JPH1022489A - 固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子

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JPH1022489A
JPH1022489A JP8191502A JP19150296A JPH1022489A JP H1022489 A JPH1022489 A JP H1022489A JP 8191502 A JP8191502 A JP 8191502A JP 19150296 A JP19150296 A JP 19150296A JP H1022489 A JPH1022489 A JP H1022489A
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JP
Japan
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solid
state imaging
imaging device
layer
transistor
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JP8191502A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Watabe
知行 渡部
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定パターン雑音が小さく、SN比が大き
く、高感度な固体撮像素子を得る。 【解決手段】 半導体基板上に、1次元もしくは2次元
に配列された複数個の画素を具備してなる固体撮像素子
において、各画素を、少なくとも1個の受光素子1と、
この受光素子1が生成する光起電力を電源として動作し
前記光起電力に応じた周波数で発振する可変周波数発振
器2とを具備したものとして構成する。可変周波数発振
器2の出力信号の周波数によって、各画素の受光強度を
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体基板上
に、2次元配列された複数個の画素を具備してなる固体
撮像素子にかかわり、特に高感度で低雑音の固体撮像素
子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子は、1枚の撮像画像に対応
して、半導体基板上に、1次元もしくは2次元の配列、
例えば、横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)
に、それぞれ多数個の画素をマトリクス状に配列したも
ので、各画素はイメージセルと呼ばれる回路の単位で構
成されているものである。なお、以下の説明において
は、構成がより複雑である2次元配列の構造について説
明するが、1次元配列の構造、すなわち、リニアセンサ
についても、同様に適用できるものである。以下の2次
元配列の構造の固体撮像素子の説明において、横方向を
行、縦方向を列と呼ぶことにする。
【0003】従来から、種々の固体撮像素子が提供され
ており、また最近は高感度の固体撮像素子の検討も行わ
れている。
【0004】固体撮像素子の、最近の技術動向について
は、文献:アイ・エス・エス・シー・シー96、セッシ
ョン1、プレナリーセッション、TA1.2(1996
年2月)第22頁ないし第25頁(ISSCC96 ,Session
1,Plenary Session ,TA1.2 (Feb. 1996)p
p.22−25)などにおいて論じられている。
【0005】図12は、従来の固体撮像素子の一例を示
す図であり、この例は、現在多用されている標準的なC
CD型固体撮像素子である。なお、説明の簡略化のた
め、1つのイメージセルとその周辺のみを示してある。
【0006】図12に示すように、イメージセル200
は、ホトダイオード201と、MOSトランジスタから
なるトランスファーゲート202と、MOSトランジス
タからなるオーバーフローゲート203と、垂直CCD
204の一部(図でMOSトランジスタで示した部分)
とで構成される。そして、このイメージセル200の周
辺には、トランスファーゲート202のゲート電極が接
続される行アドレス信号線205と、オーバーフローゲ
ート203のゲート電極およびソース電極が接続されオ
ーバーフロー電位(VOFG)が与えられる電位線20
6と、水平CCD207とが設けられる。
【0007】行アドレス信号線205には、対応する同
一行のすべての画素のそれぞれからの受光強度を検出す
るタイミングで、各イメージセル200のトランスファ
ーゲート202を開にする行アドレス信号φYが供給さ
れる。
【0008】ホトダイオード201で生成された光電荷
は、トランスファゲート202の開により垂直CCD2
04へ導かれる。垂直CCD204へ導かれた電荷は、
垂直CCD204と水平CCD207を順次転送され、
水平CCD207の出力端子208より、転送された電
荷に応じた出力信号が出力される。
【0009】以上のように、トランスファゲート202
のゲートに与えられる行アドレス信号φYのタイミング
が適宜調整されて、ホトダイオード201に蓄積された
光電荷が、所望の周期で垂直CCD204へ導かれるよ
うに調整される。
【0010】このときホトダイオード201の受光光量
が大きすぎる場合、過剰な電荷が垂直CCD204へ流
入してCCDの周囲に拡散し、画像に悪影響を及ぼす。
オーバーフローゲート203は、これを防ぐためのもの
であり、ある閾値以上の余分な電荷が、外部へ排出され
る。この場合、オーバーフロー電位(VOFG)が調整
されて、外部へ排出する余分となる電荷の閾値が調整さ
れ制御される。
【0011】このCCD型固体撮像素子は、ホトダイオ
ード201の生成電荷をそのまま忠実に縦方向と横方向
に転送し、出力端子208まで運ぶものである。このと
きCCDの、電荷の転送効率は高い。例えば、前述の文
献によれば、1段の転送効率は99.95%程度に達し
ている。このため、他の方式に比べて、チップ上の出力
端子から遠い位置にあるイメージセルからの信号でも、
あまり劣化を生じないで出力端子まで送ることができ
る。したがって、従来、多用されてきた。
【0012】図13は、従来の固体撮像素子の他の例を
示す図である。これは、増幅型固体撮像素子もしくはA
PS(Active Pixel Sensor)等と
呼ばれるもので、増幅素子を用いて高感度化する構造で
あり、前記文献のFigure5等に紹介されている。
【0013】図13は、イメージセル300とその周辺
回路の概要を、前記の図12のCCD型固体撮像素子と
対応した配置にして示したものである。この場合のイメ
ージセル300は、ホトダイオード301と、増幅トラ
ンジスタ302と、リセットトランジスタ303と、出
力電流読み出し用のスイッチングトランジスタ304と
を含んで構成されている。
【0014】ホトダイオード301の一端(アノード
側)は、所定の電位Vpが与えられる端子に接続され
る。電位Vpとしては、通常、接地電位が用いられる。
ホトダイオード301の他端は、増幅トランジスタ30
2のゲートに接続される。
【0015】スイッチングトランジスタ304のゲート
は、行アドレス信号線305に接続される。行アドレス
信号線305には、対応する同一行のすべての画素とし
ての各イメージセル300のスイッチングトランジスタ
304をオンにする行アドレス信号(垂直方向のアドレ
ス信号)φYが供給される。
【0016】リセットトランジスタ303のゲートに
は、リセット信号線306を通じて定期的にリセット信
号φRが供給される。リセットトランジスタ303は、
ホトダイオード301に蓄積された電荷を、リセット信
号φRが供給されるタイミングにより定期的に排出す
る。これにより増幅トランジスタ301のゲート電位を
定期的にリセットする。
【0017】この場合、ホトダイオード301は、リセ
ット信号φRのタイミングで、電源電圧VDDにより逆
バイアスされる。そして、このホトダイオード301の
電荷量が、受光量に応じて、光電荷で、変化することに
より、このホトダイオード301の両端電圧が変化す
る。このため、増幅トランジスタ302のゲート電位が
変化する。その結果、増幅トランジスタ302のソース
・ドレイン間の抵抗が変化するので、このときの増幅ト
ランジスタ302のドレイン電流を、イメージセル30
0の出力電流として、スイッチングトランジスタ304
を介して読み出す。
【0018】スイッチングトランジスタ304のゲート
に与える行アドレス信号φYを調整し、上記出力電流
を、所望のタイミングで垂直信号線307に取り出す。
垂直信号線307は、スイッチングトランジスタ308
を介して出力信号線309に接続されている。スイッチ
ングトランジスタ308のゲートには、水平走査回路3
10から、水平方向の1行の各画素からの出力電流を読
み出すためのタイミング信号(水平方向の走査信号)φ
Xが供給される。したがって、出力端子311には、X
Yマトリックス状に配列された各画素からの出力電流
が、順次に読み出されて出力される。
【0019】この例の固体撮像素子は、ホトダイオード
301に生成される光電荷を、外部に取り出して転送す
ることはしない。代わりにこの光電荷によって発生する
光電圧を、増幅トランジスタ302のゲートに印加し、
このときの増幅トランジスタ302のドレイン電流を検
出する。すなわち、この図13の例の固体撮像素子は、
電流検出型の素子である。
【0020】したがって、この図13の例の固体撮像素
子は、ホトダイオード301の電荷を取り出さないの
で、出力電流を読み出しても、ホトダイオード301の
電荷は失われない。このため、リセットするまでは、1
度の受光で形成した画像を、画像を損なわずに何度でも
読み出せる特徴がある。また、増幅トランジスタ302
で増幅した信号を外部回路で読み出すので、高感度であ
るという特徴がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たCCD型固体撮像素子では、高精細化が進み、画素数
が大きくなるにつれて、CCDによって転送される段数
が増大するため、転送による劣化が問題となってきてい
る。例えばCCDによって1000段の転送をおこなう
と、上記のように1段の転送効率が高くても、60%程
度の電荷しか送れなくなる。
【0022】このため、出力端子208とイメージセル
との距離に応じて送ることができる電荷量が異なり、同
じ光強度であっても、出力端子208に近いイメージセ
ルからの光強度出力と、出力端子208から遠いイメー
ジセルからの光強度出力とで違いが生じ、これが固定パ
ターン雑音となる。また、転送により電荷量が減衰する
ことから、感度の低下をもたらす。したがって、CCD
型固体撮像素子では、高感度化、低固定パターン雑音化
に限界があった。
【0023】また、CCD型固体撮像素子では、ホトダ
イオードに発生した、微弱な光生成電荷を、そのままC
CDで転送するだけで、生成電荷の増倍もしくは信号の
増幅は、CCDの出力端子まで行わない。このため、微
小光量に対応する微小電荷を転送するとき、CCD素子
内に発生する雑音電荷の影響で、SN比が劣化する問題
がある。したがって、高感度化には、この点でも、なお
不十分であるという問題がある。
【0024】一方、他の従来例として説明した増幅型固
体撮像素子は、画素ごとにアナログアンプを持つため、
アンプの利得とオフセットによって出力信号レベルにバ
ラツキが生じやすい。そして、これが固定パターン雑音
になるという問題があった。
【0025】さらに、上記増幅型固体撮像素子は、電流
検出素子であるため、出力電流を、走査回路の配線層
で、出力端子まで導いている。このとき、チップ上で出
力端子に近い位置にあるイメージセルからの出力信号
と、出力端子から遠い位置にあるイメージセルからの出
力信号とで、配線層の長さに差が生じる。そして、出力
端子から遠い位置にあるイメージセルの配線が長くな
り、その寄生抵抗や寄生容量が大きくなる。したがっ
て、特に微小光量時に、出力端子から遠い位置にあるイ
メージセルからの出力信号が劣化しやすい。これも固定
パターン雑音の原因になるという問題があった。
【0026】この発明は、以上の問題点にかんがみ、高
感度で、SN比が大きく、固定パターン雑音の小さい固
体撮像素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明の基本的な考え
方を説明する。従来の固体撮像素子は、上記の2種類の
従来技術を含め、感度や雑音等に問題があった。これは
いずれもアナログ処理を基本にしているからである。す
なわち、CCD型固体撮像素子では、受光素子が生成し
た光電荷を、電荷量を保存して転送する。増幅型固体撮
像素子でも、各画素の発生する出力電流の値を読み出
す。いずれもアナログ的に、各画素の光電荷に応じた出
力信号を取り出すものである。このため、画素数が多く
なるとチップの出力端子と画素の間の距離が遠くなり、
必然的にSN比等が劣化するという欠点を有する。
【0028】発明者は、この問題を解決するため、生物
の網膜に学ぶことを考えた。生物の網膜では、各々の視
細胞は、受光強度に応じた頻度で出力パルスを発生す
る。この出力パルスがそれぞれ神経を通じて、脳の視覚
領域に送られる。すなわち、各画素が、光の強度に応じ
た周波数のパルスを発生し、脳は、パルス数すなわち周
波数をカウントして読み取るのである。したがって、こ
れは画素ごとに並列処理されるデジタル回路システムと
いうことができる。
【0029】この場合、脳は、信号の周波数(パルスの
頻度)だけを読み取るから、波形のなまり、信号強度の
低下やSN比の劣化等は問題にならない。このような系
が半導体チップで実現できれば、チップサイズが大きく
なっても、安定して高品質の出力信号が得られると考え
られる。
【0030】この発明は、各画素が、受光量に応じた光
起電力を発生する受光素子、すなわち太陽電池と、これ
を電源として動作する、周波数が変化する発振器とを有
することを基本概念とするものである。
【0031】すなわち、請求項1の発明による固体撮像
素子は、後述の実施の形態の参照符号を対応させると、
半導体基板(11)上に、1次元もしくは2次元に配列
された複数個の画素(10)を具備してなる固体撮像素
子において、前記各画素(10)は、少なくとも1個の
受光素子(1)と、この受光素子(1)が生成する光起
電力を電源として動作し前記光起電力に応じた周波数で
発振する可変周波数発振器(2)とを具備し、前記可変
周波数発振器(2)の出力信号の周波数によって、前記
各画素の受光強度を検出するとすることを特徴とするも
のである。
【0032】また、請求項2の発明においては、上記請
求項1の発明の可変周波数発振器(2)が、奇数個のイ
ンバータ(21、22、23)からなるリングオシレー
タ(20)で構成されることを特徴とする。
【0033】さらに、請求項3の発明においては、請求
項2のリングオシレータは、集積注入論理回路(II
L;Integrated Injection Lo
gic以下IILと略記する)で構成することを特徴と
するものである。
【0034】また、さらに、請求項4の発明において
は、請求項2に記載の固体撮像素子において、前記リン
グオシレータは、IILインバータを奇数段用いた構成
とすることを特徴とする。
【0035】また、請求項5の発明においては、請求項
4に記載の固体撮像素子において、前記集積注入論理回
路構成のインバータを構成する各段のトランジスタのベ
ース・コレクタ間を接続して、高速化構造としたことを
特徴とする。
【0036】
【作用】上記の構成の請求項1の発明によれば、画素ご
とに、光強度に応じた周波数のパルスを発生するデジタ
ル方式の固体撮像素子が形成される。したがって、高感
度で、SN比が大きく、固定パターン雑音の小さい固体
撮像素子を提供することをできる。
【0037】また、請求項2の発明によれば、可変周波
数発振器がリングオシレータで構成される。このリング
オシレータは、インバータを奇数段接続することで、簡
単に構成することができる。
【0038】また、請求項3の発明によれば、リングオ
シレータがIIL回路で構成されるので、受光素子が構
成する太陽電池の発生電圧でちょうど最適に動作する回
路方式となる。
【0039】すなわち、太陽電池は、通常、pn接合ダ
イオードで構成され、出力電圧はその順方向電圧、すな
わち約0.7Vである。一方、IIL回路は、動作電圧
が、丁度、pn接合の順方向電圧すなわち約0.7Vで
ある。
【0040】さらに、請求項4の発明によれば、可変周
波数発振器としてIILインバータを奇数段用いたリン
グオシレータが用いられる。この場合、1画素当たりの
トランジスタ数は、スイッチ・トランジスタを加えて
も、5個のトランジスタで構成できる。
【0041】また、請求項5の発明によれば、IILト
ランジスタが高速化構造とされることにより、発振器の
応答性が速くなる。このため、太陽電池の受光光量の変
化に追随して、発振周波数がすみやかに変化するので、
各画素の出力信号として、受光強度に忠実な周波数を持
つ信号を取り出すことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
[第1の実施例]図1は、この発明による固体撮像素子
の実施の形態の全体の構成の概要を示すものであり、こ
の例は、2次元配列構造の固体撮像素子の例である。す
なわち、この例の固体撮像素子は、半導体基板(図1に
は、図示せず)上に、イメージセル10を横方向(水平
方向)と、縦方向(垂直方向)とに、多数個配列して、
マトリクス状配列の画素群を構成する。
【0043】各イメージセル10は、すべて同じ構成を
有するもので、図2の構成概念図にも示すように、受光
量に応じた光起電力を発生する受光素子、すなわち、太
陽電池1と、この太陽電池1を電源として動作する可変
周波数発振器2と、この可変周波数発振器2の出力パル
スを適宜のタイミングで出力するためのスイッチ手段3
とで構成される。
【0044】太陽電池1は、この例の場合、pn接合ダ
イオードで構成され、電池としての出力電圧はその順方
向電圧、すなわち、約0.7Vである。受光量が所定値
以上になると、太陽電池1の出力電圧値は、おおよそ約
0.7Vで安定(0.4Vから1.0V程度の範囲)と
なるが、受光量(受光強度)に応じた電流を発生する。
すなわち、太陽電池1は、受光量に応じた光起電力を発
生するものである。
【0045】可変周波数発振器2は、電源の起電力に応
じて発振周波数が変化するように構成されるもので、こ
の例では、電源として動作する太陽電池1の、前記受光
量に応じて変化する電流値に応じた周波数foscの発
振パルスを出力する。
【0046】スイッチ手段3は、可変周波数発振器2の
出力端子に、直列に接続され、後述するように、行アド
レス信号φYによってオンとなる。スイッチ手段3は、
イメージセル10の1列毎に設けられる垂直信号線5に
接続されており、そのオンのときの可変周波数発振器2
の出力周波数foscのパルスを垂直信号線5に出力す
る。
【0047】行アドレス信号φYは、図1に示すよう
に、垂直走査回路4から、イメージセル10の1行毎に
設けられる行アドレス線40を通じて供給されるもので
ある。垂直走査回路4は、図1に示すように、行アドレ
ス信号を、φY1、φY2、…というように1行単位
で、順次に印加する。行アドレス信号が印加されると、
その行のすべてのイメージセル10のスイッチ手段3が
オンとされ、可変周波数発振器2の出力パルスを垂直信
号線5に出力する状態になる。
【0048】垂直信号線5のそれぞれは、スイッチ手段
としてのMOSトランジスタ6をそれぞれ通じて出力信
号線7に接続されている。そして、それぞれMOSトラ
ンジスタ6のゲートには、水平走査回路8から水平走査
信号φX1、φX2、…が順次に印加される。MOSト
ランジスタ6は、この水平走査信号φX1、φX2、…
により順次にオンとなり、オンとなったMOSトランジ
スタ6が接続されている垂直信号線5に接続される1列
のイメージセル10のうちの、そのときにスイッチ手段
3がオンとなっているイメージセル10からの出力パル
スを出力線7に導出する。
【0049】この実施例の固体撮像素子では、各イメー
ジセル10では、受光素子としての太陽電池1に光が入
射すれば、可変周波数発振器2がその受光強度に応じた
周波数foscで発振する。
【0050】この場合、太陽電池1および可変周波数発
振器2には特にリセット信号等は与えない。イメージセ
ル10は、光強度が時間的に変化するのに応じて、リア
ルタイムで周波数が変わる出力信号を発生し続ける。
【0051】そして、その発振出力パルスは、上述した
ような適宜のタイミングで、出力端子9に導出されるも
のである。すなわち、まず、読み出したい行のイメージ
セル10にアドレス信号φYを与えて、その時点での当
該行のイメージセル10の出力信号を垂直信号線5に導
く。行アドレス信号φYが与えられていない行のイメー
ジセル10のスイッチ手段3はオフしており、垂直信号
線5との接続は切れている。
【0052】そして、水平走査回路8からの水平走査信
号φX1、φX2、…により順次に、対応するMOSト
ランジスタ6をオンとする。これにより、垂直信号線5
に出力信号が取り出されている行のイメージセル10の
うちの、MOSトランジスタ6がオンとされている列に
属するイメージセル10の出力パルス信号が、出力線7
を通じて順次に出力端子9に導出される。
【0053】なお、出力端子9から導出された出力パル
ス信号は、図示しない周波数測定手段により、各イメー
ジセル単位ごとに周波数が測定される。そして、測定結
果の周波数を、あらかじめ校正されたルールで、光強度
に変換して、各イメージセル10の光強度出力を得るよ
うにする。
【0054】なお、以上の実施例は、より複雑な構造で
ある2次元配列構造の固体撮像素子に関するものであ
る。しかし、例えば、図1において横1行だけの構成と
し、行アドレス信号φYがφY1のみとし、φY2以降
は存在しない構成としても同様に適用できる。この場合
は、いわゆるリニアセンサ(ラインセンサ)と呼ばれる
1次元配列構造である。このリニアセンサにも、この発
明が適用できることは言うまでもない。
【0055】図3は、上述した第1の実施例の場合のイ
メージセル10の具体回路例を示す図である。
【0056】この図3の例では、図1および図2で示し
た可変周波数発振器2として、リングオシレータ20を
用いる。リングオシレータはインバータを奇数段、縦続
に接続することで構成されるもので、この例のリングオ
シレータ20は、3個のインバータ21、22、23を
縦続に接続、すなわち、インバータを3段接続した構成
である。
【0057】ここで、一般に、太陽電池1の受光強度
は、その起電力(電圧が0.7Vでほぼ一定になる領域
では、電流)にほぼ比例する。また、一般に、電源の起
電力はインバータの遅延時間にほぼ反比例する。さら
に、一般に、インバータの遅延時間は、リングオシレー
タの発振周波数にほぼ反比例する。したがって、一般
に、リングオシレータ20の発振周波数は、太陽電池1
の受光強度にほぼ比例する。
【0058】以上により、イメージセル10の出力信号
の周波数の値が、当該イメージセル10の受光強度に対
応する。したがって、このイメージセル単位ごとの周波
数を測定することにより、各イメージセルごとの光強度
出力を得ることができる。
【0059】なお、負荷トランジスタ24は、リングオ
シレータ20の出力信号が解放となるタイミングにハイ
レベル電位を与えるための負荷であり、太陽電池1とリ
ングオシレータ20の出力端との間に設けられる。
【0060】スイッチトランジスタ31は、前述のスイ
ッチ手段3に対応するもので、この例では、n型のMO
Sトランジスタにより構成される。このスイッチトラン
ジスタ31のゲートには、行アドレス信号φYが供給さ
れ、読み出し時にオンされるように構成されている。
【0061】なお、前述もしたように、この例の太陽電
池はpn接合ダイオードで形成され、出力電圧はその順
方向電圧であり、約0.7Vである。このため、リング
シレータ20は、太陽電池1の起電力で、動作する低電
圧動作回路で構成されることが望ましい。なお、この例
に限らず、太陽電池は、一般にpn接合等のダイオード
で構成され、出力電圧は、約0.7Vである。
【0062】もっとも、1画素中に複数の太陽電池を形
成し、これを直列接続し、電圧を高めた構成としてもよ
い。この場合には、可変周波数発振器2の電源電圧は、
高くなるので、MOSトランジスタ等の、低電圧動作で
ないデバイスを用いて可変周波数発振器2を構成するこ
とができる。
【0063】図4は、第1の実施例によるイメージセル
の詳細回路例を示す図であり、図3の回路例の詳細回路
例である。この例は、可変周波数発振器2を構成するリ
ングオシレータ20が、1個の太陽電池で動作する低電
圧動作回路で構成された場合の例である。
【0064】すなわち、この例の場合のリングオシレー
タ20はIILで構成する。IILは、pnpトランジ
スタとnpnトランジスタの1対で、1つのインバータ
を構成する。以下、このインバータをIILインバータ
と称する。図4の例は、IILを用いた3段リングオシ
レータであり、図3の例に対応するものである。
【0065】すなわち、IILインバータ21は、pn
pトランジスタ21Pとnpnトランジスタ21Qの1
対で構成され、IILインバータ22は、pnpトラン
ジスタ22Pとnpnトランジスタ22Qの1対で構成
され、IILインバータ23は、pnpトランジスタ2
3Pとnpnトランジスタ23Qの1対で構成される。
pnpトランジスタ21P,22P,23Pは、各II
Lインバータ21、22、23のバイアス電流供給回路
を構成する。
【0066】また、pnpトランジスタ22PはIIL
インバータ21の負荷として動作し、pnpトランジス
タ23PはIILインバータ22の負荷として動作し、
pnpトランジスタ21Pおよび24はIILインバー
タ23の負荷として動作する。
【0067】そして、npnトランジスタ23Qはダブ
ルコレクタの構成とされ、その一方のコレクタが負荷ト
ランジスタ24のコレクタ・エミッタ間を通じて太陽電
池1に接続されると共に、その他方のコレクタがnpn
トランジスタ21Qのベースに接続されて、リングオシ
レータ20が構成される。
【0068】図4の回路構成において、インバータの負
荷あるいはバイアス電流供給回路として動作する4個の
pnpトランジスタ21P,22P,23P,24は、
図に示すように、ベース接地で動作する。このため、電
源電圧は、トランジスタのベース・エミッタ電圧の1段
分でよい。この電圧は、ちょうどダイオードの順方向電
圧に等しい。したがって、太陽電池1が生成する光起電
力が、ちょうど、この電源電圧に適合して動作する。こ
のように、IILは、他の論理回路に比較した特徴の1
つとして、電源電圧が低い特徴を有し、図4の例は、こ
れを生かしたものである。
【0069】次に、図4の回路構成の場合の半導体構造
の例について、説明する。図5は、この実施例における
1個のイメージセル10の半導体構造の斜視図である。
また、図6は、この実施例の場合のイメージセル10の
平面パターン図である。図5は、図6において、A−A
線で切断して、このA−A線よりも上の領域を斜視図と
したものに等しい。なお、図5および図6において、一
点鎖線101は、イメージセル10の境界線を示してい
る。
【0070】図5に示すように、この例の固体撮像素子
のイメージセル10は、共通のn+半導体基板11上に
それぞれ構成されるもので、イメージセル10の境界
は、n+層12で囲まれており、これによりイメージセ
ル10間が互いに分離される。
【0071】そして、各イメージセル10においては、
共通のn+型半導体基板11中に、n−層131および
132を形成する。そして、n−層131に、受光部と
してのp層140と、インバータ21、22、23を構
成するためのp層141、142、143と、負荷トラ
ンジスタ24を構成するためのp層144(図6参照)
を形成する。また、n−層132に、スイッチトランジ
スタ31を構成するためのp層145を形成する。そし
て、p層141にはn+層151を、p層142にはn
+層152を、p層143にはn+層153および15
4を、それぞれ形成する。また、p層145にはn+層
155および156を形成する。
【0072】受光部であるp層140とその下側のn−
層131との間で、ホトダイオードを形成し、これが太
陽電池1として動作する。p層140が太陽電池1の正
電位を発生する陽極である。また、n−層131は太陽
電池1の陰極で、共通のn+半導体基板11に一体化し
て接続され、接地される。
【0073】受光部のp層140の右側に、IILイン
バータの3つのnpnトランジスタ21Q,22Q,2
3Qの部分が形成される。各々のトランジスタはIIL
のnpnトランジスタとして周知の、逆npnトランジ
スタ構造とされている。
【0074】すなわち、3つのnpnトランジスタ部分
21Q,22Q,23Qに対応して、それぞれ上側のn
+層151、152、153、154がコレクタ、p層
141、142、143がベース、下側のn−層131
がエミッタである。通常のトランジスタは上側のn+層
151、152、153をエミッタ、下側のn−層13
1をコレクタとして使う。これと逆向きの接続であるた
め逆npnトランジスタと呼ばれる。この構成によれ
ば、エミッタである下側のn−層131は、その下のn
+半導体基板11に一体化して接続でき、共通に接地で
きる。
【0075】IILインバータ21、22、23のpn
pトランジスタ21P,22P,23Pは、太陽電池1
の陽極であるp層140と、逆npnトランジスタ21
Q,22Q,23Qのベースであるp層141、14
2、143との間で構成される。このとき、太陽電池1
の陽極であるp層140の右端部分がそれ自体で、pn
pトランジスタ21P,22P,23Pのエミッタを兼
ねる。また、逆npnトランジスタ21Q,22Q,2
3Qのベースであるp層141、142、143の左端
部分がそれ自体で、pnpトランジスタ21P,22
P,23Pのコレクタを兼ねる。さらに、p層140と
p層141、142、143の間のすき間領域(n−層
131)がそれ自体で、pnpトランジスタ21P,2
2P,23Pのベースを兼ねる。
【0076】したがって、この図5の実施例によれば、
IILインバータ21、22、23の電流バイアス用ト
ランジスタであるpnpトランジスタ21P,22P,
23Pは、特にパターンの形成が不要である。また、こ
のため、太陽電池1の陽極とpnpトランジスタ21
P,22P,23Pのエミッタを結ぶ配線も不要であ
る。したがって、この第1の実施例によれば、1画素あ
たりの素子数を大幅に削減できる効果がある。
【0077】また、図6に示すp層144は、負荷トラ
ンジスタであるpnpトランジスタ24のコレクタであ
り、p層140がエミッタ、p層140とp層144と
の間のn−層131がベースである。
【0078】さらに、スイッチトランジスタ31を構成
するn型MOSトランジスタについて説明すると、p層
145がpウエルであり、その周囲のn+層12と接続
されて、接地されている。また、p層145の中のn+
層155が、スイッチトランジスタ31のドレイン、n
+層156が、ソースである。そして、その上側の図5
および図6において、黒く塗りつぶしたパターン16
が、ゲートである。なお、図5および図6中の太線と黒
丸は、配線層と接続点をそれぞれ示している。
【0079】図7は、図6のA−A線に沿った断面構造
を示す。この図7に示すように、イメージセル10のそ
れぞれとして、上述したようにして、各素子を形成した
半導体基板11の表面上には、アルミニウム等による金
属配線層17と、絶縁層としてのSiO2 層18が設け
られる。
【0080】以上の説明および図6から分かるように、
この第1の実施例の場合、1画素を構成するイメージセ
ル10当たりの素子数は、太陽電池1を形成するp層1
40の他に、トランジスタ領域としては、5素子だけで
よい。
【0081】すなわち、第1の実施例によれば、IIL
インバータの奇数段、この例では、3段で構成したリン
グオシレータで可変周波数発振器を構成したことによ
り、1画素あたりの素子数が極めて少ない構成で、所望
の回路を構成できる。
【0082】また、IILで構成したリングオシレータ
は、その発振出力について、不要輻射の大きさは小さ
く、このため、隣接するイメージセルの出力信号の飛び
込みノイズの影響は少ない。そのうえ、イメージセル1
0間の境界を構成するn+領域の、リングオシレータの
出力信号に対する抵抗が一般に大きいため、この実施例
においては、隣接イメージセルからの漏れ電荷の飛び込
みに対する対策として、特殊な施策を必要としないとい
う効果もある。
【0083】以上説明したようにして、上述した第1の
実施例の固体撮像素子においては、所望の画素を選択し
た時点の出力信号を、順に外部へ取り出すことができ
る。そして、この出力信号は、前述したように、画素の
受光強度にほぼ比例した周波数foscのパルス信号で
あるので、この周波数foscだけを、画素毎に、周波
数カウンタで読み取れば、各画素の受光強度を検出する
ことができる。このため、信号波形の劣化や雑音等の影
響を、ほとんど受けないという、大きな特徴がある。
【0084】また、この実施例によれば、固定パターン
雑音をさらに低減する手法である、デジタルキャンセル
法を適用しやすいという効果がある。このデジタルキャ
ンセル法は、例えば、従来の技術の欄で示した文献の、
「CMOS Sensors」の章に紹介されているも
ので、あらかじめ、固体撮像素子に基準照度の光を照射
し、その時の各画素の出力信号の値をRAMなどのメモ
リに格納しておき、これを撮像時の出力信号から差し引
いて、実際の出力とするものである。これにより、画素
ごとの基準レベルのばらつきによる固定パターン雑音
を、キャンセルできるものである。
【0085】前述した第1の実施例においては、出力信
号が周波数のデジタルカウントデータなので、基準照度
時の各画素の出力周波数の値をRAMに格納しておき、
撮像時の各画素の出力との比をとる構成とすることによ
り、容易にデジタルキャンセル法を適用できる。
【0086】以上のように、上述の第1の実施例によれ
ば、極めて少ない素子数で、高精度で固定パターン雑音
の少ない、固体撮像素子を実現できる。
【0087】[第2の実施例]図8は、この発明の第2
の実施例によるイメージセル10の断面構造図である。
この第2の実施例は、太陽電池1を構成するホトダイオ
ードを非晶質シリコン層(a−Si;アモルファスシリ
コン)190で構成し、これを、可変周波数発振器を形
成した半導体基板の上に、積層して形成したものであ
る。
【0088】この第2の実施例の回路構成は、IILイ
ンバータの3段により可変周波数発振器20を構成する
点を含んで、図4に示した第1の実施例の回路構成と同
様である。図8は、図7の断面図に対応するものであ
り、図7と対応する部位には、同一符号を付与すること
とする。
【0089】この第2の実施例の場合、非晶質シリコン
層190の中に形成されたp型の非結晶シリコン層19
1およびn−型の非晶質シリコン層192からなるpn
−接合により、各イメージセル10の太陽電池1として
のホトダイオードを形成する。
【0090】この場合、n−型の非晶質シリコン層19
2は、固体撮像素子のすべてのイメージセル10に共通
に一体化形成され、その上部の透明電極172に接続さ
れる。この透明電極172は接地される。すなわち、n
−型の非晶質シリコン層192と、透明電極172とは
画素毎には分離されておらず、固体撮像素子全体につい
て共通である。
【0091】一方、p型の非晶質シリコン層191は、
画素ごとに分離形成され、各々、イメージセル10ごと
に設けられるピクセル電極171に接続される。ピクセ
ル電極171は、モリブデンやタングステン等の高融点
金属などで形成され、その下方の半導体基板11に対す
る遮光膜を兼ねる。
【0092】この例の場合、IILインバータ21、2
2、23のpnpトランジスタ21P,22P,23P
は、図5および図6に示した構造と異なる。すなわち、
この例の場合には、n−層131にp層140に代わる
p層146が形成される。このp層146は、IILの
pnpトランジスタ21P,22P,23Pのエミッタ
すなわちインジェクタで、周知の構造のものである。す
なわち、図8の場合、p層143の左側がpnpトラン
ジスタ23Pのコレクタとなり、これとエミッタである
p層146との間のn−層131がベースとなる。他の
pnpトランジスタ21P、22Pについても同様に構
成される。
【0093】ピクセル電極171は、絶縁層18に開け
たスルーホールを介して、上述したIILインバータ2
1、22、23のpnpトランジスタ21P,22P,
23Pの共通エミッタであるp層146に接続される。
【0094】この第2の実施例によれば、太陽電池1と
して働くホトダイオードを完全にIIL回路の上に積層
することができる。このため、1画素あたりの平面的な
素子数が少なくなると共に、1画素あたりの平面的な面
積を、大幅に低減できる。また、ホトダイオードを、ほ
ぼ画素の全面の上に形成できるので、画素面積に占める
受光面積の割合、すなわち受光効率が大幅に向上する。
【0095】[第3の実施例]図9は、この発明の第3
実施例によるイメージセル10の詳細回路図である。ま
た、図10は、この第3の実施例によるイメージセル1
0の半導体構造の断面図であり、第1の実施例の図7、
第2の実施例の図8に対応する図である。
【0096】この第3の実施例は、基本的な回路構成と
しては、前述の例と同様に、可変周波数発振器2とし
て、IILインバータを3段用いたリングオシレータ2
0を用いるものであるが、IIL回路において、IIL
素子の高速化構造を用いた点に特徴がある。
【0097】すなわち、この第3の実施例においては、
図9に示すように、IILリングオシレータ20を構成
する3個のIILインバータ21、22、23のnpn
トランジスタ21Q,22Q,23Qの各々について、
コレクタを1つづつ追加し、当該追加したコレクタをそ
れぞれ自己のトランジスタのベースに接続する。
【0098】図10は、IILインバータ23、つま
り、トランジスタ23Qおよび23Pの部分を示すもの
である。この図10に示すように、半導体構造的には、
トランジスタ23Qのベースおよびトランジスタ23P
のコレクタとなるp層143中に、トランジスタ23Q
の新たに追加したコレクタとなるn+層157を設け
る。そして、この部分のアルミニウムの配線層17b
を、新たに追加したコレクタのn+層157と、ベース
のp層143とを接続する状態で設ける。
【0099】他のIILインバータ22、23のトラン
ジスタ22Q、23Qについても、上述と同様に構成さ
れる。
【0100】この図9の構造による高速化の、詳細原理
は省略するが、各npnトランジスタ21Q,22Q,
23Qのコレクタとベースとを接続することにより、こ
れらコレクタとベースとの間の接合が、深い順方向バイ
アスになるのを防止でき、トランジスタの飽和を防げる
ものである。すなわち、npnトランジスタ21Q,2
2Q,23Qがオンしている状態から、オフ状態へ、高
速に変移することができ、発振周波数を高くすることが
できる。
【0101】この第3の実施例によれば、IILトラン
ジスタを高速化構造にすることにより、発振器の応答性
が速くなる。このため、ホトダイオードである太陽電池
1の受光光量の変化に追随して、発振周波数がすみやか
に変化する。したがって、出力信号として、受光強度に
忠実な周波数を持つ信号を取り出すことができる。
【0102】[第4の実施例]図11は、この発明の第
4の実施例による固体撮像素子のイメージセルの断面構
造図であり、これも、第1の実施例の図7、第2の実施
例の図8、第3の実施例の図10に対応する図である。
【0103】この第4の実施例は、太陽電池1は、図8
で示した第2の実施例の積層型のホトダイオードを用い
ると共に、これに加えて、第3の実施例で示したIIL
素子の高速化構造を用いるものである。
【0104】すなわち、図10の例のp層140に代え
て、p層147がn−層131に形成される。このp層
147は、図8の例と同様に、IILインバータ21、
22、23のpnpトランジスタ21P,22P,23
Pのエミッタとなる。
【0105】そして、図8の例と同様に、上記のような
構成の可変周波数発振器を形成した半導体基板の上に、
非晶質シリコン層(a−Si)190で構成した太陽電
池1としてのホトダイオードを積層して形成する。この
図11において、図8と対応する部位には、同一符号を
付して、その説明を省略する。
【0106】この第4の実施例によれば、積層型である
ため、大幅な素子数の低減と受光面積率の向上が得られ
るのに加えて、高速化構造であるため、光強度の変化に
追随する高速応答性が得られる。
【0107】なお、前述もしたが、受光素子としての太
陽電池は、1個のpn接合ではなく、複数個のpn接合
を直列に接続して、0.7V以上の電源電圧とすれば、
可変周波数発振器は、上述のようなリングオシレータ等
の低電圧動作回路の構成に限られるものではない。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、固定パターン雑音が小さく、SN比が大きく、高感
度な固体撮像素子が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による固体撮像素子の一実施の形態の
回路図である。
【図2】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
構成概念図である。
【図3】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
回路図である。
【図4】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
詳細回路図である。
【図5】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
半導体構造を示す斜視図である。
【図6】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
半導体構造の平面パターン図である。
【図7】この発明の第1の実施例によるイメージセルの
半導体構造の断面図である。
【図8】この発明の第2の実施例によるイメージセルの
半導体構造の断面図である。
【図9】この発明の第3の実施例によるイメージセルの
詳細回路図である。
【図10】この発明の第3の実施例によるイメージセル
の半導体構造の断面図である。
【図11】この発明の第4の実施例によるイメージセル
の半導体構造の断面図である。
【図12】従来の固体撮像素子の一例を示す図である。
【図13】従来の固体撮像素子の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 太陽電池 2 可変周波数発振器 3 スイッチ手段 4 垂直走査回路 5 垂直信号線 6 スイッチングトランジスタ 7 出力線 8 水平走査回路 9 出力端子 10 イメージセル 11 半導体基板 12 n+層 16 ゲート 17 金属配線層 18 絶縁層(SiO2 層) 20 リングオシレータ 21〜23 インバータ 24 負荷トランジスタ 31 スイッチトランジスタ 131、132 n−層 140 p層(ホトダイオードの陽極) 141〜143 p層(逆npnトランジスタのベー
ス) 144 p層(負荷pnpトランジスタ24のコレク
タ) 145 p層(MOSトランジスタのpウエル) 146 p層(IILのインジェクタ) 151〜154 n+層(逆npnトランジスタのコレ
クタ) 155、156 n+層(MOSトランジスタのソー
ス、ドレイン) 157 n+層(逆npnトランジスタの追加コレク
タ) 171 ピクセル電極(兼遮光膜) 172 透明電極 190 非晶質シリコン層 191 p型非晶質シリコン層 192 n−型非晶質シリコン層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、1次元もしくは2次元に
    配列された複数個の画素を具備してなる固体撮像素子に
    おいて、 前記各画素は、少なくとも1個の受光素子と、この受光
    素子が生成する光起電力を電源として動作し前記光起電
    力に応じた周波数で発振する可変周波数発振器とを具備
    し、 前記可変周波数発振器の出力信号の周波数によって、前
    記各画素の受光強度を検出することを特徴とする固体撮
    像素子。
  2. 【請求項2】前記可変周波数発振器は、奇数個のインバ
    ータからなるリングオシレータで構成されることを特徴
    とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の固体撮像素子において、
    前記リングオシレータは、集積注入論理回路で構成され
    ることを特徴とする固体撮像素子。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の固体撮像素子において、
    前記リングオシレータは、集積注入論理回路構成のイン
    バータを奇数段用いた構成とすることを特徴とする固体
    撮像素子。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の固体撮像素子において、
    前記集積注入論理回路構成のインバータを構成する各段
    のトランジスタのベース・コレクタ間を接続して、高速
    化構造としたことを特徴とする固体撮像素子。
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