JPH10229A - 骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体 - Google Patents

骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体

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JPH10229A
JPH10229A JP8193771A JP19377196A JPH10229A JP H10229 A JPH10229 A JP H10229A JP 8193771 A JP8193771 A JP 8193771A JP 19377196 A JP19377196 A JP 19377196A JP H10229 A JPH10229 A JP H10229A
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順三 田中
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寧 末次
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正紀 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体活性のあるリン酸カルシウムの脆さと成形加工
性、生産性を改善し、柔軟性、強度、弾性率、生産性、
再現性、成形加工性のハ゛ランスの良い、骨誘導能ないしは
伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機
無機複合体、及び該複合体を用いた生体用材料、薬剤徐
放性基材、その製造方法を提供する。 【解決手段】 乳酸に由来する構造単位と、シ゛カルホ゛ン酸
とシ゛オールに由来するホ゜リエステル構造単位を含み、シ゛カルホ゛ン酸
とシ゛オールに由来するホ゜リエステル構造単位の含有量が2〜60重
量%の重量平均分子量が2万〜40万の乳酸系ホ゜リエステルと、リ
ン酸カルシウムとから成り、乳酸系ホ゜リエステル対リン酸カルシウムの重量
比が1対99〜50対50であることを特徴とする、骨誘導能
ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸
収型有機無機複合体及び該複合体を用いた生体用材料、
薬剤徐放性基材、その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人を含む動物の骨
や歯の置換材、接合材、修復材等の生体材料、薬剤徐放
性基材として有用な、生産性、成形性に優れた、骨誘導
能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体
吸収型有機無機複合体材料に関する。
【0002】
【従来の技術】外傷や癌などによって骨が欠損した場合
の修復に利用される骨伝導能(骨組織をセラミックスの
ある部位に入りこませる能力)を有する材料としては、
酸化チタンやヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウ
ム等が知られている。
【0003】しかしながら、骨はヒドロキシアパタイト
とコラーゲンからできていることから、人工骨等に使用
する場合には、安全性の点でヒドロキシアパタイトやそ
れに近い組成を有するリン酸三カルシウムが優れると考
えられる。また、骨誘導能(骨組織のない部位に骨組織
を誘導し、吸収されて、徐々に骨に置き換わる能力)を
有する材料としては、事実上、リン酸三カルシウムのみ
と考えられている。
【0004】リン酸カルシウムの焼結体の生体材料とし
ての使用については、セラミックス,10巻,7号,4
69〜478頁,1975年に記載されているものをは
じめ多数の報文があるが、脆く、成形加工性に乏しい欠
点があった。
【0005】リン酸カルシウムに水、乳酸などの硬化
剤、ポリマーを混合し、これを骨欠損部に充填・固化さ
せるリン酸カルシウムのセメントについては、特開昭6
1−17409号公報などの多数の特許・報文がある
が、強度が低いため、強度が要求される部位に使用する
ことはできなかった。
【0006】ポリ乳酸とリン酸カルシウムからなる複合
体及び溶融状態のポリ乳酸にリン酸カルシウムを添加・
混合する作成方法が特開昭63−89166号公報に開
示されており、ポリ乳酸やポリグリコール酸あるいは両
者間の共重合体とリン酸カルシウムとの複合体が特公平
4−500013号公報に開示されている。
【0007】乳酸系ポリマーとリン酸カルシウムの複合
体を作成する場合に、溶剤を使用する方法では、生産性
が非常に低い上、溶剤が残留する恐れがあった。また溶
融・混練する方法でポリ乳酸を使用した場合は、混ざり
にくく、且つ、リン酸カルシウム/ポリ乳酸の比率を高
くした場合は、混練時の剪断発熱によりポリ乳酸の分解
による強度低下が顕著で、リン酸カルシウム/ポリ乳酸
の比率を高くした高弾性率で、かつ強度が十分で均一に
混合した複合体を再現性良く得ることは非常に困難であ
った。
【0008】また乳酸とグリコール酸の共重合体の場合
には、リン酸カルシウムとの混合性が改善されるが、複
合体の強度が低いため、必要とする強度、弾性率をもっ
た材料を得ることは困難であった。
【0009】特開平4−279520号公報には、薬剤
とポリ乳酸とリン酸カルシウムとから成る製剤が開示さ
れているが、実施例では粉末のポリ乳酸を使用して混合
する方法を採用しており、生産性が低く、強度が低い欠
点があった。また特開平6−298639号公報には、
ポリ乳酸あるいはポリ乳酸とグリコール酸の共重合体
と、リン酸カルシウムと他の薬剤からなる、層状構造の
球状の薬剤徐放製剤が開示されているが、その製造方法
は煩雑で生産性が低く、また強度が低い欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、生体活性のあるリン酸カルシウムの欠点で
ある、脆さと成形加工性、柔軟性、強度、弾性率、再現
性、成形加工性についてバランスの良い、骨誘導能ない
しは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型
有機無機複合体、及び該複合体を用いた生体用材料、薬
剤徐放性基材、その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リン酸カ
ルシウムを、乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン酸
とジオールに由来するポリエステル構造単位を含み、ジ
カルボン酸とジオールに由来するポリエステル構造単位
の含有量が2重量%〜60重量%である重量平均分子量
が2万〜40万である乳酸系ポリエステルとの複合体に
することにより、乳酸系ポリエステルの柔軟性及びリン
酸カルシウムとの混ざりやすさを活かして、リン酸カル
シウムの脆さを改善し、かつ、強度、弾性率、生産性、
再現性、成形加工性をバランス良く有し、乳酸系ポリエ
ステルの分子量やリン酸カルシウムとの混合比率、乳酸
系ポリエステル中のポリエステル構造単位の量を変える
ことにより、柔軟性、弾性率、生産性、成形加工性を制
御でき、
【0012】更に、該乳酸系ポリエステルがキレート化
剤および/または酸性リン酸エステル類に由来する構造
単位を含有することにより、混練・成形加工時の安定性
を向上させた、骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐
放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体を得て、本
発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、乳酸に由来する構造単位
と、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
造単位とを、2重量%〜60重量%含有する、重量平均
分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエステルと、リン酸
カルシウムとから成り、乳酸系ポリエステル対リン酸カ
ルシウムの重量比が1対99〜50対50であることを
特徴とする、骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放
可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体である。
【0014】また、本発明は、乳酸に由来する構造単位
と、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
造単位と、キレート化剤および/または酸性リン酸エス
テル類に由来する構造単位とを含み、ジカルボン酸とジ
オールに由来する構造単位の含有量が2重量%〜60重
量%、重量平均分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエス
テルと、リン酸カルシウムとから成り、乳酸系ポリエス
テル対リン酸カルシウムの重量比が1対99〜50対5
0であることを特徴とする生体活性生体吸収型有機無機
複合体を含む。
【0015】更に、本発明の骨誘導能ないしは伝導能を
有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合
体は、用いるリン酸カルシウムが、特にリン酸三カルシ
ウム又はヒドロキシアパタイトであることを特徴とする
生体活性生体吸収型有機無機複合体や、用いるリン酸カ
ルシウムが粉体であることを特徴とする生体活性生体吸
収型有機無機複合体を含む。
【0016】また本発明は、本発明の生体活性生体吸収
型有機無機複合体からなる生体用材料や、本発明の生体
活性生体吸収型有機無機複合体からなる薬剤徐放性基材
を含む。
【0017】また本発明は、乳酸に由来する構造単位
と、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来するポ
リエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重量%で
ある重量平均分子量が2万〜40万である乳酸系ポリエ
ステルを、該乳酸系ポリエステルの融点以上の温度で、
乳酸系ポリエステル対リン酸カルシウムの重量比が1対
90〜1対50であるようにリン酸カルシウムを添加し
混練することを特徴とする骨誘導能ないしは伝導能を有
する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体
の製造方法を含む。
【0018】更に本発明は、乳酸に由来する構造単位
と、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
造単位とを2重量%〜60重量%を含有し、重量平均分
子量が2万〜40万である乳酸系ポリエステルを該乳酸
系ポリエステルの融点以上の温度で、リン酸カルシウム
及び薬剤を添加し混練することを特徴とする薬剤徐放製
剤の製造方法をも含むものである。
【0019】また本発明は、乳酸に由来する構造単位
と、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
造単位と、キレート化剤および/または酸性リン酸エス
テル類に由来する構造単位とを含み、ジカルボン酸とジ
オールに由来するポリエステル構造単位の含有量が2重
量%〜60重量%、重量平均分子量が2万〜40万であ
る乳酸系ポリエステルを、該乳酸系ポリエステルの融点
以上の温度で、乳酸系ポリエステル対リン酸カルシウム
の重量比が1対90〜1対50であるようにリン酸カル
シウムを添加し混練することを特徴とする骨誘導能ない
しは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型
有機無機複合体の製造方法や、
【0020】乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン酸
とジオールに由来するポリエステル構造単位と、キレー
ト化剤および/または酸性リン酸エステル類に由来する
構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来する
ポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重量%
である重量平均分子量が2万〜40万である乳酸系ポリ
エステルを該乳酸系ポリエステルの融点以上の温度で、
リン酸カルシウム及び薬剤を添加し混練することを特徴
とする薬剤徐放製剤の製造方法をも含むものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の骨誘導能ないしは伝導能
を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複
合体を構成する成分について、以下に説明する。本発明
のリン酸カルシウムとは、リン酸に由来する部分とカル
シウム原子の合計が50重量%以上含まれるものを言
い、具体的にはリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタ
イト、炭酸アパタイト、マグネシウム含有アパタイト、
フッ素アパタイト等がある。また、その結晶構造は如何
なるものでもよく、非晶質であってもよい。
【0022】本発明に用いる粉体のリン酸カルシウム
は、直径が5mm以下の球体におさまる大きさのリン酸
カルシウムの塊の集合体をさし、塊の形状は特に制限さ
れないが、具体的には球状、多孔質、無定形でもよく、
微粉末から顆粒までを含み、粒度分布は如何なるもので
もよい。また本発明に用いるヒドロキシアパタイトの製
法は特に特定されないが、具体的には乾式法、水熱法、
湿式法、アルコキシド法があり、熱処理を行ってもよ
い。またリン酸三カルシウムの製法も特に特定されない
が、具体的には乾式法、水熱法、湿式法があり、熱処理
を行ってもよい。
【0023】本発明で用いる乳酸系ポリエステルの製造
方法については、特に制限されないが、具体的には、ジ
カルボン酸とジオールに由来する構造を有するポリエス
テルに、乳酸の環状2量体であるラクタイドを開環重合
触媒の存在下に、開環共重合並びにエステル交換反応さ
せて得る方法や、ジカルボン酸とジオールに由来する構
造を有するポリエステルとポリ乳酸とをエステル交換反
応させて得る方法がある。
【0024】また乳酸系ポリエステルの原料として使用
するポリエステルは、特に限定されないが、ジカルボン
酸とジオールに由来する構造単位を含むポリエステルで
あれば良く、脱水・脱グリコール縮合やエステル交換反
応による公知慣用の製法により得ることができる。
【0025】乳酸系ポリエステルの構成成分としてのジ
オール成分は、特に限定されないが、具体的にはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、
1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、オクタンジオール、
【0026】ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、キシレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ジブタンジオール、ポ
リテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0027】また乳酸系ポリエステルの構成成分として
のジカルボン酸成分も、特に限定されないが、具体的に
はコハク酸、メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、
メチルグルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げ
られる。
【0028】本発明に用いる乳酸系ポリエステルの共重
合ポリエステル成分の量は、2重量%〜60重量%であ
り、2重量%未満では、柔軟性や混練のしやすさが充分
ではなく、60重量%より多い場合には充分な強度が得
られず、より好ましくは4重量%〜50重量%である。
【0029】本発明に用いるキレート化剤および/また
は酸性リン酸エステル類に由来する構造単位とは、本発
明に用いる、乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン酸
とジオールに由来するポリエステル構造単位とを含み、
ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構造単
位の含有量が2重量%〜60重量%である重量平均分子
量が2万〜40万の乳酸系ポリエステルの製造もしくは
製造後に、乳酸系ポリエステルの製造に用いた重合触媒
を失活させる為に用いられたキレート化剤や酸性リン酸
エステル類の残基を意味する。
【0030】乳酸系ポリエステルの製造に用いる重合触
媒が乳酸系ポリエステルに残存すると、本発明の生体活
性生体吸収型有機無機複合体の製造の加熱、成形加工の
際に乳酸系ポリエステル中の乳酸構造単位がラクタイド
の形で再生され、製造した生体活性生体吸収型有機無機
複合体の強度が低下する為に、これらの重合触媒を失活
させておくことが好ましい。これらは通常、キレート様
の形態で乳酸系ポリエステル中の重合触媒に付着し乳酸
系ポリエステル中に含有される。
【0031】ここで言う乳酸系ポリエステルの製造に用
いる重合触媒としては、例えば、エステル交換触媒とし
て知られる、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコ
ニウム、ゲルマニウム、コバルト等の金属及びその化合
物、特に金属有機化合物、炭酸塩、ハロゲン化物、なか
でも、オクタン酸錫、塩化亜鉛、アルコキシチタン等が
好ましく用いられる。
【0032】本発明に用いるキレート化剤及び/又は酸
性リン酸エステル類の添加量は、乳酸系ポリエステルの
製造の際に用いる触媒の種類、反応条件によって異なる
が、用いられた重合触媒を失活させる量であれば良く、
乳酸系ポリエステル重合反応終了後のポリマー取り出し
前や混練時に、通常、使用触媒1重量部に対し、0.0
01重量部〜5重量部、好ましくは、0.1〜100重
量部を添加する。また製造された乳酸系ポリエステル
に、これらキレート化剤及び/又は酸性リン酸エステル
類を添加、混練してもよい。
【0033】本発明に用いるキレート化剤成分として
は、特に限定されないが、具体的には、エチレンジアミ
ン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、しゅ
う酸、リン酸、ピロリン酸、アリザリン、アセチルアセ
トン、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテト
ラミン六酢酸、カテコール、4−t−ブチルカテコー
ル、L(+)−酒石酸、DL−酒石酸、グリシン、クロ
モトロープ酸、ベンゾイルアセトン、クエン酸、没食子
酸、ジメルカプトプロパノール、トリエタノールアミ
ン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジトルオイル酒石
酸、ジベンゾイル酒石酸が挙げられる。
【0034】また、本発明で使用される酸性リン酸エス
テル類は、ヒドロキシカルボン酸系ポリエステル中に含
有される触媒の金属イオンと錯体を形成し、触媒活性を
失わせ、ポリマー鎖の切断抑制効果を示す。酸性リン酸
エステル類としては、酸性リン酸エステル、ホスホン酸
エステル、アルキルホスホン酸など及びその混合物を指
すもので、化1にその一般式を示す。
【0035】
【化1】
【0036】(式中、R1はアルキル基又はアルコキシ
ル基、R2はアルキル基又はアルコキシル基又はヒドロ
キシル基を表す。)
【0037】また、本発明で使用される酸性リン酸エス
テル類としては、酸性リン酸エステル、ホスホン酸エス
テル、アルキルホスホン酸など及びその混合物を指す。
具体的には、酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノ
メチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジ
エチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン
酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸モ
ノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノペンチル、リン
酸ジペンチル、リン酸モノヘキシル、リン酸ジヘキシ
ル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モ
ノ2−エチルヘキシル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、
リン酸モノデシル、
【0038】リン酸ジデシル、リン酸モノイソデシル、
リン酸ジイソデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジ
ウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸ジドデシル、
リン酸モノテトラデシル、リン酸ジテトラデシル、リン
酸モノヘキサデシル、リン酸ジヘキサデシル、リン酸モ
ノオクタデシル、リン酸ジオクタデシル、リン酸モノフ
ェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノベンジル、リン
酸ジベンジルなど、
【0039】ホスホン酸エステルとしては、ホスホン酸
モノメチル、ホスホン酸モノエチル、ホスホン酸モノプ
ロピル、ホスホン酸モノイソプロピル、ホスホン酸モノ
ブチル、ホスホン酸モノペンチル、ホスホン酸モノヘキ
シル、ホスホン酸モノオクチル、ホスホン酸モノエチル
ヘキシル、ホスホン酸モノデシル、ホスホン酸モノイソ
デシル、ホスホン酸モノウンデシル、ホスホン酸モノド
デシル、ホスホン酸モノテトラデシル、ホスホン酸モノ
ヘキサデシル、ホスホン酸モノオクタデシル、ホスホン
酸モノフェニル、ホスホン酸モノベンジルなど、
【0040】アルキルホスホン酸としては、モノメチル
ホスホン酸、ジメチルホスホン酸、モノエチルホスホン
酸、ジエチルホスホン酸、モノプロピルホスホン酸、ジ
プロピルホスホン酸、モノイソプロピルホスホン酸、ジ
イソプロピルホスホン酸、モノブチルホスホン酸、ジブ
チルホスホン酸、モノペンチルホスホン酸、ジペンチル
ホスホン酸、モノヘキシルホスホン酸、ジヘキシルホス
ホン酸、イソオクチルホスホン酸、ジオクチルホスホン
酸、モノエチルヘキシルホスホン酸、ジエチルヘキシル
ホスホン酸、モノデシルホスホン酸、ジデシルホスホン
酸、
【0041】モノイソデシルホスホン酸、ジイソデシル
ホスホン酸、モノウンデシルホスホン酸、ジウンデシル
ホスホン酸、モノドデシルホスホン酸、ジドデシルホス
ホン酸、モノテトラデシルホスホン酸、ジテトラデシル
ホスホン酸、モノヘキサデシルホスホン酸、ジヘキサデ
シルホスホン酸、モノオクタデシルホスホン酸、ジオク
タデシルホスホン酸などや、モノフェニルホスホン酸、
ジフェニルホスホン酸、モノベンジルホスホン酸、ジベ
ンジルホスホン酸など、及びそれらの混合物を挙げるこ
とができる。酸性リン酸エステル類成分は有機溶剤との
溶解性がよいため作業性に優れ、乳酸系ポリエステルと
の反応性に優れ、重合触媒の失活に優れた効果を示す。
【0042】また本発明に用いる乳酸系ポリエステルの
重量平均分子量は2万〜40万であり、その値は要求さ
れる組成物の強度や生体内での溶解速度、混練する場合
の混練のしやすさ等によって変わるが、強度が要求され
る場合には4万以上であることが好ましく、乳酸系ポリ
エステルに対するリン酸カルシウムの量が多い組成物を
溶融・混練して製造する場合には混練時の重量平均分子
量が30万以下、さらに好ましくは25万以下である。
【0043】本発明の生体活性生体吸収型有機無機複合
体の、好ましい乳酸系ポリエステル対リン酸カルシウム
の重量比は、50/50〜1/99である。リン酸カル
シウムに対する乳酸系ポリエステルの量が多くなると弾
性率が低下する傾向があり、乳酸系ポリエステルの量が
少なくなると混練がしにくくなり、得られる生体活性生
体吸収型有機無機複合体が脆くなる傾向がある。
【0044】適切な乳酸系ポリエステル対リン酸カルシ
ウムの重量比は、それぞれの用途により必要とされる弾
性率、生体中での吸収速度、骨の再生の速さといった性
能が異なり、一概に特定できないが、通常は40/60
〜10/90が好ましい。
【0045】本発明の生体活性生体吸収型有機無機複合
体の製造方法は、特に制限はないが、具体的には、溶剤
に乳酸系ポリエステルを溶かした溶液にリン酸カルシウ
ムを分散させた液を添加・混合して溶剤を揮発・除去す
る方法や、乳酸系ポリエステルを溶融させた状態で混練
する方法がある。溶融・混練する方法は溶剤を使用する
方法に比べて一般的に生産性が高く、且つ溶剤残留の心
配がないという利点がある。
【0046】また本発明の生体活性生体吸収型有機無機
複合体には、その特性を損なわない範囲で公知慣用の添
加剤を添加してもよく、具体的には、公知慣用の酸化防
止剤、可塑剤、帯電防止剤等を添加してもよい。また本
発明の生体活性生体吸収型有機無機複合体は、いかなる
方法で成形してもよく、具体的にはプレス成形、射出成
形、押出成形等が挙げられ、また切削、研磨を行っても
よい。
【0047】更に、本発明の生体活性生体吸収型有機無
機複合体は、成形後、熱処理して結晶化させてもよい。
また本発明の生体活性生体吸収型有機無機複合体は、他
のいかなる材料と組み合わせて使用してもよく、具体的
には金属、金属酸化物、ヒドロキシアパタイト焼結体、
炭素繊維と組み合わせて使用してもよい。
【0048】本発明の生体活性生体吸収型有機無機複合
体は、柔軟性、機械的強度、弾性率、成形加工性、再現
性のバランスのよい生体材料として使用することができ
る。その用途は、特に制限されないが、具体的には、骨
充填材、骨置換材、骨接合材、皮膚端子、歯科材料等が
挙げられる。人工骨として使用する場合には、生体骨に
置換されない材料は生体骨と同等の強度や弾性率が要求
されるが、生体骨に置換される材料については、多くの
場合、置換されるまでの期間だけ、ある程度の強度や弾
性率を有していれば適用できる。
【0049】皮質骨の曲げ強度の低いものの値は500
kg/cm2前後とされており、この程度の強度があれ
ば、多くの部位に適用できると考えられる。更に皮質骨
の弾性率の低いものの値は60000kg/cm2前後と
されており、曲げ強度が500kg/cm2程度あり、且
つ60000kg/cm2前後の弾性率があれば、更に多
くの部位に適用でき、本発明の生体活性生体吸収型有機
無機複合体は、非常に多くの部位に適用できる優れた人
工骨用材料を得ることができる。
【0050】また徐放性薬剤に要求される性能として
は、薬剤の徐放性の他に、組織親和性があり、また、筋
肉等に適用する場合などには柔軟性が要求される。更
に、生体内に埋め込む場合、取り出す必要のないもので
あることが好ましい。ポリ乳酸にリン酸カルシウムを添
加することにより組織親和性の高い、取り出し不要の徐
放性薬剤を作成することができるが、リン酸カルシウム
の添加量を増やすにつれて柔軟性が低下する傾向があ
り、混練しやすさが他の性質との対比で十分でなく製造
上問題であった。
【0051】また、従来公知のグリコール酸などとの乳
酸系共重合体を使用した場合では、リン酸カルシウムの
添加量を多くした場合の強度が十分ではなかった。本発
明の複合体を使用することにより、組織親和性が高く、
且つ柔軟性と強度と成形加工性をバランスよく有した徐
放製剤を得ることができる。
【0052】抗生物質や抗癌剤などの薬剤を徐放性を有
する人工骨として使用する場合には、組織親和性、薬剤
の徐放性の他に、強度、弾性率、成形加工性、再現性を
バランスよく有していることが好ましく、本発明の骨誘
導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放可能な生体活性生
体吸収型有機無機複合体により、これらの点をバランス
よく有した薬剤徐放性を有する人工骨用材料を得ること
ができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、例中の部は特に記載のな
い限り全て重量基準である。
【0054】(参考例1)脂肪族ポリエステル(コハク
酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分50モ
ル%、重量平均分子量39,000)5部に、L−ラク
タイド95部及び溶媒としてトルエン15部を加えて、
不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶融・
混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて
4時間反応し、取り出して冷却・ペレット化後、130
℃、1mmHgの真空乾燥機で揮発成分を除去した。重
量平均分子量は148,000であった。(乳酸系ポリ
エステルA)
【0055】(参考例2)脂肪族ポリエステル(コハク
酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分50モ
ル%、重量平均分子量39,000)30部に、L−ラ
クタイド70部及び溶媒としてトルエン15部を加え
て、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶
融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加
えて4時間反応し、取り出して冷却・ペレット化後、1
30℃、1mmHgの真空乾燥機で揮発成分を除去し
た。重量平均分子量は132,000であった。(乳酸
系ポリエステルB)
【0056】(参考例3)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、プロピレングリコール成分50モ
ル%、重量平均分子量36,000)40部に、L−ラ
クタイド60部及び溶媒としてトルエン15部を加え
て、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶
融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加
えて4時間反応し、取り出して冷却・ペレット化後、1
30℃、1mmHgの真空乾燥機で揮発成分を除去し
た。重量平均分子量は126,000であった。(乳酸
系ポリエステルC)
【0057】(参考例4)脂肪族ポリエステル(セバシ
ン酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分24
モル%、エチレングリコール26モル%、重量平均分子
量36,000)50部に、L−ラクタイド50部及び
溶媒としてトルエン15部を加えて、不活性ガス雰囲気
下、170℃で1時間、両者を溶融・混合させ、触媒と
してオクタン酸錫を0.03部加えて4時間反応し、取
り出して冷却・ペレット化後、130℃、1mmHgの
真空乾燥機で揮発成分を除去した。重量平均分子量は1
01,000であった。(乳酸系ポリエステルD)
【0058】(参考例5)乳酸系ポリエステルCを22
0℃にセットしたラボプラストミルミキサーで混練して
分子量を低下させ、取り出し、130℃、1mmHgの
真空乾燥機で揮発成分を除去した。重量平均分子量は3
9,000であった。(乳酸系ポリエステルE)
【0059】(参考例6)脂肪族ポリエステル(コハク
酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分50モ
ル%、重量平均分子量39,000)5部に、L−ラク
タイド95部及び溶媒としてトルエン15部を加えて、
不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶融・
混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加えて
4時間反応し、2−エチルヘキシルアシッドホスフェー
ト0.1部を加えて30分間攪拌後、取り出して冷却・
ペレット化後、130℃、1mmHgの真空乾燥機で揮
発成分を除去した。重量平均分子量は177,000で
あった。(乳酸系ポリエステルF)
【0060】(参考例7)脂肪族ポリエステル(コハク
酸成分50モル%、1,4−ブタンジオール成分50モ
ル%、重量平均分子量39,000)30部に、L−ラ
クタイド70部及び溶媒としてトルエン15部を加え
て、不活性ガス雰囲気下、170℃で1時間、両者を溶
融・混合させ、触媒としてオクタン酸錫を0.03部加
えて4時間反応し、エチレンジアミン四酢酸0.5部を
加えて30分間攪拌後、取り出して冷却・ペレット化
後、130℃、1mmHgの真空乾燥機で揮発成分を除
去した。重量平均分子量は159,000であった。
(乳酸系ポリエステルG)
【0061】(参考例8)激しく撹拌した水酸化カルシ
ウム懸濁液にリン酸水溶液を徐々にpHが7になるまで
滴下し生成した沈殿を、800℃で3時間焼成して得た
リン酸三カルシウムをさらに乳鉢で粉砕した。(リン酸
カルシウムA)
【0062】(参考例9)激しく撹拌した水酸化カルシ
ウム懸濁液にリン酸水溶液を徐々にpHが9になるまで
滴下し生成した沈殿を、800℃で3時間焼成して得た
ヒドロキシアパタイトをさらに乳鉢で粉砕した。(リン
酸カルシウムB)
【0063】(実施例1)乳酸系ポリエステルA25部
と、リン酸カルシウムA75部とを180℃にセットし
た東洋精機製ラボプラストミルミキサーで10分間混練
し、取り出した。熱プレスで試験片を成形し、100℃
の乾燥機中に20分間放置して結晶化させたのち曲げ試
験を実施した。試験の結果を表1に示す。
【0064】(実施例2)乳酸系ポリエステルA20部
と、リン酸カルシウムA80部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0065】(実施例3)乳酸系ポリエステルB25部
と、リン酸カルシウムA75部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0066】(実施例4)乳酸系ポリエステルB20部
と、リン酸カルシウムA80部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0067】(実施例5)乳酸系ポリエステルA25部
と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0068】(実施例6)乳酸系ポリエステルB25部
と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0069】(実施例7)乳酸系ポリエステルC20部
と、リン酸カルシウムA80部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0070】(実施例8)乳酸系ポリエステルD20部
と、リン酸カルシウムA80部とを使用し、実施例1と
同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0071】(実施例9)乳酸系ポリエステルA25部
と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、混練時間を
20分間として、実施例1と同様の操作・試験を行っ
た。試験の結果を表1に示す。
【0072】(実施例10)乳酸系ポリエステルB25
部と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、混練時間
を20分間として、実施例1と同様の操作・試験を行っ
た。試験の結果を表1に示す。
【0073】(実施例11)乳酸系ポリエステルF25
部と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、実施例1
と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示
す。
【0074】(実施例12)乳酸系ポリエステルF25
部と、リン酸カルシウムB75部とを使用し、混練時間
を20分間として、実施例1と同様の操作・試験を行っ
た。試験の結果を表1に示す。
【0075】(実施例13)乳酸系ポリエステルG20
部と、リン酸カルシウムB80部とを使用し、実施例1
と同様の操作・試験を行った。試験の結果を表1に示
す。
【0076】(実施例14)乳酸系ポリエステルG20
部と、リン酸カルシウムB80部とを使用し、混練時間
を20分間として、実施例1と同様の操作・試験を行っ
た。試験の結果を表1に示す。
【0077】(実施例15)乳酸系ポリエステルE40
部と、リン酸カルシウムA60部とを180℃にセット
した東洋精機製ラボプラストミルミキサーで10分間混
練し、5−フルオロウラシル5部を添加して、更に3分
間混練した後、取り出した。熱プレスで厚さ250μm
のシートを成形し冷却プレスで急冷した。
【0078】柔軟性試験として、10cm×10cmに
切り出したシートの両端を手で持ち、上下に曲げる操作
を20回繰り返したときの破損しやすさを以下の3段階
の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0079】 ◎:全く変化が無かった。 ○:わずかにヒビが入った。 ×:割れた。
【0080】徐放性試験として、作成したシートを37
℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に静置した場合の5−
フルオロウラシルの放出率を経時的に測定した結果を表
3に示す。
【0081】(比較例1)ピュラック製ポリ−L−乳酸
(重量平均分子量151,000)20部とリン酸カル
シウムA80部とを使用し、実施例1と同様の操作・試
験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0082】(比較例2)ピュラック製ポリ−L−乳酸
(重量平均分子量151,000)25部とリン酸カル
シウムB75部とを使用し、実施例1と同様の操作・試
験を行った。試験の結果を表1に示す。
【0083】(比較例3)ピュラック製ポリ−L−乳酸
(重量平均分子量151,000)を220℃にセット
したラボプラストミルミキサーで混練して分子量を低下
させ、取り出し、130℃、1mmHgの真空乾燥機で
揮発成分を除去した樹脂(重量平均分子量41,70
0)を使用し、実施例9と同様の操作で複合体、シート
の作成を行い、柔軟性試験を行った。結果を表2に示
す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【発明の効果】本発明は、生体活性のあるリン酸カルシ
ウムの欠点である、脆さと成形加工性、生産性を改善
し、且つ、柔軟性、強度、弾性率、再現性、成形加工性
についてバランスの良い、骨誘導能ないしは伝導能を有
する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複合
体、及び該複合体を用いた生体用材料、薬剤徐放性基
材、及びその製造方法を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 381 A61K 9/70 381 47/34 47/34 N C C08G 63/08 NLW C08G 63/08 NLW 63/16 NNT 63/16 NNT C08J 3/20 C08J 3/20 A C08K 3/32 KJS C08K 3/32 KJS C08L 67/04 C08L 67/04 (72)発明者 末次 寧 茨城県つくば市春日1−11−4 204−805 (72)発明者 菊池 正紀 千葉県流山市三輪野山963−6

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン
    酸とジオールに由来するポリエステル構造単位とを含
    み、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
    造単位の含有量が2重量%〜60重量%である重量平均
    分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエステルと、リン酸
    カルシウムとから成り、乳酸系ポリエステル対リン酸カ
    ルシウムの重量比が1対99〜50対50であることを
    特徴とする、骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放
    可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体。
  2. 【請求項2】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン
    酸とジオールに由来するポリエステル構造単位と、キレ
    ート化剤および/または酸性リン酸エステル類に由来す
    る構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来す
    るポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重量
    %、重量平均分子量が2万〜40万の乳酸系ポリエステ
    ルと、リン酸カルシウムとから成り、乳酸系ポリエステ
    ル対リン酸カルシウムの重量比が1対99〜50対50
    であることを特徴とする生体活性生体吸収型有機無機複
    合体。
  3. 【請求項3】 リン酸カルシウムがリン酸三カルシウム
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体活
    性生体吸収型有機無機複合体。
  4. 【請求項4】 リン酸カルシウムがヒドロキシアパタイ
    トであることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体
    活性生体吸収型有機無機複合体。
  5. 【請求項5】 リン酸カルシウムが粉体であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の生体活性
    生体吸収型有機無機複合体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の生
    体活性生体吸収型有機無機複合体からなる生体用材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の生
    体活性生体吸収型有機無機複合体からなる薬剤徐放性基
    材。
  8. 【請求項8】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン
    酸とジオールに由来するポリエステル構造単位とを含
    み、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
    造単位の含有量が2重量%〜60重量%である重量平均
    分子量が2万〜40万である乳酸系ポリエステルを、該
    乳酸系ポリエステルの融点以上の温度で、乳酸系ポリエ
    ステル対リン酸カルシウムの重量比が1対90〜1対5
    0であるようにリン酸カルシウムを添加し混練すること
    を特徴とする骨誘導能ないしは伝導能を有する薬剤徐放
    可能な生体活性生体吸収型有機無機複合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボン
    酸とジオールに由来するポリエステル構造単位とを含
    み、ジカルボン酸とジオールに由来するポリエステル構
    造単位の含有量が2重量%〜60重量%である重量平均
    分子量が2万〜40万である乳酸系ポリエステルを該乳
    酸系ポリエステルの融点以上の温度で、リン酸カルシウ
    ム及び薬剤を添加し混練することを特徴とする薬剤徐放
    製剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボ
    ン酸とジオールに由来するポリエステル構造単位と、キ
    レート化剤および/または酸性リン酸エステル類に由来
    する構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来
    するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重
    量%、重量平均分子量が2万〜40万である乳酸系ポリ
    エステルを、該乳酸系ポリエステルの融点以上の温度
    で、乳酸系ポリエステル対リン酸カルシウムの重量比が
    1対90〜1対50であるようにリン酸カルシウムを添
    加し混練することを特徴とする骨誘導能ないしは伝導能
    を有する薬剤徐放可能な生体活性生体吸収型有機無機複
    合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 乳酸に由来する構造単位と、ジカルボ
    ン酸とジオールに由来するポリエステル構造単位と、キ
    レート化剤および/または酸性リン酸エステル類に由来
    する構造単位とを含み、ジカルボン酸とジオールに由来
    するポリエステル構造単位の含有量が2重量%〜60重
    量%である重量平均分子量が2万〜40万である乳酸系
    ポリエステルを該乳酸系ポリエステルの融点以上の温度
    で、リン酸カルシウム及び薬剤を添加し混練することを
    特徴とする薬剤徐放製剤の製造方法。
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