JPH10215043A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JPH10215043A
JPH10215043A JP1398897A JP1398897A JPH10215043A JP H10215043 A JPH10215043 A JP H10215043A JP 1398897 A JP1398897 A JP 1398897A JP 1398897 A JP1398897 A JP 1398897A JP H10215043 A JPH10215043 A JP H10215043A
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JP
Japan
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substrate
organic resin
thin film
resin insulating
wiring
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JP1398897A
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English (en)
Inventor
Kunihide Yomo
邦英 四方
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板に形成した配線導体を伝搬する電気信号に
遅延が生じるとともに基板と有機樹脂絶縁層との間に剥
離が生じる。 【解決手段】内部及び/又は表面に第1配線導体6を有
する基板1と、該基板1の少なくとも一主面に被着さ
れ、複数の有機樹脂絶縁層3a、3b、3cと複数の薄
膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多層に積層する
とともに上下に位置する薄膜配線導体4a、4b、4c
を各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに設けたスルーホ
ール導体9を介して接続した多層配線部2とから成り、
薄膜配線導体4a、4b、4cの一部を前記第1配線導
体6に電気的に接続させた多層配線基板であって、前記
基板1が、クオーツ、トリジマイト、クリストバライト
のうちの少なくとも1種の結晶相と、ムライト、アルミ
ナのうちの少なくとも1種の結晶相とを含有する比誘電
率が6以下の焼結体から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板に関
し、より詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容
する半導体素子収納用パッケージ等に使用される多層配
線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、混成集積回路装置や半導体素子収
納用パッケージ等に使用される多層配線基板はその配線
導体がMo−Mn法等の厚膜形成技術によって形成され
ている。
【0003】このMo−Mn法は通常、タングステン、
モリブデン、マンガン等の高融点金属粉末に有機溶剤、
溶媒を添加混合し、ペースト状となした金属ペーストを
生セラミック体の外表面にスクリーン印刷法により所定
パターンに印刷塗布し、次にこれを複数枚積層するとと
もに還元雰囲気中で焼成し、高融点金属粉末と生セラミ
ック体とを焼結一体化させる方法である。
【0004】なお、前記配線導体が形成されるセラミッ
ク体としては通常、酸化アルミニウム質焼結体やムライ
ト質焼結体等の酸化物系セラミックス、或いは表面に酸
化物膜を被着させた窒化アルミニウム質焼結体や炭化珪
素質焼結体等の非酸化物系セラミックスが使用される。
【0005】しかしながら、このMo−Mn法を用いて
配線導体を形成した場合、配線導体は金属ペーストをス
クリーン印刷することにより形成されることから微細化
が困難で、配線導体を高密度に形成することができない
という欠点を有していた。そこで、上記欠点を解消する
ために配線導体の一部を従来周知の厚膜形成技術により
形成するのに代えて微細化が可能な薄膜形成技術を用い
て高密度に形成した多層配線基板が使用されるようにな
ってきた。
【0006】かかる配線導体の一部を薄膜形成技術によ
り形成した多層配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体
からなり、上面及び内部に酸化アルミニウム質焼結体の
焼成と同時に焼成されたタングステン、モリブデン、マ
ンガン等の高融点金属粉末から成る配線導体が被着形成
された基板の上面に、スピンコート法及び熱硬化処理に
よって形成されるエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の有
機樹脂から成る絶縁層と、銅やアルミニウム等の金属を
無電解メッキ法や蒸着法等の薄膜形成技術及びフォトリ
ソグラフィー技術を採用することによって形成される薄
膜配線導体とを交互に積層させるとともに、上下に位置
する薄膜配線導体を有機樹脂絶縁層に設けたスルーホー
ル導体を介して電気的に接続させた構造を有している。
【0007】またこの多層配線基板は、最上層の有機樹
脂絶縁層上に薄膜配線導体と電気的に接続するボンディ
ングパッドが形成されており、更に薄膜配線導体は酸化
アルミニウム質焼結体から成る基板に設けた配線導体に
接続されており、前記ボンディングパッドに半導体素子
等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動部品の電極を
熱圧着等により接合させるとともに配線導体を外部電気
回路に接続することによって半導体素子等は薄膜配線導
体及び配線導体を介して外部電気回路に電気的に接続さ
れるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層配
線基板の配線導体における電気信号の伝搬速度は配線導
体が形成されている周囲の絶縁物の比誘電率の大小によ
って決定され、従来の酸化アルミニウム質焼結体から成
る基板の上面に有機樹脂絶縁層と薄膜配線導体とを交互
に積層して成る多層配線基板では、有機樹脂絶縁層がエ
ポキシ樹脂やポリイミド樹脂等から成、りその比誘電率
が4〜5(室温1MHz)と低いことから、有機樹脂絶
縁層間に形成されている薄膜配線導体は電気信号の伝搬
速度が速く問題とならないものの、酸化アルミニウム質
焼結体から成る基板の表面及び内部に形成されている配
線導体は酸化アルミニウム質焼結体の比誘電率が約10
(室温1MHz)と高いため配線導体を電気信号が伝搬
した時、電気信号に大きな伝搬遅延を生じ、その結果、
半導体素子を所定の高速駆動させることができないとい
う欠点を招来した。特に、近時の情報処理装置は高速度
化が急激に進展し、上記欠点が極めて重要な問題となっ
てきた。
【0009】またこの多層配線基板においては、酸化ア
ルミニウム質焼結体から成る基板の熱膨張係数が約7×
10-6/℃であり、基板上面に被着されているエポキシ
樹脂やポリイミド樹脂から成る有機樹脂絶縁層の熱膨張
係数(20×10-6/℃以上)に対し大きく相異するこ
とから基板及び有機樹脂絶縁層に熱が作用した場合、基
板と有機樹脂絶縁層との間に両者の熱膨張係数の相異に
起因する大きな熱応力が発生し、該熱応力によって有機
樹脂絶縁層が基板より剥がれ、多層配線基板としての機
能が喪失してしまうという欠点も誘発した。
【0010】本発明は上述の諸欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的は配線導体の一部を薄膜形成技術により
形成し、配線導体を高密度に形成したことを特徴とする
多層配線基板を提供することにある。
【0011】また本発明の他の目的は配線導体が形成さ
れている基板及び有機樹脂絶縁層の比誘電率を小さく
し、電気信号が配線導体を高速で伝搬するのを可能とし
て実装される半導体素子等に高速の駆動をさせることが
できる多層配線基板を提供することにある。
【0012】更に本発明の他の目的は、基板の熱膨張係
数を有機樹脂絶縁層の熱膨張係数に近づけ、基板と有機
樹脂絶縁層に熱が作用したとしても有機樹脂絶縁層を基
板に強固に被着させておくことができる多層配線基板を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部及び/又
は表面に第1配線導体を有する基板と、該基板の少なく
とも一主面に被着され、複数の有機樹脂絶縁層と複数の
薄膜配線導体とを交互に多層に積層するとともに上下に
位置する薄膜配線導体を各有機樹脂絶縁層に設けたスル
ーホール導体を介して接続した多層配線部とから成り、
薄膜配線導体の一部を前記第1配線導体に電気的に接続
させた多層配線基板であって、前記基板が、クオーツ、
トリジマイト、クリストバライトのうちの少なくとも1
種の結晶相と、ムライト、アルミナのうちの少なくとも
1種の結晶相とを含有する比誘電率が6以下の焼結体か
ら成ることを特徴とするものである。
【0014】本発明の多層配線基板によれば、配線導体
の一部を薄膜形成技術によって形成したことから配線導
体の微細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に形
成することが可能となる。
【0015】また本発明の多層配線基板によれば、基板
の比誘電率を6(室温1MHz)以下としたことから基
板及び該基板の上面に形成されている有機樹脂絶縁層の
比誘電率がいずれも小さいものとなり、その結果、基板
の内部及び/又は表面に形成されている第1配線導体と
有機樹脂絶縁層間に形成されている薄膜配線導体の電気
信号の伝搬速度を極めて速いものとして、実装する半導
体素子に高速で電気信号を出し入れすることができ、半
導体素子を高速駆動させることが可能となる。
【0016】更に本発明の多層配線基板によれば、基板
をクオーツ、トリジマイト、クリストバライトのうちの
少なくとも1種の結晶相と、ムライト、アルミナのうち
の少なくとも1種の結晶相とを含有する焼結体で形成し
たことから熱膨張係数を従来の酸化アルミニウム質焼結
体の熱膨張係数に比して大きな9×10-6/℃〜20×
10-6/℃となすことができ、その結果、基板と有機樹
脂絶縁層に熱が作用しても両者間に発生する熱応力は小
さく、有機樹脂絶縁層を基板に強固に被着させておくこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は、本発明の多層配線基板の一実
施例を示し、1は基板、2は多層配線部である。
【0018】前記基板1はその上面に3つの有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体4a、
4b、4cを交互に多層に積層してなる多層配線部2が
形成されており、該多層配線部2を支持する支持部材と
して作用する。
【0019】前記基板1はクオーツ、トリジマイト、ク
リストバライトのうちの少なくとも1種の結晶相と、ム
ライト、アルミナのうちの少なくとも1種の結晶相とを
含有する比誘電率が6以下の焼結体から成り、例えば、
クオーツ、トリジマイト、クリストバライトの少なくと
も1種と、アルミニウム、ジルコニウム、アルカリ元
素、アルカリ土類元素、希土類元素、ほう素等の酸化
物、炭酸化物、水酸化物、化合物、窒化物、その他焼成
することにより酸化物となる化合物と、ムライトとから
成る原料粉末に、有機バインダー、可塑剤、溶剤、分散
剤等を添加混合して原料粉末を調整するとともに、これ
をドクターブレード法や圧延加工法、プレス金型法、鋳
込み法等によって所定形状に成形して形成体を得、しか
る後、前記成形体を焼成することによって製作される。
【0020】前記基板1はその上下両主面に貫通する孔
径が例えば、直径300μm〜500μmの貫通孔5が
形成されており、該貫通孔5の内壁には両端が基板1の
上下両面に導出する第1配線導体6が被着されている。
【0021】前記貫通孔5は後述する基板1の上面に形
成される多層配線部2の薄膜配線導体4aと外部電気回
路とを電気的に接続する、或いは基板1の上下両主面に
多層配線部2を形成した場合には両主面の多層配線部2
の薄膜配線導体同士を電気的に接続する第1配線導体6
を形成するための形成孔として作用し、基板1の厚み方
向に所定の径に形成される。
【0022】また前記貫通孔5の内壁及び基板1の上下
両主面に被着形成されている第1配線導体6は銅や銀、
金、タングステン、モリブデン等の金属材料からなり、
該第1配線導体6は基板1の主面に形成される多層配線
部2の薄膜配線導体3aを外部電気回路に電気的に接続
したり、基板1の上下両主面に形成される各々の多層配
線部2の薄膜配線導体同士を電気的に接続する作用をな
す。
【0023】前記第1配線導体6は、例えば、銅や銀、
金等から成る場合、基板1の表面に銅や銀、金等をスパ
ッタリング法や蒸着法により所定厚みに被着し、しかる
後、これをフォトリソグラフィー技術により所定パター
ンに加工することによって、形成され、またタングステ
ンやモリブデン等から成る場合、タングステン等の粉末
に適当な有機樹脂バインダーを添加混合して得た金属ペ
ーストを基板1となる成形体に予めスクリーン印刷法等
により塗布し、しかる後、これを焼成し基板1を得ると
同時に基板1の内部及び/又は表面に被着させることに
よって形成される。この場合、第1配線導体6を銅や
銀、金等の金属材料で形成すると銅や銀、金等はその電
気抵抗率が2.5μΩ・cm(20℃)以下と極めて小
さいことから第1配線導体6の電気抵抗値が小さくな
り、第1配線導体6を電気信号が伝搬した際、第1配線
導体6で電気信号が大きく減衰することはなく電気信号
を確実、正確に伝搬させることが可能となり、また第1
配線導体6をタングステンやモリブデンで形成すると第
1配線導体6を基板1と同時焼成によって形成すること
ができ、製造設備、製造工程等の点で優れ、第1配線導
体6を有する基板1を簡単、低コストで製作することが
できる。
【0024】更に、前記基板1はその上面に3つの有機
樹脂絶縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体
4a、4b、4cとが交互に多層に積層された多層配線
部2が形成されており、かつ該薄膜配線導体4aは第1
配線導体6と電気的に接続されている。
【0025】前記多層配線部2を構成する有機樹脂絶縁
層3a、3b、3cは上下に位置する薄膜配線導体4
a、4b、4cの電気的絶縁を図る作用をなし、各薄膜
配線導体4a、4b、4cは電気信号を伝搬するための
伝搬路として作用する。
【0026】前記多層配線部2の各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cはポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビス
マレイミドポリアジド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ふっ素樹脂等の有機樹脂から成り、例えば、エポキ
シ樹脂からなる場合、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂等にアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化
剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤を添加混合してペース
ト状のエポキシ樹脂前駆体を得るとともに該エポキシ樹
脂前駆体を基板1の上部にスピンコート法により被着さ
せ、しかる後、これを80〜200℃の熱で0.5〜3
時間熱処理し、熱硬化させることによって形成される。
【0027】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cは
その各々の所定位置に最小径が各有機樹脂絶縁層の厚み
に対して約1.5倍程度のスルーホール8が形成されて
おり、該スルーホール8は後述する各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cを介して上下に位置する各薄膜配線導体
4a、4b、4cの各々を電気的に接続するスルーホー
ル導体9を形成するための形成孔として作用する。
【0028】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに
設けるスルーホール8は例えば、フォトリソグラフィー
技術、具体的には各有機樹脂絶縁層3a、3b、3c上
にレジスト材を塗布するとともにこれに露光、現像を施
すことによって所定位置に所定計上の窓部を形成し、次
に前記レジスト材の窓部にエッチング液を配し、レジス
ト材の窓部に位置する有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
を除去して、有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに穴(ス
ルーホール)を形成し、最後に前記レジスト材を有機樹
脂絶縁層3a、3b、3c上より剥離させ除去すること
によって行われる。
【0029】更に前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
の上面には所定パターンの薄膜配線導体4a、4b、4
cが、また各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに設けた
スルーホール8の内壁にはスルーホール導体9が各々形
成されており、スルーホール導体9によって間に有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cの各々を間に挟んで上下に位
置する各薄膜配線導体4a、4b、4cの各々が電気的
に接続されるようになっている。
【0030】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの
上面及びスルーホール8の内壁に形成される薄膜配線導
体4a、4b、4c及びスルーホール導体9は銅、銀、
金、等の金属材料を無電解メッキ法や蒸着法、スパッタ
リング法等の薄膜形成技術及びフォトリソグラフィー技
術を採用することによって形成され、例えば、銅で形成
されている場合には、有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
の上面及びスルーホール8の内表面に、硫酸銅0.06
モル/リットル、ホルマリン0.3モル/リットル、水
酸化ナトリウム0.35モル/リットル、エチレンジア
ミン四酢酸0.35モル/リットルから成る無電解銅メ
ッキ浴を用いて厚さ1μm乃至40μmの銅層を被着さ
せ、しかる後、前記銅層をフォトリソグラフィー技術に
より所定パターンに加工することによって各有機樹脂絶
縁層3a、3b、3c間、及びスルーホール8内壁に配
設される。この場合、薄膜配線導体4a、4b、4c及
びスルーホール導体9は薄膜形成技術により形成される
ことから配線の微細化が可能であり、これによって薄膜
配線導体4a、4b、4cを極めて高密度に形成するこ
とが可能となる。
【0031】前記薄膜配線導体4a、4b、4c及びス
ルーホール導体9を形成する銅、銀、金等の金属材料は
電気抵抗率が2.5μΩ・cm(20℃)以下と極めて
小さいことから薄膜配線導体4a、4b、4c及びスル
ーホール導体9に電気信号を伝搬させたとしても電気信
号が大きく減衰をすることはなく電気信号を確実、正確
に伝搬させることができる。
【0032】また、前記薄膜配線導体4a、4b、4c
及びスルーホール導体9はエポキシ樹脂やポリイミド樹
脂等からなる各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの比誘
電率が約4〜5(室温1MHz)と低いことから電気信
号が伝搬する際、その伝搬速度を極めて速いものとなす
こともできる。
【0033】なお、前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cと薄膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多層に積
層して形成される多層配線部4は各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cの上面を中心線平均粗さ(Ra)で0.
05μm≦Ra≦5μmの粗面としておくと、有機樹脂
絶縁層3a、3b、3cと薄膜配線導体4a、4b、4
cとの接合及び上下に位置する有機樹脂絶縁層3a、3
b、3c同士の接合を強固となすことができる。従っ
て、前記多層配線部2の各有機樹脂絶縁層3a、3b、
3cはその上面をエッチング加工等によって粗し、中心
線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmの粗
面としておくことが好ましい。
【0034】更に、前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cはその各々の厚みが100μmを越えると有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cにフォトリソグラフィー技術を採
用することによってスルーホール8を形成する際、エッ
チング加工時間が長くなって、スルーホール8を所望す
る鮮明な形状に形成するのが困難となり、また5μm未
満となると有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの上面に上
下に位置する有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの接合強
度を上げるための粗面加工を施す際、有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cに不要な穴が形成され、上下に位置する
薄膜配線導体4a、4b、4cに不要な電気的短絡を招
来してしまう危険性がある。従って、前記有機樹脂絶縁
層3a、3b、3cはその各々の厚みを5μm〜100
μmの範囲としておくことが好ましい。
【0035】また更に、前記多層配線部2の各薄膜配線
導体4a、4b、4cはその厚みが1μm未満であると
各薄膜配線導体4a、4b、4cの電気抵抗が大きなも
のとなって各薄膜配線導体4a、4b、4cに所定の電
気信号を伝達させることが困難なものとなり、また40
μmを超えると薄膜配線導体4a、4b、4cを有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cに被着させる際に薄膜配線導
体4a、4b、4cの内部に大きな応力が内在し、該内
在応力によって薄膜配線導体4a、4b、4cが有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cから剥離し易いものとなる。
従って、前記多層配線部2の各薄膜配線導体4a、4
b、4cの厚みは1μm〜40μmの範囲としておくこ
とが好ましい。
【0036】前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3cと薄
膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多層に積層して
形成される多層配線部2は更に、最上層の有機樹脂絶縁
層3cの上面に薄膜配線導体4cと電気的に接続してい
るボンディングパッド10が形成されている。
【0037】前記ボンディングパッド10は、その上部
に半導体素子等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動
部品から成る電子部品Aが熱圧着等により接合され、こ
れによって半導体素子等の能動部品及び容量素子、抵抗
器等の受動部品が薄膜配線導体4a、4b、4cに電気
的に接続されることとなる。
【0038】前記ボンディングパッド10は、薄膜配線
導体4a、4b、4cと同じ金属材料、具体的には銅、
銀、金等の金属材料から成り、最上層の有機樹脂絶縁層
3c上に薄膜配線導体4cを形成する際に同時に前記薄
膜配線導体4cと電気的接続をもって形成される。
【0039】かくして本発明の多層配線基板によれば、
最上層の有機樹脂絶縁層3c表面に設けたボンディング
パッド10に半導体素子等の能動部品や容量素子、抵抗
器等の受動部品から成る電子部品Aを熱圧着等により接
合させ、薄膜配線導体4a、4b、4cに電子部品を電
気的に接続させることによって半導体装置や混成集積回
路装置となり、薄膜配線導体4a、4b、4cと電気的
に接続している基板1の第1配線導体6を外部電気回路
に接続させれば前記半導体素子や容量素子等の電子部品
Aは外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0040】本発明の多層配線基板においては、基板1
を、クオーツ、トリジマイト、クリストバライトのうち
の少なくとも1種の結晶相と、ムライト、アルミナのう
ちの少なくとも1種の結晶相とを含有する比誘電率が6
以下(室温1MHz)の焼結体で形成することが重要で
ある。これは基板1の内部及び/又は表面に形成されて
いる第1配線導体6における電気信号の伝搬速度を速い
ものとするために重要であり、基板1の比誘電率が6
(室温1MHz)より大きいと第1配線導体6での電気
信号の伝搬速度が遅いものとなってしまう。
【0041】本発明によれば、このような比誘電率が6
(室温1MHz)より小さい焼結体としてはクオーツ、
クリストバライト、トリジマイト、エンスタタイト等の
比誘電率が3〜4の結晶相を含む焼結体によって得ら
れ、これ以外の結晶相を有する焼結体であれば比誘電率
が大きくなり、第1配線導体6を伝搬する電気信号に遅
延が生じてしまう。また前記クオーツ、トリジマイト、
クリストバライトのうちの少なくとも1種の結晶相と、
ムライト、アルミナのうちの少なくとも1種の結晶相と
を含有する焼結体から成る基板1は、その熱膨張係数が
9×10-6/℃〜20×10-6/℃であり、従来の酸化
アルミニウム質焼結体の熱膨張係数に比して大きく、有
機樹脂絶縁層3a、3b、3cに近いことから、基板1
と該基板1上に被着されている有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cとに熱が作用しても両者間には大きな熱応力が
発生することはなく該熱応力によって有機樹脂絶縁層3
a、3b、3c等が基板1より剥離することはない。
【0042】前記基板1を構成するクオーツ、トリジマ
イト、クリストバライトのうちの少なくとも1種の結晶
相と、ムライト、アルミナのうちの少なくとも1種の結
晶相とを含有する焼結体としては、例えば、 (1)焼結体 クリストバライト結晶相が20重量%乃至55重量
%、、ムライト結晶相が25重量%乃至70重量%、ア
ルミナ結晶層が32重量%以下、残部が非晶質ガラスか
ら成る焼結体(比誘電率:5.0〜6.0、熱膨張係
数:9×10-6/℃〜15×10-6/℃)。
【0043】(2)焼結体 クオーツ結晶相及び/又はトリジマイト結晶相が20重
量%乃至60重量%、アルミナ結晶相20乃至30重量
%、残部が非晶質ガラスから成る焼結体(比誘電率:
4.5〜5.5、熱膨張係数:12×10-6/℃〜18
×10-6/℃)。
【0044】(3)焼結体 クリストバライト結晶相40重量%乃至55重量%、ム
ライト結晶相35重量%乃至45重量%、残部が非晶質
ガラスから成る焼結体(比誘電率:4.5〜5.6、熱
膨張係数:15×10-6/℃〜20×10-6/℃)。が
好適に使用される。
【0045】前記焼結体は主原料としてのSiO2
末を43重量%乃至62重量%、Al2 3 粉末を26
重量%乃至55重量%、3Al2 3 ・2SiO2 粉末
を0.5重量%乃至30重量%、助剤としての第2a族
元素化合物、第3a族元素化合物を1重量%乃至5重量
%に、ブチラール樹脂やアクリル樹脂等の有機バインダ
ー及びトルエン、アルコール等の有機溶剤を添加混合し
て原料粉末を調整し、しかる後、これを所定形状に成形
するとともに1500℃〜1550℃の温度で焼成する
ことによって製作される。この場合、SiO2 は150
0℃〜1550℃という高温の焼成によってクリストバ
ライト結晶相に相変態を起こし、また同時にSiO2
一部がAl2 3 の一部と反応してムライト結晶相(3
Al2 3 ・2SiO2 )を生成する。
【0046】なお、この焼結体を製作する際に使用さ
れる助剤としての第2a族元素化合物としてはマグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸化
物、炭酸化物、水酸化物、もしくはそれらの化合物また
はAl2 3 やSiO2 との化合物が使用され、また第
3a族元素化合物としてはイットリウム、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウ
ム、ランタンの酸化物、硼化物、炭化物、窒化物、ハロ
ゲン化物あるいはAl2 3 との化合物が使用される。
【0047】また前記焼結体は主原料としてのクオー
ツ粉及び/又はトリジマイト粉を25重量%乃至75重
量%、Al2 3 粉末を25重量%乃至35重量%、助
剤としての第1a族元素化合物、第2a族元素化合物、
第3a族元素化合物、B、Znを10重量%乃至50重
量%にメタクリル酸エステルを主体とした有機バインダ
ーにトルエン、アルコール等の有機溶剤を添加混合して
原料粉末を調整し、しかる後、これを所定形状に成形す
るとともに900℃〜1400℃の温度で焼成すること
によって製作される。この場合、焼成温度が低いためク
オーツ及び/又はトリジマイトはそのままクオーツ結晶
相及び/又はトリジマイト結晶相として焼結体中に存在
する。
【0048】なお、この焼結体を製作する際に使用さ
れる助剤としての第1a族元素化合物としてはリチウ
ム、ナトリウム、カリウムのB2 3 やSiO2 との化
合物が使用され、また第2a族元素化合物としてはマグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸
化物、炭酸化物、水酸化物、もしくはそれらの化合物ま
たはAl2 3 やSiO2 との化合物が使用され、更に
第3a族元素化合物としてはイットリウム、セリウム、
プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、
ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビ
ウム、ランタンの酸化物、硼化物、炭化物、窒化物、ハ
ロゲン化物あるいはAl2 3 との化合物が使用され、
また更にほう素、亜鉛等はその酸化物やハロゲン化物等
が使用される。
【0049】更に前記焼結体は主原料としてのSiO
2 粉末を49重量%乃至71重量%、Al2 3 粉末を
20重量%乃至28重量%、3Al2 3 ・2SiO2
粉末を0.5重量%乃至30重量%、助剤としての第2
a族元素化合物、第3a族元素化合物を1重量%乃至3
重量%に、ブチラール樹脂やアクリル樹脂等の有機バイ
ンダー及びトルエン、アルコール等の有機溶剤を添加混
合して原料粉末を調整し、しかる後、これを所定形状に
成形するとともに1600℃〜1700℃の温度で焼成
することによって製作される。この場合、SiO2 は1
600℃〜1700℃という高温の焼成によってクリス
トバライト結晶相に相変態を起こし、また同時にSiO
2 がAl2 3 と反応してムライト結晶相(3Al2
3 ・2SiO2 )が生成される。
【0050】なお、この焼結体を製作する際に使用さ
れる助剤としての第2a族元素化合物としてはマグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸化
物、炭酸化物、水酸化物、もしくはそれらの化合物また
はAl2 3 やSiO2 との化合物が使用され、また第
3a族元素化合物としてはイットリウム、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウ
ム、ランタンの酸化物、硼化物、炭化物、窒化物、ハロ
ゲン化物あるいはAl2 3 との化合物が使用される。
【0051】また本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種
々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例において
は基板1の上面のみに複数の有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cと薄膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多
層に積層して形成される多層配線部2を配設したが、該
多層配線部2を基板1の下側のみに設けても、上下の両
面に設けてもよい。
【0052】更に前記焼結体〜焼結体を使用するこ
とによって形成される基板1は、その内部にFe、C
o、Ni、Mn、Ti、Cr、W、Mo等の金属もしく
はそれらの酸化物等から成る着色剤を添加含有させてお
くと基板1を所定の色に着色しておくことが可能とな
る。
【0053】
【発明の効果】本発明の多層配線基板によれば、配線導
体の一部を薄膜形成技術によって形成したことから配線
導体の微細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に
形成することが可能となる。
【0054】また本発明の多層配線基板によれば、基板
の比誘電率を6(室温1MHz)以下としたことから基
板及び該基板の上面に形成されている有機樹脂絶縁層の
比誘電率がいずれも小さいものとなり、その結果、基板
の内部及び/又は表面に形成されている第1配線導体と
有機樹脂絶縁層間に形成されている薄膜配線導体の電気
信号の伝搬速度を極めて速いものとして、実装する半導
体素子に高速で電気信号を出し入れすることができ、半
導体素子を高速駆動させることが可能となる。
【0055】更に本発明の多層配線基板によれば、基板
をクオーツ、トリジマイト、クリストバライトのうちの
少なくとも1種の結晶相と、ムライト、アルミナのうち
の少なくとも1種の結晶相とを含有する焼結体で形成し
たことから熱膨張係数を従来の酸化アルミニウム質焼結
体の熱膨張係数に比して大きな9×10-6/℃〜20×
10-6/℃となすことができ、その結果、基板と有機樹
脂絶縁層に熱が作用しても両者間に発生する熱応力は小
さく、有機樹脂絶縁層を基板に強固に被着させておくこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・基板 2・・・・・・・・・多層配線部 3a、3b、3c・・有機樹脂絶縁層 4a、4b、4c・・薄膜配線導体 6・・・・・・・・・第1配線導体 9・・・・・・・・・スルーホール導体 A・・・・・・・・・電子部品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部及び/又は表面に第1配線導体を有す
    る基板と、該基板の少なくとも一主面に被着され、複数
    の有機樹脂絶縁層と複数の薄膜配線導体とを交互に多層
    に積層するとともに上下に位置する薄膜配線導体を各有
    機樹脂絶縁層に設けたスルーホール導体を介して接続し
    た多層配線部とから成り、薄膜配線導体の一部を前記第
    1配線導体に電気的に接続させた多層配線基板であっ
    て、前記基板が、クオーツ、トリジマイト、クリストバ
    ライトのうちの少なくとも1種の結晶相と、ムライト、
    アルミナのうちの少なくとも1種の結晶相とを含有する
    比誘電率が6以下の焼結体から成ることを特徴とする多
    層配線基板。
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