JPH10215173A - 同期検波回路 - Google Patents

同期検波回路

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JPH10215173A
JPH10215173A JP9015304A JP1530497A JPH10215173A JP H10215173 A JPH10215173 A JP H10215173A JP 9015304 A JP9015304 A JP 9015304A JP 1530497 A JP1530497 A JP 1530497A JP H10215173 A JPH10215173 A JP H10215173A
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JP
Japan
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circuit
voltage
phase
signal
detection
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Application number
JP9015304A
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Inventor
Michihiro Adachi
道洋 足立
Atsushi Takayama
淳 高山
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】位相変調された信号を検波する同期検波回路に
おいて、過変調波による検波出力の歪みを十分に除去す
ることを特徴とする。 【解決手段】振幅変調された入力信号S1と位相基準信
号S4との位相を比較し、その位相差に応じた誤差信号
S2を発生すると共に制御信号S6に応じて動作が制御
される位相比較回路13と、誤差信号S2を平滑して直
流化された出力信号S3を発生するループフィルタ回路
14と、信号S3の直流電圧に応じた周波数で発振して
位相基準信号S4を発生する電圧制御発振回路15と、
位相基準信号S4の位相を基準として入力信号S1を検
波する検波回路11と、検波回路11の検波出力信号S
5としきい値電圧Vref とを比較し、比較結果に応じて
位相比較回路13の動作を制御する制御信号S6を発生
するコンパレータ16とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は振幅変調波を検波
する検波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばテレビジョンセット等の中間周波
段では、振幅変調波を検波するために同期検波回路が使
用されている。図12は、テレビジョンセットで使用さ
れている従来の同期検波回路のブロック図である。
【0003】所定周波数の搬送波で振幅変調された入力
信号S1は2分岐され、一方は検波回路11に供給さ
れ、他方はPLL回路(Phase Locked Loop )12に供
給される。上記PLL回路12は、入力信号S1に含ま
れる搬送波を再生(抽出)するものであり、位相比較回
路13、ループフィルタ回路14及び電圧制御発振回路
(VCO)15とから構成されている。
【0004】上記位相比較回路13は、入力信号S1と
電圧制御発振回路15から出力される位相基準信号S4
との位相差に応じた誤差信号S2を発生する。この誤差
信号S2は上記ループフィルタ回路14に供給され、平
滑されて直流化される。このループフィルタ回路14か
らの出力信号S3は電圧制御発振回路15に供給され
る。電圧制御発振回路15は、上記ループフィルタ回路
14からの出力信号S3の電圧値に応じた周波数で発振
して前記位相基準信号S4を発生する。そして、この位
相基準信号S4は上記検波回路11に供給されると共に
位相比較回路13に供給される。
【0005】ここで、上記位相基準信号S4の周波数
は、PLL回路12におけるPLLループにより、先の
入力信号S1に含まれる搬送波の周波数と一致するよう
に制御されるので、上記検波回路11ではこの位相基準
信号S4を基準として同期検波が行われ、検波出力信号
S5が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したような動作
は、入力信号S1の変調度が100%以下の場合に成立
するが、変調度が100%を越えた過変調状態では検波
出力信号S5に歪みが生じる。
【0007】図13は、過変調信号が入力された場合に
検波出力に歪みが発生する様子を示す波形図である。振
幅変調波(入力信号S1)が過変調になると、位相の一
部が搬送波の位相に対して反転した部分(図13中の
a)が生じる。従来の同期検波回路では、入力信号S1
から搬送波を再生するためのPLL回路12内の位相比
較回路13は常に位相比較を行っている。PLL回路1
2では、過変調波の位相反転部分に対しても位相基準信
号S4の位相を合わせようとするために、再生搬送波の
位相と本来の入力搬送波の位相との間に誤差が生じる。
この結果、検波回路11がこの位相誤差が生じた搬送再
生波を基準位相にして検波を行うので、検波出力信号S
5に歪み(図13中のb)が発生する。
【0008】このような過変調による検波出力の歪みの
影響は、ループフィルタ回路14の時定数を大きくし、
PLLの応答を遅くすることによってある程度は低減可
能である。しかし、ループフィルタ回路14の時定数を
大きくすることは、引き込み時間の増大や引き込み範囲
が狭くなる等の問題が生じるため、無制限に時定数を大
きくすることはできない。
【0009】従って、従来の同期検波回路では過変調波
による検波出力の歪みを十分に除去することができない
という欠点がある。この発明は上記のような事情を考慮
してなされたものであり、その目的は、過変調波による
検波出力の歪みを十分に除去することができる同期検波
回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る同期検波
回路は、搬送波によって振幅変調された入力信号と位相
基準信号との位相を比較し、その位相差に応じた誤差信
号を発生すると共に制御信号に応じて位相比較動作が制
御される位相比較回路と、上記位相比較回路で発生され
る誤差信号を平滑して直流電圧を発生するフィルタ回路
と、上記フィルタ回路で発生される直流電圧に応じた周
波数で発振して上記位相基準信号を発生する電圧制御発
振回路と、上記位相基準信号の位相を基準として上記入
力信号を検波する検波回路と、上記検波回路の検波出力
信号と所定値の直流電圧とを比較し、その比較結果に応
じて上記位相比較回路の動作を制御する上記制御信号を
発生する電圧比較回路とを具備している。
【0011】請求項2に係る同期検波回路は、請求項1
において位相比較回路が、電圧比較回路で発生される制
御信号に応じてその比較動作が停止/動作状態にされ
る。請求項3に係る同期検波回路は、搬送波によって振
幅変調された入力信号と位相基準信号との位相を比較
し、その位相差に応じた誤差信号を発生する位相比較回
路と、上記位相比較回路で発生される誤差信号を平滑し
て直流電圧を発生するフィルタ回路と、上記位相比較回
路とフィルタ回路との間に挿入され、制御信号に応じて
開閉制御されるスイッチ回路と、上記フィルタ回路で発
生される直流電圧に応じた周波数で発振して上記位相基
準信号を発生する電圧制御発振回路と、上記位相基準信
号の位相を基準として上記入力信号を検波する検波回路
と、上記検波回路の検波出力信号と所定値の直流電圧と
を比較し、その比較結果に応じて上記スイッチ回路を開
閉制御する上記制御信号を発生する電圧比較回路とを具
備している。
【0012】請求項4に係る同期検波回路は、搬送波に
よって振幅変調された入力信号と位相基準信号との位相
を比較し、その位相差に応じた誤差信号を発生する位相
比較回路と、上記位相比較回路で発生される誤差信号を
平滑して直流電圧を発生するフィルタ回路と、上記位相
比較回路とフィルタ回路との間に挿入され、制御信号に
応じて利得が制御される増幅回路と、上記フィルタ回路
で発生される直流電圧に応じた周波数で発振して上記位
相基準信号を発生する電圧制御発振回路と、上記位相基
準信号の位相を基準として上記入力信号を検波する検波
回路と、上記検波回路の検波出力信号と所定値の直流電
圧とを比較し、その比較結果に応じて上記増幅回路の利
得を制御する上記制御信号を発生する電圧比較回路とを
具備している。
【0013】請求項5に係る同期検波回路は、請求項4
において増幅回路が、電圧比較回路で発生される制御信
号に応じてその利得が段階的に変わるように制御され
る。請求項6に係る同期検波回路は、請求項4において
増幅回路が、電圧比較回路で発生される制御信号に応じ
てその利得が連続的に変わるように制御される。
【0014】請求項7に係る同期検波回路は、請求項1
又は請求項3もしくは請求項4において電圧比較回路で
検波回路の検波出力信号と比較される直流電圧が、検波
回路で変調度が100%もしくはその近傍の変調度の入
力信号を検波した際に得られる検波出力電圧に相当する
値に設定されている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明を
実施の形態により説明する。図1はこの発明の同期検波
回路を、テレビジョンセットの中間周波段で使用される
同期検波回路に実施した、この発明の第1の実施の形態
による構成を示すブロック図である。所定周波数の搬送
波で振幅変調された入力信号S1は2分岐され、一方は
検波回路11に供給され、他方はPLL回路12に供給
される。上記PLL回路12は、入力信号S1に含まれ
る搬送波を再生するものであり、位相比較回路13、ル
ープフィルタ回路14及び電圧制御発振回路15とから
構成されている。
【0016】上記位相比較回路13は、入力信号S1と
電圧制御発振回路15から出力される位相基準信号S4
との位相差に応じたデューテイを持つパルス状の誤差信
号S2を発生する。また、上記位相比較回路13には制
御信号入力端子が設けられており、位相比較回路13の
位相比較動作はこの制御信号入力端子に供給される制御
信号S6に応じて制御されるようになっている。
【0017】位相比較回路13で発生された誤差信号S
2はループフィルタ回路14に供給される。このループ
フィルタ回路14は、例えば抵抗及びコンデンサ等で構
成されており、誤差信号S2を平滑して、直流電圧を発
生する。このループフィルタ回路14からの出力信号S
3は電圧制御発振回路15に供給される。電圧制御発振
回路15は、ループフィルタ回路14からの出力信号S
3の電圧値に応じた周波数で発振して前記位相基準信号
S4を発生する。そして、この位相基準信号S4は検波
回路11及び位相比較回路13に供給される。
【0018】上記検波回路11は、上記位相基準信号S
4を基準として入力信号S1の同期検波を行い、検波出
力信号S5を出力する。この実施の形態における同期検
波回路では、さらにコンパレータ(電圧比較回路)16
が設けられている。このコンパレータ16の一方入力端
子には検波回路11からの検波出力信号S5が供給され
る。また、コンパレータ16の他方入力端子には、検波
回路11で搬送波を含まない入力信号S1(変調度10
0%)を検波した際に得られる検波出力電圧に相当する
電圧Vref が供給される。そして、コンパレータ16は
一方入力端子に供給される検波出力信号S5を上記電圧
Vref をしきい値として比較し、S5<Vref のときは
論理1レベルとなり、反対にS5>Vref のときは論理
0レベルとなるような制御信号S6を発生する。このコ
ンパレータ16で発生される制御信号S6は、位相比較
回路13の制御信号入力端子に供給される。そして、位
相比較回路13は、この制御信号S6が論理0レベルの
ときは通常の位相比較動作を行い、論理1レベルのとき
は位相比較動作を停止する。
【0019】次に上記のような構成でなる同期検波回路
の動作を、図2の波形図を用いて説明する。なお、動作
説明に当たって、上記検波回路11は正変調に対応して
いるものとする。正変調とは、変調波の直流電位が上昇
したときに検波出力の振幅が大きくなるような変調方式
である。この場合、被変調波の振幅が大きくなったとき
検波出力の直流電位は上昇する。また、入力信号強度が
AGCアンプ(Automatic Gain Control Amp. )等によ
って一定に保たれている場合、理想的な同期検波が行わ
れれば、入力信号S1の振幅と検波出力信号S5の直流
電位とは完全な比例関係になる。従って、検波出力信号
S5の電位を用いることによって入力信号S1の変調度
を検知することができる。
【0020】過変調でない場合、検波出力信号S5の値
は、コンパレータ16の他方入力端子に供給されている
しきい値電圧Vref よりも大きいために、コンパレータ
16から出力される制御信号S6は論理0レベルとな
り、位相比較回路13は通常の位相比較動作を行う。こ
のとき、位相基準信号S4の周波数は、PLL回路12
におけるPLLループにより、入力信号S1に含まれる
搬送波の周波数と一致するように制御され、検波回路1
1ではこの位相基準信号S4を基準として同期検波が行
われ、検波出力信号S5が得られる。
【0021】一方、過変調となり、位相が搬送波に対し
て反転する入力信号S1の部分(図2中のa)では、検
波出力信号S5の値が搬送波零(変調度100%)に対
するしきい値電圧Vref 以下となる。この期間、コンパ
レータ16で発生される制御信号S6は論理1レベルと
なり、位相比較回路13は位相比較動作を停止する。従
って、過変調波の位相反転部分は、実質的に位相比較回
路13に入力されない。しかし、位相比較回路13が位
相比較動作を停止していても、電圧制御発振回路15へ
の制御入力電圧はループフィルタ回路14により保持さ
れるため、電圧制御発振回路15は位相比較回路13の
動作が停止する直前の周波数で発振し続け、本来の搬送
波の位相に対し誤差のない再生搬送波が得られる。従っ
て、図2に示すように過変調の位相反転部分においても
歪みのない検波出力信号S5が得られる。
【0022】また、検波出力信号S5の値が搬送波零に
対応する直流電圧(Vref )以上に戻れば、コンパレー
タ16から出力される制御信号S6が論理0レベルとな
り、位相比較回路13は通常の位相比較動作を行い、元
の状態に戻る。
【0023】このように上記実施の形態による同期検波
回路では、コンパレータ16を設け、搬送波零(変調度
100%)に対する電位Vref をしきい値として検波出
力信号S5を比較し、この比較結果に基づいて位相比較
回路13の動作を制御するようにしているので、電圧制
御発振回路15への制御電圧(ループフィルタ回路14
からの出力信号S3)の位相反転部分に対する影響をな
くすことができ、この結果、過変調波により検波出力に
生じる歪みを十分に除去することができる。
【0024】なお、上記実施の形態において、コンパレ
ータ15のしきい値(Vref )は、必ずしも搬送波零
(変調度100%)に対応する値でなくてもよい。例え
ばコンパレータ15のしきい値を変調度100%の近傍
である95%程度の変調時の検波出力信号S5の最低部
分に対応する直流電圧に設定すれば、搬送波が零となる
前に位相比較回路13が動作を停止するようになるの
で、過変調波の位相反転部分による影響だけではなく、
搬送波振幅の低下による位相比較回路13の不安定な動
作を取り除くことができる。
【0025】また、検波出力信号S5の直流電位が搬送
波零に対応する検波出力信号電位以下になったときに、
位相比較回路13の動作を完全に停止させなくても、位
相比較動作を十分に低下させる(パルス信号である位相
誤差信号S2のデューテイーを実際の位相差に対応した
デューテイーよりも小さくなるように制御する)ことに
より位相比較回路13の出力による影響を無視できる程
度にすれば、入力信号S1の過変調部分における影響を
同様に低減させることができる。
【0026】なお、上記説明では検波回路11が正変調
に対応している場合であったが、検波回路11が負変調
に対応している場合であっても良い。負変調とは、変調
波の直流電位が上昇したときに検波出力の振幅が小さく
なるような変調方式であり、この場合、被変調波の振幅
が大きくなったときに検波出力の直流電位は減少するの
で、正変調に対応した検波回路のときは逆に、検波出力
信号S5の直流電位が搬送波零に対応する検波出力電位
以上になったときに位相比較回路13の位相比較動作を
停止もしくは完全に停止させずに位相比較動作を十分に
低下させるようにすれば良い。また、正変調に対応して
いる場合と同様に、コンパレータ16のしきい値電圧V
ref は、搬送波零(変調度100%)に対応する検波出
力信号電圧でなくとも、変調度100%の近傍である9
5%程度の変調度に対応する検波出力信号電圧に相当す
る値に設定するようにしても良い。
【0027】図3はこの発明の同期検波回路の第2の実
施の形態による構成を示すブロック図である。この実施
の形態による同期検波回路は、図1に示した第1の実施
の形態によるものと一部の構成が異なっているだけなの
で、その異なる箇所のみを説明する。
【0028】この実施の形態による同期検波回路では、
コンパレータ16で発生される制御信号S6に基づいて
位相比較回路13の動作を制御する代わりに、位相比較
回路13とループフィルタ回路14との間にスイッチ回
路17を新たに設け、コンパレータ16からの制御信号
S6に基づいてスイッチ回路17を開閉制御するように
したものである。なお、このスイッチ回路17として、
例えば標準のCMOSロジックICの形番「4066」
のものに内蔵されているようなアナログスイッチ回路を
用いることができる。
【0029】すなわち、検波回路11が正変調に対応し
ており、かつ過変調でない場合で、コンパレータ16か
ら出力される制御信号S6が論理0レベルのとき、スイ
ッチ回路17が閉じられる。この場合、位相基準信号S
4の周波数は、PLL回路12におけるPLLループに
より、入力信号S1に含まれる搬送波の周波数と一致す
るように制御され、検波回路11ではこの位相基準信号
S4を基準として同期検波が行われ、検波出力信号S5
が得られる。
【0030】一方、過変調になったとき、コンパレータ
16から出力される制御信号S6は論理1レベルとな
り、スイッチ回路17は開放される。従って、位相比較
回路13からの出力はループフィルタ回路14に入力さ
れない。しかし、ループフィルタ回路14に信号が入力
されなくとも、電圧制御発振回路15への制御入力電圧
はループフィルタ回路14により直前の値が保持されて
いるため、電圧制御発振回路15はループフィルタ回路
14への信号入力が遮断される直前の周波数で発振し続
け、本来の搬送波の位相に対し誤差のない再生搬送波が
得られる。従って、この実施の形態の場合にも、過変調
の位相反転部分においても歪みのない検波出力信号S5
を得ることができる。
【0031】図4はこの発明の同期検波回路の第3の実
施の形態による構成を示すブロック図である。この実施
の形態による同期検波回路は、図1に示した第1の実施
の形態によるものと一部の構成が異なっているだけなの
で、その異なる箇所のみを説明する。
【0032】この実施の形態による同期検波回路では、
コンパレータ16で発生される制御信号S6に基づいて
位相比較回路13の動作を制御する代わりに、位相比較
回路13とループフィルタ回路14との間に、コンパレ
ータ16から出力される制御信号S6に応じて利得が制
御される増幅回路18を新たに設けるようにしたもので
ある。
【0033】上記増幅回路18は、その利得が図5に示
すように、コンパレータ16からの制御信号S6に基づ
いて2段階に変わるように構成されている。すなわち、
検波回路11が正変調に対応しており、かつ過変調でな
い場合、コンパレータ16から出力される制御信号S6
が論理0レベルのとき、増幅回路18の利得は高い状態
になる。従って、この場合には、位相基準信号S4の周
波数が、PLL回路12におけるPLLループにより、
入力信号S1に含まれる搬送波の周波数と一致するよう
に制御され、検波回路11ではこの位相基準信号S4を
基準として同期検波が行われ、検波出力信号S5が得ら
れる。
【0034】一方、過変調になったとき、コンパレータ
16から出力される制御信号S6は論理1レベルとな
り、増幅回路18の利得は低くされ、ほぼ0に近くな
る。従って、位相比較回路13からの出力はループフィ
ルタ回路14にほとんど入力されない。しかし、ループ
フィルタ回路14に信号が入力されなくとも、電圧制御
発振回路15への制御入力電圧はループフィルタ回路1
4によりその直前の値が保持されているため、電圧制御
発振回路15はループフィルタ回路14への信号入力が
なくなる直前の周波数で発振し続け、本来の搬送波の位
相に対し誤差のない再生搬送波が得られる。従って、こ
の実施の形態の場合にも、過変調の位相反転部分におい
ても歪みのない検波出力信号S5を得ることができる。
【0035】図6はこの発明の同期検波回路の第4の実
施の形態による構成を示すブロック図である。この実施
の形態による同期検波回路は、図4に示した第3の実施
の形態によるものと一部の構成が異なっているだけなの
で、その異なる箇所のみを説明する。
【0036】この実施の形態による同期検波回路では、
コンパレータ16として、一方入力端子に供給される検
波出力信号S5としきい値電圧Vref とを比較してその
ときの電圧の大小関係に応じた論理信号を前記制御信号
S6として発生する代わりに、検波出力信号S5としき
い値電圧Vref との電圧差に応じた直流電圧を前記制御
信号S6として発生するように構成され、かつ増幅回路
19としてその利得が図7に示すように、コンパレータ
16からの制御信号S6の直流電圧に基づいて連続的に
変わるように構成されているものをそれぞれ使用するよ
うにしたものである。
【0037】この実施の形態による同期検波回路でも、
過変調の位相反転部分においても歪みのない検波出力信
号S5を得ることができる。図8は上記各実施の形態で
使用されている位相比較回路13の詳細な回路構成を示
している。この位相比較回路では、トランジスタQ1〜
Q8及び抵抗等によって構成された乗算回路を用いてい
る。なお、上記トランジスタQ1〜Q8のうち、トラン
ジスタQ1〜Q6は二重差動回路を構成し、トランジス
タQ7は定電流源として動作する。トランジスタQ1〜
Q4のベースには前記電圧制御発振回路15からの出力
信号S4が相補信号として入力され、トランジスタQ
5、Q6のベースには入力信号S1が相補信号として入
力され、信号S1とS4とが乗算される。そして、信号
S1とS4の位相差に応じて出力信号S2のデューティ
が変化し、この信号S2が前記ループフィルタ回路14
に入力され、平均化(平滑化)されることにより、直流
電圧化された信号S3が得られる。
【0038】ここで、制御信号S6、すなわちトランジ
スタQ8のベース電位がハイレベルとなり、トランジス
タQ8が導通状態になると、トランジスタQ7のベース
電位がほぼ接地電位となる。従って、トランジスタQ7
のコレクタには電流が流れなくなるので、位相比較回路
の動作が停止する。
【0039】図9は図4に示した実施の形態で使用され
ている増幅回路18の詳細な回路構成を示している。こ
の増幅回路は、トランジスタQ11〜Q18及び抵抗等
によって構成された可変利得増幅回路であり、この回路
の増幅率Avは次式で与えられる。
【0040】 Av=(RL /RE )・(Ib /Ia ) … 1 ここで、制御信号S6、すなわちトランジスタQ18の
ベース電位がローレベル(論理0)のとき、トランジス
タQ17は定電流源として動作する。そのとき、トラン
ジスタQ15、Q16で構成される差動回路の共通エミ
ッタに流れる電流Ib の値は次式で与えられる。
【0041】 Ib =Ib1+Ib2 … 2 従って、このとき、この増幅回路の増幅率AvLは次式で
与えられる。 AvL=(RL /RE )・{(Ib1+Ib2)/Ia } … 3 制御信号S6がハイレベル(論理1)となり、トランジ
スタQ18が飽和状態になると、トランジスタQ17の
ベース電位はほぼ接地電位となる。このとき、トランジ
スタQ17のコレクタには電流が流れなくなり、トラン
ジスタQ15、Q16で構成される差動回路の共通エミ
ッタに流れる電流Ib の値は次式で与えられる。
【0042】 Ib =Ib1 … 4 このとき、この増幅回路の増幅率AvHは次式で与えられ
る。 AvH=(RL /RE )・(Ib1/Ia } … 5 すなわち、制御信号S6が論理1のときの増幅率AvH
は、論理0のときの増幅率AvLよりも低くなる。
【0043】図10は図6に示した実施の形態で使用さ
れている増幅回路19の詳細な回路構成を示している。
この増幅回路は、トランジスタQ11〜Q18及び抵抗
等によって構成された可変利得増幅回路であり、この回
路の増幅率Avは、図9に示した回路の場合と同様に先
の1式で与えられる。
【0044】ただし、この図10の可変利得増幅回路で
は、トランジスタQ17、Q18が差動回路を構成して
いるので、トランジスタQ15、Q16により構成され
る差動回路の共通エミッタに流れる電流Ib の値が、制
御信号S6に応じて図11に示すように連続的に変わる
ようになる。従って、この図10に示される可変利得増
幅回路では、先の図7に示されるように、利得が連続的
に変化する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
過変調波による検波出力の歪みを十分に除去することが
できる同期検波回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による同期検波回
路の構成を示すブロック図。
【図2】図1の同期検波回路の動作の一例を示す波形
図。
【図3】この発明の第2の実施の形態による同期検波回
路の構成を示すブロック図。
【図4】この発明の第3の実施の形態による同期検波回
路の構成を示すブロック図。
【図5】図4の同期検波回路内の増幅回路の利得特性を
示す図。
【図6】この発明の第4の実施の形態による同期検波回
路の構成を示すブロック図。
【図7】図6の同期検波回路内の増幅回路の利得特性を
示す図。
【図8】各実施の形態で使用されている位相比較回路の
詳細な回路図。
【図9】図4に示した実施の形態で使用されている増幅
回路の詳細な回路図。
【図10】図6に示した実施の形態で使用されている増
幅回路の詳細な回路図。
【図11】図10の可変利得増幅回路においてトランジ
スタQ15、Q16により構成される差動回路の共通エ
ミッタに流れる電流Ib の値の変化を示す特性図。
【図12】従来の同期検波回路のブロック図。
【図13】図12の従来回路において過変調信号が入力
された場合に検波出力に歪みが発生する様子を示す波形
図。
【符号の説明】
11…検波回路、 12…PLL回路、 13…位相比較回路、 14…ループフィルタ回路、 15…電圧制御発振回路、 16…コンパレータ(電圧比較回路)、 17…スイッチ回路、 18、19…増幅回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送波によって振幅変調された入力信号
    と位相基準信号との位相を比較し、その位相差に応じた
    誤差信号を発生すると共に制御信号に応じて位相比較動
    作が制御される位相比較回路と、 上記位相比較回路で発生される誤差信号を平滑して直流
    電圧を発生するフィルタ回路と、 上記フィルタ回路で発生される直流電圧に応じた周波数
    で発振して上記位相基準信号を発生する電圧制御発振回
    路と、 上記位相基準信号の位相を基準として上記入力信号を検
    波する検波回路と、 上記検波回路の検波出力信号と所定値の直流電圧とを比
    較し、その比較結果に応じて上記位相比較回路の動作を
    制御する上記制御信号を発生する電圧比較回路とを具備
    したことを特徴とする同期検波回路。
  2. 【請求項2】 前記位相比較回路は、前記電圧比較回路
    で発生される制御信号に応じてその比較動作が停止/動
    作状態にされることを特徴とする請求項1に記載の同期
    検波回路。
  3. 【請求項3】 搬送波によって振幅変調された入力信号
    と位相基準信号との位相を比較し、その位相差に応じた
    誤差信号を発生する位相比較回路と、 上記位相比較回路で発生される誤差信号を平滑して直流
    電圧を発生するフィルタ回路と、 上記位相比較回路とフィルタ回路との間に挿入され、制
    御信号に応じて開閉制御されるスイッチ回路と、 上記フィルタ回路で発生される直流電圧に応じた周波数
    で発振して上記位相基準信号を発生する電圧制御発振回
    路と、 上記位相基準信号の位相を基準として上記入力信号を検
    波する検波回路と、 上記検波回路の検波出力信号と所定値の直流電圧とを比
    較し、その比較結果に応じて上記スイッチ回路を開閉制
    御する上記制御信号を発生する電圧比較回路とを具備し
    たことを特徴とする同期検波回路。
  4. 【請求項4】 搬送波によって振幅変調された入力信号
    と位相基準信号との位相を比較し、その位相差に応じた
    誤差信号を発生する位相比較回路と、 上記位相比較回路で発生される誤差信号を平滑して直流
    電圧を発生するフィルタ回路と、 上記位相比較回路とフィルタ回路との間に挿入され、制
    御信号に応じて利得が制御される増幅回路と、 上記フィルタ回路で発生される直流電圧に応じた周波数
    で発振して上記位相基準信号を発生する電圧制御発振回
    路と、 上記位相基準信号の位相を基準として上記入力信号を検
    波する検波回路と、 上記検波回路の検波出力信号と所定値の直流電圧とを比
    較し、その比較結果に応じて上記増幅回路の利得を制御
    する上記制御信号を発生する電圧比較回路とを具備した
    ことを特徴とする同期検波回路。
  5. 【請求項5】 前記増幅回路は、前記電圧比較回路で発
    生される制御信号に応じてその利得が段階的に変わるよ
    うに制御されるものである請求項4に記載の同期検波回
    路。
  6. 【請求項6】 前記増幅回路は、前記電圧比較回路で発
    生される制御信号に応じてその利得が連続的に変わるよ
    うに制御されるものである請求項4に記載の同期検波回
    路。
  7. 【請求項7】 前記電圧比較回路で前記検波回路の検波
    出力信号と比較される前記直流電圧は、前記検波回路で
    変調度が100%もしくはその近傍の変調度の前記入力
    信号を検波した際に得られる検波出力電圧に相当する値
    に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項
    3もしくは請求項4に記載の同期検波回路。
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