JPH10227047A - 作業機械の遠隔操作装置 - Google Patents

作業機械の遠隔操作装置

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JPH10227047A
JPH10227047A JP4690897A JP4690897A JPH10227047A JP H10227047 A JPH10227047 A JP H10227047A JP 4690897 A JP4690897 A JP 4690897A JP 4690897 A JP4690897 A JP 4690897A JP H10227047 A JPH10227047 A JP H10227047A
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JP
Japan
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hydraulic
signal
control
operating
group
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Application number
JP4690897A
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English (en)
Inventor
Yukio Sakamoto
幸男 坂本
Toshikazu Murai
俊和 村井
Ryuji Takada
龍二 高田
Yoshihiro Hoshino
吉弘 星野
Akihisa Komori
昭尚 小守
Yasuo Tanaka
康雄 田中
Tooru Kurenuma
榑沼  透
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御信号送信装置から作動制御手段に送信さ
れる1サイクルの信号送信時間が格別長くならずに、所
定の作動手段の微細な操作できるようにする。 【構成】 制御信号送信装置20側では、左右の走行用
油圧モータ,旋回用油圧モータ及びブレードの昇降用油
圧シリンダからなる第2群の作動手段について、判定部
24a〜24dで操作レバー21の操作量に応じたそれ
ぞれ2ビットの制御信号を生成して送信する。作動制御
装置40側では、受信した制御信号から交番パルス合成
部49で交番パルスを生成して、操作レバー21の不感
帯領域Aの範囲内で油圧アクチュエータの方向切換弁は
中立位置に保持され、微操作領域Bでは、交番パルスが
出力されて、方向切換弁の断続的切換により油圧アクチ
ュエータが微小動作状態で作動し、最大操作領域Cで
は、方向切換弁が完全に切り換わって、油圧アクチュエ
ータはフル作動状態となるように制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の作業機械を遠隔操作で作動させるための作業機械
の遠隔操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】作業機械の一例として、例えば油圧ショ
ベルは、土木工事等を行うために用いられるが、この土
木工事には、例えば災害地における復旧工事その他の工
事も含まれる。例えば、地震により半倒壊状態にある構
築物を除去や撤去等の作業を行ったり、火山の噴火後に
おいて、再度の噴火のおそれがある場所で瓦礫を処理し
たする場合にも油圧ショベルが用いられ、さらに工場災
害等により有毒なガスや粉塵が存在したり、高い熱が発
生している場所の復旧作業を行うこともある。このよう
な災害地では、油圧ショベルの運転室にオペレータが搭
乗してその操作を行うと、二次災害が発生する等のおそ
れがあることから、油圧ショベルにはオペレータが搭乗
せず、遠隔操作により安全な場所から油圧ショベルの作
動を制御する。このために、遠隔操作装置が用いられる
が、この遠隔操作装置としては、遠隔地に設置される制
御信号発生装置と、油圧ショベルに搭載した作動制御装
置とから構成され、制御信号発生装置から作動制御装置
への信号の伝達は、無線または有線からなる通信手段で
行うようにしている。特に、無線通信は油圧ショベルと
遠隔操作装置との相対位置関係等に制約が少ないことか
ら、無線通信手段により制御するのが一般的である。
【0003】ところで、油圧ショベルは、周知のよう
に、下部走行体に旋回可能に設けた上部旋回体から構成
され、上部旋回体にはブーム,アーム及びバケット等の
フロントアタッチメントからなるフロント作業機構が設
けられ、また下部走行体にはブレードが設けられる場合
もある。このように構成することによって、下部走行体
により車両が自走し、上部旋回体を旋回させることによ
って、フロント作業機構を所望の方向に向けることがで
きる。また、所定の位置において、フロント作業機構や
ブレードを作動させることによって、土砂の掘削や瓦礫
の除去、さらには構築物の破砕等の作業を行うことがで
きる。
【0004】油圧ショベルにあっては、下部走行体によ
る走行駆動(ここで、下部走行体としては、左右の履帯
から構成され、これら左右の履帯はそれぞれ独立に作動
する)は油圧モータで行われ、上部旋回体の旋回も油圧
モータにより行われる。また、フロント作業機構を構成
するブーム,アーム及びバケットは、それぞれ油圧シリ
ンダで駆動され、さらにはブレードの昇降駆動も油圧シ
リンダで行われる。以上の油圧モータ及び油圧シリンダ
からなる油圧アクチュエータが油圧ショベルにおける走
行,旋回,作業等を行う機構を作動させるための作動手
段である。これら油圧アクチュエータは油圧ポンプから
の圧油を供給することにより作動するものであり、この
ために方向切換弁を備え、油圧ポンプから供給される圧
油は、この方向切換弁を介して各油圧アクチュエータに
供給される。
【0005】油圧ショベルの各機構を作動させるため
に、上部旋回体には運転室が設けられており、この運転
室には操作レバー等の操作手段が設けられ、オペレータ
は、この操作手段を操作することにより各方向切換弁の
切り換えを行う。操作手段は方向切換弁と直結されては
おらず、パイロット作動式の方向切換弁を用いて、常時
においては、方向切換弁を中立位置に保持しておき、左
右いずれかのパイロット部にパイロット信号が供給され
ると、この方向切換弁が切り換わって、油圧アクチュエ
ータに圧油を供給することができる。従って、操作手段
は方向切換弁にパイロット信号を供給する構成となって
いる。
【0006】ここで、操作手段から供給されるパイロッ
ト信号に基づいて方向切換弁はON,OFF的に制御さ
れるものではなく、操作手段の操作量に応じて方向切換
弁が比例的に制御される。操作手段として、例えば操作
レバーは常時には中立位置に保持されており、この操作
レバーを所定の方向に傾けると、パイロット信号が方向
切換弁に供給されるが、この操作レバーの角度に応じて
方向切換弁の切り換え位置が変化することになる。これ
によって、油圧アクチュエータの作動速度を制御するこ
とができる。即ち、操作レバーを傾けた時に、その角度
が小さい場合には油圧アクチュエータは低速で作動し、
その角度を大きくすると、それに比例して方向切換弁が
変位し、油圧アクチュエータの作動速度が高速化すると
いうように、油圧アクチュエータの速度が変化する。操
作レバーを所定角度まで操作すると、方向切換弁が完全
に切り換わることになり、油圧アクチュエータは最高速
度で作動することになる。従って、油圧アクチュエータ
の作動停止状態から、操作手段を操作すると、その操作
量に応じて比例的に制御される比例制御状態となり、さ
らに完全に切り換わるフル作動状態となる。
【0007】遠隔操作で油圧ショベルを作動させるに
は、制御信号発生装置に操作手段を設けて、この操作手
段の操作に基づいて方向切換弁に対する制御信号を作り
出して、油圧ショベル側に設けた作動制御装置に送信
し、この作動制御装置で受信された制御信号に基づい
て、各方向切換弁が切り換えられる。制御信号発生装置
から送信されるのは、少なくとも、左右の走行用油圧モ
ータの各々の前進及び後進に関する制御信号と、上部旋
回体3の右旋回及び左旋回に関する制御信号と、ブーム
シリンダ,アームシリンダ及びバケットシリンダの伸長
及び縮小に関する制御信号と、ブレード用のシリンダの
上げ及び下げの制御信号とが必要となる。これら各油圧
アクチュエータへの制御信号を無線で送信する場合に、
シリアル通信で伝送される。しかも、信号の安定性,ノ
イズ等による誤動作防止等の観点から、好ましくはデジ
タル信号で送信する。ここで、油圧アクチュエータの制
御性を向上させるには、比例制御状態の範囲で微小な制
御を可能にしなければならず、制御信号発生装置側から
送信される制御信号のビット数が膨大な量になってしま
う。従って、前述した全ての油圧アクチュエータを微細
に制御しようとすると、シリアル通信で送信される制御
信号のサイクルは極めて冗長なものとなる。
【0008】ところで、油圧ショベルによる作業はフロ
ント作業機構により行われるものであり、従って作業性
の観点からは、このフロント作業機構を構成するブー
ム,アーム及びバケットは微細に制御しなければならな
い。これに対して、下部走行体による走行や、上部旋回
体の旋回、さらにブレードの作動は、微細に制御しなく
とも、実際に作業を行うには格別の支障を来さない。以
上のことから、シリアル通信により伝送される制御信号
としては、微細に制御する必要のある作動手段と、微細
に制御しなくとも良い作動手段とをそれぞれの群に分け
ることができる。そして、微細に制御する必要のある作
動手段を第1群の作動手段として、信号の割り当てを多
く取って、微細制御を可能となし、また微細に制御しな
くとも良い作動手段を第2群の作動手段として、信号の
割り当てを少なくして、信号送信サイクルを短縮するこ
とができる。デジタル信号で送信する場合には、第1群
の作動手段に対する制御信号を必要な程度の微細制御性
を持たせるために8ビット程度の信号となし、第2群の
作動手段に対する制御信号は1ビット信号とするように
構成している。これによって、第1群の作動手段は多段
階的に制御できるようになり、また第2群の作動手段は
ON,OFF的な制御が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】第2群の作動手段は、
通常の状態ではON,OFF的に制御しても、格別の支
障を来すことはないが、なおその作動速度を抑制する必
要がないとは言えない。即ち、操作手段が操作される
と、この操作手段により作動する作動手段としての油圧
アクチュエータが直ちに作動したり、停止したりするの
ではなく、ある種の時間遅れが生じる。この時間遅れが
生じる要因としては、入力操作に基づいて電気信号に変
換される時間と、送信時間及び油圧ショベルの作動制御
装置側で受信してから方向切換弁の切り換わるまでに要
する時間がある。この時間遅れは常に一定であるが、さ
らに信号送信の1サイクルの間のどのタイミングで操作
手段が操作されたかによる時間遅れもある。この種の時
間遅れは操作のタイミングに応じて変化する可変な時間
遅れであり、最大限1サイクル分だけ遅れることがあ
る。従って、一定の時間遅れと操作のタイミングに基づ
く可変な時間遅れの合計の時間遅れが生じることから、
操作手段が操作されてから実際に方向切換弁が切り換わ
るまでの時間遅れは全体で見れば可変なものとなる。
【0010】例えば、上部旋回体を旋回させる場合にお
いて、旋回モータは第2群の作動手段であるから、一定
の速度、即ち最高速度で旋回することになる。そして、
所定の位置で旋回を停止させる場合には、制御信号発生
装置側の操作手段としての操作レバーを中立位置に戻す
ようにするが、操作レバーを操作してから実際に旋回が
停止するまでに、可変な時間遅れがあり、かつ旋回は最
高速度で行われる。従って、この可変な時間遅れの間に
オーバーランすることになり、あるいは時間遅れを考慮
して所定の旋回位置に至る前に操作レバーを戻した時に
は、目的とする手前の位置で上部旋回体の旋回が停止し
てしまうこともある。ある程度ラフな位置で停止させれ
ば良い場合であればともかく、たとえ第2群の作動手段
であっても、ON,OFF的な制御では正確な制御を行
えないと、位置制御を厳格にしようとする場合等におけ
る操作性が十分得られない。
【0011】また、例えば上部旋回体が所定の方向を向
いている場合に、この上部旋回体を微小量旋回させる必
要が生じることがある。この場合に操作手段を操作を行
うと、上部旋回体が旋回するが、前述したような可変な
時間遅れがあるから、旋回の確認後に、操作手段を戻し
た場合には、操作手段を戻した後も旋回し続け、しかも
旋回速度は最高速度であることから、やはり微細な位置
制御を行えない。さらに、意図しないにも拘らず、ある
操作レバーを誤って操作してしまう場合もある。この場
合に、作動手段の作動が開始した時に、誤りに気がつい
て操作レバーを中立位置に戻したとしても、作動手段は
ある時間まで作動を続けることになり、しかもその動き
は最高速度で行われるから、予期した以上に作動手段が
動いてしまうことになって、作業の円滑性が損なわれる
等のおそれがある。
【0012】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、1サイクルの信号送
信時間が格別長くなることがなく、第2群の作動手段の
微細な操作を可能にすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、複数の作動手段を備えた作業機械を遠
隔操作により作動させるために、これら各作動手段の操
作を行う複数の操作手段を備えた制御信号送信手段と、
この制御信号送信手段からの制御信号を受信して各作動
手段に駆動信号を与える作動制御手段とを備え、前記各
作動手段の性質により第1群の作動手段と第2群の作動
手段とに分けて、第1群の作動手段は、前記各操作手段
からの制御信号に応じて比例的に制御されるようにした
ものであって、前記作動制御手段には交番パルス発生手
段を設けて、前記制御信号送信手段からの第2群の作動
手段の制御信号と前記交番パルス発生手段により生成し
た交番パルスとにより、前記第2の作動手段を、停止状
態と、フル作動状態と、微小動作状態となるように制御
可能な構成としたことを特徴とするものである。
【0014】第2群の作動手段は油圧アクチュエータで
構成し、各油圧アクチュエータには方向切換弁を介して
圧油が供給され、各油圧アクチュエータに対する圧油の
供給制御を行う方向切換弁を油圧パイロット方式で制御
する構成とするのが好ましい。そして、この油圧パイロ
ット部に切換弁を接続して、操作手段からの制御信号と
作動制御手段の交番パルス発生手段からの交番パルスと
により、切換弁を油圧パイロット部にパイロット信号を
供給しない状態と、パイロット信号を供給し続ける状態
と、パイロット信号を断続的に供給する状態とに切り換
え制御を行うようにすれば、断続開放状態により微小動
作状態を作り出すことができる。
【0015】作動制御手段で交番パルスを生成するが、
この交番パルスは第2群の作動手段の作動を制御するた
めの操作手段から操作信号が出力されている限りは常に
交番パルスを出力させるか、また操作信号が出力された
後にタイマで設定された所定の時間だけ交番パルスを出
力するように構成しても良い。前者の場合には、第2群
の作動手段の作動を制御するための操作手段からの出力
信号を、この操作手段が操作されたか否かのデータを示
す第1のビット信号と、フル作動状態で操作されたか否
かのデータを示す第2のビット信号との2ビット信号と
なし、作動制御手段には、第1のビット信号が出力さ
れ、かつ第2のビット信号が出力されない状態の時に
は、交番パルス発生手段からの交番パルスに基づいて第
2の作動手段の微小動作を行うようにする。また、後者
の場合には、作動制御手段にタイマを持たせ、交番パル
ス発生手段からの交番パルスは、このタイマで設定され
た時間だけ出力されて、この間は第2群の作動手段は微
小動作する。従って、この場合には、第2群の作動手段
の制御信号は1ビット信号とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施の形
態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1に作業
機械の一例としての油圧ショベルの遠隔操作装置の概略
構成を示す。なお、この遠隔操作装置は油圧ショベルを
遠隔操作するためにのみ用いられるのではなく、油圧ク
レーンその他の作業機械の遠隔操作装置としても用いる
ことができ、また作動手段としては、油圧モータ及び油
圧シリンダからなる油圧アクチュエータに限定されるも
のではなく、電動モータ等を制御するものでも良い。さ
らに、図面においては、フロントアタッチメントとして
バケットを装着したものを示したが、バケット以外のフ
ロントアタッチメント、例えば破砕機等を装着したもの
でも良い。さらにまた、制御信号は無線送信されるよう
にしたが、シリアル送信される限り有線送信を行う場合
にも適用できることは言うまでもない。
【0017】図1において、10は油圧ショベル、20
は制御信号送信装置、40は作動制御装置である。油圧
ショベル10は、走行用油圧モータで駆動される左右の
履帯を備えた下部走行体11と、旋回用油圧モータを備
えた旋回装置12により下部走行体11上に旋回可能に
装着した上部旋回体13とを有し、上部旋回体13に
は、この上部旋回体13のフレームにブーム用油圧シリ
ンダ14aで俯仰動作可能に連結したブーム14と、こ
のブーム14の先端にアームシリンダ15aにより上下
方向に回動可能に連結したアーム15と、このアーム1
5の先端にバケットシリンダ16aで回動可能に連結し
たバケット16とからなるフロント作業機構17が設け
られる。また、下部走行体11を構成する両側の履帯の
間の位置には、ブレード18が設けられており、このブ
レード18は昇降用油圧シリンダにより上下動できるよ
うになっている。なお、左右の走行用油圧モータ,旋回
用油圧モータ及び昇降用油圧シリンダは図面上現れてい
ない。
【0018】以上の構成を有する油圧ショベル10には
作動制御装置40が設けられ、制御信号送信装置20は
油圧ショベル10から離れた所望の位置に設置されてい
る。そして、制御信号送信装置20からの制御信号が作
動制御装置40に送信されて、この作動制御装置40に
より油圧ショベル10を構成する各機構、即ち下部走行
体11による走行,上部旋回体13の旋回,フロント作
業機構17及びブレード18の作動が制御される。ここ
で、作動制御装置40で実際に制御するのは、フロント
作業機構17を構成する各油圧シリンダ14a,15
a,16aと、左右の走行用油圧モータ,旋回用油圧モ
ータ及び昇降用油圧シリンダとからなる各油圧アクチュ
エータであり、従ってこれら各油圧アクチュエータが作
動手段となる。しかも、実際には、これら各油圧アクチ
ュエータに対して圧油の給排制御を行う方向切換弁の切
り換えにより油圧アクチュエータの制御が行われる。
【0019】制御信号送信装置20は、操作手段として
複数の操作レバー21(図面では2本の操作レバーを示
す)と、この操作レバー21の操作量、即ち中立位置か
らどの方向にどの程度傾けたかを検出して、その情報を
電気信号に変換する操作量検出部22とを備えている。
ここで、操作量検出部22は、例えば各操作レバー21
の操作方向及び操作量をポテンショメータ等の検出手段
で検出するようになっている。この操作量検出部22か
らの出力信号に基づいて前述した各機構が駆動される
が、最終的には各油圧アクチュエータにそれぞれ接続し
た方向切換弁にパイロット信号を供給することになる。
【0020】操作量検出部22からの出力信号は、その
一部はA/D変換器23a,23b,23cにより操作
量に比例したデジタル信号が生成され、また他は判定部
24a,24b,24cにより操作量が所定のレベルを
越したか否かが判定される。操作量検出部22からの出
力信号をA/D変換器23a,23b,23cでデジタ
ル変換を行うと、比例的な制御信号が生成されて、油圧
アクチュエータの作動速度を微細に制御できる。また、
判定部24a,24b,24c,24dからの出力信号
では、微細な制御信号は作り出すことはできないが、出
力信号が簡略化される。ここで、A/D変換器23a,
23b,23cからの出力信号で制御されるのは、フロ
ント作業機構17を構成するブーム14,アーム15及
びバケット16をそれぞれ駆動する各油圧シリンダ14
a,15a,16aであり、従ってこれら油圧シリンダ
14a,15a,16aは第1群の作動手段となる。ま
た、左右の走行用油圧モータ,旋回用油圧モータ及びブ
レードの昇降用油圧シリンダは、判定部24a,24
b,24c,24dの出力信号で制御されるものであ
り、これらの油圧アクチュエータは第2群の作動手段と
なる。
【0021】ここで、第1群の作動手段と第2群の作動
手段とに分けたのは、第1群の作動手段は制御の微細性
が優先され、第2群の作動手段では制御信号の単純化を
図るためである。一般に、油圧ショベル10での作業は
フロント作業機構17でお子なれることから、フロント
作業機構17は微細に制御する必要がある。従って、フ
ロント作業機構17における各作動手段である油圧シリ
ンダ14a,15a,16aは微細に制御される第1群
の作動手段とする。また、下部走行体11による走行及
び旋回装置12での旋回、さらにはブレード18の昇降
は、直接的には作業とは関係がないものであり、それら
の油圧アクチュエータの制御はあまり微細である必要が
ないことから、第2群の作動手段としている。ただし、
第1群及び第2群の作動手段の区別は必ずしも以上のよ
うに設定しなければならない訳ではなく、要は機械にお
ける作業性等を考慮して適宜設定すれば良い。
【0022】判定部24a,24b,24c,24dで
は、操作レバー21が操作された時に、その操作量が所
定量を越えたか否かの判定を行うものであって、その回
路構成は、例えば図2に示した構成とすることができ
る。この図から明らかなように、2つの比較器240,
241と、基準電圧発生部242,243とから構成さ
れる。操作レバー21の操作に応じて操作量検出部22
から電圧信号が出力されるが、比較器240,241に
おいて、この操作レバー21からの出力信号が基準電圧
発生部242,243の電圧を越えたか否かの検出が行
われる。そして、操作レバー21の操作による出力信号
が基準電圧発生部242で設定した電圧値以上になる
と、操作レバー21が操作されたことが検出され、また
基準電圧発生部243に設定されている電圧以上になる
と、油圧アクチュエータはフル作動状態にまで操作され
たことが検出される。従って、操作レバー21からの出
力信号が基準電圧発生部242の電圧値を越した時に、
比較器240から信号が出力され、この比較器240か
らの出力信号が下位ビット信号(即ち、第1のビット信
号)となる。また、基準電圧発生部243の電圧値以上
の出力がなされると、比較器241から信号が出力され
るが、この比較器241からの出力信号は上位ビット信
号(即ち、第2のビット信号)となる。
【0023】判定部24a,24b,24c,24dか
らの出力信号はデジタル信号出力部25に伝送されて、
それぞれ2ビットで、合計8ビットのデジタル信号が生
成される。一方、各A/D変換器23a,23b,23
cからは8ビットのデジタル信号が出力され、デジタル
信号入力部25からの出力信号と共に、データバス26
を介してRAM(Random Access Memory)27に取り込
まれる。そして、ROM(Read Only Memory)28に予
め定められた手順に基づいてCPU(CentralProcessin
g Unit )29で、図3に示したように、ヘッダ部と所
要の信号データ系列及びチェックビットからなる1サイ
クルのデジタル信号が生成されて、この信号は送信器3
0から繰り返しシリアル送信がなされる。ここで、各A
/D変換器23a,23b,23cからそれぞれ8ビッ
トのデジタル信号が出力されるようにしたが、制御の微
細性に関する要請と、1サイクルの信号列の長さとの関
係で、各々に割り当てられる信号のビット数は適宜設定
することができる。
【0024】油圧ショベル10側に設けた作動制御装置
40は、制御信号送信装置20の送信器30からの制御
信号を受信する受信器40aを有し、この受信器40a
で受信した信号はデータバス41を介してRAM42に
取り込まれ、ROM43に設定された手順で、CPU4
4で各油圧アクチュエータへの制御信号に変換されて、
第1の作動手段を構成する各油圧シリンダ14a,15
a,16aへの制御信号、及び第2の作動手段を構成す
る左右の走行用油圧モータ,旋回用油圧モータ及びブレ
ードの昇降用油圧シリンダへの制御信号がそれぞれ生成
される。
【0025】前述した第1の作動手段を構成する各油圧
シリンダ14a,15a,16aに対する伸長方向及び
縮小方向に対する制御信号は、D/A変換器45a,4
5b,45cによりアナログ信号に変換されて、それぞ
れ各一対からなる信号増幅器46a,46b,46cで
増幅されて、比例電磁弁47a,47b,47cに伝送
される。ここで、この制御信号に基づいて作動する油圧
アクチュエータは油圧シリンダ14a,15a,16a
であるから、比例電磁弁47a,47b,47cには、
方向切換弁をどの方向に、どの程度変位させるかという
動作制御が行われ、これによって、油圧シリンダが制御
された速度で伸長したり、縮小したりする。このように
比例的な動作制御信号が得られる結果、油圧シリンダ1
4a,15a,16aで駆動されるブーム14,アーム
15及びバケット16は所望の速度で動作することにな
り、その制御性が良好になる。
【0026】一方、第2の作動手段における左右の走行
用油圧モータ,旋回用油圧モータ及びブレードの昇降用
油圧シリンダに対する制御信号は、デジタル信号出力部
48に取り込まれる。そして、このデジタル信号出力部
48で各々の制御信号に分離されて、交番パルス合成部
49で交番パルスと合成される。この交番パルス合成部
49は、図4に示したように、交番パルス発生部490
とAND回路491及びOR回路492とを有し、デジ
タル信号出力部48からの上位ビット信号伝送ライン4
93と下位ビット信号伝送ライン494のうち、下位ビ
ット信号伝送ライン492からの信号は、交番パルス発
生部490からの交番パルスと共にAND回路491に
取り込まれる。ここで、操作レバー21が所定角度以上
操作されない限りは、上位ビット信号伝送ライン493
及び下位ビット信号伝送ライン494からの出力レベル
はL(ロー)であり、操作レバー21がある角度傾けら
れると、下位ビット信号伝送ライン494からの出力レ
ベルがH(ハイ)となり、操作レバー21がほぼ最大角
度まで傾けられると、上位ビット信号伝送ライン493
及び下位ビット信号伝送ライン494は共にHレベルの
出力状態となる。
【0027】従って、下位ビット信号のレベルがLであ
れば、AND回路491からの出力のレベルはLとなる
が、下位ビット信号のレベルがHになると、AND回路
491の出力信号は交番パルスとなる。一方、このAN
D回路491からの出力側は、上位ビット信号と共にO
R回路492に取り込まれる。この結果、交番パルス合
成部49からの出力信号のレベルは、下位ビット信号及
び上位ビット信号が共にLレベルであればLとなり、下
位ビット信号の出力レベルがHで上位ビット信号のレベ
ルがLであると、AND回路491からの交番パルス信
号がそのまま出力される。さらに、上位ビット信号のレ
ベルがHになると、上位ビット信号、即ち交番パルス合
成部49の出力レベルはHとなる。以上のことから、デ
ジタル信号出力部48からの上位ビット,下位ビットか
らなる2ビット信号に基づいて、交番パルス合成部49
の出力信号は図5の(a),(b),(c)のいずれか
の波形の信号となり、この交番パルス合成部49からの
信号に基づいて、第2群の作動手段を構成する各油圧ア
クチュエータの作動が制御される。
【0028】ここで、第2群の作動手段を構成する左右
の走行用油圧モータ,旋回用油圧モータ及びブレードの
昇降用油圧シリンダの作動としては、3個の油圧モータ
の一方向への回転及びそれとは逆方向への回転と、1個
の油圧シリンダの伸長方向及び縮小方向への作動という
ように、8種類の制御信号により制御される。従って、
交番パルス合成部49により3つの態様を有する8つの
制御信号が出力され、これら各制御信号は、それぞれ信
号増幅器50a〜50hにより増幅されて、制御部51
a〜51hに入力され、この制御部51a〜51hから
の信号に基づいてこれら第2群の作動手段の作動が制御
され、例えば制御部51a,51bからの出力信号によ
り旋回用油圧モータの作動が制御され、制御部51c,
51dからの信号で左側の走行用油圧モータが、制御部
51e,51fからの信号により右側の走行用油圧モー
タの作動が制御される。さらに、制御部51g,51h
からの信号でブレードの昇降用油圧シリンダの作動が制
御される。
【0029】油圧アクチュエータの作動は、それに接続
した方向切換弁により行われ、この方向切換弁に対する
パイロット信号により制御されるものである。従って、
操作手段としての操作レバー21が中立位置にある時に
は(通常、操作手段には不感帯領域が設けられ、完全に
中立位置にある状態からこの操作レバー21が多少傾い
た位置を含む)、不感帯領域Aの範囲内であり、交番パ
ルス合成部49からの出力信号波形は図5の(a)のよ
うに出力レベルがLである。従って、制御対象となる方
向切換弁は中立位置に保持されて、油圧アクチュエータ
は停止した状態に保たれる。操作レバー21が不感帯領
域Aを越えて操作されると、微操作領域Bに入り、この
時の出力信号波形は、図5の(b)で示したように、
L,Hの交番パルスとなって、油圧アクチュエータが微
小動作状態で作動するように方向切換弁の切り換えが行
われる。さらに、微操作領域Bを越して、操作端の位置
までは最大操作領域Cであり、この時には交番パルス合
成部49からは図5の(c)の波形の信号が出力され
て、そのレベルはHの状態が連続したものとなって、方
向切換弁が完全に切り換わって、油圧アクチュエータは
最高速度で作動するフル作動状態となる。。従って、操
作レバー21の操作に基づく第2群の作動手段の速度特
性は、図5にSで示した線図となる。
【0030】第2群の作動手段は以上の制御信号により
作動制御がなされるが、例えば図6に示した油圧回路を
構成することができる。なお、同図では、第2群の作動
手段を構成する油圧アクチュエータの一例としての油圧
モータ60を示したが、ブレード18の昇降用油圧シリ
ンダの油圧回路もこれと実質的に同じである。油圧モー
タ60は油圧ポンプ61からの圧油で駆動されるもので
あり、油圧ポンプ61から油圧モータ60への圧油の供
給を制御するために、方向切換弁62が設けられる。方
向切換弁62は油圧パイロット方式で切り換わるもので
あり、常時には中立位置(イ)となっており、この中立
位置(イ)では油圧モータ60に圧油の供給はなされな
い。一方、切換位置(ロ)に切り換わると、油圧モータ
60の一方のポートは低圧ポンプ64と接続され、他方
のポートはタンク63と連通することになり、従って油
圧モータ60は一方向に回転する。これに対して、切換
位置(ハ)に切り換わると、油圧モータ60の両ポート
の接続関係は、切換位置(ロ)とは逆になるから、油圧
モータ60は反対方向に回転することになる。
【0031】方向切換弁62の切り換えは、その両側に
設けた油圧パイロット部62a,62bにパイロット圧
を選択的に作用させることにより行われる。油圧パイロ
ット部62a,62bに油圧パイロット信号は低圧ポン
プ64から供給されるが、この油圧パイロット信号の供
給制御を行うために、高速切換弁65a,65bが油圧
ポンプ61と各油圧パイロット部62a,62b間に介
装されて、油圧パイロット部62a,62bを低圧ポン
プ64に接続される状態と、タンク63に接続される状
態とに切り換えられる。
【0032】例えば、油圧モータ60を旋回用油圧モー
タとして、その作動について説明する。高速切換弁65
a,65bは制御部51a,51bからの信号で切換制
御され、常時は、即ち制御部51a,51bの出力信号
波形が図5の(a)となって、出力レベルがLとなる。
この状態では、油圧パイロット部62a,62bは高速
切換弁65a,65bを介して共にタンク63に接続し
た状態に保持される。制御部51a,51bのいずれか
が図5の(c)の出力波形となり、その出力レベルがH
になると、高速切換弁65aまたは65bが切り換わっ
て、低圧ポンプ64からの圧油が油圧パイロット部62
aまたは62bに供給されて、方向切換弁62は切換位
置(ロ)または(ハ)に完全に切り換わる。この結果、
旋回用油圧モータが作動して、上部旋回体13が最高速
度で旋回する。高速切換弁65a,65bは、方向切換
弁62の油圧パイロット部62a,62bをタンク63
に接続するか(中立位置)、油圧ポンプ61に接続する
か(フル作動位置)という2位置しか有さないが、制御
部51a,51bのいずれかから図5の波形(b)の信
号が出力されると、方向切換弁62は交番パルスによ
り、中立位置(イ)と切換位置(ロ)または(ハ)との
間に断続的に切り換わることになる。即ち、交番パルス
によりレベルがLの時には方向切換弁62は中立位置と
なり、レベルがHになると、その間だけいずれかの切換
位置に切り換わって、旋回用油圧モータが作動すること
になり、上部旋回体13には慣性負荷等の作用があるか
ら、多少の追従遅れがあるものの、上部旋回体13が旋
回する。しかも、この交番パルスに基づくデューティ比
に応じた速度で、即ち微小な速度で旋回する。
【0033】従って、上部旋回体13の旋回操作をする
場合には、操作レバー21を最大操作領域Cとして、上
部旋回体13をフル作動状態で旋回させて、目標とする
位置に近くなると、操作レバー21を微操作領域B内で
操作することにより、上部旋回体13の旋回速度が低下
する。この状態で、所定の位置にまで旋回した時に、操
作レバー21を不感帯領域Aに戻すようにすることによ
って、上部旋回体13は正確に所定の位置に停止して、
オーバーラン等が発生することはない。この結果、上部
旋回体13の停止精度が極めて向上することになる。以
上のように、信号のビット数をそれぞれ1ビットずつ増
やすだけで、全体として1サイクルの信号列があまり長
くすることなく、第2群の作動手段について微小作動状
態で制御できるようになるから、この第2群の作動手段
の制御性が著しく向上する。
【0034】次に、図7乃至図11は本発明の第2の実
施の形態を示すものであって、遠隔操作装置の大半の構
成については、前述した第1の実施の形態と実質的に同
様であるから、同一または均等な部材については、同一
の符号を付すものとする。油圧ショベルを含む遠隔操作
装置の全体構成は、実質的に図1に示したものと同様で
ある。ただし制御信号送信装置20側の判定部と、作動
制御装置40側の交番パルス合成部とにおける回路構成
が、図1の装置とは異なっている。
【0035】而して、図7において、判定部70a〜7
0dとしては、操作レバー21から操作量検出部22を
経て出力される電圧信号を基準電圧発生部700と比較
器701で比較して、そのレベルがHであるか、Lであ
るかの2値信号を出力する。従って、判定部70a〜7
0dからの出力信号は1ビット信号であり、送信器30
からは図8に示したように、ヘッダ部と、所定の制御信
号からなるデータ系列とチェックビットとからなるデジ
タル信号が送信される。
【0036】一方、作動制御装置40側では、受信器4
0aで受信した信号に基づいて、前述した第1の実施の
形態と同様の信号処理が行われるが、交番パルス合成部
71としては、図9に示した構成とする。即ち、同図に
おいて、710は交番パルス発生部、711はタイマ、
712は反転増幅器、713はAND回路、714はO
R回路、715はAND回路である。デジタル信号出力
部48からは、第2群の作動手段を構成する各油圧アク
チュエータに対する制御信号が交番パルス合成部71に
入力されるが、各々の油圧アクチュエータの制御信号と
しては、それぞれH,Lからなる1ビット信号である。
【0037】制御信号が交番パルス合成部71に取り込
まれると、この信号はAND回路715に入力されると
共に、タイマ711の設定時間だけの時間遅れを持たせ
て、AND回路713及びOR回路714に入力され
る。ただし、AND回路713の前段には反転増幅器7
12が設けられているから、AND回路713に入力さ
れるのは反転信号である。即ち、交番パルス合成部71
に入力される信号のレベルがLであれば、Hレベルの信
号であり、また交番パルス合成部71にレベルLの信号
が入力されても、タイマ711により設定された時間だ
けはHレベルの信号となり、それ以後の信号レベルはL
となる。AND回路713には交番パルス発生部710
からの交番パルスが取り込まれる。反転増幅器712の
出力信号がHであれば、AND回路713から交番パル
スが出力される。反転増幅器712からの出力信号がL
になると、即ち交番パルス合成部71への入力信号のレ
ベルがHであり、かつタイマ711の設定時間が経過し
た後は、AND回路713の出力信号のレベルはLとな
る。このAND回路713からの出力信号は、タイマ7
11を経た交番パルス合成部71の入力信号と共にOR
回路に入力される。従って、交番パルス合成部71にお
ける制御信号のレベルがLである時と、制御信号自体の
レベルはHであっても、タイマ711で設定された時間
内は、交番パルス信号が出力され、制御信号自体のレベ
ルがHで、タイマ711で設定された時間経過した後
は、このOR回路714の出力信号のレベルはHにな
る。そして、OR回路714からの出力信号と共に、交
番パルス合成部71への入力信号がタイマ711を経な
い状態でAND回路715に入力される。従って、交番
パルス合成部71における入力信号のレベルがLであれ
ば、AND回路715の出力信号のレベルはLであり、
また交番パルス合成部71への入力信号のレベルがHで
ある時には、タイマ711での設定時間だけ交番パルス
が出力され、タイマ711の設定時間が経過すると、信
号のレベルがHになる。この結果、交番パルス合成部7
1への入力信号が図10(a)のような波形とすると、
その出力信号波形は、同図(b)で示したように、タイ
マ711で設定された時間Tだけ交番パルスが出力さ
れ、それ以後の信号レベルはHとなる。
【0038】以上のようにして生成される制御信号によ
り、第2群の作動手段を構成する油圧アクチュエータの
作動が制御されるが、この油圧アクチュエータを含む油
圧回路は図6に示したと同様の構成とすることができ
る。従って、交番パルスが出力されている間は、第2群
の作動手段を構成する油圧アクチュエータは微小作動状
態で制御されることになる。
【0039】ここで、タイマ711で設定された時間に
おける交番パルスの周期は、操作手段の操作に対する油
圧アクチュエータの作動遅れを基準として設定するのが
好ましい。即ち、図11(a)において、操作レバー2
1が操作されると、時間遅れt1 だけ遅れて油圧アクチ
ュエータが作動する。ここで、時間遅れt1 は入力操作
に基づいて電気信号に変換される時間と、送信時間及び
油圧ショベルの作動制御装置側で受信してから方向切換
弁の切り換わるまでに要する時間が要因となるが、さら
に送信信号のサイクルのどのタイミングで操作レバー2
1が操作されたかにより変化する。そこで、この時間遅
れt1 の可変成分を、送信される信号列の1サイクル分
の遅れと仮定する。そして、油圧アクチュエータがこの
時間t1だけ遅れた後に、油圧アクチュエータの作動が
開始するが、この時にオペレータが動きを確認して、操
作レバー21を中立位置に戻す操作をしたとすると、動
きの確認から実際に操作レバー21が中立位置に復帰す
るまでの時間をt2 と設定する。ただし、この時間t2
はオペレータの個性等により変化する。
【0040】以上のような操作を行うと、油圧アクチュ
エータは図11の(b)に示したように、時間t1 が経
過した後に作動が開始するが、操作レバー21は中立位
置に戻されたのであるから、操作レバー21が中立位置
に復帰した後に、さらに油圧アクチュエータは時間t3
分オーバーランする。前述したように、タイマ711で
設定した時間だけ交番パルスを生じさせるのは、このオ
ーバーラン分の時間t3 を抑制するためである。従っ
て、同図(c)で示した交番パルスの周期tsetを、
(t2 +t3 )と一致させると、操作レバー21の戻し
により油圧アクチュエータは直ちに停止して、オーバー
ラン時間t3 が実質的に0になる。ただし、時間t2
オペレータの個性により変化するものであり、場合によ
ってはTが(t2 +t3 )以下になることがあり、そう
すると2回目のパルスの立ち上がりが生じることから、
過動作のおそれもある。従って、オペレータの個性によ
るばらつき考慮して、tset =t2 +t3 +αとするの
が好ましい。そして、このαの値は、個人差もあるが、
ほぼ0.1秒程度とするのが最も望ましい。
【0041】以上のような制御を行うと、過誤により操
作レバー21を操作した場合でも、オペレータが動きを
直ちに認識して操作レバー21を中立位置に戻す操作を
行えば、油圧アクチュエータの暴走が生じるのを防止で
きる。また、タイマ711による設定時間Tを油圧アク
チュエータを微細制御するために必要な時間とすること
によって、この油圧アクチュエータにより駆動される機
構を所望の位置で停止させることができ、その停止精度
が向上する。しかも、このように停止精度の向上が図ら
れるにも拘らず、第2群の作動手段に対して1ビットの
信号しか割り当てる必要がないので、1サイクルの信号
送信時間は全く長くなることはない。なお、前述したタ
イマ711による設定時間Tは、第2群の作動手段の全
てに同じ時間としても良いが、作動手段により駆動され
る機構に必要な停止精度等を考慮して、それぞれ個別的
に設定することもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上のように、作動制御手段
側で交番パルスを発生させて、第2の作動手段を、停止
状態と、フル作動状態と、微小動作状態となるように制
御可能な構成としたので、1サイクルの信号送信時間が
格別長くなることがなく、第2群の作動手段の微細な操
作が可能になる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業機械の一例としての油圧ショベルを含む遠
隔操作の全体構成図である。
【図2】判定部の回路図である。
【図3】制御信号送信装置の出力信号を模式的に示す説
明図である。
【図4】交番パルス合成部の回路図である。
【図5】交番パルス合成部からの出力信号と油圧アクチ
ュエータの作動との関係を示す線図である。
【図6】油圧モータ駆動用の油圧回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における判定部の回
路図である。
【図8】制御信号送信装置の出力信号を模式的に示す説
明図である。
【図9】交番パルス合成部の回路図である。
【図10】交番パルス合成部の出力信号を示す線図であ
る。
【図11】交番パルスの最適周期を示す説明図である。
【符号の説明】
10 油圧ショベル 11 下部走行
体 12 旋回装置 13 上部旋回
体 17 フロント作業機構 18 ブレード 20 制御信号送信装置 21 操作レバ
ー 22 操作量検出部 24a〜24d
判定部 25 デジタル信号出力部 30 送信器 40 作動制御装置 40a 受信器 48 デジタル信号出力部 49 交番パル
ス合成部 51a〜51h 制御部 60 油圧モー
タ 61 油圧ポンプ 62 方向
切換弁 63 タンク 64 低圧
ポンプ 65a,65b 高速切換弁 70a
〜70d 判定部 71 交番パルス合成部 711 タ
イマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 吉弘 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 小守 昭尚 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 田中 康雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 榑沼 透 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の作動手段を備えた作業機械を遠隔
    操作により作動させるために、これら各作動手段の操作
    を行う複数の操作手段を備えた制御信号送信手段と、こ
    の制御信号送信手段からの制御信号を受信して各作動手
    段に駆動信号を与える作動制御手段とを備え、前記各作
    動手段の性質により第1群の作動手段と第2群の作動手
    段とに分けて、第1群の作動手段は、前記各操作手段か
    らの制御信号に応じて比例的に制御されるようにしたも
    のにおいて、前記作動制御手段には交番パルス発生手段
    を設けて、前記制御信号送信手段からの第2群の作動手
    段の制御信号と前記交番パルス発生手段により生成した
    交番パルスとにより、前記第2の作動手段を、停止状態
    と、フル作動状態と、微小動作状態となるように制御可
    能な構成としたことを特徴とする作業機械の遠隔操作装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2群の作動手段は、油圧モータま
    たは油圧シリンダからなる油圧アクチュエータで構成
    し、これら油圧アクチュエータには方向切換弁を介して
    圧油が供給され、各油圧アクチュエータに対する圧油の
    供給制御を行う方向切換弁を油圧パイロット方式とな
    し、前記作動制御手段はこの油圧パイロット部に供給さ
    れるパイロット信号の給排制御を行う構成としたことを
    特徴とする請求項1記載の作業機械の遠隔操作装置。
  3. 【請求項3】 前記各作動手段は、それぞれ油圧アクチ
    ュエータで駆動されるものであり、これら各油圧アクチ
    ュエータには方向切換弁を介して圧油が供給され、前記
    第2群の作動手段を構成する各油圧アクチュエータに対
    する圧油の供給制御を行う方向切換弁を油圧パイロット
    方式となし、この油圧パイロット部に切換弁を接続し
    て、前記操作手段からの制御信号と前記交番パルス発生
    手段による交番パルスとによって、前記切換弁により、
    前記油圧パイロット部にパイロット信号を供給しない状
    態と、パイロット信号を供給し続ける状態と、パイロッ
    ト信号を断続的に供給する状態とに切り換え制御を行う
    構成としたことを特徴とする請求項1記載の作業機械の
    遠隔操作装置。
  4. 【請求項4】 前記第2群の作動手段の作動を制御する
    ための操作手段からの出力信号は、この操作手段が操作
    されたか否かのデータを示す第1のビット信号と、フル
    作動状態で操作されたか否かのデータを示す第2のビッ
    ト信号との2ビット信号となし、前記作動制御手段に
    は、第1のビット信号が出力され、かつ第2のビット信
    号が出力されない時には、前記交番パルス発生手段から
    の交番パルスに基づいて微小動作を行う構成としたこと
    を特徴とする請求項3記載の作業機械の遠隔操作装置。
  5. 【請求項5】 前記作動制御手段はタイマを備え、前記
    第2群の作動手段の作動信号が入力された時に、このタ
    イマで設定された時間だけ前記交番パルス発生手段から
    交番パルスを出力して、この交番パルスが出力されてい
    る間は、前記第2の作動手段が微小動作を行うように構
    成したことを特徴とする請求項1記載の作業機械の遠隔
    操作装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000065240A1 (fr) * 1999-04-27 2000-11-02 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Dispositif et procede de commande d'un engin de construction
JP2013194440A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Caterpillar Sarl 作業機の遠隔操縦装置
US9481976B2 (en) 2014-09-10 2016-11-01 Komatsu Ltd. Work vehicle

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