JPH10225667A - 芳香族ハロゲン化合物の分解方法 - Google Patents

芳香族ハロゲン化合物の分解方法

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JPH10225667A
JPH10225667A JP9030656A JP3065697A JPH10225667A JP H10225667 A JPH10225667 A JP H10225667A JP 9030656 A JP9030656 A JP 9030656A JP 3065697 A JP3065697 A JP 3065697A JP H10225667 A JPH10225667 A JP H10225667A
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JP
Japan
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oil
boiling
aromatic halogen
pcb
halogen compound
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JP9030656A
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Takaharu Uchida
隆治 内田
Makoto Takada
高田  誠
Seiji Iimura
誠司 飯村
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCB等の芳香族ハロゲン化合物を無害化処
理した後、焼却処分を行うために、アルカリ及び塩類の
除去を容易にする芳香族ハロゲン化合物の分解方法を提
供する。 【解決手段】 芳香族ハロゲン化合物を粘度の低い高沸
点油に溶解し、アルカリ性物質および高沸点オレフィン
化合物の存在下で300℃〜400℃に加熱するもの
で、アルカリ性物質を芳香族ハロゲン化合物中の塩素に
対して10当量〜300当量、または高沸点油に対し
て、0.1%〜30%(W/W)用いて脱ハロゲン化す
ることを特徴とし、前記高沸点オレフィン化合物とし
て、ポリブタジエンを高沸点油に対して、0.1%〜1
0%(V/V)用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ハロゲン化
合物の分解方法に関し、特に分解が困難であるポリ塩化
ビフェニル(PCB)等の芳香族ハロゲン化合物を高い
効率で無害化処理する分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB等の芳香族ハロゲン化合物は、人
体に悪影響を与え、かつ難分解性のため長期にわたりそ
の影響が続くために、環境汚染物質として大きな社会問
題となっている。PCBは、化学的に非常に安定であ
り、絶縁性に優れていることから、主として電気絶縁
油、熱媒体や特殊な溶媒等として用いられてきて、日本
国内で約6万トンが生産され、広く使用されてきた。し
かし、環境中に出たPCBが人体や動物に蓄積され、カ
ネミ油症に代表される強い毒性を呈することが判明し
て、1972年にその製造及び新たな使用が禁止され
た。現在、使用済みのPCB使用機器は、PCBを取り
出すか、取り出せないものはそのまま保管することが義
務付けられているが、取り出したPCBも容器に入れた
まま保管することになってしまっている。しかし、その
容器も長年にわたる保管で老朽化し、PCBが漏れだす
危険性が生じている。従って、PCBの無害化処理技術
の開発は緊急且つ重要な課題となっている。
【0003】PCBは高い化学的安定性のためにその処
分が困難であるが、種々の処分方法が提案されている。
例えば高温焼却処理法は、鐘淵化学(株)によって実施
された実績がある。しかし、ダイオキシン等の有害物質
の排出が懸念されて社会的に受け入れられず、その後は
実施されていない。また、微生物による処理方法も種々
検討されて考案されているが、分解に長時間を要するた
めに大量処理に向いていない。これに対して、化学的分
解処理方法は、低温、短時間で効率良く分解できるとい
う特徴をもっている。
【0004】その化学的分解処理方法としては、例えば
次のようなものが挙げられる。 貴金属触媒、水素ガスを使用する方法 金属ナトリウムを使用する方法 アルカリの存在下でポリエチレングリコール(PE
G)と反応させて脱塩素化する反応(KPEG法) 触媒、アルカリ、水素供与体の存在下で300℃〜3
50℃に加熱し、PCB中の塩素を水素供与体からの水
素で置換する方法
【0005】この中、の方法は、高価な貴金属触媒を
使用すること、爆発性気体である水素ガスを使用しなけ
ればならないという欠点を持っている。の方法は、金
属ナトリウムが水と爆発的に反応するために取扱い上危
険である。の方法は、高価なPEGを使用すること、
完全に脱塩素化されないという欠点がある。のBCD
法は、特表平5−508666号公報/米国特許5,0
39,350号明細書及び5,064,526号明細書
に開示されている方法であるが、触媒として炭素系触
媒、アルカリとして水酸化ナトリウム、水素供与体とし
て重油等の炭化水素油を使用するため、使用する薬剤が
比較的安価で済むという利点がある反面、処理後の粘性
の高い重油から過剰のアルカリ及び反応で生成する塩類
を除去することが困難であり、処理後の油を焼却処分し
にくいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解消し、PCB等の芳香族ハロゲン化
合物を無害化処理した後、焼却処分を行うために、アル
カリ及び塩類の除去を容易にする芳香族ハロゲン化合物
の分解方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を下
記の手段により解決することができた。 (1)芳香族ハロゲン化合物を粘度の低い高沸点油に溶
解し、アルカリ性物質および高沸点オレフィン化合物の
存在下で300℃〜400℃に加熱するもので、アルカ
リ性物質を芳香族ハロゲン化合物中の塩素に対して10
当量〜300当量、または高沸点油に対して、0.1%
〜30%(W/W)用いて脱ハロゲン化することを特徴
とする芳香族ハロゲン化合物の分解方法。 (2)前記芳香族ハロゲン化合物がポリ塩化ビフェニル
類(PCB類)である上記(1)記載の芳香族ハロゲン
化合物の分解方法。 (3)前記アルカリ性物質が、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩の中から選ば
れた1種以上のものである上記(1)記載の芳香族ハロ
ゲン化合物の分解方法。
【0008】(4)前記高沸点オレフィン化合物とし
て、ポリブタジエンを高沸点油に対して、0.1%〜1
0%(V/V)用いる上記(1)記載の芳香族ハロゲン
化合物の分解方法。 (5)ポリ塩化ビフェニル類(PCB類)で汚染された
油を、アルカリ性物質および高沸点オレフィン化合物の
存在下で300℃〜400℃に加熱するもので、アルカ
リ性物質をポリ塩化ビフェニル類中の塩素に対して10
当量〜300当量、または汚染油に対して、0.1%〜
30%(W/W)用いて脱ハロゲン化することを特徴と
する芳香族ハロゲン化合物の分解方法。
【0009】この反応系によれば、反応物から遠心分
離、水洗等によって容易に未反応のアルカリおよび反応
で副生成した塩類を除去することができる。前記分解方
法において、アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム等を使用
することができ、それらから選んだ1種以上を使用する
ことが好ましく、2種以上混合して使用してもよい。こ
のアルカリはPCBの塩素と反応させるためであるか
ら、反応性の高いものほど好ましい。アルカリの添加量
は、当該PCBの塩素に対して10当量〜300当量ま
たは高沸点油に対して0.1%〜30%(W/W)使用
する。高沸点オレフィン化合物としては、ポリイソプレ
ン等(構成するモノマー中に)の二重結合を2以上有す
るオレフィンの重合体や、共重合体を用いることができ
る。好ましくはポリブタジエンであり、PCB分解の促
進効果がある。
【0010】ポリブタジエンは、例えば、次のような一
般式(1)で示すような化学構造をもっており、1,2
−付加のものと1,4−付加のものとが混在する構造を
有している。その反応機構は不明であるが、二重結合を
有している点が本発明における反応に有利に作用するよ
うである。その中でも沸点が400℃以上で、しかも粘
度が低いものが望ましい。その分子量は、反応温度で高
沸点油に溶解すればよいのであるから、特定の範囲に限
定されることはないが、1200前後が好適であり、あ
まり大きいと溶解せず適さない。また、小さいと反応上
好ましくない。なお、ポリブタジエンとして市販されて
いるものには、前記一般式(1)で示したように、その
末端にOH基を有しているものがあるが、このような末
端基を有していなくてもよい。また、一般式(1)にお
いて、(a+c)とbの割合は主として重合温度に依存
し、nは分子量の関係で決められる。高沸点オレフィン
化合物の添加量は、使用する高沸点油に対して0.1%
〜10%(V/V)の範囲が良く、好ましくは1%〜5
%(V/V)の範囲である。
【0011】
【化1】
【0012】使用する高沸点油は、その反応に際して気
化してしまわないで、反応を液相で行うことができるた
めに、沸点がその反応温度よりも高いものであることが
必要であり、例えば流動パラフィン等の炭化水素が好ま
しく使用できる。高沸点油は、その高い反応温度におい
てアルカリにより分解されないような安定性を有するこ
とが必要であり、また添加する高沸点オレフィン化合物
と親和性を有するものであることが好ましい。例えば高
沸点油として電気絶縁油を使用することもでき、PCB
などの有機ハロゲン化合物等に汚染された電気絶縁油等
は、新たに高沸点油を添加せずともアルカリおよび高沸
点オレフィン化合物を添加するだけで反応に供すること
ができる。
【0013】一般に電気絶縁油は石油系炭化水素を主成
分としているが、電気絶縁油としてPCBが使用されて
いた経緯から、数ppm〜50ppm程度のPCBなど
の有機ハロゲン化合物等に汚染されている電気絶縁油が
多く存在している。本発明はこのような汚染電気絶縁油
中のPCBを効果的に分解することができる。反応温度
は、300℃〜400℃であり、好ましくは320℃〜
360℃である。反応雰囲気は、安全性を考慮して窒
素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ま
しい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における反応をさらに詳し
く説明する。PCBを例えば流動パラフィンに所望の濃
度で溶解し、所定量の高沸点オレフィン化合物、アルカ
リを加えて、不活性ガス雰囲気下、320℃〜360℃
の範囲の温度で加熱し、その反応終了後の液を分析する
と、ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/M
S)でPCBは不検出(定量下限10ppb)となる。
処理後の油から、水による抽出により、過剰に使用され
た未反応のアルカリおよび塩類が同時に回収される。従
って、分解処理後の油から容易にアルカリおよび塩類を
除くことができ、残った流動パラフィンを主体とする反
応後の油は、再利用することもできるが、通常の焼却処
分をしてもよい。焼却処分をした場合、廃ガスには塩素
分が殆ど含まれていない。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例 電気絶縁油(常温で液体)150mlにポリブタジエン
(分子量約1200)1.0g、PCB5μlおよび水
酸化カリウム0.5gを加えて、窒素雰囲気下325℃
で2時間加熱した。処理後の油をガスクロマトグラフィ
ー/質量分析計(GC/MS)で分析の結果、PCBは
10ppb以下であった。 比較例 水酸化カリウム添加量を0.03gとした以外は実施例
1と同様に4時間加熱し処理を行った。処理後の油をガ
スクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)で分
析の結果、PCBは20,000ppbであった。
【0016】
【発明の効果】本発明においては、反応媒体として粘度
の低い高沸点油を使用することにより、PCBを容易に
アルカリと反応させることができて、安定なPCBを高
い反応率で容易に分解することができる。また、その分
解処理の後において、反応で副生する塩類及び未反応の
アルカリを容易に分離することができる。それらを分離
した処理物には、未反応のPCBや有害なアルカリ等が
含まれていないので、それを焼却した場合でも有害な廃
ガスを放出することがない。さらに、前記の分離した処
理物は、主として粘度の低い高沸点油であるため、反応
に再使用することができ、使用を重ねて分解反応に使用
するのに適しなくなった場合には、焼却処分をすること
ができ、その際に有害なガス成分を放出することがな
い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ハロゲン化合物を粘度の低い高沸
    点油に溶解し、アルカリ性物質および高沸点オレフィン
    化合物の存在下で300℃〜400℃に加熱するもの
    で、アルカリ性物質を芳香族ハロゲン化合物中の塩素に
    対して10当量〜300当量、または高沸点油に対して
    0.1%〜30%(W/W)用いて脱ハロゲン化するこ
    とを特徴とする芳香族ハロゲン化合物の分解方法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ハロゲン化合物がポリ塩化ビ
    フェニル類(PCB)である請求項1記載の芳香族ハロ
    ゲン化合物の分解方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性物質が、アルカリ金属又
    はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩の中
    から選ばれた1種以上のものである請求項1記載の芳香
    族ハロゲン化合物の分解方法。
  4. 【請求項4】 前記高沸点オレフィン化合物として、ポ
    リブタジエンを高沸点油に対して、0.1%〜10%
    (V/V)用いる請求項1記載の芳香族ハロゲン化合物
    の分解方法。
  5. 【請求項5】 ポリ塩化ビフェニル類(PCB類)で汚
    染された油を、アルカリ性物質および高沸点オレフィン
    化合物の存在下で300℃〜400℃に加熱するもの
    で、アルカリ性物質をポリ塩化ビフェニル類中の塩素に
    対して10当量〜300当量、または汚染油に対して、
    0.1%〜30%(W/W)用いて脱ハロゲン化するこ
    とを特徴とする芳香族ハロゲン化合物の分解方法。
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