JPH10223397A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH10223397A
JPH10223397A JP9023835A JP2383597A JPH10223397A JP H10223397 A JPH10223397 A JP H10223397A JP 9023835 A JP9023835 A JP 9023835A JP 2383597 A JP2383597 A JP 2383597A JP H10223397 A JPH10223397 A JP H10223397A
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liquid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空容器の内部に誘電体部品の位置から高周
波電力を導入してプラズマ処理を実行する場合に、誘電
体部品の温度変化によるプラズマ処理の特性の劣化を防
止する。 【解決手段】 誘電体部品3の外面の全域と接触する位
置に液体保持容器22で絶縁生の液体27を保持し、こ
の液体27を温度調整手段26で温度制御することによ
り、誘電体部品3の全体を良好に温度制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に関し、特に真空容器の一部を誘電体部品により構成
し、この誘電体部品を介して高周波電力を真空容器内に
導入し、発生したプラズマを用いて処理を行うプラズマ
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被処理体のプラズマ処理にはプラ
ズマ処理装置が利用されている。一般的なプラズマ処理
装置は真空容器を具備しており、その内部に被処理体を
配置してプラズマを発生させる。
【0003】このようなプロセス処理装置では、真空容
器の温度を制御することが重要である。つまり、プラズ
マ処理装置では、発生したプラズマが真空容器の内部に
拡散し、被処理体の表面だけでなく真空容器の内面にも
接触する。すると、プラズマと真空容器の内面との相互
作用により、再現性の低下やパーティクルの発生が引き
起こされる。
【0004】すなわち、プラズマ中で発生した活性種が
真空容器の内面を腐食すると、真空容器の内面材料であ
る金属がプラズマ中に放出され、汚染を引き起こすだけ
でなくプラズマ状態の変動も引き起こすこととなる。こ
れに対し、活性種による腐食から真空容器を保護するた
めに、プラズマ中の反応生成物を真空容器内に堆積させ
る方法もある。
【0005】しかしながら、プラズマ中の活性種がチャ
ンバの内面に堆積すると、その表面状態が経時変化して
プラズマ消失過程が変化するため、本体プラズマの構成
まで変動することとなる。また、プラズマ処理を繰り返
すことにより、プラズマのオンオフが繰り返されて真空
容器内の温度が変化することになり、熱応力により堆積
物が剥離してゴミが発生することになる。特に、真空容
器の内面に石英等の誘電体が利用されている場合には、
プラズマの照射により温度が上昇するので、上述のよう
な問題が顕著となる。
【0006】上述のような課題を解決するため、従来の
プラズマ処理装置では、真空容器の内面温度を一定に維
持するための工夫がなされている。例えば、特開平5−
94971号公報に記載された装置は、真空容器に加熱
機構を付加している。つまり、真空容器の側壁を中空構
造として内部に熱水を導入し、この熱水を循環制御する
ことにより真空容器の内面の温度をコントロールしてい
る。
【0007】このような方式は、平行平板型のプラズマ
処理装置の様に真空容器が金属のみで形成されている場
合には有効であるが、マイクロ波を用いたプラズマ処理
装置や誘導結合型のプラズマ処理装置では、高周波電力
を真空容器の内部に導入するために石英等の誘電体部品
で大面積のウインドウが設けられている。これに対し、
特開昭62−216333号公報には、マイクロ波型の
プラズマ処理装置において、誘電体部品に冷却板を接離
させることにより温度制御を行うことが開示されてい
る。
【0008】これと類似したプラズマ処理装置を第一の
従来例として図3を参照して以下に説明する。なお、図
3はプラズマ処理装置の構造を示す模式図である。ま
ず、ここで例示するプラズマ処理装置1は、図3に示す
ように、真空容器としてチャンバ2を具備しており、そ
の上面が平板状の誘電体部品3で形成されている。この
誘電体部品3には、誘電体線路4が対向配置されてお
り、この誘電体線路4に高周波回路(図示せず)が接続さ
れることで、高周波放出機構が形成されている。前記誘
電体部品3に接触する位置にヒータ5が設けられてお
り、このヒータ5に駆動回路(図示せず)が接続されてい
る。
【0009】前記チャンバ2の内部には保持台6が配置
されており、この保持台6上に被処理体7が載置され
る。前記チャンバ2は、ガスボンベ(図示せず)が配管さ
れており、このガスボンベには、例えば、塩素ガス等の
反応ガスが所定の気圧で封入されている。
【0010】上述のような構造のプラズマ処理装置1で
は、高周波電力であるマイクロ波を誘電体線路4により
伝送し、誘電体部品3を通してチャンバ2中に導入す
る。このとき、誘電体線路4に導入されたマイクロ波は
線路内で拡散し、導入側とは反対の端部で反射されて入
射波と干渉することにより定材波を形成する。このマイ
クロ波は誘電体線路4から徐々にしみ出し、誘電体部品
3を透過してチャンバ2の内部に導入されるので、この
チャンバ2内の反応ガスが励起されてプラズマが発生す
る。
【0011】このとき、誘電体部品3の内面の温度をチ
ャンバ2と同一にするため、ヒータ5を発熱させて誘電
体部品3の温度を調整する。同様な構造は、容量結合型
のアンテナを使用したプラズマ処理装置でも実施されて
いる。このようなプラズマ処理装置11では、図4に示
すように、誘電体部品3上に高周波を放出するアンテナ
12が直接に設置されており、このアンテナ12に高周
波電源13が接続されることで高周波放出機構14が形
成されている。このプラズマ処理装置11でも、誘電体
部品3にヒータ5が設けられており、このヒータ5によ
り誘電体部品3の温度を制御する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開昭62−
21633号公報のプラズマ処理装置では、誘電体部品
の温度を制御するために冷却板を接離させる構造となっ
ており、上述したプラズマ処理装置1,11では、誘電
体部品3と接触する位置にヒータ5を設けている。
【0013】しかし、実際には上述のような構造で石英
ウインドウの内面をチャンバと同一に制御することは困
難である。まず、第一の課題は、温度の制御性が低いこ
とである。
【0014】特開昭62−21633号公報のプラズマ
処理装置では、マイクロ波透過用の石英ウインドウに冷
却板を接離させて温度制御を行っているが、上記公報の
装置では、石英ウインドウの中央部のみに冷却板を接触
させている。このように石英ウインドウの外面の一部に
冷却板を接触させても、常にプラズマに曝されて熱量が
流入する石英ウインドウの内面の温度を一定に維持する
ことは困難である。
【0015】特に、石英は熱抵抗が大きく、上記公報の
装置の場合は石英の板厚が12mmもあるため、上述の
ような構造で石英ウインドウの全域を良好に温度制御す
ることは極めて困難である。例えば、冷却板を石英ウイ
ンドウと同一のサイズとし、石英ウインドウの外面の全
域に冷却板を接触させることは可能であるが、その場合
でも冷却板の接離で石英ウインドウを所望の温度に制御
することは困難である。
【0016】その点、前述したプラズマ処理装置1,1
1のように、誘電体部品3に接触する位置にヒータ5を
設けた構造では、電力の調節によりヒータ5の温度を制
御することは容易である。しかし、前述したプラズマ処
理装置1,11のように、ヒータ5を誘電体部品3の端
部に接触する位置に配置したのでは、誘電体部品3の全
域を良好に温度制御することは困難であり、誘電体部品
3の全域にヒータ5を設けるとマイクロ波の透過が困難
となる。
【0017】また、前述のように石英ウインドウに冷却
板を接触させる構造では、石英ウインドウを冷却するこ
とはできるが加熱することはできず、誘電体部品3にヒ
ータ5を設けた構造では、誘電体部品3を加熱すること
はできるが冷却することができない。
【0018】本発明は上述のような課題に鑑みてなされ
たものであり、高周波電力を透過させる誘電体部品を真
空容器の少なくとも一部として形成した構造において、
誘電体部品の内面の温度を良好に制御することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、被処理体が内
部に配置される真空容器の少なくとも一部を誘電体部品
により形成して高周波放出機構を連結し、該高周波放出
機構が放出する高周波電力を前記誘電体部品から前記真
空容器の内部に導入し、該真空容器の内部にプラズマを
発生させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置に
おいて、前記誘電体部品の外面の全域に温度制御された
絶縁性の液体が接触している。または、絶縁性の液体を
前記誘電体部品の外面の全域と接触する位置に保持する
液体保持容器を設け、該液体保持容器内の液体を温度制
御する温度調整手段を設けた。
【0020】従って、誘電体部品の外面の全域に接触す
る絶縁性の液体が温度調整手段により温度制御されるの
で、誘電体部品の全体が高効率に温度制御される。
【0021】なお、本発明で云う誘電体部品の外面と
は、誘電体部品の真空容器の外側に露出している部分の
表面を意味しており、真空容器の内側に位置する部分の
面や、真空容器の構造部品に接合されている部分の面は
含まない。
【0022】また、絶縁性の液体は、誘電体部品などを
腐食することなく熱量を良好に交換する媒体であれば良
く、例えば、芳香族の炭化水素系の合成油が利用でき、
特に、温度制御として加熱も行う場合にはシリコンオイ
ルが好適である。このシリコンオイルとしては、ジメチ
ルシロキサンやフェニルポリシロキサンなどが利用でき
るが、循環の抵抗となる粘度を考慮するとジメチルシロ
キサンが好適である。
【0023】温度調整手段の温度制御により液体を自然
循環させることも可能であるが、誘電体部品の温度を良
好に制御するためには液体を強制的に循環させる液体循
環手段を設けることが好適である。このような液体循環
手段としては、歯車ポンプやスクリューポンプなど、液
体を強制的に循環させる各種装置を許容する。
【0024】温度調整手段としては、液体の温度を制御
するものであれば良く、例えば、液体を加熱する加熱装
置や液体を冷却する冷却装置を許容する。特に、これら
の両方を具備すれば、誘電体部品を加熱も冷却もできる
ので好適である。
【0025】このように制御する液体の温度は、プラズ
マ処理の目的や液体および誘電体部品の熱伝導率など各
種条件を考慮して設定されるが、半導体素子の作成に利
用される1010〜1012個/cm3程度の密度のプラズマ
の場合、真空容器内に位置する石英等の誘電体部品がプ
ラズマに加熱されて100〜300℃の範囲まで温度上
昇する。すなわち、プラズマのオンオフが繰り返される
プラズマ処理装置では、誘竃体部品の温度が100℃以
上、望ましくは200℃以上300℃以下となるように
設定することが好適である。
【0026】このように誘電体部品の温度を所定範囲に
制御するためには、誘電体部品の温度を測定する温度測
定手段を設け、その測定された温度に対応して温度調整
手段を動作制御する動作制御手段を設け、誘電体部品の
温度に対応して液体の温度をフィードバック制御するこ
とが好適である。
【0027】特に、誘電体部品の温度制御の目的が真空
容器の内部でのプラズマ処理を良好に実行させることで
あることを考慮すると、上述のような温度測定手段は、
誘電体部品の内面の温度を測定することが好適である。
なお、このような温度測定手段としては、熱電対などの
温度センサや蛍光温度計などを許容する。
【0028】温度測定手段は、プラズマ照射の直接的な
影響を避けるために、測定対象である誘電体部品に凹部
を形成してプラズマが照射される内面近傍に配置し、誘
電体部品の内面の温度を良好に反映した温度を測定する
ことが好適である。また、高周波による撹乱を防止する
ためには、光ファイバ式の蛍光温度計を利用することが
好適である。動作制御手段としては、適正なプログラム
が実装されたマイクロプロセッサなどを許容する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1を参
照して以下に説明する。なお、図1は本実施の形態のプ
ラズマ処理装置を示す模式的な断面図である。
【0030】本実施の形態のプラズマ処理装置21も、
前述したプラズマ処理装置1と同様に、真空容器である
チャンバ2の上面が平板状の誘電体部品3で形成されて
おり、これに高周波放出機構の誘電体線路4が対向配置
されている。しかし、本実施の形態のプラズマ処理装置
21では、前記誘電体部品3と前記誘電体線路4との間
隙の部分が密閉されており、この部分が液体保持容器で
あるオイル保持部22として形成されている。
【0031】このオイル保持部22には、入口23と出
口24とが形成されており、これらに液体循環手段であ
るオイル循環機25と温度調整手段であるオイル温調機
26とが順番に配管されている。これらも所定の容器を
具備しており、前記オイル保持部22とともに絶縁性の
液体として絶縁オイル27が充填されている。
【0032】前記オイル循環機25は、例えば、歯車ポ
ンプからなり、前記絶縁オイル27を前記オイル温調機
26と前記オイル保持部22とに強制的に循環させる。
前記オイル温調機26には、加熱装置28と冷却装置2
9とが内蔵されており、前記絶縁オイル27の温度を制
御する。
【0033】前記誘電体部品3には、側面から内面の近
傍まで凹穴が形成されており、この凹穴の内部に温度測
定手段である熱電対等の温度センサ30が配置されてい
る。この温度センサ30は動作制御手段であるマイクロ
プロセッサ31に接続されており、このマイクロプロセ
ッサ31が、前記オイル温調機26に接続されている。
【0034】前記マイクロプロセッサ31は、適正なプ
ログラムがソフトウェアとして事前にインストールされ
ており、これに対応した処理動作として、前記温度セン
サ28が測定する前記誘電体部品3の内面の温度に対応
して前記オイル温調機26を動作制御する。
【0035】なお、このオイル温調機26は前記オイル
保持部22の入口23の近傍に配置されており、前記温
度センサ30は前記オイル保持部22の出口24の近傍
に配置されている。
【0036】上述のような構成において、本実施の形態
のプラズマ処理装置21も、前述したプラズマ処理装置
1と同様に被処理体7をプラズマ処理する。つまり、高
周波電力であるマイクロ波を誘電体線路4により伝送
し、誘電体部品3を通してチャンバ2中に導入する。こ
のとき、誘電体線路4に導入されたマイクロ波は線路内
で拡散し、導入側とは反対の端部で反射されて入射波と
干渉することにより定材波を形成する。このマイクロ波
は誘電体線路4から徐々にしみ出し、誘電体部品3を透
過してチャンバ2の内部に導入されるので、このチャン
バ2内の反応ガスが励起されてプラズマが発生する。
【0037】そして、本実施の形態のプラズマ処理装置
21では、上述のようにプラズマ処理を実行する場合、
オイル温調機26が絶縁オイル27の温度をオイル温調
機26が制御し、この温度制御された絶縁オイル27を
オイル循環機25がオイル保持部22に循環させる。こ
のオイル保持部22では絶縁オイル27が誘電体部品3
の外面の全域に接触しているので、誘電体部品3の温度
が全体的に良好に調整される。このため、誘電体部品3
の内面の温度がチャンバ2と同一に維持されるので、プ
ラズマ処理を均一な特性で実行することができる。
【0038】より詳細には、プラズマ処理の最中に誘電
体部品3の内面の温度が変化することを軽減できるの
で、ガスの吸着と脱離のサイクルを抑制してプラズマ処
理のプロセスを安定させることができる。すなわち、プ
ラズマの照射に関わらず、誘電体部品の温度を均一かつ
一定に制御することができ、表面温度により支配される
ガスの吸着脱離課程を安定させることができる。
【0039】また、誘電体部品3の内面のデポジットが
温度変化により剥離することも防止されるので、パーテ
ィクルの発生を防止した状態でプラズマ処理を良好に実
行することができる。
【0040】さらに、本実施の形態のプラズマ処理装置
21では、オイル温調機26が加熱装置28と冷却装置
29との両方を具備しているので、絶縁オイル27の温
度を自在に制御することができ、各種のプラズマ処理を
良好に実行することができる。
【0041】また、誘電体部品3の内面の温度が温度セ
ンサ30により測定され、このように測定された温度に
対応してマイクロプロセッサ31によりオイル温調機2
6が動作制御されるので、誘電体部品3の内面を所望の
温度に良好にフィードバック制御することができる。
【0042】しかも、オイル温調機26がオイル保持部
22の入口23の近傍に配置されているので、温度制御
された絶縁オイル27を誘電体部品3の位置に迅速に供
給することができる。また、温度センサ30がオイル保
持部22の出口24の近傍に配置されているので、絶縁
オイル27により制御された誘電体部品3の最終的な温
度を良好に測定することができる。
【0043】ここで、上述のようなプラズマ処理装置2
1の各部の具体例を以下に説明する。まず、誘電体部品
3としては、機械的強度と耐熱性に優れる石英板を用い
る。この誘電体部品3は、チャンバ2の構造壁としての
役割も果たしているので、1〜1.5cm程度の板厚が
必要である。誘電体線路4としては、ポリテトラフルオ
ロエチレンの樹脂板が用いられる。ポリテトラフルオロ
エチレンは加工が容易で耐熱性も高いので、誘電体線路
4を形成するのに適している。
【0044】プラズマ処理のマイクロ波としては、2.
45GHzの周波数が用いられる。絶縁オイル27とし
ては、芳香族の炭化水素系の合成油が利用できるが、こ
こでは加熱の場合も想定されるので、シリコンオイルが
好適である。つまり、シリコンオイルは、温度変化によ
る変質や経時劣化も少なく、誘電体部品3などを腐食す
ることもなく、熱伝導率や粘度も適当である。シリコン
オイルとしては、ジメチルシロキサンやフェニルポリシ
ロキサンが知られているが、現在、変圧器に広く用いら
れるジメチルシロキサンが、粘度の点で循環方式に適し
ている。
【0045】上述のように構成したプラズマ処理装置2
1において、プラズマ処理により被処理体7の表面から
レジストを剥離させることを想定する。その場合、例え
ば、チャンバ2内に反応ガスとして酸素ガスを導入し、
そのガス圧力を1Torrと設定する。このとき、マイ
クロ波の電力を1kWとすると、プラズマが照射される
誘電体部品3の真空側の内面の温度は、オイル温調機2
6による温度調整を行わないと150℃に達する。
【0046】上述のような場合、例えば、従来例のヒー
タ加熱式のプラズマ処理装置1ならば、誘電体部品3の
内面に±70℃の温度分布が発生する。しかし、本実施
の形態のプラズマ処理装置21では、オイル温調機26
により100℃以上、望ましくは150℃±10℃の温
度コントロールを実施することにより、誘電体部品3の
内面の全域を150℃±10℃の温度に維持することが
できる。
【0047】つまり、従来では±70℃であった誘電体
部品3の内面の温度分布を±20℃の範囲に改善できる
こととなり、従来では処理中の温度が100℃の範囲で
変化したものを30℃の変動範囲に低減することができ
る。
【0048】このため、本実施の形態のプラズマ処理装
置21では、プラズマ処理の特性を安定させることがで
き、被処理体7を良好にプラズマ処理することができ
る。さらに、誘電体部品3の内面に付着したデポジット
が温度の不均一により剥離することも防止できるので、
パーティクルの発生による被処理体7の汚染も防止する
ことができる。
【0049】つぎに、本発明の実施の第二の形態を図2
を参照して以下に説明する。なお、図2はプラズマ処理
装置を示す模式的な断面図である。
【0050】本実施の形態のプラズマ処理装置41は、
前述した第二の従来例のプラズマ処理装置11と同様
に、誘電体部品3の外面にアンテナ12が設けられてい
るが、前述した実施の第一の形態のプラズマ処理装置2
1と同様に、この部分がオイル保持部22として形成さ
れている。そして、このオイル保持部22にオイル循環
機25とオイル温調機26とが配管されており、誘電体
部品3の凹穴の内部に配置された温度センサ30が、オ
イル温調機26を動作制御するマイクロプロセッサ31
に接続されている。
【0051】上述のような構成において、本実施の形態
のプラズマ処理装置41も、前述したプラズマ処理装置
11と同様にプラズマ処理を実行することができ、前述
したプラズマ処理装置21と同様に誘電体部品3の温度
を制御することができるので、プラズマ処理を安定して
実行することができる。
【0052】ここで、上述のようなプラズマ処理装置4
1の各部の具体例を以下に説明する。なお、前述したプ
ラズマ処理装置21と同一の部分は説明を省略する。ま
ず、上述の高周波には、13.56MHzの周波数が用
いられる。アンテナ12としては、銅製の板が用いられ
る。銅板は、加工が容易で耐熱性も高いので、プラズマ
処理装置41のアンテナ12を形成するのに適してい
る。
【0053】上述のように構成したプラズマ処理装置4
1において、プラズマ処理として被処理体7の表面のシ
リコンのエッチングを想定する。その場合、チャンバ2
内に反応ガスとして塩素ガスを導入し、そのガス圧力を
20mTorrに設定する。被処理体7に5MHzの高
周波で100Wのバイアス電圧を印加する。アンテナに
導入する高周波の電力を2kWととした場合、誘電体部
品3の温調を行わないと、プラズマに照射される真空側
の表面は170℃に達する。
【0054】このような場合、ヒータ加熱式の従来のプ
ラズマ処理装置11では、誘電体部品3の内面に±90
℃の温度分布が発生し、処理中の温度が130℃の範囲
で変化した。しかし、本実施の形態のプラズマ処理装置
41では、オイル温調機26により150℃以上、望ま
しくは180℃±10℃の温度コントロールを実施する
ことにより、誘電体部品3の内面の温度分布が±30℃
の範囲に改善され、処理中の温度変化を30℃の範囲に
抑えることができる。
【0055】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態ではオイル温調機26に加熱
装置28と冷却装置29との両方を設けて各種のプラズ
マ処理に対応できることを例示したが、特定のプラズマ
処理のみ実行するような場合には加熱装置28と冷却装
置29との一方のみを設けることも可能である。
【0056】また、上記形態では温度センサ30で測定
する誘電体部品3の温度に対応してマイクロプロセッサ
31によりオイル温調機26の動作を制御することを例
示したが、例えば、誘電体部品3に許容される温度の範
囲が大きいような場合には、オイル温調機26のみで絶
縁オイル27の温度を一定に制御することも可能であ
る。
【0057】また、温度センサ30で測定する誘電体部
品3の内面の温度に対応してマイクロプロセッサ31に
よりオイル温調機26とともにオイル循環機25の動作
も制御し、より良好に誘電体部品3の温度を制御するよ
うなことも可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0059】請求項1記載の発明は、被処理体が内部に
配置される真空容器の少なくとも一部を誘電体部品によ
り形成して高周波放出機構を連結し、該高周波放出機構
が放出する高周波電力を前記誘電体部品から前記真空容
器の内部に導入し、該真空容器の内部にプラズマを発生
させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置におい
て、前記誘電体部品の外面の全域に温度制御された絶縁
性の液体が接触していることにより、温度制御された液
体が誘電体部品の外面の全域に接触するので、誘電体部
品と液体とで熱交換を高効率に実行することができ、誘
電体部品の内面の全域の温度を良好に制御することがで
き、プラズマ処理を均一な特性で実行することができ
る。
【0060】請求項2記載の発明は、被処理体が内部に
配置される真空容器の少なくとも一部を誘電体部品によ
り形成して高周波放出機構を連結し、該高周波放出機構
が放出する高周波電力を前記誘電体部品から前記真空容
器の内部に導入し、該真空容器の内部にプラズマを発生
させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置におい
て、絶縁性の液体を前記誘電体部品の外面の全域と接触
する位置に保持する液体保持容器を設け、該液体保持容
器内の液体を温度制御する温度調整手段を設けたことに
より、液体保持容器の内部に絶縁性の液体を充填した状
態では、誘電体部品の外面の全域に接触する絶縁性の液
体を温度調整手段により温度制御することができるの
で、誘電体部品と液体とで熱交換を高効率に実行するこ
とができ、誘電体部品の内面の全域の温度を良好に制御
することができ、プラズマ処理を均一な特性で実行する
ことができる。
【0061】請求項3記載の発明は、請求項2記載のプ
ラズマ処理装置であって、液体を液体保持容器と温度調
整手段とに強制的に循環させる液体循環手段を設けたこ
とにより、温度制御された液体を誘電体部品の位置に大
量に供給できるので、より高効率に誘電体部品と液体と
の熱交換を実行することができ、誘電体部品の温度を精
度よく制御することができ、さらにプラズマ処理の特性
を向上させることができる。
【0062】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか一記載のプラズマ処理装置であって、誘電体部
品の温度を測定する温度測定手段を設け、その測定され
た温度に対応して温度調整手段を動作制御する動作制御
手段を設けたことにより、誘電体部品の温度に対応して
液体の温度がフィードバック制御されるので、より正確
に誘電体部品の温度を制御することができ、さらにプラ
ズマ処理の特性を向上させることができる。
【0063】請求項5記載の発明は、請求項4記載のプ
ラズマ処理装置であって、温度測定手段は、誘電体部品
の内面の温度を測定することにより、液体の温度のフィ
ードバック制御を誘電体部品の内面の温度に対応させる
ことができるので、より正確に誘電体部品の内面の温度
を制御することができ、さらにプラズマ処理の特性を向
上させることができる。
【0064】請求項6記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか一記載のプラズマ処理装置であって、温度調整
手段は、液体を加熱する加熱装置と冷却する冷却装置と
の両方を具備することにより、誘電体部品の温度を自在
に制御することができるので、各種のプラズマ処理を均
一な特性で実行することができる。
【0065】請求項7記載の発明は、請求項1記載のプ
ラズマ処理装置であって、液体がシリコンオイルである
ことにより、誘電体部品を良好に温度制御することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態のプラズマ処理装置
を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施の第二の形態のプラズマ処理装置
を示す模式的な断面図である。
【図3】一従来例のプラズマ処理装置を示す模式的な断
面図である。
【図4】他の従来例のプラズマ処理装置を示す模式的な
断面図である。
【符号の説明】
2 真空容器であるチャンバ 3 誘電体部品である石英ウインドウ 4 高周波放出機構の一部である誘電体線路 6 保持台 7 被処理体 12 アンテナ 13 高周波電源 14 高周波放出機構 21 プラズマ処理装置 22 液体保持容器であるオイル保持部 23 入口 24 出口 25 液体循環手段であるオイル循環機 26 温度制御手段であるオイル温調機 27 絶縁性の液体である絶縁オイル 28 加熱装置 29 冷却装置 30 温度測定手段である温度センサ 31 動作制御手段であるマイクロプロセッサ 41 プラズマ処理装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体が内部に配置される真空容器の
    少なくとも一部を誘電体部品により形成して高周波放出
    機構を連結し、該高周波放出機構が放出する高周波電力
    を前記誘電体部品から前記真空容器の内部に導入し、該
    真空容器の内部にプラズマを発生させて前記被処理体を
    処理するプラズマ処理装置において、 前記誘電体部品の外面の全域に温度制御された絶縁性の
    液体が接触していることを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  2. 【請求項2】 被処理体が内部に配置される真空容器の
    少なくとも一部を誘電体部品により形成して高周波放出
    機構を連結し、該高周波放出機構が放出する高周波電力
    を前記誘電体部品から前記真空容器の内部に導入し、該
    真空容器の内部にプラズマを発生させて前記被処理体を
    処理するプラズマ処理装置において、 絶縁性の液体を前記誘電体部品の外面の全域と接触する
    位置に保持する液体保持容器を設け、 該液体保持容器内の液体を温度制御する温度調整手段を
    設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 液体を液体保持容器と温度調整手段とに
    強制的に循環させる液体循環手段を設けたことを特徴と
    する請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 誘電体部品の温度を測定する温度測定手
    段を設け、その測定された温度に対応して温度調整手段
    を動作制御する動作制御手段を設けたことを特徴とする
    請求項1ないし3の何れか一記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 温度測定手段は、誘電体部品の内面の温
    度を測定することを特徴とする請求項4記載のプラズマ
    処理装置。
  6. 【請求項6】 温度調整手段は、液体を加熱する加熱装
    置と冷却する冷却装置との両方を具備することを特徴と
    する請求項1ないし3の何れか一記載のプラズマ処理装
    置。
  7. 【請求項7】 液体がシリコンオイルであることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
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