JPH10216864A - 線条体の送り出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工の中断や人手による作業を要することな
く線条体を連続的に加工装置へ供給すること。 【解決手段】 線条体が全て送り出されたとき、アキュ
ムレータ１４に蓄えられている線条体を送り出す間に、
突き合わせ手段１２によって先の線条体の後端と次に送
り出す線条体の先端を自動的に突き合わせ、更に溶接手
段１３によってその突き合わせ部を溶接するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は線条体をプレス機等
の加工装置へ供給する線条体の送り出し装置に関し、特
に、加工の中断や人手による作業を要することなく線条
体を連続的に加工装置へ供給できるようにした線条体の
送り出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来の線条体の送り出し装置から
送り出された線条体に順次プレス加工を施すプレスライ
ンの構成を示す。このプレスラインは、プレス材料であ
る線条体３を巻回してなるコイル２が載置され、線条体
３の引き出しによって回転するターンテーブル１と、コ
イル２から引き出された線条体３をガイドするガイド部
材４と、線条体３を矢印方向に送る送り装置５と、線条
体３が掛けられたアーム６Ａを昇降させることによって
送り装置５とコイル２間の線条体３の張力を一定に保持
するレベラー６と、送り装置５によって送り込まれた線
条体３にプレス加工を施すプレス機７と、プレス機７で
プレス加工された線条体３をリール９に巻き取って製品
９Ａとする巻取機８と、コイル２の全てが送り出された
とき、この線条体３の後端と次に準備した線条体の先端
を溶接するアーク、或いはティグ溶接機等の手動溶接機
１０を備えている。

【０００３】以上の構成において、コイル２から線条体
３を引き出すと共にレベラー６で引き出した線条体３の
張力を一定に保ちながら送り装置５が線条体３をプレス
機７に送り出すと、この線条体３はプレス機７でプレス
加工され、巻取機８でリール９に巻き取られて製品９Ａ
とされる。

【０００４】一方、コイル２の全てが送り出されると、
送り装置５の線条体３の送りを停止させると共に、プレ
ス機７の加工を中断させる。そして、人手によってター
ンテーブル１上に新たな線条体のコイルを載置し、送り
出された線条体３の後端と次に準備した線条体の先端を
突き合わせ手動溶接機１０で溶接する。この後、送り装
置５とプレス機７の駆動を再開させ、プレス機７に異な
った線条体を連続的に供給する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の線条体
の送り出し装置によると、ターンテーブル上のコイルが
全て送り出されると、ターンテーブル上に次の線条体の
コイルを載せ、先の線条体の後端と次に準備した線条体
の先端を溶接する間、加工装置の加工を中断しなければ
ならないため、稼働率が低いという問題がある。特に、
コイルが全て送り出されているのに作業者が気がつかな
かったり、休憩時間等、無人運転中に線条体が全て送り
出されてしまうと、長時間加工が中断される恐れがあ
る。また、線条体の接続作業を人手によって行うため、
合理化傾向にある社会的な要求に応えることができな
い。

【０００６】従って、本発明の目的は加工の中断や人手
による作業を要することなく線条体を連続的に供給する
ことができる線条体の送り出し装置を提供することであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、加工の中断や人手による作業を要することなく線条
体を連続的に供給できるようにするため、線条体を巻回
して成る複数のコイルと、複数のコイルの１つから線条
体を引き出して加工装置へ送り込む線条体送り手段と、
線条体送り手段の前段において複数のコイルの１つから
引き出された線条体をその張力に応じて所定長だけ蓄え
るアキュムレータと、アキュムレータの前段において複
数のコイルの１つから線条体が全て送り出されたとき、
複数のコイルの１つの線条体の後端と複数のコイルの他
の１つの線条体の先端を突き合わせて突き合わせ部を形
成する突き合わせ手段と、突き合わせ手段によって突き
合わされた突き合わせ部を溶接する溶接手段を備え、突
き合わせ手段、及び溶接手段は、アキュムレータに蓄え
られた所定長の線条体が線条体送り手段によって加工装
置へ送られる間に、突き合わせ部の形成と突き合わせ部
の溶接を行う構成を有した線条体の送り出し装置を提供
するものである。

【０００８】上記突き合わせ手段は、複数のコイルの１
つの線条体の後端と複数のコイルの他の１つの線条体の
先端を線条体の長手方向に対して斜めにして突き合わせ
た突き合わせ部を形成し、溶接手段は、その突き合わせ
部を溶接する構成を有することが好ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の線条体の送り出し
装置を添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１０】図１は本発明の第１の実施の形態に係る線
条体の送り出し装置を備えたプレスラインの構成を示
す。この図において、図２と同一の部分には同一の引用
数字、符号を付したので重複する説明は省略する。

【００１１】このプレスラインは、線条体３Ａ、３Ｂを
巻回してなるコイル２Ａ、２Ｂが載置され、線条体３
Ａ、３Ｂの引き出しによってそれぞれ回転するターンテ
ーブル１Ａ、１Ｂと、コイル２Ａ、２Ｂから引き出され
た線状体３Ａ、３Ｂをそれぞれ案内するガイド部材４
Ａ、４Ｂと、線条体３Ａ、３Ｂをそれぞれ案内すると共
に、送り出ししているコイル２Ａ、２Ｂの一方が全て送
り出されたとき、次に送り出す線条体３Ａ、３Ｂの他方
を送り出す送りローラ１１Ａ、１１Ｂを矢印方向に移動
させるスライダ１１と、送り出ししているコイル２Ａ、
２Ｂの一方が全て送り出されたとき、線条体３Ａ、３Ｂ
の一方の後端と次に送り出される線条体３Ａ、３Ｂの他
方の先端を突き合わせる突き合わせ装置１２と、突き合
わせ装置１２において線条体３Ａ、３Ｂの突き合わせ部
をレーザ溶接するレーザ溶接機１３と、突き合わせ装置
１２とレベラー６の間に配置され、送り出ししている線
条体３Ａ、３Ｂの一方の張力に応じて昇降する昇降ロー
ラ１５の位置に応じて線条体３Ａ、３Ｂを所定長だけ蓄
えるアキュムレータ１４を備えている。

【００１２】突き合わせ装置１２は、送り出ししている
線条体３Ａ、３Ｂの一方の後端を図示しないセンサで検
出すると、送り出ししている線条体３Ａ、３Ｂの一方と
次に送られてくる線条体３Ａ、３Ｂの他方を挟持し、且
つ、一方の後端と他方の先端を長手方向に対して斜めに
切断した後、ステッピングモータの駆動を利用して直線
状に突き合わせるように構成されている。

【００１３】レーザ溶接機１３は、突き合わせ装置１２
によって突き合わされた線条体３Ａ、３Ｂの斜めの突き
合わせ部をレーザ溶接するように構成されている。

【００１４】以下、上記プレスラインの動作を説明す
る。なお、ここでは線条体３Ａ、３Ｂの順にプレス加工
を行う例について説明する。

【００１５】コイル２Ａから線条体３Ａを引き出し、送
りローラ１１Ａ、突き合わせ装置１２、アキュムレータ
１４、レベラー６を通して送り装置５が線条体３Ａをプ
レス機７に送り出すと、この線条体３Ａはここでプレス
加工され、巻取機８でリール９に巻き取られて製品９Ａ
とされる。

【００１６】一方、コイル２Ａから線条体３Ａが全て送
り出され、線条体３Ａの後端が突き合わせ装置１２に到
達すると、図示しないセンサによって検出され、突き合
わせ装置１２において線条体３Ａの後端が挟持される。
このとき、アキュムレータ１４が作動して昇降ローラ１
５が下降することにより蓄えていた線条体３Ａを送り装
置６によってプレス機７に送り出す。また同時に、送り
ローラ１１Ｂが突き合わせ装置１２の前方に位置するよ
うにスライダ１１がシフトし、送りローラ１１Ｂによっ
てコイル２Ｂを構成する線条体３Ｂの先端を突き合わせ
装置１２に送り込む。突き合わせ装置１２は、送り込ま
れた線条体３Ｂを挟持すると共に、線条体３Ａの後端と
線条体３Ｂの先端を斜めに切断した後、ステッピングモ
ータの駆動を利用して直線状に突き合わせる。そして、
レーザ溶接機１３が線条体３Ａ、３Ｂの斜めの突き合わ
せ部をレーザ溶接する。

【００１７】この間、アキュムレータ１４に蓄えられて
いた線条体３Ａが送り装置６によってプレス機７に送り
出されており、レーザ溶接が終了すると、線条体３Ａ、
３Ｂの挟持が解かれ、線条体３Ａに続いて線条体３Ｂが
プレス機７に送られる。このため、プレス加工を中断す
ることなくプレス機７に線条体３Ａ、３Ｂが連続的に供
給される。

【００１８】このように本実施の形態では、送り出しし
ているコイル２Ａ、２Ｂの一方が全て送り出されたと
き、アキュムレータ１４からそこに蓄えられている線条
体３Ａ、３Ｂの一方を送り出す間に、突き合わせ装置１
２によって２つの線条体３Ａ、３Ｂの先端と後端を自動
的に突き合わせ、更にレーザ溶接機１３によってその突
き合わせ部をレーザ溶接するようにしたため、プレス加
工の中断や人手による突き合わせ作業や溶接作業を要す
ることなく線条体３Ａ、３Ｂを連続的にプレス機７へ供
給することができる。

【００１９】また、突き合わせ装置１２が線条体３Ａ、
３Ｂの先端と後端を斜めに切断してこれらを突き合わ
せ、レーザ溶接機７が斜めの突き合わせ部をレーザ溶接
するようにしたため、アキュムレータ１４やレベラー
６、或いはその他のローラを通過する時に受ける曲げの
影響を分散でき、溶接部の強度を確保することができ
る。更に、突き合わせ装置１２では、線条体３Ａ、３Ｂ
の先端と後端の突き合わせをステッピングモータを使用
して行うため、突き合わせの位置精度を高めることがで
きる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の線条体の
送り出し装置によると、線条体が全て送り出されたと
き、アキュムレータに蓄えられている線条体を送り出す
間に、突き合わせ手段によって先の線条体の後端と次に
送り出す線条体の先端を自動的に突き合わせ、更に溶接
手段によってその突き合わせ部を溶接するようにしたた
め、加工の中断や人手による作業を要することなく線条
体を連続的に加工装置へ供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態を示す説明図。

【図２】従来の線条体の送り出し装置を備えたプレスラ
インの構成を示す説明図。

【符号の説明】

１、１Ａ、１Ｂ ターンテーブル ２、２Ａ、２Ｂ コイル ３、３Ａ、３Ｂ 線条体 ４、４Ａ、４Ｂ ガイド部材 ５ 送り装置 ６ レベラー ６Ａ アーム ７ プレス機 ８ 巻取機 ９ リール ９Ａ 製品 １０ 手動溶接機 １１ スライダ １１Ａ、１１Ｂ 送りローラ １２ 突き合わせ装置 １３ レーザ溶接機 １４ アキュムレータ １５ 昇降ローラ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工材料である線条体を加工装置へ供給
   する線条体の送り出し装置において、 前記線条体を巻回して成る複数のコイルと、 前記複数のコイルの１つから前記線条体を引き出して前
   記加工装置へ送り込む線条体送り手段と、 前記線条体送り手段の前段において前記複数のコイルの
   １つから引き出された前記線条体をその張力に応じて所
   定長だけ蓄えるアキュムレータと、 前記アキュムレータの前段において前記複数のコイルの
   １つから前記線条体が全て送り出されたとき、前記複数
   のコイルの１つの前記線条体の後端と前記複数のコイル
   の他の１つの前記線条体の先端を突き合わせて突き合わ
   せ部を形成する突き合わせ手段と、 前記突き合わせ手段によって突き合わされた前記突き合
   わせ部を溶接する溶接手段を備え、 前記突き合わせ手段、及び前記溶接手段は、前記アキュ
   ムレータに蓄えられた前記所定長の前記線条体が前記線
   条体送り手段によって前記加工装置へ送られる間に、前
   記突き合わせ部の形成と前記突き合わせ部の溶接を行う
   構成を有することを特徴とする線条体の送り出し装置。
2. 【請求項２】 前記突き合わせ手段は、前記複数のコイ
   ルの１つの前記線条体の後端と前記複数のコイルの他の
   １つの前記線条体の先端を前記線条体の長手方向に対し
   て斜めにして突き合わせた前記突き合わせ部を形成し、 前記溶接手段は、前記突き合わせ部を溶接する構成の請
   求項１記載の線条体の送り出し装置。