JPH10223484A - アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法 - Google Patents
アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法Info
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- JPH10223484A JPH10223484A JP2492197A JP2492197A JPH10223484A JP H10223484 A JPH10223484 A JP H10223484A JP 2492197 A JP2492197 A JP 2492197A JP 2492197 A JP2492197 A JP 2492197A JP H10223484 A JPH10223484 A JP H10223484A
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- etching
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- electrolytic etching
- electrolytic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 静電容量、強度ともすぐれたものが得られる
アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 アルミ箔を交流電解エッチングする前
に、直流電解エッチングを行うエッチング方法におい
て、前記直流電解エッチングで使用するエッチング液に
おける硫酸と塩酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)
を0.5〜15の範囲としたものである。
アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 アルミ箔を交流電解エッチングする前
に、直流電解エッチングを行うエッチング方法におい
て、前記直流電解エッチングで使用するエッチング液に
おける硫酸と塩酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)
を0.5〜15の範囲としたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミ電解コンデン
サ用電極箔のエッチング方法に関するものである。
サ用電極箔のエッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミ電解コンデンサ用電極箔
は、電解エッチングによってアルミ箔の表面に凹凸をつ
けた後、化成を行うことにより製造している。そして電
解エッチングは、化成皮膜の厚みに応じたピット形状を
得るために、低圧用のアルミ電解コンデンサに使用する
電極箔には交流電解エッチングを行い、一方、高圧用の
アルミ電解コンデンサに使用する電極箔には直流電解エ
ッチングを行っている。
は、電解エッチングによってアルミ箔の表面に凹凸をつ
けた後、化成を行うことにより製造している。そして電
解エッチングは、化成皮膜の厚みに応じたピット形状を
得るために、低圧用のアルミ電解コンデンサに使用する
電極箔には交流電解エッチングを行い、一方、高圧用の
アルミ電解コンデンサに使用する電極箔には直流電解エ
ッチングを行っている。
【0003】この場合、交流電解エッチングにおいて
は、微細なピットが発生するため、表面積を拡大させる
ためには有効であるが、エッチングの進行に伴ってアル
ミ箔表面の腐食が起こり、これにより、有効なピットの
破壊を起こしやすいものである。一方、直流電解エッチ
ングにおいては、トンネル状のピットが発生するため、
アルミ箔表面の腐食は起こりにくいが、ピットが内部に
進行するため、電極箔の強度が弱くなるものである。
は、微細なピットが発生するため、表面積を拡大させる
ためには有効であるが、エッチングの進行に伴ってアル
ミ箔表面の腐食が起こり、これにより、有効なピットの
破壊を起こしやすいものである。一方、直流電解エッチ
ングにおいては、トンネル状のピットが発生するため、
アルミ箔表面の腐食は起こりにくいが、ピットが内部に
進行するため、電極箔の強度が弱くなるものである。
【0004】このような両者の問題点を補うエッチング
方法として、例えば、特公昭54−40379号公報に
示されているように、前段で直流電解エッチングを行
い、次段で交流電解エッチングを行うエッチング方法が
知られている。このエッチング方法における直流電解エ
ッチングで使用するエッチング液としては、塩酸濃度
0.5〜2.5規定、硝酸濃度0.01〜0.3規定、
リン酸濃度0.005〜0.5規定、硫酸イオン濃度1
0〜2000ppmの液組成で塩酸濃度が他の酸、特に
硫酸濃度に比べて高いエッチング液を使用し、かつ交流
電解エッチングの電気量は直流電解エッチングの電気量
1に対し、3.1以上30以下となるようにしているも
のである。
方法として、例えば、特公昭54−40379号公報に
示されているように、前段で直流電解エッチングを行
い、次段で交流電解エッチングを行うエッチング方法が
知られている。このエッチング方法における直流電解エ
ッチングで使用するエッチング液としては、塩酸濃度
0.5〜2.5規定、硝酸濃度0.01〜0.3規定、
リン酸濃度0.005〜0.5規定、硫酸イオン濃度1
0〜2000ppmの液組成で塩酸濃度が他の酸、特に
硫酸濃度に比べて高いエッチング液を使用し、かつ交流
電解エッチングの電気量は直流電解エッチングの電気量
1に対し、3.1以上30以下となるようにしているも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特公昭54−40379号公報に示される直流電解エ
ッチングで使用するエッチング液は、塩酸濃度が他の
酸、特に硫酸濃度に比べて高いため、トンネル状のピッ
トの開始点が集中してしまい、これにより、次段の交流
電解エッチングで生成されるピットの破壊が起こりやす
くなって静電容量が大きくならないという問題点を有し
ていた。
た特公昭54−40379号公報に示される直流電解エ
ッチングで使用するエッチング液は、塩酸濃度が他の
酸、特に硫酸濃度に比べて高いため、トンネル状のピッ
トの開始点が集中してしまい、これにより、次段の交流
電解エッチングで生成されるピットの破壊が起こりやす
くなって静電容量が大きくならないという問題点を有し
ていた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、静電容量、強度ともすぐれたものが得られるアルミ
電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法を提供するこ
とを目的とするものである。
で、静電容量、強度ともすぐれたものが得られるアルミ
電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング
方法は、アルミ箔を交流電解エッチングする前に、直流
電解エッチングを行うエッチング方法において、前記直
流電解エッチングで使用するエッチング液における硫酸
と塩酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)を0.5〜
15の範囲としたもので、このエッチング方法によれ
ば、静電容量、強度ともすぐれたものが得られるもので
ある。
に本発明のアルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング
方法は、アルミ箔を交流電解エッチングする前に、直流
電解エッチングを行うエッチング方法において、前記直
流電解エッチングで使用するエッチング液における硫酸
と塩酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)を0.5〜
15の範囲としたもので、このエッチング方法によれ
ば、静電容量、強度ともすぐれたものが得られるもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、アルミ箔を交流電解エッチングする前に、直流電解
エッチングを行うエッチング方法において、前記直流電
解エッチングで使用するエッチング液における硫酸と塩
酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)を0.5〜15
の範囲としたもので、前記硫酸と塩酸の濃度比が0.5
以下の場合は、トンネル状のピットの開始点が集中する
ため、次段の交流電解エッチングで生成されるピットの
破壊が起こりやすくなって静電容量は大きくならない
が、濃度比が0.5以上になって硫酸の割合が増加して
くるとトンネル状のピットの開始点が分散されて十分な
間隔が得られるため、次段の交流電解エッチングで生成
されるピットの破壊は起こりにくくなって静電容量は大
きくなる。しかし、濃度比が15以上になると、塩酸濃
度が低い場合は、トンネル状のピットの開始点は分散さ
れるがピット数が減少するため、ピットが内部深くに進
行して電極箔の強度を弱くする。塩酸濃度が高い場合
は、全酸濃度が高くなるため、化学溶解が急激に進行し
てピットの貫通が起こるものであり、したがって、直流
電解エッチングで使用するエッチング液における硫酸と
塩酸の濃度比は0.5〜15の範囲が好ましいものであ
る。
は、アルミ箔を交流電解エッチングする前に、直流電解
エッチングを行うエッチング方法において、前記直流電
解エッチングで使用するエッチング液における硫酸と塩
酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)を0.5〜15
の範囲としたもので、前記硫酸と塩酸の濃度比が0.5
以下の場合は、トンネル状のピットの開始点が集中する
ため、次段の交流電解エッチングで生成されるピットの
破壊が起こりやすくなって静電容量は大きくならない
が、濃度比が0.5以上になって硫酸の割合が増加して
くるとトンネル状のピットの開始点が分散されて十分な
間隔が得られるため、次段の交流電解エッチングで生成
されるピットの破壊は起こりにくくなって静電容量は大
きくなる。しかし、濃度比が15以上になると、塩酸濃
度が低い場合は、トンネル状のピットの開始点は分散さ
れるがピット数が減少するため、ピットが内部深くに進
行して電極箔の強度を弱くする。塩酸濃度が高い場合
は、全酸濃度が高くなるため、化学溶解が急激に進行し
てピットの貫通が起こるものであり、したがって、直流
電解エッチングで使用するエッチング液における硫酸と
塩酸の濃度比は0.5〜15の範囲が好ましいものであ
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、直流電解エッチ
ングにおける直流の電流密度を0.3〜0.6A/cm2
の範囲としたもので、電流密度が0.3A/cm2以下の
場合は、発生するとピットの数が少なく、かつピットの
開始点の分散も悪いが、電流密度が0.3A/cm2以上
に増加すると発生するピットの数も増加し、かつピット
の開始点の分散も良好となるため、静電容量は大きくな
る。しかし、電流密度が0.6A/cm2以上になると、
発生するピットの数が増加し過ぎてピットの間隔が狭く
なるため、次段の交流電解エッチングで生成されるピッ
トの破壊が起こりやすくなって静電容量は大きくならな
いものであり、したがって、直流電解エッチングにおけ
る直流の電流密度は0.3〜0.6A/cm2の範囲が好
ましいものである。
ングにおける直流の電流密度を0.3〜0.6A/cm2
の範囲としたもので、電流密度が0.3A/cm2以下の
場合は、発生するとピットの数が少なく、かつピットの
開始点の分散も悪いが、電流密度が0.3A/cm2以上
に増加すると発生するピットの数も増加し、かつピット
の開始点の分散も良好となるため、静電容量は大きくな
る。しかし、電流密度が0.6A/cm2以上になると、
発生するピットの数が増加し過ぎてピットの間隔が狭く
なるため、次段の交流電解エッチングで生成されるピッ
トの破壊が起こりやすくなって静電容量は大きくならな
いものであり、したがって、直流電解エッチングにおけ
る直流の電流密度は0.3〜0.6A/cm2の範囲が好
ましいものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、直流電解エッチ
ングにおける直流の印加時間を10〜50秒の範囲とし
たもので、直流電解エッチングにおける直流の印加時間
が10秒以下の場合は、トンネル状のピットが十分に成
長しないため、静電容量の効果が表われにくいが、印加
時間が10秒以上になってくるとトンネル状のピットが
成長してくるため、表面積も十分に拡大されることにな
り、これにより、次段の交流電解エッチングで生成され
るピットの破壊も起こりにくくなって静電容量は大きく
なる。しかし、印加時間が50秒以上になると、トンネ
ル状のピットが内部深くに進行して電極箔の強度を弱く
するものであり、したがって、直流電解エッチングにお
ける直流の印加時間は10〜50秒の範囲が好ましいも
のである。
ングにおける直流の印加時間を10〜50秒の範囲とし
たもので、直流電解エッチングにおける直流の印加時間
が10秒以下の場合は、トンネル状のピットが十分に成
長しないため、静電容量の効果が表われにくいが、印加
時間が10秒以上になってくるとトンネル状のピットが
成長してくるため、表面積も十分に拡大されることにな
り、これにより、次段の交流電解エッチングで生成され
るピットの破壊も起こりにくくなって静電容量は大きく
なる。しかし、印加時間が50秒以上になると、トンネ
ル状のピットが内部深くに進行して電極箔の強度を弱く
するものであり、したがって、直流電解エッチングにお
ける直流の印加時間は10〜50秒の範囲が好ましいも
のである。
【0011】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)厚さ100μm、純度99.98%の
アルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶液からなるエ
ッチング液中で交流を用いて電解エッチングする前に、
塩酸濃度が3wt%である液温80℃のエッチング液中
で電流密度が0.4A/cm2の直流を用い、この直流を
20秒印加して直流電解エッチングを行った。
る。 (実施の形態1)厚さ100μm、純度99.98%の
アルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶液からなるエ
ッチング液中で交流を用いて電解エッチングする前に、
塩酸濃度が3wt%である液温80℃のエッチング液中
で電流密度が0.4A/cm2の直流を用い、この直流を
20秒印加して直流電解エッチングを行った。
【0012】(表1)は塩酸濃度が3wt%である液温
80℃のエッチング液における硫酸と塩酸の濃度比を
0,0.5,1,5,10,15,16という具合に変
えて直流電解エッチングを行い、そしてこれらのアルミ
箔について、特公昭54−40379号公報に示された
エッチング液で直流電解エッチングを行った時のアルミ
箔の静電容量、強度を1としたときの静電容量比、強度
比の相対比を測定した結果を示したものである。
80℃のエッチング液における硫酸と塩酸の濃度比を
0,0.5,1,5,10,15,16という具合に変
えて直流電解エッチングを行い、そしてこれらのアルミ
箔について、特公昭54−40379号公報に示された
エッチング液で直流電解エッチングを行った時のアルミ
箔の静電容量、強度を1としたときの静電容量比、強度
比の相対比を測定した結果を示したものである。
【0013】
【表1】
【0014】(表1)から明らかなように、直流電解エ
ッチングで使用するエッチング液における硫酸と塩酸の
濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)は0.5〜15の範
囲内において静電容量比、強度比ともすぐれたものが得
られるものである。なお、硫酸と塩酸の濃度比が15を
越えて16になると、化学溶解が急速に進行して安定し
たエッチングができなくなるものである。
ッチングで使用するエッチング液における硫酸と塩酸の
濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)は0.5〜15の範
囲内において静電容量比、強度比ともすぐれたものが得
られるものである。なお、硫酸と塩酸の濃度比が15を
越えて16になると、化学溶解が急速に進行して安定し
たエッチングができなくなるものである。
【0015】(実施の形態2)厚さ100μm、純度9
9.98%のアルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶
液からなるエッチング液中で交流を用いて電解エッチン
グする前に、塩酸濃度が3wt%で、硫酸と塩酸の濃度
比が10である液温80℃のエッチング液中で直流の電
気量を8C/cm2にして直流電解エッチングを行った。
9.98%のアルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶
液からなるエッチング液中で交流を用いて電解エッチン
グする前に、塩酸濃度が3wt%で、硫酸と塩酸の濃度
比が10である液温80℃のエッチング液中で直流の電
気量を8C/cm2にして直流電解エッチングを行った。
【0016】(表2)は上記直流電解エッチングにおけ
る直流の電流密度(A/cm2)を0.2,0.3,0.
4,0.5,0.6,0.7という具合に変えて直流電
解エッチングを行い、そしてこれらのアルミ箔につい
て、特公昭54−40379号公報に示されたエッチン
グ液で直流電解エッチングを行った時のアルミ箔の静電
容量、強度を1としたときの静電容量比、強度比の相対
比を測定した結果を示したものである。
る直流の電流密度(A/cm2)を0.2,0.3,0.
4,0.5,0.6,0.7という具合に変えて直流電
解エッチングを行い、そしてこれらのアルミ箔につい
て、特公昭54−40379号公報に示されたエッチン
グ液で直流電解エッチングを行った時のアルミ箔の静電
容量、強度を1としたときの静電容量比、強度比の相対
比を測定した結果を示したものである。
【0017】
【表2】
【0018】(表2)から明らかなように、直流電解エ
ッチングにおける直流の電流密度は0.3〜0.6A/
cm2の範囲内において静電容量比、強度比ともすぐれた
ものが得られるものである。なお、電流密度が0.7A
/cm2になると、強度比は問題ないが、静電容量比が1
以下となるものである。
ッチングにおける直流の電流密度は0.3〜0.6A/
cm2の範囲内において静電容量比、強度比ともすぐれた
ものが得られるものである。なお、電流密度が0.7A
/cm2になると、強度比は問題ないが、静電容量比が1
以下となるものである。
【0019】(実施の形態3)厚さ100μm、純度9
9.98%のアルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶
液からなるエッチング液中で交流を用いて電解エッチン
グする前に、塩酸濃度が3wt%で、硫酸と塩酸の濃度
比が10である液温80℃のエッチング液中で電流密度
が0.4A/cm2の直流を印加して直流電解エッチング
を行った。
9.98%のアルミ箔を、塩酸濃度が10wt%の水溶
液からなるエッチング液中で交流を用いて電解エッチン
グする前に、塩酸濃度が3wt%で、硫酸と塩酸の濃度
比が10である液温80℃のエッチング液中で電流密度
が0.4A/cm2の直流を印加して直流電解エッチング
を行った。
【0020】(表3)は上記直流電解エッチングにおけ
る直流の印加時間を5秒,10秒,20秒,50秒,6
0秒という具合に変えて直流電解エッチングを行い、そ
してこれらのアルミ箔について、特公昭54−4037
9号公報に示されたエッチング液で直流電解エッチング
を行った時のアルミ箔の静電容量、強度を1としたとき
の静電容量比、強度比の相対比を測定した結果を示した
ものである。
る直流の印加時間を5秒,10秒,20秒,50秒,6
0秒という具合に変えて直流電解エッチングを行い、そ
してこれらのアルミ箔について、特公昭54−4037
9号公報に示されたエッチング液で直流電解エッチング
を行った時のアルミ箔の静電容量、強度を1としたとき
の静電容量比、強度比の相対比を測定した結果を示した
ものである。
【0021】
【表3】
【0022】(表3)から明らかなように、直流電解エ
ッチングにおける直流の印加時間は10〜50秒の範囲
内において静電容量比、強度比ともすぐれたものが得ら
れるものである。なお、直流の印加時間が60秒になる
と、静電容量比は問題ないが、強度比が1以下となるも
のである。
ッチングにおける直流の印加時間は10〜50秒の範囲
内において静電容量比、強度比ともすぐれたものが得ら
れるものである。なお、直流の印加時間が60秒になる
と、静電容量比は問題ないが、強度比が1以下となるも
のである。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサ用電極箔のエッチング方法は、アルミ箔を交流電解
エッチングする前に、直流電解エッチングを行うエッチ
ング方法において、前記直流電解エッチングで使用する
エッチング液における硫酸と塩酸の濃度比(硫酸wt%
/塩酸wt%)を0.5〜15の範囲としたもので、前
記硫酸と塩酸の濃度比が0.5以下の場合は、トンネル
状のピットの開始点が集中するため、次段の交流電解エ
ッチングで生成されるピットの破壊が起こりやすくなっ
て静電容量は大きくならないが、濃度比が0.5以上に
なって硫酸の割合が増加してくるとトンネル状のピット
の開始点が分散されて十分な間隔が得られるため、次段
の交流電解エッチングで生成されるピットの破壊は起こ
りにくくなって静電容量は大きくなる。しかし、濃度比
が15以上になると、塩酸濃度が低い場合は、トンネル
状のピットの開始点は分散されるがピット数が減少する
ため、ピットが内部深くに進行して電極箔の強度を弱く
する。塩酸濃度が高い場合は、全酸濃度が高くなるた
め、化学溶解が急激に進行してピットの貫通が起こるも
のであり、したがって、直流電解エッチングで使用する
エッチング液における硫酸と塩酸の濃度比を0.5〜1
5の範囲とすることにより、静電容量、強度ともすぐれ
たアルミ電解コンデンサ用電極箔を得ることができるも
のである。
ンサ用電極箔のエッチング方法は、アルミ箔を交流電解
エッチングする前に、直流電解エッチングを行うエッチ
ング方法において、前記直流電解エッチングで使用する
エッチング液における硫酸と塩酸の濃度比(硫酸wt%
/塩酸wt%)を0.5〜15の範囲としたもので、前
記硫酸と塩酸の濃度比が0.5以下の場合は、トンネル
状のピットの開始点が集中するため、次段の交流電解エ
ッチングで生成されるピットの破壊が起こりやすくなっ
て静電容量は大きくならないが、濃度比が0.5以上に
なって硫酸の割合が増加してくるとトンネル状のピット
の開始点が分散されて十分な間隔が得られるため、次段
の交流電解エッチングで生成されるピットの破壊は起こ
りにくくなって静電容量は大きくなる。しかし、濃度比
が15以上になると、塩酸濃度が低い場合は、トンネル
状のピットの開始点は分散されるがピット数が減少する
ため、ピットが内部深くに進行して電極箔の強度を弱く
する。塩酸濃度が高い場合は、全酸濃度が高くなるた
め、化学溶解が急激に進行してピットの貫通が起こるも
のであり、したがって、直流電解エッチングで使用する
エッチング液における硫酸と塩酸の濃度比を0.5〜1
5の範囲とすることにより、静電容量、強度ともすぐれ
たアルミ電解コンデンサ用電極箔を得ることができるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミ箔を交流電解エッチングする前
に、直流電解エッチングを行うエッチング方法におい
て、前記直流電解エッチングで使用するエッチング液に
おける硫酸と塩酸の濃度比(硫酸wt%/塩酸wt%)
を0.5〜15の範囲としたことを特徴とするアルミ電
解コンデンサ用電極箔のエッチング方法。 - 【請求項2】 直流電解エッチングにおける直流の電流
密度を0.3〜0.6A/cm2の範囲とした請求項1に
記載のアルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方
法。 - 【請求項3】 直流電解エッチングにおける直流の印加
時間を10〜50秒の範囲とした請求項1に記載のアル
ミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2492197A JPH10223484A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2492197A JPH10223484A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10223484A true JPH10223484A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=12151613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2492197A Pending JPH10223484A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10223484A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008192647A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法 |
-
1997
- 1997-02-07 JP JP2492197A patent/JPH10223484A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008192647A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法 |
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