JPH10225255A - 防虫装置及び防虫方法 - Google Patents

防虫装置及び防虫方法

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JPH10225255A
JPH10225255A JP9028861A JP2886197A JPH10225255A JP H10225255 A JPH10225255 A JP H10225255A JP 9028861 A JP9028861 A JP 9028861A JP 2886197 A JP2886197 A JP 2886197A JP H10225255 A JPH10225255 A JP H10225255A
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JP
Japan
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light
opening
insect
building
insect repellent
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Application number
JP9028861A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Doi
全 土井
Akira Ota
昭 太田
Hisayuki Matsuzawa
久行 松沢
Yasuyuki Yokote
靖之 横手
Toshihiro Kurokawa
俊広 黒川
Hiroyuki Itao
浩幸 板尾
Seiji Oda
清治 小田
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Mitsubishi Electric Corp
Ikari Shodoku Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Ikari Shodoku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走光性を有する昆虫に対する物理的機能によ
る設備費や運転コストの低い防虫装置を得る。 【解決手段】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透
け出るような開口部2を有する建物1に対し、その開口
部2を開閉する開閉構造体3の透光部分を昆虫が視感度
を有する波長の光を選択的に吸収する防虫性透光材4で
構成するとともに、当該開口部2の近傍に上部から下部
に向うエアーカーテン5を形成する送風機6を配設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内の照明により
誘引される主として飛翔昆虫の室内への侵入を防ぐ防虫
装置及び防虫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】店舗や食品加工所等では光に誘引されて
くる飛翔昆虫に対する防御が広く行なわれている。こう
した光誘引性(生物学では正の走光性ともいうが、この
明細書では負の走光性については無関係なので、単に走
光性と表現する)のある昆虫の室内への侵入を防ぐに
は、昆虫を誘引しないようにする仕方や、積極的に別の
場所に誘引する仕方の他に、出入口や窓を閉止する仕方
がある。通常よく利用されている誘引燈の近傍に高電圧
発生手段を配した防虫装置は、昆虫を積極的に別の場所
に誘引する仕方を適用したものである。光誘引性のある
昆虫を誘引しないようにするには、室内の照明の光が室
外へ透け出ることを防止することにより比較的手軽に実
現することができる。また、出入口を閉止する仕方を採
用しても、出入りに伴う開閉とともに昆虫が出入口から
室内へ侵入するので、出入口にエアーカーテンを形成し
て昆虫の進路を阻んだり、室内を屋外より陽圧に保持し
昆虫が侵入し辛くしたりしている。
【0003】例えば特開平6―90649号公報には、
建物の開口部に給排気式のエアーカーテンを形成し、建
物内を水柱5mm〜250mmの陽圧に保持して建物内
への昆虫の侵入を防止する技術が示されている。給排気
式のエアーカーテンは図8に示すように、給気送風機3
0の吹出し側と排気送風機31の吸込み側を対向状にし
た送風装置32で構成され、建物33の開口部34に昆
虫の侵入の困難な流速の気流を生成することができる。
そして、さらに、室内が屋外に対して5mm〜250m
mの陽圧に保持されているので、室内への昆虫の侵入が
極力防止される。このように、エアーカーテンや室内を
外部に対して陽圧に保持して昆虫の侵入を防止する技術
は、特開平6―94278号公報にも示されている。こ
れは、主として室内の圧力を4mmAq前後に維持し、
隙間等から抜け出す空気の流速を10m/sec程度に
して、隙間等からの昆虫の侵入を防止するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の防
虫の方法や防虫装置は、エアーカーテンや室内の陽圧化
で昆虫の侵入を防止するものであるため、建物を高気密
構造にしなければならず、エアーカーテンも高い運動エ
ネルギーを有する必要があるうえ、室内をかなり高い陽
圧に維持するためには能力の高い送風機が必要である。
そのため、建設費や設備費が嵩むばかりでなく、運転コ
ストもかなり高くつくといった問題点がある。
【0005】本発明は上記した従来の問題点を解消する
ためになされたもので、その課題とするところは、設備
費や運転コストの低減の可能な走光性を有する昆虫に対
する物理的機能による防虫装置を得ることであり、その
装置の機能の向上を推進することであり、効果的な防虫
対策を薬剤を使わずに容易に実施することができる走光
性を有する昆虫に対する防虫方法を確立することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、閉止状態でも内部の照明の光が屋
外へ透け出る開口部を有する建物に対し、その開口部を
開閉する構造体の透光部分を昆虫が視感度を有する波長
の光を選択的に吸収する防虫性透光材で構成し、当該開
口部の近傍に上部から下部に向うエアーカーテンを形成
する送風装置を配設する手段を採用する。
【0007】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透け出る開口
部を有する建物に対し、その開口部を開閉する構造体の
透光部分に昆虫が視感度を有する波長の光を選択的に吸
収する防虫性透光材のフイルムを被着し、当該開口部の
近傍の外側に上部から下部に向うエアーカーテンを形成
する送風装置を配設する手段を採用する。
【0008】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段に
おける防虫性透光材を、200nmから550nmの波
長の光を選択的に吸収するものとする手段を採用する。
【0009】前記課題を達成するために請求項4の発明
は、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記手段
における建物内を、屋外に対して水柱で0.1mm〜
3.9mmの陽圧にする送風機を併設する手段を採用す
る。
【0010】前記課題を達成するために請求項5の発明
は、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記手段
における防虫性透光材を、透明な樹脂板で構成する手段
を採用する。
【0011】前記課題を達成するために請求項6の発明
は、請求項1〜請求項5までのいずれかに係る前記手段
における送風装置を、プロペラの回転による軸流送風機
とする手段を採用する。
【0012】前記課題を達成するために請求項7の発明
は、請求項1〜請求項6までのいずれかに係る前記手段
におけるエアーカーテンを、開口部に沿って形成するよ
うにする手段を採用する。
【0013】前記課題を達成するために請求項8の発明
は、請求項7に係る前記手段におけるエアーカーテン
を、下流側程屋外側に向う傾斜気流にする手段を採用す
る。
【0014】前記課題を達成するために請求項9の発明
は、請求項1〜請求項8までのいずれかに係る前記手段
におけるエアーカーテンの下方の床に虫捕集部材を配設
する手段を採用する。
【0015】前記課題を達成するために請求項10の発
明は、閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透け出るよ
うな開口部を有する建物に対し、その開口部を開閉する
構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透光材を通過
させて昆虫が視感度を有する波長の光を吸収させた光線
とするとともに、建物の当該開口部の近傍には上部から
下部に向うエアーカーテンを形成する手段を採用する。
【0016】前記課題を達成するために請求項11の発
明は、閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透け出るよ
うな開口部を有する建物に対し、その開口部を開閉する
構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透光材を通過
させて昆虫が視感度を有する波長の光を吸収させた光線
とするとともに、建物の当該開口部の近傍には上部から
下部に向うエアーカーテンを形成し、その建物内部の室
内圧力を屋外圧力より水柱で0.1mm〜3.9mmの
陽圧にする手段を採用する。
【0017】前記課題を達成するために請求項12の発
明は、閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透け出るよ
うな開口部を有する建物に対し、その開口部を開閉する
構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透光材を通過
させて200nmから550nmの波長の光を吸収させ
た光線とするとともに、建物の当該開口部の近傍には上
部から下部に向うエアーカーテンを形成し、その建物内
部の室内圧力を屋外圧力より水柱で0.1mm〜3.9
mmの陽圧にする手段を採用する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。 実施の形態1.図1に示すこの実施の形態1の防虫装置
は、店舗等の建物1の出入口等の開口部2に対して適用
するものであり、走光性のある主として飛翔昆虫の開口
部2からの建物1内への侵入を防止するための装置であ
る。この防虫装置の基本原理は、昆虫を誘引しないよう
にしておいて、その侵入経路には進路妨害をする障害を
設けることであり、二段構えで昆虫の建物1内への侵入
を防止する。走光性をもつ昆虫を誘引しないようにする
方法は、建物1の開口部2の昆虫に対する光についての
視感性を低下させ、開口部2の昆虫に対する誘引能を奪
い取る仕方が有効である。
【0019】昆虫の光に対する視感性は、図2に示すよ
うに200nm〜560nmの波長の範囲にあり、人の
視感性の範囲に一部で小さく重なるものの基本的には人
のそれより大きく紫外線寄りにづれている。200nm
〜560nmの波長の範囲においても、250nmを越
える波長付近から急峻に高い視感性を呈し、350nm
付近の波長でピークに達し、これより長い波長では42
0nm付近の波長まで急激に低下することが知られてい
る。即ち、昆虫は200nm〜560nmの波長の光に
は走光性を発揮してそのような波長の光に集まるが、5
60nmを越える波長の光には走光性を示さずそのよう
な波長の光には集まらない。
【0020】この実施の形態1の防虫装置では、建物1
の開口部2を開閉するドアや戸やガラス窓等の開閉構造
体3の透光部分に、200nm〜560nmの波長の光
を選択的に吸収する防虫性透光材4を設け、閉止状態の
開口部2から屋外へ透け出る室内照明の光線を昆虫に対
する視感性のないものとしている。防虫性透光材4とし
ては、200nm〜560nmの波長の光を選択的に吸
収する合成樹脂が好適であり、開口部2の開閉構造体3
の透光部分をこの合成樹脂の板材で構成するか、開閉構
造体3の透光部分にこの合成樹脂のフィルム材を被着さ
せるかして構成する。フィルム材を被着させる仕方の方
が、既設のガラス扉やガラス窓にも対応でき、施工も簡
単である。防虫性透光材4を出入口となる開口部2の開
閉構造体3に設ける場合、その周辺の窓等の透光部分に
も図1に示すように防虫性透光材4を設けた方が有効性
は高い。
【0021】防虫性透光材4である合成樹脂のフィルム
材をグリーン、ブラウン、スモーク、スモークライト、
グリーンメタリックなどの色に着色し、この着色したフ
ィルム材を開口部2の開閉構造体3の透光部分に貼設し
て昆虫阻止率Rを調べた結果、80%以上といった高い
昆虫阻止率Rが得られた。昆虫阻止率Rは、透光部分に
なにも遮蔽材等を設けない場合において当該透光部分に
集まった昆虫の個体数をNとし、透光部分に防虫性透光
材4である合成樹脂のフィルム材を貼設した場合におい
て当該透光部分に集まった昆虫の個体数をMとして、次
式により求めた数値である。昆虫阻止率R=(N−M)
/N×100%。ここで、個体数Mは個体数Nより小さ
な値であるが、N=Mならば昆虫阻止率Rは0%であ
り、M=0であれば昆虫阻止率Rは100%となる。
【0022】特定の範囲の波長の光を選択的に吸収する
合成樹脂の防虫性透光材4としては、板材やフィルム材
の他にも塗料形態にしたものも適用することができる
が、広い透光部分を均一に施工する場合には、薄いフィ
ルム材が最も施工性がよく安価でもある。薄いフィルム
材により施工した場合で、昆虫阻止率Rが最も高いのは
グリーンに着色したフィルム材である。しかしながら、
店舗の出入口等の透光部分を着色することは、店内のム
ードや色彩トーンが変化する理由で忌避されることも多
く、こうした場合には防虫性透光材4として透明な薄い
フィルム材を適用することになる。ただし、防虫性透光
材4として透明な薄いフィルム材を開口部2の開閉構造
体3の透光部分に適用した場合には、昆虫阻止率Rは5
0%程度に低下する。
【0023】しかしながら、この実施の形態1の防虫装
置では建物1の開口部2からの昆虫の侵入経路には昆虫
に対する進路妨害機能を果たすエアーカーテン5を形成
する送風機6が設けられ、防虫性透光材4とエアーカー
テン5とによる二段構えの防虫方法が実施されるので、
防虫性透光材4として透明な薄いフィルム材を用いて
も、室内への昆虫の侵入は殆ど無くすことができる。エ
アーカーテン5は、図3に示すように開口部2の開閉構
造体3における屋外側の表面に沿って上部から下部に向
う空気のカーテン流であり、開口部2の開閉構造体3の
表面側に飛翔する昆虫を定常的に吹き飛ばす。このエア
ーカーテン5と防虫性透光材4の併用により開口部2が
開放された時でも、開口部2の周辺に居る昆虫の数を極
めて少なくしておくことができ、開口部2から室内へ侵
入する昆虫を減少させることができる。図5は、エアー
カーテン5と防虫性透光材4との組合わせによる昆虫阻
止率についての比較結果を示したもので、図におけるA
はエアーカーテン5とグリーンの防虫性透光材4による
ものを、Bはエアーカーテン5と透明な防虫性透光材4
によるものを、Cはエアーカーテンだけによるものをそ
れぞれ示している。
【0024】エアーカーテン5は開口部2の室内側に形
成してもよいが、屋外側に形成する方が防虫効果は高
い。即ち、室内側にエアーカーテン5を形成する場合に
は開口部2の開閉に送風機6の運転停止を連動させるこ
とになるが、機能態のエアーカーテン5が形成されるに
は数10秒の時間がかかり、開放した開口部2はこの数
10秒間の間昆虫の侵入に対して無防備の状態になる。
ただし、防虫性透光材4により開口部2付近に居る昆虫
の数は少ないので、頻繁に開口部2が開放されるような
場合を除けば、数10秒間の無防備の状態はそれほど問
題にはならない。
【0025】昆虫を吹き飛ばすためにはエアーカーテン
5の流速は、3m/s程度に設定する必要があり、開口
部2の全面になるべく均一な流速で空気の流れが形成さ
れていることが望ましいものの、エアーカーテン5だけ
で防虫効果を得るわけではないので基本的には開口部2
に対する昆虫の進路妨害機能を果たしうる風速であれば
よい。エアーカーテン5の流速を速くすれば、その防虫
機能は高まるが店舗等の出入口については、通過する人
の髪が乱れたり、運搬物が飛ばされたりする不都合が伴
うことになり好適とはいえない。しかしながら、昆虫の
侵入をより厳密に阻止する要請のもとでは、エアーカー
テン5の流速を速くすることになる。このような場合に
は、質量の大きい昆虫がエアーカーテン5に捕捉される
とその運動エネルギーによって床に叩き付けられ、開口
部2付近の床に叩き付けられた昆虫が散乱することにな
る。このような状態は、あまり好まれることではないの
で、エアーカーテン5の流速を速くするような場合に
は、開口部5付近の床面に図3に示すような虫捕集溝7
を形成した虫捕集部材8を敷設すると良い。
【0026】エアーカーテン5を形成する送風機6は一
般にはラインフロー型が多いが、この実施の形態1の防
虫装置ではプロペラ型の軸流送風機を採用している。プ
ロペラ型の送風機6によるエアーカーテン5と、ライン
フロー型の送風機によるエアーカーテンは、図4に示す
ような流速変化をする。図4における横軸は吹出口から
の距離であり、縦軸は流速を表わしている。プロペラ型
によるエアーカーテン5の流速変化は実線によって示す
ように、吹出口近傍での流速減少が激しく、吹出口から
1m離れたところでは6m/s以下に落ちるものの、そ
の後の減少は緩やかであり、4m離れたところでも3m
/s以上が確保される。
【0027】これに対してラインフロー型によるエアー
カーテンは、図4における破線で示すように距離に対し
てほぼ一定に流速が減少し、吹出口から1m離れたとこ
ろでは9m/s以上の流速があるものの、4m離れたと
ころでは3m/s以下に減少してしまう。即ち、ライン
フロー型によるエアーカーテンでは均一な流速の空気の
流れを形成することが難しく、プロペラ型による送風機
6でのエアーカーテン5が前述した開口部2に対する防
虫効果をあげるのには適している。
【0028】エアーカーテン5を形成する送風機6の吸
込口にはエアーフィルター9を装着している。このよう
にエアーフィルター9を装着することにより、屋外の塵
埃や昆虫をエアーカーテン5と一緒に吹き付けるような
ことがなく、開口部2が開放された時に室内へ昆虫や塵
埃を吹込むような不都合を回避することができる。エア
ーカーテン5は、開口部2の床面に到達した空気の流れ
が室内側に向うことのないように図6に示すように下流
側程屋外側に向う傾斜気流になるように送風機6を取付
けている。これにより、開口部2の床面に到達したエア
ーカーテン5の空気の流れは屋外側へ向い、飛翔昆虫で
はない走光性を持つ地上を這う有肢昆虫類やその他の虫
類等に対してもその侵入を阻むことができる。なお、エ
アーカーテン5の傾き角度θは、最大でも10度程度ま
でがよい。
【0029】この実施の形態1の防虫装置を実際の店舗
に適用した結果を示すと、床面積が160平方メートル
の店舗の出入口である開口部2とその周囲の約8平方メ
ートルに対して防虫性透光材4を施し、開口部2の屋外
側にエアーカーテン5を形成した際の昆虫阻止率Rは8
8%であった。このように、この防虫装置は防虫効果が
優れているばかりでなく、建物1を高気密にする必要も
なく、装置自体の施工も容易である。また、エアーカー
テン5も給排気式の能力の大きな送風機を必要としない
ので、ランニングコストも低く抑えることができる。
【0030】実施の形態2.図7はこの実施の形態2の
防虫装置を示す構成図である。この防虫装置は前述した
実施の形態1で示した防虫装置に建物全体の防虫機能を
付加したものであり、基本的な構成は実施の形態1のも
のと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部
分については実施の形態1のものと同じ符号を用い、そ
れらについての説明は省略する。
【0031】昆虫の主たる建物1内への侵入経路は、大
きく開口した建物1の開口部2であるが、建物1の僅か
な隙間も昆虫の建物1内への侵入経路となっている。光
を選択的に吸収する防虫性透光材4を全ての窓に設ける
ことにより、走光性のある昆虫の誘引をかなり効果的に
回避できるが、隙間等からの虫の侵入を防止するには、
建物1の内部を屋外に対して陽圧に保持する仕方が有効
である。この実施の形態2の防虫装置は、実施の形態1
で示した装置に、建物1内部の室内圧力を屋外圧力より
水柱で0.1mm〜3.9mmの陽圧にする給気送風機
10を併設した構成である。給気送風機10の吸込み側
にはフィルター11を設け、フィルター11を経て屋外
の空気を供給するように構成する。
【0032】単に水柱で0.1mm〜3.9mm程度に
建物1内を陽圧にするだけでは、隙間からの昆虫の侵入
を効果的に防ぐことはできず、通常は水柱で10mm〜
15mm程度の陽圧に保持しなければ効果的ではない。
しかし、光を選択的に吸収する防虫性透光材4とエアー
カーテン5との併用のもとでは水柱で0.1mm〜3.
9mm程度の陽圧化で全体的な昆虫阻止率を10%程度
まで向上させることができる。
【0033】床面積8平方メートル、縦横それぞれ1.
8mの扉付きの開口部を設けた試験小屋に誘蛾燈を設置
して、試験小屋内を水柱で0.1mmの陽圧に保持した
試験結果は昆虫阻止率が10%向上するものであった。
従って、この防虫装置によれば、低い陽圧を保持するだ
けで建物1への虫の侵入を強力に防止することができ、
給気送風機10及び付随するダクト等も小型で済むた
め、施工も容易であり設備費もランニングコストも低減
できる。これ以外の機能や利点は実施の形態1のものと
同じである。
【0034】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、請求
項1及び請求項2の発明によれば、走光性を有する昆虫
に対する物理的機能による防虫効果を奏する設備費や運
転コストの低い防虫装置が得られる。
【0035】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2に係る前記効果とともに、防虫効果を高く維持す
ることができる。
【0036】請求項4の発明によれば、請求項1〜請求
項3までのいずれかに係る前記効果とともに簡素な設備
で建物全体に対する防虫効果が得られる。
【0037】請求項5の発明によれば、請求項1〜請求
項4までのいずれかに係る前記効果とともに、建物の内
部の雰囲気やトーンを変えることなく防虫効果が得ら
れ、店舗等への適用性が向上する。
【0038】請求項6の発明によれば、請求項1〜請求
項5までのいずれかに係る前記効果とともに、エアーカ
ーテンの防虫機能を向上させることができる。
【0039】請求項7の発明によれば、請求項1〜請求
項6までのいずれかに係る前記効果とともに、エアーカ
ーテンによる防虫機能を向上させることができる。
【0040】請求項8の発明によれば、請求項7に係る
前記効果とともにエアーカーテンにより、地上を這う昆
虫類の侵入も防止することができる。
【0041】請求項9の発明によれば、請求項1〜請求
項8までのいずれかに係る前記効果とともに建物の開口
部の床に対する清潔感を保つことができる。
【0042】請求項10の発明によれば、走光性を有す
る昆虫に対する物理的機能による防虫効果を薬剤なしに
あげうる防虫方法が得られる。
【0043】請求項11の発明によれば、走光性を有す
る昆虫に対する物理的機能による建物全体にわたる防虫
効果を薬剤なしにあげうる防虫方法が得られる。
【0044】請求項12の発明によれば、走光性を有す
る昆虫に対する物理的機能による建物全体にわたる高い
防虫効果をあげうる薬剤を使わない防虫方法が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の防虫装置を示す正面構成図で
ある。
【図2】 昆虫の光に対する視感性を示す説明図であ
る。
【図3】 実施の形態1の防虫装置を示す側面構成図で
ある。
【図4】 実施の形態1の防虫装置のエアーカーテンと
ラインフロー型の送風機によるエアーカーテンの流速変
化を示す説明図である。
【図5】 実施の形態1の防虫装置の昆虫阻止率とエア
ーカーテンの流速との関係を示す説明図である。
【図6】 実施の形態1の防虫装置のエアーカーテンの
傾斜を示す説明図である。
【図7】 実施の形態2の防虫装置を示す構成図であ
る。
【図8】 従来の防虫技術に関するエアーカーテンを形
成する送風装置の構成図である。
【符号の説明】
1 建物、 2 開口部、 3 開閉構造体、 4 防
虫性透光材、 5 エアーカーテン、 6 送風機、
8 虫捕集部材、 10 給気送風機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松沢 久行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 横手 靖之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 黒川 俊広 東京都新宿区新宿3丁目23番7号 イカリ 消毒株式会社内 (72)発明者 板尾 浩幸 東京都新宿区新宿3丁目23番7号 イカリ 消毒株式会社内 (72)発明者 小田 清治 東京都新宿区新宿3丁目23番7号 イカリ 消毒株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透
    け出るような開口部を有する建物に対し、その開口部を
    開閉する構造体の透光部分を昆虫が視感度を有する波長
    の光を選択的に吸収する防虫性透光材で構成するととも
    に、当該開口部の近傍に上部から下部に向うエアーカー
    テンを形成する送風装置を配設した防虫装置。
  2. 【請求項2】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ透
    け出るような開口部を有する建物に対し、その開口部を
    開閉する構造体の透光部分に昆虫が視感度を有する波長
    の光を選択的に吸収する防虫性透光材のフィルムを被着
    するとともに、当該開口部の近傍の外側に上部から下部
    に向うエアーカーテンを形成する送風装置を配設した防
    虫装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の防虫装置であって、防虫性透光材を200nmから5
    50nmの波長の光を選択的に吸収するものとした防虫
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3までのいずれかに記
    載の防虫装置であって、建物内を屋外に対して水柱で
    0.1mm〜3.9mmの陽圧にする送風機を併設した
    防虫装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4までのいずれかに記
    載の防虫装置であって、防虫性透光材が透明な樹脂板で
    ある防虫装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5までのいずれかに記
    載の防虫装置であって、送風装置がプロペラの回転によ
    る軸流送風機である防虫装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6までのいずれかに記
    載の防虫装置であって、エアーカーテンを開口部に沿っ
    て形成するようにした防虫装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の防虫装置であって、エ
    アーカーテンを下流側程屋外側に向う傾斜気流にした防
    虫装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8までのいずれかに記
    載の防虫装置であって、エアーカーテンの下方の床に虫
    捕集部材を配設した防虫装置。
  10. 【請求項10】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ
    透け出るような開口部を有する建物に対し、その開口部
    を開閉する構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透
    光材を通過させて昆虫が視感度を有する波長の光を吸収
    させた光線とするとともに、建物の当該開口部の近傍に
    は上部から下部に向うエアーカーテンを形成する防虫方
    法。
  11. 【請求項11】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ
    透け出るような開口部を有する建物に対し、その開口部
    を開閉する構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透
    光材を通過させて昆虫が視感度を有する波長の光を吸収
    させた光線とするとともに、建物の当該開口部の近傍に
    は上部から下部に向うエアーカーテンを形成し、その建
    物内部の室内圧力を屋外圧力より水柱で0.1mm〜
    3.9mmの陽圧にする防虫方法。
  12. 【請求項12】 閉止状態でも内部の照明の光が屋外へ
    透け出るような開口部を有する建物に対し、その開口部
    を開閉する構造体から屋外へ透け出る光線を、防虫性透
    光材を通過させて200nmから550nmの波長の光
    を吸収させた光線とするとともに、建物の当該開口部の
    近傍には上部から下部に向うエアーカーテンを形成し、
    その建物内部の室内圧力を屋外圧力より水柱で0.1m
    m〜3.9mmの陽圧にする防虫方法。
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