JPH10214665A - 表面実装型コネクタ及びそれに使用されるプローブピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度が高く、取付強度が強く、はんだ付
けの際のフラックス上りが防止できる、表面実装型コネ
クタ及びそれに使用されるプローブピンを得る。 【解決手段】 表面実装型コネクタ１はハウジング５０
と、このハウジング５０に圧入されるプローブピン２を
有する。プローブピン２は金属ブロックから切削又は鋳
造によって製造され、底部に小判形の表面実装部４を一
体に有する導電スリーブ６を有する。スリーブ６の空洞
１４内にはコイルばね１６と、これにより付勢されるコ
ンタクト部８を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は表面実装型コネクタ
に関し、特に金属ブロックから一体に形成した導電スリ
ーブを有する表面実装型コネクタ、及びそれに使用され
るプローブピンに関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯電話のバッテリ（電池）接続に用い
られるコネクタは回路基板上の極めて限られた範囲（ス
ペース）に実装することが要求されている。このために
小型、且つ狭ピッチのコネクタが開発されている。この
ような回路基板用のコネクタとして例えば実開平６−５
１６５号に開示された回路基板用コネクタが知られてい
る。

【０００３】このコネクタは図５に断面図で示す構造を
有する。即ち絶縁性のホルダ基体１００の貫通孔１０２
に導電スリーブ１０４が取り付けられている。この導電
スリーブ１０４は金属板から打ち抜き形成され、内部に
はコイルばね１０６と、このコイルばね１０６により付
勢される導通接触子１０８とを有する。導電スリーブ１
０４の下端には折り曲げ形成した導通端子１０９がホル
ダー導体１００から水平に突出し回路基板１１０に表面
実装される。他方、導通接触子１０８は回路基板１１０
と平行に配置されたもう一方の回路基板１１２に弾力的
に当接し電気的接続がなされる。導電スリーブ１０４の
下部は導電スリーブ１０４と一体に折り曲げられた舌片
１１４により覆われているが空隙１１６が形成されてい
る。

【０００４】

【発明の解決すべき課題】前述の従来技術においては、
空隙１１６が存在する為に表面実装時にはんだフラック
ス等が導電スリーブ１０４内に侵入し導通接触子１０８
と導電スリーブ１０４との間の電気的接続の信頼性に悪
影響を与える慮れがある。また導電スリーブ１０４が折
り曲げて形成されている為、導電スリーブ１０４をホル
ダ基体１００に圧入する際、変形する慮れがある。更
に、導通端子１０９は折り曲げにより形成されるので高
さ方向の位置決め、即ち回路基板１１０との共平面性の
確保が困難という問題が生じる。

【０００５】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
で、はんだフラックスが導電スリーブ内へ侵入するのを
防止した電気的接続の信頼性の高い表面実装型コネク
タ、及びブローブピンを提供することを目的とする。

【０００６】また、他の目的は変形しにくく、はんだ付
け強度が大きく、回路基板取付の寸法精度が高い表面実
装型コネクタ、及びブローブピンを提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】前述の課題を解決する為
に、本発明の表面実装型コネクタは、絶縁性のハウジン
グに所定の配列で挿入保持されたプローブピンを有し、
該プローブピンは前記ハウジングに保持される導電スリ
ーブを有し、該スリーブの一端には表面実装部を有し、
他端には前記スリーブ内に収容したばねを介して弾性変
位可能に保持したコンタクト部を有する表面実装型コネ
クタにおいて、前記スリーブ及び前記表面実装部は金属
ブロックから一体に形成されると共に、前記表面実装部
は前記配列方向と直交する両方向に略均等に延出してい
ることを特徴とする。

【０００８】また、同様に本発明のプローブピンは導電
スリーブの一端に表面実装部を有し、他端に前記スリー
ブ内に収容したばねを介して弾性変位可能に保持したコ
ンタクト部を有するプローブピンにおいて、前記スリー
ブ及び前記表面実装部は金属ブロックから一体に形成さ
れると共に、前記表面実装部は前記スリーブの軸線方向
と直交する両方向に略均等に延出していることを特徴と
する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図を参照して詳細に説明する。

【００１０】図１は本発明の表面実装型コネクタ１（以
下、単にコネクタという）の平面図である。コネクタ１
は矩形の絶縁ハウジング（以下、単にハウジングとい
う）５０と、このハウジング５０の貫通孔５４に圧入さ
れたプローブピン２とを有する。本実施形態においては
プローブピン２は、ハウジング５０の長手方向、且つ中
心線に沿って等間隔に、６個配置されている。表面実装
部４は、ハウジング５０の両側から弧状に突出してい
る。図中６は導電スリーブ、８はコンタクト部を夫々示
す。

【００１１】次に、図２にコネクタ１の正面図を示す。
ハウジング５０の上面５６からはプローブピン２の導電
スリーブ（以下、単にスリーブという）６の上部及びコ
ンタクト部８が突出している。ハウジング５０の下面５
８、即ち回路基板（以下、単にプリント板という）７０
側に向く面は各プローブピン２に対応する位置に凹溝１
２が形成されている。この凹溝１２はハウジング５０の
長手方向、即ち縦軸と直交する方向に延びている。凹溝
１２内には表面実装部４が突出している。表面実装部４
の底面４ａは、ハウジング５０の下面５８より僅かに下
方に突出している。これはプリント板７０に確実にはん
だ付けがなされる為である。

【００１２】図３には図１のＡ−Ａ線に沿うコネクタ１
の断面図を示す。プローブピン２はハウジング５０の貫
通孔５４に圧入されたスリーブ６と貫通孔５４は締り嵌
めの状態で保持されている。スリーブ６は無垢の円柱状
金属ブロックを切削、或いは鋳造等の手段により加工し
て表面実装部４と一体に製造される。これによりはんだ
付けの際のスリーブ６内へのフラクッス上りが防止され
る。また表面実装部４の寸法精度を向上させることがで
きる。スリーブ６の中は空洞１４となっており、この空
洞１４内にコイルばね１６が配置される。コイルばね１
６の下端には空洞１４の底面１４ａに当接支持される。
空洞１４内には更にコンタクト部８が挿入され、スリー
ブ６の上端縁が環状に加締められて、コンタクト部８が
スリーブ６に保持される。このときコンタクト部８の下
面８ａはコイルばね１６の上端により上方に付勢されて
いる。

【００１３】金属性のコンタクト部８の上部は湾曲表面
８ｂを有する円柱状となっており、下部は上部と比べて
拡大直径を有する。下面８ａは斜面となっており、コイ
ルばね１６で付勢されると、スリーブ６の軸線方向から
横方向に向かう付勢力を受けることによりスリーブ６と
コンタクト部８との電気的接触を確実にしている。表面
実装部４はハウジング５０の凹溝１２の底面１２ａに当
接する環状段部４ｂ、及びこの環状段部４ｂから底面４
ａへ向かう傾斜面４ｃを有する。この表面４は最初円形
となっているが後述する如く両側が削られて小判形とな
る。

【００１４】図４にコネクタ１の底面図を示す。各プロ
ーブ２の表面実装部４には円形の両側を切削されて直線
状の側部１８が形成される。これによってハウジング５
０の縦軸方向の長さを減少させて小型化を可能とし、ま
たプローブの高密度実装を可能にしている。この側部１
８と凹溝１２の内側面１２ｂの間には僅かに隙間２１が
形成され、はんだ付けの際のフラックスはこの隙間２１
内に入り込むがスリーブ６の空洞１４内へは侵入しな
い。

【００１５】表面実装部４の底面４ａは前面がプリント
板７０のパッド（図示せず）とはんだ付けされるので十
分な取付強度を付与する。更に表面実装部４の円弧状部
分２２がハウジング５０の外側に延出して外部から視認
できるので、はんだ付けが確実になされたかどうかを容
易に確認できる。また底面４ａを押圧してハウジング５
０にプローブピン２を押圧できるので取付が容易であ
る。広い押圧面を有するので製造上の設計の自由度が大
きい。

【００１６】以上、本発明について詳細に説明したが、
本発明の特許請求の範囲内で種々の変形、変更が可能で
あることは、当業者にとって容易に理解できよう。例え
ば表面実装部４は円弧状部分２２をハウジング５０の外
側に延出せず、即ちハウジング５０の外形内に納めるこ
とにより一層実装面積を少なくすることが可能である。

【００１７】

【発明の効果】本発明の表面実装型コネクタ、及びそれ
に使用されるプローブピンは、スリーブと表面実装部が
金属ブロックから一体に形成され、表面実装部は配列方
向と直交する両方向に略均等に延出しているので次の効
果を奏する。

【００１８】即ち、はんだ付け時のフラックスがスリー
ブ内に侵入しないので電気的接続の信頼性が高い。はん
だ付け強度が大きい小型の表面実装型コネクタが得られ
る。プローブピンをハウジングへ圧入する際の押圧部分
が大きく、取付けが容易且つ製造上の自由度が高い。寸
法精度が高く基板への取付が確実になされる。更に取付
けのバランスがよい等の顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の表面実装型コネクタの平面図であ
る。

【図２】 図１のコネクタの正面図である。

【図３】 図１のコネクタのＡ−Ａ線に沿う拡大断面
図である。

【図４】 図１のコネクタの底面図である。

【図５】 公知技術のコネクタを示す断面図である。

【符号の説明】

１ 表面実装型コネクタ ２ プローブピン ４ 表面実装部 ６ 導電スリーブ ８ コンタクト部 １６ コイルばね ５０ ハウジング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 典治 神奈川県川崎市高津区久本３丁目５番８号 日本エー・エム・ピー株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁性のハウジングに所定の配列で挿入
   保持されたプローブピンを有し、該プローブピンは前記
   ハウジングに保持される導電スリーブを有し、該スリー
   ブの一端には表面実装部を有し、他端には前記スリーブ
   内に収容したばねを介して弾性変位可能に保持したコン
   タクト部を有する表面実装型コネクタにおいて、 前記スリーブ及び前記表面実装部は金属ブロックから一
   体に形成されると共に、前記表面実装部は前記配列方向
   と直交する両方向に略均等に延出していることを特徴と
   する表面実装型コネクタ。
2. 【請求項２】 導電スリーブの一端に表面実装部を有
   し、他端に前記スリーブ内に収容したばねを介して弾性
   変位可能に保持したコンタクト部を有するプローブピン
   において、 前記スリーブ及び前記表面実装部は金属ブロックから一
   体に形成されると共に、前記表面実装部は前記スリーブ
   の軸線方向と直交する両方向に略均等に延出しているこ
   とを特徴とするプローブピン。