JPH10229254A - 光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置

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JPH10229254A
JPH10229254A JP34093697A JP34093697A JPH10229254A JP H10229254 A JPH10229254 A JP H10229254A JP 34093697 A JP34093697 A JP 34093697A JP 34093697 A JP34093697 A JP 34093697A JP H10229254 A JPH10229254 A JP H10229254A
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JP
Japan
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inp
layer
active layer
semiconductor device
multiple quantum
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JP34093697A
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Toshio Azuma
敏生 東
Takuya Fujii
卓也 藤井
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 InP半導体基板上にAlGaInAs系材
料の多重量子井戸構造が形成された光半導体装置に関
し、良好な温度特性を実現するデバイス構造のAlGa
InAs/InP系の光半導体装置を提供する。 【解決手段】 InP半導体基板10上にAlGaIn
As系材料の多重量子井戸構造22が形成された光半導
体装置である。多重量子井戸構造22は、PL波長が
1.0μm以下の障壁層と、4.5nm以下の膜厚の活
性層とを交互に積層して構成する。活性層には0.5%
以上の圧縮歪みが加わっている。これにより、良好な温
度特性のAlGaInAs/InP系の光半導体装置を
実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、InP半導体基板
上にAlGaInAs系材料の多重量子井戸構造が形成
された光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信は、ケーブル1本当たり
の伝送情報量が多く、電波障害の影響を受けにくいう特
徴がある。現在、日米の国際電話回線や国内の主要基幹
回線は光ファイバ回線に置き換えられつつある。近年、
個々の加入者に対しても光ファイバ回線を利用しようと
する動きが高まっている。
【0003】個々の加入者に対する光ファイバ通信を実
現するためには、光源である半導体レーザが低価格であ
ることが要求される。このため、温度制御装置や光アイ
ソレータ等の高価な光部品を用いることができず、環境
温度変動に対する安定性や、耐戻り光特性等が半導体レ
ーザに対して要求される。これまで、通信用の長波長の
光半導体レーザとしては、InP半導体基板上に格子整
合したInGaAsP系材料を堆積したInGaAsP
/InP系半導体レーザが用いられてきた。しかしなが
ら、このInGaAsP系材料を用いた半導体レーザ
は、環境温度が変動するとレーザ発振に必要とする電流
値が急激に上昇してしまい使用困難な状態になってしま
っていた。
【0004】これに対し、温度特性の改善が期待できる
長波長の半導体レーザの材料として、InP半導体基板
上にAlGaInAs系材料を形成したAlGaInA
s/InP系半導体レーザが注目され、C.E.Zah、Z.Wan
g、M.C.Wang等により、次のような報告がなされてい
る。 (1)C.E.Zah et al, "Low Threshold 1.3μm Straine
d-Layer AlxGayIn 1-x-yAs/InP Quantum We
ll Lasers", IEE Electron. Lett., vol.28, No.25, p
p.2323-2325, Dec. 1992 (2)C.E.Zah et al, "Low Threshold 1.3μm Straine
d-Layer AlxGayIn 1-x-yAs/InP Quantum We
ll Lasers", 13th International SemiconductorLaser
Conference, K-5, pp.202-203, 1992 (3)C.E.Zah et al, "High-performance uncooled 1.
3μm AlxGayIn1-x -yAs/InP strained-laye
r quantum-well lasers for subscriber loop applicat
ions", IEEE J. Quantum Electron, vol.30, No.2, pp.
511-523, Feb. 1994 (4)Z.Wang et al, "High speed, ultralow noise, t
ensile strained InGaAlAs MQW lasers emitting at 13
00 nm for optical communication and microwave appl
ications", IEE Electron. Lett., vol.30, No.17, pp.
1413-1414, Aug.1994 (5)C.E.Zah et al, "High-performance uncooled 1.
3μm AlxGayIn1-x -yAs/InP strained-laye
r quantum-well lasers for fiber-in-the-loopapplica
tions", 94 OFC, pp.204-205, 1994 (6)Z.Wang et al, "High-reliability, high-perfor
mance, low-cost coaxial laser module at 1.3μm for
local-loop applications", 94 OFC, pp.145-146, 199
4 (7)C.E.Zah et al, "High-temperature modulation
dynamics of 1.3μm AlxGayIn1-x-yAs/InP
compressive-strained multipel-quantum welllaser
s", 14th International Semiconductor Laser Confere
nce, Th1.3, pp.215-216, 1994 (8)Z.Wang et al, "High speed, ultra low noise o
peration from -40℃ to100℃ tensile strained InGaA
lAs MQW lasers emitting at 1300 nm", 14th Internat
ional Semiconductor Laser Conference, PD10, pp.23-
24, Sept. 1994 (9)M.C.Wang et al, "Ultrahigh temperature and u
ltrahigh speed operation of 1.3 μm strain-compens
ated AlGaInAs/InP uncooled laserdiode
s", IEE Electron. Lett., vol.31, No.18, pp.1584-15
85, Aug. 1995
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、AlG
aInAs/InP系半導体レーザにおいても、適切な
デバイス構造でないと、InGaAsP/InP系半導
体レーザと同様な温度特性しか得ることができない。こ
れまでの報告では、期待通りの良好な温度特性を有する
AlGaInAs/InP系半導体レーザが得られてい
ない。
【0006】本発明の目的は、良好な温度特性を実現す
るデバイス構造のAlGaInAs/InP系の光半導
体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、InP半導
体基板上にAlGaInAs系材料の多重量子井戸構造
が形成された光半導体装置において、前記多重量子井戸
構造は、PL波長が1.0μm以下の障壁層と、4.5
nm以下の膜厚の活性層とを交互に積層して構成され、
前記活性層に0.5%以上の圧縮歪みが加わっているこ
とを特徴とする光半導体装置によって達成される。
【0008】上記目的は、InP半導体基板上にAlG
aInAs系材料の多重量子井戸構造が形成された光半
導体装置において、前記多重量子井戸構造は、PL波長
が1.0μm以下の障壁層と、4.5nm以下の膜厚の
活性層とを交互に積層して構成され、前記活性層をAl
xGayIn1-x-yAs層としたとき、Alの組成比xと
Gaの組成比yが次式 y≦0.4−x y≦0.55−2.75x x≧0 y≧0 を満足することを特徴とする光半導体装置によって達成
される。
【0009】上述した光半導体装置において、前記多重
量子井戸構造が、AlInAs系材料のクラッド層によ
り挟まれていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明者は、良好な温度特性を
実現するデバイス構造を決定するために、半導体レーザ
における発振しきい値電流値の温度特性を決定している
メカニズムについて検討した。半導体レーザにおける発
振しきい値電流値の温度特性には、レーザ発振している
エネルギー準位から上位のエネルギー準位へのキャリア
のオーバーフローが大きく関与している。したがって、
レーザ発振しているエネルギー準位と次のエネルギー準
位とのエネルギー差を広くすることが温度特性の改善に
有効であると考えた。
【0011】そこで、AlGaInAs/InP系半導
体レーザとして、InP基板上に、PL波長が1.0μ
mのAlGaInAsからなる障壁層と、PL波長が
1.0μm以上のAlGaInAsからなる活性層とを
交互に積層した多重量子井戸構造を形成したモデル素子
構造を採用し、そのような素子構造のAlGaInAs
/InP系半導体レーザについてシミュレーションを行
い、最適な素子構造について検討した。InP基板と活
性層のAlGaInAsとの格子定数の相違により、活
性層には圧縮歪又は引張歪が加わる。
【0012】図1〜図4に、シミュレーションによる計
算結果を示す。最初に、活性層の第1エネルギー準位と
障壁層との間でのエネルギー差について検討する。図1
に、伝導帯側での活性層の第1エネルギー準位と障壁層
との間でのエネルギー差ΔECの計算結果を示す。横軸
は活性層8に加わる歪量(%)であり、縦軸はエネルギ
ー差ΔEC(eV)である。正の歪量が圧縮歪を示し、
負の歪量は引張歪を示す。活性層の膜厚daが4nmか
ら16nmの場合について計算結果が示されている。障
壁層のPL波長λbは1.0μmである。
【0013】図1のグラフから、圧縮歪が加わっている
限り、100meVを大きく越える150meV以上の
大きなエネルギー差ΔECを得られることがわかる。図
2に、価電子帯側での活性層の第1エネルギー準位と障
壁層との間でのエネルギー差ΔEVの計算結果を示す。
横軸は活性層に加わる歪量(%)であり、縦軸はエネル
ギー差ΔEV(eV)である。正の歪量が圧縮歪を示
し、負の歪量は引張歪を示す。活性層の膜厚daが4n
mから16nmの場合について計算結果が示されてい
る。障壁層のPL波長λbは1.0μmである。
【0014】図2のグラフから、引張歪が加わっている
方がエネルギー差ΔEVが大きい傾向にあるが、圧縮歪
が加わっている場合でも、100meVを越える120
meV以上のエネルギー差ΔEVを得られることがわか
る。伝導帯側に比べて価電子帯側では有効質量の重い正
孔がキャリアであるため、この程度のエネルギー差ΔE
Vでも十分であると考えられる。
【0015】したがって、図1及び図2から、障壁層を
形成する材料のPL波長を1.0μm以下として十分に
ワイドギャップにしておけば、活性層のエネルギー準位
と障壁層との間で十分なエネルギー差を確保できること
がわかる。次に、活性層における第1エネルギー準位と
第2エネルギー準位のエネルギー差について検討する。
【0016】伝導帯側では、キャリアである電子は有効
質量が小さいので、活性層における第1エネルギー準位
と第2エネルギー準位との間で十分なエネルギー差が確
保される。また、通常、伝導帯側ではバリア障壁がそれ
ほど大きくないので第2エネルギー準位が存在しない。
したがって、伝導帯側では、活性層における第1エネル
ギー準位と第2エネルギー準位のエネルギー差は問題と
ならない。
【0017】価電子帯側では、キャリアである正孔の有
効質量が重いため、伝導帯側とは異なり、活性層におけ
る第1エネルギー準位と第2エネルギー準位のエネルギ
ー差を考慮する必要がある。また、正孔には重い正孔
(Heavy Hole)と軽い正孔(Light H
ole)が存在するため、この点も考慮しなければなら
ない。
【0018】図3に、価電子帯側での活性層の重い正孔
の第1エネルギー準位Ehhと軽い正孔の第1エネルギー
準位Elhとの間のエネルギー差Ehh−Elhの計算結果を
示す。横軸は活性層に加わる歪量(%)であり、縦軸は
エネルギー差Ehh−Elh(eV)である。正の歪量が圧
縮歪を示し、負の歪量は引張歪を示す。活性層の膜厚d
aが4nmから16nmの場合について計算結果が示さ
れている。障壁層のPL波長λbは1.0μmである。
【0019】図3のグラフから、引張歪と圧縮歪とで、
重い正孔の第1エネルギー準位Ehhと軽い正孔の第1エ
ネルギー準位Elhとのエネルギー関係が逆転しているこ
とがわかる。引張歪の場合も圧縮歪の場合も、重い正孔
と軽い正孔のエネルギー差E hh−Elhを十分に大きくと
るためには、歪量を所定値以上にする必要がある。エネ
ルギー差Ehh−Elhの絶対値が100meV以上となる
ためには、歪量を少なくとも−1.4%以下とするか、
歪量を少なくとも+0.5%以上とする必要がある。こ
のエネルギー差Ehh−Elhは、活性層の膜厚daに対す
る依存性はそれほど顕著ではない。
【0020】図4に、価電子帯の第1エネルギー準位E
V1と第2エネルギー準位EV2との間のエネルギー差EV1
−EV2の計算結果を示す。横軸は活性層に加わる歪量
(%)であり、縦軸はエネルギー差EV1−EV2(eV)
である。正の歪量が圧縮歪を示し、負の歪量は引張歪を
示す。活性層の膜厚daが4nmから16nmの場合に
ついて計算結果が示されている。障壁層のPL波長λb
は1.0μmである。
【0021】図4において、歪量の変化に伴ってエネル
ギー差EV1−EV2の計算結果が不連続になっているの
は、価電子帯における活性層の第1エネルギー準位が重
い正孔の第1エネルギー準位Ehhから軽い正孔の第1エ
ネルギー準位Elhに移り変わっているからである。図4
に示すように、引張歪の場合には活性層の膜厚daが1
1nm以下にならないと十分なエネルギー差EV1−EV2
を確保することができない。また、圧縮歪の場合には活
性層の膜厚daが4nm程度にならないと十分なエネル
ギー差EV1−EV2を確保することができない。
【0022】このような解析結果から、良好な温度特性
を得るために必要なエネルギー差を確保するためには、
次の条件が必要である。 (1)障壁層として、PL波長λbが1.0μm以下の
十分なワイドギャップの材料を用いること。 (2)歪量として、引張歪が−1.4%以下、圧縮歪が
+0.5%以上の十分に大きな値を用いること。 (3)活性層の膜厚daは、引張歪の場合は約11nm
以下が望ましく、圧縮歪の場合は約4.5nm以下が望
ましい。
【0023】これら条件を満足する活性層の組成比の範
囲を図5に示す。図5は、障壁層のPL波長λbを1.
0μmとし、活性層のPL波長λgを1.31μmとす
る多重量子井戸構造を有するAlGaInAs/InP
系材料の光半導体装置に対する組成比の範囲を示してい
る。活性層をAlxGayIn1-x-yAs層としたとき、
歪量が−3.0%から+3.0%まで変化させた場合
と、活性層の膜厚daを4nmから16nmまで変化さ
せた場合について、Alの組成比xとGaの組成比yの
関係を示している。
【0024】図5から明らかなように、活性層の圧縮歪
が+0.5%以上という条件は、次式 y≦0.4−x を満足する。活性層の膜厚daが4.5nm以上という
条件は、次式 y≦0.55−2.75x を満足する。組成比x、yは零又は正であるから、次式 x≧0 y≧0 を満足する。図5に上記4つの式を満足する範囲を、斜
めのハッチングで示す。
【0025】次に、本発明の一実施形態による半導体レ
ーザを図6及び図7を用いて説明する。本実施形態の半
導体レーザは上述した諸条件を満足するものである。図
6は本実施形態の半導体レーザの構造を示す図である。
約270μm厚で不純物濃度が2.0E+18cm-3
n−InP基板10上に、約50〜400nm厚で不純
物濃度が約5.0E+17cmー3のn−Al 0.477
0.523Asクラッド層14が形成されている。
【0026】n−AlInAsクラッド層14上には、
必要に応じて、例えば、i−Al0. 36Ga0.12In0.52
As SCH(Separate Confinement Heterostructur
e)層(図示せず)を介して、多重量子井戸層22が形
成されている。多重量子井戸層22は、例えば、約10
±5nm厚のi−Al0.36Ga0.12In0.52As障壁層
と、約4nm±1厚のi−Al0.13Ga0.12In0.75
s活性層とが交互に積層して形成されている。
【0027】多重量子井戸層22上には、必要に応じ
て、例えば、i−Al0.36Ga0.12In0.52As SC
H(Separate Confinement Heterostructure)層(図示
せず)を介して、例えば、約50〜400nm厚で不純
物濃度が5.0E+17cmー3のp−Al0.477In
0.523Asクラッド層26が形成されている。
【0028】p−AlInAsクラッド層26上には、
例えば、約1000±100nm厚で不純物濃度が1.
0E+18cm-3のp−InPクラッド層30が形成さ
れている。p−InPクラッド層30上には、約600
±100nm厚で不純物濃度が2.0E+19cm-3
+−In0.533Ga0.467Asコンタクト層32が形成
されている。
【0029】p−InPクラッド層30及びp+−In
GaAsコンタクト層32は、図6に示すように、リッ
ジ構造となるように加工されている。このリッジ構造
は、中央の突出部分以外の領域はシリコン酸化膜34に
より覆われている。シリコン酸化膜34により覆われて
いないp+−InGaAsコンタクト層32の露出部分
には、Ti/Pt/Au層からなる上部電極36が形成
されている。n−InP基板10を270μmから11
0μmに薄くした後、n−InP半導体基板10の下面
に、AuGe/Au層からなる下部電極38を形成す
る。
【0030】多重量子井戸層22のi−AlGaInA
s障壁層、i−AlGaInAsSCH層のPL波長は
1.0μmである。多重量子井戸層22のi−Al0.36
Ga0.12In0.52As障壁層は、n−InP基板10と
格子定数が整合していて無歪である。多重量子井戸層2
2のi−Al0.13Ga0.12In0.75As活性層は、n−
InP基板10より格子定数が大きく約1.5%の圧縮
歪が加わっている。
【0031】本実施形態による半導体レーザの温度特性
を評価するために特性温度Toを測定し、従来の半導体
レーザの特性温度Toと比較した。測定結果を図7に示
す。半導体レーザの場合、温度がT1度からT2度に上昇
すると、その閾値電流Ithは、次式に示すように指数関
数的に上昇することが知られている。 Ith=I1 exp{(T2−T1)/To} ただし、I1はT1度のときの閾値電流である。特性温
度Toは、閾値電流がe(自然対数の底:2.7182
8...)倍になるために必要な温度上昇値である。特
性温度Toが大きいほど、温度による閾値電流の変動が
少なく、温度特性が良好であるといえる。
【0032】図7に、本実施形態による半導体レーザの
特性温度Toの測定結果を、従来の半導体レーザと比較
して示す。図7において、横軸は活性層20の厚さ(n
m)であり、縦軸は特性温度To(K)であり、実施形
態を●で示し、比較例を○でしめす。本実施形態による
半導体レーザの特性温度Toは約97Kであった。比較
例1は、上述した文献(5)(C.E.Zah et al, 94 OFC,
pp.204-205, 1994)において、膜厚daが5.0μmの
場合の特性温度Toの測定値89Kである。比較例2、
3、4は、上述した文献(7)(C.E.Zah et al, 14th
ISLC, Th1.3, pp.215-216, 1994)において、膜厚daが
5.2μm、6.2μm、7.1μmの場合の特性温度
Toの測定値83K、74K、49Kである。
【0033】図7から明らかなように、比較例に比べて
本実施形態は特性温度Toが大きく、温度による閾値電
流の変動が少なく、温度特性が良好であることがわか
る。本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能で
ある。例えば、上記実施形態では、クラッド層としてA
lInAs系材料を用いたが、他の半導体材料を用いて
もよい。
【0034】また、上記実施形態における素子構造はあ
くまで本発明を適用した一例であって、本発明が上記実
施形態の素子構造に限定されるものではない。さらに、
上記実施形態では、半導体レーザに本発明を適用した
が、半導体レーザ以外の他の光半導体装置に本発明を適
用してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、多重量子
井戸構造を、PL波長が1.0μm以下の障壁層と、
4.5nm以下の膜厚の活性層とを交互に積層して構成
し、活性層に0.5%以上の圧縮歪みが加わるようにし
たので、良好な温度特性を実現するデバイス構造のAl
GaInAs/InP系の光半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伝導帯側での活性層の第1エネルギー準位と障
壁層との間でのエネルギー差ΔECのシミュレーション
結果を示すグラフである。
【図2】価電子帯側での活性層の第1エネルギー準位と
障壁層との間でのエネルギー差ΔEVのシミュレーショ
ン結果を示すグラフである。
【図3】価電子帯側での活性層の重い正孔の第1エネル
ギー準位Ehhと軽い正孔の第1エネルギー準位Elhとの
間のエネルギー差Ehh−Elhのシミュレーション結果を
示すグラフである。
【図4】価電子帯側での第1エネルギー準位EV1と第2
エネルギー準位EV2との間のエネルギー差EV1−EV2
シミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】本発明による条件を満足するAlxGayIn
1-x-yAs活性層におけるAlの組成比xとGaの組成
比yの範囲を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による半導体レーザの構造
を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による半導体レーザの特性
温度の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…n−InP基板 14…n−AlInAsクラッド層 22…多重量子井戸層 26…p−AlInAsクラッド層 30…p−InPクラッド層 32…p+−InGaAsコンタクト層 34…シリコン酸化膜 36…上部電極 38…下部電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InP半導体基板上にAlGaInAs
    系材料の多重量子井戸構造が形成された光半導体装置に
    おいて、 前記多重量子井戸構造は、 PL波長が1.0μm以下の障壁層と、4.5nm以下
    の膜厚の活性層とを交互に積層して構成され、 前記活性層に0.5%以上の圧縮歪みが加わっているこ
    とを特徴とする光半導体装置。
  2. 【請求項2】 InP半導体基板上にAlGaInAs
    系材料の多重量子井戸構造が形成された光半導体装置に
    おいて、 前記多重量子井戸構造は、 PL波長が1.0μm以下の障壁層と、4.5nm以下
    の膜厚の活性層とを交互に積層して構成され、 前記活性層をAlxGayIn1-x-yAs層としたとき、
    Alの組成比xとGaの組成比yが次式 y≦0.4−x y≦0.55−2.75x x≧0 y≧0 を満足することを特徴とする光半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光半導体装置にお
    いて、 前記多重量子井戸構造が、AlInAs系材料のクラッ
    ド層により挟まれていることを特徴とする光半導体装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012119456A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Opnext Japan Inc 半導体発光素子

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JP2012119456A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Opnext Japan Inc 半導体発光素子

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