JP5194192B1 - 昆虫類侵入防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造で、出入口部からの昆虫類の侵入を抑止できる昆虫類侵入防止装置を提供する。
【解決手段】昆虫類侵入防止装置11において、建物27の出入口部17の開口間口方向両端19に渡る床部21に延在して設けられ溝開口が床面25と同一平面となる水路13と、水路一端部33に給水して水を水路他端部35方向へ流す給水ポンプ15と、を設けた。また、昆虫類侵入防止装置11は、水路13が往路水路37と復路水路39とからなり、往路水路37と復路水路39とが水路他端部35で接続さて連通した水路13を構成し、復路水路39の水路一端部33に還流した水が給水ポンプ15によって往路水路37の水路一端部33に循環して給水されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医薬品、食品、電子部品、機械部品等の工場建物等への昆虫類の侵入を抑止する昆虫類侵入防止装置に関する。
医薬品や食品を取り扱う各種の建物では高度の清浄度を維持しなければならず、当然に、清浄を維持するべき区画内への昆虫類の侵入を確実に防止する必要がある。一方、近年、地球環境保護への関心が高まり、殺虫剤一辺倒の防虫対策の反省から、施設の構造改善を含む総合的な防虫管理に、多くの工場が目を向け始めている。
例えば特許文献1に開示の防虫用エアカーテン装置は、室内空間への出入口を構成する通路空間の側部に、室外側エアを吸引する室外気吸込口と、通路空間を横方向に横断するエアカーテン気流吹出ノズルとを有するエア吸引吹出装置を設ける。吹出ノズルは吹出した気流が、適宜の吹出角度を有して室外空間側に向けて流れる吹出角度を保って配置され、通路空間の他側部には、エアカーテン気流と鋭角をなして当接し、エアカーテン気流を通路空間の室外空間側に逃がすバッフルボードを設けている。
この防虫用エアカーテン装置によれば、通路空間の一側にエア吸引吹出装置を、他側にバッフルボードを設けエア吸引吹出装置からのエアカーテン気流をバッフルボードに鋭角に当てることによりエアカーテン気流の下流部においてエアカーテン気流の密度が高くなり進入しようとする昆虫類を良好に排除することが可能となる。
ところで、エアカーテンやエアシャワー等の昆虫類侵入防止装置は、出入口に向かって飛び込んでくる昆虫類の侵入はほぼ防止できるが、床面を伝ってくる昆虫類の侵入は必ずしも充分に防止できない。すなわち、この種の装置は、通常、床面付近では流速が大きく低下してしまうため、床面にしっかりとしがみつきつつ這い込んでくる昆虫類の侵入を必ずしも確実に防止できない。
このような不具合を解消しようとするものの一つとして特許文献2に昆虫類侵入防止装置が開示されている。この昆虫類侵入防止装置は、捕獲対象の昆虫類を吸引可能なスリット部と、スリット部の下部に一体に接続されたチャンバ部とからなる捕獲機構を、昆虫類の侵入を防止するべき区画の出入口の外側または内側もしくはその双方の床面に全幅にわたって埋設する。スリット部の上部を吸込口として床面に開口させ、チャンバ部に吸込ブロワを接続して吸込口から床面近傍の空気を吸い込み、その吸引空気流によって床面を伝う昆虫類を吸い込んで捕獲する。
特開2011−226687号公報 特開2007−295863号公報
しかしながら、上記した従来の昆虫類侵入防止装置は、出入口の外側または内側もしくはその双方の床面に全幅にわたって、スリット部とチャンバ部とを一体に接続した捕獲機構を埋設し、チャンバ部には吸込ブロワを接続して常時吸引運転を行う。また、チャンバ部には水勾配が設けられ、その水下側に水抜管が接続され、水抜管の先端部が封水機構を介して排水ピットに接続される。このため、出入口の床下に十分なスペースを必要とし、設備が複雑となる問題があり、また設置施工工事も大掛かりなものとなり、容易に設置できないという問題がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構造で、出入口部からの昆虫類の侵入を抑止でき、特に床を這い、歩行にて侵入しようとする昆虫類の侵入を抑止できる昆虫類侵入防止装置を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の昆虫類侵入防止装置11は、壁部23を床部21の床面25まで除いて形成した出入口部17の開口間口方向両端19に渡る床部21に延在して設けられ溝開口31が前記床面25と同一平面となる水路13と、
該水路13の水路一端部33に給水して水を水路他端部35方向へ流す給水ポンプ15と、
を具備することを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、水の流れの始端となる水路一端部33に給水ポンプ15から水が供給されると、水が流れの終端となる水路他端部35に向かって流れ、出入口部17と連続する床面25が水路13の流水面によって分断される。これにより、流水面を挟む一方側から他方側、すなわち、出入口部17から侵入しようと歩行によって渡ろうとする昆虫類の侵入が困難となる。流水面に落下した昆虫類は、流れに乗って下流へ運ばれて、出入口部17に到達できなくなる。出入口部17の床部21には水路13のみを設ける簡素な構造とすることができる。また、水路13の水は常に流れているので、よどまず、劣化しにくく、ボウフラ等が発生しにくい。
本発明の請求項2記載の昆虫類侵入防止装置11は、請求項1記載の昆虫類侵入防止装置11であって、
前記水路13が往路水路37と復路水路39とからなり、
前記往路水路37と前記復路水路39とは前記水路他端部35で接続されて連通した水路13を構成し、
前記往路水路37の前記水路一端部33より水が供給されて前記水路他端部35にて前記復路水路39へ折り返され、該復路水路39の前記水路一端部33側に還流した水が前記給水ポンプ15によって前記往路水路37の前記水路一端部33に循環して給水されることを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、例えば水路一端部33から水路他端部35へ一方向に水が流される一本(一段)の水路13に比べ、一段目では一方向、二段目では逆方向となる他方向へ水の流れ方向が変わり、一段目の水路13では通過できた昆虫類も、二段目の水路13によって通過を阻止することが可能となる。また、水路13をループ状とすることにより、水路13の始端と終端とを同一側、例えば、水路一端部側に配置でき、水の給水と回収とを同時に行う循環のための貯留槽53の設置が容易となる。
本発明の請求項3記載の昆虫類侵入防止装置11は、請求項1または2記載の昆虫類侵入防止装置11であって、
前記水路13には水を通過させるとともに昆虫類を捕捉する捕虫部73が設けられることを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、例えば水路13の下流側となる終端に捕虫部73を設けることで、この終端まで運ばれてきた昆虫類を、水と共に例えば網状のかご等からなる捕虫部73に投入し、昆虫類のみを容易に捕捉することができる。また、水路13を往路水路37と復路水路39とで構成する循環構造の場合に、貯留槽53への還流水から昆虫類とともに異物も取り除くことができ、還流水の浄化にも寄与可能となる。
本発明の請求項4記載の昆虫類侵入防止装置11は、請求項2または3記載の昆虫類侵入防止装置11であって、
前記往路水路37と前記復路水路39との前記水路一端部33が、前記床部21に凹設された貯留槽53に接続され、
前記貯留槽53の貯留水57が前記給水ポンプ15によって前記往路水路37の前記水路一端部33に給水され、
前記復路水路39の還流水が前記貯留槽53に再び貯留し、
前記貯留槽53は、前記床面25と同一平面の蓋59によって覆われることを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、床部21が掘られて貯留槽53が設けられ、この貯留槽53に給水ポンプ15が設置される。貯留槽53に貯められた水(貯留水57)は、貯留槽53に接続する往路水路37の水路一端部33に給水ポンプ15によって供給される。復路水路39から戻された水(還流水)は、再び貯留槽53に貯水(貯留水57)となる。
本発明の請求項5記載の昆虫類侵入防止装置11は、請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の昆虫類侵入防止装置11であって、
前記水路13は、溝底55が下流方向に下り勾配の傾斜面で形成されていることを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、水路13の水路一端部33を流れの始端として供給された一定量の水は、水路13の終端に向かって全てが流下することになる。
本発明の請求項6記載の昆虫類侵入防止装置11は、請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の昆虫類侵入防止装置11であって、
前記出入口部17の上縁には、少なくとも前記開口間口方向両端19に渡る長さで前記水路13に向かって所定の厚みの空気流を下向きに吹き出すエアカーテン生成装置75が設けられていることを特徴とする。
この昆虫類侵入防止装置11では、出入口部17の上縁には、エアカーテン生成装置75のスリット状の吹出口が、出入口部17の開口間口方向両端19に渡って開口されている。エアカーテン生成装置75の吹出口から所定速度の空気が整流されて吹き出されると、出入口部17の開口面は、カーテン状となった所定厚の空気流によって覆われる。これにより、出入口部17を飛翔して通過しようとする昆虫類は、下降する空気流によって急降下し、水路13、若しくはその近傍に落下する。水路13に直接落下、または歩行の後落下した昆虫類は水路13によって捕虫部73へ運ばれる。
本発明に係る請求項1記載の昆虫類侵入防止装置によれば、常に流れる水で出入口部と床面との連続を分断して、昆虫類の歩行を阻止できるとともに、水路に落下若しくは水中歩行を試みる昆虫類を水流によって流すことで、簡素な構造で、出入口部から建物内への昆虫類の侵入を抑止できる。また、水が常に流れているので水の劣化や淀み、汚濁が生じにくく、清潔感を保つことができる。
本発明に係る請求項2記載の昆虫類侵入防止装置によれば、出入口部と床面との連続を分断する水路が、往路水路と復路水路との二重となり、侵入防止効果が向上するとともに、水を循環させて再利用することで、経済性を高めることができる。
本発明に係る請求項3記載の昆虫類侵入防止装置によれば、水路に設けた捕虫部にて流水に落下した昆虫類を捕捉して、昆虫類の除去が容易となる。また、水路を循環させる構成の場合に、目詰まり等による給水ポンプへの悪影響を低減できる。
本発明に係る請求項4記載の昆虫類侵入防止装置によれば、貯留槽を地面よりも突出させずに設置して、目立たなくできるとともに、蓋を取り外してメンテナンスを容易に行うことができる。また、貯留槽とともに給水ポンプも地下に設置することで、建物出入口周辺の外観を損ねることなく、水を循環させることが可能となる。
本発明に係る請求項5記載の昆虫類侵入防止装置によれば、水の流下抵抗を少なくして、自然な流れを長距離に渡って生じさせることができるとともに、給水ポンプの停止時には、水路に水を残さずに回収でき、清掃やメンテナンスが良好に行えるようになる。
本発明に係る請求項6記載の昆虫類侵入防止装置によれば、飛翔により出入口部を通過しようとする昆虫類をエアカーテンによって水路に向かって落下させ、落下した昆虫類を水路によって流すことで、出入口部からの昆虫類の侵入を更に効果的に抑止できる。
本発明に係る昆虫類侵入防止装置の設けられた出入口部近傍の平面図である。 図1に示した水路他端部の拡大図である。 図1に示した水路一端部の拡大図である。 (a)は図3のA−A断面図、(b)は図3のB−B断面図である。 図3に示した貯留槽の断面図である。 貯留槽が水路と建物との間に設けられた貯留槽設置例の平面図である。 貯留槽が水路を挟んで建物と反対側に設けられた貯留槽設置例の平面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る昆虫類侵入防止装置の設けられた出入口部近傍の平面図、図2は図1に示した水路他端部の拡大図、図3は図1に示した水路一端部の拡大図、図4(a)は図3のA−A断面図、(b)は図3のB−B断面図、図5は図3に示した貯留槽の断面図、図6は貯留槽が水路と建物との間に設けられた貯留槽設置例の平面図、図7は貯留槽が水路を挟んで建物と反対側に設けられた貯留槽設置例の平面図である。
本実施形態に係る昆虫類侵入防止装置11は、スリット状の水路13と、この水路13に水を供給する給水ポンプ15とを有する。水路13は、出入口部17の開口間口方向両端19に渡る床部21に延在して設けられる。
出入口部17は、壁部23を床部21の床面25まで除いて形成される。本実施形態において、出入口部17は、例えば玄関として、工場等の建物27と外部との境に設けられる風除室29に形成されるが、建物内の仕切り壁に設けられる開口、例えば区画された部屋間に設置される出入口や、廊下と部屋との境に設置される出入口であってもよい。出入口部17が玄関である場合、床部21は、例えば玄関ポーチとなる。
水路13は、溝開口31(図4参照)が床面25と同一平面となる。給水ポンプ15は、水路13の水路一端部33に給水して水を水路他端部35方向へ流す。水路13は一本のもので、水路一端部33から供給した水を水路他端部35側において、排水するものであってもよいが、本実施形態の水路13は、往路水路37と復路水路39とからなる。
図2に示すように、往路水路37と復路水路39とは、水路他端部35で接続され連通した水路13を構成する。水路接続部分である折り返し部分は、流れ抵抗を小さくするために円弧状の還流溝41として形成されることが好ましい。還流溝41は、分割された複数の曲蓋43によって覆われる。
往路水路37及び復路水路39は、出入口部17の中央部、例えば扉77や引戸等が配置される幅長部分では同一の溝幅で形成されるが、復路水路39と建物27とに挟まれる往路水路37は、出入口部17から外れた両側で図2、図3に示す拡幅部45を有している。拡幅部45は、復路水路39と建物壁部との間に渡って形成されることで、水路13と建物壁部との間に昆虫類の這うことが可能となる平坦面ができるだけ形成されないように、且つ建物壁部23の壁面に水路13(往路水路37)の溝開口31が近接するように形成している。
往路水路37及び復路水路39は、図4(a)に示すように、例えばステンレス鋼(SUS)製の溝部材からなる。水路13は、SUS材を使用することで、水路内壁面を昆虫類が這うことを防ぎ、防虫、防塵及び耐腐食性が高められている。また、SUS材以外には、合成樹脂製のレール状部材や、樹脂コーティングされた略U字溝構造の部材なども使用可能である。
水路上部の溝開口31には、捕獲した昆虫類が溝内壁面を這い上がることを防止したり、水路13の流水が床面25等に飛散することを防止したり、建物27に出入する人の障害にならないようにしたりするための10〜20mm程度の張出長を有する返し縁部47が設けられる。図4(b)に示すように、往路水路37の水路一端部33は閉塞板49によって塞がれ、この閉塞板49には給水ポンプ15からの吐出管51が貫通される。復路水路39の水路一端部33は、開放され、後述の貯留槽53に接続されて、還流水が貯留槽53に落下するように構成されている。
なお、これら往路水路37と復路水路39とは、溝底55が下流方向に下り勾配の傾斜面で形成されていることが好ましい。また、これら往路水路37と復路水路39は、建物建造時に出入口部17の構築とともに設置される施工手順と、既存の出入口部17の床部21をはつり、施工する手順と、いずれも配設可能である。
往路水路37と復路水路39との水路一端部33は、床部21に凹設された図3に示す貯留槽53に接続される。貯留槽53は、例えば、鉄筋コンクリート構造とすることができる。貯留槽53内には、所定量の水である貯留水57が貯水され、その水面は水路13の水面よりも下方に位置するよう設定される。復路水路39の還流水は、貯留槽53に落下する。貯留槽53に落下した還流水は、貯留槽53内に配設される給水ポンプ15によって汲み上げられ再び往路水路37の水路一端部33に給水される。貯留槽53の貯留水57(図5参照)は、給水ポンプ15によって往路水路37の水路一端部33に、吐出管51によって給水される。この貯留槽53は、床面25と同一平面の蓋59によって覆われる。すなわち、貯留水57の水面や給水ポンプ15は表出しない。蓋59は、保守点検時を除いて循環水の汚染及び安全性を配慮して、縞鋼板等を用いて扉構造とすることが好ましい。
吐出管51には第1流量調整バルブ61が設けられる。給水ポンプ15と第1流量調整バルブ61との間の吐出管51には分岐配管63が接続される。分岐配管63の先端は、貯留槽53に開口し、常時閉の水抜きバルブ65によって閉じられる。分岐配管63の途中には第2流量調整バルブ67が設けられ、第2流量調整バルブ67が開かれることで分岐配管63は貯留槽53へ開放可能となっている。つまり、第1流量調整バルブ61と第2流量調整バルブ67との弁開度を調整することで、吐出管51の流量が調整可能となっている。
水路13に流す流水量及び流水速度、水路13の幅及び深さ、還流溝41の曲率半径、給水ポンプ15の吐出量等に関する各仕様は、捕獲対象として想定する昆虫類の種類や大きさ等を考慮して最適に設定する。例えば、カメムシ、テントウムシ、アリ、ハサミムシ等の昆虫類を想定した場合、好適な一例を挙げれば、水路13の幅は60mm程度、深さは100mm程度、還流溝41の曲率半径は400mm程度、水路一端部33及び水路一端部33の付近での幅は105mm程度、水路13内における流水の水深は40〜50mm程度、給水ポンプ15の吐出量は150L/min程度である。なお、水路13に使用する水には、必要に応じて防腐剤等を添加、さらには殺虫成分を添加することとしてもよい。防腐剤は、夏期などの水温の高い時期に用いると良い。
なお、貯留槽53には給水のための図示しない給水管69が上水道本管等、或いは雨水貯水槽等から導入されている。また、貯留槽53には図5に示す水位警報フロートスイッチ71が設けられ、水位警報フロートスイッチ71は満水警報及び減水警報を発報制御する不図示の発報装置と接続される。なお、この貯留槽53の貯水量は例えば約80Lを保つよう設定される。
本実施形態では、復路水路39の水路一端部33に捕虫部73が設けられる。捕虫部73は、貯留槽53内面に吊り下げ状態となっており、復路水路39からの落下する水を通過させるとともに昆虫類を捕捉する。捕虫部73は、例えばステンレス鋼(SUS)製のカゴや、樹脂製のカゴ、フレーム枠にネットを設けた捕虫網構造のもの等とすることができる。この捕虫部73は、着脱自在な構成が好ましく、捕獲された昆虫類の廃棄を可能とし、または、捕虫ネット構造の場合では、ネットごと廃棄することも可能となる。また、この捕虫部73内に殺虫手段などを設けるなどとしてもよい。
また、昆虫類侵入防止装置11は、出入口部17の上縁に、少なくとも開口間口方向両端19に渡る長さで水路13に向かって所定の厚みの空気流を下向き、或いは下向き且つやや出入口方向の斜めに吹き出す図1に示すエアカーテン生成装置75が設けられていることが好ましい。エアカーテン生成装置75は、出入口部17の内側、本実施形態では風除室29内に設けられる。エアカーテンを出入口部17に形成することで、扉77の開閉時に飛翔侵入するユスリカ、タマバエ、クロバネキノコバエなどの侵入をより効果的に防止することが可能となる。ここで、エアカーテンの平均風量は、捕獲対象として想定する昆虫類の種類や大きさ等を考慮し最適に設定する。ユスリカ、タマバエ、クロバネキノコバエなどを想定した場合、好適な一例を挙げれば、エアカーテンの平均風速は9.5m/ sec程度である。これによって、出入口部17の扉77の開閉時に飛翔侵入する昆虫類をエアカーテン生成装置75から吹出す気流により下降させるとともに、気流によって落ちた昆虫類を水路13へ落下させ、この水路13によって捕虫部73へ移送することが可能となる。なお、このエアカーテン生成装置75は、出入口部17の上縁以外に、出入口部17の左右側縁部に配置してもよく、例えば出入口部17を引戸構成とした場合に有効となり、さらには、出入口部17の側方からの空気流を、上下位置で風量を変えたりすることで、飛翔侵入する昆虫類を落下へと促すことが可能となる。
なお、貯留槽53は、図1に示すように、水路13の延長上に中心が位置するように設置される他、図6に示すように、建物27が水路13に近接する場合には、水路13を挟んで建物27の反対側に設置してもよい。また、これとは逆に、建物27と水路13との間に大きなスペースが確保でき、玄関での見栄えを良好としたい場合には、図7に示すように、貯留槽53を水路13と建物27との間に設置してもよい。いずれの場合も、貯留槽53は、地面より上方に突出しないように地下に設置することで、建物27の出入口部17周辺の外観を損ねることがない。
次に、上記構成を有する昆虫類侵入防止装置11の作用を説明する。
昆虫類侵入防止装置11では、水路13が建物27の出入口部17の外側に設置され、往路水路37の水路一端部33に供給された水が往路水路37を流れ、還流溝41を介して復路水路39を流れた後、復路水路39の水路他端部35から貯留槽53へ還流水となって戻される。貯留槽53に戻された還流水は、貯留槽53の貯留水57と混合して再び給水ポンプ15によって往路水路37の水路一端部33に供給され、すなわち循環される。
昆虫類侵入防止装置11では、水路一端部33に給水ポンプ15から水が供給されると、水が水路他端部35に向かって流れ、出入口部17と連続する床面25が水路13の流水面によって分断される。これにより、流水面を挟む一方側から他方側、すなわち出入口部17から侵入しようと歩行によって渡ろうとする昆虫類の侵入が困難となる。流水面に落下した昆虫類は、流れに乗って下流へ運ばれて、出入口部17に到達できなくなり、すなわち建物内への侵入を阻止する。出入口部17の床部21には水路13のみを設ける簡素な構造とすることができる。また、水路13の水は常に流れているので、淀まず、劣化しにくく、ボウフラ等が発生しにくい。
また、例えば水路一端部33から水路他端部35へ一方向に水が流される一本(一段)の水路13に比べ、一段目では一方向、二段目では逆方向となる他方向へ水の流れ方向が変わり、一段目の水路13では通過できた昆虫類も、二段目の水路13によって通過を阻止することが可能となる。また、水路13をループ状とすることにより、水路13の始端と終端とを同一側、例えば、水路一端部側に配置でき、水の給水と回収とを同時に行う循環のための貯留槽53の設置が容易となる。これにより、出入口部17と床面25との連続を分断する水路13が、往路水路37と復路水路39との二重となり、侵入防止効果が向上するとともに、水を循環させて再利用することで、経済性を高めることができる。
また、復路水路39の終端まで運ばれてきた昆虫類を、水とともに例えば網状のかご等からなる捕虫部73に投入し、昆虫類のみを容易に捕捉することができる。また、流水から昆虫類とともに塵埃や異物も取り除くことができ、流水の浄化にも寄与可能となる。これにより、流水から昆虫類を捕捉して、昆虫類の除去が容易となり、給水ポンプ15にて循環させる場合には、目詰まり等による給水ポンプ15への悪影響を低減できる。
また、床部21が掘られて貯留槽53が設けられ、この貯留槽53に給水ポンプ15が設置される。貯留槽53に貯められた水は、貯留槽53に接続する往路水路37の水路一端部33に給水ポンプ15によって供給される。復路水路39から戻された水は、再び貯留槽53に貯水となる。そして、往路水路37の始端は貯水面よりも高く、復路水路39の終端は貯水面よりも高く且つ往路水路37の始端よりも低く設定される。これにより、貯留槽53や給水ポンプ15を地下に設置して、蓋59で覆うことができ、外観として目立たなくできるとともに、蓋59を取り外してメンテナンスを容易に行うことができる。
また、水路13の溝底55を下流方向に下り勾配の傾斜面とされ、往路水路37の水路一端部33に供給された一定量の水は、往路水路37を通過した後、復路水路39を経由して全てが貯留槽53へ流下して戻されることになる。これにより、水の流下抵抗を少なくして、自然な流れを長距離に渡って生じさせることができるとともに、給水ポンプ15の停止時に、水路13に水を残さずに回収でき、清掃やメンテナンスが良好に行えるようになる。
更に、出入口部17の上縁には、エアカーテン生成装置75のスリット状の吹出口が、出入口部17の開口間口方向両端19に渡って開口されている。エアカーテン生成装置75の吹出口から所定速度の空気が整流されて吹き出されると、出入口部17の開口面は、カーテン状となった所定厚の空気流によって覆われる。これにより、出入口部17を飛翔して通過しようとする昆虫類は、下降する空気流によって急降下し、水路13、若しくはその近傍に落下する。水路13に直接落下、または歩行の後落下した昆虫類は水路13によって捕虫部73へ運ばれる。この結果、飛翔により出入口部17を通過しようとする昆虫類をエアカーテンによって水路13に向かって落下させ、落下した昆虫類を水路13によって流すことで、出入口部17からの昆虫類の侵入を更に効果的に抑止できる。
従って、本実施形態に係る昆虫類侵入防止装置11によれば、常に流れる水で出入口部17と床面25との連続を分断して、昆虫類の歩行を阻止できるとともに、落下若しくは水中歩行を試みる昆虫類を水流によって流すことで、簡素な構造で、出入口部17からの昆虫類の侵入を抑止できる。また、水が常に流れているので水の劣化や汚濁が生じにくく、清潔感を保つことができる。
11…昆虫類侵入防止装置
13…水路
15…給水ポンプ
17…出入口部
19…開口間口方向両端
21…床部
23…壁部
25…床面
31…溝開口
33…水路一端部
35…水路他端部
37…往路水路
39…復路水路
53…貯留槽
55…溝底
57…貯留水
59…蓋
73…捕虫部
75…エアカーテン生成装置

Claims (6)

  1. 壁部を床部の床面まで除いて形成した出入口部の開口間口方向両端に渡る床部に延在して設けられ溝開口が前記床面と同一平面となる水路と、
    該水路の水路一端部に給水して水を水路他端部方向へ流す給水ポンプと、
    を具備することを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
  2. 請求項1記載の昆虫類侵入防止装置であって、
    前記水路が往路水路と復路水路とからなり、
    前記往路水路と前記復路水路とは前記水路他端部で接続されて連通した水路を構成し、
    前記往路水路の前記水路一端部より水が供給されて前記水路他端部にて前記復路水路へ折り返され、前記復路水路の前記水路一端部側に還流した水が前記給水ポンプによって前記往路水路の前記水路一端部に循環して給水されることを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
  3. 請求項1または2記載の昆虫類侵入防止装置であって、
    前記水路には水を通過させるとともに昆虫類を捕捉する捕虫部が設けられることを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
  4. 請求項2または3記載の昆虫類侵入防止装置であって、
    前記往路水路と前記復路水路との前記水路一端部が、前記床部に凹設された貯留槽に接続され、
    前記貯留槽の貯留水が前記給水ポンプによって前記往路水路の前記水路一端部に給水され、
    前記復路水路の還流水が前記貯留槽に再び貯留し、
    前記貯留槽は、前記床面と同一平面の蓋によって覆われることを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
  5. 請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の昆虫類侵入防止装置であって、
    前記水路は、溝底が下流方向に下り勾配の傾斜面で形成されていることを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
  6. 請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の昆虫類侵入防止装置であって、
    前記出入口部の上縁には、少なくとも前記開口間口方向両端に渡る長さで前記水路に向かって所定の厚みの空気流を下向きに吹き出すエアカーテン生成装置が設けられていることを特徴とする昆虫類侵入防止装置。
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