JPH10218640A - アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体 - Google Patents

アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体

Info

Publication number
JPH10218640A
JPH10218640A JP2065697A JP2065697A JPH10218640A JP H10218640 A JPH10218640 A JP H10218640A JP 2065697 A JP2065697 A JP 2065697A JP 2065697 A JP2065697 A JP 2065697A JP H10218640 A JPH10218640 A JP H10218640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfide
earth metal
glass
chalcogenide glass
alkaline earth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2065697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
Tomoharu Kato
智晴 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2065697A priority Critical patent/JPH10218640A/ja
Publication of JPH10218640A publication Critical patent/JPH10218640A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光において透過性を有し、緑色のア
ップコンバージョン発光が得られるガラス体を提供す
る。 【解決手段】 アルカリ土類金属硫化物52〜75モル
%および硫化ガリウム25〜48モル%からなるカルコ
ゲナイドガラスおよび該カルコゲナイドガラスに希土類
金属を配合してなる発光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視領域から赤外
領域に至る幅広い波長域の光に対して優れた透過性を有
するカルコゲナイドガラスと、該ガラスを母材とした青
色発光が可能な発光体に関する。本発明の発光体はディ
スプレイ用蛍光体、赤外光検知体あるいはアップコンバ
ージョンレーザーの材料等として幅広い用途を有する。
【0002】
【従来技術とその課題】光学材料としては、従来より結
晶およびガラス(非晶質)が用いられている。結晶の中
でも単結晶は結晶の方向が揃っているため散乱が極小さ
く光透過性に優れるが、ファイバー等の任意の形態に成
形することが困難であり、また単結晶は大きなものを製
造するにも困難が多いという問題を有している。また、
多結晶は製造は比較的容易であるが各結晶面において散
乱が生じるため透明になり難く光透過性に劣るという問
題を有している。さらに結晶は配位子場の対称性が高い
ために発光遷移確率が低く、また吸収幅が狭いため、半
導体レーザーのように励起光の波長が変動しやすいレー
ザーで励起する場合には吸収効率の変動が大きいという
問題点がある。
【0003】一方、ガラス材は、(i) 結晶に比べて可視
光発生の際の損失や散乱が少ない材料を作製し易い、(i
i)ファイバー等の任意の形態に成形できる、(iii) 励起
光の波長ゆらぎに伴う吸収効率の変動が小さいので、温
度や電流等の影響により出力波長が変動しやすい半導体
レーザーを励起光として用いた場合でも比較的安定した
出力が得られる等の利点がある。このため、近年ではガ
ラス材料が広く用いられ、また発光特性の優れたガラス
材料が求められている。
【0004】このようなガラス材料の1種にカルコゲナ
イドガラスが知られている。カルコゲナイドガラスとし
ては、ヒ素やゲルマニウムのカルコーゲン化物が知られ
ており、具体的にはAs−S系、Ge−S系、Ge−P
−S系、As−Ge−S系、As−S−Se系、As−
Se−Te系、As−Ge−S−Se系、Ge−S−S
e系などのガラスが従来から知られている。これらのカ
ルコゲナイドガラスは赤外線域の透過性が良いため低損
失の赤外域通信用光ファイバとしての用途が検討されて
いるが、この反面、可視光域の透過性が低く、また青色
発光域において吸収バンドを有するため、青色ないし緑
色発光源の希土類元素を加えても青色ないし緑色のアッ
プコンバージョン発光を生ぜず、記録保存密度において
有利な短波長域(青〜緑域)の発光体が得られないと云う
問題がある。
【0005】本発明は、このような従来のカルコゲナイ
ドガラスの限界を克服したものであって、赤外域だけで
なく可視領域から赤外領域に至る幅広い波長域の光に対
して優れた透過性を有し、また緑色のアップコンバージ
ョン発光が可能なカルコゲナイドガラスおよび該ガラス
を母材とした発光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題の解決手段】すなわち本発明は、(1)アルカリ土
類金属硫化物52〜75モル%および硫化ガリウム25
〜48モル%からなることを特徴とするカルコゲナイド
ガラスである。また本発明は、(2)アルカリ土類金属硫
化物が硫化ストロンチウムであるカルコゲナイドガラ
ス、(3)希土類金属が0.01〜4モル%含有されてい
るカルコゲナイドガラス発光体を含む。
【0007】
【発明の実施形態】本発明のカルコゲナイドガラスは、
アルカリ土類金属硫化物52〜75モル%および硫化ガ
リウム25〜48モル%からなるものである。カルコゲ
ナイドのうち、硫化ゲルマニウム(GeS2)や硫化砒素(As2
S3)は単独でも容易にガラス化することが知られている
が、硫化ゲルマニウム(Ga2S3)は単独ではガラス化しな
い。最近、この硫化ゲルマニウムに硫化ランタンを配合
することによりガラス化することが報告されているが、
本発明はこのような希土類金属の硫化物ではなく、アル
カリ土類金属硫化物を配合することによりガラス化した
ものである。硫化ガリウム−アルカリ土類金属硫化物の
系において、その配合比を調整することにより、この化
合物がガラス化し透明体となることは従来知られていな
い。
【0008】配合されるアルカリ土類金属の硫化物とし
ては、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化バリ
ウムなどが挙げられ、これらは2種以上を併用すること
もできる。好ましくは硫化ストロンチウムである。
【0009】アルカリ土類の硫化物と硫化ガリウムの配
合割合は、アルカリ土類硫化物が52〜75モル%、硫
化ガリウムが25〜48モル%である。配合割合がこの
範囲を外れると、結晶化速度が非常に大きくなるため溶
融混合しても部分的にあるいは全体が結晶化してしま
い、良好なガラス体を得ることができない。このような
結晶化したものは結晶の界面で光が乱反射するため透明
体となり難い。ガラス化に特に好ましい配合割合は、ア
ルカリ土類金属の硫化物が56〜70モル%、硫化ガリ
ウムが30〜44モル%である。
【0010】本発明のカルコゲナイドガラス材は、常法
により製造することができ、例えば精製乾燥した原料の
硫化物粉末を所定量調合した後、真空下で加熱溶融・急
冷して製造することができる。溶融温度は硫化ストロン
チウムと硫化ガリウム混合物の場合、これらが溶融する
温度、即ち1100℃以上であればよく、好ましくは1
150〜1250℃であれば良い。本発明のカルコゲナ
イドガラスは上記常法による製造で比較的容易にガラス
化する。
【0011】本発明のカルコゲナイドガラスは、図1に
例示するように、可視光域から赤外域の450〜150
0nmに至る広い波長域において高い光透過性を有する。
特に550nm付近の緑色波長域においても高い光透過性
を示すため、従来より知られている発光中心物質として
の希土類金属を配合することにより緑色発光するアップ
コンバージョン発光体を得ることができる。発光中心物
質の希土類金属としては、エルビウム(Er)、ホルミウム
(Ho)、ツリウム(Tm)、ネオジム(Nd)などが挙げられ、そ
の配合量は0.01〜4モル%程度である。
【0012】上記発光体は、ガラス原料である硫化ガリ
ウム粉末およびアルカリ土類硫化物粉末に、発光中心物
質である希土類金属の硫化物を所定量配合し、加熱溶融
後、急冷しガラス化して得られる。
【0013】本発明のカルコゲナイドガラスないしその
発光体は従来の結晶体のものに比べて加工性が良好であ
り、型への流し込みにより種々の形状に成形することが
可能である。また、結晶よりも大きな透明体を容易に得
ることができ、その製造方法および装置も簡単である等
の利点を有している。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。なおこれらの
例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0015】実施例1 完全脱水した硫化ガリウム粉末1モル部に、完全脱水し
た硫化ストロンチウム粉末2モル部を加え、これらの混
合粉末を石英ガラス管に真空封入してアンプルを作製し
た。この石英アンプルを1150℃で1時間加熱して溶
融させた後、炉外に取り出して石英アンプルを放冷し、
やや黄色を帯びた透明体であるストロンチウム含有カル
コゲナイドガラスを作製した。得られたガラスをICP
分析したところ、ガリウム1モルに対してストロンチウ
ムは1.05モルであった。
【0016】このガラスについて400〜1500nm域
の吸収スペクトルを測定したところ図1に示す結果が得
られた。 図1のグラフに示すように、本実施例のSr-G
a-S系カルコゲナイドガラスは波長200〜450nm付
近においてガラス自体による吸収があるが、450〜1
500nmの波長域においては90%以上の高い光透過率
を示す。特に、緑色波長である550nm付近には吸収バ
ンドがなく、緑色レーザ発光体の母材としての適性を有
していることが分かる。なお、従来のAs-Se-Te系カルコ
ゲナイドガラス(As2Se3・As2Te)は赤外光に対してのみ透
過を有し、可視光を透過しないので、本発明のカルコゲ
ナイドガラスのような緑色発光体として用いることはで
きない。
【0017】実施例2 硫化ガリウム1モル部に、硫化ストロンチウム1.3モ
ル部と硫化エルビウム0.2モル部とを加え、実施例1
と同様にしてガラス体を得た。このガラス体を石英アン
プルから取り出して長さ約5mmの円柱状に切断し、切断
部を面研磨したものに波長807nmの半導体レーザ(3
0mW)を照射したところ、ガラス体内部で緑色発光する
ことが確認された。この発光スペクトルを図2に示す。
図2より、得られたガラス材は波長550nm付近の緑色
発光域の発光強度が最も強いことがわかる。
【0018】実施例3、比較例 硫化ガリウム粉末と硫化ストロンチウム粉末の配合比を
次表(モル比)のように変え、また硫化ストロンチウムに代
えて硫化バリウム、硫化マグネシウムを用いた他は実施
例1と同様にして原料をガラス化した。この結果を次表
に示した。原料の配合比が本発明の範囲内のものは良好
なガラス体が得られ、このガラスは実施例1と同様な光
透過性を有するものであった。一方、原料の配合比が本
発明の範囲を外れるものは部分的な結晶化が生じ、透明
なガラス体は得られなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明は、アルカリ土類金属の硫化物と
硫化ガリウムを特定量配合してなるカルコゲナイドガラ
ス材を提供するものであり、可視領域から赤外領域に至
る幅広い波長域の光に対して優れた透過性を有し、各種
ガラス材として有用である。特に緑色波長域である55
0nm付近に吸収バンドがなく、希土類元素などの発光中
心物質を配合することで緑色発光アップコンバージョン
発光体としても用いることができる。また、本発明のカ
ルコゲナイドガラス材は比較的容易にガラス化するた
め、製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のガラス体の吸収スペクトルを示す
グラフ。
【図2】 実施例2の発光スペクトルを示すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属硫化物52〜75モル
    %および硫化ガリウム25〜48モル%からなることを
    特徴とするカルコゲナイドガラス。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属硫化物が硫化ストロン
    チウムである請求項1に記載のカルコゲナイドガラス。
  3. 【請求項3】 希土類金属が0.01〜4モル%含有さ
    れている請求項1または2に記載のカルコゲナイドガラ
    ス発光体。
JP2065697A 1997-02-03 1997-02-03 アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体 Withdrawn JPH10218640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2065697A JPH10218640A (ja) 1997-02-03 1997-02-03 アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2065697A JPH10218640A (ja) 1997-02-03 1997-02-03 アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10218640A true JPH10218640A (ja) 1998-08-18

Family

ID=12033267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2065697A Withdrawn JPH10218640A (ja) 1997-02-03 1997-02-03 アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10218640A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1248304A3 (en) * 2001-04-04 2007-04-04 LumiLeds Lighting U.S., LLC Phosphor converted light emitting diode
JP2023524178A (ja) * 2020-09-14 2023-06-08 大連民族大学 多価硫化物アップコンバージョンルミネッセンス材料
CN116535100A (zh) * 2023-05-21 2023-08-04 武汉理工大学 一种碱土金属硫化物纳米晶弥散玻璃及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1248304A3 (en) * 2001-04-04 2007-04-04 LumiLeds Lighting U.S., LLC Phosphor converted light emitting diode
JP2023524178A (ja) * 2020-09-14 2023-06-08 大連民族大学 多価硫化物アップコンバージョンルミネッセンス材料
CN116535100A (zh) * 2023-05-21 2023-08-04 武汉理工大学 一种碱土金属硫化物纳米晶弥散玻璃及其制备方法
CN116535100B (zh) * 2023-05-21 2024-03-01 武汉理工大学 一种碱土金属硫化物纳米晶弥散玻璃及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1266064C (zh) 玻璃珠及其制备方法
KR100340047B1 (ko) 할로겐이 첨가된 다성분계 산화물 조성의 광증폭기 및 레이저용 유리
JPH07300338A (ja) 透明ガラスおよび導波路構造
US6015765A (en) Rare earth soluble telluride glasses
US3867303A (en) Neodymium doped borate glass exhibiting fluorescence at 1.06 micrometers
JPH10218640A (ja) アルカリ土類金属含有カルコゲナイドガラス及びその発光体
JP2002535228A (ja) Pを含有するGeAsスルフィドガラス
EP0637861A1 (en) Infrared light-excited light-emitting substance
US6444599B1 (en) Rare earth element-halide environments in oxyhalide glasses
WO1998001401A1 (en) Optical glass and waveguide devices
CN1391536A (zh) 氟亚碲酸盐放大器玻璃
US3869405A (en) Glass exhibiting fluorescence at 1.06 micrometers
JP3412728B2 (ja) カルコゲナイドガラス
JP2002274882A (ja) 遷移金属含有カルコゲン化物ガラス発光体
KR100381009B1 (ko) 어븀 이온의 980 나노미터 여기 효율과 섬유화 특성향상을 위한 텔루라이트 유리 조성물
CA2196246C (en) Fluoride glass fiber
JP6165761B2 (ja) 透明なアルミネートガラス、ガラスセラミック及びセラミック
JP2008127255A (ja) 酸化スズ含有ガラス
US3869403A (en) Neodymium doped acetate glass exhibiting fluorescence at 1.06 micrometers
JP2018177555A (ja) カルコゲナイドガラス
JPH0859286A (ja) 青色発光ガラス材
JPH08259942A (ja) 赤外励起蛍光体
JPH04349141A (ja) 波長変換ガラス材料
JP3132245B2 (ja) フッ化物ガラス組成物
JP2020083722A (ja) 透明結晶化ガラス、及び透明結晶化ガラスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040406