JPH10224998A - 2次電池の保護装置 - Google Patents

2次電池の保護装置

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JPH10224998A
JPH10224998A JP9039753A JP3975397A JPH10224998A JP H10224998 A JPH10224998 A JP H10224998A JP 9039753 A JP9039753 A JP 9039753A JP 3975397 A JP3975397 A JP 3975397A JP H10224998 A JPH10224998 A JP H10224998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次電池を放置したときの容量劣化を防止
し、容量低下を抑制する。 【解決手段】 保護装置1は、電池9の端子電圧を検出
する電圧検出部2と、電池9近傍に配置され電池温度を
検出する温度検出部3と、放電電流値を検出する電流検
出部4と、制御部5と放電部8から構成される。制御部
5では長時間放置したときに電池9に容量劣化が生じる
電池の端子電圧と電池温度の範囲が予めメモリ10に記
憶され、CPU6が検出された電池温度と端子電圧を記
憶値と照合する。そしてこの判断結果に基づいて、容量
劣化領域に入っていれば、スイッチ7をオンにし、微小
電流で電池9を放電する。また、制御部5は電流検出部
4で検出した放電電流値が所定の範囲内に入っているか
否かを判断し、この判断結果に基づいて放電部8を制御
し、所定の放電電流値の放電を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2次電池の保護
装置に関し、特に2次電池が放置されたときの性能低下
を抑制する保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電子機器の小型、軽量化に伴
い、それらの電源として使用される電池として、繰り返
し充放電可能な2次電池の需要が高まっている。また、
環境問題やエネルギーの有効利用の観点から、電気自動
車の実用化が進められ、その駆動源である2次電池の小
型化および大容量化の努力が続けられている。2次電池
が幅広く使用されるようになると、使用条件も広範囲に
及ぶようになり、悪条件下においても高性能を維持する
ための保護装置が必要になってきている。例えば、非水
系2次電池の場合は、高温下に長時間放置されたとき
に、電池の電解質や活物質の劣化により、容量劣化を引
き起こし、再充電を十分に行っても、もとの容量まで回
復しないという問題がある。
【0003】このような容量劣化を防ぐための対策とし
て、特開平4−137371号公報には、電池に放電抵
抗を接続する保護回路を設け、高温下では電池の端子電
圧を低下させる方法が提案されている。この容量劣化現
象は、放置されている間の電池の端子電圧と相関し、電
池の端子電圧が低い状態で放置された場合には容量劣化
が少なく、放置後に再充電されたときの容量回復率が向
上する。そこでこの保護回路では、電池近傍の温度を測
定し、所定温度以上のときには、放電抵抗を端子間に接
続し、電池の放電を行い、端子電圧を低下させて容量劣
化を防止しようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の2次電池の保護装置では、高温下において電
池に放電抵抗を接続し、電池を放電させて電池の端子電
圧を低下させるため、放置後に電池を使用するときに
は、電池容量が低下しており、放電量が多いときには再
充電しなければならないという問題があった。したがっ
て本発明は上記従来の問題点に鑑み、高温下に長時間放
置しても容量劣化が発生せず、また容量低下も抑制でき
る2次電池の保護装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、2次電池の保護装置であ
って、2次電池の近傍の温度を検出する温度検出手段
と、2次電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、2
次電池を微小電流で放電させる放電手段と、温度検出手
段の検出値と電圧検出手段の検出値が所定範囲に入った
ときに、放電手段を制御して2次電池を放電させる制御
手段とを有するものとした。
【0006】上記2次電池は複数の単電池が直列に接続
されている組電池でもよい。また、上記微小電流の電流
値は、1×10-5CA以上1×10-4CA以下であるこ
とが好ましい。
【0007】請求項3記載の発明は、複数の単電池が直
列に接続された組電池からなる2次電池の保護装置であ
って、各単電池ごとに、その近傍の温度を検出する温度
検出手段と、端子電圧を検出する電圧検出手段と、当該
単電池を微小電流で放電させる放電手段と、温度検出手
段の検出値と電圧検出手段の検出値が所定範囲に入った
ときに、放電手段を制御して当該単電池を微小電流で放
電させる制御手段とを有するものとした。
【0008】
【作用】本発明においては、2次電池の電池温度と端子
電圧を検出して、その値が予め記憶された所定領域、例
えば容量劣化領域に入るときに、2次電池を微小電流で
放電させることにより、容量劣化の原因となる電極表面
での電解液の分解を抑制する。また、微小電流の電流値
を1×10-5CA以上1×10-4CA以下に制御するこ
とにより、長時間放置された場合でも、容量の低下を少
なくできる。さらに、組電池において、個々の単電池ご
とに保護装置を設けることにより、それぞれの単電池の
状態に応じてその放電を個別に制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例により
説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す図であ
る。電池に接続される保護装置1は、電圧検出部2と温
度検出部3と電流検出部4と制御部5とスイッチ7と放
電部8から構成される。電池9は、負極活物質に炭素材
料を、正極活物質にLiCoO2を用い、電解液として、炭酸
プロピレンと1-2-ジメトキシエタンとの混合溶液に六フ
ッ化リン酸リチウムを1モル/l溶解させて得られた非
水電解液を用いた非水系2次電池である。
【0010】電圧検出部2は、電池9の端子電圧を検出
する。 温度検出部3は、電池9の近傍に配置され、電
池の雰囲気温度を検出する。 電流検出部4は、放電電
流値を検出する。制御部5はCPU6とメモリ10を含
む。CPU6は、電池の端子電圧と電池温度をメモリ1
0に格納された記憶値と照合して保護動作の必要性の有
無を判断する。制御部5は、このCPU6の判断結果に
基ずいて、電池9と放電部8の間に設けられたスイッチ
7のオン、オフを制御する。 またCPU6は、電流
検出部4で検出した放電電流値が所定の範囲内に入って
いるか否かをチェックし、制御部5はこのチェック結果
に基ずいて放電部8を制御し、所定の放電電流値で放電
を行わせる。
【0011】次に動作について説明する。電圧検出部2
は電池9の端子電圧を検出し、制御部5へその検出値を
送る。また、温度検出部3も電池9近傍の温度を検出
し、その検出値を制御部5へ送る。制御部5のメモリ1
0には、長時間放置した場合に電池の容量劣化が起こる
電池端子電圧と電池温度の範囲、すなわち容量劣化領域
があらかじめ記憶されている。
【0012】図2に示すように、残存電池容量が多くて
端子電圧が高い場合と、温度が高い場合に、容量劣化が
おこりやすい。CPU6では、検出された端子電圧と電
池近傍温度とをメモリ10に記憶している容量劣化領域
と照合する。制御部5では、容量劣化領域に入っている
という照合結果が出た場合には、スイッチ7をオンにす
る。スイッチ7がオンにされると、電池9の端子は放電
部8と接続され、放電が始まる。電流検出部4は放電電
流値を検出し、その検出値を制御部5へ送る。
【0013】図3は、満充電された電池を、微小電流で
放電しながら、温度60℃で1ヶ月間放置したときの、
放電微小電流の電流値と、残存容量と電池の再充電後の
満充電容量の関係を示す図である。実線は残存容量を示
し、破線は再充電後の電池の満充電容量を示している。
ここで、1CAは、1時間で電池容量を完全放電できる
電流値である。1×10-6CAで放電した場合には、十
分に再充電しても、満充電容量はもとの容量の95%に
しかならず、容量が劣化していることがわかる。この容
量劣化は、1×10-5CA以下の放電電流のときに発生
している。また、1×10-4CA以上の電流で放電した
場合には、再充電時の容量劣化は少ないが、放電量が大
きく残存容量が少ない。以上から、容量劣化が少なく、
残存容量も十分に大きくなる放電電流値として、1×1
-5CA以上1×10-4CA以下の電流値が適している
ことがわかる。
【0014】CPU6には、あらかじめ上記放電電流の
適正範囲が記憶されている。CPU6では、メモリ10
に記憶している適正放電電流値1×10-5CA以上1×
10-4CA以下と電流検出部4で検出された放電電流値
を比較照合し、制御部5では、適正放電電流値範囲に入
っていないという照合結果が出た場合には、放電電流値
が適正放電電流値範囲に入るように放電部8を制御す
る。このようにして、電池9は、高温下に放置されてい
るときや、端子電圧が高い状態で放置されているときに
は、微小電流で放電される。
【0015】図4は電池9を60℃下で放置したときの
放置時間と再充電後の満充電容量の関係を示す。放電を
しなかったときの破線で示す電流容量に比べて、微小電
流の放電を行った本実施例による実線で示した再充電後
の電流容量は大きくなっている。すなわち、微小電流で
放電することにより電極表面で起こる電解液の分解が抑
制され、容量劣化が防止されるものと考えられる。これ
により、2次電池の寿命が延びることがわかる。
【0016】本実施例は以上のように構成され、電池9
を放置するときに、電池9の端子電圧と温度を検出し、
その値が予め記憶された容量劣化領域に入るときに2次
電池を微小電流で放電させることにより、容量劣化を防
止することができる。また、微小電流の電流値を1×1
-5CA以上1×10-4CA以下に制御することによ
り、長時間放置された場合でも、容量の低下を少なくで
きる。したがって、2次電池を長時間放置しても、容量
劣化が防止でき、また容量低下も抑制される。
【0017】次に、本発明を電気自動車の電源として使
用される組電池適用した第2の実施例を図5に示す。電
気自動車では、組電池17がメインリレー18を介して
負荷であるモータ19と接続されている。組電池17
は、複数の非水系の単電池を直列に接続したものであ
り、組電池17にバッテリーコントローラ16が接続さ
れている。バッテリーコントローラ16は、電圧検出部
12、制御部13および放電部14を含んでいる。そし
て、組電池17の近傍に配置された温度検出部15が、
バッテリーコントローラ16の制御部13に接続されて
いる。制御部13はとくに図示しないがCPUとメモリ
を備えている。
【0018】この実施例では、温度検出部15が組電池
17近傍の温度を検出し、その検出値を制御部13へ送
る。電圧検出部12は組電池17の端子電圧を検出し、
制御部13へその検出値を送る。制御部13には、長時
間放置した場合に電池の容量劣化が起こる電池端子電圧
と電池温度の範囲および放電電流の適正範囲がメモリに
予め記憶されている。制御部13は、検出された端子電
圧と電池温度を記憶している容量劣化領域とCPUで照
合し、劣化領域に入っているという結果が出た場合に
は、放電部14を制御し、1×10-5CA以上1×10
-4CA以下の微小電流で組電池17の端子間を放電す
る。
【0019】これにより、第1の実施例と同様の効果が
得られるとともに、2次電池に接続されている負荷の暗
電流を放電電流の一部として使用し、必要な放電電流か
ら暗電流を差し引いた電流値を放電部での放電電流値と
して設定することができ、放電部を小型化することがで
きる。
【0020】次に、第3の実施例を図6により説明す
る。これは、組電池の個々の単電池に保護装置を設けた
ものである。組電池23が非水系の単電池22a、22
bおよび22cから構成されている。そして、保護装置
21a、21bおよび21cが単電池22a、22bお
よび22cのそれぞれの端子に接続されている。各保護
装置21a、21bおよび21cは、それぞれ第1の実
施例の図1に示される保護回路1と同じ構成を有する。
【0021】この実施例においては、それぞれの保護装
置21a、21bおよび21cは単電池22a、22b
および22c近傍の温度と単電池22a、22bおよび
22cの端子電圧とを検出し、その検出値を、予め記憶
している容量劣化領域と照合し、劣化領域に入っている
という照合結果が出た場合には、1×10-5CA以上1
×10-4CA以下の電流値の微小電流でそれぞれの単電
池22a、22bおよび22cの端子間を放電する。す
なわち、それぞれの単電池22a、22bおよび22c
ごとに放電を行うか否かの判断が、それぞれの保護回路
21a、21bおよび21cで個別に行われる。
【0022】これにより、第1の実施例と同様の効果が
得られるとともに、各単電池の放電を個別に制御するの
で、各単電池の容量ばらつきを低減することができる。
なお、非水系2次電池では、通常、上下限電圧を管理す
るために各単電池に制御回路が取り付けられているか
ら、この制御回路に上記保護装置を内蔵させることによ
り、独立の保護装置を別個に設けなくても済み、回路規
模の増大を抑えることができる。
【0023】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、2次電池を放
置するときに、電池の端子電圧と温度を検出し、その値
が予め記憶された所定領域、例えば容量劣化領域に入る
ときに電池を微小電流で放電させることにより、容量劣
化の原因となる電極表面での電解液の分解を抑制し、容
量劣化を防止することができる。したがって、高温下に
長時間放置しても、容量劣化が発生せず、また容量低下
も抑制できるまた、微小電流の電流値を1×10-5CA
以上1×10-4CA以下に制御することにより、長時間
放置された場合でも、容量の低下を少なくできる。
【0024】さらに、2次電池に接続されている負荷の
暗電流を放電電流の一部として使用し、必要な放電電流
から暗電流を差し引いた電流値を放電部での電流値とし
て設定することにより、放電部を小型化することができ
る。
【0025】複数の単電池を直列に接続した組電池の場
合、各単電池にそれぞれ保護装置を接続し、放電を個別
に制御することにより、各単電池の容量ばらつきを低減
することできる。そして、上下限電圧を管理するために
各単電池に取り付けられている制御回路に、保護装置を
内蔵させることができ、回路規模を増大させずに実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】容量劣化領域を示す図である。
【図3】放電電流値と再充電後の満充電容量および残存
容量の関係を示す図である。
【図4】放置時間と再充電後の満充電容量の関係を示す
図である。
【図5】第2の実施例を示す図である。
【図6】第3の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1、21a、21b、21c 保護装置 2、12 電圧検出部 3、15 温度検出部 4 電流検出部 5、13 制御部 6 CPU 7 スイッチ 8、14 放電部 9 電池 10 メモリ 16 バッテリコントローラ 17、23 組電池 18 メインリレー 19 モータ 22a、22b,22c 単電池
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02H 7/18 H02H 7/18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次電池の保護装置であって、前記2次
    電池の近傍の温度を検出する温度検出手段と、前記2次
    電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記2次電
    池を微小電流で放電させる放電手段と、前記温度検出手
    段の検出値と前記電圧検出手段の検出値が所定範囲に入
    ったときに、前記放電手段を制御して前記2次電池を放
    電させる制御手段とを有することを特徴とする2次電池
    の保護回路。
  2. 【請求項2】 前記2次電池が複数の単電池がそれぞれ
    直列に接続されている組電池であることを特徴とする請
    求項1記載の2次電池の保護回路。
  3. 【請求項3】 複数の単電池が直列に接続された組電池
    からなる2次電池の保護装置であって、前記各単電池ご
    とに、その近傍の温度を検出する温度検出手段と、端子
    電圧を検出する電圧検出手段と、当該単電池を微小電流
    で放電させる放電手段と、前記温度検出手段の検出値と
    前記電圧検出手段の検出値が所定範囲に入ったときに、
    前記放電手段を制御して当該単電池を微小電流で放電さ
    せる制御手段とを有することを特徴とする2次電池の保
    護回路。
  4. 【請求項4】 前記微小電流の電流値が、1×10-5
    A以上1×10-4CA以下であることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の2次電池の保護回路。
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