JPH10226506A - リチウム二次電池の負極材料に適したグラファイト粉末 - Google Patents

リチウム二次電池の負極材料に適したグラファイト粉末

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JPH10226506A
JPH10226506A JP9029139A JP2913997A JPH10226506A JP H10226506 A JPH10226506 A JP H10226506A JP 9029139 A JP9029139 A JP 9029139A JP 2913997 A JP2913997 A JP 2913997A JP H10226506 A JPH10226506 A JP H10226506A
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秀哉 上仲
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晃治 森口
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徹 藤原
Masaru Abe
賢 阿部
Noriyuki Negi
教之 禰宜
Mitsuharu Yonemura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温での放電容量と充放電効率が高い上、大
放電容量と低温放電容量が改善され、充放電効率および
サイクル寿命も良好なリチウム二次電池用の負極材料に
適したグラファイト粉末を製造する。 【解決手段】 表面にc面層の端部がループ状に閉じた
閉塞構造を有い、グラファイトc軸方向における該閉塞
構造の間隙面密度が 100〜1500個/μmであり、レーザ
ー回折散乱法で求めた重量累積50%での平均粒径が5〜
35μmで、最大粒径が75μmであるグラファイト粉末
を、炭素化の前または後に高速粉砕した炭素材を黒鉛
化熱処理するか、炭素化の前または後に粉砕した炭素
材を黒鉛化熱処理した後、さらに 600〜800 ℃で酸化熱
処理し、次に不活性ガス中で800 ℃以上の温度で熱処理
することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電容量が高く、
かつ大電流放電特性と低温放電特性とに優れたリチウム
二次電池を形成することができる、リチウム二次電池の
負極材料として好適な新規構造を持ったグラファイト粉
末とその製造方法とに関する。本発明はまた、このグラ
ファイト粉末からなるリチウム二次電池の負極材料にも
関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、負極活物質にリチ
ウム、正極活物質に遷移金属の酸化物またはカルコゲン
化物 (例、硫化物、セレン化物) を使用し、電解液とし
て非プロトン性有機溶媒 (例、アルキレンまたはジアル
キルカーボネート、エーテル系溶媒、スルホラン類、ニ
トリル系溶媒、ニトロメタン、アミド系溶媒、エステル
系溶媒、グリコール類など) に無機または有機リチウム
塩 (例、LiClO4、LiBF4、LiCl、LiCF3SO3など) を溶解
させた溶液を用いた、非水系の二次電池の1種である。
【0003】リチウムが非常に卑な金属であるため、リ
チウム二次電池は大電圧を容易に取り出すことができ
る。そのため、リチウム二次電池は起電力とエネルギー
密度が高い二次電池として近年注目が高まっており、分
散型または可搬型電池として、電子機器、電気機器、電
気自動車、電力貯蔵など幅広い分野での用途が期待され
ており、既に一部では実用化が始まっている。
【0004】初期のリチウム二次電池は、負極活物質と
して箔状の金属リチウム単体を用いていた。この場合、
Liの溶解 (イオン化) と析出により充放電反応が進行す
る。しかし、充電時のLi+→Liの反応において、金属Li
が針状に析出する傾向があるため、充放電を繰り返すと
電極表面に樹枝状のLiデンドライトが析出する。この樹
枝状のLiデンドライトが成長すると、セパレータ (隔
壁) を貫通することがあり、それにより正極との間の短
絡が起こるため、充放電サイクルの寿命が短くなった
り、異常発熱するという、実用化にあたって致命的な問
題があった。
【0005】この問題を解決するため、Liを合金化
(例、Li/Al合金化) するといった対策が検討されてき
たが、現状で最も有望な解決策は、リチウムを黒鉛など
の炭素材の中に格納した材料を負極活物質として用いる
方法である。この場合、負極材料は実質的に炭素材だけ
でよく、充電時には電解液中のLiイオンがこの炭素材の
層間にドーピング、吸蔵、挿入 (インターカレーショ
ン) 等によって取り込まれ、放電時にはLiイオンが炭素
材から電解液中に放出される。即ち、炭素材へのLiイオ
ンの出入りによって充放電 (電極反応) が起こる。その
ため、この種の電池はリチウムイオン二次電池とも呼ば
れる。
【0006】炭素材としては天然黒鉛や人造黒鉛を粉砕
したもの、あるいはピッチの加熱過程で生ずる光学異方
性のメソフェーズ小球体を利用することが知られてい
る。このような粉末状の炭素材を少量のバインダー (結
着剤) および溶媒と混合して成形することにより作製し
た電極がリチウム二次電池の負極に用いられる。
【0007】金属Li単体を負極活物質とするリチウム二
次電池の理論容量は、約3800 mAh/gと非常に高い。これ
に対し、炭素材にリチウムを格納した負極活物質から構
成したリチウム二次電池の理論容量は、黒鉛の層間にリ
チウムが規則的に密に格納された層間化合物であるC6Li
を負極活物質とする場合で372 mAh/g 程度である。
【0008】しかし、実際の炭素材負極では、炭素材中
にLiイオンの侵入を疎外する表面活性サイトや、Liイオ
ン格納に対する死領域などが存在することから、C6Liの
理論容量である372 mAh/g を達成することは極めて困難
であり、この理論容量に少しでも近づけるため負極炭素
材の製造方法について各種の提案がなされている。
【0009】例えば、特開平7−282812号公報には、黒
鉛化した炭素繊維について、黒鉛層の積層配列の規則性
を高めてリチウム二次電池を高容量化することが記載さ
れている。この公報には、炭素繊維を粉砕すると、元の
炭素繊維の黒鉛層の積層配列規則性とは異なる望ましく
ない構造欠陥が導入され、リチウム二次電池の容量を高
めるには、黒鉛層の積層配列の規則性を高めることが有
利であると説明されている。しかし、このように黒鉛層
の積層配列の規則性を高めても、リチウム二次電池の放
電容量は最高でも316 mAh/g であり、320 mAh/g を越え
るような高容量の黒鉛ベース負極炭素材を得ることはで
きない。
【0010】特開平6−187972号公報には、芳香族成分
と架橋剤とを酸触媒の存在下で反応させた樹脂を高温で
焼成した炭素材が開示されている。この炭素材は、芳香
族成分が結晶化した結晶領域と架橋剤が非晶質化した非
晶質領域とが混在した構造を持ち、両者の熱膨張・収縮
係数が異なるため、内部に構造欠陥 (ボイド) が数多く
生成している。そのため、層間におけるLiイオンの挿入
(層間化合物の形成)に加えて、ボイドへの金属リチウ
ムの吸蔵も起こるため、上記の理論容量を越える高容量
のリチウム二次電池を構成することができると説明され
ている。
【0011】しかし、炭素材の原料として特殊な樹脂を
使用するため、原料コストが高く、経済的に不利であ
る。また、非晶質領域を持つ炭素材は比重が小さく、体
積エネルギー密度が小さくなる。活物質を充填するスペ
ースが限られている小型二次電池では、比重が小さい
と、充填できる粉末重量が減少するため、高くなった重
量エネルギー密度を電池に活かすことができない。
【0012】従来のリチウム二次電池に共通する別の問
題点として、有機系電解液を使用しているため、電池の
内部インピーダンスがNi−水素二次電池より高く、大電
流放電や低温放電時に放電電位が下がり、得られる容量
が小さくなる。このため、大電流放電や寒冷地での使用
には不向きな電池となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Liデンドラ
イトの析出によるサイクル寿命の低下や短絡の危険がな
く、Liイオンの格納量が多いため放電容量が少なくとも
300 mAh/g と高く、かつ大電流放電や低温放電の特性に
も優れ、サイクル寿命や充放電効率も良好なリチウム二
次電池を構成することができる、リチウム二次電池の負
極材料として好適なグラファイト粉末とその製造方法を
提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リチウム
二次電池の負極材料として用いるグラファイト粉末の微
視的な構造と充放電特性との関係を系統的に調査し、理
論的な計算による種々の解析を行った結果、適当な処理
によってグラファイト粉末はc面層の端部がループ状に
閉じた「閉塞構造」に変化する場合があることを見出し
た。この閉塞構造は、図1に模式的に示すように、c面
層の数層の単位で形成され、隣接した2つの単位閉塞構
造の界面にはc面が開放された「間隙面」が生じる。
【0015】本発明者らはさらに調査を重ねた結果、グ
ラファイト粉末における上記の間隙面の密度 (即ち、単
位閉塞構造の密度) が放電容量に大きく影響し、また大
電流放電や低温放電といった放電特性はグラファイト粉
末の平均粒径や最大粒径に依存することを見出し、これ
らの条件を設定することで本発明の課題を解決できるこ
とを見出した。
【0016】ここに、本発明は、「粉末表面にグラファ
イトc面層の端部がループ状に閉じた閉塞構造を有する
グラファイト粉末であって、グラファイトc軸方向にお
ける該閉塞構造間の間隙面の密度が 100〜1500個/μm
であり、レーザー回折散乱法で求めた重量累積50%での
平均粒径が5〜35μmで、最大粒径が75μmであること
を特徴とする、グラファイト粉末」である。本発明によ
れば、このグラファイト粉末からなるリチウムイオン二
次電池用負極材料も提供される。
【0017】このグラファイト粉末は、「炭化の前およ
び/または後に高速粉砕処理された炭素材を、2500℃以
上の温度で熱処理して黒鉛化するグラファイト粉末の製
造方法であって、粉砕後に平均粒径5〜35μm、最大粒
径75μmとする分級工程を有することを特徴とする方
法」、または「炭化の前および/または後に粉砕処理さ
れた炭素材を、2500℃以上の温度で熱処理して黒鉛化し
た後、得られたグラファイトの表面を削ることができる
条件下で熱処理を行い、さらに不活性ガス中800℃以上
の温度で熱処理する、グラファイト粉末の製造方法であ
って、粉砕後に、平均粒径5〜35μm、最大粒径75μm
とする分級工程を有することを特徴とする方法」により
製造することができる。
【0018】本発明において「閉塞構造」とは、前述し
たように、理想的には炭素6員環が平面内で連結した網
目構造からなるグラファイトc面層(炭素ネットワーク
層)の粉末表面に現れた端部が、近隣の他の同様な端部
とループ状に閉じた構造を意味する。
【0019】グラファイト粉末の表面にこのような閉塞
構造が形成されるのは、c面層の末端が切れたままでい
るより、2つのc面層の末端同士が結合してループ状に
閉じている方がエネルギー的に安定であるためと考えら
れる。この閉塞構造は、図1に示すように、一般に単層
ループではなく、数層のループが重なった積層ループ構
造をとる。この複数のループが互いに重なりあってでき
た個々の積層ループ構造を、図1に示すように、本発明
では「単位閉塞構造」という。図には、単純化のために
3層のループ (6層のc面層) が積層した単位閉塞構造
だけを示したが、ループ積層数は単位閉塞構造ごとに異
なるのが普通である。
【0020】グラファイト粉末の表面にこの積層したル
ープ状の閉塞構造が現れることは、炭素材の黒鉛化熱処
理条件を分子動力学法と呼ばれる計算機シミュレーショ
ンにより解析することで確認した。また、この閉塞構造
は、グラファイト粉末をc軸方向 (c面層に垂直な方
向、図1参照) に沿って切断した粉末断片を高分解能の
透過型電子顕微鏡写真で観察することにより実際に見る
ことができる。このような写真の1例を図2に示す。図
2において、白い線がグラファイトc面層を表す。この
電子顕微鏡写真は、炭素材を3000℃に加熱して黒鉛化し
たグラファイト粉末の閉塞構造を示している。
【0021】Liイオンがこの閉塞構造のどの部分を通過
する可能性があるかを、分子軌道法により調査したとこ
ろ、主に隣接する2つの単位閉塞構造間の隙間 (本発明
では、これを「間隙面」という、図1参照) であること
がわかった。間隙面の入口は、Liイオンと炭素原子の相
互作用が弱く、侵入の障壁エネルギーが低いため、多量
のLiイオンを通過させ易いものと考えられる。間隙面
は、図2の電子顕微鏡写真では、矢印で示されている。
【0022】c面層の端部が閉じずに開いたままである
と、Liイオンだけでなく、電解液がグラファイト内に侵
入して充電時にリチウムが樹枝状のデンドライトに成長
し易くなる上、切れた末端は化学的に不安定であり、こ
の部分から粉化しやすいので、閉塞構造はリチウムイオ
ン二次電池のサイクル特性 (充放電繰り返し寿命) の改
善にもつながる。従って、化学的に安定で、電解液が侵
入しにくい閉塞構造を持つグラファイト粉末の方が負極
材料として有利である。
【0023】負極材料へのLiイオンの格納は、Liイオン
の侵入サイトが多いほど多くなる。従って、グラファイ
ト粉末では、主なLiイオンの侵入サイトである上記の間
隙面が多いほど、Liイオンの格納量が増大し、従って放
電容量が増大することになる。また、間隙面密度が多い
ほど、Liイオンの吸蔵、放出が容易となり、充電・放電
の際に電解液とグラファイトの間のイオンの授受の速度
が早くなる結果、大電流放電や低温放電でも放電が起こ
り易くなると考えられる。
【0024】しかし、上記の間隙面密度の増大だけで
は、放電容量は高くなるものの、大電流放電や低温放電
での放電特性の向上は不十分であることが判明した。そ
のため、本発明では、間隙面密度に加えて、さらにグラ
ファイト粉末の平均粒径や最大粒径を規定する。これは
次の理由による。
【0025】グラファイト粉末中に吸蔵されたLiイオン
は、粉末の表面近傍だけではなく、粉末の中心付近にも
存在する。中心部のLiイオンはグラファイト中を拡散し
て表面近傍に到達し、主に間隙面を介して粉末表面に存
在する電解液と電極反応が生じる。従って、グラファイ
ト粉末の粒径が小さく、Liイオンの拡散距離が短いほ
ど、表面に存在する間隙面にLiイオン量がすばやく供給
されるようになり、電極反応が早くなる。さらに、平均
粒径が小さいと、グラファイト粉末の表面積が大きくな
り、間隙面の数が増すため、放電容量の向上の点でも有
利である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明のグラファイト粉末は、その表面に
グラファイトc面層の端部がループ状に閉じた閉塞構造
を有するグラファイト粉末であって、グラファイトc軸
方向における該閉塞構造間の間隙面の密度が 100〜1500
個/μmであり、平均粒径が5〜35μmで、最大粒径が
75μmである。
【0027】一般に、グラファイト粉末は、c軸方向が
異なるいくつかの領域 (多結晶粉末の結晶粒に相当) か
ら構成され、各領域 (即ち、c軸方向が同一のひとかた
まりの領域) を結晶子という。本発明のグラファイト粉
末は、粉末を構成する全ての結晶子の粉末表面に露出し
たc面層の端部が上記の閉塞構造を有している必要はな
いが、実質的に全ての結晶子がこの閉塞構造を有してい
ることが好ましい。
【0028】本発明のグラファイト粉末において、ルー
プ状閉塞構造の間隙面の密度を100個/μm以上とした
のは、これを下回ると、Liイオン侵入サイトである間隙
面の数が少なく、Liイオンの格納量が少なくなるため、
例えば320 mAh/g を超えるような高い放電容量の実現が
不可能となるからである。また、大電流放電時には、グ
ラファイト粉末から離脱するLiイオンが少ないため、電
圧が低下するという問題も起こる。
【0029】一方、間隙面密度の1500個/μmという上
限は、全てのc面層が隣接する2層間で単層ループを形
成した閉塞構造 (即ち、各単位閉塞構造が何れも2層の
c面層からなる単層ループである場合) の間隙面密度に
相当し、グラファイト結晶構造から予測される間隙面の
理論最大値である。好ましい間隙面密度は 300〜1000個
/μmであり、この範囲が放電容量の増大と放電特性の
向上の点で最も効果的である。
【0030】本発明のグラファイト粉末は平均粒径が5
〜35μmである。本発明において平均粒径は、レーザー
回折散乱法で求めた重量累積50%での粒径を意味する。
この方法に用いる測定装置は、マイクロトラックと呼ば
れる装置で代表されるレーザー散乱回折方式の粒度測定
装置である。この装置では、適当な濃度に分散された粒
子群にレーザーを照射し、粒子を透過した回折光のう
ち、レーザー直進方向に出てきた光の強度分布を計測す
ることにより粒度分布が求められる。この粒度分布から
重量累積で50%の粒度を求め、この値を平均粒径とす
る。
【0031】グラファイト粉末の平均粒径が5μmより
小さいと、粉末が微細すぎて比表面積が大きくなりすぎ
る。電解液との反応性が高い表面の割合が多くなり過ぎ
ると、充放電効率やサイクル寿命が低下する。また、グ
ラファイト粉末の平均粒径が35μmより大きいと、粉末
の内部に格納されたLiイオンの表面への拡散に時間がか
かることから、大電流放電や低温放電での放電特性が劣
化する。好ましい平均粒径の範囲は10〜30μmである。
【0032】また、グラファイト粉末は75μmより大き
な粒子を含有していない。75μmより大きな粒子を含有
していると、粉末内部に格納されたLiイオンの表面への
拡散に時間がかかることから、大電流放電や低温放電の
放電特性が劣化する。本発明のグラファイト粉末は、好
ましくは60μmより大きな粒子、さらに好ましくは50μ
mより大きな粒子を含有しない。
【0033】また、例えば1μm未満といったあまりに
微細な粒子の混入も、このような粒子は劣化し易いので
好ましくない。平均粒径の調整や、特定粒径より大きな
粗粒子または特定粒径より小さい微粒子の除去は、周知
のように、粉砕後に分級を行うことにより達成すること
ができる。
【0034】本発明に従ったc面層端部の閉塞構造を持
つグラファイト粉末は、炭素化および粉砕して得た炭素
材を、適当な温度で熱処理して黒鉛化することにより製
造できる。こうして黒鉛化するだけでも、粉砕を高速条
件で実施すれば、c面層末端の閉塞構造の間隙面の密度
が100 個/μm以上という本発明の条件を満たすグラフ
ァイト粉末を製造することができる。以下、この方法を
第1の方法という。この方法では、間隙面密度は粉砕条
件、特に粉砕機の回転数に依存し、回転数が大きいほど
間隙面密度も大きくなる (間隙面ピッチが小さくなる)
【0035】別の方法 (第2の方法) によれば、上記の
ように黒鉛化して得たグラファイト粉末に、その表面を
削ることができる条件下で熱処理 (例、 600〜800 ℃の
温度での酸化熱処理) を施し、さらに不活性ガス中にて
800 ℃以上の温度で熱処理する。この方法では、黒鉛化
後の上記熱処理によりグラファイト粉末の間隙面密度が
著しく増大する。
【0036】なお、本発明にかかるグラファイト粉末の
製造方法は、上記の第1および第2の方法に限定される
ものではない。最終的にc面層末端に閉塞構造を持ち、
その間隙面の密度が100 個/μm以上であるグラファイ
ト粉末が形成できれば、いかなる方法で本発明にかかる
グラファイト粉末を製造してもよい。
【0037】炭素化に用いる炭素質原料は特に制限され
ず、従来よりグラファイト粉末の製造に用いられてきた
ものと同様でよい。炭素質原料の具体例としては、コー
ルタールピッチまたは石油ピッチ、さらにはこれらのピ
ッチの熱処理により生ずるメソフェーズ小球体と、この
小球体のマトリックスであるバルクメソフェーズ、並び
に各種の有機樹脂または有機物 (例、ポリアクリロニト
リル、レーヨン) 、さらには特開平6−187972号公報に
記載の原料等が挙げられる。特に好ましい炭素質原料は
メソフェーズ小球体とバルクメソフェーズである。
【0038】炭素質原料を粉砕および炭素化して、炭素
材を得る。粉砕は、炭素化の前と後のいずれの時点で行
ってもよく、また炭素化の前と後の両方で行ってもよい
が、炭素化前に粉砕する方が炭素化と黒鉛化の熱処理を
続けて実施でき、熱エネルギーの無駄がない。粉砕によ
り生ずる粉末表面の原子レベルの凹凸 (層欠陥) によ
り、黒鉛化熱処理時に上記の閉塞構造が形成されるの
で、粉砕は閉塞構造を高密度に有するグラファイト粉末
を得るのに必須である。特に第1の方法では、この粉砕
条件が、黒鉛化熱処理後に生成するグラファイト粉末の
閉塞構造の間隙面密度に大きく影響する。
【0039】黒鉛化熱処理後に粉砕処理すると、熱処理
で生成したグラファイトのc面層に層欠陥が発生する
上、導入された閉塞構造が粉砕で破壊される可能性もあ
るため、黒鉛化熱処理後に粉砕を行うことは望ましくな
い。従って、この熱処理前に行う粉砕は、グラファイト
粉末の用途に要求される最終粒径が得られるように行う
ことが好ましい。但し、解砕を目的とする軽度の粉砕
や、微粒子・粗粒子の除去や平均粒径の調整のための分
級は、黒鉛化熱処理後、或いは第2の方法では酸化熱処
理後や最後の熱処理後に実施してもよい。
【0040】前述したように、本発明のグラファイト粉
末は、平均粒径が5〜35μmの範囲内であって、75μm
より大きな粗粒子を含有しない。炭素化や黒鉛化の熱処
理中において、粉末の平均粒径は実質的に変化しない。
従って、炭素化の前または後に行う粉砕は、必要により
後で分級することにより、平均粒径が5〜35μmの範囲
内となるように行う。
【0041】粉砕は、例えば、ハンマーミル、ファイン
ミル、アトリションミル、ボールミルなどの慣用の粉砕
機を用いて実施すればよい。好ましい粉砕機は、衝撃粉
砕を行うもの、代表的にはハンマーミルである。前述し
たように、特に第1の方法では、グラファイト粉末の結
晶構造に及ぼす粉砕条件の影響が大きく、間隙面の密度
が100 個/μm以上の閉塞構造を持つグラファイト粉末
を得るには、高速粉砕を採用する必要がある。具体的な
粉砕条件 (例、回転数、粉砕時間) は、使用する粉砕機
の種類や炭素質原料の種類によっても異なるので、黒鉛
化熱処理後に間隙面密度が100 個/μm以上のグラファ
イト粉末が生成し、かつ所望の粒度の粉末が得られるよ
うに、実験により決定すればよい。
【0042】例えば、ハンマーミルによる粉砕では、50
00 rpm以上の回転数にすると、黒鉛化熱処理後に間隙面
の密度が100 個/μm以上の閉塞構造を持つグラファイ
ト粉末を得ることができる、これより回転数が低いと間
隙面の密度が100 個/μmに達しないことが多い。上限
は15000 rpm 程度まで可能である。この範囲内で粉砕機
の回転数が高いほど、第1の方法で得られたグラファイ
ト粉末の閉塞構造の間隙面密度が増大する傾向がある。
【0043】しかし、回転数を高くしすぎると、間隙面
密度が増大しても放電容量や放電効率はかえって悪化す
る。これは、黒鉛化熱処理後に得られたグラファイト粉
末の比表面積が大きくなりすぎ、リチウム二次電池の初
回充電時に不動態膜の形成が起こり易くなるためと考え
られる。良好な放電特性を得るための好ましい回転数の
上限は9000 rpm、より好ましくは8000 rpmである。粉砕
時間は、その回転数で粉砕後に本発明の範囲内の平均粒
径が得られるように設定すればよい。なお、上記の回転
数はあくまで1例であって、粉砕機や原料の種類が変わ
れば適正な回転数も変化することがある。
【0044】第2の方法でも、このような高速粉砕を行
ってもよいが、黒鉛化熱処理後の2回の熱処理で間隙面
密度は大きく増大するので、第2の方法における粉砕
は、必ずしも高速粉砕とする必要はない。例えば、3000
〜5000 rpm程度、さらには1000rpmを下回る低い回転数
でも構わない。
【0045】粉砕した炭素質原料の炭素化条件は、原料
が分解して原料に含まれていた炭素以外の元素がほぼ完
全に除去されるように選択すればよい。炭素の酸化 (燃
焼)を防止するため、熱処理は不活性雰囲気または真空
中で実施する。炭素化の熱処理温度は、通常は 800〜15
00℃の範囲内であり、特に1000℃前後が好ましい。炭素
化に要する熱処理時間は、原料の種類、処理量、温度に
もよるが、温度が1000℃の場合で30分〜3時間程度であ
る。
【0046】粉砕および炭素化により得られた粉末状の
炭素材を熱処理して黒鉛化する。この熱処理温度は、一
般に2500℃以上であり、上限は3200℃程度が現状の加熱
技術では実用的である。好ましい熱処理温度は2700〜30
00℃である。熱処理時間は、黒鉛化に必要な時間であ
り、温度によっても異なるが、通常は20分〜10時間であ
る。熱処理雰囲気は非酸化性雰囲気であり、好ましくは
不活性ガス雰囲気 (例、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネ
オンなど) または真空である。
【0047】こうして黒鉛化熱処理により生成したグラ
ファイト粉末は一般に、粉末表面でc面層末端がループ
状に閉じた閉塞構造を持つが、この熱処理前の粉砕を十
分に高速条件下で行うと、間隙面密度が100 個/μmを
超えるグラファイト粉末が得られる。即ち、第1の方法
により製造されたグラファイト粉末である。第1の方法
での間隙面密度は 100〜150 個/μm程度とすることが
好ましい。間隙面密度が100 個/μmを少し超える程度
であっても、この密度が100 個/μmを下回る時に比べ
て、放電容量は著しく向上する。
【0048】第2の方法では、黒鉛化熱処理で得られた
グラファイト粉末にさらに酸化熱処理 (または他の表面
を削り取る熱処理) と不活性ガス雰囲気中での熱処理と
いう2回の熱処理を施して、閉塞構造の間隙面密度を著
しく高める。この第2の方法における黒鉛化後の熱処理
について、次に説明する。
【0049】グラファイト粉末に最初に施す酸化熱処理
は、酸化により粉末表面を削りとるために行う。それに
より、黒鉛化熱処理で生成した粉末表面 (c面層末端)
の閉塞構造が切れて開放され、c面層の末端がほぼ同じ
長さに揃って平坦となった、開放構造のc面層末端を持
つグラファイト粉末が得られる。
【0050】酸化熱処理の条件は、酸化によって閉塞構
造の開放が実質的に起これば特に制限されないが、熱処
理温度は 600〜800 ℃の範囲内が好ましい。閉塞構造を
持つグラファイト粉末は耐酸化性が高いため、酸化熱処
理の温度が600 ℃より低いと酸化されにくく、800 ℃以
上では酸化が急速に進み、グラファイト粉末全体の劣化
が進むからである。酸化熱処理の時間は温度や処理量に
よって異なるが、一般には1〜10時間である。熱処理雰
囲気は酸素含有雰囲気であり、純酸素雰囲気でも、酸素
と不活性ガスとの混合ガス雰囲気 (例、空気) でもよ
い。この酸化熱処理により、グラファイト粉末の重量は
2〜5%程度減少する。
【0051】なお、閉塞構造の開放は、酸化熱処理に限
られるものではない。グラファイト粉末の表面構造を削
り取ることにより閉塞構造を開放して平坦なc面層末端
を得ることができれば、他の方法を採用することもでき
る。他の方法の例には、フッ化熱処理、水素化熱処理な
どがある。この場合の熱処理条件は、閉塞構造の開放が
起こるように実験により適宜設定すればよい。
【0052】その後、グラファイト粉末を不活性ガス雰
囲気中でさらに熱処理する。この不活性ガス雰囲気中で
の熱処理により、開放構造のc面層の末端が他のc面層
の末端と連結して、グラファイト粉末の表面のc面層末
端に再びループ状の閉塞構造が形成される。
【0053】このc面層末端のループ状連結時には、グ
ラファイト粉末の表面のc面層の末端が酸化熱処理によ
り平坦になっているため、離れた2層が連結することは
極めて稀であり、図2に示すような多数の連結ループが
積層した大きな閉塞構造は形成し得ない。ループの積層
数は、せいぜい5層、多くは1〜3層程度である。その
ため、c軸方向長さ当たりの閉塞構造の数が多くなり、
その間隙面の密度が高くなるのである。その結果、第2
の方法では、例えば500 個/μmを超えるような大きな
間隙面密度になるように間隙面を低ピッチ化することが
できる。
【0054】不活性ガス雰囲気は、例えばAr、He、Ne等
の1種もしくは2種以上でよい。熱処理温度は、c面層
の末端どうしが連結できるような比較的大きな格子振動
を起こさせる温度であればよい。連結して閉塞構造を形
成した方が、エネルギーが低く、安定化するため、不活
性ガス雰囲気中で熱処理して十分な格子振動を生じさせ
ると、c面層の開いた末端同士が連結しあうのである。
この目的には、一般に800 ℃以上の熱処理温度が必要で
ある。上限は特に制限されない。熱処理時間は、閉塞構
造が形成されればよく、温度や処理量により大幅に異な
るが、一般には1〜10時間である。例えば、1000℃では
約5時間程度が目安となる。
【0055】この酸化熱処理では、グラファイト粉末の
表面が削られるため、粒径はわずかに小さくなる (例、
1〜2μm程度) が、実質的な平均粒径の変化はないの
で、その前に行った粉砕でグラファイト粉末の平均粒径
を制御できる。必要であれば、この酸化熱処理時の粒径
の減少を考慮して、粉砕条件を設定すればよい。
【0056】但し、粉砕しただけでは本発明で規定する
最大粒径または平均粒径と最大粒径が得られないので、
粉砕後に分級を行う。分級は、粉砕後であればいつの時
点で行ってもよい。例えば、第1の方法の場合には、
粉砕のすぐ後、黒鉛化熱処理後、さらに粉砕を炭素化
前に行った場合には、炭素化熱処理後、に分級を行う
ことができる。また、第2の方法では、これらの時点に
加えて、さらに、酸化熱処理 (または他の表面を削る
熱処理) 後と、最後の不活性ガス中での熱処理後、に
分級を行うことができる。
【0057】しかし、経済性を考えると、早い時期に分
級を行って、その後の熱処理を行う粉末の量を少なくす
る方が有利である。その意味では、粉砕後にすぐに分級
を行うことが好ましい。なお、分級は必要により2以上
の時点で行ってもよく、例えば、粉砕後に分級した場合
でも、最後の熱処理が済んだグラファイト粉末を製品化
する前に本発明の平均粒径と最大粒径になるように再び
分級してもよい。
【0058】本発明の閉塞構造を持つグラファイト粉末
は、従来のグラファイト粉末と同様の用途に使用するこ
とができる。グラファイト粉末のc面層が閉塞構造を形
成し、Liイオンの主な侵入サイトである閉塞構造の間隙
面密度が 100〜1500個/μmと高いため、グラファイト
粉末の持つドーピング、吸蔵、挿入等の機能、即ち、Li
イオン等の物質の格納機能が著しく向上する。
【0059】従って、本発明のグラファイト粉末は、特
にリチウムイオン二次電池の負極用材料として好適であ
る。従来のグラファイト粉末に比べてLiイオンの格納量
が増大し、放電容量が向上したリチウムイオン二次電池
を得ることができる。また、グラファイト粉末のc面層
が閉塞構造を有するため、グラファイト粉末内に電解液
が侵入しにくく、充電時のLiの樹枝状デンドライトの析
出を避けることができるので、充電・放電繰り返し時の
サイクル寿命が長くなる。さらに、分級により平均粒径
と最大粒径を上記のように調整したことにより、粉末内
部に格納されたLiイオンが粉末表面にすばやく拡散して
くるので、大容量放電や低温放電といったLiイオンが移
動しにくい条件下でも放電特性が良好に保持される。
【0060】本発明のグラファイト粉末から、従来と同
様にリチウム二次電池用の負極を作成することができ
る。例えば、グラファイト粉末を少量のバインダーおよ
び溶媒と混合してペーストまたはスラリー状にする。バ
インダーの例には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、カルボキシ
メチルセルロースなどの水溶性粘結剤等がある。溶媒と
しては極性有機溶媒、水などが使用できる。得られたペ
ーストまたはスラリーを適当な金属製集電体に塗布し、
乾燥して成形すると、電極が得られる。リチウム二次電
池の正極、電解液、セパレータその他の構成は、従来品
と同様でよい。
【0061】
【実施例】
(実施例1)本実施例は第1の方法によるグラファイト
粉末の製造を例示する。製造方法 減圧蒸留装置を用いてコールタールを50 torr の減圧
下、480 ℃に4時間加熱して、バルクメソフェーズを得
た。冷却したバルクメソフェーズを、微粉砕用ハンマー
ミル (不二パウダル製Uマイザー) で粉砕羽根の回転数
を 100〜14000rpm の範囲内で変化させて粉砕した。な
お、粉砕時間は、平均粒径が30μm前後となるように、
回転数に応じて制御した (回転数が高いほど短時間) 。
粉砕したバルクメソフェーズ粉末を、105 μmの篩を用
いて粗く分級し、篩下の粉末を以後の工程に用いた。
【0062】粉砕・粗分級したバルクメソフェーズの粉
末を、次いで窒素雰囲気下、10℃/hrの昇温速度で1000
℃まで加熱して炭素化した。その後、炉冷して取り出し
た炭素粉末を、窒素雰囲気の黒鉛化炉に移し、10℃/mi
n の昇温速度で2800℃に加熱し、2800℃で1時間保持し
て黒鉛化させた。その後、炉冷して、グラファイト粉末
を取り出した。
【0063】得られたグラファイト粉末を最後に74μm
の篩目の篩で分級し、篩を通過したグラファイト粉末の
粒度分布を、レーザー回折散乱法 (測定装置:日機装製
マイクロトラックFRA)により測定し、その累積重量50%
の値を平均粒径とした。
【0064】閉塞構造の間隙面密度 このグラファイト粉末の閉塞構造は、グラファイトc軸
に平行な方向に切断したグラファイト粉末試料の断片
を、高分解能の透過型電子顕微鏡で観察することにより
確認した。また、代表的な10視野を写真撮影して、得ら
れた写真からグラファイトc軸方向に対して1μmあた
りの閉塞構造の間隙面密度を読みとり、10視野の平均値
を供試材の間隙面密度とした。
【0065】電極評価 このグラファイト粉末を用いて、以下の方法で電極を作
成した。上述のグラファイト粉末90重量部とポリフッ化
ビニリデン粉末10重量部とを、溶剤であるN−メチルピ
ロリドン中で混合し、乾燥させペースト状にした。得ら
れたペーストを集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドク
ターブレードを用いて均一厚さに塗布した後、1ton/cm
2 の冷間プレスで圧縮後、120 ℃で真空乾燥させた。こ
こから切り出した面積1cm2 の試験片を負極とした。
【0066】負極特性の評価は、対極、参照極に金属リ
チウムを用いた3極式定電流充放電試験で25℃において
行った。電解液はエチレンカーボネートとジメチルカー
ボネートの体積比1:1の混合溶媒に1mol/l の濃度で
LiClO4を溶解させたものを使用した。
【0067】放電容量は、0.3 mA/cm2の電流密度で、Li
参照極に対して0.0 V まで充電してLiを吸蔵させた後、
同じ電流密度で参照電極に対して1.5 V まで放電 (Liイ
オンの放出) を行うことにより求めた。この充放電試験
の第1サイクルにおいて次式により充放電効率を求め
た。
【0068】
【数1】
【0069】グラファイトの層間距離d002の測定 X線回折装置を用いて、炭素学会で規定された学振法に
したがって、グラファイトの002 面 (図1に示すc面
層) の層間距離d002を測定した。このd002の値が理想的
なグラファイトの値 (=3.354 Å) に近づくほど、結晶
性が高いことを意味する。以上の試験結果を表1に示
す。
【0070】
【表1】
【0071】表1からわかるように、炭素化前の粉砕工
程におけるハンマーミルの回転数が大きくなるほど、炭
素化および黒鉛化熱処理後に得られたグラファイト粉末
の間隙面の密度が高くなり、それに比例して放電容量と
充放電効率も高くなった。即ち、第1の方法では、グラ
ファイト粉末の間隙面密度は、粉砕時の回転数により制
御することができた。そして、間隙面密度が100 個/μ
mを超えると、放電容量が300 mAh/g 以上、充放電効率
が90%超となり、従来法より良好な値を示した。放電容
量は、最高で340 mAh/g 以上に達した。しかし、回転数
が8000 rpm、特に9000 rpmを超えると、放電容量と放電
効率は共に低下した。
【0072】一般に、負極炭素材の層間距離d002が理想
的なグラファイトの3.354 Åに近づくと、リチウム二次
電池の放電容量が高まることが知られているが、本発明
のグラファイト粉末では、この層間距離は 3.664〜3.36
6 Åの範囲のほぼ一定の値を示していた。即ち、本発明
のグラファイト粉末が高い放電容量を示すのは、結晶構
造が異なることに起因するのではなく、間隙面密度が増
加したことに起因していることがわかる。
【0073】(実施例2)本実施例は、グラファイト粉末
の平均粒径と最大粒径の影響を示す。実施例1で製造し
たグラファイト粉末系 (ハンマーミル回転数6000 rpm)
を、種々の篩を用いて粒径分布および平均粒径を意図的
に変化させて、その電極特性を調査した。
【0074】本実施例では、(i) 25℃、0.3 mA/cm2で充
電および放電 (標準放電) 、(ii) 25℃、0.3 mA/cm2
充電後、1.5 mA/cm2で放電 (大電流放電) 、(iii) −20
℃、0.3 mA/cm2で充電後、0.3 mA/cm2で放電 (低温放
電) 、の3種類の充放電試験を実施した。また、標準放
電条件において、500 サイクル後の放電容量の最大放電
容量に対する割合 (%) を、500 サイクル後の保持容量
として求めた。評価結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2からわかる通り、最大粒径が74μm超
であるか、平均粒径が35μm超であると、大電流放電と
低温放電の各特性が不芳となった。一方、平均粒径が5
μmより小さいと、放電特性は優れるが、500 サイクル
後の保持容量が80%以下と低く、耐食性が低いためサイ
クル寿命が低下した。これに対し、平均粒径と最大粒径
が本発明の範囲内であると、高容量かつ高効率であると
ともに、大電流放電と低温放電の特性に優れ、しかもサ
イクル寿命も十分であった。
【0077】(実施例3)本実施例は、第2の方法による
グラファイト粉末の製造を例示する。実施例1で製造し
たグラファイト粉末Bおよび系 (ハンマーミル回転数20
0 および6000 rpm) を、空気中において表3に示す温度
で2時間の酸化熱処理を施した後、800 ℃のアルゴン雰
囲気中で5時間熱処理した。この酸化熱処理後とアルゴ
ン雰囲気中での熱処理後に、グラファイト粉末を実施例
1に記載したようにして透過型電子顕微鏡で観察したと
ころ、酸化熱処理によりグラファイトc面層の端部が切
れて、閉塞構造が開放され、その後にアルゴン雰囲気中
での熱処理後に、再びc面層の端部が閉じて、短ピッチ
(ループ積層数の少ない) 閉塞構造が生成していること
が認められた。処理後の閉塞構造の間隙面密度と電極性
能を実施例1と同様に調べた結果を表3に併せて示す。
【0078】
【表3】
【0079】表3から、グラファイト粉末Bのように黒
鉛化時には間隙面密度が100 個/μmより小さくても、
酸化熱処理と不活性ガス雰囲気中での熱処理により間隙
面密度が増大し、その時の処理条件、特に酸化熱処理の
条件 (本実施例では温度) に依存して間隙面密度を 100
〜1500個/μmの範囲内で制御することができた。この
間隙面密度の増大により、グラファイト粉末の放電容量
と充放電効率も向上した。
【0080】また、グラファイト粉末系のように、黒鉛
化時に間隙面密度が100 個/μmを超えていても、酸化
熱処理と不活性ガス雰囲気中での熱処理により間隙面密
度を増大させると、放電容量と充放電効率はさらに向上
した。
【0081】なお、酸化熱処理中にグラファイト粉末の
表面が削れるため、黒鉛化したままのグラファイト粉末
に比べて、酸化熱処理およびアルゴン雰囲気中で熱処理
したグラファイト粉末の平均粒径はわずかに小さくなっ
たが、平均粒径の実質的な変化はないことも、表3から
わかる。
【0082】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
特殊な高価な樹脂ではなく、通常の炭素原料を用いて、
炭素原料または炭素材の粉砕時の粉砕機の回転数の制御
(第1の方法) または黒鉛化熱処理後のグラファイト粉
末表面を削る酸化熱処理 (または他の処理) の条件によ
り、グラファイトc面層の端部に閉塞構造を持ち、その
間隙面密度を 100〜1500個/μmに範囲内に制御したグ
ラファイト粉末を得ることができる。このグラファイト
粉末は、平均粒径が5〜35μmで、最大粒径が75μmと
なるように分級すれば、常温で300 mAh/g を超える高い
放電容量と高い充放電効率を示し、しかも大電流放電や
低温放電の特性にも優れており、サイクル寿命も十分に
長い。従って、本発明により、コスト増大を伴わずに、
高性能のリチウム二次電池を製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるグラファイト粉末表面に見られ
るc面層端部の閉塞構造を示す説明図である。
【図2】グラファイト粉末の閉塞構造を示す電子顕微鏡
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 徹 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 阿部 賢 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 禰宜 教之 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 米村 光治 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末表面にグラファイトc面層の端部が
    ループ状に閉じた閉塞構造を有するグラファイト粉末で
    あって、グラファイトc軸方向における該閉塞構造の間
    隙面の密度が 100〜1500個/μmであり、レーザー回折
    散乱法で求めた重量累積50%での平均粒径が5〜35μm
    で、最大粒径が75μmであることを特徴とする、グラフ
    ァイト粉末。
  2. 【請求項2】 炭化の前および/または後に高速粉砕処
    理された炭素材を、2500℃以上の温度で熱処理して黒鉛
    化することからなるグラファイト粉末の製造方法であっ
    て、粉砕後に平均粒径5〜35μm、最大粒径75μmとす
    る分級工程を有することを特徴とする、請求項1記載の
    グラファイト粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭化の前および/または後に粉砕処理さ
    れた炭素材を、2500℃以上の温度で熱処理して黒鉛化し
    た後、得られたグラファイトの表面を削ることができる
    条件下で熱処理を行い、さらに不活性ガス中800 ℃以上
    の温度で熱処理することからなる、グラファイト粉末の
    製造方法であって、粉砕後に、平均粒径5〜35μm、最
    大粒径75μmとする分級工程を有することを特徴とす
    る、請求項1記載のグラファイト粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のグラファイト粉末からな
    るリチウム二次電池用負極材料。
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