JPH10216455A - 特殊組成空気供給装置 - Google Patents

特殊組成空気供給装置

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JPH10216455A
JPH10216455A JP9344496A JP34449697A JPH10216455A JP H10216455 A JPH10216455 A JP H10216455A JP 9344496 A JP9344496 A JP 9344496A JP 34449697 A JP34449697 A JP 34449697A JP H10216455 A JPH10216455 A JP H10216455A
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oxygen
nitrogen
air
special
environment chamber
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    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
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    • A63B2213/005Exercising combined with therapy with respiratory gas delivering means, e.g. O2
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全に連続的に低酸素又高酸素の特殊環境室
を実現する。 【解決手段】 特殊組成空気供給装置は、圧縮機1、そ
の空気の一部を導入して高濃度の窒素又は酸素を製造す
る装置2又は2´、同じ圧縮機の空気を流すバイパス管
3、これらを混合均一化するバッファータンク4、トレ
ーニングルーム100内が例えば酸素濃度14.5%の
低酸素空気又は40%の高酸素空気になるように調整す
るための弁5、6等を有する。 【効果】 同じ圧縮機からのバイパス空気量を確保する
ことにより、圧縮機が停止しても室内の人の安全性が保
たれる。窒素又は酸素を連続製造できるので、特殊環境
を連続して維持できる。大気圧で特殊環境を実現でき、
トレーニングルームの構造の簡素化や使用性の向上が図
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特殊環境室に特殊
組成の空気を供給する特殊組成空気供給装置に関し、特
にトレーニングルーム等を低酸素条件又は高酸素条件に
維持する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素濃度が通常の空気と異なる特殊環境
室は、従来では通常低圧室又は高圧室として形成されて
いる。即ち、低圧室は、人が呼吸をしたときに酸素吸入
量(質量)が減少するので低酸素室としての作用をな
し、高圧室はこの反対に高酸素室としての作用をなす。
このような低/高圧室の空気供給装置は、真空ポンプ又
は空気圧縮機及びこれに附属した配管や圧力制御装置等
で構成される。従って、装置故障時等には、目的とする
圧力及び酸素量を維持できない可能性がある。又、特殊
環境室を真空容器もしくは耐圧容器として構成しなけれ
ばならないので、通常の構造物以上の強度や耐密性を必
要とし、更に形状を曲面状にする必要があり、使用勝手
が悪く容積率も低下する等、諸問題を有する。
【0003】一方、大気圧下で使用可能なトレーニング
ルーム用の特殊組成空気供給装置としては、例えば、酸
素富化膜を用いた酸素富化ユニットの酸素貧化空気を送
風機でトレーニングルームに供給するようにした装置が
提案されている(実願平1−78388号(実開平3−
16958号)の明細書参照)。しかし、この装置で
は、酸素貧化空気出口ラインのみをトレーニングルーム
に結合しているので、酸素富化ユニットの異常時には酸
素貧化空気の性状が異常になり、人に危険を及ぼすおそ
れがある。又、この装置では、高純度の窒素が経時的に
安定して得られないので、低酸素室を連続的に実現する
ことができない。
【0004】又、分離膜としてポリイミド中空糸を用い
た窒素富化空気の製造法も提案されている(特開平6−
234510号公報参照)。この製造法は、呼吸気系器
官疾患等の医療用に乾燥した窒素富化空気を効率良く製
造することを目的として、酸素の窒素に対する透過率又
は分離度(O2 /N2 )が大きいポリイミド中空糸分離
膜の未透過気体を供給するようにした方法である。
【0005】この方法によれば、製造される高濃度の窒
素富化空気に通常の空気を混合して供給することによ
り、酸素貧化空気をトレーニングルームに供給すること
ができる。しかしその場合には、窒素富化装置や混合さ
せる空気源が異常になったときに、トレーニングルーム
の酸素貧化空気の組成が変わり、人の安全性が確保され
ないおそれがある。
【0006】なお、ポリイミド中空糸から成る分離膜の
酸素の分離度が大きいことは、例えば特開平6−254
367号公報等でも明らかにされている。又、ポリイミ
ド中空糸に炭素化処理等を行った窒素に対する炭酸ガス
分離度の高い膜の製法も提案されている。(第2626
837号特許公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、特殊環境室の構造の簡素化等を
図り、その中にいる人の安全性を確保すると共に、連続
的に低酸素又高酸素の特殊環境を実現できる特殊組成空
気供給装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、特殊環境室に特殊組成
の空気を供給する特殊組成空気供給装置において、所定
の吐出量及び吐出圧力を持つ圧縮機と、その吐出量の一
部分を導入して圧力変動吸着法又はポリイミド中空糸透
過法のうちの何れかの方法によって窒素又は酸素のうち
の少なくとも一方を製造して出口側から送り出す気体製
造装置と、前記吐出量の他の一部分が流されるバイパス
経路と、一方側に前記出口側及び前記バイパス経路が接
続されると共に他方側が前記特殊環境室に接続され流入
した気体を混合する混合部と、前記特殊環境室の空気が
目的する所定の特殊組成になるように前記一部分と前記
残部との流量調整を可能にする流量調整手段と、を有す
ることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、上記に加えて、前記気
体製造装置は前記窒素及び前記酸素を製造し、前記混合
部に送る前記窒素又は前記酸素のうちの何れか一方の選
択を可能にする選択手段を有することを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴
に加えて、前記特殊環境室と前記圧縮機の吸入側とを接
続するリターン経路を有することを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、請求項1の発明の特徴
に加えて、前記特殊環境室は低酸素環境室と高酸素環境
室とを有し、前記気体製造装置は前記窒素及び前記酸素
を製造し、前記混合部は前記窒素を導入する窒素用混合
部と前記酸素を導入する酸素用混合部とを有し、前記窒
素用混合部は前記低酸素環境室に結合され前記酸素用混
合部は前記高酸素環境室に結合されることを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した特殊組成
空気供給装置の全体構成の一例を示し、図2及び図3は
それぞれ圧力変動吸着(PSA)法及びポリイミド中空
糸透過法を用いた気体製造装置の構成例を示す。特殊組
成空気供給装置は、特殊環境室の一例であるトレーニン
グルーム100に特殊組成の空気として例えば酸素濃度
14.5%(高度3000m相当)までの低酸素空気又
は酸素濃度40%(2気圧相当)までの高酸素空気を供
給できる低高酸素切換式空気供給装置であり、圧縮機
1、圧力変動吸着(PSA)法の気体製造装置である窒
素/酸素製造装置2又はポリイミド中空糸透過法を用い
た気体製造装置である窒素/酸素製造装置2´、バイパ
ス経路としてのバイパス管3、混合部としてのバッファ
ータンク4、流量調整手段としての弁5、6等を有す
る。
【0013】圧縮機1は、所定の吐出量及び吐出圧力と
して、窒素/酸素製造装置2又は2´で窒素又は酸素を
製造するために必要となる空気量及びバイパス管3に流
すために必要なバイパス空気量とを供給できる吐出量
と、同装置で窒素又は酸素を製造するために必要な吐出
圧力とを有する。
【0014】図2に示す窒素/酸素製造装置2は、圧力
変動吸着(PSA)法によって例えば95%程度以上か
らほぼ100%に近い高純度の窒素及び酸素を製造でき
る装置であり、圧縮機1の吐出空気の一部分を導入して
均圧化するための空気槽21、酸素吸着剤等の充填され
た第1及び第2吸着塔22a、22b、空気入口弁23
a、23b、窒素出口弁24a、24b、酸素出口弁2
5a、25b、窒素出口管26、酸素出口管27、出口
側となる出口管28、窒素側の切換弁29、30、酸素
側の切換弁31、32等で構成されている。なお、PS
A法では圧縮機1が必須の構成になるので、圧縮機1も
窒素/酸素製造装置2の構成機械であると解釈してもよ
い。
【0015】上記弁のうちの切換弁29乃至32は、バ
ッファータンク4に送る窒素又は酸素のうちの何れか一
方の選択を可能にする選択手段の一例である。弁29と
30及び弁31と32は、それぞれ一体化された三方口
切換弁であってもよい。なお、トレーニングルームを低
酸素又は高酸素の何れか一方だけの専用の施設にする場
合には、気体製造装置は窒素又は酸素のうちの何れか一
方のみを製造できるものでよい。このときには、弁29
乃至32を設けることなく、窒素出口管26又は酸素出
口管27の何れか一方だけをバッファータンク4に結合
し、他方は必要に応じてサイレンサー等を介して大気に
放出する。
【0016】図3に示すポリイミド中空糸透過法の窒素
/酸素製造装置2´は、圧縮機1の吐出量の一部分を導
入し、窒素又は酸素としてこれらをある程度以上の高濃
度で含有する窒素富化空気又は酸素富化空気のうちの少
なくとも一方を製造して出口側から送り出す装置であ
り、圧力容器21´、これに接続された圧縮空気入口2
2´、窒素富化空気出口23´、同出口管23´a、両
端の樹脂製管板24´、25´、これらの間に接続され
たポリイミド中空糸26´、中空の中から外に透過した
気体を出す酸素富化空気出口27´、同出口管27´a
等によって構成されている。又、出口管23´a及び2
7´aには、バッファータンク4に送る窒素富化空気又
は酸素富化空気のうちの何れか一方の選択を可能にする
選択手段としての切換弁29´乃至32´が設けられ、
これらを介して出口側となる出口管28が導設されてい
る。
【0017】本例の窒素/酸素製造装置2´は、供給さ
れる圧縮空気の圧力が7kg/cm2G で温度が25°Cのと
きの性能として、原料空気から回収される窒素富化空気
のパーセントである回収率と窒素富化空気中の窒素の濃
度とが例えば次の関係になるように計画することができ
る装置である: N2 濃度(%) 99.9 99 98 97 96 95 87.5 回収率(%) 11 26 34 39 43 47 69 この場合、N2 濃度を上げると回収率が低下し、圧縮機
の容量が大きくなるので、N2 濃度が95%から87.
5%程度で回収率が47%から70%程度の性能の装置
にすることが望ましい。なお、この装置のポリイミド中
空糸は炭酸ガスを良く透過させ、これを酸素富化空気出
口27´から排出することができる。
【0018】図1に戻って、バイパス管路3は、圧縮機
1の吐出空気の他の一部分を流せるように、圧縮機1の
出口側及びバッファータンク4に結合されている。バッ
ファータンク4は、その一方側である上流側に、窒素/
酸素製造装置2又は2´の出口管28及び前記バイパス
管3が結合されると共に、他方側が管7を介してトレー
ニングルーム100に結合され、流入した空気と窒素も
しくは酸素とを混合・均一化する。又、トレーニングル
ーム100内を大気圧より水柱で数mm乃至数十mm程
度の僅かなプラス圧力程度に保持するため、流入した気
体を十分減圧する必要があり、減圧及び消音できる構造
になっている。但し、その形状はタンク状のものに限ら
ず、円管や角管形状等であってもよい。
【0019】弁5、6は、トレーニングルーム100内
の空気が目的する所定の特殊組成として例えば前記低酸
素空気又は高酸素空気になるように、それぞれの通過流
量を調整するために設けられる。
【0020】トレーニングルーム100は、恒久的な建
造物であってもよいし、パネル組立式又はテント式のよ
うな可動もしくは仮設的な構造物であってもよい。耐圧
性や耐真空性を持つ必要はないが、ある程度の気密性を
備えていることが望ましい。従って、平面壁構造のもの
でもよいが、出入口や窓等にはパッキンを備えたシール
構造のものが用いられ、これらの部分は二重構造になっ
ていることが望ましい。このような構造により、内部の
低/高酸素条件を維持、制御することができる。
【0021】トレーニングルーム100には、内部の空
気を換気するためにダンパー8又は必要に応じて換気扇
(図示せず)が設けられる。又、本例ではトレーニング
ルーム100と圧縮機1の空気吸入側とを接続するリタ
ーン経路として戻り管9が設けられている。この回路は
必須のものではないが、このようにすれば室内の低酸素
又は高酸素空気の一部分が回収されるので、窒素/酸素
製造装置2又は2´の負荷が減少し、その容量を低減す
ることができる。
【0022】なお、炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収装
置10を設けることが望ましい。その場合には、室内の
炭酸ガス濃度が低くなるので、換気量を減らすことがで
きる。その結果、窒素/酸素製造装置2を更に小型化す
ることができる。又、戻り管9の循環空気量を多くする
ことができる。但し、トレーニングルーム100に窒素
/酸素製造装置2´の窒素富化空気のみを利用する場合
には、この装置に炭酸ガス除去能力があるため、炭酸ガ
ス吸収装置を省略することが可能になる。符号11、1
2及び13、14はそれぞれ流量計及び酸素濃度計であ
る。
【0023】以上のような低高酸素切換式空気供給装置
は次のように使用される。弁5、6及びダンパ8を適当
な開度に開いて圧縮機1及び窒素/酸素製造装置2又は
2´を運転する。これにより、窒素/酸素製造装置2で
は、弁23a及び24aが開き、吸着塔22a内で酸素
が吸着されて窒素が外部に取り出される。酸素が吸着さ
れて塔内の圧力が上昇すると、前記弁が閉じて弁23
b、24b及び25aが開き、吸着塔22bでは、窒素
取出/酸素吸着工程が行われ、吸着塔22aでは、塔内
が低圧になって吸着された酸素が弁25aから取り出さ
れる。
【0024】次に、弁25aが閉じて弁23a及び24
aが開き、吸着塔22aで再び窒素取出/酸素吸着工程
が行われ、吸着塔23bでは、弁23b、24bが閉じ
て弁25bが開き、酸素取出工程が行われる。圧力変動
を伴うこのような工程が短時間に交互に繰り返されるこ
とにより、例えば95%以上の高純度の窒素及び酸素が
連続的に排出される。
【0025】窒素/酸素製造装置2´では、圧縮空気入
口22´に圧縮空気が導入され、ポリイミド中空糸26
´の中空内を通過する間に主として酸素が糸を透過して
分離され、通過した窒素富化空気が取り出される。窒素
富化空気としては、窒素/酸素製造装置2´の計画条件
によって異なるが、装置2と同様に例えば95%程度の
高純度の窒素富化空気から87.5%程度の高濃度の窒
素富化空気が取り出される。
【0026】トレーニングルーム100内を例えば酸素
濃度14.5%の低酸素空気条件にするときには、図2
の窒素/酸素製造装置2では、切換弁のうち29、32
を開き30、31を閉じる。これにより、窒素出口管2
6から弁29及び出口管28を経由して窒素が取り出さ
れ、酸素は大気に放出される。従って、バッファータン
ク4には、出口管28から高純度の窒素だけが供給され
る。図3の窒素/酸素製造装置2´では、切換弁29´
及び32´を開いて弁30´及び31´を閉じる。これ
により、出口管28から窒素富化空気が取り出され、酸
素富化空気は大気に放出される。
【0027】このような運転により、バイパス管路3及
び管28からそれぞれ空気(酸素21%、窒素79%)
及び高純度窒素(例えば窒素95%)又は窒素富化空気
が送られる。これらの混合気体を前記低酸素空気にする
ためには、それぞれの流量を図1に示すようにQ1 、Q
2 とすると、窒素が95%のときには、 0.79Q1 +0.95Q2 =0.855(Q1 +Q
2 ) Q1 /Q2 =1.46≒1.5 Q1 =0.6Q Q2 =0.4Q となる。従って、戻り管9を使用しない場合には、流量
計11及び12の流量が4:6になるように弁5、6を
調整する。又、酸素濃度計13、14を見ながら微調整
する。なお、酸素/窒素製造装置2の出口でQ2 =0.
4Qの窒素を製造するためには、その入口ではQ2 ´≒
0.52Q程度の空気量が必要になる。従って、流量計
を酸素/窒素製造装置2の入口側にも設けて、Q1 とQ
2 ´との関係を目安として調整するようにしてもよい。
以下の他の運転条件の場合も同様である。
【0028】窒素/酸素製造装置2´でN2 が87.5
%の窒素富化空気を供給する場合には、 0.79Q1 +0.875Q2 =0.855(Q1 +Q
2 ) Q1 /Q2 =0.301 Q1 ≒0.23Q Q2 ≒0.77Q となる。従って、このような窒素富化空気を供給する場
合でも、20%以上のバイパス空気量を確保することが
できる。
【0029】95%窒素を供給する場合に、戻り管9か
ら例えば50%の低酸素空気が戻るとすれば、圧縮機1
を通過する空気の窒素濃度が82.25%≒82.3%
になるので、上式は、 0.823Q1 +0.95Q2 =0.855(Q1 +Q
2 ) Q1 /Q2 ≒3 Q1 =0.75Q となる。従って、この場合には、流量計11及び12の
流量が約1:3になるように弁5、6を調整する。8
7.5%の窒素富化空気を供給する場合には、バイパス
量Q1 を上記の23%より多くすることができる。
【0030】なお、トレーニングルーム使用時には炭酸
ガス濃度が上昇するが、炭酸ガス吸収装置10で炭酸ガ
ス濃度の増加を抑制すれば、上記のような関係が成立す
る。又、PSA法による窒素製造装置では、炭酸ガスも
ある程度除去される。そして、このように戻り管9を使
用すれば、窒素/酸素製造装置2からの窒素量を減ら
し、装置の小型化を図ることができる。
【0031】ポリイミド中空糸透過法による装置では、
炭酸ガスが十分排出される。発明者らの実験によれば、
約86%の窒素富化空気供給時に、炭酸ガス濃度は、人
の滞在時には0.10〜0.12%になり、不在時には
0.005%〜0.01%になるという結果が得られ
た。一方、PSA法による装置では、約99%の高純度
窒素を供給したときに、それぞれ上記に対応する値が
0.12〜0.16%及び0.03%であった。従っ
て、ポリイミド中空糸を用いた装置では、炭酸ガス吸収
装置を設けなくても、戻り管9の使用が可能になる。
【0032】上記のように、本発明の構成である高純度
の窒素/酸素製造装置2又はある程度以上の濃度の窒素
富化空気を発生させる窒素/酸素製造装置2´を用いれ
ば、連続的に高濃度の窒素を発生させて低酸素環境を実
現できるが、一方、バイパス管3に相当量の空気又はあ
る程度の低酸素空気(例えば上記17.7%酸素の空
気)を流す必要がある。この場合、本発明では、同じ圧
縮機1から窒素/酸素製造装置2又は2´及びバイパス
管3に送気しているので、圧縮機1が動いて窒素/酸素
製造装置2又は2´から高濃度窒素が供給されるときに
は、必ずバイパス空気が流れ、一方、圧縮機1が故障等
で停止したときには、バイパス空気も流れないが高濃度
窒素も供給されないので、トレーニングルーム100内
が異常高窒素になるおそれが全くなくなり、装置の安全
性が確保される。
【0033】次に、トレーニングルーム100内を例え
ば酸素濃度40%の高酸素空気条件にするときには、図
2の装置では切換弁のうち30、31を開き29、32
を閉じ、図3の装置では弁30´、31´を開き29
´、32´を閉じる。これにより、図2の装置では酸素
出口管27から弁31及び出口管28を経由して酸素が
取り出され、図3の装置では酸素出口27´から弁31
´及び出口管28を経由して酸素が取り出され、窒素は
大気に放出される。従って、バッファータンク4には、
出口管28から高純度の酸素だけが供給される。
【0034】このような運転により、バイパス管路3及
び管28からそれぞれ空気(酸素21%、窒素79%)
及び高純度酸素(例えば酸素95%、窒素等5%)が送
られる。これらの混合気体を前記高酸素空気にするため
には、それぞれの流量をQ1、Q2 とすると、 0.21Q1 +0.95Q2 =0.4(Q1 +Q2 ) Q1 /Q2 =2.89 Q1 =0.74Q となる。従って、戻り管9を使用しない場合には、流量
計11及び12の流量が約1:4になるように弁5、6
を調整する。
【0035】上記のように、高酸素運転では、窒素/酸
素製造装置2又は2´の負荷率が低いので、戻り管9を
使用する必要性は少ないが、戻り管9から例えば20%
の高酸素空気を戻すとすれば、圧縮機1を通過する空気
の酸素濃度が24.8%になるので、上式は、 0.248Q1 +0.95Q2 =0.4(Q1 +Q2 ) Q1 /Q2 =3.62 Q1 =0.78Q となる。従って、この場合には、流量計11及び12の
流量が約1:4になるように弁5、6を調整する。上記
のように、本発明の構成である高純度の窒素/酸素製造
装置2又は2´を用いてバイパス空気量を確保すれば、
高酸素運転においても、トレーニングルーム100内が
異常高酸素になるおそれが全くなくなり、装置の安全性
が確保される。
【0036】なお、以上のように低酸素運転と高酸素運
転とを切り換えて行う装置では、それぞれの運転で圧縮
機1の吐出量を変更した方がよい場合もある。その場合
には、圧縮機自体又は配管系に逃がし弁等の流量調整機
構を設ける。
【0037】以上の高窒素運転と高酸素運転とは、切換
弁29乃至32又は29´乃至32´の開閉切換及び弁
5、6の再調整のみで切り換えられるので、同じトレー
ニングルーム100を低酸素及び高酸素の両方の条件で
容易に切換使用できる。この場合、何れの側から切り換
えても、危険性のない空気条件の推移において切換を行
えるので、低−高酸素又は高−低酸素間で連続的な自然
な切換を行うことができる。従って、操作も容易にな
る。
【0038】図4は、低酸素環境室及び高酸素環境室と
してトレーニングルーム100、100´を並設し、窒
素/酸素製造装置2で製造された酸素及び窒素の両方を
常時使用する場合の例を示す。この装置では、バッファ
ータンクも4、4´として並設し、それぞれをトレーニ
ングルーム100、100´に結合する。窒素/酸素製
造装置2又は2´では、それぞれの出口管26、27又
は23´a又は27´aを独立にバッファータンク4、
4´に導き、図2又は図3に示す出口管28及び弁29
〜32又は29´〜32´は廃止される。戻り管9は、
必要性の高い低酸素トレーニングルーム4側に設けられ
る。圧縮機1は、図1のものよりも容量を大きくして、
窒素/酸素製造装置2又は2´を定格容量で用いたとき
に両方のバイパス管3、3´にバイパス空気を送れるよ
うにする。このような装置によれば、窒素/酸素製造装
置2又は2´を有効活用し、1台の装置で同時に低酸素
及び高酸素のトレーニングルームを提供することができ
る。
【0039】なお以上では、酸素/窒素製造装置2又は
2´が自動運転されるほか、手動で調整される方式の装
置について説明した。この場合には、計器や弁類を遠隔
操作にして、操作室等で操作できるようにしてもよい。
又、本発明の装置は、センサや自動弁の採用により、通
常の自動化技術を用いて、設定した低/高酸素条件にな
るように自動運転も可能な装置である。
【0040】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、圧縮機の吐出量の一部分を導入して圧
力変動吸着法又はポリイミド中空糸透過法によって窒素
又は酸素のうちの少なくとも一方を製造して出口側から
送り出す気体製造装置を設けているので、例えば95%
程度以上の高濃度の窒素又は87.5%程度までのある
程度高濃度の窒素富化空気を供給することができる。そ
の結果、特殊組成の空気として例えば酸素濃度14.5
%(窒素濃度85.5%)の低酸素空気を供給するに当
たって、製造された窒素と外気(窒素濃度79%)とを
混合して供給することができる。
【0041】上記の外気を、同じ圧縮機の吐出量の他の
一部分を流すように設けられたバイパス経路に流すこと
ができる。従って、圧縮機が何らかの異常によって停止
すれば、バイパス空気も流れなくなるが、同時に気体製
造装置でも窒素が製造・供給されなくなるので、特殊環
境室に供給される空気が上記低酸素空気以下の酸素濃度
になることがなく、その中の人の安全性が確保される。
又、バイパス経路用に別の送風機等を設ける必要がない
ので、装置構成が簡素化される。気体製造装置が酸素を
製造し、特殊環境室を高酸素条件にする場合にも、同様
に一定以上の高酸素条件にはならず、安全性が確保され
る。
【0042】又、上記において、窒素もしくは酸素とバ
イパス空気とを導入して混合する混合部を設けているの
で、特殊環境室内の空気が均一化され、何処でも目的と
する低酸素もしくは高酸素環境になり、安全性が確保さ
れると共に、トレーニング等の目的を達成することがで
きる。そして、例えば弁等の流量調整手段を設けている
ので、特殊環境室に供給する空気を、上記のような低酸
素又は高酸素の目的する特殊組成に調整することができ
る。
【0043】更に、PSA法又はポリイミド中空糸透過
法によって高濃度の窒素又酸素を製造することにより、
特殊環境室内を真空又は高圧にして空気の比重量の大小
従って酸素濃度の高低条件を作り出す必要がないので、
特殊環境室を大気圧条件にすることができる。その結
果、その構造を簡素化し、低コストで使用に便利な形状
にすることができる。又、PSA法もしくはポリイミド
中空糸透過法によれば窒素を連続的に製造できるので、
特殊環境室を連続して目的とする環境に維持することが
できる。
【0044】請求項2の発明においては、上記に加え
て、気体製造装置を窒素及び酸素の両方を製造できるも
のにすると共に、選択手段を設け、混合部に窒素又は酸
素のうちの何れか一方を選択して送れるようにするの
で、特殊環境室を低酸素環境にしたり高酸素環境にした
り切換使用することができる。その結果、例えば、昼間
には、運動機能障害を持つ人を含み高齢者が高酸素の快
適な環境の中で積極的に運動やトレーニングに取り組め
るように高酸素環境を提供し、夜間には、スポーツ選手
や一般競技者の体力や持久力の向上又は中高年を中心と
した一般の人々の健康増進を図れるように低酸素環境を
提供する等、特殊環境室を切り換え使用してその有効活
用を図ることができる。
【0045】請求項3の発明においては、請求項1の発
明の効果に加えて、特殊環境室と圧縮機の吸入側とを接
続するリターン経路を設けるので、請求項1の発明の効
果に加えて、気体製造装置の負荷を軽減しその容量を低
減することができる。この場合、ポリイミド中空糸透過
法によれば、この透過膜に炭酸ガスを良く透過させる性
質があるので、炭酸ガス吸収装置を省略することが可能
になる。
【0046】請求項4の発明においては、特殊環境室を
低酸素環境室と高酸素環境室とを有する場合に、気体製
造装置を窒素及び酸素を製造できるものにし、混合部を
窒素用混合部と酸素用混合部とで構成し、窒素用混合部
を低酸素環境室に結合し酸素用混合部を高酸素環境室に
結合するので、請求項1の発明の効果に加えて、同じ気
体製造装置で同時に2つの特殊環境室を実現し、気体製
造装置を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特殊組成空気供給装置の全体構成例を
示す系統図である。
【図2】上記装置の窒素/酸素製造装置部分の一例を示
す系統図である。
【図3】上記装置の窒素/酸素製造装置部分の他の例を
示す系統図である。
【図4】本発明の特殊組成空気供給装置の全体構成の他
の例を示す系統図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2、2´ 窒素/酸素製造装置(気体製造装
置) 3、3´ バイパス管(バイパス経路) 4、4´ バッファータンク(混合部) 5、6、6´ 弁(流量調整手段) 9 戻り管(リターン経路) 28 出口管(出口側) 29〜32 切換弁(選択手段) 29´〜32´ 切換弁(選択手段) 100、100´ トレーニングルーム(特殊環境室)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特殊環境室に特殊組成の空気を供給する
    特殊組成空気供給装置において、 所定の吐出量及び吐出圧力を持つ圧縮機と、その吐出量
    の一部分を導入して圧力変動吸着法又はポリイミド中空
    糸透過法のうちの何れかの方法によって窒素又は酸素の
    うちの少なくとも一方を製造して出口側から送り出す気
    体製造装置と、前記吐出量の他の一部分が流されるバイ
    パス経路と、一方側に前記出口側及び前記バイパス経路
    が接続されると共に他方側が前記特殊環境室に接続され
    流入した気体を混合する混合部と、前記特殊環境室の空
    気が目的する所定の特殊組成になるように前記一部分と
    前記残部との流量調整を可能にする流量調整手段と、を
    有することを特徴とする特殊組成空気供給装置。
  2. 【請求項2】 前記気体製造装置は前記窒素及び前記酸
    素を製造し、前記混合部に送る前記窒素又は前記酸素の
    うちの何れか一方の選択を可能にする選択手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の特殊組成空気供給装
    置。
  3. 【請求項3】 前記特殊環境室と前記圧縮機の吸入側と
    を接続するリターン経路を有することを特徴とする請求
    項1に記載の特殊組成空気供給装置。
  4. 【請求項4】 前記特殊環境室は低酸素環境室と高酸素
    環境室とを有し、前記気体製造装置は前記窒素及び前記
    酸素を製造し、前記混合部は前記窒素を導入する窒素用
    混合部と前記酸素を導入する酸素用混合部とを有し、前
    記窒素用混合部は前記低酸素環境室に結合され前記酸素
    用混合部は前記高酸素環境室に結合されることを特徴と
    する請求項1に記載の特殊組成空気供給装置。
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