JPH10221555A - 導波路型偏光分離合波素子 - Google Patents

導波路型偏光分離合波素子

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JPH10221555A
JPH10221555A JP2036097A JP2036097A JPH10221555A JP H10221555 A JPH10221555 A JP H10221555A JP 2036097 A JP2036097 A JP 2036097A JP 2036097 A JP2036097 A JP 2036097A JP H10221555 A JPH10221555 A JP H10221555A
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JP
Japan
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thin
plate
waveguide
type
polarization
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JP2036097A
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English (en)
Inventor
Naoto Sugimoto
直登 杉本
Akiyuki Tate
彰之 館
Hideshi Kubota
英志 久保田
Toshihiro Shintaku
敏宏 新宅
Makoto Shimokozono
真 下小園
Haruki Ozawaguchi
治樹 小澤口
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に形成されたクラッドにコア部が埋設
されてなる2本の交差する光導波路の交差部に偏光分離
機能を有する薄板型素子を設置した構成の導波路型偏光
分離合波素子において、入射光の水平偏光成分が1%よ
りも大きな反射率で反射する薄板型偏光分離合波素子を
用いても実用的な特性を獲得する。 【解決手段】 前記薄板型素子が主として反射するよう
に設定されている偏光成分の導波光を透過するとともに
前記薄板型素子が主として反射しないように設定されて
いる偏光成分の導波光は遮断する機能を有する薄板型偏
光子を、前記薄板型素子が主として反射するように設定
されている偏光成分の導波光を出射する出射端か、ある
いは該出射端と前記薄板型素子との間のコア部かに設置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信の分野に用
いられる素子に関するもので、さらに詳しくは、信号光
を互いに垂直な二つの偏光成分に分離したり、互いに垂
直な二つの偏光成分の信号光を一つの合波する導波路型
偏光分離合波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信の大部分の分野では、光ファイバ
ー中で光信号の偏光状態が不規則に変化するため、すべ
ての偏光状態の光信号に対して動作できる偏波無依存型
の光デバイスが用いられる。一つの偏光成分に対しての
み動作できる偏波依存型光デバイスの作製は比較的容易
であることから、偏波無依存型光デバイスの構成として
は、偏光分離合波素子により光信号を互いに垂直な二つ
の偏光成分に分離し、それぞれの偏光成分をこれらそれ
ぞれの偏光成分に対してそれぞれ動作する二つの偏波依
存型光デバイスで処理し、再び偏光分離合波素子で合波
する構成が、一般的である。このため、偏光分離合波素
子は偏波無依存型光デバイスを作製する上で重要な構成
素子である。
【0003】従来の偏光分離合波素子としては、グラム
トムソンプリズム等のプリズム型素子や誘導体多層膜等
の薄板型素子のバルク型偏光分離合波素子が知られてい
る。光通信用光デバイスの光信号の出入射部は光ファイ
バーと接続することが求められる。これらの素子は、バ
ルク型素子であるため、光ファイバーと接続する際にレ
ンズを用いねばならない。そのため、従来の偏光分離合
波素子には、複雑な光軸の調整を必要とするという問題
点があった。
【0004】周知のように、導波路型素子はレンズを用
いることなく直接に光ファイバーに接続できる。このた
め、文献IEEE Photonics Techology Letters,Vol.2,No.
11,p.830-p.831,1990. に開示されているように、導波
路型の偏光分離合波素子も開発されている。
【0005】図6(a),(b)に、従来の導波路型偏
光分離合波素子の構成を示す。図に示すように、従来の
導波路型偏光分離合波素子は、基板16上に形成された
クラッド15にコア部2が埋設されてなる2本の交差す
る光導波路1,1の交差部に薄板型の偏光分離合波素子
3を設置した構成からなる。薄板型偏光分離合波素子3
は、偏光方向が紙面に対して垂直な垂直偏光成分の入射
光を反射するとともに、紙面に対して偏光方向が平行な
水平偏光成分の入射光を透過するように、設計上は設定
されている。分離動作の場合、出入射端7から入射した
光信号4は、薄板型偏光分離合波素子3で垂直偏光成分
11が反射されて出入射端8より光信号5として出射す
る。また、光信号4の水平偏光成分は薄板型偏光分離合
波素子3を透過するため出入射端9より光信号6として
出射する。このため、この図の素子は偏光分離素子とし
て機能する。
【0006】一方、合波動作の場合は、図7に示すよう
に、出入射端8から入射した垂直偏光成分の光信号12
は、薄板型偏光分離合波素子3で反射されるため、出入
射端7に出射する。また、出入射端9から入射した垂直
偏光成分の光信号13は、薄板型偏光分離合波素子3を
透過するため、出入射端7に出射する。したがって、こ
の場合、この素子は偏光分離合波素子として機能する。
【0007】以上に述べた動作を、図6に示した従来の
導波路型偏光分離合波素子が示すためには、薄板型偏光
分離合波素子3が設計通りに、垂直偏光成分の入射光を
反射し、水平偏光成分の入射光を透過することが必要で
ある。言葉を変えていうならば、垂直成分の入射光をほ
とんど透過せず、水平偏光成分の入射光をほとんど反射
しないことが必要である。もしも、垂直偏光成分が透過
したり、水平偏光成分が反射した場合には、導波路型偏
光分離合波素子の最も重要な特性である消光比の劣化を
まねく。偏光分離合波素子の消光比は、出射端における
出射光のその出射端へ出射するように設定された偏光成
分(例えば、図1の出入射端8では垂直偏光成分)の強
度をAとし、出射しないように設定されている偏光成分
(例えば、図6の出入射端8では水平偏光成分)の強度
をBとすると、10 log10(A/B):(dB)で表され
る。偏光分離合波素子が実用に供するためには、20dB
以上の消光比が必要である。実際の薄板型偏光分離合波
素子3の作製において、垂直偏光成分が透過しない素子
を作製することは容易であり、図6に示した従来の導波
路型偏光分離合波素子で、出入射端9において20dB以
上の消光比を示す素子は、容易に作製することができ
る。しかし、水平偏光成分がほとんど反射しない薄板型
偏光分離合波素子3の作製は、困難であり、非常に作製
の歩留まりが悪い。安価で容易に入手できる薄板型偏光
分離合波素子3では、入射光の水平偏光成分が通常は1
%よりも大きく、10%以下の反射率で反射する特性を
有している。入射光の水平偏光成分を1%より大きな反
射率で反射する薄板型偏光分離合波素子3を用いた場
合、導波路型偏光分離合波素子の出入射端8には水平偏
光の反射光信号11も少なからず出射するため、20dB
以上の消光比を得ることはできない。もちろん、水平偏
光成分の反射率が1%以下の薄板型偏光分離合波素子3
を作製することは全く不可能ではないが、歩留まりが高
くないため、その作製コストは非常に高いものとなる。
【0008】以上のように、従来の導波路型偏光分離合
波素子では、水平偏光成分の反射率が1%以下の薄板型
偏光分離合波素子3の作製コストが高いため、素子全体
の価格が高いという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、入射
光の水平偏光成分が1%よりも大きな反射率で反射する
薄板型偏光分離合波素子を用いても実用的な特性を示す
構成の導波路型偏光分離合波素子を提供することにあ
り、作製コストの安い薄板型偏光分離合波素子の適用に
より、従来の導波路型偏光分離合波素子に比べて素子全
体の価格が安い導波路型偏光分離合波素子を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1の導波路型偏光分離合波素子は、
基板上に形成されたクラッドにコア部が埋設されてなる
2本の交差する光導波路の交差部に偏光分離機能を有す
る薄板型素子を設置した構成の導波路型偏光分離合波素
子において、前記薄板型素子が主として反射するように
設定されている偏光成分の導波光を出射する出射端と前
記薄板型素子との間のコア部に、前記薄板型素子が主と
して反射するように設定されている偏光成分の導波光を
透過するとともに前記薄板型素子が主として反射しない
ように設定されている偏光成分の導波光は遮断する機能
を有する薄板型偏光子が設置されていることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の請求項2の導波路型偏光分
離合波素子は、前記請求項1の素子において、前記光導
波路の導波光のモードフィールド径が8μm±1μmで
あり、前記薄板型偏光子の厚さが25μm以下であるこ
とを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項3の導波路型偏光分
離合波素子は、前記請求項1の素子において、前記薄板
型偏光子が前記光導波路に開けた溝に挿入されて該薄板
型偏光子が前記コア部に設置されていることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明の請求項4の導波路型偏光分
離合波素子は、前記請求項3の素子において、前記光導
波路の導波光のモードフィールド径が8μm±1μmで
あり、前記薄板型偏光子が挿入されている光導波路に開
けた溝の幅が25μm以下であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5の導波路型偏光分離合波
素子は、基板上に形成されたクラッドにコア部が埋設さ
れてなる2本の交差する光導波路の交差部に偏光分離機
能を有する薄板型素子を設置した構成の導波路型偏光分
離合波素子において、前記薄板型素子が主として反射す
るように設定されている偏光成分の導波光を出射する出
射端に、前記薄板型素子が主として反射するように設定
されている偏光成分の導波光を透過するとともに前記薄
板型素子が主として反射しないように設定されている偏
光成分の導波光を遮断する機能を有する薄板型偏光子が
設置されていることを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項6の導波路型偏光分
離合波素子は、前記請求項5の素子において、前記光導
波路の導波光のモードフィールド径が8μm±1μmで
あり、前記薄板型偏光子の厚さが25μm以下であるこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、図1(a),(b)に
示すように、基板16上に形成されたクラッド15にコ
ア部2が埋設されてなる2本の交差する光導波路1の交
差部に薄板型偏光分離合波素子3を設置した構成の導波
路型偏光分離合波素子において、薄板型偏光分離合波素
子3が主として反射するように設計されている垂直偏光
成分の入射光を出射する出入射端8と薄板型偏光分離合
波素子3との間のコア部に、薄板型偏光分離合波素子3
が主として反射するように設定されている垂直偏光成分
の入射光を透過するとともに薄板型偏光分離合波素子3
が主として反射しないように設計されている水平偏光成
分の入射光を遮断する機能を有する薄板型偏光子10が
設置されている構成を特徴とする。この際、薄板型偏光
子10の消光比(dB)の値は、薄板型偏光分離合波素子
3の水平偏光成分の反射率をr(%)とすると、20+
10 log10(r/100)以上の値に設定されている。
【0017】または、本発明は、図2(a),(b)に
示すように、基板16上に形成されたクラッド15にコ
ア部2が埋設されてなる2本の交差する光導波路1の交
差部に薄板型偏光分離合波素子3を設置した構成の導波
路型偏光分離合波素子において、薄板型偏光分離合波素
子3が主として反射するように設計されている垂直偏光
成分の入射光を出射する出入射端8に、薄板型偏光分離
合波素子3が主として反射するように設定されている垂
直偏光成分の入射光を透過するとともに薄板型偏光分離
合波素子3が主として反射しないように設計されている
水平偏光成分の入射光を遮断する機能を有する薄板型偏
光子10が設置されている構成を特徴とする。この際、
薄板型偏光子10の消光比(dB) の値は、薄板型偏光分
離合波素子3の水平偏光成分の反射率をr(%)とする
と、20+10 log10(r/100)以上の値に設定さ
れている。
【0018】本発明の導波路型偏光分離合波素子では、
従来の導波路型偏光分離合波素子の所定箇所に薄板型偏
光子10を設置する構成をとることにより、薄板型偏光
分離合波素子3として、作製コストが低く安価ではある
が、性能が低く入射光の水平偏光成分が1%より大きな
反射率で反射する素子を用いても、水平偏光の反射光信
号11が薄板型偏光子10により遮断されるため、出入
射端8の出射光でも実用に供する目安とされる20dB以
上の消光比が得られることが可能となり、製作コストが
高く高価である高性能な薄板型偏光分離合波素子3を使
用しない分、素子全体の価格が安くなる。なお、出入射
端8の入射端として用いる合波動作の場合には、出入射
端8には垂直偏光成分のみの光信号を入射して使用する
ため、垂直偏光成分を透過する薄板型偏光子10の設置
は、素子の動作に影響を与えない。また、本発明におい
て薄板型偏光子10の消光比を20+10 log10(r/
100)以上の値に設定する理由は、出入射端8におい
て実用に供する目安とされる20dB以上の消光比を得る
ためである。すなわち、薄板型偏光子10の消光比が2
0+10 log10(r/100)より小さい場合には、製
作コストが低く安価な入射光の水平偏光成分が1%より
大きな反射率で反射する薄板型偏光分離合波素子3を用
いると、20dB以上の消光比が得られず、実用に供する
ことはできない。
【0019】ところで、本発明の導波路型偏光分離合波
素子は、これまで説明した構成でも十分に実用に供する
動作を示すが、薄板型偏光子10を出入射端8と前記薄
板型偏光分離合波素子3との間のコア部2に設置する方
法としては、図3(a),(b)(c)に示すように、
光導波路1に少なくともコア部2まで達する溝17を開
け、この溝17中に挿入する方法を用いたほうが設置に
要する組立コストが安くなるので、より望ましい。この
場合、薄板型偏光子10の厚さtおよび薄板型偏光子1
0を設置するための溝17の幅Tは、薄板型偏光子17
の設置による過剰損失を低く抑えるため、できるだけ小
さくすることが望ましい。例えば、光導波路1に最も一
般的な導波光のモードフィールド径が8μmの光導波路
を用いた場合、過剰損失を許容範囲と考えられる0.3
dB以下に抑えるために、どちらも25μm以下にするこ
とが望ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0021】(実施例1)図4は、本発明の実施例1の
導波路型偏光分離合波素子の構成を示す説明図である。
本実施例の導波路型偏光分離合波素子の動作波長は、
1.3μmに設定した。本実施例では光導波路として、
Si基板上に火炎堆積法と反応性イオンエッチングによ
り作製した波長1.3μmでシングルモード動作する石
英系埋込み型導波路を用いた。導波路のパターン形状と
しては、2本の直線導波路が直交している構成とした。
薄板型偏光分離合波素子3としては、波長1.3μで垂
直偏光成分を反射するとともに水平偏光成分を透過する
ように設定されているが、実際には作製不良のため水平
偏光成分の5%を反射するガラス基板上にTi酸化物と
Si酸化物の多層膜を蒸着して形成した素子を用いた。
薄板型偏光子10としては、ガラス板に銀の微粒子を拡
散させた厚さtが100μmで消光比が20dBの素子を
用いた。
【0022】出入射端7より垂直偏光成分と水平偏光成
分が等しい強さの入射光を入れた際の分離動作における
出入射端8および出入射端9のそれぞれの出射光20お
よび21の垂直偏光成分と水平偏光成分とを、偏光子と
光パワーメータを用いて測定することにより、実施例の
導波路型偏光分離合波素子の出入射端8および出入射端
9における出射光の消光比を評価した。出入射端8及び
出入射端9における出射光の消光比は、33dB及び32
dBであり、偏光分離合波素子の消光比の実用に供する目
安の値20dBよりも大きな値を示した。なお、本実施例
の構成において薄板型偏光子10を設置しないことを除
いて同様の構成の導波路型偏光分離合波素子を参照例と
して同時に作製した。この参照例の素子の出入射端8に
おける出射光の消光比は、13dBであった。この結果か
ら、本実施例の導波路型偏光分離合波素子は、薄板型偏
光子10を設置したことにより、特性の悪い薄板型偏光
分離合波素子3を用いているにも関わらず、実用に供す
る20dB以上の消光比の値を示すことが確認された。
【0023】また、本実施例では、薄板型偏光子10に
消光比20dBのものを用いたが、代わりに20+10 l
og10(r/100)以上の条件を満たす7dB以上の消光
比の薄板型偏光子10を用いても、出入射端8における
出射光の消光比は20dB以上の値が得られることが確認
された。さらに、表1に示すように、薄板型偏光分離合
波素子3の水平偏光成分の反射率rが5%以外の値であ
っても、1%よりも大きな値であれば、薄板型偏光子1
0に消光比が20+10 log10(r/100)以上の条
件を満たすものを使用する限り、出入射端8における出
射光の消光比として20dB以上の値が得られることが確
認された。これに対して、同じく表1に示すように同時
に作製した薄板型偏光子10の消光比が20+10 log
10(r/100)以上の条件を満たさない参照例では、
出入射端8における消光比は20dB以上の値が得られな
いことが確認された。
【0024】なお、本実施例では、光導波路1として、
石英系ガラス導波路を用いたが、代わりに、他のガラス
導波路、LiNbO3 導波路、半導体導波路を用いて
も、同様な効果が確認された。また、光導波路1のパタ
ーン形状を2本の直線導波路が直交している構成の代わ
りに、2本の一部が曲線になっている導波路が直交して
いる構成を用いても、同様な効果が確認された。さら
に、薄板型偏光子10に用いた銀微粒子を拡散されたガ
ラス薄板偏光子の代わりに、文献IEEE Jornal of Quant
um Electornics,vol.29,p.175-p181,1993 に報告され市
販されている酸化物と金属の積層膜を断面方向に薄く切
断してなる積層型偏光子を用いても同様な効果が確認さ
れた。さらに、本実施例では、動作波長を1.3μmに
設定したが、その他の波長に設定して作製した実施例に
おいても、同様な効果が確認された。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2)図5は、本発明の実施例2の
導波路型偏光分離合波素子の構成を示す説明図である。
本実施例では、光導波路として、Si基板上に火炎堆積
法と反応性イオンエッチングにより作製した波長1.5
5μmでシングルモード動作し、導波光のフィールド径
が8μmの石英系埋込み型導波路を、用いた。導波路の
パターン形状としては、図に示すような三つの直線部と
二つの曲線部で構成される2本の導波路が中央の直線部
で直交している構成とした。薄板型偏光分離合波素子3
としては、波長1.55μで垂直偏光成分を反射すると
ともに水平偏光成分を透過するように設定されている
が、実際には作製不良のため水平偏光成分の7%を反射
するポリイミド基板上にTi酸化物とSi酸化物の多層
膜を蒸着して形成した素子を用いた。薄板型偏光子10
としては、文献IEEE Jornal of Quantum Electornics,v
ol.29,p.175-p181 ,1993に報告され市販されている、酸
化物と金属の積層膜を断面方向に薄く切断してなる積層
型偏光子を、用いた、偏光子の厚さtは28μmで、消
光比は10dBとした。また、薄板型偏光子10は、光導
波路1に設けた溝17に挿入することにより、設置し
た。溝17の幅Tは30μmとした。
【0027】出入射端7より垂直偏光成分と水平偏光成
分とが等しい強さの入射光を入れた際の分離動作におけ
る出入射端8および出入射端9のそれぞれの出射光20
および21の垂直偏光成分と水平偏光成分を偏光子と光
パワーメータを用いて測定することにより、実施例の導
波路型偏光分離合波素子の出入射端8および出入射端9
における出射光の消光比を評価した。出入射端8および
出入射端9における出射光の消光比は、22dBおよび3
0dBであり、偏光分離合波素子の消光比の実用に供し得
る20dB以上の値を示した。なお、本実施例の構成にお
いて薄板型偏光子10のみ設置しない構成の導波路型偏
光分離合波素子を同時に参照例として作製した。この参
照例の素子の出入射端8における出射光の消光比は12
dBであった。この結果から、本実施例の導波路型偏光分
離合波素子は、薄板型偏光子10を設置したことによ
り、特性の悪い薄板型偏光分離合波素子3を用いている
にも関わらず、実用に供し得る20dB以上の消光比の値
を示すことが確認された。
【0028】また、本実施例では、薄板型偏光子10に
消光比10dBのものを用いたが、代わりに20+10 l
og10(r/100)以上の条件を満たす8.5dB以上の
消光比の薄板型偏光子10を用いても、出入射端8にお
ける出射光の消光比は20dB以上の値が得られることが
確認された。さらに、表2に示すように、薄板型偏光分
離合波素子3の水平偏光成分の反射率rが7%以外の値
であっても、1%よりも大きな値であれば、薄板型偏光
子10に消光比が20+10 log10(r/100)以上
の条件を満たすものを使用する限り、出入射端8におけ
る出射光の消光比は20dB以上の値が得られることが確
認された。これに対して、同じく表2に示すように、同
時に作製した薄板型偏光子10に消光比が20+10 l
og10(r/100)以上の条件を満たさない参照例で
は、消光比は20dB以上の値が得られないことが確認さ
れた。
【0029】
【表2】
【0030】なお、本実施例では、光導波路1として、
石英系ガラス導波路を用いたが、代わりに、他のガラス
導波路、LiNbO3 導波路、半導体導波路を用いて
も、同様な効果が確認された。また、薄板型偏光子10
に用いた積層型偏光子の代わりに、銀微粒子を拡散され
たガラス薄板偏光子を用いても、同様な効果が確認され
た。さらに、本実施例では、動作波長を1.55μmに
設定したが、その他の波長に設定して作製した実施例に
おいても、同様な効果が確認された。
【0031】また、本実施例では、薄板型偏光子10を
設置するために溝17に挿入する方法を用いたが、その
他の設置方法を用いても、薄板型偏光子10を設置する
コストが高くなることを除いては、同様な効果が確認さ
れた。さらに、本実施例では、光導波路1としてモード
フィールド径が8μmの光導波路を用いたが、モードフ
ィールド径がそれ以外の値であっても、同様な効果が確
認された。
【0032】以上の実施例では、薄板型偏光子10の厚
さtを28μmとし、薄板型偏光子10を挿入するため
の溝17の幅Tを30μmとしたが、両者の大きさを2
5μm以下に設定したところ、薄板型偏光子10を設置
することによる過剰損失が低減し、より好ましいと考え
られる0.3dB以下に抑えられ、より大きな効果が確認
された。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導波路型
偏光分離合波素子は、入射光の水平偏光成分の一部を反
射する作製コストの安い薄板型偏光分離合波素子を用い
ても、実用的な特性を示すことが可能なため、従来の導
波路型偏光分離合波素子に比べて素子全体の価格が安い
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導波路型偏光分離合波素子の構成を示
す説明図であり、(a)は入射方向に垂直な出入射端の
端面図であり、(b)は平面図である。
【図2】本発明の導波路型偏光分離合波素子の他の構成
を示す説明図であり、(a)は入射方向に垂直な出入射
端の端面図であり、(b)は平面図である。
【図3】本発明における薄板型偏光子の設置方法を示す
説明図であり、(a)は入射方向に垂直な出入射端の端
面図であり、(b)は平面図であり、(c)は入射方向
に沿う出射端の端面図である。
【図4】本発明の実施例1の導波路型偏光分離合波素子
の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例2の導波路型偏光分離合波素子
の構成を示す平面図である。
【図6】従来の導波路型偏光分離合波素子の構成と分離
動作を示す説明図であり、(a)は入射方向に垂直な出
入射端の端面図であり、(b)は平面図である。
【図7】従来の導波路型偏光分離合波素子の合波動作を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 光導波路 2 コア部 3 薄板型偏光分離合波素子 4 入射光信号 5 分離された垂直偏光成分の出射光信号 6 分離された水平偏光成分の出射光信号 7,8,9 出入射端 10 薄板型偏光子 11 薄板型偏光分離合波素子3の不良動作のため生じ
る水平偏光の反射光信号 12 垂直偏光成分の入射光信号 13 水平偏光成分の入射光信号 14 合波された出射光信号 15 クラッド 16 基板 17 薄板型偏光子を挿入する溝 20 出入射端8からの出射光信号 21 出入射端9からの出射光信号
フロントページの続き (72)発明者 新宅 敏宏 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 下小園 真 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 小澤口 治樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたクラッドにコア部が
    埋設されてなる2本の交差する光導波路の交差部に偏光
    分離機能を有する薄板型素子を設置した構成の導波路型
    偏光分離合波素子において、 前記薄板型素子が主として反射するように設定されてい
    る偏光成分の導波光を出射する出射端と前記薄板型素子
    との間のコア部に、前記薄板型素子が主として反射する
    ように設定されている偏光成分の導波光を透過するとと
    もに前記薄板型素子が主として反射しないように設定さ
    れている偏光成分の導波光は遮断する機能を有する薄板
    型偏光子が設置されていることを特徴とする導波路型偏
    光分離合波素子。
  2. 【請求項2】 前記光導波路の導波光のモードフィール
    ド径が8μm±1μmであり、前記薄板型偏光子の厚さ
    が25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の導波路型偏光分離合波素子。
  3. 【請求項3】 前記薄板型偏光子が前記光導波路に開け
    た溝に挿入されて該薄板型偏光子が前記コア部に設置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の導波路型偏
    光分離合波素子。
  4. 【請求項4】 前記光導波路の導波光のモードフィール
    ド径が8μm±1μmであり、前記薄板型偏光子が挿入
    されている光導波路に開けた溝の幅が25μm以下であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の導波路型偏光分離
    合波素子。
  5. 【請求項5】 基板上に形成されたクラッドにコア部が
    埋設されてなる2本の交差する光導波路の交差部に偏光
    分離機能を有する薄板型素子を設置した構成の導波路型
    偏光分離合波素子において、 前記薄板型素子が主として反射するように設定されてい
    る偏光成分の導波光を出射する出射端に、前記薄板型素
    子が主として反射するように設定されている偏光成分の
    導波光を透過するとともに前記薄板型素子が主として反
    射しないように設定されている偏光成分の導波光を遮断
    する機能を有する薄板型偏光子が設置されていることを
    特徴とする導波路型偏光分離合波素子。
  6. 【請求項6】 前記光導波路の導波光のモードフィール
    ド径が8μm±1μmであり、前記薄板型偏光子の厚さ
    が25μm以下であることを特徴とする請求項5に記載
    の導波路型偏光分離合波素子。
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