JPH08259942A - 赤外励起蛍光体 - Google Patents

赤外励起蛍光体

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JPH08259942A
JPH08259942A JP8743395A JP8743395A JPH08259942A JP H08259942 A JPH08259942 A JP H08259942A JP 8743395 A JP8743395 A JP 8743395A JP 8743395 A JP8743395 A JP 8743395A JP H08259942 A JPH08259942 A JP H08259942A
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JP
Japan
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bromide
light
mol
ions
phosphor
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Withdrawn
Application number
JP8743395A
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English (en)
Inventor
Tomoharu Kato
智晴 加藤
Satoshi Okada
智 岡田
Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 臭化ガドリニウムを母材とし、発光源のエル
ビウムイオンと吸光源のディスプロシウムイオンを含
み、1.3μ域の赤外光を励起光として発光する赤外励
起蛍光体であって、好ましくは、臭化ガドリニウム70
モル%以上、臭化エルビウム1〜20モル%、臭化ディ
スプロシウム1〜10モル%を含有し、緑色域の発光を
生じる蛍光体。 【効果】 1.3μ域の赤外光で励起すると高輝度の蛍
光を発する。Erの含有量を調整することにより緑色、
黄〜赤色いずれの発光色とすることもできる。特に発光
強度の高い緑色光を得ることができるので、光ファイバ
の接続などの作業に用いる赤外光検出器として特に有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外光をより短い波長の
可視光に変換する波長変換材料に関する。より詳しく
は、変換効率に優れ、しかも製造が容易であり、赤外光
検知体もしくはディスプレイ用蛍光体またはアップコン
バージョンレーザーの材料等に幅広い応用が可能である
波長変換材料、特に1.3μm帯域の赤外光によって励
起され視認性の高い蛍光を発する蛍光体に関する。な
お、本明細書において1.3μ域の赤外光とは光通信な
どにおいて実質的に1.3μ波長の赤外光として用いら
れているものを言う。
【0002】
【従来技術とその課題】現在、石英ガラスファイバを光
路とする光通信では光損失が少ない0.8μ、1.3μ
及び1.5μを中心にした波長域の赤外光が伝送波長と
して用いられている。この赤外光は肉眼では観察されな
いため、ガラスファイバの接続作業などにおいては光路
を確認するための赤外光検出器が必要である。従来、赤
外光の検出器には輝尽蛍光体が用いられてきた。これは
紫外光で予備励起した後に赤外光を当てると蛍光を発す
るものである。しかし、輝尽蛍光体は、紫外線の照射の
ために余分な手間や時間および装置が必要な上、予備励
起後、時間の経過と共に発光輝度が低下するため連続的
な使用に適していないという問題がある。また、蛍光色
が橙色であるため視認性が悪い。
【0003】そこで、最近ではアップコンバージョン蛍
光体を赤外光検出に用いることが試みられている。アッ
プコンバージョンとは励起光よりも波長の短い蛍光を生
じる現象を云い、発光源イオンの電子を励起光により多
段階励起して蛍光を生じさせるもので予備励起を必要と
しない。発光源イオンとしては各種の希土類イオンが用
いられる。このアップコンバージョン蛍光体では、発光
源イオンの近傍に異種のイオン(吸光源)を存在させ、
後者のイオンを介してエネルギ−移動を行ない多段階励
起を実現することも行なわれている。
【0004】上記蛍光体としては酸化物ガラスあるいは
フッ化物ガラスを母材とし、希土類元素を発光源として
含有するものが多数知られているが、蛍光は励起光の波
長によって生じる波長域が異なり、1.3μ域の赤外光
を励起光として緑色域の蛍光を生じるものは得られてい
ない。例えば、特開平4-12035 号にはZrF4 等を母材
としエルビウム(Er)イオンおよびイッテルビウム(Yb)イ
オンを含有させたフッ化物ガラスは550nmおよび66
0nmの可視光(黄緑色)を発することが記載されている
が、励起波長は900〜1100nmであり、1.3μ域
の赤外光ではない。また、特開平4-349141号には、Er
イオンおよびツリウム(Tm)イオンを含むフッ化物ガラス
は Tm/Er含有比を変えることにより緑から赤の色調の蛍
光を発することが記載されているが、この場合の励起光
は780〜820nmである。
【0005】一方、最近、1.3μ域の赤外光を励起光
として発光する蛍光体として、塩化バリウムを母材と
し、Erイオンおよびディスプロシウム(Dy)イオンを含
有する蛍光体が報告されている(J. Ohwaki,Y. Wang, A
ppl. Phys. Lett.,65(2), 1994) 。しかし、この蛍光体
は550nm付近(緑色域)のほかに670nm付近(赤色
域)、800nm(赤外域)付近に発光ピークを有し、赤
色域の発光強度が緑色域よりも2倍程度強いので色の混
合により肉眼では赤色〜橙色の蛍光として認識される。
ところで、一般に肉眼の視感度は500〜550nm前後
(本明細書ではこの波長域を緑色域と称する)の波長域
において最も感度が高く、赤色〜橙色の波長は視感度が
劣る。従って上記の蛍光体は発光の視認性が悪く、光フ
ァイバの接続作業において光路をモニターする光検知体
などには適さない。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、アップコンバージョン材
料における上記問題を解決し、1.3μ域の赤外光を励
起光とし、視認性に優れた緑色域の発光を生じることの
できる赤外励起蛍光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題解決の手段】本発明の蛍光体は従来のフッ化物な
いし塩化物を母材とするものとは異なり、臭化ガドリニ
ウムを母材とすることによって上記問題を解決したもの
であり、本発明によれば以下の構成からなる赤外励起蛍
光体が提供される。 (1)臭化ガドリニウムを母材とし、発光源のエルビウ
ムイオンと吸光源のディスプロシウムイオンを含み、
1.3μ域の赤外光を励起光として発光する赤外励起蛍
光体。 (2)臭化ガドリニウム70モル%以上、臭化エルビウ
ム1〜20モル%、臭化ディスプロシウム1〜10モル
%を含有し、緑色域の発光を生じる上記(1) の蛍光体。 (3)臭化ガドリニウム50モル%以上、臭化エルビウ
ム1〜20モル%、臭化ディスプロシウム1〜10モル
%、残部が臭化バリウムおよび臭化カリウムから選択さ
れる1種または2種以上の臭化物である上記(2) の蛍光
体。
【0008】
【具体的な説明】本発明の蛍光体は、格子振動エネルギ
ーの小さいガドリニウム(Gd)臭化物を母材とする。
従来、臭化ガドリニウム(臭化Gd)を母材とする蛍光
体は知られていない。臭化物は一般にフッ化物よりも格
子振動エネルギーが小さく、発光源イオンの電子が励起
準位に滞留する平均時間が長いため、さらに励起エネル
ギーを吸収してより高いエネルギー準位にまで遷移する
多段階励起プロセスが起り易く。強度の強い発光が得ら
れる。塩化物もフッ化物より格子振動エネルギーは小さ
いが、上述のように塩化バリウムを母材とする従来の蛍
光体は緑色領域の発光強度が小さく発光色が黄〜橙色と
なる。
【0009】臭化Gdは母材の主成分であり、母材は蛍
光体中少なくとも50モル%(臭化物換算、特に述べな
い限り以下同じ)以上を占める。好ましくは70モル%
以上が適当である。母材は実質的にその全量が臭化Gd
でもよく、あるいはその一部を臭化バリウム(臭化B
a)または臭化カリウム(臭化K)で置換してもよい。
臭化Gdの一部を臭化Ba、臭化Kで置換したものは発
光強度を維持して原料コストを低下できる利点がある。
因みに、母材が塩化物であるときは本発明と同量のG
d,Er,Dyを含有しても1.3μ域の赤外光によっ
て発光を生じない。
【0010】蛍光体における上記母材(Gd-Br,[Gd,Ba,
K]-Br)が97モル%以上では発光源イオン等の含有量
が過少となって発光強度が低下するため、上記含有量未
満とすることが好ましい。強い緑色蛍光を得るために
は、母材が実質的に臭化Gd単独である場合には、臭化
Gdの含有量は全組成物の80モル%〜97モル%未満
の範囲が適当である。また、臭化Gdの一部が臭化Ba
ないし臭化Kで置換されているものは、臭化Gdが50
〜80モル%、臭化Baないし臭化Kが20〜40モル
%であって、これらの合計量が97モル%未満の範囲が
適当である。
【0011】本発明の蛍光体には発光源としてErイオ
ンが含まれる。Erイオンの含有量によって発光波長
(色調)が異なり、Erイオンが1〜20モル%では緑
色の蛍光を生じ、30〜50モル%では黄〜赤色の蛍光
を生じる。従って、Erイオンの含有量を調整すること
により緑色〜黄、赤色の発光色を有する蛍光体を得るこ
とができる。
【0012】以上のように緑色の蛍光を得るにはErイ
オンの含有量は1〜20モル%が好ましい。Erイオン
の含有量が1モル%未満では発光強度が微弱になる。ま
た、Erイオンが20モル%を越えると発光色が黄色に
変化する。
【0013】Erイオンと共に吸光源としてDyイオン
が含有される。Dyイオンは、Erイオンでは吸収され
ない1.3μ域の赤外光を吸収し、格子振動により僅か
にエネルギーを放出するが、大部分のエネルギーをEr
イオンに伝達する。Dyイオンの含有量は0.5〜10
モル%が適当であり、1〜8モル%が好ましい。上記含
有量が0.5モル%未満では添加効果が無く、15モル
%を上回ると発光強度が大幅に低下する。また、Er/
Dyモル比は、1/4〜15/1が好ましく、1/2〜
2/1がより好ましい
【0014】具体的な組成例について各成分の好適な範
囲は以下のとおりである(各臭化物の合計は100モル
%)。(1) GdBr3 −ErBr3 −DyBr3 臭化Gd:84〜96モル% 臭化Er: 2〜15モル% 臭化Dy: 1〜 8モル%
【0015】(2) GdBr3 −BaBr2 −KBr −ErBr3 −DyBr3 臭化Gd: 48モル%以上 臭化Er: 2〜15モル% 臭化Dy: 1〜 8モル%。 臭化Ba、臭化K: 48モル%未満
【0016】上記(1)(2)の組成物は所定量の原料を混合
後、加熱溶融し冷却することにより不透明な焼成物とし
て得られる。加熱温度は原料粉末を溶融する温度であれ
ばよく、概ね800〜1000℃である。
【0017】本発明の蛍光体は1.3μmの赤外光によ
って視認性の良好な蛍光を発する。1.3μの赤外光に
よる励起はDy3+ 615/2 69/2 遷位(遷位エネ
ルギー:7700cm-1 (1.3 μ励起) )に対応するもので、
Dyイオンに吸収された上記エネルギーはフォノンによ
って近傍のEr3+イオンに伝えられる。典型的には、E
3+ 43/2 415/2遷位で550nmの発光が生
じ、 49/2 415/2遷位で670nmの発光が生じ
る。上述のように、従来知られていた塩化Ba母材のD
y,Er含有蛍光体では、520〜550nmの緑色域よ
りも650〜670nmの赤色域の発光強度が大きいが、
本発明の蛍光体は臭化Gdを母材とし、Er含有量およ
びEr/Dy比を調整することにより、黄〜赤色域の発
光を抑えて緑色域の相対強度の大きな蛍光を得ることが
できる。この結果、視認性の高い光検知体などを得るこ
とができる。
【0018】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお以下の実施例は例示であり、本発明の
範囲を限定するものではない。実施例1 金属Gd,Er,Dyを臭素と直接反応させて得たGd
Br3 、ErBr3 およびDyBr3 の精製乾燥粉末
(純度約99.9)をグローボックス内でGdBr396.
0モル%、ErBr3 2.0モル%、DyBr3 2.0
モル%の割合に調合し、得られた混合粉末を透明石英ガ
ラスアンプル(内径1.0mm,肉厚0.1mm,長さ150mm )中に
装入し、アンプル内を約10-3torrまで真空脱気し溶封
した。これを縦型抵抗電気炉にて900℃まで加熱して
アンプル内容物を溶融させた。900℃で10分間保持
して試料が完全に溶融したことを確認し、アンプルを電
気炉から取出して急冷し、乳白色の臭化物試料を得た。
この試料について、波長1.3μ(1298nm)の赤外レーザ
光(3.5mW) を照射し、発光スペクトルを測定した。この
結果を図1に示した。同図に示すように上記試料は緑色
域の発光が赤色域を大きく上回り、肉眼でも緑色の蛍光
として観察された。
【0019】実施例2〜13 実施例1と同一の原料を用い、表1に示す組成に調合し
た他は実施例1と同様にして蛍光体を製造した。これに
波長1.3μの赤外レーザ光(3.5mW) を照射して得られ
る発光の色調と強度を測定した。この結果を表1に示し
た。これらの結果に示されるように、ErBr3 含有量
が30モル%前後であると肉眼で観察される発光色は黄
・赤色であり、上記含有量が20モル%以下では緑色の
発光が得られる。
【0020】実施例14〜18 GdBr3 の一部を表1に示す割合でKBrまたはBa
Br2 に換えた他は実施例1と全く同様にして蛍光体を
製造した。KBrおよびBaBr2 は120℃の真空乾
燥容器中で2時間乾燥した純度98%の無水結晶を用い
た。これに実施例1と同様の赤外レーザ光を照射して発
光強度と色調を調べた。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1〜4 実施例1と同一のErBr3 およびDyBr3 粉末なら
びに同様にして調製したYBr3 、あるいは120℃の
真空乾燥容器中で2時間乾燥した純度98%のBaBr
2 無水結晶を用い、実施例1と同様の操作によりに表1
に示す組成の蛍光体を製造した。発光強度の評価は実施
例1と同様に行なった。結果を表2に示す。これらの結
果に示されるようにGdBr3 に換えてBaBr2 やY
Br3 を用いた場合には発光強度が低く、また、緑色の
発光も得られない。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の蛍光体は、1.3μ域の赤外光
が入射すると高輝度の蛍光を発する。特に発光強度の高
い緑色の蛍光(520〜550nm)を得ることができ、この波長
域の光は暗視野でも視感度が高いため、1.3μ域の赤
外光を伝送波長とする光ファイバの接続などの作業に用
いる赤外光検出器として特に有用である。また上記波長
域の赤外光を伝送波長とするディスプレイ装置の発光素
子としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る臭化Gd−臭化Er−臭化Dy
蛍光体の発光スペクトル図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭化ガドリニウムを母材とし、発光源のエ
    ルビウムイオンと吸光源のディスプロシウムイオンを含
    み、1.3μ域の赤外光を励起光として発光する赤外励
    起蛍光体。
  2. 【請求項2】臭化ガドリニウム70モル%以上、臭化エ
    ルビウム1〜20モル%、臭化ディスプロシウム1〜1
    0モル%を含有し、緑色域の発光を生じる請求項1の蛍
    光体。
  3. 【請求項3】臭化ガドリニウム50モル%以上、臭化エ
    ルビウム1〜20モル%、臭化ディスプロシウム1〜1
    0モル%、残部が臭化バリウムおよび臭化カリウムから
    選択される1種または2種以上の臭化物である請求項2
    の蛍光体。
JP8743395A 1995-03-20 1995-03-20 赤外励起蛍光体 Withdrawn JPH08259942A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101899307A (zh) * 2010-03-18 2010-12-01 华东理工大学 一种共掺Er3+,Dy3+的上转换荧光粉及其制备方法
JP2013162978A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Aichi Prefecture 検出対象部位の検出システム

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Effective date: 20020604