JPH10227093A - 二重天井下地工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】プレ化粧された天井仕上げ材等の取り付け施工
を前提とした工法であり下地材から仕上げ材まで一業種
で施工することを可能とし、省力化した工法により特殊
な技能を必要とせず専門業者でなくても施工できるよう
にする。 【解決手段】両側面切欠部２、２と下面切欠部３とを設
けた複数本のランナー材Ｒ1 を、その両側面切欠部２、
２に嵌合した複数個の吊り金具４にて天井スラブ面に対
して平行に吊り下げ固定し、該ランナー材Ｒ1 に直交す
る方向に所定間隔を以て複数本の振れ止め材１２を平行
に取り付けて各々ランナー材Ｒ1 同士を互いに連結し、
前記下面切欠部３に間仕切ガイド金具８を取り付るよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、住宅（戸建、集
合）やビル、オフィス等での内装一般のプレ化粧された
天井仕上げパネル材を使用することを前提とした下がり
天井や段違い天井を含む比較的ふところの浅い二重天井
下地工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、内装用二重天井の在来工法として
は、木製、鋼製共に、野縁受けを吊り木や吊りボルトで
躯体の天井下面から吊り下げ、野縁を一定間隔で配置さ
せ、それにボード貼りをした後に化粧板を貼るか、クロ
ス貼りの表面化粧をして仕上げていくのが一般的な工法
である。また、間仕切り壁を設置する場合には、さらに
補強用野縁を取り付けて壁下地材を立てるか、躯体の天
井下面まで壁下地材を延ばして立てる工法を採る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記工
法では、下地から仕上げ工事まで複数の専門業者の手で
施工することが前提であり、将来、リフォームや間仕切
り変更をする場合にも、大幅な改築工事を伴う問題があ
る。また、二重天井の場合、そのふところ内を使って設
備配管、ダクト、電気配線及び照明器具、空調用吹き出
し口等が取り付けられる場合があるが、そのメンテナン
スも大掛かりとなる。

【０００４】本発明の目的は、プレ化粧された天井仕上
げ材等の取り付け施工を前提とした工法であり、下地材
から仕上げ材まで一業種で施工することを可能とし、省
力化された工法により特殊な技能を必要とせず、専門業
者でなくても施工できるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、両側面切欠部
２、２と下面切欠部３とを設けた複数本のランナー材Ｒ
1 をその両側面切欠部２、２にスライド可能に嵌合した
複数個の吊り具４にて天井スラブ面に対して平行に吊り
下げ固定し、該ランナー材Ｒ1 に直交する方向に所定間
隔を以て複数本の振れ止め材１２を平行に取り付けて各
々ランナー材Ｒ1 同士を互いに連結し、前記ランナー材
Ｒ1 の下面に一対の天井パネル取付用のクリップ７を取
り付け、前記下面切欠部３に間仕切ガイド具８を取り付
けることを特徴とする二重天井下地工法である。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を実施の形態に従って以下
に詳細に説明すれば、図１の側面図に示すように、ラン
ナー材Ｒ1 は、両側面に側面切欠部２、２を備え、下面
に下面切欠部３を備える。

【０００７】天井１のコンクリート材によるスラブ面に
は、ボルト５が取り付け固定されていて、該ボルト５の
下部先端のネジ部５ｃには、吊り具４が、その上端水平
板４ｂを下部ナット５ａ、上部ナット５ｂ等にて保持し
て締め付け固定することにより一体的に設けられる。な
お、上部ナット５ｂを回転して弛めて下部ナット５ａを
回転して下げたり上げたりすることにより、吊り具４及
びそれに取り付けられるランナー材Ｒ1 の高さを調整す
ることができる。

【０００８】前記吊り具４は、その両側にあるホルダー
部４ａ、４ａをランナー材Ｒ1 の両側面切欠部２、２
（ライナー状の切溝）にスライド可能に嵌合して、上側
より該ランナー材Ｒ1 をホールドして天井から吊り下げ
ており、吊り下げられたランナー材Ｒ1 は吊り具４に対
してスライド可能となっている。

【０００９】図３は、ランナー材Ｒ1 を天井１よりボル
ト５と吊り具４にて吊り下げ、取り付け固定された状態
を説明する部分斜視図であり、ランナー材Ｒ1 は、２本
以上複数本が使用され、例えば、天井１の面の長手方向
に対して平行な方向に配置され、短手方向にランナー材
Ｒ1 が、所定間隔（例えば等間隔）で配列されるように
取り付けられる。

【００１０】さらに、平行に取り付けられた前記ランナ
ー材Ｒ1 には、該ランナー材Ｒ1 に対して直交する方
向、即ち短手方向に対して平行な方向に、複数本のライ
ナー状の振れ止め材１２が所定間隔を置いて取り付けら
れ、各々ランナー材Ｒ1 は、この振れ止め材１２によっ
て互いに連結固定される。なお、ランナー材Ｒ1 と振れ
止め材１２のそれぞれ交差部には、そのいずれか一方若
しくは両方に互いに嵌合交差させる切溝を設けてもよ
い。また、交差部は必要に応じて螺子止めする。

【００１１】そして、各々ランナー材Ｒ1 の下面には、
プレート状の天井仕上げ材６（パネル）が、ビス止め、
あるいは下面切欠部３（ライナー状の切溝）に嵌合固定
される一対の天井パネル取付用のクリップ７、７を介し
て取り付けられ、天井１と天井仕上げ材６との間には、
配管、配線などのためのスペース部分が形成される。

【００１２】例えば、前記クリップ７は、図１に示すよ
うに、上板７ａ、背板７ｃ、下板７ｂからなるコの字型
の取付具であって、上板７ａの両端部に垂直方向に対向
するそれぞれ内側垂直板７ｅと外側垂直板７ｆを備え、
下面切欠部３内に装填される内側垂直板７ｅとこれと対
向する外側垂直板７ｆとによって、隙間７ｄを介してラ
ンナー材Ｒ1 の下面に２個背中合わせに取り付けられ
る。

【００１３】そして、前記クリップ７は、天井仕上げ材
６（パネル）を、このガイド具７のそれぞれ開口部にそ
の端部を差し込んだ後、ネジＢ1 にてランナー材Ｒ1 に
締め付け固定して取り付けるものである。

【００１４】上記天井仕上げ材６の取り付けと同時に間
仕切りの取り付け施工をする場合には、図２に示すよう
に、ランナー材Ｒ1 の下面切欠部３に下向きに開口する
コの字型の間仕切ガイド具８を下方より嵌合し、そのガ
イド具８の下向き開口部内に床面から垂直に立ち上げた
間仕切壁やパネル又は間仕切壁の下地材（スタッド）な
ど間仕切材１０の上端部を差し込み嵌合して固定状態若
しくはスライド可能に取り付ける。なお、１１は、下地
材１０の表面に化粧施工した化粧壁パネルである。

【００１５】間仕切材１０を取り付けたランナー材Ｒ1
の側面切欠部２には、取り付け用の側面ガイド具９を介
して天井仕上げ材６が取り付けられる。

【００１６】前記側面ガイド具９は、図２に示すよう
に、一方にランナー材Ｒ1 の側面切欠部２に対して固定
若しくはスライド可能に係合するコの字型の係合部９ａ
と、他方に天井仕上げ材６の端部を差し込み固定若しく
はスライド可能に係合するコの字型の係合部９ｂとを備
えている。なお側面ガイド具９は、ランナー材Ｒ1 に対
して、一定間隔に複数個を係合してもよいし、ランナー
材Ｒ1 に沿った１本のライナー状のガイド具９（取付
具）として係合してもよい。また、ランナー材Ｒ1に対
する側面ガイド具９の取付固定はネジＢ2 により締め付
け固定してもよい。

【００１７】

【実施例】以下に本発明工法の具体的実施例を示す。

【００１８】＜実施例＞躯体の天井１のスラブ面に、イ
ンサート等により、吊りボルト５を垂直下向きに一定の
間隔を以て取り付ける。ランナー材Ｒ1 に対して水平方
向から複数の吊り具４を滑らせながら嵌合した後、吊り
具４を吊りボルト５に取り付け、水平レベルを整合させ
ながら、水平且つ平行に複数本のランナー材Ｒ1 を設置
する。ランナー材Ｒ1 は、例えば、天井１の面の長手方
向に対して平行に設置し、短手方向に順次配列してい
く。

【００１９】ランナー材Ｒ1 は、図１に示すように、四
角形状の両側面に、それぞれ切欠部２が設けられ、その
切欠部２に、吊り具４が取り付けられる。吊り具４は、
天井１のスラブ面よりインサート等で取り付けられた吊
り下げ固定用のボルト５に支持される。また、ランナー
材Ｒ1 の下面及び切欠部３に沿って、一対の天井パネル
取付クリップ７、７を取り付け、コの字型の開口部内に
天井パネル６を差し込んだ後、下板７ｂの下側よりネジ
Ｂ1 にて締め付けてランナー材Ｒ1 の下面に取り付けら
れる。

【００２０】間仕切ガイド具８は、図２に示すように、
ランナー材Ｒ1 の下面切欠部３に沿って取り付けられ
る。取り付け易くするため、例えば、前記ガイド具８に
は切り起こしがされている。そして、該ガイド具８が設
置された後に下地材１０が立てられて、化粧や内装用装
飾の施された壁パネル１１が取り付けられる。

【００２１】本発明の工法は、従来の野縁組み工法と較
べて簡略化され、結果として省力施工が可能となり、間
仕切壁の下地材１０も躯体と分離されているため、リフ
ォームや間仕切りの変更の際に大幅な改装工事を必要と
しないものである。

【００２２】さらにメンテナンスの際には、そのメンテ
ナンスの内容に応じて、取り外したいパネルのみを選択
して取り外した後に、プレ化粧された新規の天井パネル
を容易に取り付けて行うことができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の工法は、前述したような構成に
よる特殊なランナー材を用いた二重天井下地工法であ
り、従来の野縁組み工法と較べて、より少ない部品点数
によって施工でき、より少ない労力で能率的に施工でき
る。また、間仕切の下地材も、ランナー材に取り付ける
ことで、躯体と分離した状態で施工完成され、将来のリ
フォームや間仕切り変更の際に効率よく改装できる。

【００２４】さらに、天井パネルをプレ化粧で予め表面
化粧して、最少限の大きさにすることで、メンテナンス
の際に、その内容に応じて、必要でない取り外したい天
井パネルのみを取り外してメンテナンス作業が効率的に
できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の工法における天井パネルの取り付け施
工を説明する側面図。

【図２】本発明の工法における天井パネル及び間仕切材
の取り付け施工を説明する側面図。

【図３】本発明の工法における天井パネルの取り付け施
工を説明する部分斜視図。

【符号の説明】

Ｒ1 …ランナー材 １…天井 ２…側面切欠部 ３…下
面切欠部 ４…吊り具 ５…吊りボルト ６…天井パネル ７…下面ガイド具
８…間仕切ガイド具 ９…側面ガイド具 １０…間仕切材 １１…プレ化粧パネル １２…振れ止
め材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両側面切欠部２、２と下面切欠部３とを設
   けた複数本のランナー材Ｒ1 をその両側面切欠部２、２
   にスライド可能に嵌合した複数個の吊り具４にて天井ス
   ラブ面に対して平行に吊り下げ固定し、該ランナー材Ｒ
   1 に直交する方向に所定間隔を以て複数本の振れ止め材
   １２を平行に取り付けて各々ランナー材Ｒ1 同士を互い
   に連結し、前記ランナー材Ｒ1 の下面に一対の天井パネ
   ル取付用のクリップ７を取り付け、前記下面切欠部３に
   間仕切ガイド具８を取り付けることを特徴とする二重天
   井下地工法。