炭の表面に固定されている複合微粒子
の集合体であった。この複合微粒子中の活性炭の存在率
は50重量%であった。活性炭としては比表面積が23
00m2 /gのものを使用した。 実施例18 ゼオライトスラリーの代わりにシリカゲルスラリーを用
いたこと以外は、実施例16と同様に処理して光触媒粉
末(試料2−F3)を得た。この光触媒粉末は、二酸化
チタン微粒子がシリカゲルの表面に固定されている複合
微粒子の集合体であった。この複合微粒子中のシリカゲ
ルの存在率は50重量%であった。シリカゲルとしては
比表面積が530m2 /gのものを使用した。 実施例19 ゼオライトスラリーの代わりにシラスバルーンスラリー
を用いたこと以外は、実施例16と同様に処理して光触
媒粉末(試料2−F4)を得た。この光触媒粉末は、二
酸化チタン微粒子がシラスバルーンの表面に固定されて
いる複合微粒子の集合体であった。この複合微粒子中の
シラスバルーンの存在率は50重量%であった。シラス
バルーンとしては比表面積が10m2 /gのものを使用
した。 実施例20 硫酸チタニル水溶液の加水分解処理に代えて、50g/
リットルのゼオライトスラリーに、pHが5〜7になるよう
に、実施例1で得られた種子結晶を含む硫酸チタニル水
溶液とアンモニアを同時に滴下して混合し、その後この
混合物のpHが8になるようにアンモニアを添加して中
和する中和処理を行った。そして、この中和処理後に洗
浄、濾過を行ったこと以外は、実施例2と同様に処理す
ることにより光触媒粉末(試料2−G1)を得た。
【0066】この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子が
ゼオライトの表面に固定されている複合微粒子の集合体
であった。この複合微粒子中のゼオライトの存在率は5
0重量%であった。ゼオライトとしては比表面積が30
0m2 /gであるモルデナイトを使用した。 実施例21 ゼオライトスラリーの代わりに活性炭スラリーを用いた
こと以外は、実施例20と同様に処理して光触媒粉末
(試料2−G2)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チ
タン微粒子が活性炭の表面に固定されている複合微粒子
の集合体であった。この複合微粒子中の活性炭の存在率
は50重量%であった。活性炭としては比表面積が23
00m2 /gのものを使用した。 実施例22 ゼオライトスラリーの代わりにシリカゲルスラリーを用
いたこと以外は、実施例20と同様に処理して光触媒粉
末(試料2−G3)を得た。この光触媒粉末は、二酸化
チタン微粒子がシリカゲルの表面に固定されている複合
微粒子の集合体であった。この複合微粒子中のシリカゲ
ルの存在率は50重量%であった。シリカゲルとしては
比表面積が530m2 /gのものを使用した。 実施例23 ゼオライトスラリーの代わりにシラスバルーンスラリー
を用いたこと以外は、実施例16と同様に処理して光触
媒粉末(試料2−G4)を得た。この光触媒粉末は、二
酸化チタン微粒子がシラスバルーンの表面に固定されて
いる複合微粒子の集合体であった。この複合微粒子中の
シラスバルーンの存在率は50重量%であった。シラス
バルーンとしては比表面積が10m2 /gのものを使用
した。 実施例24 加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーを洗浄
し、ろ過後の固形物にゼオライトを混合したこと以外
は、実施例2と同様に処理して光触媒粉末(試料2−H
1)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子が
ゼオライトの表面に固定されている複合微粒子の集合体
であった。この複合微粒子中のゼオライトの存在率は5
0重量%であった。ゼオライトとしては比表面積が30
0m2 /gであるモルデナイトを使用した。 実施例25 ゼオライトの代わりに活性炭を用いたこと以外は、実施
例24と同様に処理して光触媒粉末(試料2−H2)を
得た。この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子が活性炭
の表面に固定されている複合微粒子の集合体であった。
この複合微粒子中の活性炭の存在率は50重量%であっ
た。活性炭としては比表面積が2300m2 /gのもの
を使用した。 実施例26 ゼオライトの代わりにシリカゲルを用いたこと以外は、
実施例24と同様に処理して光触媒粉末(試料2−H
3)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子が
シリカゲルの表面に固定されている複合微粒子の集合体
であった。この複合微粒子中のシリカゲルの存在率は5
0重量%であった。シリカゲルとしては比表面積が53
0m2 /gのものを使用した。 実施例27 ゼオライトの代わりにシラスバルーンを用いたこと以外
は、実施例24と同様に処理して光触媒粉末(試料2−
H4)を得た。この光触媒粉末は、二酸化チタン微粒子
がシラスバルーンの表面に固定されている複合微粒子の
集合体であった。この複合微粒子中のシラスバルーンの
存在率は50重量%であった。シラスバルーンとしては
比表面積が10m2 /gのものを使用した。
【0067】以上の各実施例および比較例の光触媒粉末
の製造条件等を下記の表5にまとめて示す。なお、表5
において、粉砕方法の「*1」は衝撃粉砕機による粉砕
を示し、「*2」は流体粉砕機による過熱圧縮空気を用
いた粉砕を示し、「*3」は流体粉砕機による過熱圧縮
蒸気を用いた粉砕を示す。
【0068】また、複合方法の「*4」は、複合化する
物質を硫酸チタニル水溶液に添加して加水分解を行う方
法を示し、「*5」は複合化する物質を含水酸化チタン
中に添加して中和する方法を示し、「*6」は複合化す
る物質を硫酸チタニル水溶液に添加して加水分解を行う
方法を示し、「*7」は複合化する物質を硫酸チタニル
水溶液に添加して中和処理を行う方法を示し、「*8」
は複合化する物質を含水酸化チタン中に添加して混合す
る方法を示す。
【0069】
【表5】
【0070】〔光触媒粉末の物性〕前記各試料の結晶状
態を調べるためにX線回折を行った。比較試料3ではア
ナターゼ型結晶構造に起因するピークとルチル型結晶構
造に起因するピークの両方が見られたが、他の試料では
アナターゼ型結晶構造に起因するピークのみが見られ
た。
【0071】得られたX線回折データから、Schel
lerの式を用いて各試料のTiO 2 の結晶子径を算出
した。また、BET一点法により各試料の比表面積を測
定した。また、各試料中のTiO2 含有率を調べるため
に、JIS−K5116−6.4に従って分析した。
【0072】これらの結果を表6にまとめて示す。
【0073】
【表6】
【0074】実施例1、2、3、比較例1、2の比較か
ら、加熱処理温度が低いほど結晶子径は小さく、比表面
積は大きくなることが分かる。実施例1、2、3と比較
例3との比較では、実施例1、2、3は比較例3より結
晶子径が小さく、比表面積は大きくなることが分かる。
また、加熱処理温度が低いほど結晶性が低く、二酸化チ
タン微粒子の表面に水酸基が残留する程度が多くなっ
て、TiO2 含有率分が低くなることが分かる。
【0075】実施例2と実施例4、5の比較から、硫酸
チタニル水溶液中の種子結晶含有率を高くすると、結晶
子径はより小さく、比表面積はより大きくなることが分
かる。
【0076】実施例2と実施例6、7の比較から、加水
分解時間を短くすると、結晶子径はより小さく、比表面
積はより大きくなることが分かる。実施例1と実施例
8、9の比較から、粉砕強度を強くすると、結晶子径に
変化は見られないが、比表面積はより大きくなることが
分かる。
【0077】実施例2と実施例10、11の比較から、
粉砕強度を強くすると、結晶子径に変化は見られない
が、比表面積はより大きくなることが分かる。実施例2
と実施例12、13、14、15の比較から、TiO2
微粒子にSiO2 もしくはAl2 3 を複合化させた複
合微粒子は、同一条件で製造された単独のTiO2 微粒
子と比較して、TiO2 の結晶子径はやや小さくなる
が、比表面積は若干大きくなることが分かる。
【0078】実施例2と実施例16〜27の比較から、
TiO2 微粒子を多孔質粒子に複合化させた複合微粒子
は、同一条件で製造された単独のTiO2 微粒子と比較
した場合、TiO2 の結晶子径および複合微粒子の比表
面積は多孔質粒子の性状に大きく影響されることが分か
る。 〔評価〕前記各光触媒粉末による窒素酸化物の除去効果
を評価するための実験を、前述の図4に示す実験装置を
用いて行った。
【0079】ここでは、実施例Aと異なり、反応セル9
の容器91内に建材10に代えて、前記各光触媒粉末を
圧力10kg/cm2 で成形した円板状の成形体(厚さ
2mm、直径20mm、重量0.5g)を10枚並べて
収めた。そして、常温常圧下で、以下の方法により窒素
酸化物の除去率の測定を行った。 定量エアーポンプ3により取り込んで相対湿度調整部
4を通した空気と、ボンベ6からの一酸化窒素の標準ガ
スを、各流量に調節されたガス流量調節弁5を通して反
応ガス混合器7に導入することにより、入口側の三方バ
ルブ81を介して光触媒成形体10が設置された反応セ
ル9内に、相対湿度50%、一酸化窒素濃度0.4pp
mの反応ガスを毎分5リットル流す。 これと同時に、ブラックライト蛍光ランプ17を発光
させて反応セル9の上面に紫外線を照射し、酸化チタン
の光触媒作用による一酸化窒素の酸化反応を生じさせ
る。このとき、光触媒成形体10の表面への紫外線強度
が1mW/cm2 となるようにする。 各三方バルブ81、82を切り換えて、反応セル9の
入口と出口における通気ガス中の一酸化窒素(NO)濃
度をそれぞれ窒素酸化物濃度計16で測定する。出口濃
度については、紫外線照射時点から5時間後と10時間
後に測定する。測定値から、反応セル9内での反応によ
る一酸化窒素除去率を求める。
【0080】なお、一酸化窒素(NO)は光触媒成形体
10により酸化されるが、全ての一酸化窒素が硝酸(H
NO3 )までは酸化されずに一部が二酸化窒素(N
2 )として出口に到達するため、この二酸化窒素(N
2 )の出口濃度も測定する。また、一酸化窒素と二酸
化窒素の出口濃度の合計を窒素酸化物(NOx )出口濃
度として算出する。これらの結果を下記の表7および表
8に示す。表8の〔 〕内の数値は、光触媒粉末がTi
2 100%である場合の換算値を示す。
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】これらの結果から、実施例1、2、3、比
較例1、2、3の比較により、二酸化チタン微粒子の種
類によってNO、NOx 除去率が異なり、結晶子径が小
さいほどNO、NOx 除去率が高くなることが分かり、
実施例1、2、3は、比較例3のよりNO、NOx 除去
率が高くなること分かる。
【0084】実施例2と実施例4、5との比較により、
種子結晶添加率の高い硫酸チタニル水溶液から作製され
た二酸化チタン微粒子の方が、NO、NOx 除去率が高
くなることが分かる。
【0085】実施例2と実施例6、7との比較により、
硫酸チタニル水溶液の加水分解時間が短い方が、得られ
る二酸化チタン微粒子のNO、NOx 除去率は高くなる
ことが分かる。
【0086】実施例1と実施例8、9との比較により、
粉砕強度の強い粉砕方法で作製された二酸化チタン微粒
子の方が、NO、NOx 除去率が高くなることが分か
る。実施例2と実施例10、11との比較により、粉砕
強度の強い粉砕方法で作製された二酸化チタン微粒子の
方が、NO、NOx 除去率が高くなることが分かる。
【0087】実施例2と実施例12、13との比較によ
り、二酸化チタン微粒子とSiO2もしくはAl2 3
との複合微粒子は、二酸化チタン微粒子単体のものと比
較して、出口NO2 濃度が低く抑えられてNOx 除去率
が高くなり、NOx 除去効果がより長く持続することが
分かる。
【0088】実施例2と実施例14、15との比較によ
り、二酸化チタン微粒子とSiO2もしくはAl2 3
との複合微粒子は、二酸化チタン微粒子単体のものと比
較して、出口NO2 濃度が低く抑えられてNOx 除去率
が高くなり、NOx 除去効果がより長く持続することが
分かる。
【0089】実施例2と実施例16〜27との比較によ
り、二酸化チタン微粒子と多孔質粒子との複合微粒子
は、二酸化チタン微粒子単体のものと比較して、多孔質
粒子の吸着性能により出口NO2 濃度が低く抑えられて
NOx 除去率が高くなり、NOx 除去効果がより長く持
続することが分かる。 <実施例C>光触媒粉末として、実施例Aで挙げた古河
機械金属(株)のDN21−A(1)を用い、樹脂液と
して下記の表9に示す 1〜10のいずれかを用い、 No.2
0〜30では添加剤として、活性炭(太平科学産業
(株)製活性炭素、MA印)および/またはFe3 4
(和光純薬工業(株)製試薬、四三酸化鉄)からなる微
粒子を用い、浅田鉄工(株)製のペイントシェーカーで
十分に混合することにより、樹脂液に光触媒粉末(およ
び添加剤)が分散混合された塗料を作製した。
【0090】このとき、塗料の溶剤を除いた全重量に対
する光触媒粉末の含有率、添加剤の光触媒粉末に対する
置換率が、実験 No.毎に各設定値となるように調製し
た。なお、活性炭とFe3 4 微粒子の両方を添加する
場合には、両者が重量比で1:1となるように添加し
た。
【0091】
【表9】
【0092】なお、樹脂液〜はシリカ微粒子を含有
し、樹脂液はメチルシリケートおよびエチルシリケー
トを含有している。このようにして調製された塗料を、
表10に示す各板材の表面にエアスプレー塗装により塗
布量150g/m2 で塗布し、170度で20分間乾燥
することにより、表11に示す構成の各建材を作製し
た。なお、パネル〜は、下塗り塗料として(株)ト
ウペ製のエポキシ樹脂系塗料タイトプライマーを、予め
表面に塗布量150g/m2 で塗布して乾燥させたもの
を使用した。
【0093】
【表10】
【0094】得られた建材のNO除去率を、実施例Aと
同様にして評価した。また、各組成の塗料の状態につい
て、7日間常温の室内に静置した後の沈殿と変色を目視
にて調べ、沈殿や変色が全く生じなかった場合を
「○」、沈殿や変色が少し生じた場合を「△」、硬い沈
殿が生じたり著しい変色が生じた場合を「×」で表し
た。
【0095】また、建材表面の塗膜の状態を調べ、割
れ、膨れ、剥がれ等が全く生じなかった場合を「○」、
割れ、膨れ、剥がれ等が少し生じた場合を「△」、割
れ、膨れ、剥がれ等が明らかに生じた場合を「×」で表
した。また、塗膜の付着性をJIS−K5400−8.
5.3に規定するカットテープ法により調べ、10点法
で評価した。
【0096】また、耐水性として、各建材を常温の水に
1週間浸漬した後の塗膜の状態を、前記と同様にして調
べた。また、耐候性として、各建材を屋外に1カ月暴露
した後の塗膜の状態を、前記と同様にして調べた。
【0097】これらの試験の結果を下記の表11に併せ
て示す。
【0098】
【表11】
【0099】No.1〜10では、同じシリコーン樹脂液
を用い、光触媒粉末の添加量を変化させているが、光
触媒粉末の含有率が高いほどNO除去率が高くなるが、
80重量%を超えると塗膜が形成されなかった。また、
光触媒粉末の含有率が30重量%未満であると、NO除
去率が5%未満と低くなり、光触媒粉末による窒素酸化
物の除去効果が不十分であることが分かる。
【0100】したがって、塗料の溶剤を除いた全重量に
対する光触媒粉末の含有率は30〜80重量%であるこ
とが好ましい。また、塗膜の状態や耐水性および耐候性
と窒素酸化物の除去効果との兼ね合いから、この含有率
は50〜75重量%であるとより好ましく、60〜75
重量%であるとさらに好ましいことが分かる。
【0101】No.5および No.11〜13は、全オルガ
ノアルコキシシランに対するオルガノアルコキシシラン
の部分加水分解縮合物の含有率が異なるシリコーン樹脂
液を用いていること、および No.5と No.11と No.1
2はシリコーン樹脂液中にシリカ微粒子を含有している
が No.13はシリカ微粒子を含有していないこと以外
は、全て同じ条件のものである。
【0102】部分加水分解縮合物の含有率が20重量%
未満である No.12は、塗料の状態が悪いことが分か
る。 No.13は部分加水分解縮合物の含有率が80重量
%以上と高いが、塗膜の状態が悪く、窒素酸化物の除去
効果が低くなっている。これは、 No.13で使用したシ
リコーン樹脂液に、シリカ微粒子が含有されていないこ
とに起因すると予想される。したがって、塗料の樹脂液
として、シリカ系微粒子を含有するシリコーン樹脂液を
用いることが好ましい。
【0103】No.14〜19は、それぞれアクリル系樹
脂液、フルオロエチレン系樹脂液、アルキド系樹脂液、
ウレタン系樹脂液、シリコンアクリル系樹脂液、フッ化
ビニリデン系樹脂液を用いた例であるが、シリコーン樹
脂液を用いた以外は同じ条件である No.5と比較して、
塗料の状態や耐候性が悪いことが分かる。
【0104】No.20〜 No.26は、添加剤として活性
炭を、光触媒粉末に対する置換率で0.5%〜20%含
有する例であるが、含有しない点以外は同一条件である
No.4と比較して、窒素酸化物の除去効果が高くなるこ
とが分かる。
【0105】No.27〜 No.30は、添加剤として四酸
化三鉄(Fe3 4 )を、光触媒粉末に対する置換率で
0.5%〜20%含有する例であるが、含有量が光触媒
粉末に対する置換率で10%以上となると、 No.4と比
較して窒素酸化物の除去効果が高くなることが分かる。
【0106】No.31〜 No.34は、添加剤として重量
比で1:1の四酸化三鉄(Fe3 4 )と活性炭を、光
触媒粉末に対する置換率で0.5%〜20%含有する例
であるが、含有しない点以外は同一条件である No.4と
比較して、窒素酸化物の除去効果が高くなることが分か
る。
【0107】No.35〜 No.40は、それぞれステンレ
ス板、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ板、フレキシブル
板、サイディング板を用いた例であるが、ALCパネル
を用いた以外は同じ条件である No.5と比較して、窒素
酸化物の除去効果が低いことが分かる。これは、ALC
パネルの表面に凹凸があるため、表面積が大きい分だ
け、窒素酸化物が塗膜に接触しやすくなることに起因す
る。
【0108】なお、前記各実施例においては、本発明の
光触媒粉末の窒素酸化物除去効果について述べてある
が、本発明の光触媒粉末は、窒素酸化物除去以外の環境
中の有害物質除去および環境浄化用の光触媒としても当
然に活性が高いものである。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請
求項4〜6の光触媒粉末は、光触媒としての活性が従来
より高く、環境中の有害物質除去および環境浄化につい
て非常に高い効果が得られる。特に、請求項4〜6によ
れば、光触媒活性の持続時間が長い光触媒粉末が得られ
る。
【0110】請求項2および3の方法によれば、請求項
1の光触媒粉末が容易に得られる効果がある。請求項7
〜11の塗料によれば、屋外における塗膜の耐久性が高
いため、光触媒作用が長期に渡って発揮される。
【0111】請求項12および13によれば、大気中の
窒素酸化物等の有害物質を効果的に除去できる建材が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当する建材の概略断面
図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】実施例で使用した各酸化チタンのX線回折チャ
ートを示すグラフである。
【図4】本発明における光触媒粉末(二酸化チタン微粒
子または二酸化チタンの複合微粒子)、塗料、および建
材による窒素酸化物の除去効果を評価するために、実施
例で使用した実験装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ALCパネル(板材) 2 塗膜 10 建材、光触媒成形体 11b 凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01G 23/047 E04B 1/62 Z E04B 1/62 E04C 2/04 D E04C 2/04 B01D 53/36 J (72)発明者 永井 隆 大阪府大阪市西淀川区大野三丁目7番196 号 古河機械金属株式会社大阪工場内 (72)発明者 稲田 邦成 三重県阿山郡伊賀町大字柘植町2700 株式 会社トウペ関西技術研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶子径が6nm以上20nm未満であ
    り、且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gで
    ある二酸化チタン微粒子を含有することを特徴とする光
    触媒粉末。
  2. 【請求項2】 硫酸チタニル水溶液に種子結晶(結晶核
    となる二酸化チタン)を添加して加水分解することによ
    り含水酸化チタンを得、得られた含水酸化チタンを加熱
    して結晶水を除去した後、粉砕して二酸化チタンの微粒
    子を得る二酸化チタン微粒子の製造方法において、 種子結晶としてアナターゼ型の二酸化チタンを用い、結
    晶水除去のための加熱処理を100℃以上400℃以下
    の温度で行うことを特徴とする二酸化チタン微粒子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 硫酸チタニル水溶液の濃度はTiO2
    算で230〜300g/リットルであり、種子結晶の添加率
    は硫酸チタニルのTiO2 換算値に対して0.2〜5重
    量%であり、硫酸チタニル水溶液の加水分解処理時間は
    1〜6時間であり、粉砕方法としては、衝撃粉砕機によ
    る粉砕、流体粉砕機による過熱圧縮空気を用いた粉砕、
    および流体粉砕機による過熱圧縮蒸気を用いた粉砕のう
    ちのいずれかの方法を採用することをことを特徴とする
    請求項2記載の二酸化チタン微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶子径が6nm以上20nm未満であ
    り且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gであ
    る二酸化チタン微粒子の少なくとも表面に、SiO2
    0.1重量%以上5重量%以下の割合で存在している複
    合微粒子を含有することを特徴とする光触媒粉末。
  5. 【請求項5】 結晶子径が6nm以上20nm未満であ
    り且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gであ
    る二酸化チタン微粒子の少なくとも表面に、Al2 3
    が0.1重量%以上5重量%以下の割合で存在している
    複合微粒子を含有することを特徴とする光触媒粉末。
  6. 【請求項6】 結晶子径が6nm以上20nm未満であ
    り且つ比表面積が130m2 /g〜350m2 /gであ
    る二酸化チタン微粒子が、多孔質粒子の表面に固定され
    ている複合微粒子を含有することを特徴とする光触媒粉
    末。
  7. 【請求項7】 オルガノアルコキシシランの部分加水分
    解縮合物を含有するシリコーン樹脂液に、請求項1およ
    び請求項4〜6の少なくともいずれか一つに記載の光触
    媒粉末が分散混合されていることを特徴とする塗料。
  8. 【請求項8】 前記シリコーン樹脂液は、オルガノアル
    コキシシランの部分加水分解縮合物を、全オルガノアル
    コキシシランの20重量%以上の割合で含有するもので
    あることを特徴とする請求項7記載の塗料。
  9. 【請求項9】 前記シリコーン樹脂液は、シリカ系微粒
    子を含有することを特徴とする請求項8記載の塗料。
  10. 【請求項10】 溶剤を除いた全重量に対する光触媒粉
    末の含有率は30〜80重量%であることを特徴とする
    請求項9記載の塗料。
  11. 【請求項11】 活性炭および/または四酸化三鉄(F
    3 4 )からなる微粒子を含有することを特徴とする
    請求項10記載の塗料。
  12. 【請求項12】 表面が凹凸状に形成された板材の凹凸
    状表面に、酸化チタン微粒子を含有する塗料を塗布して
    形成したことを特徴とする建材。
  13. 【請求項13】 表面が凹凸状に形成された板材の凹凸
    状表面に、請求項7〜11のいずれか一つに記載の塗料
    を塗布して形成したことを特徴とする建材。
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