JPH10227888A - スタッドボルト取扱装置 - Google Patents

スタッドボルト取扱装置

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JPH10227888A
JPH10227888A JP9032268A JP3226897A JPH10227888A JP H10227888 A JPH10227888 A JP H10227888A JP 9032268 A JP9032268 A JP 9032268A JP 3226897 A JP3226897 A JP 3226897A JP H10227888 A JPH10227888 A JP H10227888A
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良継 神木
Kenji Nishikawa
賢二 西川
Yasuhiro Kutomi
康博 九冨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧水型原子炉の原子炉容器蓋を原子炉容器
に固定するためのスタッドボルトを遠隔的に取り扱う装
置を実現する。 【解決手段】 原子炉容器蓋のフランジ孔を通して配設
されるスタッドボルトを捩じ込み及び取り外すボルト取
替装置11は、スタッドボルトの列に近接して設置自在
であり前記列に沿う走行レール21を備えた弧状フレー
ム構造体20、走行レール21上に移動自在に設けられ
たボルト着脱装置40、ボルト引張装置50及び弧状フ
レーム構造体20内に設けられボルト着脱装置40との
間でスタッドボルトの受け渡しを行うボルト格納装置6
0から構成される。更に4個の弧状フレーム構造体20
が互いに円周端を隣接して配設され、全体として環状フ
レーム構造体を形成するボルト取扱装置10では、ボル
ト着脱装置40、ボルト格納装置60及びボルト引張装
置50が弧状フレーム構造体20に対応して配置されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧容器等のフラ
ンジ接合などに使用されるスタッドボルトのフランジへ
の捩じ込みや取り外し等の作業を行う取扱装置に関し、
特に原子炉圧力容器の蓋を固定するためのスタッドボル
トを遠隔的に取り扱う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧容器に着脱自在に蓋を取り付ける場
合、容器本体のフランジにスタッドボルトを捩じ込んで
植え込み、これに螺合するナットで蓋を締め付け固定す
ることが多い。而して、高圧容器が大形で内部の圧力も
大きいものになると、スタッドボルトの径も大きくな
り、ナットの締め付けなども人力で行うのは極めて困難
になる。例えば図10は加圧水型原子炉の上部断面の一
例を示しているが、原子炉容器1は、原子炉容器蓋3に
よって上部開口が閉じられて原子炉圧力容器を形成す
る。原子炉圧力容器内の冷却材圧力は相当の値になるか
ら、これを受けるスタッドボルト5の径も大きくなり、
更にこれに螺合して原子炉容器蓋3を締付けるナット7
の締付けトルクも大きなものとなる。従って、ナット7
の締付或いは弛緩、更にはスタッドボルト5を取外し
は、従来次の様にして行っていた。即ち、原子炉容器蓋
3の上部に林設された制御棒駆動装置9を取り囲む一体
化構造物(図示しない)の外周部のホイストにボルトテ
ンショナを取付け、これによりスタッドボルト5に引張
力を加える。こうすると、スタッドボルト5は伸びるか
ら、ナット7は原子炉容器蓋3から離れ比較的小さな力
で緩められるようになる。ナット7が緩められれば、ス
タッドボルト5のねじ部に作用する引張軸力が減ってス
タッドボルト5と原子炉容器1との間のねじ面の摩擦ト
ルクも小さくなる。このような状態で、作業員が電動工
具を用いてスタッドボルト5を回して取外しを行い、運
び出している。スタッドボルト5の取り付けやナット7
の締付けはその手順を遡行してして行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したような大型高
圧容器のスタッドボルト取扱装置においては、ボルトテ
ンショナを使用することにより、ナットの締付・弛緩は
容易にできるものの、スタッドボルトの取り付け取外し
は作業員が手作業で行っている。このため、スタッドボ
ルトが重量物であること、又その数が多いこと、更には
作業する足場が不安定で狭いこと等からスタッドボルト
の取り付け取外し作業は厳しい作業であり、且つ長い作
業時間を要していた。更に大型高圧容器が前述のように
原子炉圧力容器である場合には、作業環境が高放射線雰
囲気となるので、作業員の健康保持のために多数の作業
員と頻繁な交代を必要としていた。従って、本発明は、
作業員の人手による作業を排し、遠隔的に操作される機
械的装置によりスタッドボルトの取扱を行うことができ
るスタッドボルト取扱装置を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】如上の課題を解決するた
め、本発明によれば、円周状に配設されるスタッドボル
トを捩じ込み及び取外すスタッドボルト取扱装置は、ス
タッドボルトの列に近接して設置自在であり前記列に沿
う走行レールを備えた弧状フレーム構造体、前記走行レ
ール上に移動自在に設けられたボルト着脱装置及びその
弧状フレーム構造体内に設けられ前記ボルト着脱装置と
の間でスタッドボルトの受け渡しを行うボルト格納装置
から構成される。又、そのスタッドボルト取扱装置は、
更に弧状フレーム構造体の走行レール上に移動自在に設
けられるボルト引張装置を有して、一連のスタッドボル
ト取り外し及び取り付け作業を完全に遠隔作業により実
施できるように構成しても良い。更に又、前記弧状フレ
ーム構造体を複数個互いに円周端を隣接して配設して全
体として環状フレーム構造体を形成し、ボルト着脱装
置、ボルト格納装置及びボルト引張装置が各弧状フレー
ム構造体に対応して配置され、多数あるスタッドボルト
の複数個の取外し、取付けを並行して行えるようにすれ
ば尚好適である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。尚、前述の従来技術に関する図
面を含め全図に亘り同一部分には同一の符号を付すこと
とする。先ず、図1は本発明に係るスタッドボルト取扱
装置10の全体配置を一部省略して示している。スタッ
ドボルト取扱装置10は、図示から容易に推測できるよ
うに4個の同一構造のボルト取替装置11を円周状に配
置して構成されるが、手前(図面において)のボルト取
替装置11の図示が省略されている。勿論、ボルト取替
装置11の数は4に限定されるものではなく、スタッド
ボルトの配列の大きさ等により適宜、増減されるものと
理解すべきである。4個のボルト取替装置11の構造は
前述の通り同一であるから、主として向かい側(図面に
おいて)のボルト取替装置11について説明する。
【0006】ボルト取替装置11は、内周側に開口した
概略コ形断面の弧状フレーム構造体20を骨格としてお
り、その上面に弧状の走行レール21が敷設されてい
る。この弧状フレーム構造体20は、図示のように、4
個円周状に並べられると完全な環状フレーム構造体を形
成し、従って走行レール21も相互に連続されて円周レ
ールとなる。弧状フレーム構造体20は、取り扱うべき
スタッドボルトの周辺に後述する手順で設置されるが下
面にレベリングパッド23を備え、上面に据付用ガイド
レール25を備えたベースプレート27の上に載せられ
る。そして走行レール21の上には、台車30が載せら
れ、更にその上に油圧ユニット31,ボルト着脱装置4
0、ボルト引張装置50が載設されている。更に、弧状
フレーム構造体20の内部には、ボルト格納装置70が
設けられている。図1において多くのスタッドボルト5
がそれぞれナット7と共に図示されているが、これはボ
ルト格納装置60によって格納された状態を示してい
る。
【0007】次にボルト取替装置11を加圧水型原子炉
の原子炉圧力容器を形成する原子炉容器蓋3の周りに設
置する状態を図2を参照して説明する。原子炉容器上蓋
3の上部には、前述のように多数の制御棒駆動装置が林
設されていて、これらを支持する部材や冷却用空気を案
内したりする部材が蓋一体化構造物6を形成している。
蓋一体化構造物6は外周部にホィスト8を備えており、
これを利用して図示のように弧状フレーム構造体20を
吊り上げ、スタッドボルト5の円周方向の列に外側から
接近して円周方向に並べる。その際、据え付け用ガイド
レール25を適宜利用する。尚、弧状フレーム構造体2
0は対応するスタッドボルトと同じ数だけのボルト格納
装置70を内蔵したままである。弧状フレーム構造体2
0の高さの不揃いなどは、レベリングパッド23を調整
して処理する。そして、平坦に保持された走行レール2
1の上に、ホィスト8を使用して台車30(図1)を置
き、更にその上に同様の要領で油圧ユニット31,ボル
ト着脱装置40及びボルト引張装置50を載せる。これ
らの装置は、前述のように各弧状フレーム構造体20ご
とに取り付けられる。
【0008】次に前述のように原子炉容器上蓋3の周り
に設置されたボルト取替装置11を使用してスタッドボ
ルト5を取り外す手順を説明する。先ず図3、図4及び
図5に示すように、ボルト引張装置50を使用してナッ
ト7を緩める。即ち図3に示すように、ボルト引張装置
50の昇降機構51により装置本体53(掴持機構と回
転機構を有する)を降ろし、スタッドボルト5の上端を
掴持機構で掴持し、図4に矢印で示す方向に引張荷重を
作用させる。そうするとスタッドボルト5は伸び、ナッ
ト7のねじ面とスタッドボルト5のねじ面との間の軸方
向力は減少する。換言すれば、ナット7の弛緩所要力は
減少し、図5に示すようにナット5を回転機構により回
して緩める。このようにすると、スタッドボルト5の植
込みねじ部分と原子炉容器1のフランジのねじ穴のねじ
面との間に作用する摩擦抵抗力が減少する。以上のよう
にしてナット7を一定の高さまで緩めた後で、ボルト引
張装置50を台車30により円周方向にずらし、図6,
図7及び図8に示すようにスタッドボルト5を取り外
す。即ち、ボルト着脱装置40をスタッドボルト5に整
列させ、掴持機構及び回転機構を有する装置本体41を
昇降機構43により下降させ、掴持機構によりスタッド
ボルト5の頭部分を掴む。そして特に図7に示すように
回転機構によりスタッドボルト5を下端ねじ部が原子炉
容器1から抜け出すまで回転する。しかる後、昇降機構
43を上昇させ、装置本体41を昇降ストロークの範囲
で上昇させると、図8に示す状態になる。スタッドボル
ト5を上昇する高さは、後述するようにボルト格納装置
60がナット7を受け取れる高さとしている。
【0009】次にボルト格納装置60の構造及び作用を
図9を参照して説明する。図9において、スタッドボル
ト5毎に対応して弧状フレーム構造体20の内部に設け
られたボルト格納装置60は、先端にチャック機構を備
えたガイドレール61を備えている。このガイドレール
61は、駆動シリンダ63により図示のように伸出され
たり、引き込まれたりする。前述のようにボルト着脱装
置40により抜き出されて保持されたスタッドボルト5
に向けてガイドレール61を図示のように伸出し、ナッ
ト7の直下でスタッドボルト5を把持する。そして、駆
動シリンダ63により、スタッドボルト5を2点鎖線の
位置まで引き込み、ボルト受け65の上に載せて格納す
る。ボルト格納装置60は、図示のようにスタッドボル
ト7と一対一の関係で設けてもよいが、スタッドボルト
7の寸法や取付け間隔との関係で、2連のものとしても
良い。このようにして、対応する全部のスタッドボルト
5が全部、弧状フレーム構造体20の中に格納された
ら、前述のようにホイスト8(図2)等を使用して弧状
フレーム構造体20を適当な場所に移動する。
【00010】以上は、既に原子炉容器に取り付けられ
ているスタッドボルトの取外し作業の説明であるが、ス
タッドボルトを新たに原子炉容器に取り付けるには前述
の作業を遡行すればよい。先ず、スタッドボルトを格納
した弧状フレーム構造体20を図2に示した要領で原子
炉容器の回りに据え付ける。そしてボルト格納装置60
からスタッドボルトを取り出し、ボルト着脱装置40に
よりスタッドボルトを原子炉容器にねじ込み、最後にボ
ルト引張装置50によりナットを締め付ける。尚前述の
実施形態において、円周角度が90度の弧状フレーム構
造体20を使用したが、その角度を適宜選択し、環状フ
レーム構造体は構成せずに個別に使用することも本発明
の思想に従えば可能である。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
弧状フレーム構造体の上を移動するボルト着脱装置によ
りスタッドボルトを着脱し、そのスタッドボルトをボル
ト格納装置により弧状フレーム構造体の中に格納するの
で、スタッドボルトを遠隔的に且つ人手を使用せずに機
械的に着脱することができる。更にボルト引張装置によ
り、ナットの締付、弛緩も遠隔的にできるので、高圧容
器本体に蓋等を固定するスタッドボルト及びナットの一
連の取付け取外し作業を遠隔的に行うことができる。更
に又、弧状フレーム構造体を複数並べて環状フレームと
すれば、作業が安定化すると共に、複数のスタッドボル
トを同時進行的に取付け取り外すことができ、全体の作
業時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構造を示す一部省略全
体斜視図である。
【図2】前記実施形態に係る装置の据え付け手順を示す
一部省略全体斜視図である。
【図3】前記実施形態の要部を示す部分立面図である。
【図4】前記実施形態の部分的作用を説明する部分断面
図である。
【図5】前記実施形態の部分的作用を説明する部分断面
図である。
【図6】前記実施形態の要部を示す部分立面図である。
【図7】前記実施形態の部分的作用を説明する部分断面
図である。
【図8】前記実施形態の部分的作用を説明する部分断面
図である。
【図9】前記実施形態の要部を示す部分立面図である。
【図10】本発明に係る装置によってスタッドボルトが
着脱される一例である加圧水型原子炉の構造の一例を示
す部分立断面図である。
【符号の説明】
1 原子炉容器 3 原子炉容器蓋 5 スタッドボルト 6 蓋一体化構造物 7 ナット 8 ホィスト 10 ボルト取扱装置 11 ボルト取替装置 20 弧状フレーム構造体 21 走行レール 23 レベリングパッド 25 ガイドレール 27 ベースプレート 30 台車 31 油圧ユニット 40 ボルト着脱装置 41 装置本体 43 昇降機構 50 ボルト引張装置 51 昇降機構 53 装置本体 60 ボルト格納装置 61 ガイドレール 63 駆動シリンダ 65 ボルト受け
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松澤 寛 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周状に配設されるスタッドボルトを捩
    じ込み及び取り外す取扱装置であって、前記スタッドボ
    ルトの列に近接して設置自在であり前記列に沿う走行レ
    ールを備えた弧状フレーム構造体、前記走行レール上に
    移動自在に設けられたボルト着脱装置及び前記弧状フレ
    ーム構造体内に設けられ前記ボルト着脱装置との間でス
    タッドボルトの受け渡しを行うボルト格納装置を有して
    なることを特徴とするスタッドボルト取扱装置。
  2. 【請求項2】 更にボルト引張装置が前記弧状フレーム
    構造体の前記走行レール上に移動自在に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載のスタッドボルト取扱装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の前記弧状フレーム構造体が互いに
    円周端を隣接して配設され、全体として環状フレーム構
    造体を形成し、前記ボルト着脱装置、前記ボルト格納装
    置及び前記ボルト引張装置が該弧状フレーム構造体に対
    応して配置されていることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載のスタッドボルト取扱装置。
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