JPH10217801A - ハブクラッチ - Google Patents

ハブクラッチ

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JPH10217801A
JPH10217801A JP2067297A JP2067297A JPH10217801A JP H10217801 A JPH10217801 A JP H10217801A JP 2067297 A JP2067297 A JP 2067297A JP 2067297 A JP2067297 A JP 2067297A JP H10217801 A JPH10217801 A JP H10217801A
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JP
Japan
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retainer
slide gear
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gear
width
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Application number
JP2067297A
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English (en)
Inventor
Haruo Ogiwara
治夫 荻原
Osamu Takayama
修 高山
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リテーナとスライドギヤとの組付けを容易に
しながら、組付けの際及びトルクを受けたときのリテー
ナの腕の変形を防止する。 【解決手段】 車輪側に連結されたハウジングと、駆動
軸に固定されたドライブギヤと、ハウジングに連結され
ドライブギヤとの連結位置と連結解除位置とに移動可能
なスライドギヤ13と、腕21をギヤ13の係合溝29
に挿通し、各腕21の爪27でギヤ13を係止するリテ
ーナ17と、ギヤ13を連結位置に移動操作する操作手
段とを備え、ギヤ13の係合溝29に挿通されるリテー
ナ17の挿通部25の幅を基部23より狭くして可撓性
を与えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、四輪駆動車にお
いて駆動車軸と車輪間の断続を行うハブクラッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平1−215629号公報に図11
のようなハブクラッチ201が記載されている。
【0003】このハブクラッチ201は、車輪側のハウ
ジング203と、駆動軸205にスプライン連結された
ドライブギヤ207と、ハウジング203の内周にスプ
ライン連結されたスライドギヤ209と、スライドギヤ
209のリテーナ211と、シフトスプリング213
と、リターンスプリング215と、カム機構217など
を備えている。
【0004】このカム機構217は、カム部材219、
アウターブレーキ221、インナーブレーキ223、ワ
イヤーブレーキ225、リリースプレート227などか
ら構成されており、駆動軸205を一方向に回転させる
と作動し、カム力によってリテーナ211とシフトスプ
リング213とを介してスライドギヤ209を移動操作
しドライブギヤ207と噛み合わせる。
【0005】このとき、スライドギヤ209とドライブ
ギヤ207との位相が合わないと、これらが相対回転し
てラチェッティングが生じるから、シフトスプリング2
13は、スライドギヤ209をドライブギヤ207側に
押圧し、位相が合ったところでこれらを噛み合わせる。
【0006】又、駆動軸205を反対方向に回転させる
と、カム機構217のカム力が消失し、リターンスプリ
ング215はリテーナ211を介してスライドギヤ20
9をドライブギヤ207との連結解除位置に移動させ
る。このとき、スライドギヤ209と連動させるために
リテーナ211にはスライドギヤ209と係合する爪2
29が設けられている。
【0007】図12と図13のように、リテーナ211
はフランジ部231と3本の腕233とからなり、爪2
29は各腕233の先端に設けられている。リテーナ2
11はスライドギヤ209の外周に設けられたスプライ
ン歯の欠歯部235に各腕233を挿通してスライドギ
ヤ209を保持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リテーナ21
1とスライドギヤ209とを組付けるに当たっては、爪
229があるから、図12に破線で描いたように、各腕
233を外側に撓めなければならず、組付けにくい上
に、図13のように、腕233が変形する恐れがある。
【0009】腕233を細くすれば、可撓性が増して組
付け易くなり、組付け時の変形を防止することもできる
が、強度がそれだけ低下するから、ラチェット時のよう
に、トルクを受けたときに変形する恐れがある。
【0010】又、腕233を細くすると、スライドギヤ
209の欠歯部235との間に隙間が生じ、トルクを受
けたときの衝撃で変形する恐れがある。
【0011】更に、この隙間をなくすためには、腕に合
わせて欠歯部235の幅を細く変更しなければならず、
スライドギヤ209のコストがそれだけ上昇する。
【0012】そこで、この発明は、リテーナとスライド
ギヤとの組付けを容易にしながら、組付けの際及びトル
クを受けたときのリテーナの腕の変形を防止するハブク
ラッチの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1のハブクラッチ
は、車輪側のホイールハブに固定されたハウジングと、
駆動軸に固定されたドライブギヤと、外周のスプライン
でハウジング内周のスプラインと噛み合って、ドライブ
ギヤと噛み合う連結位置及びこの噛み合いが解除される
連結解除位置に移動可能なスライドギヤと、フランジ部
に形成された複数本の腕をスライドギヤの外周に設けた
係合溝に挿通し、各腕の先端形成され内側に屈曲した爪
でスライドギヤを係止するリテーナと、リテーナのフラ
ンジ部とスライドギヤとの間でスライドギヤをドライブ
ギヤ側に押圧するシフトスプリングと、リテーナとシフ
トスプリングとを介してスライドギヤを前記連結位置に
移動操作する操作手段とを備え、リテーナの各腕におい
て、スライドギヤの係合溝に挿通される挿通部の幅を基
部より狭くして可撓性を与えたことを特徴とする。
【0014】このように、請求項1のハブクラッチで
は、スライドギヤの係合溝に挿通されるリテーナの挿通
部の幅をフランジ側の基部より狭くしたことによって、
挿通部の可撓性が向上し、リテーナとスライドギヤとの
組付けが容易になると共に、組付けに当たってリテーナ
の腕(挿通部)の変形が防止される。
【0015】又、挿通部の幅を基部より狭くしても、こ
の挿通部はスライドギヤの係合溝に係合して強化され、
保護されているから、トルクを受けても変形することが
ない。
【0016】こうして、リテーナとスライドギヤとの組
付けを容易にしながら、組付けの際及びトルクを受けた
ときのリテーナの腕の変形が防止される。
【0017】請求項2の発明は、請求項1記載のハブク
ラッチであって、リテーナの挿通部に、矩形の切り欠き
を設けて2分割し、可撓性を与えたことを特徴とし、請
求項1の構成と同等の効果を得る。
【0018】なお、内側に矩形の切り欠きを設けて挿通
部を2分割することになるので、挿通部の両縁間の幅は
基部と変わらない。従って、係合溝の幅を変更する必要
がなく、スライドギヤのコスト上昇が避けられる。
【0019】なお、リテーナの挿通部に矩形の切り欠き
を設けて2分割して2分割された挿通部をスライドギヤ
外周のスプライン溝に挿通する構成も可能になり、この
スプライン溝を係合溝に利用することにより、係合溝を
新規に加工する必要がなくなり、スライドギヤをそれだ
け低コストにすることができる。
【0020】この場合、スプラインに欠歯部を設けなく
てすむから、スライドギヤのスプライン部の強度低下が
防止される。
【0021】請求項3の発明は、請求項1記載のハブク
ラッチであって、リテーナの挿通部に、先端に向かって
幅が広くなる切り欠きを設けて2分割し、可撓性を与え
たことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得
る。
【0022】これに加えて、請求項2の構成と同様に、
内側に矩形の切り欠きを設けて挿通部を2分割すること
により、挿通部の両縁間の幅は基部と変わらないから、
係合溝の幅を変更する必要がなく、スライドギヤのコス
ト上昇が避けられる。
【0023】又、リテーナの挿通部に設けた切り欠きを
先端に向かって幅が広くなる形状にしたことにより、挿
通部は基部側で幅が広くなり、それだけ強度が向上して
有利である。
【0024】請求項4の発明は、請求項1記載のハブク
ラッチであって、リテーナの挿通部を、先端に向かって
幅が狭くなるように形成し、可撓性を与えたことを特徴
とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0025】これに加えて、リテーナの挿通部を先端に
向かって幅が狭くなるように形成したことにより、挿通
部は基部側で幅が広くなり、それだけ強度が向上して有
利である。
【0026】請求項5の発明は、請求項1記載のハブク
ラッチであって、リテーナの挿通部の縁に挿通方向に平
行な切り欠きを設けて幅を狭くし、可撓性を与えたこと
を特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0027】これに加えて、挿通部の縁を挿通方向に平
行にしたから、請求項2の構成と同様に、挿通部をスラ
イドギヤ外周のスプライン溝に挿通することが可能にな
り、スプライン溝を係合溝に利用することによって係合
溝を新規に加工する必要がなくなり、スライドギヤが低
コストになると共に、欠歯部を設けなくてすむからスプ
ライン部の強度低下を防止できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1乃至図4により本発明の第1
実施形態を説明する。図1はこの実施形態のハブクラッ
チ1を示しており、このハブクラッチ1は請求項1、2
の特徴を備えている。
【0029】なお、ハブクラッチ1は右車輪側に配置さ
れており、左右の方向はこの車両の左右の方向に相当す
る。又、符号を付していない部材等は図示されていな
い。
【0030】ハブクラッチ1のハウジング3はボルト5
によって右車輪のホイールハブに固定されている。又、
駆動軸7の右端部にはドライブギヤ9がスプライン連結
されている。
【0031】ハウジング3は袋状になっており、その内
周に設けられたスプライン11にはスライドギヤ13が
外周のスプライン15で噛み合って、軸方向移動自在に
連結されている。このスライドギヤ13は、ドライブギ
ヤ9と噛み合ってハウジング3とドライブギヤ9とを連
結する連結位置と、この噛み合いが解除される図1の連
結解除位置とに移動可能である。
【0032】各図に示すように、リテーナ17はフラン
ジ部19と2本の腕21とからなっている。各腕21
は、フランジ部19側の基部23と、基部23の先端側
に形成された二股の挿通部25とからなり、各挿通部2
5の先端には内側に屈曲した爪27が設けられている。
各腕21の挿通部25はスライドギヤ13のスプライン
15に形成された欠歯部29(係合溝)に挿通されてい
る。
【0033】こうして、リテーナ17はフランジ部19
と爪27との間でスライドギヤ13を軸方向移動自在に
保持している。
【0034】又、リテーナ17のフランジ部19とスラ
イドギヤ13との間にはシフトスプリング31が配置さ
れ、スライドギヤ13をドライブギヤ9との噛み合い側
(連結位置)に押圧している。
【0035】又、ドライブギヤ9のボス部33の外周に
はスプライン35が設けられており、このスプライン3
5にはリング部材37が移動自在に噛み合っている。リ
テーナ17のフランジ部19はこのリング部材37に固
定されている。
【0036】リング部材37とドライブギヤ9との間に
はリターンスプリング39が配置され、リテーナ17を
介して、スライドギヤ13をドライブギヤ9との噛み合
い解除側(連結解除側)に押圧している。
【0037】リテーナ17の左側には、V形溝状のカム
部を有するカム部材41が配置され、スプライン35に
軸方向移動自在に連結している。
【0038】車体側のスピンドルには、アウターブレー
キ43が回転不能に連結されている。アウターブレーキ
43の右側端部には、カム部材41のカム部と係合する
V形溝状のカム部が設けられている。
【0039】アウターブレーキ43の内周側には、イン
ナーブレーキ45が相対回転可能に配置されている。イ
ンナーブレーキ45の右側端部には、カム部材41のカ
ム部と係合するV形溝状の第1カム部が設けられ、その
回転方向両側に第2カム部が設けられている。
【0040】アウターブレーキ43とインナーブレーキ
45との間にはワイヤーブレーキ47が配置されてい
る。ワイヤーブレーキ47はC字形状であり、その両端
には内径側に屈曲した屈曲部49が設けられている。
【0041】ドライブギヤ9の外周にはリリースプレー
ト51が固定されており、このリリースプレート51に
はワイヤーブレーキ47の屈曲部49に周方向外側から
突き当たるアーム53が形成されている。又、インナー
ブレーキ45にはこの屈曲部49に周方向内側から突き
当たる突起部が形成されている。
【0042】アウターブレーキ43とインナーブレーキ
45は互いに係止され、ユニット化されている。
【0043】アウターブレーキ43とインナーブレーキ
45との間にはスラストベアリング55が配置され、上
記各カムのカム力を受けている。
【0044】こうして、スライドギヤ13を移動操作す
るカム機構57(操作手段)が構成されている。
【0045】車両を二輪駆動状態から四輪駆動状態に切
り換える場合は、駆動軸7にエンジンの駆動力を伝達す
ると、カム部材41はドライブギヤ9と一体に回転しな
がら、スピンドル側のアウターブレーキ43との間に生
じるカムスラスト力によって右方へ移動する。又、イン
ナーブレーキ45はカム部材41と噛み合いながらカム
部材41と共に回転する。
【0046】次に、インナーブレーキ45の回転に伴っ
て、インナーブレーキ45の突起部が屈曲部49に突き
当たり、ワイヤーブレーキ47を押し広げてアウターブ
レーキ43との間にブレーキトルクを発生させる。この
ブレーキトルクによってインナーブレーキ45がアウタ
ーブレーキ43に固定される。インナーブレーキ45が
固定されると、カム部材41がインナーブレーキ45の
第1カム部を乗り越え、更に第2カム部に乗り上げ、こ
れに沿って右方へ移動する。
【0047】このカム部材41の右方移動によってリタ
ーンスプリング39が撓められ、リテーナ17とシフト
スプリング31とを介してスライドギヤ13が右方へ押
圧される。
【0048】このとき、上記のように、スライドギヤ1
3とドライブギヤ9との位相が合うまでは、これらが相
対回転してラチェッティングが生じるが、シフトスプリ
ング31は、スライドギヤ13をドライブギヤ9側に押
圧し、位相が合ったところでこれらを噛み合わせる。ス
ライドギヤ13とドライブギヤ9とが噛み合うことによ
って車両は四輪駆動状態になる。
【0049】又、スライドギヤ13がドライブギヤ9と
噛み合った後、ドライブギヤ9と共に回転するリリース
プレート51のアーム53がワイヤーブレーキ47の屈
曲部49に外側から突き当たってブレーキトルクを消失
させる。
【0050】四輪駆動状態から二輪駆動状態にする場合
は、駆動軸7をエンジン側から切り離した後、車体を今
までの進行方向と逆方向にわずかに移動させると、リタ
ーンスプリング39によってカム部材41のカム部がイ
ンナーブレーキ45の第2カム部に沿って左側へ移動
し、最後にはアウターブレーキ43のV形溝状カム部と
インナーブレーキ45の第1カム部とに落ち込む。カム
部材41がこのように左側へ移動する過程でスライドギ
ヤ13とドライブギヤ9との噛み合いが解除され、車両
は二輪駆動状態になる。
【0051】又、ハウジング3とドライブギヤ9との間
にはベアリング59が配置されており、このベアリング
59はハウジング3とドライブギヤ9とをセンターリン
グし、上記のような係脱を円滑にしている。
【0052】ハブクラッチ1の組付けは、ハウジング3
の内部にリテーナ17、スライドギヤ13、シフトスプ
リング31、ドライブギヤ9、リターンスプリング3
9、カム部材41、リリースプレート51などを組込
み、更に、アウターブレーキ43とワイヤーブレーキ4
7とインナーブレーキ45とをユニット化したものを組
込む。
【0053】このように全ての部材を組込んだハウジン
グ3を、ドライブギヤ9を駆動軸7にスプライン連結さ
せながら駆動軸7側に組付ける。
【0054】この組付けに先立って、リテーナ17にシ
フトスプリング31とスライドギヤ13とが組付けられ
る。
【0055】上記のように、リテーナ17の2本の腕2
1は、フランジ部19側の基部23と、基部23の先端
側に形成された二股の挿通部25とからなっているが、
図4に示すように、挿通部25は矩形の切り欠きを61
を設けて二股に分割されており、幅を基部23より狭く
してある。このように、幅を狭くすることによって挿通
部25の可撓性は基部23に較べて大きく向上してい
る。
【0056】リテーナ17とスライドギヤ13とを組付
けるに当たっては、図示されていないが、シフトスプリ
ング31をリテーナ17のフランジ部19側に配置した
状態で、図3に破線で描いたように、挿通部25を外側
に撓めながらスライドギヤ13の欠歯部29に挿通し、
爪27をスライドギヤ13の側面に係止する。このよう
に、シフトスプリング31とスライドギヤ13はフラン
ジ部19と爪27との間で保持される。
【0057】こうして、ハブクラッチ1が構成されてい
る。
【0058】ハブクラッチ1では、上記のように、スラ
イドギヤ13の欠歯部29に挿通される挿通部25の幅
を基部23より狭くして可撓性を与えたことにより、従
来例と異なって、リテーナ17とスライドギヤ13との
組付けが容易になると共に、組付けに当たって腕21
(挿通部25)の変形が防止される。
【0059】更に、挿通部25の幅を基部23より狭く
しても、挿通部25はスライドギヤ13の欠歯部29と
係合して強化され、保護されるから、ラチェット時のよ
うなトルクを受けても変形することがない。
【0060】こうして、リテーナ17とスライドギヤ1
3との組付けを容易にしながら、組付けの際及びトルク
を受けたときのリテーナ17(腕21)の変形を防止し
ている。
【0061】これに加えて、内側に切り欠き61を設け
て挿通部25を2分割するから、挿通部25の両縁間の
幅は基部23と変わらない。従って、欠歯部29の幅を
変更する必要がなく、スライドギヤ13のコスト上昇が
避けられる。
【0062】又、リテーナ17の挿通部25を2分割し
たから、2分割された挿通部25はスライドギヤ13外
周のスプライン15に挿通する(噛み合わせる)ことが
可能になり、このようにスプライン15を係合溝に利用
すれば、係合溝を新規に加工する必要がなくなり、スラ
イドギヤ13をそれだけ低コストにできる。
【0063】この場合、スプライン15に欠歯部を設け
なくてすむから、スプライン15の強度低下が防止され
る。
【0064】次に、図5と図6により本発明の第2実施
形態を説明する。各図はこの実施形態のハブクラッチに
用いられるリテーナ63を示しており、この実施形態は
請求項1、3の特徴を備えている。
【0065】なお、第2実施形態の説明及び図5と図6
において、第1実施形態のハブクラッチ1と同機能の部
材には同じ符号が与えられている。
【0066】各図のように、リテーナ63はフランジ部
65と2本の腕67とからなっている。各腕67は、フ
ランジ部65側の基部69と、基部69の先端側に形成
された二股の挿通部71とからなり、各挿通部71の先
端には内側に屈曲した爪73が設けられている。各腕6
7の挿通部71はスライドギヤ13のスプライン15に
設けられた欠歯部29に挿通される。
【0067】図6に示すように、挿通部71は先端に向
かって幅が広くなる切り欠き75を設けて二股に分割
し、幅を基部69より狭くしてあり、幅を狭くすること
によって可撓性が与えられている。
【0068】リテーナ63とスライドギヤ13との組付
けに当たっては、シフトスプリング31をリテーナ63
のフランジ部65側に配置した状態で、挿通部71を外
側に撓めながらスライドギヤ13の欠歯部29に挿通
し、爪73をスライドギヤ13の側面に係止する。
【0069】このように、リテーナ63はフランジ部6
5と爪73との間でシフトスプリング31とスライドギ
ヤ13とを保持すると共に、シフトスプリング31はス
ライドギヤ13をドライブギヤ9側に押圧する。
【0070】こうして、第2実施形態のハブクラッチが
構成されている。
【0071】このハブクラッチでは、ハブクラッチ1と
同様に、スライドギヤ13の欠歯部29に挿通される挿
通部71の幅を基部69より狭くし、可撓性を与えたこ
とによって、従来例と異なり、リテーナ63とスライド
ギヤ13との組付けが容易になると共に、組付けに当た
って腕67(挿通部71)の変形が防止される。
【0072】更に、挿通部71の幅を基部69より狭く
しても、挿通部71はスライドギヤ13の欠歯部29と
係合して強化されるから、ラチェット時のように、トル
クを受けても変形することがない。
【0073】こうして、リテーナ17とスライドギヤ1
3との組付けを容易にしながら、組付けの際及びトルク
を受けたときのリテーナ63(腕67)の変形が防止さ
れる。
【0074】又、内側に切り欠き75を設けて挿通部7
1を2分割することにより、挿通部71の両縁間の幅は
基部69と変わらないから、欠歯部29の幅を変更する
必要がなく、スライドギヤ13のコスト上昇が避けられ
る。
【0075】これに加えて、挿通部71の切り欠き75
を先端に向かって広くなる形状にしたことにより、図6
のように、基部69側の挿通部71の幅が広くなり、そ
れだけ強度が向上して有利である。
【0076】次に、図7と図8により本発明の第3実施
形態を説明する。各図はこの実施形態のハブクラッチに
用いられるリテーナ77を示しており、この実施形態は
請求項1、4の特徴を備えている。
【0077】なお、第3実施形態の説明及び図7と図8
において、第1、2実施形態と同機能の部材には同じ符
号が与えられている。
【0078】各図のように、リテーナ77はフランジ部
79と2本の腕81とからなっている。各腕81は、フ
ランジ部79側の基部83と、基部83の先端側に形成
された挿通部85とからなり、この挿通部85の先端に
は内側に屈曲した爪87が設けられている。各腕81の
挿通部85はスライドギヤ13のスプライン15に設け
られた欠歯部29に挿通される。
【0079】図8に示すように、挿通部85は先端に向
かって幅が狭くなるように形成され、幅を基部83より
狭くしてあり、幅を狭くしたことによって可撓性が与え
られている。
【0080】リテーナ77とスライドギヤ13との組付
けに当たっては、シフトスプリング31をリテーナ77
のフランジ部79側に配置した状態で、挿通部85を外
側に撓めながらスライドギヤ13の欠歯部29に挿通
し、爪87をスライドギヤ13の側面に係止する。
【0081】このように、リテーナ77はフランジ部7
9と爪87との間でシフトスプリング31とスライドギ
ヤ13とを保持すると共に、シフトスプリング31はス
ライドギヤ13をドライブギヤ9側に押圧する。
【0082】こうして、第3実施形態のハブクラッチが
構成されている。
【0083】このハブクラッチでは、第1、2実施形態
と同様に、スライドギヤ13の欠歯部29に挿通される
挿通部85の幅を基部83より狭くして可撓性を与えた
ことにより、従来例と異なって、リテーナ77とスライ
ドギヤ13との組付けが容易になると共に、組付けに当
たって腕81(挿通部85)の変形が防止される。
【0084】更に、挿通部85の幅を基部83より狭く
しても、挿通部85はスライドギヤ13の欠歯部29と
係合して強化されるから、ラチェット時のように、トル
クを受けても変形することがない。
【0085】こうして、リテーナ77とスライドギヤ1
3との組付けを容易にしながら、組付けの際及びトルク
を受けたときのリテーナ77(腕81)の変形が防止さ
れる。
【0086】これに加えて、挿通部85を先端に向かっ
て幅が狭くなるように形成したことにより、挿通部85
は基部83側で幅が広くなり、それだけ強度が向上して
有利である。
【0087】次に、図9と図10により本発明の第4実
施形態を説明する。各図はこの実施形態のハブクラッチ
に用いられるリテーナ89を示しており、この実施形態
は請求項1、5の特徴を備えている。
【0088】なお、第4実施形態の説明及び図9と図1
0において、第1、2、3実施形態と同機能の部材には
同じ符号が与えられている。
【0089】各図のように、リテーナ89はフランジ部
91と2本の腕93とからなっている。各腕93は、フ
ランジ部91側の基部95と、基部95の先端側に形成
された挿通部97とからなり、この挿通部97の先端に
は内側に屈曲した爪99が設けられている。各腕93の
挿通部97はスライドギヤ13のスプライン15に設け
られた欠歯部29に挿通される。
【0090】図10に示すように、挿通部97は挿通方
向に平行な切り欠き101を両側の縁に設けて幅を基部
95より狭くしてあり、幅を狭くしたことによって可撓
性が与えられている。
【0091】リテーナ89とスライドギヤ13との組付
けに当たっては、シフトスプリング31をリテーナ89
のフランジ部91側に配置した状態で、挿通部97を外
側に撓めながらスライドギヤ13の欠歯部29に挿通
し、爪99をスライドギヤ13の側面に係止する。
【0092】このように、リテーナ89はフランジ部9
1と爪99との間でシフトスプリング31とスライドギ
ヤ13とを保持すると共に、シフトスプリング31はス
ライドギヤ13をドライブギヤ9側に押圧する。
【0093】こうして、第4実施形態のハブクラッチが
構成されている。
【0094】このハブクラッチでは、第1、2、3実施
形態と同様に、スライドギヤ13の欠歯部29に挿通さ
れる挿通部97の幅を基部95より狭くして可撓性を与
えたことにより、従来例と異なって、リテーナ89とス
ライドギヤ13との組付けが容易になると共に、組付け
に当たって腕93(挿通部97)の変形が防止される。
【0095】更に、挿通部97の幅を基部95より狭く
しても、挿通部97はスライドギヤ13の欠歯部29と
係合して強化されるから、ラチェット時のように、トル
クを受けても変形することがない。
【0096】こうして、リテーナ89とスライドギヤ1
3との組付けを容易にしながら、組付けの際及びトルク
を受けたときのリテーナ89(腕93)の変形が防止さ
れる。
【0097】これに加えて、挿通部97の縁を挿通方向
に平行にしたから、挿通部97をスライドギヤ13のス
プライン15に挿通することによってスプライン15を
係合溝に利用することが可能になる。従って、係合溝を
新規に加工する必要がなくなり、スライドギヤ13が低
コストになると共に、欠歯部を設けなくてすむからスプ
ライン15の強度低下を防止できる。
【0098】なお、本発明において、スライドギヤの操
作手段は、実施形態のようなカム機構でなく、例えば、
エア圧を用いたアクチュエータでもよい。
【0099】
【発明の効果】請求項1のハブクラッチは、スライドギ
ヤの係合溝に挿通されるリテーナの挿通部の幅をフラン
ジ側の基部より狭くし、挿通部に可撓性を与えたことに
よって、リテーナとスライドギヤとの組付けが容易にな
ると共に、組付けに当たってリテーナの腕(挿通部)の
変形が防止される。
【0100】又、挿通部の幅を基部より狭くしても、こ
の挿通部はスライドギヤの係合溝に係合して強化され、
保護されているから、トルクを受けても変形することが
ない。
【0101】このように、リテーナとスライドギヤとの
組付けを容易にしながら、組付けの際及びトルクを受け
たときのリテーナの腕の変形が防止される。
【0102】請求項2の発明は、リテーナの挿通部に矩
形の切り欠きを設けて2分割するから、挿通部の可撓性
が十分なものとなり、請求項1の構成と同等の効果が得
られる。
【0103】なお、内側に切り欠きを設けて挿通部を2
分割することになるので、挿通部の両縁間の幅は基部と
変わらないから、係合溝の幅を変更する必要がなく、ス
ライドギヤのコスト上昇が避けられる。
【0104】請求項3の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、リテーナの挿通部に設けた切り欠
きを先端に向かって幅が広くなる形状にしたことによ
り、基部側で挿通部の幅が広くなり、それだけ強度が向
上して有利である。
【0105】更に、請求項2の構成と同様に、内側に切
り欠きを設けて挿通部を2分割することにより、挿通部
の両縁間の幅は基部と変わらないから、係合溝の幅を変
更する必要がなく、スライドギヤのコスト上昇が避けら
れる。
【0106】請求項4の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、リテーナの挿通部を先端に向かっ
て幅が狭くなるように形成したことにより、基部側で挿
通部の幅が広くなり、それだけ強度が向上して有利であ
る。
【0107】請求項5の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、挿通部の縁を挿通方向に平行にし
たから、請求項2の構成と同様に、挿通部をスライドギ
ヤのスプライン溝に挿通することが可能になり、スプラ
イン溝を係合溝に利用することによって係合溝を新規に
加工する必要がなくなり、スライドギヤが低コストにな
ると共に、欠歯部を設けなくてすむからスプライン部の
強度が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に用いられるリテーナにスライド
ギヤを組付けた状態を示す正面図である。
【図3】図2のA−A断面図であり、リテーナにスライ
ドギヤを組付ける様子を示す。
【図4】図2のB矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に用いられるリテーナの
正面図である。
【図6】図5のリテーナの側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に用いられるリテーナの
正面図である。
【図8】図7のリテーナの側面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に用いられるリテーナの
正面図である。
【図10】図9のリテーナの側面図である。
【図11】従来例の断面図である。
【図12】図11の従来例においてリテーナにスライド
ギヤを組付ける様子を示す断面図である。
【図13】図11の従来例に用いられるリテーナを示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 ハブクラッチ 3 ハウジング 7 駆動軸 9 ドライブギヤ 11 ハウジングのスプライン 13 スライドギヤ 15 スライドギヤのスプライン 17、63、77、89 リテーナ 19、65、79、91 リテーナのフランジ部 21、67、81、93 リテーナの腕 23、69、83、95 腕の基部 25、71 2分割された挿通部 27、73、87、99 挿通部の爪 29 スライドギヤの欠歯部(係合溝) 31 シフトスプリング 57 カム機構(操作手段) 61 矩形の切り欠き 75 先端に向かって幅が広くなる切り欠き 85 先端に向かって幅が狭くなる挿通部 97 同一幅で狭くした挿通部 101 挿通方向に平行な切り欠き

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪側のホイールハブに固定されたハウ
    ジングと、駆動軸に固定されたドライブギヤと、外周の
    スプラインでハウジング内周のスプラインと噛み合っ
    て、ドライブギヤと噛み合う連結位置及びこの噛み合い
    が解除される連結解除位置に移動可能なスライドギヤ
    と、フランジ部に形成された複数本の腕をスライドギヤ
    の外周に設けた係合溝に挿通し、各腕の先端に形成され
    内側に屈曲した爪でスライドギヤを係止するリテーナ
    と、リテーナのフランジ部とスライドギヤとの間でスラ
    イドギヤをドライブギヤ側に押圧するシフトスプリング
    と、リテーナとシフトスプリングとを介してスライドギ
    ヤを前記連結位置に移動操作する操作手段とを備え、リ
    テーナの各腕において、スライドギヤの係合溝に挿通さ
    れる挿通部の幅を基部より狭くして可撓性を与えたこと
    を特徴とするハブクラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、リテーナ
    の挿通部に、矩形の切り欠きを設けて2分割し、可撓性
    を与えたことを特徴とするハブクラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明であって、リテーナ
    の挿通部に、先端に向かって幅が広くなる切り欠きを設
    けて2分割し、可撓性を与えたことを特徴とするハブク
    ラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明であって、リテーナ
    の挿通部を、先端に向かって幅が狭くなるように形成
    し、可撓性を与えたことを特徴とするハブクラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の発明であって、リテーナ
    の挿通部の縁に挿通方向に平行な切り欠きを設けて幅を
    狭くし、可撓性を与えたことを特徴とするハブクラッ
    チ。
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