JP2001257477A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JP2001257477A
JP2001257477A JP2000064845A JP2000064845A JP2001257477A JP 2001257477 A JP2001257477 A JP 2001257477A JP 2000064845 A JP2000064845 A JP 2000064845A JP 2000064845 A JP2000064845 A JP 2000064845A JP 2001257477 A JP2001257477 A JP 2001257477A
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substrate
thin film
organic resin
multilayer wiring
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JP2000064845A
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Hiroshige Ikegami
裕成 池上
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板に形成した配線導体を伝播する電気信号に
遅延が生じる。 【解決手段】内部及び/又は表面に第1配線導体6を有
する基板1と、該基板1の少なくとも一主面に被着され
た多層配線部2とからなる多層配線基板であって、前記
基板1は、5〜60重量%のBaOを含有する屈伏点が
400〜800℃のガラス20〜80体積%と、クォー
ツ、クリストバライト、トリジマイト、エンスタタイト
の少なくとも1種から成るフィラー20〜80体積%と
からなり、前記ガラス及び/又はフィラー中にZr化合
物がZrO2換算で0.1〜30重量%含有している比
誘電率が6以下のガラスセラミック焼結体で形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板に関
し、より詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容
する半導体素子収納用パッケージ等に使用される多層配
線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、混成集積回路装置や半導体素子収
納用パッケージ等に使用される多層配線基板はその配線
導体がMo−Mn法等の厚膜形成技術によって形成され
ている。
【0003】このMo−Mn法は通常、タングステン、
モリブデン、マンガン等の高融点金属粉末に有機溶剤、
溶媒を添加混合し、ペースト状となした金属ペーストを
生セラミック体の外表面にスクリーン印刷法により所定
パターンに印刷塗布し、次にこれを複数枚積層するとと
もに還元雰囲気中で焼成し、高融点金属粉末と生セラミ
ック体とを焼結一体化させる方法である。
【0004】なお、前記配線導体が形成されるセラミッ
ク体としては通常、酸化アルミニウム質焼結体やムライ
ト質焼結体等の酸化物系セラミックス、或いは表面に酸
化物膜を被着させた窒化アルミニウム質焼結体や炭化珪
素質焼結体等の非酸化物系セラミックスが使用される。
【0005】しかしながら、このMo−Mn法を用いて
配線導体を形成した場合、配線導体は金属ペーストをス
クリーン印刷することにより形成されることから微細化
が困難で、配線導体を高密度に形成することができない
という欠点を有していた。
【0006】そこで、上記欠点を解消するために配線導
体の一部を従来周知の厚膜形成技術により形成するのに
代えて微細化が可能な薄膜形成技術を用いて高密度に形
成した多層配線基板が使用されるようになってきた。
【0007】かかる配線導体の一部を薄膜形成技術によ
り形成した多層配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体
から成り、上面及び内部に酸化アルミニウム質焼結体の
焼成と同時に焼成されたタングステン、モリブデン、マ
ンガン等の高融点金属粉末から成る配線導体が被着形成
された基板の上面に、スピンコート法及び熱硬化処理に
よって形成されるエポキシ樹脂等の有機樹脂から成る絶
縁層と、銅やアルミニウム等の金属を無電解メッキ法や
蒸着法等の薄膜形成技術及びフォトリソグラフィー技術
を採用することによって形成される薄膜配線導体とを交
互に積層させるとともに、上下に位置する薄膜配線導体
を有機樹脂絶縁層に設けたスルーホール導体を介して電
気的に接続させた構造を有している。
【0008】またこの多層配線基板は、最上層の有機樹
脂絶縁層上に薄膜配線導体と電気的に接続するボンディ
ングパッドが形成されており、更に薄膜配線導体は酸化
アルミニウム質焼結体から成る基板に設けた配線導体に
接続されており、前記ボンディングパッドに半導体素子
等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動部品の電極を
熱圧着等により接合させるとともに配線導体を外部電気
回路に接続することによって半導体素子等は薄膜配線導
体及び配線導体を介して外部電気回路に電気的接続され
るようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層配
線基板の配線導体における電気信号の伝搬速度は配線導
体が形成されている周囲の絶縁物の比誘電率の大小によ
って決定され、従来の酸化アルミニウム質焼結体から成
る基板の上面に有機樹脂絶縁層と薄膜配線導体とを交互
に積層して成る多層配線基板では、有機樹脂絶縁層がエ
ポキシ樹脂等から成りその比誘電率が4〜5(室温1M
Hz)と低いことから、有機樹脂絶縁層間に形成されて
いる薄膜配線導体は電気信号の伝搬速度が速く問題とな
らないものの、酸化アルミニウム質焼結体から成る基板
の表面及び内部に形成されている配線導体は酸化アルミ
ニウム質焼結体の比誘電率が約10(室温1MHz)と
高いため配線導体を電気信号が伝搬した時、電気信号に
大きな伝搬遅延を生じ、その結果、半導体素子を所定の
高速駆動させることができないという欠点を招来した。
【0010】特に、近時の情報処理装置は高速度化が急
激に進展し、上記欠点が極めて重要な問題となってき
た。
【0011】またこの従来の多層配線基板においては、
酸化アルミニウム質焼結体から成る基板の上面及び内部
に形成されている配線導体がタングステンやモリブデン
等の高融点金属で形成されており、該タングステンやモ
リブデン等の高融点金属はその電気抵抗率が5.4μΩ
・cm(20℃)以上であることから、配線導体に電気
信号を伝搬させた場合、電気信号に大きな減衰を生じ、
電気信号を正確、かつ確実に伝搬させることができない
という欠点も招来した。
【0012】本発明は上述の諸欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的は配線導体の一部を薄膜形成技術により
形成し、配線導体を高密度に形成したことを特徴とする
多層配線基板を提供することにある。
【0013】また本発明の他の目的は配線導体が形成さ
れている基板及び有機樹脂絶縁層の比誘電率を小さく
し、電気信号が配線導体を高速で伝搬するのを可能とし
て実装される半導体素子等に高速の駆動をさせることが
できる多層配線基板を提供することにある。
【0014】更に本発明の他の目的は、配線導体の電気
抵抗率を小さくし、伝搬する電気信号に大きな減衰が発
生するのを有効に防止して実装される半導体素子等に電
気信号を正確、かつ確実に伝搬させることができる多層
配線基板を提供することにある。
【0015】また更に本発明の他の目的は、内部及び/
又は表面に配線導体を有する基板を簡単、かつ安価に製
作し、製品としての多層配線基板を安価となすことにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部及び/又
は表面に第1配線導体を有する基板と、該基板の少なく
とも一主面に被着され、複数の有機樹脂絶縁層と複数の
薄膜配線導体とを交互に多層に積層するとともに上下に
位置する薄膜配線導体を各有機樹脂絶縁層に設けたスル
ーホール導体を介して接続した多層配線部とから成り、
薄膜配線導体の一部を前記第1配線導体に電気的に接続
させた多層配線基板であって、前記基板は、5〜60重
量%のBaOを含有する屈伏点が400〜800℃のガ
ラス20〜80体積%と、クォーツ、クリストバライ
ト、トリジマイト、エンスタタイトの少なくとも1種か
ら成るフィラー20〜80体積%とからなり、前記ガラ
ス及び/又はフィラー中にZr化合物がZrO2換算で
0.1〜30重量%含有している比誘電率が6以下のガ
ラスセラミック焼結体で形成されていることを特徴とす
るものである。
【0017】また本発明は、前記第1配線導体及び薄膜
配線導体が、20℃における電気抵抗率が2.5μΩ・
cm以下の金属で形成されていることを特徴とするもの
である。
【0018】さらに本発明は、前記第1配線導体が、2
0℃における電気抵抗率が2.5μΩ・cm以下で90
0℃〜1100℃の焼結温度を有する金属から成り、前
記基板と同時焼成によって基板の内部及び/又は表面に
被着されていることを特徴とするものである。
【0019】本発明の多層配線基板によれば、配線導体
の一部を薄膜形成技術によって形成したことから配線導
体の微細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に形
成することが可能となる。
【0020】また本発明の多層配線基板によれば、基板
の比誘電率を6(室温1MHz)以下としたことから基
板及び該基板の上面に形成されている有機樹脂絶縁層の
比誘電率がいずれも小さいものとなり、その結果、基板
の内部及び/又は表面に形成されている第1配線導体と
有機樹脂絶縁層間に形成されている薄膜配線導体の電気
信号の伝搬速度を極めて速いものとして、実装する半導
体素子に高速で電気信号を出し入れすることができ、半
導体素子を高速駆動させることが可能となる。
【0021】また本発明の多層配線基板によれば、第1
配線導体及び薄膜配線導体を、銅、銀、金もしくはこれ
らを主成分とする金属等の20℃における電気抵抗率が
2.5μΩ・cm以下の金属で形成したことから配線導
体を伝搬する電気信号に減衰が生じるのを有効に防止す
ることができ、その結果、第1配線導体及び薄膜配線導
体を介して上面に実装される半導体素子に電気信号を正
確、かつ確実に伝搬させることが可能となる。
【0022】更に本発明の多層配線基板によれば、基板
が、400℃〜800℃の屈伏点を有するガラス20〜
80体積%、クォーツ、クリストバライト、トリジマイ
ト、エンスタタイトの少なくとも1種から成るフィラー
80〜20体積%からなるガラスセラミック焼結体によ
り形成されており、ガラスの屈伏点が400℃〜800
℃であることからガラスセラミック焼結体を製作する
際、第1配線導体を基板に同時焼成によって内部及び/
又は表面に被着させることができ、内部及び/又は表面
に第1配線導体を有する基板を簡単、かつ安価に製作
し、製品としての多層配線基板を安価となすことができ
る。
【0023】また同時に、BaOを5〜60重量%含有
する、屈伏点が400℃〜800℃のガラスのヤング率
が50〜80GPaと低いことから、ガラスセラミック
焼結体もヤング率を約50〜80GPaと低くすること
ができ、絶縁基体とモールド樹脂との間で熱膨張係数が
相異し、この熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力が
絶縁基体に作用したとしても、この熱応力を絶縁基体の
変形により効果的に吸収、緩和して絶縁基体に機械的な
破壊が生じることを有効に防止することができ、半導体
装置の信頼性をさらに良好なものとすることができる。
【0024】また更に、本発明の多層配線基板によれ
ば、前記ガラスセラミック焼結体のガラス及び/又はフ
ィラー中にZr化合物をZrO2換算で0.1〜30重
量%含有させたことからガラスセラミック焼結体の耐薬
品性を大きく向上させることができ、多層配線部の薄膜
配線導体を形成するための前処理等で基板をフッ酸等の
薬液に浸漬しても、基板が酸化、腐食して外観不良や信
頼性の低下等を生じることはほとんどなく、高信頼性の
多層配線基板を形成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の多層配線基板の一実施
例を示し、1は基板、2は多層配線部である。
【0026】前記基板1はその上面に3つの有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体4a、
4b、4cを交互に多層に積層してなる多層配線部2が
形成されており、該多層配線部2を支持する支持部材と
して作用する。
【0027】前記基板1は5〜60重量%のBaOを含
有する屈伏点が400〜800℃のガラス20〜80体
積%と、クォーツ、クリストバライト、トリジマイト、
エンスタタイトの少なくとも1種から成るフィラー20
〜80体積%とからなり、前記ガラス及び/又はフィラ
ー中にZr化合物がZrO2換算で0.1〜30重量%
含有している比誘電率が6以下のガラスセラミック焼結
体から成り、その上下両主面に貫通する孔径が例えば、
直径300μm〜500μmの貫通孔5が形成されてお
り、該貫通孔5の内壁には両端が基板1の上下両主面に
導出する第1配線層体6が被着されている。
【0028】前記基板1は、BaOを5〜60重量%含
有するガラスに、フィラーとしてのクォーツ、クリスト
バライト、トリジマイト、エンスタタイト、フォルステ
ライトの少なくとも1種と、有機樹脂バインダーとを添
加混合して原料粉末を調整するとともに、これをドクタ
ーブレード法や圧延法、プレス金型法により所定形状に
成形して成形体を得、しかる後、前記成形体を焼成する
ことによって製作される。
【0029】また前記貫通孔5は後述する基板1の上面
に形成される多層配線部2の薄膜配線導体4aと外部電
気回路とを電気的に接続する、或いは基板1の上下両主
面に多層配線部2を形成した場合には両主面の多層配線
部2の薄膜配線導体同士を電気的に接続する第1配線導
体6を形成するための形成孔として作用し、基板1の厚
み方向に所定の径に形成される。
【0030】前記貫通孔5の内壁及び基板1の上下両主
面に被着形成されている第1配線導体6は例えば、銅、
銀、金もしくはこれらを主成分とする金属材料から成
り、該第1配線導体6は基板1の主面に形成される多層
配線部2の薄膜配線導体4aを外部電気回路に電気的に
接続したり、基板1の上下両主面に形成される各々の多
層配線部2の薄膜配線導体同士を電気的に接続する作用
をなす。
【0031】前記第1配線導体6は、基板1の表面に銅
や銀、金等をスパッタリング法や蒸着法により所定厚み
に被着し、しかる後、これをフォトリソグラフィー技術
により所定パターンに加工することによって、或いは銅
等の粉末に適当な有機樹脂バインダーを添加混合して得
た金属ペーストを基板1となる成形体に予めスクリーン
印刷法等により塗布し、しかる後、これを焼成し基板1
を得ると同時に基板1の内部及び/又は表面に被着させ
ることによって形成される。この場合、第1配線導体6
を基板1と同時焼成によって形成する方が製造設備、製
造工程等の点で優れており簡単、低コストで製作するこ
とができる。
【0032】前記第1配線導体6を形成する銅、銀、金
もしくはこれらを主成分とする金属材料は電気抵抗率が
2.5μΩ・cm(20℃)以下と極めて小さいことか
ら第1配線導体6を電気信号が伝搬した際、第1配線導
体6で電気信号が大きく減衰することはなく電気信号を
確実、正確に伝搬させることができる。
【0033】更に、前記基板1に形成した貫通孔5はそ
の内部にエポキシ樹脂からなる有機樹脂充填体7が充填
されており、該有機樹脂充填体7によって貫通孔5が完
全に埋められ、同時に有機樹脂充填体7の両端面が基板
1の上下両主面に形成された第1配線導体6の面と同一
平面となっている。
【0034】前記有機樹脂充填体7は基板1の上面及び
/又は下面に後述する複数の有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cと複数の層の薄膜配線導体4a、4b、4cと
からなる多層配線部2を形成する際、多層配線部2の各
有機樹脂絶縁層3a、3b、3cと各薄膜配線導体4
a、4b、4cの平坦化を維持する作用をなす。
【0035】なお、前記有機樹脂充填体7は基板1の貫
通孔5内にエポキシ樹脂の前駆体を充填し、しかる後、
これに80℃〜200℃の温度を0.5〜3時間印加
し、完全に熱硬化させることによって基板1の貫通孔5
内に充填される。
【0036】また、前記基板1はその上面に3つの有機
樹脂絶縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体
4a、4b、4cとが交互に多層に積層された多層配線
部2が形成されており、かつ該薄膜配線導体4aは第1
配線導体6と電気的に接続されている。
【0037】前記多層配線部2を構成する有機樹脂絶縁
層3a、3b、3cは上下に位置する薄膜配線導体4
a、4b、4cの電気的絶縁を図る作用をなし、各薄膜
配線導体4a、4b、4cは電気信号を伝搬するための
伝搬路として作用する。
【0038】前記多層配線部2の各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cはエポキシ樹脂、ビスマレイミドポリア
ジド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ふっ素樹脂等
の有機樹脂から成り、例えば、エポキシ樹脂からなる場
合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等にア
ミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化
剤等の硬化剤を添加混合してペースト状のエポキシ樹脂
前駆体を得るとともに該エポキシ樹脂前駆体を基板1の
上部にスピンコート法により被着させ、しかる後、これ
を80〜200℃の熱で0.5〜3時間熱処理し、熱硬
化させることによって形成される。
【0039】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cは
その各々の所定位置に最小径が各有機樹脂絶縁層の厚み
に対して約1.5倍程度のスルーホール8が形成されて
おり、該スルーホール8は後述する各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cを介して上下に位置する各薄膜配線導体
4a、4b、4cの各々を電気的に接続するスルーホー
ル導体9を形成するための形成孔として作用する。
【0040】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに
設けるスルーホール8は例えば、フォトリソグラフィー
技術、具体的には各有機樹脂絶縁層3a、3b、3c上
にレジスト材を塗布するとともにこれを露光、現像を施
すことによって所定位置に所定形状の窓部を形成し、次
に前記レジスト材の窓部にエッチング液を配し、レジス
ト材の窓部に位置する有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
を除去して、有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに穴(ス
ルーホール)を形成し、最後に前記レジスト材を有機樹
脂絶縁層3a、3b、3c上より剥離させ除去すること
によって行われる。
【0041】更に前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
の上面には所定パターンの薄膜配線導体4a、4b、4
cが、また各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに設けた
スルーホール8の内壁にはスルーホール導体9が各々形
成されており、スルーホール導体9によって間に有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cの各々を間に挟んで上下に位
置する各薄膜配線導体4a、4b、4cの各々が電気的
に接続されるようになっている。
【0042】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの
上面及びスルーホール8の内壁に形成される薄膜配線導
体4a、4b、4c及びスルーホール導体9は銅、銀、
金、等の金属材料を無電解メッキ法や蒸着法、スパッタ
リング法等の薄膜形成技術及びフォトリソグラフィー技
術を採用することによって形成され、例えば、銅で形成
されている場合には、有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
の上面及びスルーホール8の内表面に、フッ酸等の所定
の前処理液を用いて前処理を施すとともに、硫酸銅0.
06モル/リットル、ホルマリン0.3モル/リット
ル、水酸化ナトリウム0.35モル/リットル、エチレ
ンジアミン四酢酸0.35モル/リットルから成る無電
解銅メッキ浴を用いて厚さ1μm乃至40μmの銅層を
被着させ、しかる後、前記銅層をフォトリソグラフィー
技術により所定パターンに加工することによって各有機
樹脂絶縁層3a、3b、3c間、及びスルーホール8内
壁に配設される。この場合、薄膜配線導体4a、4b、
4c及びスルーホール導体9は薄膜形成技術により形成
されることから配線の微細化が可能であり、これによっ
て薄膜配線導体4a、4b、4cを極めて高密度に形成
することが可能となる。
【0043】前記薄膜配線導体4a、4b、4c及びス
ルーホール導体9を形成する銅、銀、金等の金属材料は
電気抵抗率が2.5μΩ・cm(20℃)以下と極めて
小さいことから薄膜配線導体4a、4b、4c及びスル
ーホール導体9に電気信号を伝搬させたとしても電気信
号が大きく減衰することはなく電気信号を確実、正確に
伝搬させることができる。
【0044】また、前記薄膜配線導体4a、4b、4c
及びスルーホール導体9はエポキシ樹脂やポリイミド樹
脂等からなる各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの比誘
電率が約4〜5(室温1MHz)と低いことから電気信
号が伝搬する際、その伝搬速度を極めて速いものとなす
こともできる。
【0045】なお、前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cと薄膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多層に積
層して形成される多層配線部2は各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cの上面を算術平均粗さ(Ra)で0.0
5μm≦Ra≦5μmの粗面としておくと、有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cと薄膜配線導体4a、4b、4c
との接合及び上下に位置する有機樹脂絶縁層3a、3
b、3c同士の接合を強固となすことができる。従っ
て、前記多層配線部2の各有機樹脂絶縁層3a、3b、
3cはその上面をエッチング加工等によって粗し、算術
平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmの粗面
としておくことが好ましい。
【0046】更に、前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cはその各々の厚みが100μmを越えると有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cにフォトリソグラフィー技術を採
用することによってスルーホール8を形成する際、エッ
チング加工時間が長くなって、スルーホール8を所望す
る鮮明な形状に形成するのが困難となり、また5μm未
満となると有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの上面に上
下に位置する有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの接合強
度を上げるための粗面加工を施す際、有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cに不要な穴が形成され、上下に位置する
薄膜配線導体4a、4b、4cに不要な電気的短絡を招
来してしまう危険性がある。従って、前記有機樹脂絶縁
層3a、3b、3cはその各々の厚みを5μm〜100
μmの範囲としておくことが好ましい。
【0047】また更に、前記多層配線部2の各薄膜配線
導体4a、4b、4cはその厚みが1μm未満であると
各薄膜配線導体4a、4b、4cの電気抵抗が大きなも
のとなって各薄膜配線導体4a、4b、4cに所定の電
気信号を伝達させることが困難なものとなり、また40
μmを超えると薄膜配線導体4a、4b、4cを有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cに被着させる際に薄膜配線導
体4a、4b、4cの内部に大きな応力が内在し、該内
在応力によって薄膜配線導体4a、4b、4cが有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cから剥離し易いものとなる。
従って、前記多層配線部2の各薄膜配線導体4a、4
b、4cの厚みは1μm〜40μmの範囲としておくこ
とが好ましい。
【0048】前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3cと薄
膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多層に積層して
形成される多層配線部2は更に、最上層の有機樹脂絶縁
層3cの上面に薄膜配線導体4cと電気的に接続してい
るボンディングパッド10が形成されている。
【0049】前記ボンディングパッド10は、その上部
に半導体素子等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動
部品から成る電子部品Aが熱圧着等により接合され、こ
れによって半導体素子等の能動部品および容量素子、抵
抗器等の受動部品が薄膜配線導体4a、4b、4cに電
気的に接続されることとなる。
【0050】前記ボンディングパッド10は、薄膜配線
導体4a、4b、4cと同じ金属材料、具体的には銅、
銀、金等の金属材料から成り、最上層の有機樹脂絶縁層
3c上に薄膜配線導体4cを形成する際に同時に前記薄
膜配線導体4cと電気的接続をもって形成される。
【0051】かくして本発明の多層配線基板によれば、
最上層の有機樹脂絶縁層3c表面に設けたボンディング
パッド10に半導体素子等の能動部品や容量素子、抵抗
器等の受動部品から成る電子部品Aを熱圧着等により接
合させ、薄膜配線導体4a、4b、4cに電子部品を電
気的に接続させることによって半導体装置や混成集積回
路装置となり、薄膜配線導体4a、4b、4cと電気的
に接続している基板1の第1配線導体6を外部電気回路
に接続させれば前記半導体素子や容量素子等の電子部品
Aは外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0052】本発明の多層配線基板においては、基板1
を、5〜60重量%のBaOを含有する屈伏点が400
〜800℃のガラス20〜80体積%と、クォーツ、ク
リストバライト、トリジマイト、エンスタタイトの少な
くとも1種から成るフィラー20〜80体積%とからな
り、前記ガラス及び/又はフィラー中にZr化合物がZ
rO2換算で0.1〜30重量%含有している比誘電率
が6以下のガラスセラミック焼結体で形成しておくこと
か重要である。これは基板1の内部及び/又は表面に形
成されている第1配線導体6における電気信号の伝搬速
度を速いものとするために重要であり、基板1の比誘電
率が6(室温1MHz)より大きいと第1配線導体6で
の電気信号の伝搬速度が遅いものとなってしまう。
【0053】前記ガラスセラミック焼結体に酸化バリウ
ム(BaO)を5〜60重量%含有するガラスを用いる
のは該酸化バリウム含有ガラスは低軟化点でガラス量を
少なくしてフィラーを多く添加することが可能となるた
めであり、酸化バリウムの量を5〜60重量%の範囲と
するのは、5重量%より少ないとガラスの低軟化点化が
困難となり、60重量%より多いとガラス化が困難で特
性が不安定となりやすく、また耐薬品性が著しく低下し
てしまうためである。特に酸化バリウムの量は20〜4
0重量%が望ましい。
【0054】また前記ガラスセラミック焼結体の酸化バ
リウム含有ガラスはその屈伏点が400〜800℃に特
定され、特に400〜700℃であることが望ましい。
これは酸化バリウム含有ガラスとフィラーとから成る成
形体を焼成してガラスセラミック焼結体を作製する際、
有機樹脂バインダーを混合しているが、焼成時に前記有
機樹脂バインダーを効率良く除去するとともに、基板1
と同時に形成される第1配線導体6との焼成条件をマッ
チさせるためであり、屈伏点が400℃より低いと、低
い温度で焼結が開始され、焼結開始温度が600℃〜8
00℃である第1配線導体6を構成する銀、銅、金等は
基板1の焼成と同時に基板1に焼成によって被着形成す
ることが困難となり、また成形体の緻密化が低温で開始
するため有機樹脂バインダーの分解揮散が困難となり、
基板1内に有機樹脂バインダーが残留し、特性に悪影響
を及ぼす危険性があるためである。一方、屈伏点が80
0℃より高いと酸化バリウム含有ガラスの量を多くしな
いと焼結しにくくなるため、高価な酸化バリウム含有ガ
ラスを大量に必要とするために焼結体のコストを高める
ことになってしまう。
【0055】前記酸化バリウム含有ガラスとしては、例
えば、 SiO2−BaO−B23−Al23−CaO SiO2−BaO−B23−Al23−TiO2−SrO SiO2−BaO−B23−CaO−Al23−MgO
−ZrO2 SiO2−BaO−B23−CaO−Al23−MgO 等の組成物も好適に使用される。
【0056】なお、このような酸化バリウム含有ガラス
は、そのヤング率が50〜80GPaと低いため、ガラ
スセラミック焼結体を約50〜80GPaと低ヤング率
の変形しやすいものとする作用も有し、絶縁基体1、8
とモールド樹脂7との間で熱応力が発生して絶縁基体
1、8に作用したとしても、この熱応力を絶縁基体1、
8の変形によって緩和、吸収し、絶縁基体1、8に機械
的な破壊が生じることを有効に防止することができる。
【0057】前記酸化バリウム含有ガラスと組み合わさ
れるフィラーはガラスセラミック焼結体の比誘電率を6
以下(室温1MHz)とする作用をなし、比誘電率が小
さいクォーツ、クリストバライト、トリジマイト、エン
スタタイトの少なくとも1種が使用される。
【0058】前記酸化バリウム含有ガラスとフィラー
は、焼成温度や最終的に得られるガラスセラミック焼結
体の比誘電率、熱膨張特性などの目的に応じて適当な比
率で混合される。前記酸化バリウム含有ガラスは、フィ
ラー無添加では収縮開始温度は700℃以下で、850
℃以上では溶融してしまい、第1配線導体6を基板1に
同時焼成により被着形成することができない。しかし、
フィラーを混合することによって焼成温度を上昇させる
とともにフィラーを液相焼結させるための液相を形成さ
せることができる。また、成形体全体の収縮開始温度を
上昇させることができるため、このフィラーの含有量の
調整により第1配線導体6との同時焼成条件をマッチン
グさせることができる。更に原料コストを下げるために
高価な酸化バリウム含有ガラスの量を減少させることが
できる。
【0059】前記ガラスセラミック焼結体の酸化バリウ
ム含有ガラスとフィラーの比率は、酸化バリウム含有ガ
ラスが20〜80体積%、フイラーが80〜20体積%
に特定される。この酸化バリウム含有ガラスとフイラー
の量を上記の範囲とするのは酸化バリウム含有ガラスの
量が20体積%より少ない、言い換えればフィラーが8
0体積%より多いと液相焼結することができずに高温で
焼成する必要があり、その場合に融点が低い銅や銀、金
またはこれらを主成分とする金属からなる第1配線導体
6を基板1と同時焼成によって基板1の所定位置に被着
形成させることができなくなる危険性があり、また酸化
バリウム含有ガラスが80体積%より多い、言い換える
とフィラーが20体積%より少ないとガラスセラミック
焼結体の比誘電率が6以上の高いものになってしまうと
ともにガラスセラミック焼結体の焼結開始温度が低くな
るために第1配線導体6と同時焼成ができなくなる危険
性があるためである。
【0060】また、前記フィラーは、酸化バリウム含有
ガラスの屈伏点に応じ、その量を適宜調整することが望
ましい。すなわち、酸化バリウム含有ガラスの屈伏点が
400〜700℃と低い場合、低温での焼結性が高まる
ためフィラーの含有量は40〜80体積%と比較的多く
配合できる。これに対して、酸化バリウム含有ガラスの
屈伏点が700〜800℃と高い場合、焼結性が低下す
るためフィラーの含有量は20〜50体積%と比較的少
なく配合することが望ましい。
【0061】更に前記ガラスセラミック焼結体は、前記
フィラー中および/またはガラス中にジルコニウム化合
物(Zr化合物)を酸化ジルニニウム(ZrO2)換算
で0.1〜30重量%の割合で含有させておくことが重
要である。
【0062】前記Zr化合物の含有はガラスセラミック
焼結体の耐酸化性を高めるためであり、多層配線部2を
形成する際、基板1を銅めっき液や酸性のめっき用前処
理液等に浸漬したとしても基板1が酸化、腐食するのを
有効に防止することができ、これによって多層配線基板
の信頼性を確保することができる。
【0063】前記Zr化合物としては、例えば、ZrO
2、ZrSiO2、CaO・ZrO2、ZrB2、ZrP2
7、ZrBの群から選ばれる少なくとも一種が挙げら
れる。このZr化合物は化合物粉末としてフィラー中の
一成分として混合する。この場合、添加時のZr化合
物、特にZrO2のBET比表面積によって、ガラスセ
ラミック焼結体の耐薬品性が変化する傾向にあり、BE
T比表面積が25m2/g以上であることが望ましく、
BET比表面積が25m2/gよりも小さいと耐薬品性
の改善効果が小さくなる傾向にある。また他の配合形態
としては、酸化バリウム含有ガラスの一成分として酸化
ジルコニウム(ZrO2)を含有させておいてもよい。
【0064】なお、前記Zr化合物は酸化バリウム含有
ガラス及び/又はフィラーへの添加量がZrO2換算で
0.1重量%未満であると、ガラスセラミック焼結体の
耐薬品性を改善する効果が不十分となり、基板1が銅め
っき液や、フッ酸等のめっき前処理液等で酸化腐食さ
れ、外観不良や多層配線基板としての信頼性に劣化が生
じてしまい、30重量%を超えると、ガラスセラミック
焼結体の熱膨張係数が8.5ppm/℃よりも低くな
り、基板1と多層配線部2の有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cとの熱膨張係数の差が大きくなり、この熱膨張
係数差に起因して生じる熱応力によって基板1に、短期
間で、機械的な破壊を生じたり、基板1から多層配線部
2が剥離してしまう。従って、Zr化合物の酸化バリウ
ム含有ガラス及び/又はフィラーへの添加量はZrO2
換算で0.1〜30重量%の範囲に特定され、0.2〜
10重量%の範囲がより一層好ましい。
【0065】前記ガラスセラミック焼結体は、所定の量
に秤量された酸化バリウム含有ガラス、フィラー、Zr
化合物に、適当な成形の有機樹脂バインダーを添加した
後、ドクターブレード法や圧延法、金型プレス法等の成
形手段により任意の形状、例えば、シート状に成形し、
しかる後、焼成することによって製作される。
【0066】また、前記ガラスセラミック焼結体からな
る基板1への第1配線導体6の披着は、前記シート状成
形体に対して、銅(Cu)や銀(Ag)等の金属粉末に
有機バインダー、可塑剤、溶剤を添加混合して得た金属
ペーストを予めスクリーン印刷法により所定パターンに
印刷塗布しておくことによって行われる。
【0067】また焼成にあたっては、まず、成形のため
に配合した有機樹脂バインダーを除去する。有機樹脂バ
インダーの除去は、700℃前後の大気雰囲気中で行わ
れるが、第1配線導体6としてCuを用いる場合には、
100〜700℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中で行
われる。
【0068】焼成は、850℃〜1300℃の酸化雰囲
気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻密
化される。この時の焼成温度が850℃より低いと緻密
化することができず、1300℃を超えると第1配線導
体6との同時焼成で第1配線導体6が溶融してしまう。
ただし、第1配線導体6として銅を用いる場合には、8
50〜1050℃の非酸化性雰囲気中で行われる。
【0069】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更が可能であり、例えば、上述の実施例におい
ては基板1の上面のみに複数の有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cと薄膜配線導体4a、4b、4cとを交互に多
層に積層して形成される多層配線部2を配設したが、該
多層配線部2を基板1の下側のみに設けても、上下の両
面に設けてもよい。
【0070】
【発明の効果】本発明の多層配線基板によれば、配線導
体の一部を薄膜形成技術によって形成したことから配線
導体の微細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に
形成することが可能となる。
【0071】また本発明の多層配線基板によれば、基板
の比誘電率を6(室温1MHz)以下としたことから基
板及び該基板の上面に形成されている有機樹脂絶縁層の
比誘電率がいずれも小さいものとなり、その結果、基板
の内部及び/又は表面に形成されている第1配線導体と
有機樹脂絶縁層間に形成されている薄膜配線導体の電気
信号の伝搬速度を極めて速いものとして、実装する半導
体素子に高速で電気信号を出し入れすることができ、半
導体素子を高速駆動させることが可能となる。
【0072】また本発明の多層配線基板によれば、第1
配線導体及び薄膜配線導体を、銅、銀、金もしくはこれ
らを主成分とする金属等の20℃における電気抵抗率が
2.5μΩ・cm以下の金属で形成したことから配線導
体を伝搬する電気信号に減衰が生じるのを有効に防止す
ることができ、その結果、第1配線導体及び薄膜配線導
体を介して上面に実装される半導体素子に電気信号を正
確、かつ確実に伝搬させることが可能となる。
【0073】更に本発明の多層配線基板によれば、基板
が、400℃〜800℃の屈伏点を有するガラス20〜
80体積%、クォーツ、クリストバライト、トリジマイ
ト、エンスタタイトの少なくとも1種から成るフィラー
80〜20体積%からなるガラスセラミック焼結体によ
り形成されており、ガラスの屈伏点が400℃〜800
℃であることからガラスセラミック焼結体を製作する
際、第1配線導体を基板に同時焼成によって内部及び/
又は表面に被着させることができ、内部及び/又は表面
に第1配線導体を有する基板を簡単、かつ安価に製作
し、製品としての多層配線基板を安価となすことができ
る。
【0074】また同時に、BaOを5〜60重量%含有
する、屈伏点が400℃〜800℃のガラスのヤング率
が50〜80GPaと低いことから、ガラスセラミック
焼結体もヤング率を約50〜80GPaと低くすること
ができ、絶縁基体とモールド樹脂との間で熱膨張係数が
相異し、この熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力が
絶縁基体に作用したとしても、この熱応力を絶縁基体の
変形により効果的に吸収、緩和して絶縁基体に機械的な
破壊が生じることを有効に防止することができ、半導体
装置の信頼性をさらに良好なものとすることができる。
【0075】また更に、本発明の多層配線基板によれ
ば、前記ガラスセラミック焼結体のガラス及び/又はフ
ィラー中にZr化合物をZrO2換算で0.1〜30重
量%含有させたことからガラスセラミック焼結体の耐薬
品性を大きく向上させることができ、多層配線部の薄膜
配線導体を形成するための前処理等で基板をフッ酸等の
薬液に浸漬しても、基板が酸化、腐食して外観不良や信
頼性の低下等を生じることはほとんどなく、高信頼性の
多層配線基板を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・基板 2・・・・・・・・・多層配線部 3a、3b、3c・・有機樹脂絶縁層 4a、4b、4c・・薄膜配線導体 6・・・・・・・・・第1配線導体 9・・・・・・・・・スルーホール導体 A・・・・・・・・・電子部品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部及び/又は表面に第1配線導体を有す
    る基板と、該基板の少なくとも一主面に被着され、複数
    の有機樹脂絶縁層と複数の薄膜配線導体とを交互に多層
    に積層するとともに上下に位置する薄膜配線導体を各有
    機樹脂絶縁層に設けたスルーホール導体を介して接続し
    た多層配線部とから成り、薄膜配線導体の一部を前記第
    1配線導体に電気的に接続させた多層配線基板であっ
    て、 前記基板は、5〜60重量%のBaOを含有する屈伏点
    が400〜800℃のガラス20〜80体積%と、クォ
    ーツ、クリストバライト、トリジマイト、エンスタタイ
    トの少なくとも1種から成るフィラー20〜80体積%
    とからなり、前記ガラス及び/又はフィラー中にZr化
    合物がZrO2換算で0.1〜30重量%含有している
    比誘電率が6以下のガラスセラミック焼結体で形成され
    ていることを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】前記第1配線導体及び薄膜配線導体が、2
    0℃における電気抵抗率が2.5μΩ・cm以下の金属
    で形成されていることを特徴とする請求項1記載の多層
    配線基板。
  3. 【請求項3】前記第1配線導体が、20℃における電気
    抵抗率が2.5μΩ・cm以下で900℃〜1100℃
    の焼結温度を有する金属から成り、前記基板と同時焼成
    によって基板の内部及び/又は表面に被着されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167008A (ja) * 2012-04-06 2012-09-06 Kyocera Corp ガラスセラミック組成物、ガラスセラミック焼結体並びにそれを用いた配線基板とその実装構造

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