JPH10227025A - 汚濁水拡散防止用フェンス - Google Patents

汚濁水拡散防止用フェンス

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JPH10227025A
JPH10227025A JP9312749A JP31274997A JPH10227025A JP H10227025 A JPH10227025 A JP H10227025A JP 9312749 A JP9312749 A JP 9312749A JP 31274997 A JP31274997 A JP 31274997A JP H10227025 A JPH10227025 A JP H10227025A
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fence
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定 市川
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/20Controlling water pollution; Waste water treatment
    • Y02A20/204Keeping clear the surface of open water from oil spills

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚濁水拡散防止用フェンスを長期設置した場
合、カキやフジツボ、ヘドロ等の付着物によってフロー
トの浮力が不充分となり該防止効果が損なわれるので、
1〜2年毎に交換していたが、交換作業には多大な時間
と費用を要し、且つ、浮力回復のための応急的な手段を
具備していなかったため、頻繁な点検にて浮力不足箇所
が発見できたとしても迅速に対応できなかった。 【解決手段】 フロートは、合成樹脂発泡体にて形成さ
れる基本浮体と、膨らませば浮体となる風船型浮体との
組合せ構造体であり、且つカーテンは、基布本体と、該
基布本体の少なくとも一面にその長手方向に沿って隙間
なく連続的に配置された取り外し可能な複数枚の補助シ
ートにより形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋土木工事や海
水浴場、或いは工場排水口回り等に設置する汚濁水拡散
防止フェンスの中、特に垂下型フェンス(フロートによ
ってフェンス本体を吊持するタイプのフェンス)の構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汚濁水拡散防止フェンスは、港湾、河
川、漁場、養殖場、石油コンビナート沿岸、海水浴場等
において、汚濁水を拡散させない、或いは他で発生する
汚濁水を流入させないことを第一の目的とし、更にフェ
ンス内側の汚濁粒子の濃度を高めることによって粒子の
凝集沈降を促す等の効果も期待し、垂直方向に張設され
るカーテン状のフェンスにて水域を区画するものであ
り、海洋汚濁の問題が盛んに取り上げられる昨今、種々
な形態で設置されている。
【0003】その代表的な形式は垂下型と呼ばれるもの
であり、カーテンの上端にフロートを連続的又は断続的
に固定しておきこれを浮かべて水面からカーテンを垂下
させておくという設置形態となっている。このカーテン
は下端側に重錘が取設されているため水中で鉛直になる
わけであるが、単に浮かべただけでは風や潮流等によっ
て移動してしまうので、通常は水底(海底)にアンカー
(通常はコンクリート製)を投下しておきこれに係留す
ることが多い。
【0004】ところで、一旦設置された汚濁水拡散防止
フェンスは、通常、数ケ月から1年程度、長い場合では
5年間程度も水中(海中)に沈んでいることとなる。カ
ーテンは、上述したように上端にフロートがあり下端に
重錘があるという構造であるため、長期間設置すること
によってカーテン表面に牡蠣やフジツボ、ヘドロ等が付
着するとその重量によって浮力と沈降力との均衡が次第
にくずれてくる。つまり、やがてフロートは水面下に没
しやすくなり、汚濁水が容易にフェンス外側に拡散する
ようになる。そうなればフェンスは本来の目的を果たせ
ない。そうなってしまうまでに工事が終了すれば良い
が、そうでなければ付着物を除去してやるか、或いは新
しいものと交換しなければならない。ところがこのうち
付着物除去作業は、次の二つの点で困難を極めるものと
なっている。
【0005】第一には、フェンスの長さが非常に長いと
いう点である。フェンスは数百メートルから長いもので
は数キロメートルも連続して敷設されるものであるた
め、貝等容易には剥がせない付着物をフェンスを破損さ
せることなく除去してゆくという作業は多大な延べ日数
と費用がかかってしまう。第二には、作業期間中も汚濁
水が区画水域外に拡散してはならないので、付着物の除
去作業は、カーテンが垂下した状態のまま行なう必要が
あるという点である。水中に没している状態での除去作
業は、地上或いは作業船上で行なうのに比して非常に大
きな労力が必要になる。
【0006】そこで長期設置の場合には、1、2年程度
に1度の割合でフェンスを新しいものと交換していた。
この交換作業は、作業中に汚濁水が区画外に漏出するこ
とがあってはならないので、古くなったフェンスの残し
たまま、まずその外側(汚濁水の水域の外側)に新しい
フェンスを設置し、設置完了後古いフェンスを撤去する
ものであった。新しいフェンスの設置作業は、基本的に
最初のフェンスの設置作業と同等の作業であるが、汚濁
水の水域の外側に設置するため、最初のフェンスよりも
わずかに長い距離となるのが普通である。なお撤去され
る古いフェンスには、フロートやアンカー等が付随して
いるが、当然これらも引き上げて処分することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】つまり、フェンスの交
換作業というものは、全くの新しいフェンスの設置作業
の後に古いフェンスを撤去するという作業であって、非
常に時間とコストがかかるものであった。特にアンカー
は、重量があるためその引き上げに要する労力(即ち、
人員数、時間、機械能力等)は、設置に要する労力を上
回るものとなっている。つまり、作業に要する費用と時
間は、最初の設置時の2倍以上かかってしまうというこ
ともあり得る。また撤去したカーテン等以外の撤去物で
あるフロートやアンカー等は実際には充分使用できるに
もかかわらず、多大な費用をかけて処分せざるを得ない
というのが実情であった。
【0008】ところで従来のフェンスは基本的に、長さ
方向に連続的に一体化されているがカキやフジツボのよ
うな付着物はこれらすべての長さと深さにわたって一応
に付着するものではない。潮流や日当たりなどの条件が
その生育にとって好適な箇所で大いに繁殖するものであ
る。
【0009】従って、特定箇所に付着物が集中するとい
う事態は特殊なことではない。そこで、カキやフジツボ
などが付着して支障を来すのがある限られた部分だけで
あるのならば、コスト面での要求により、フェンスを交
換せず、人的作業によってその表面から付着物をかきお
としてゆく、といった措置が採られる傾向がある。そし
て当然ながらその作業箇所は、フロートの水没の度合い
が大きい部分であるので作業は慎重に行なわなければ、
汚濁水がフロートを超えて拡散してしまうであろうし、
仮に発見が遅れすでにフロートが完全に水没しているよ
うな状況であれば、作業は迅速に行なう必要がある。い
ずれにせよこのような環境下で作業を行なうため、フェ
ンスが傷み易く、汚濁水拡散防止効果が損なわれ易いこ
とにもなっていた。
【0010】さらに、カキやフジツボ等が付着すること
でフェンスの交換を余儀なくされるとは言っても、これ
らが付着するのは実際には光が十分に届く水深5〜6m
程度までであり、高さ(深さ)の大きいフェンスの場
合、全てを撤去廃棄するのは効率の良い方法とは言えな
かった。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものであ
り、その特徴とするところは、フロートによってカーテ
ンを吊持する形式のフェンスであって、該フロートは、
合成樹脂発泡体にて形成される基本浮体と、膨らませれ
ば浮体として機能する風船型浮体との組合せ構造であ
り、また該カーテンは、基布本体と、該基布の少なくと
も一面にその長さ方向に沿って隙間なく連続的に配置さ
れた複数枚の補助シートとにより形成されている点にあ
る。
【0012】ここで「カーテン」とは、汚濁水域を他の
水域から遮断する幕体を言い、汚濁水を通過させず、ま
た土砂やヘドロ、或いはシルト(遊泥)等を拡散させず
迅速に沈降させるという機能を有している。本発明に係
る汚濁水拡散防止用フェンスは、このカーテンと、フロ
ート及び重錘、アンカー等によって構成されており、こ
のうち、カーテン及びフロート以外のものに関してはそ
の構造について何ら限定をしない。
【0013】本発明においては、カーテンは、汚濁水域
を他の水域から遮断するという基本的な目的を達成する
ための幕体であるところの「基布本体」と、この基布本
体に付属的に設置される「補助シート」とにより構成さ
れる。このうち「基布本体」については、従来のフェン
スに使用されるものと同様のもので良く、材質、構造に
ついて特に限定はしない。
【0014】「補助シート」は、付着物を基布本体には
発生させないようにするためのシートで、補助シートが
あることでカキやフジツボあるいは海草は、基布本体で
はなくこの補助シート側に付着するよう、基布本体の少
なくとも一面をその長さ方向に沿って隙間なく覆う。但
し前述したように、付着物は水深が5〜6m以上になる
と極端に付きにくいので、水面から深い位置まで該補助
シートが基布本体を覆っている必要はない。
【0015】また、補助シートは基布本体の表面にその
長さ方向に沿って配置されるシートであるが、連続した
シートではなく、適宜長さのシートを隙間がないよう
に、重複或いは接触させて並べたような構造のものであ
る。個々のシートは単独で切除でき、従って許容量以上
の付着物が付いたシートのみを除去することができる。
さらに、この補助シートの基布本体への係止方法を工夫
し、例えば補助シートの上端付近のみを基布本体に固定
するようにし、下端側は磁石等で着脱自在にする(従っ
て上下端以外の中間部分については基布本体に接触させ
る積極的な構造を有していない)などの措置を採り、更
に該下端側にその一端を結着したロープ等の他端を、水
上(フロート等の近傍)に出しておき、これを引っ張る
だけで補助シート自体は切除せず、該下端側を作業船等
の上に引き上げるのが容易であり、付着物をかきとるこ
とが可能となる。また、上述したように補助シートを磁
石によって基布本体に固定する場合には、切除する場合
と異なり再利用することも可能であるので、廃棄物がほ
とんど発生しないという効果もある。
【0016】さらに補助シートは、基布本体の少なくと
も一面を覆うものであるが、付着物が両面共に付くとい
う環境下にあれば表裏面それぞれに設けて良いし、付着
量が多く短期に許容量を超えるという環境下にあるのな
らば、片面又は両面に複数層の補助シートを設置するよ
うにしても良い。そしてこの場合、補助シートは一層ず
つ除去される必要があるが、水流や潮の流れによってシ
ート同士が離反してしまうと最外層以外に付着物が付い
てしまい好ましくないので、常時接触するような構造と
するのが好ましい。
【0017】このようにしたことによって本発明フェン
スに牡蠣やフジツボその他の付着物が付きフロートの浮
力が十分でなくなった場合、次のような方法で対処する
ことができる(但し本発明はフェンスの構造に関するも
のであって付着物の処理方法ではないので、以下述べる
対処法によって本発明が限定されることはない)。
【0018】まず、水没したフロート箇所を点検するこ
とから始める。この点検作業は、ダイバーを伴うもので
はないし、カーテンを引き上げて点検するわけではない
ので大型船も必要でなく、従来の汚濁水拡散防止用フェ
ンスにおける日常的な点検作業と変わらない。但し、従
来の点検作業であればフロートの水没を確認した場合直
ちに措置が講じられなかったのに対し、本発明フェンス
の場合であると、フロートは、合成樹脂発泡体にて形成
される基本浮体と、エアを圧入するなどして膨らませれ
ば浮体として機能する風船型浮体との組合せ構造である
ので、潜水することなく直ちに状況改善を図ることがで
きる。
【0019】このときエアを圧入した箇所に、後日作業
船で出向き、該箇所の補助シートを除去すれば元来の重
力に戻り大きな浮力は必要でなくなる。そこで、エアを
再度放出してやれば、カーテン重量とフロート浮力の関
係は設置時の状態に戻ることになる。
【0020】このように、通常は膨らんでいない風船型
浮体を、応急用に用いその後付着物の付いている補助シ
ートだけを除去し風船型浮体は元に戻す、という使用方
法を採っても良いが、この場合風船型浮体はエアの出し
入れが自由に行えるものでなければならない。そのた
め、コストがかかったり、作業に時間がかかるといった
問題がないとは言えないので、スイッチを入れると浮体
が膨らむが、膨らませたエアを除去することは考慮して
いない構造としても良い。例を挙げると、スイッチに打
撃によるショックを与えると、浮体内部にある薬剤が化
学反応し大量の気体を発生するようにしておくと、当該
箇所における浮力の付与は簡単に行なうことができる。
【0021】基本浮体及び風船型浮体の構造、形状は特
に限定はしない。但し、カーテン(本発明の場合であれ
ば補助シート)に付着物が付いた時に該部分の浮力が不
足することを補うという本発明の目的に照らすと、風船
型浮体は、その一部のみを選択的に膨らませることがで
きるような構造であるのが望ましい。
【0022】また、補助シートの除去は、付着物の付い
ているシートのみを切除しながら作業船等に引き上げる
ということになる。付着物のついていないシートや基布
本体は、フロートに吊持されたままであり、汚濁水の拡
散防止は作業の間も維持されていることは言うまでもな
い。そして、破棄されるものが補助シートのみであって
フロートやアンカー、ロープ類等が含まれていないの
で、処分に要するコストは非常にわずかなものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図面に示す実施の形態に基づ
き本発明を更に詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係る汚濁水拡散防止用フ
ェンス1(以下本発明フェンス1という)の一例を示す
ものであり、図より明らかなように本発明フェンス1
は、従来の汚濁水拡散防止用フェンスと同様、フロート
2、重錘3、アンカー4、アンカーロープ5、サブフロ
ート6、カーテン7等を具備するものである。重錘3に
は1メートル当たり10キログラムのウェイトチェーン
を使用し、アンカー4には1個約2トンの立方体のコン
クリートブロックを20メートルおきに左右に配置され
るようにアンカーロープ5に結着して沈めた(なお、こ
れら重錘3、アンカー4、アンカーロープ5はいずれも
従来の汚濁水拡散防止用フェンスに採用されているもの
であり、新規な部材ではない)。そしてアンカーロープ
5は、同じく新規な部材ではないサブフロート6を介し
てフロート2に接続されている。
【0025】フロート2は図2で示すように、合成樹脂
発泡体にて形成される基本浮体21と、膨らませれば浮
体として機能する風船型浮体22との組合せ構造であ
り、図の状態では該風船型浮体22は膨らんでおらず、
基本浮体21の下部に格納されている。また本例の基本
浮体21は、直径60センチメートル長さ20メートル
の発泡ポリスチレン製の円柱(但し下方は、風船型浮体
22格納のためのスペースが切欠されている)に塩化ビ
ニル引帆布製のカバー26を被せたものを長手方向に断
続的に接続してゆくという構造のものである。なおフェ
ンスの主体であるカーテンの基布本体はこのカバー26
に縫着されている。
【0026】図3は、風船型浮体22内にエアを圧入し
てこれを膨らませた状態を、概略的に示している。風船
型浮体22は、基本浮体21内を貫通して上部から突出
するエアチューブ23によってその内部にエアを圧入す
る構造となっている。エアチューブ23の先端には弁部
材24が取設されており、エア圧入の際にはこの弁部材
24を、エアコンプレッサー(点検作業船などに搭載す
る。図示せず)に接続すれば良いので、潜水作業は不必
要である。なお風船型浮体22の内部空間は、その長さ
方向について、ある長さ毎(本例であると約5メートル
毎)に隔壁25が設けられており、これによって各々が
独立した空間となっている。従って、一つの弁部材24
からエアを圧入してやると、ある長さ(本例であると約
5メートル)の風船型浮体22のみが膨らむことにな
る。
【0027】次に図4(a)(b)は、フロート2の構
造についての他の例を示すものであり、基本浮体21が
長さ方向に連続的に存在せず、ある間隔をおいて断続的
に配置された例である。構造としては、カーテン7の上
端の表裏双方から、これを挟むように半円柱状の浮体及
びカバー部材27をあてがい、双方のカバーをボルト止
めするというものである。そして風船型浮体22は、こ
れら断続的に配置された基本浮体21の間隙部分に配置
されている。この風船型浮体22も、基本浮体21と同
様カーテン7の上端の表裏双方から挟み込むように固定
されているが、双方の内部空間に通じる弁部材24を有
しているので、ここからエアを圧入すると表裏双方共に
膨らむという構造である。
【0028】また、カーテン7は、実質的に汚濁水の拡
散を防止する基布本体71と、該基布本体71の表裏そ
れぞれの面に取設された補助シート72とにより形成さ
れている(図5)。本例のカーテン7の場合、基布本体
71は、従来より使用されているポリプロピレン引帆布
であり、長さ20メートル高さ約1メートルの単位シー
トを10枚縫合して連結したものである(水深や汚濁の
形態などに応じてこの枚数を変えるようにする)。
【0029】補助シート72はポリプロピレン製であ
り、長さ約5メートル高さ約6メートルのものを、長手
方向に重複なく且つ間断なく基布本体71の表裏面それ
ぞれに配置している。従ってカーテン7全体を見ると、
高さ10メートルのカーテンのうち上側6メートルだけ
が補助シート72によって覆われていることになる。ま
た補助シート72はその全面が基布本体71と一体化し
ているのではなく、上下端のみが固定されたものであ
る。固定は、本例の場合ホットメルト接着によったが、
図6の如く磁石を利用しても良い。図示した例では、基
布本体71の上端付近と、上端から6メートル下方の位
置にプレート型磁石8を固定し、補助シート72の上下
端にはそれぞれ鉄製部材9を固定している。即ち、上端
側には左右方向に長いプレート状鉄板91を、下端側に
は盤状鉄板92を間隔を空けて配置することで、波の力
や僅かな衝撃では容易に外れ落ちることがなく、しかも
補助シート除去時には上端側さえ外せば簡単に全体を外
すことのできるような固定力を得た。
【0030】なお、図示はしないが補助シート72を、
基布本体71の片面又は両面に複数層設けるようにする
と、付着物が付いた補助シート71を1箇所で複数回除
去できることになるので本発明フェンス1の寿命はより
長くなる。例えば、10メートルの高さの本発明フェン
ス1が必要であると仮定すると、上述したように、カキ
やフジツボのような付着物は水深5〜6メートルより下
にはほとんど付かないので、補助シート72は6メート
ルの高さのもので十分である。但しこれらの付着物は、
この水深5〜6メートルまでは一応の密度で付きこの深
さを超えた途端突然付かなくなるというものではない。
例えばフジツボの多くは、磯に付く場合その干潮線が中
心であるので、本発明フェンス1に付く際にもフロート
2の下方1〜2メートル辺りをピークとし下方に向かう
に従って次第に減少してゆく。そこで、6メートルの高
さの補助フェンス72を基布本体71に固定した後その
上から例えば高さ4メートルの補助フェンス72を固定
しておけば、効率の良い(換言すると単位広さ当たりの
付着量が大きくしかもフェンス側に残存する付着量は小
さい)ものとなる。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る汚濁水拡散防止用フェンスは、フロートによってカー
テンを吊持する形式のフェンスであって、該フロート
は、合成樹脂発泡体にて形成される基本浮体と、膨らま
せれば浮体として機能する風船型浮体との組合せ構造で
あり、また該カーテンは、基布本体と、該基布の少なく
とも一面にその長さ方向に沿って隙間なく連続的に配置
された複数枚の補助シートとにより形成されたものであ
ることを特徴とするものであって、以下の如き効果を有
する極めて高度な発明である。
【0032】 設置作業については、従来に比して困
難なところも大掛かりになるところもなくコストアップ
はわずかで済む。 従来であればフェンスを交換しなければならないよ
うな大量の付着物があっても必要箇所の補助シートを除
去するだけで、全体を除去する必要も、新たなフェンス
を設置する必要もないので、莫大な費用を要することが
なく、また作業時間も短時間で済む。 フロートの水没を点検作業時に発見した場合、作業
船を出向かせて補助シートを除去するのと異なり、風船
型浮体を膨らませるだけで応急的な浮力の回復が図れる
ため、発見後の汚濁水の漏出量が激減する。 また、応急的な浮力の回復が図れるということは、
補助シートに付着した付着物を剥がし取る作業に緊急性
が求められないということを意味し、よってフロートが
水没した事実を発見しても直ちに補助シートを除去せ
ず、後日ゆっくり付着物を掻き落とすといったことが可
能になる。 処理後に処理しなければならない廃棄物の量が従来
に比して格段に少量であるので、そのための費用が少な
くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンスの実施
の形態の一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンスのフロ
ート部分を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンスのフロ
ート部分を概略的に示す斜視図である。
【図4】(a)(b)は本発明に係る汚濁水拡散防止用
フェンスのフロート部分の他の例を概略的に示すいずれ
も斜視図である。
【図5】本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンスのカー
テン部分を概略的に示す平面図である。
【図6】本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンスのカー
テン部分の他の例を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る汚濁水拡散防止用フェンス 2 フロート 21 基本浮体 22 風船型浮体 23 エアチューブ 24 弁部材 25 隔壁 26 カバー 27 カバー部材 3 重錘 4 アンカー 5 アンカーロープ 6 サブフロート 7 カーテン 71 基布本体 72 補助シート 8 プレート型磁石 9 鉄製部材 91 プレート状鉄板 92 盤状鉄板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロートによってカーテンを吊持する形
    式のフェンスであって、該フロートは、合成樹脂発泡体
    にて形成される基本浮体と、膨らませれば浮体として機
    能する風船型浮体との組合せ構造であり、また該カーテ
    ンは、基布本体と、該基布本体の少なくとも一面にその
    長さ方向に沿って隙間なく連続的に配置された複数枚の
    補助シートとにより形成されたものであることを特徴と
    する汚濁水拡散防止用フェンス。
  2. 【請求項2】 該補助シートは該基布本体に、磁石の有
    する磁力によって固定されており、且つ固定箇所は、該
    補助シートの上下端のみである請求項1記載の汚濁水拡
    散防止用フェンス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104831681A (zh) * 2015-04-14 2015-08-12 成都八八五生物科技发展有限公司 一种湖水隔断装置及隔断方法

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CN104831681A (zh) * 2015-04-14 2015-08-12 成都八八五生物科技发展有限公司 一种湖水隔断装置及隔断方法

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