JPH10225057A - 出力装置 - Google Patents

出力装置

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JPH10225057A
JPH10225057A JP2383897A JP2383897A JPH10225057A JP H10225057 A JPH10225057 A JP H10225057A JP 2383897 A JP2383897 A JP 2383897A JP 2383897 A JP2383897 A JP 2383897A JP H10225057 A JPH10225057 A JP H10225057A
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JP
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output device
rotating body
rotation
movable body
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JP2383897A
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English (en)
Inventor
Katayuki Endou
方志 遠藤
Akira Tamura
晃 田村
Gentaro Mochizuki
源太郎 望月
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CKD Corp
Original Assignee
CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転方向及び上下方向の出力を一つのサーボ
モータから出力することが可能な出力装置を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の出力装置は、コイル15が巻回
され円周方向に配設されたステータ16と、回転中心に
中空円筒部12aをもちステータ16に対面するロータ
14が固着された回転体12とを備え、コイル15への
通電により発生する磁界によって回転体12を所定角度
回転させるサーボモータ2と、回転体12の回転出力を
伝達する出力伝達部材21,26を介して回転体12の
中空円筒体12a内に嵌挿された出力軸22,31と、
出力軸22,31の回転及び非回転を切り換える切換器
3とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下方向及び回転
方向の運動を出力することが可能な出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ロボットの腕を動かしたり、
NC工作機のテーブルの位置決めに用いられる出力装置
には、サーボモータ或いはサーボモータにシリンダを組
み合わすなどして回転及び上下方向の運動が出力されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような出
力方向に応じて別々の動力を使用し、上下移動に回転移
動が加わったものでは、出力装置自体が複雑になること
に加え大型化するなどの欠点があった。このことは、出
力装置のコストを上げる要因ともなり、改善されるべき
課題であった。また、出力装置の複雑化にともない操作
がしづらく取り扱いが困難なものであった。更に、例え
ばサーボモータとシリンダを組み合わせた出力装置では
動力が区別されるため、回転角度、停止位置或いは回転
スピードなど任意の出力設定機能をもつサーボモータに
対し、上下方向の出力に使用されるシリンダはほとんど
のものが2位置等の単機能出力であることから、従来の
出力装置は、両者の使用機能がアンバランスになり、任
意の出力が可能なサーボモータの機能を損なうものでも
あった。
【0004】そこで、本発明は、回転方向及び上下方向
の出力を一つのサーボモータから出力することが可能な
出力装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の出力装置は、コ
イルが巻回され円周方向に配設されたステータと、回転
中心に中空円筒部をもち前記ステータに対面するロータ
が固着された回転体とを備え、前記コイルへの通電によ
り発生する磁界によって前記回転体を所定角度回転させ
るサーボモータと、前記回転体の回転出力を伝達する出
力伝達部材を介して当該回転体の中空円筒体内に嵌挿さ
れた出力軸と、前記出力軸の回転及び非回転を切り換え
る切換器とを有することを特徴とする。また、本発明の
出力装置は、前記出力伝達部材が、前記出力軸の外周面
に設けられた雄磁気ネジと、前記回転体の中空円筒体内
周面に設けられた雌磁気ネジとを備えるものであること
が好ましい。
【0006】また、本発明の出力装置は、前記雄磁気ネ
ジが、前記出力軸の外周面に螺旋状の着磁帯が形成され
たものであり、前記雌ネジが、前記回転体の中空円筒内
周面に螺旋状の着磁帯が形成されたものであることが望
ましい。また、本発明の出力装置は、前記出力軸が、前
記雄磁気ネジを包む摺動パイプが嵌合されていることが
好ましい。また、本発明の出力装置は、前記出力伝達部
材が、前記回転体の中空円筒体内周面に固定されたボー
ルナットを備え、前記ボールナットに嵌挿された出力軸
の外周面に螺旋状に溝が切り欠かれたボールネジである
ことが好ましい。
【0007】また、本発明の出力装置は、前記切換器
が、前記出力軸の同軸下方に延設されたガイド棒と、前
記ガイド棒に対しスプラインを介して嵌合する磁性体材
料からなる前記回転体に当接・離間可能な上方の上部可
動部材と、前記ガイド棒に対しスプラインを介して嵌合
する磁性体材料からなる回転自在な下方の下部可動部材
と、前記上部可動部材を上方に前記下部可動部材を下方
に付勢する付勢部材と、前記ガイド棒に貫かれた磁性体
材料からなる枠体にコイルが巻回され、前記上部可動部
材の下方に固定された上部固定部材と、前記ガイド棒に
貫かれた磁性体材料からなる枠体にコイルが巻回され、
前記下部可動部材の上方に固定された下部固定部材とを
有することが好ましい。また、本発明の出力装置は、前
記ガイド棒の位置を検出する検出器、例えば、高周波
形、作動コイル形、磁気形、静電容量形、或いは光学式
の検出器を有することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る出力装置の一
実施の形態について具体的の説明する。図1は、出力装
置の第1実施の形態を示した断面図である。本実施の形
態の出力装置は、ダイレクトドライブモータ(以下、
「DDモータ」という)を動力源とし、その動力を磁気
ネジを介して出力軸に伝達することにより回転方向及び
上下方向への運動を出力するものである。その出力装置
は、取付板1上にDDモータ2が固定され、下方には切
換器3が取り付けられている。DDモータ2は、通常一
般に使用されているものであり、その構成を簡単に説明
する。DDモータ2は、取付板1に固定された固定台1
1内に回転自在な回転体12が設けられている。固定台
11は、DDモータ2全体を覆うよう円筒状の枠体を構
成し、その底部11aが取付板1に固定されている。ま
た、固定台11は、その中心部には取付板1に固定され
た底部から立設したように内側円筒部11bが設けられ
ている。
【0009】そして、この内側円筒部11b内には上下
にベアリング13,13を介して回転自在な回転体12
が配設されている。回転体12は、内側円筒部11b内
に嵌挿可能な円筒部12aと、固定台11の外枠11c
と内側円筒部11bとの間に広がった傘部12bとから
構成された形状をなしている。この円筒部12aは、先
に示したように固定台11の内側円筒部11bとの間に
ベアリング13,13が挟持され、この回転体12が回
転できるよう構成されている。また、外側に広がるよに
形成された傘部12bには、その内周面に永久磁石から
なるロータ14が固着されている。また、この傘部12
b内には、ロータ14と対応するコイル15が組み込ま
れた複数のステータ16,16…が円周方向に配列さ
れ、それが底部11aに垂直に固定されている。ステー
タ16は、外部に設けられた後述するコントローラに接
続され、コントローラからの電力によりコイル15が通
電され、これによりステータ16に磁力が発生し、永久
磁石からなるロータ14に対する吸引力及び反発力を発
生し、回転体12を回転させるものである。
【0010】このようなDDモータ2内、即ち、回転体
12の円筒部12a内にはDDモータ2の回転をそのま
ま回転し及び上下方向に変換して伝達する磁気ネジが形
成されている。そこで、本実施例の出力装置での具体的
な構成を示すに先だって、磁気ネジの構成について簡単
に説明する。図2は、雄磁気ネジ及び雌磁気ネジを示す
分解斜視図である。雄磁気ネジ21は、図2に示すよう
に、ロッド22の外周に嵌合され接着された円筒磁石2
3より構成されている。ロッド22は、高透磁性の材料
(例えば鉄、酸化鉄、ニッケル、コバルト若しくはこれ
らを主成分とする合金その他の化合物等)より成形され
ている。円筒磁石23には、螺旋状に形成された着磁帯
24が形成され、隣接する帯同士は極性が逆向きとなる
よう着磁されている。すなわち、N極が着磁された着磁
帯24の隣には必ずS極の着磁帯24が着磁されてい
る。そのため、雄磁気ネジ21の表面には、図2に示す
ようにN極とS極とが交互に着磁された螺旋状の着磁帯
24が整然と形成されている。
【0011】一方、円筒形状の雌ネジホルダ25内に
は、その内周面に雄磁気ネジ21に対応する雌磁気ネジ
26が形成されている。雌磁気ネジ26は、図2に示す
ように、円筒磁石27が高透磁性材料(例えば鉄、酸化
鉄、ニッケル、コバルト若しくはこれらを主成分とする
合金その他化合物等)から成形される雌ネジホルダ25
内に固着されることにより構成されている。そして、雌
磁気ネジ26の内周には、図2に示すように、雄磁気ネ
ジ21と同様に螺旋状にN極とS極とが交互に螺旋状に
着磁された着磁帯28が形成されている。
【0012】そして、このような雄磁気ネジ21を構成
する円筒磁石23及び雌磁気ネジ26を構成する円筒磁
石27は、以下の特徴を有している。すなわち、中空部
分に強度部材を挿入するため、機械的強度に優れている
点である。図2の磁気ネジでは、ロッド22及び雌ネジ
ホルダ25が、かかる強度部材に相当する。この強度部
材により機械的強度が確保されるので、円筒磁石23及
び円筒磁石27は、磁石材料としては優れる反面、材質
的に脆いフェライト系や希土類系の材料で形成しても問
題なく使用することができる。また、このような強度部
材を高透磁性の材料で構成すれば、円筒磁石23及び円
筒磁石27の強い磁力を更に有効に利用することができ
る。
【0013】よって、このような雄磁気ネジ21及び雌
磁気ネジ26をDDモータ2に組み込んで出力装置を構
成する。具体的には、回転体12の円筒部12a内に前
記雌ネジホルダ25を固着し、更にその円筒内周面にN
極とS極の着磁帯28が着磁された円筒磁石27を固着
することで、雌磁気ネジ26が構成される。一方、その
雌磁気ネジ26内には、ロッド22の外周面にN極とS
極の着磁帯24が着磁された円筒磁石23が固着され、
雄磁気ネジ21が構成される。この雄磁気ネジ21が形
成されたロッド22は、その上端側にはアーム等の作業
機の取り付けが可能な出力軸31が同軸上に固定され、
下端側にはロッド22の回転を制限するガイド棒32が
挿入孔33に挿入し固定されている。なお、特許請求の
範囲で記載した出力軸とは、ロッド22及び作動軸31
を含めた一体のものをいう。
【0014】ところで、雌ネジホルダ25の上下端に
は、ロッド22の回転若しくはスライドを安定させるた
めにガイド34,34が嵌合されている。また、ロッド
22及び出力軸31は、非磁性体からなるガイドパイプ
35に包まれるようにして一体のものとして設けられて
いる。そのため、ロッド22が回転及びスライドする場
合には、ガイドパイプ35がガイド34,34に対して
摺動することとなる。
【0015】次に、取付板1の裏面側に設けられた切換
器3について説明する。この切換器3は、DDモータ2
の回転出力を磁気ネジを介して受けたロッド22の出力
を、回転方向或いは上下方向に切り換えるためのもので
ある。切換器3は、取付板1の裏面に固定されたカバー
41内に形成され、ガイド棒32が中心を貫いて下方に
突き出している。カバー41内では、上下に2分割して
コイルが巻回された第1固定枠42と第2固定枠43と
が一体に構成され、カバー41に位置決めされている。
【0016】そして、その上方及び下方には通電された
コイルによって発生する励磁力によって、第1固定枠4
2と第2固定枠43へ吸引される第1可動体44及び第
2可動体45が設けられている。第1固定枠42と第2
固定枠43また第1可動体44及び第2可動体45は、
いずれも磁性体材料で形成され、それぞれ上下に2つの
電磁クラッチが構成されている。この第1固定枠42と
第1可動体44とからなるクラッチは、出力軸31の回
転及び上下方向の出力を切り換えるためのものであり、
第2可動体45と第2固定枠43とからなるクラッチ
は、回転防止のためのものである。
【0017】第1可動体44及び第2可動体45は共に
円盤形状をなし、その第1可動体44上方には、また第
2可動体45下方にはガイド棒32との間でアンギュラ
ボールスプライン(以下単にスプラインという)が構成
されている。具体的に図示することはしないが、第1可
動体44上方の円筒内及び第2可動体45下方の円筒内
にはスプラインのボス46,47が設けられ、ガイド棒
32には、そのボス46,47に嵌合する軸部32a,
32bが構成されている。スプラインは、上下に移動す
るガイド棒32によって外れることはない。第1可動体
44と第2可動体45との間にはスプリング48が縮設
され、第1可動体44及び第2可動体45が、共に第1
固定枠42及び第2固定枠43から離れる方向に付勢さ
れている。上方に付勢された第1可動体44は回転体1
2の円筒部12a底部に当接し、摩擦抵抗により回転体
12と一体となって回転することとなる。一方、下方に
付勢された第2可動体45はベアリング49を介してカ
バー41底面に当接し、回転自在に設けられている。
【0018】そして、カバー41下方に突出したガイド
棒32下端には磁石50が固定され、その磁石の位置、
即ち出力軸31の高さ位置を検出するリミットスイッチ
51,52が配設されている。このリミットスイッチ5
1,52は後述するコントローラに接続され、出力軸3
1の上下の高さ位置が制御される。
【0019】このような構成の出力装置は、DDモータ
2が図3の如くコントローラ61に接続され出力及び出
力方向の制御が行われる。図3は、本実施の形態の出力
装置を制御する制御装置を含めた概念図である。コント
ローラ61には、出力装置から出力される任意の回転又
は上下方向出力を設置するための動作プログラムを送信
する外部装置としてハンディターミナル62や、所定の
プログラムを制御するシーケンサ64が接続されてい
る。また、そのシーケンサ64には、切換器3、リミッ
トスイッチ51,52及びコンピュータ63が接続され
ている。そして、そのコントローラ61には、後述する
出力装置からの出力を組み合わせた作業を実行する制御
プログラム等が記憶されている。
【0020】そこで、このような構成の出力装置は、先
ず図1に示すようにコイル42a,43aへの通電がな
されていない場合には、スプリング48に付勢された第
1可動体44が回転体12に当接し第2可動体45がカ
バー41底面にベアリング49を介して当接されてい
る。そこでこのような場合、ステータ16のコイル15
が通電されて回転体12が所定の方向へ回転すると、そ
の円筒部12aに設けられた雌磁気ネジ26が同様に回
転する。ところで、この場合スプラインを構成するボス
46が軸部32aに嵌合しているため、回転体12に当
接して一体となって回転する第1可動体44の回転が、
ガイド棒32を介してロッド22に直接伝達され、ロッ
ド22も同様に回転することとなる。従って、出力軸3
1からは回転出力が得られることとなる。
【0021】次に、コイル43aが通電されると、コイ
ル43aによって発生する磁界によって第2固定枠43
に励磁力が生じ、第2可動体45がスプリング48の付
勢力に抗して第2固定枠43に吸着され、ロッド22は
第1可動体44及び第2可動体45の2カ所で回転止め
が掛けられる。更に、コイル42が通電されると、コイ
ル42aによって発生する磁界によって第1固定枠42
に励磁力が生じ、第1可動体44がスプリング48の付
勢力に抗して第1固定枠42に吸着される(図4)。第
1可動体44の移動する間、ロッド22は第2可動体4
5で回転が止められているので、回転方向に力が加わっ
ても回転はしない。
【0022】そこで、ステータ16のコイル15に通電
し回転体12を一方へ回転させと、回転体12から直接
回転力が伝達されないロッド22は、雌磁気ネジ26に
吸引される雄磁気ネジ21が、そのまま回転方向に追随
しようとする。しかし、ロッド22の回転が制限されて
いるため、雄磁気ネジ21は、螺旋状に着磁された着磁
帯24,28によって上方へ移動することとなる。よっ
て、出力軸31からは上昇する直線方向の出力が得られ
ることとなる。
【0023】一方、切換器3の切り換えによってガイド
棒32の回転を制限する等の上記各状態をつくりだし、
回転体12を逆回転させれば、出力軸31からは逆回転
及び下降方向の運動が出力される。従って、本実施の形
態の出力装置では、回転方向及び上下方向の出力が可能
となり、各方向の出力を切り換える場合の切換器3の切
り換え動作をまとめると以下のようになる。 (1)上下方向に出力する場合には、第2可動体45を
第2固定枠43へ吸着させてから、第1可動体44を第
1固定体42へ吸着させる(図4)。(第1可動体44
及び第2可動体45を吸着させた後、図5の如く第2可
動体45を第2固定枠43から離間させるようにしても
よい。) (2)上下方向から回転方向へ切り換える場合には、
(第2可動体45を第2固定枠へ吸着した状態に戻し
(図4))第1可動体44を第1固定枠42から離間さ
せた後に第2可動体45を第2固定枠から離間させる
(図1)。
【0024】よって、以上のような構成による本実施の
形態で示した出力装置によれば、DDモータ2から出力
される回転体12の回転出力を磁気ネジ21,26を介
してロッド22に伝達し、そのロッド22からの出力を
切換器3によって切り換えることで、回転及び上下出力
を一つのDDモータ2から出力することができる出力装
置を提供することが可能となった。特に、伝達手段に磁
気ネジ21,26を利用したため、磁気ネジのピッチ即
ち着磁帯24,28の幅を変化させることで、雄磁気ネ
ジ21と雌磁気ネジ26との間の磁力による吸引力を調
節でき、出力軸31の負荷に対する抵抗を容易に変化さ
せることができるようになった。また、螺旋に着磁した
着磁帯24,28の傾斜角を変化させることで、回転体
12の回転角度に対する出力軸31の運動量を容易に変
化させることができるようになった。また、例えば出力
軸31に取り付けた作業アームに手をはさまれるなどの
緊急時には、磁気ネジが脱調することで危険を回避する
ことが可能となった。
【0025】また、雄磁気ネジ21と雌磁気ネジ26と
の間にガイドパイプ35を設けたので、磁気ネジ21,
26同士の吸着が防止できるとともに、ガイド34,3
4に摺動させることで安定した出力が可能となった。ま
た、出力装置をDDモータ2のサイズ以上に大型化する
ことなくコンパクト化を実現することができた。また、
簡易な構成によって製造できるためコストの低下を実現
することもできた。また、1回転当たり約50万パルス
の高分解能による高精度割り出しが可能なDDモータ2
の出力をそのまま回転及び上下方向の出力に利用できる
ため、従来のような機能のアンバランスがなくなり、D
Dモータ2の機能を最大限に発揮した高性能な出力装置
を提供することが可能となった。また、本実施の形態の
出力装置では、従来のようなサーボモータとは別にシリ
ンダを操作するなどの煩雑さがなくなったため、操作が
容易なものとなった。
【0026】次に、本発明にかかる出力装置の第2実施
の形態について説明する。図6は、本実施の形態の出力
装置を示した断面図である。本実施の形態の出力装置
は、前記第1実施の形態と同様動力源にDDモータ2を
使用し、出力の切り換えに切換器3を使用したものであ
る。従って、その構成は前述した通りであり、同様の構
成部材には同一の番号を付し詳細な説明は省略する。本
実施の形態の出力装置は、DDモータ2の回転出力をボ
ールネジを介して出力軸81に伝達する点に特徴を有す
る。そのため、回転体12の円筒部12a内上端にはボ
ールを保持したボールナット82が固定され、そのボー
ルナット82の円筒部12a内を貫通した出力軸81が
嵌合されている。出力軸81には、その外周面にボール
が入り込むU字溝が螺旋状に形成されている。そして、
ガイド棒32が挿入固定された出力軸81の下端部は、
ガイド85に嵌装されている。
【0027】そこで、このような構成からなる本実施の
形態の出力装置は、次のように作用することとなる。先
ず、図6に示すようにコイル42a,43aへの通電が
なされていない場合には、スプリング48に付勢された
第1可動体44が回転体12に当接し第2可動体45が
カバー41底面にベアリング49を介して当接されてい
る。そこでこのような場合、ステータ16のコイル15
が通電されて回転体12が所定の方向へ回転すると、そ
の円筒部12aに設けられたボールナット82が同様に
回転する。ところで、この場合スプラインを構成するボ
ス46が軸部32aに嵌合しているため、回転体12に
当接して一体となって回転する第1可動体44の回転
が、ガイド棒32を介して出力軸81に直接伝達されて
同様に回転することとなる。従って、出力軸81からは
回転出力が得られることとなる。
【0028】次に、第1実施の形態と同様、コイル43
aが通電されると、コイル43aによって発生する磁界
によって第2固定枠43に励磁力が生じ、第2可動体4
5がスプリング48の付勢力に抗して第2固定枠43に
吸着され、ロッド22は第1可動体44及び第2可動体
45の2カ所で回転止めが掛けられる。更に、コイル4
2が通電されると、コイル42aによって発生する磁界
によって第1固定枠42に励磁力が生じ、第1可動体4
4がスプリング48の付勢力に抗して第1固定枠42に
吸着される(図4参照)。第1可動体44の移動する
間、出力軸81は第2可動体45で回転が止められてい
るので、回転方向に力が加わっても回転はしない。
【0029】そこで、ステータ16のコイル15に通電
し回転体12を一方へ回転させと、出力軸81が回転す
るボールナット82から受ける力は、出力軸81の回転
が制限されているため軸方向成分の力によって上方へ移
動することとなる。よって、出力軸31からは上昇する
直線方向の出力が得られる。一方、切換器3の切り換え
によってガイド棒32の回転を制限する等の上記各状態
をつくりだし、回転体12を逆回転させれば、出力軸8
1からは逆回転及び下降方向の運動が出力される。以
上、本実施の形態の出力装置においても回転方向及び上
下方向の出力が可能となり、各方向の出力を切り換える
場合の切換器3の切り換え動作は第1実施の形態と同様
である。
【0030】よって、本実施の形態で示した出力装置に
よれば、伝達手段をボールネジとすることによって、回
転体12の回転出力を出力軸81へ伝達し、その出力軸
81からの出力を切換器3によって切り換えることで、
回転及び上下方向の出力を一つのDDモータ2から出力
することができる出力装置を提供することが可能となっ
た。また、第1実施の形態と同様、コンパクト化、コス
トの低下、DDモータ2の機能を最大限に発揮した高性
能化を図り、容易な操作を可能とした。更に、本実施の
形態では、DDモータ2の回転出力をボールネジによる
機械送りによる伝達としたため、より精密な上下方向の
位置決めが可能となった。
【0031】以上、本発明の出力装置について実施の形
態を示したが、本発明はこれらのものに限定されるわけ
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可
能である。例えば、動力源となるサーボモータにはDD
モータ2を使用したが、これ以外のステッピングモータ
などを使用することも可能である。また、例えば、出力
軸から出力される回転方向や上下方向の運動の切り換え
には、前記実施の形態で電磁クラッチを示したが、カム
を用いるなど更に別の構成によるものであってもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明は、コイルが巻回され円周方向に
配設されたステータと、回転中心に中空円筒部をもちス
テータに対面するロータが固着された回転体とを備え、
コイルへの通電により発生する磁界によって回転体を所
定角度回転させるサーボモータを動力源とし、その回転
体の回転出力を伝達する出力伝達部材を介して回転体の
中空円筒体内に嵌挿された出力軸と、その出力軸の回転
及び非回転を切り換える切換器とを有する構成としたこ
とで、回転方向及び上下方向の出力を一つのサーボモー
タから出力することができる出力装置を提供することが
可能となった。
【0033】また、本発明は、出力伝達部材に出力軸の
外周面に設けられた雄磁気ネジと、回転体の中空円筒体
内周面に設けられた雌磁気ネジとを採用したことで、サ
ーボモータの回転角に対する出力軸の運動量或いは出力
軸の負荷抵抗を設計変更できるなど、磁気ネジの利点を
活かした出力装置を提供することが可能となった。ま
た、本発明は、出力伝達部材に回転体の中空円筒体内周
面に固定されたボールナットを備え、そのボールナット
に嵌挿された出力軸の外周面に螺旋状に溝が切り欠かれ
たボールネジを採用したことで、より精密な上下方向の
位置決めができる出力装置を提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる出力装置の第1実施の形態を示
した断面図である。
【図2】雄磁気ネジ及び雌磁気ネジを示す分解斜視図で
ある。
【図3】出力装置を制御する制御装置を含む概念図であ
る。
【図4】本発明にかかる出力装置の第1実施の形態を示
した一の切り換え状態の断面図である。
【図5】本発明にかかる出力装置の第1実施の形態を示
した他の切り換え状態の断面図である。
【図6】本発明にかかる出力装置の第2実施の形態を示
した断面図である。
【符号の説明】
2 DDモータ 3 切換器 11 固定台 12 回転体 12a 円筒部 14 ロータ 15 コイル 16 ステータ 21 雄磁気ネジ 22 ロッド 24 着磁帯 26 雌磁気ネジ 28 着磁帯 31 出力軸 32 ガイド棒 42 第1固定枠 43 第2固定枠 44 第1可動体 45 第2可動体 42a,43a コイル 51,52 リミットスイッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルが巻回され円周方向に配設された
    ステータと、回転中心に中空円筒部をもち前記ステータ
    に対面するロータが固着された回転体とを備え、前記コ
    イルへの通電により発生する磁界によって前記回転体を
    所定角度回転させるサーボモータと、 前記回転体の回転出力を伝達する出力伝達部材を介して
    当該回転体の中空円筒体内に嵌挿された出力軸と、 前記出力軸の回転及び非回転を切り換える切換器とを有
    することを特徴とする出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の出力装置において、 前記出力伝達部材は、前記出力軸の外周面に設けられた
    雄磁気ネジと、前記回転体の中空円筒体内周面に設けら
    れた雌磁気ネジとを備えるものであることを特徴とする
    出力装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の出力装置において、 前記雄磁気ネジは、前記出力軸の外周面に螺旋状の着磁
    帯が形成されたものであり、前記雌ネジは、前記回転体
    の中空円筒内周面に螺旋状の着磁帯が形成されたもので
    あることを特徴とする出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の出力装置
    において、 前記出力装置は、前記雄磁気ネジを包む摺動パイプが嵌
    合されていることを特徴とする出力装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の出力装置において、 前記出力伝達部材は、前記回転体の中空円筒体内周面に
    固定されたボールナットを備え、前記ボールナットに嵌
    挿された出力軸の外周面に螺旋状に溝が切り欠かれたボ
    ールネジであることを特徴とする出力装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の出力
    装置において、 前記切換器は、前記出力軸の同軸下方に延設されたガイ
    ド棒と、 前記ガイド棒に対しスプラインを介して嵌合する磁性体
    材料からなる前記回転体に当接・離間可能な上方の上部
    可動部材と、 前記ガイド棒に対しスプラインを介して嵌合する磁性体
    材料からなる回転自在な下方の下部可動部材と、 前記上部可動部材を上方に前記下部可動部材を下方に付
    勢する付勢部材と、 前記ガイド棒に貫かれた磁性体材料からなる枠体にコイ
    ルが巻回され、前記上部可動部材の下方に固定された上
    部固定部材と、 前記ガイド棒に貫かれた磁性体材料からなる枠体にコイ
    ルが巻回され、前記下部可動部材の上方に固定された下
    部固定部材とを有することを特徴とする出力装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の出力装置において、 前記ガイド棒の位置を検出する検出器を有することを特
    徴とする出力装置。
JP2383897A 1997-02-06 1997-02-06 出力装置 Pending JPH10225057A (ja)

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