JPH10219323A - 耐火物の損耗評価方法及びその装置、並びに耐火物の管理方法及びその装置 - Google Patents

耐火物の損耗評価方法及びその装置、並びに耐火物の管理方法及びその装置

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JPH10219323A
JPH10219323A JP14832197A JP14832197A JPH10219323A JP H10219323 A JPH10219323 A JP H10219323A JP 14832197 A JP14832197 A JP 14832197A JP 14832197 A JP14832197 A JP 14832197A JP H10219323 A JPH10219323 A JP H10219323A
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正樹 山野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火物の損耗度を高精度に評価することが可
能な耐火物の損耗評価方法及びその実施に使用する装
置、並びに耐火物の管理方法及びその装置を提供するこ
と。 【解決手段】 超音波探触子5により減衰が大きい超音
波を耐火レンガ3へ伝搬させ、反射された弾性波を検出
し、信号処理器10の厚み測定部10b にて反射源までの厚
みL1を求める。またエアハンマーの先端部で耐火レン
ガ3を打撃し、減衰が比較的小さい弾性波を伝搬させ、
信号処理器の厚み測定部にて弾性波のスペクトル群中、
最も周波数が低いスペクトルの周波数を基本共振周波数
として検出し脆化部までの厚みL2を算出する。さらに
温度計11,11にて検出した熱流束に基づいて侵食面まで
の厚みL3を求める。演算器14の比較演算器14a は、厚
みL1,L2,L3を、予め設定された数値と比較し、
適宜演算を行い、損耗度評価器14b がこれらの比較結果
に基づいて損耗度を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉,転炉等の工
業用炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物の損耗度を
評価する方法及びその実施に使用する装置、並びにこれ
を用いた耐火物の管理方法及びその実施に使用する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の鉄皮内側には、通常耐火レンガが
ライニングされている。高炉炉底部の耐火レンガは常に
熔銑に曝されているため、高炉の操業に伴い徐々に損耗
する。例えば火入れ時には2000mm以上あった耐火物の厚
みが十数年後の吹き止め時には300mm程度にまで減少す
ることがある。耐火物の残存厚みの推移を高炉操業中に
精度良く測定し、高炉の余命を的確に推定することは、
熔銑による鉄皮の溶損、熔銑の流出等の重大事故防止及
び高炉資産の有効活用のために非常に重要である。
【0003】このため、耐火レンガの残存厚みを測定す
る数多くの手法が従来より提案されている。例えば特開
昭49-50961号公報には、可聴周波数の正弦波加振力を工
業炉用の被測定レンガに印加し、その機械インピーダン
スを測定し、その機械インピーダンスのピーク値に基づ
いて炉外から非破壊的にレンガ厚みを測定する方法が開
示されている。
【0004】また特開昭58-27002号公報には、鉄皮の一
部に開孔を形成し、金属棒を耐火物又は鉄皮,耐火物間
に埋められた不定型耐火物であるスタンプ材に直結さ
せ、金属棒の一端を打撃することにより、効率良く耐火
物中に弾性波を発生させ、弾性波が耐火物中の往復に要
する時間を測定し、往復時間と耐火物中の弾性波の伝搬
速度から耐火物の厚みを測定する方法が提案されてい
る。さらに特開昭62−297710号公報には、高炉の鉄皮表
面をハンマーにて打撃し、この打撃によって発生した弾
性波が耐火物中を伝搬し、炉心側表面で反射を起こし、
再び鉄皮表面まで戻ってくる往復時間を測定し、予め求
めてある耐火物中の弾性波の伝搬速度と往復時間とから
耐火レンガの厚みを測定する方法が開示されている。こ
こで耐火物内部で反射した弾性波を受信する際、受信セ
ンサが数kHzから数100 kHzの周波数の弾性波から
所定の周波数を選択的に受信し、この波形を重あわせる
ことで脆化部,凝固部等、各部位の厚みを測定すること
を提案している。これら2つの方法は測定データから耐
火レンガ厚みを測定する処理内容が簡単であり、任意の
場所にて測定可能であるという利点がある。
【0005】また近年、最も普及している方法は、レン
ガ内部に温度計を埋設し、炉心側から鉄皮側へ伝わる熱
流束を測定する方法である。この方法では、高炉側壁部
の全周に 100個前後の温度計をレンガ内に埋設し、熱流
束を測定した後に、熱伝導方程式から銑鉄凝固温度であ
る1150℃の熱源が存在する位置を算出し、レンガの残存
厚みを推定する方法である。
【0006】特開昭63−297512号公報には、この埋設さ
れた温度計の出力に異常な高温を示すものがあった場合
に、衝撃弾性波センサをその温度計が埋設されている位
置に相当する表面位置へ移動させ、センサを走行させな
がら残存厚み計測を行い、さらに計測結果に基づいて高
炉炉底部耐火物の侵食抑制操作を行って耐火物の内面に
保護層を形成させる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】まず特開昭58-27002号
公報に開示された方法は、測定個所の鉄皮を開孔し、レ
ンガに接触させた金属棒を打撃するため、金属棒の接触
状態、打撃状態によって測定再現性が乏しいという問題
がある。また弾性波(弾性衝撃波,超音波)をレンガの
鉄皮側表面から炉心側へ向けて伝搬させる方法(特開昭
49-50961号,特開昭58-27002号,特開昭62−297710号,
特開昭63−297512号)は、レンガ内部に存在する亀裂
部,脆化部(耐火物の脆化により多数のクラックが存在
する部分)で大部分の弾性波エネルギが反射され、その
伝搬が遮断されるため、これら炉心側にある亀裂部,脆
化部,及び熔銑が侵入した耐火物と凝固銑との混合層で
ある凝固層に関する情報が得られないという欠点を有す
る。しかしながら耐火レンガの管理には、その健全部
(亀裂,脆化が無く、物性値が高炉建設当時の値に近い
部分)の厚みの把握が必要であることは言うまでもない
が、これら亀裂部,脆化部,及び凝固層が熔銑によるレ
ンガ侵食を保護する役割を果たしているため、これらの
厚みを測定することも重要である。また炉内の耐火物に
加わる熱応力によって耐火物の健全部に割れが発生する
ことがある。この割れは健全部の残存厚みの鉄皮側から
50〜90%の位置に高頻度に発生することが過去の高炉解
体調査等から明らかになっている。このような割れが存
在する場合、割れ発生位置は測定可能であっても、それ
より炉心側の情報は得ることができないという欠点があ
る。
【0008】これを克服するものとして提案された、特
開昭62−297710号公報記載の、所定の周波数を選択的に
受信して脆化部,凝固部等、各部位の厚みを測定する方
法については以下のような問題がある。耐火物内の亀裂
等、弾性波伝搬特性の不連続部位における弾性波エネル
ギの透過程度を変化させる1つの方法に弾性波の周波
数、即ち波長を変化させる方法がある。透過程度は、亀
裂等の大きさにも依存するが、一般に波長を10〜数100
倍に長くすると大きくなる。耐火物として使用される材
料は非常にポーラスで弾性波の減衰が大きいため、耐火
物の厚みが1m程度である場合には数100 kHz以下の
周波数を有する弾性波を使用する必要がある。また亀裂
部分を透過させるという点からは数kHzが望ましい。
ところがこの数kHzの弾性波の波長は1m程度である
ため、耐火物の厚みと略同程度である。そうすると弾性
波伝搬速度が2000〜4000m/sec である耐火物中の、厚み
が数100 mmである部位を測定する場合には、その両側の
境界での反射波が合成された形で受信されることとな
り、高精度の測定は非常に困難である。
【0009】さらに埋設された温度計にて熱流束を測定
する方法には以下のような問題点が存在する。即ち熱流
束からレンガ残存厚みを算出する際に、レンガ,スタン
プ材等の伝熱係数を用いるが、この伝熱係数はレンガ,
スタンプ材の劣化に伴い経時的に変化するため、厚み算
出時に用いた伝熱係数と実際の伝熱係数との差が厚み算
出誤差を招来する。また断熱層(亀裂部,脆化部)がレ
ンガ内に存在する場合、この断熱層によって熱流束の一
部が遮断され、レンガ厚みの値が実際より大きく算出さ
れる。従ってこのような温度計を用いたレンガ管理は多
数の温度計を使用してマクロ的なレンガ侵食傾向を常時
監視するには有効であるが、個々の測定点における測定
精度はあまり高くない。
【0010】さらに2種類以上のレンガが接着され、多
層構造をなしている場合、鉄皮側から外側の耐火レンガ
の表面に伝搬された弾性波は、耐火レンガ同志の界面で
ある目地部分でそのエネルギの大部分が反射する。従っ
て外側の耐火レンガの残存厚みは精度良く測定すること
が可能であるが、内側(炉心側)の耐火レンガの残存厚
みを指示する反射弾性波は極めて微弱であるため、その
厚みを高精度にて測定することは困難である。
【0011】また得られた測定値が健全部の厚みである
のか、全体の厚みであるのか、また健全部に割れ,亀裂
が生じているのか等の情報を正確に把握して、総合的に
耐火物の損耗度を評価することは非常に困難である。
【0012】本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたも
のであり、反射源までの厚み,脆化部までの厚み及び熱
源までの厚みのうち少なくとも2つを用いて耐火物の損
耗度を決定することにより、耐火物の損耗度を高精度
に、且つ再現性良く評価することが可能な耐火物の損耗
評価方法及びその実施に使用する装置を提供することを
目的とする。
【0013】また、これを用いることにより、耐火物の
余寿命,改修時期及び場所を用意に把握することができ
る耐火物の管理方法及びその実施に使用する装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1,6,7記載の
発明は、炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物の厚み
を測定し、耐火物の内部状態を判別し、これらの結果か
ら炉内の熱源による耐火物の損耗度を評価する方法及び
その実施に使用する装置であって、耐火物の外側表面か
ら内側へ向けて第1弾性波を伝搬させ、耐火物内の反射
源における反射波を検出し、第1弾性波が前記外側表面
から反射源までの往復に要した時間を用いて前記外側表
面から反射源までの厚みを算出し、第1弾性波より低い
周波数を有する第2弾性波を前記外側表面から内側へ向
けて伝搬させ、耐火物の共振周波数を検出し、この共振
周波数に基づいて耐火物の前記外側表面から脆化部まで
の厚みを算出し、耐火物の外側表面近傍の、厚み方向に
所定間隔を隔てた少なくとも2個所の温度を測定し、こ
の温度測定値を用いて前記外側表面から前記熱源までの
厚みを算出し、前記反射源までの厚み,前記脆化部まで
の厚み及び前記熱源までの厚みのうち少なくとも2つを
用いて耐火物の損耗度を決定することを特徴とする。
【0015】請求項2,8記載の発明は、請求項1,
6,7において、第1弾性波の周波数は20kHz以上
であり、第2弾性波の周波数は5kHz以下であること
を特徴とする。
【0016】耐火物中を伝搬することが可能な弾性波の
周波数のうち、比較的高い周波数、例えば20kHz以
上の第1弾性波を使用すると、第1弾性波は耐火物の健
全部中の割れ又は亀裂部における減衰が大きく、透過程
度が比較的低いために、ここでその大部分が反射する。
また割れ及び亀裂部が存在しない場合は、脆化部におい
て大きく減衰するので、健全部と脆化部との境界まで伝
搬して反射する。従ってこの比較的高い周波数を用いた
測定では、健全部中の割れ,亀裂部又は脆化部までの距
離を把握することができる。
【0017】また周波数が比較的低い、例えば5kHz
以下の第2弾性波は、上述した20kHzの第1弾性波
と比較すると波長が少なくとも4倍以上である。従って
第2弾性波は亀裂等における減衰が少なく、弾性波エネ
ルギの透過程度が大きいために、弾性波伝搬特性の不連
続部位である割れ,亀裂に対してはそのエネルギの大部
分が透過するが、割れ,亀裂よりも連続的に弾性波伝搬
特性が低い脆化部との境界において反射する。そこで共
振周波数を測定するために、耐火物の厚み方向に第2弾
性波の定在波を発生させ、この定在波の周波数を測定す
ることにより、耐火物の脆化物までの距離を正確に求め
ることが可能である。
【0018】第2弾性波の発生には例えばエアハンマ
ー,正弦波加振器等を使用することができ、また定在波
の測定には例えば加速時計を使用すればよい。第2弾性
波の共振周波数は耐火物の厚みの関数であるが、通常の
測定においては0.5 〜3kHz程度が適当である。この
場合、第1弾性波が100kHzであると、波長は約1
00倍となるので、透過程度を大幅に変化(大きく)さ
せることができる。
【0019】さらに測定された少なくとも2個所の外側
表面近傍の温度とその距離とから既知の熱源温度までの
距離を算出することにより、外側表面から前記熱源まで
の厚みを算出することができる。
【0020】反射源までの厚み,前記脆化部までの厚み
及び前記熱源までの厚みのうち少なくとも2つを用い、
例えば測定値及び測定値間の差を、予め設定された比較
値とを比較することにより、耐火物内部の状態及び耐火
物の厚みを高精度に把握して総合的に耐火物の損耗度を
精度良く評価することができる。
【0021】請求項3,9記載の発明は、請求項1,
2,6,7,8において、前記反射源までの厚みと前記
脆化部までの厚みとの差を求め、この差を使用して、反
射源が、割れ,亀裂部又は脆化部であるかを判断するこ
とを特徴とする。
【0022】反射源までの厚みと脆化部までの厚みとの
差が所定値より大きい場合は、反射源が脆化部以外の割
れ又は亀裂部であると判断することができる。
【0023】請求項4,10記載の発明は、請求項1,
2又は3記載の耐火物の損耗評価方法を炉の複数箇所に
ついて実施し、前記L1,L2又はL3が所定値以下で
ある場所を検出し、特定することを特徴とする。
【0024】位置によって状態が異なる場合、例えば局
所的に亀裂が生じている場合、1箇所の測定では、この
位置が測定される可能性は低い。しかしながら測定箇所
が多いほど、そしてこれらを周方向に設置すると、この
位置が特定される可能性が向上する。従って部分的な改
修を行って長期間にわたり安全に操業することが可能と
なる。
【0025】請求項5,11記載の発明は、請求項1,
2又は3記載の耐火物の損耗評価方法を用いて求められ
る前記L1,L2又はL3を経時的に算出し、この値の
経時的変化を求め、該経時的変化からその後の変化を予
測し、この予測値が所定値を下回る時点を算出すること
を特徴とする。
【0026】所定値として使用不能である値を設定する
ことにより、余寿命を推測することが可能である。また
所定値として改修により継続使用が可能である値を設定
することにより、改修時期を推測することが可能であ
る。その他、所定値は適宜設定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。 形態例1.図1,2は、本発明に係る耐火物の損耗評価
方法を実施するための装置を示す構成図である。高炉に
おける鉄皮1の内側に、スタンプ材2を介して、被測定
物である耐火レンガ3がライニングされており、所定位
置の鉄皮1及びスタンプ材2は開孔されて耐火レンガ3
を露出させてある。この開孔部4の耐火レンガ3には、
移動可能な超音波探触子5の先端が接触させてある。超
音波探触子5の先端にはウレタンゴム等の耐熱樹脂から
なる接触媒体5aが取り付けられており、超音波探触子5
の先端と耐火レンガ3との間に空隙が形成されないよう
になしてある。また接触媒体5aを取り付ける代わりに接
触媒質を介して耐火レンガ3に接触させてもよい。接触
媒質としては耐火物表面温度(通常 100〜 300℃)でも
気化せず、超音波を十分に伝搬可能な物質であればよ
い。
【0028】超音波探触子5には、超音波(弾性波)を
発生するための電気信号を出力するパルサー6、及び超
音波探触子5にて検出された弾性波を増幅する信号増幅
器7が接続されており、信号増幅器7にて増幅された信
号は、平均化処理部10a と厚み測定部10b とを備えた、
健全部の厚みを算出する信号処理器10へ、バンドパスフ
ィルタ8及びA/D変換器9を介して与えられるように
なしてある。
【0029】また耐火レンガ3の外側表面近傍には、熱
流束計12に接続された温度計11,11が耐火レンガ3の厚
み方向に所定間隔を隔てて埋設されており、熱流束計12
にて得られた信号は熱源位置を検出するための熱伝導計
算装置13へ与えられる。
【0030】さらに図2に示す如く、開孔部4の耐火レ
ンガ3の露出面を打撃するエアハンマー21が設置されて
いる。エアハンマー21の先端部21a には、適当な硬度を
有する材料が選定されており、所定の圧力をエア圧力調
整器22にて印加することにより、5kHz以下の所定の
周波数帯域を有する弾性波を耐火レンガ3内部へ伝搬さ
せることができるようになしてある。例えば耐火レンガ
3の残存厚みの推定値から考慮して0.5 〜3kHzの弾
性波を伝搬させる場合には、先端部21a に硬質ゴムを使
用し、印加エア圧力を5kgf/cm2 とすることができる。
【0031】さらにまた開孔部4の耐火レンガ3の露出
面には、エアハンマー21が耐火レンガ3を打撃した際に
発生するレンガ厚み方向の定在波を検出する加速度計23
が取り付けられている。加速時計23にはこれが受信した
弾性波信号を増幅する信号増幅器24が接続されており、
信号増幅器24にて増幅された信号は、平均化処理部27a
と厚み測定部27b とを備えた、健全部の厚みを算出する
信号処理器27へ、バンドパスフィルタ25及びA/D変換
器26を介して与えられるようになしてある。
【0032】信号処理器10にて得られたデータと熱伝導
計算装置13にて得られた熱源位置データと信号処理器27
にて得られたデータとは、比較演算器14a と損耗度評価
器14b とを備えた、損耗度を評価する演算器14へ与えら
れるようになっている。演算器14による評価結果は出力
装置15へ与えられて、ディスプレイ表示,印刷出力等、
所定の出力がなされるようになしてある。
【0033】次にこのように構成された装置における耐
火物の損耗評価方法について説明する。超音波探触子5
は、パルサー6から出力された電気信号に基づいて超音
波を発生し(送信信号)、耐火レンガ3の表面へ伝え
る。耐火レンガ3内を伝搬した弾性波は、健全部と脆化
部との境界、又は健全部内の割れで反射される。送信信
号及びこの反射信号は信号増幅器7にて増幅され、バン
ドパスフィルタ8にて高炉操業時の雑音成分が除去され
た後、A/D変換器9にてA/D変換される。このA/
D変換された信号は、信号処理器10の平均化処理部10a
へ与えられ、所定回数の加算平均によってS/N比が向
上される。
【0034】厚み測定部10b は、(1)式に基づいて、
図3に示す如き、送信信号を検出してから反射信号を検
出するまでに要した時間Tから、接触媒体5a内を超音波
が往復伝搬するのに要する時間tを差し引いた後、予め
求めておいた耐火レンガ3内での弾性波の伝搬速度V
と、前記到達時間差の1/2との積を算出することによ
り、健全部の厚みL1を求める。 L1=(T−t)×V/2 …(1)
【0035】そしてエア圧力調整器22にて5kgf/cm2
エア圧力をエアハンマー21に印加することにより、先端
部21a で耐火レンガ3を打撃する。これにより弾性波が
耐火レンガ3内を伝搬する。このときの弾性波は、加速
度計23によって受信され、信号増幅器24にて増幅され、
バンドパスフィルタ25にて高炉操業時の雑音成分が除去
された後、A/D変換器26にてA/D変換される。この
A/D変換された信号は、信号処理器27の平均化処理部
27a へ与えられ、所定回数の加算平均によってS/N比
が向上される。
【0036】厚み測定部27b は、図4に示す如きS/N
比が向上された信号のパワースペクトルをFFT演算に
よって求め、スペクトル群中、最も周波数が低いスペク
トルの周波数を基本共振周波数frとして検出し、下式
(2)への代入演算を行うことにより、レンガ残存厚み
L2を算出する。 L2=V/(2・fr) …(2)
【0037】さらに温度計11,11からの信号は熱流束計
12へ与えられて熱流束が検出され、熱伝導計算装置13へ
与えられる。温度計11,11の間隔をx1とし、外側の温
度計11と耐火レンガ3の表面との距離は通常数mmである
ので無視する。熱伝導計算装置13は、(3)式に基づい
て距離x1及び2つの温度計11,11による測定温度t
1,t2に基づいて、侵食面までの厚みL3を求める。
侵食面は熱源である熔銑(温度tp:1150℃)と接して
いる部分である。 L3={(tp−t1)/(t2−t1)}×x1 …(3)
【0038】演算器14の比較演算器14a は、信号処理器
10にて得られた厚みL1,信号処理器27にて得られた厚
みL2,及び熱伝導計算装置13にて得られた侵食面まで
の厚みL3を、予め設定された数値と比較する。また適
宜L2−L1及びL3−L2を求めて予め設定された数
値と比較する。そして損耗度評価器14b がこれらの比較
結果に基づいて損耗度を例えば5段階で評価する。
【0039】比較演算器14a に設定されている比較値を
以下に示す。 L1:0,250 ,500 ,750 ,1000(mm) L2:0,250 ,500 ,750 ,1000(mm) L3:0,250 ,500 ,750 ,1000(mm) L2−L1:0,50,100 ,250 ,500 ,750 ,1000
(mm) L3−L2:0,50,100 ,250 ,500 ,750 ,1000
(mm) そして“1”を無損耗、“5”を損耗限界とした5段階
評価における評価の例を以下に挙げる。 (I)250 mm<L1<500 mm L2>1000mm L3>1000mm 500 mm<L2−L1<750 mm 250 mm<L3−L2<500 mm この例では、耐火レンガ3の内部に亀裂があるが(L
1)、脆化部までの厚みL2が1000mm以上残存している
ので、脆化部から熱源までの距離(L3−L2)も所定
値(250 mm)以上確保されている。従って損耗度評価器
14b は損耗程度3と評価する。
【0040】 (II)500 mm<L1<750 mm 500 mm<L2<750 mm 750 mm<L3<1000mm 0mm<L2−L1<50mm 50mm<L3−L2<100 mm この例では、L2−L1が所定値(50mm)より小さいた
め、亀裂は存在していないが、脆化部までの厚み(L
1,L2のうちいずれか小さい方)が所定の管理値(75
0 mm)以下である。また脆化部から熱源までの距離(L
3−L2)も所定値(100 mm)以下である。故に損耗評
価は、早急に耐火物保護を促す操業を行う等の処置を必
要とする損耗程度4である。
【0041】演算器14において得られた評価結果は出力
装置15へ与えられ、出力装置15はこの評価結果をディス
プレイ表示,印刷出力等の手段で出力する。
【0042】図1では鉄皮1及びスタンプ材2を開孔
し、開孔部4に超音波探触子5の先端を挿入して測定し
ているので精度良く超音波の伝搬時間を測定することが
できるが、スタンプ材2の性状が良好である場合には、
鉄皮1のみを開孔して測定してもよい。また鉄皮1,ス
タンプ材2及び耐火レンガ3の接触状態が良好であり、
各部分に剥離等の欠陥が存在しない場合は、その反射信
号を検出することが可能な限りにおいて、鉄皮1表面を
ハンマーにて打撃し、この打撃によって発生した20kH
z以上の弾性波を測定に用いて厚みL1としてもよい。
さらに上述の形態例では厚みL2の測定のために、エア
ハンマー21にて5kHz以下の弾性波を発生させている
が、例えば加振器等の手段によって正弦波加振力を耐火
レンガ3に印加する構成としてもよい。この場合は、そ
の機械インピーダンスを測定し、そのピーク値から共振
周波数を求めてレンガ残存厚みL2を得る。
【0043】形態例2.図5は、本発明に係る耐火物の
管理方法を実施するための装置を示す構成図である。L
1,L2,L3を測定するための、上述した構成を用い
た複数(図5では8個)の測定素子31,…を炉32の複数
箇所に、例えば周方向に等間隔に設置して、各位置にお
けるL1,L2,L3を求める。求められた全てのデー
タは演算器14へ与えられ、比較、検討される。その結
果、複数箇所の中で例えば局所的にデータが異なる場
合、この場所を特定し、所定の出力装置15にて出力す
る。
【0044】例えば1箇所において、L1,L2が同じ
値であり、しかも他の位置より小さい場合、この位置が
局所的に侵食されていると考えられる。またL1,L2
が異なる値であり、L1が局所的に小さい場合、この位
置に亀裂が生じていると考えられる。従ってこの場所の
部分的改修の必要があると判断することができる。この
ように局所的に状態が異なる場合、1箇所の測定では、
この位置が測定される可能性は低く、この位置から熔銑
が流出したりすることがある。しかしながら測定箇所が
多いほど、この位置が検出され、特定される可能性が向
上する。従って局所的に生じた亀裂,侵食等の欠陥を管
理することが可能となり、部分的な改修を行って熔銑流
出等の事故を未然に防止し、長期間にわたり安全に操業
することが可能となる。
【0045】なお演算器14における処理の全て又は一部
を人手によって行ってもよく、この場合は形態例1の装
置を使用することができる。
【0046】形態例3.図6は、本発明に係る耐火物の
管理方法を実施するための装置を示す構成図であり、演
算器に関連する部分のみを示す。演算器14は、L1,L
2,L3のデータを夫々の測定日と対応付けて記憶する
測定値記憶部14c と、L1,L2,L3の夫々につい
て、経時的変化を求める経時的変化演算部14d と、この
経時的変化と過去の経験的データからその後のデータの
変化を予測する予測部14e と、L1,L2,L3の夫々
の管理値を記憶する管理値記憶部14f と、予測部14e で
予測された値が管理値を下回る時点を算出する算出器14
g とを有する。
【0047】このような演算器14における動作について
説明する。信号処理器10,27及び熱伝導計算装置13にて
得られるL1,L2,L3の算出測定データは、夫々の
測定日と対応付けて測定値記憶部14c に記憶され、経時
的変化演算部14d が、このデータを随時抽出してL1,
L2,L3の夫々について経時的変化を求める。経時的
変化演算部14d にて求められた経時的変化と過去の経験
的データから予測部14e がその後のデータの変化を予測
し、この予測値が、管理値記憶部14f に記憶されている
L1,L2,L3の夫々の管理値を下回る時点を算出器
14g が算出する。L1,L2,L3は図7に示す如く変
化することが経験的に知られており、予測部14e はこの
データを記憶している。上述した管理値は、必要に応じ
て一般に寿命とされている値、及び改修を必要とする値
のいずれか一方、又は両方とすることができる。またそ
の他の値であってもよい。
【0048】このように蓄積された経時的なL1,L
2,L3のデータを使用することにより、余寿命,改修
時期等を把握することができ、熔銑流出等の事故を未然
に防止して、効率良く高炉を使用することが可能とな
る。また図6の如き構成の演算器14における処理の全て
又は一部を人手によって行ってもよく、この場合は形態
例1の装置を使用することができる。さらに複数箇所で
測定を実施する構成としてもよい。
【0049】
【実施例】
実施例1.図8は実施例1において得られた厚みL1,
L2,L3と、測定場所をコアボーリングして検証した
結果とを示す耐火レンガ3の模式図である。各演算式に
使用した値及び演算結果を列挙する。超音波の周波数は
100 kHzである。 L1: T=415 μsec, t=30μsec, V=2800m/sec L1=(T−t)×V/2 …(1) =(415−30) ×10-6×2800×103 /2 ≒540 mm L2: fr:1.37kHz L2=V/(2・fr) …(2) =2800/(2×1.37) ≒1020mm L3: t1=100 ℃, t2=171 ℃, x1=100 mm L3={(tp−t1)/(t2−t1)}×x1 …(3) ={(1150−100)/(171 −100)}×100 ≒1480mm また、 L2−L1=1020−540 =480 mm L3−L2=1480−1020=460 mm である。
【0050】L2−L1が所定値(50mm)より大きいた
め割れがあると判断され、その位置は超音波による測定
値L1=540 mmであり、コアボーリングして実測した結
果である540 mmを精度良く測定している。またレンガ打
撃による共振周波数から測定した脆化部までのレンガ厚
みL2は1020mmであり、実測値980 mmが正確に測定され
ている。さらに温度計の測定値から得た熱源までの厚み
L3は1480mmであり、実測による凝固部を含めたレンガ
残存厚み1300mmと比較すると、少し精度は低いが概略の
全レンガ残存厚みを推定しているといえる。
【0051】比較演算器14a は、所定の比較の結果、以
下のような結果を出力する。 500 mm<L1<750 mm L2>1000mm L3>1000mm 250 mm<L2−L1<500 mm 250 mm<L3−L2<500 mm 以上の結果より損耗度評価器14b は損耗程度2と評価す
る。
【0052】実施例2.図9は実施例2において得られ
た厚みL1,L2,L3と、測定場所をコアボーリング
して検証した結果とを示す耐火レンガ3の模式図であ
る。各演算式に使用した値及び演算結果を列挙する。超
音波の周波数は100 kHzである。 L1: T=910 μsec, t=30μsec, V=2800m/sec L1=(T−t)×V/2 …(1) =(910−30) ×10-6×2800×103 /2 ≒1230mm L2: fr:1.1 kHz L2=V/(2・fr) …(2) =2800/(2×1.1 ) ≒1270mm L3: t1=130 ℃, t2=204 ℃, x1=100 mm L3={(tp−t1)/(t2−t1)}×x1 …(3) ={(1150−130)/(204 −130)}×100 ≒1380mm また、 L2−L1=1270−1230=40mm L3−L2=1380−1270=110 mm である。
【0053】L2−L1が所定値(50mm)より小さいた
め割れがないと判断され、実際割れは発生していなかっ
た。超音波による厚みL1(1230mm)は脆化部までの厚
み1240mmを精度良く表している。レンガ打撃による共振
周波数から測定した脆化部までのレンガ厚みL2は1270
mmであり、超音波による測定値より若干測定精度は低
い。これは超音波で使用している弾性波の周波数100 k
Hzが、共振周波数測定で使用されている周波数よりも
100 倍程度高いためであると推察される。さらに温度計
の測定値から得た熱源までの厚みL3は1370mmであり、
実測による凝固部を含めたレンガ残存厚み1310mmと良好
な一致を示しているが、これは脆化部の厚み,凝固部の
編みが夫々20mm,50mmと比較的薄いためであると推察さ
れる。
【0054】比較演算器14a は、所定の比較の結果、以
下のような結果を出力する。 L1>1000mm L2>1000mm L3>1000mm 0mm<L2−L1<50mm 50mm<L3−L2<100 mm 以上の結果より損耗度評価器14b は損耗程度1と評価す
る。
【0055】実施例3.図10は実施例3において得られ
た厚みL1,L2と、測定場所をコアボーリングして検
証した結果とを示す耐火レンガ3の模式図である。各演
算式に使用した値及び演算結果を列挙する。超音波の周
波数は100 kHzである。 L1: T=605 μsec, t=30μsec, V=2800m/sec L1=(T−t)×V/2 …(1) =(605−30) ×10-6×2800×103 /2 ≒810 mm L2: fr:1.15kHz L2=V/(2・fr) …(2) =2800/(2×1.15) ≒1220mm また、 L2−L1=1220−810 =410 mm である。
【0056】L2−L1が所定値(50mm)より大きいた
め割れがあると判断されるが、実際には割れは発生して
いないが脆化部の手前に微小な亀裂が数多く入った劣化
部が存在していた。超音波による厚みL1(810 mm)は
この劣化部までの厚みを測定しており、レンガ打撃によ
る共振周波数から測定した脆化部までのレンガ厚みL2
(1220mm)は脆化部までの厚みを示している。実測値は
夫々830 mm,1200mmであり精度は良好である。このよう
に所定値より大きいL2−L1が所定値より大きい場合
は、脆化部の手前に何らかの超音波反射源(割れ等)が
あることを示しているといえる。
【0057】比較演算器14a は、所定の比較の結果、以
下のような結果を出力する。 750 <L1<1000mm L2>1000mm 250 mm<L2−L1<500 mm 以上の結果より損耗度評価器14b は損耗程度2と評価す
る。
【0058】本発明で測定,判別が可能な項目を以下に
まとめる。 L2−L1…割れ又は劣化部の有無 L1 …劣化部又は脆化部までの厚み L2 …脆化部までの厚み L3 …凝固部を含めた熱源までの厚み
【0059】実施例4.本実施例は上述した形態例2に
相当する。即ち、図6に示す如く、高炉において炉底円
周方向に等間隔に配置された8個の測定素子31,…によ
り8箇所において、上述したL1,L2,L3を測定し
た。1箇所のみL1,L2が管理値(A)1250mm以下で
あり、L3は管理値(B:B>A)1000mm以上であっ
た。その他の方位ではL1,L2,L3全てが管理値以
上であった。そこでL1,L2が管理値以下であった場
所についてはレンガの部分的な積み替えが必要であると
判断する。
【0060】図11はこの部分における、L1,L2,L
3の算出測定値,実測値及び管理値を合わせて示す模式
的断面図である。図中L1,L2,L3は算出測定値を
示し、A,Bは管理値を示す。また実測値は図示してあ
る。積み替えを実施して取り除かれたレンガを実際に確
認すると、 L1 … 1240 mm(<A) L2 … 1270 mm(>A) であり、非常に危険な状態であったことが判る。この積
み替えにより熔銑流出等の事故を未然に防止することが
できた。またこの時点で解体調査したところ、L3の実
測値は1310mm(<B)であり、算出測定値との間に大き
い誤差があることが判明した。これはレンガの劣化によ
り熱伝導率が大きく変化したためであると考えられる。
【0061】実施例5.本実施例は上述した形態例3に
相当する。即ち、図6に示す構成の演算器14を有する装
置において、改修実施のために、L1,L2の管理値
(A)を1250mmとし、L3の管理値(B)を1300mmとす
る。その時点で火入れから12年が経過している高炉にお
いて、火入れから7年目まではxmm/年であり、7年目
から12年目まではymm/年で侵食が進んでいる場合(図
12)、過去の経験的データから今後の侵食は7年目から
12年目までと同じ速度で進むと仮定して、改修までの年
数aは以下式により求められる。ここでは亀裂がなくL
1=L2である場合を示す。 (レンガ元厚)−7x−(5+a)y≦A 上式において、レンガ元厚を1500mm,xを24mm,yを10
mmとすると、aは15年である、即ち3年後に改修実施が
必要な厚みになると推測される。これにより求めた予測
値は、改修時の解体調査で脆化層までの厚みL2に対し
て誤差が5%以下であり、非常に有効であることが分か
った。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明に係る耐火物の損耗
評価方法及びその実施に使用する装置は、比較的高い周
波数である20kHz以上の弾性波の耐火物中の往復伝
搬時間から健全部中の割れ,亀裂部又は脆化部である反
射源までの厚みを求め、また比較的低い5kHz以下の
弾性波を伝搬させ、耐火物の共振周波数を検出すること
により、耐火物の脆化部までの厚みを求め、さらに少な
くとも2個所の外側表面近傍の温度とその距離とから既
知の熱源温度までの距離を算出することにより熱源まで
の厚みを求め、これらのうち少なくとも2つを用いて耐
火物の損耗度を決定することにより、耐火物の残存厚み
及び内部状態を正確に把握して耐火物の損耗度を高精度
に、且つ再現性良く評価することが可能である。
【0063】また本発明に係る耐火物の管理方法では、
複数箇所で測定を実施して局所的な異常を検出すること
により、部分的改修に利用することができる。さらに過
去の経時的データからその後の侵食状況を予測すること
により、余寿命,改修時期を予測することができる等、
本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火物の損耗評価方法を実施する
ための装置を示す構成図である。
【図2】本発明に係る耐火物の損耗評価方法を実施する
ための装置を示す構成図である。
【図3】図1に示す超音波探触子にて検出された弾性波
を示す波形図である。
【図4】図2に示す厚み測定部にて求められたパワース
ペクトルを示す図である。
【図5】形態例2に係る耐火物の管理装置の要部を示す
ブロック図である。
【図6】形態例3に係る耐火物の管理装置の要部を示す
ブロック図である。
【図7】経験的に知られるL1,L2,L3の経時的変
化を示すグラフである。
【図8】実施例1において得られた各厚みと、測定場所
をコアボーリングして検証した結果とを示す耐火レンガ
の模式図である。
【図9】実施例2において得られた各厚みと、測定場所
をコアボーリングして検証した結果とを示す耐火レンガ
の模式図である。
【図10】実施例3において得られた各厚みと、測定場
所をコアボーリングして検証した結果とを示す耐火レン
ガの模式図である。
【図11】ある部分における、L1,L2,L3の算出
測定値,実測値及び管理値を合わせて示す模式的断面図
である。
【図12】L1,L2,L3の経時的変化、及び予測値
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鉄皮 2 スタンプ材 3 耐火レンガ 4 開孔部 5 超音波探触子 5a 接触媒体 6 パルサー 7,24 信号増幅器 10,27 信号処理器 10a ,27a 平均化処理部 10b ,27b 厚み測定部 8,25 バンドパスフィルタ 9,26 A/D変換器 11 温度計 12 熱流束計 13 熱伝導計算装置 14 演算器 14a 比較演算器 14b 損耗度評価器 14c 測定値記憶部 14d 経時的変化演算部 14e 予測部 14f 管理値記憶部 14g 算出器 15 出力装置 21 エアハンマー 21a 先端部 22 エア圧力調整器 23 加速度計 31 測定素子 32 炉

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物
    の厚みを測定し、耐火物の内部状態を判別し、これらの
    結果から炉内の熱源による耐火物の損耗度を評価する方
    法であって、耐火物の外側表面から内側へ向けて第1弾
    性波を伝搬させ、耐火物内の反射源における反射波を検
    出し、第1弾性波が前記外側表面から反射源までの往復
    に要した時間を用いて前記外側表面から反射源までの厚
    みL1を算出し、第1弾性波より低い周波数を有する第
    2弾性波を前記外側表面から内側へ向けて伝搬させ、耐
    火物の共振周波数を検出し、この共振周波数に基づいて
    耐火物の前記外側表面から脆化部までの厚みL2を算出
    し、耐火物の外側表面近傍の、厚み方向に所定間隔を隔
    てた少なくとも2個所の温度を測定し、この温度測定値
    を用いて前記外側表面から前記熱源までの厚みL3を算
    出し、前記反射源までの厚みL1,前記脆化部までの厚
    みL2及び前記熱源までの厚みL3のうち少なくとも2
    つを用いて耐火物の損耗度を決定することを特徴とする
    耐火物の損耗評価方法。
  2. 【請求項2】 第1弾性波の周波数は20kHz以上で
    あり、第2弾性波の周波数は5kHz以下であることを
    特徴とする請求項1記載の耐火物の損耗評価方法。
  3. 【請求項3】 前記反射源までの厚みL1と前記脆化部
    までの厚みL2との差を求め、この差を使用して、反射
    源が、割れ,亀裂部又は脆化部であるかを判断すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の耐火物の損耗評価方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の耐火物の損耗
    評価方法を炉の複数箇所について実施し、前記L1,L
    2又はL3が所定値以下である場所を検出し特定するこ
    とを特徴とする耐火物の管理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3記載の耐火物の損耗
    評価方法を用いて求められる前記L1,L2又はL3を
    経時的に算出し、この値の経時的変化を求め、該経時的
    変化からその後の変化を予測し、この予測値が所定値を
    下回る時点を算出することを特徴とする耐火物の管理方
    法。
  6. 【請求項6】 炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物
    の厚みを測定し、耐火物の内部状態を判別し、これらの
    結果から炉内の熱源による耐火物の損耗度を評価する装
    置であって、耐火物の外側表面から内側へ向けて第1弾
    性波を伝搬させる手段と、耐火物内の反射源における反
    射波を検出する手段と、前記弾性波が前記外側表面から
    反射源までの往復に要した時間を用いて前記外側表面か
    ら反射源までの厚みL1を算出する手段と、第1弾性波
    より低い周波数を有する第2弾性波を前記外側表面から
    内側へ向けて伝搬させる手段と、耐火物の共振周波数を
    検出する手段と、この共振周波数に基づいて耐火物の前
    記外側表面から脆化部までの厚みL2を算出する手段
    と、耐火物の外側表面近傍に、厚み方向に所定間隔を隔
    てて埋設された少なくとも2つの温度計と、該温度計に
    よる測定値を用いて前記外側表面から前記熱源までの厚
    みL3を算出する手段とを備えることを特徴とする耐火
    物の損耗評価装置。
  7. 【請求項7】 前記反射源までの厚みL1,前記脆化部
    までの厚みL2及び前記熱源までの厚みL3のうち少な
    くとも2つを用いて耐火物の損耗度を決定する手段を備
    えることを特徴とする請求項6記載の耐火物の損耗評価
    装置。
  8. 【請求項8】 第1弾性波の周波数は20kHz以上で
    あり、第2弾性波の周波数は5kHz以下であることを
    特徴とする請求項6,7記載の耐火物の損耗評価装置。
  9. 【請求項9】 前記反射源までの厚みL1と前記脆化部
    までの厚みL2との差を求める手段と、この差を使用し
    て、反射源が、割れ,亀裂部又は脆化部であるかを判断
    する手段とを備えることを特徴とする請求項6,7又は
    8記載の耐火物の損耗評価装置。
  10. 【請求項10】 炉の複数箇所に設置されるべき請求項
    6〜9のいずれかに記載の耐火物の損耗評価装置と、前
    記L1,L2又はL3が所定値以下である場所を検出し
    特定する手段とを備えることを特徴とする耐火物の管理
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項6〜9のいずれかに記載の耐火
    物の損耗評価装置を用いて経時的に算出された前記L
    1,L2又はL3を記憶する手段と、この値の経時的変
    化を求める手段と、該経時的変化からその後の変化を予
    測する手段と、この予測値が所定値を下回る時点を算出
    する手段とを備えることを特徴とする耐火物の管理装
    置。
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