JPH10213719A - 波長光選別器 - Google Patents

波長光選別器

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JPH10213719A
JPH10213719A JP9014887A JP1488797A JPH10213719A JP H10213719 A JPH10213719 A JP H10213719A JP 9014887 A JP9014887 A JP 9014887A JP 1488797 A JP1488797 A JP 1488797A JP H10213719 A JPH10213719 A JP H10213719A
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JP
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fiber
wavelength
light
diffraction grating
grating
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JP9014887A
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English (en)
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Takashi Sasaki
隆 佐々木
Shigeru Hirai
茂 平井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多波長多重通信において用いられる反射率が
高く、挿入損失が低く、かつ量産性に優れた波長光選別
器を提供する。 【解決手段】 入射した波長λ1、λ2、λ3、λ4よ
りなる多波長光線束の内で特定の波長の光を選択的に反
射(例えば波長λ2)又は通過(例えば波長λ1、λ
3、λ4)させる波長光選別器において、クラッドなど
の導波路構造を有しないガラスファイバ中にブラッグ回
折格子が形成されたファイバ回折格子(3)の両端末
に、シングルモード光ファイバ(1a、1b)の先端に
接合した屈折率分布型の光ファイバチップからなるファ
イバコリメータ(2a、2b)が接続されていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本願発明は、光ファイバを
用いる光通信、特に多波長光を利用した光波長多重通信
などに用いられる波長光選別器、特に波長光フィルタ及
び波長光分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、波長光選別器は、波長光フィルタ
や波長光分波器として、多波長信号光選別器や光挿入合
分波器の部品などとして光波長多重通信システムにおい
て利用されている。波長光フィルタとしては、G.Me
ltzsらのOptics Letters,14,
p.823(1989)に記載されている、光ファイバ
中に光軸方向に周期的な屈折率分布を有するブラッグ回
折格子を形成したいわゆるファイバグレーテイングによ
るものがある。波長光分波器については、久留宮らによ
る1996年電子情報通信学会通信ソサエテイ秋季大会
B−1127に記載されている誘電体多層膜よりなるフ
ァブリペロ板や、レンズ、ハーフミラ、その他の光学素
子を組み合わせたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
のファイバ回折格子を用いる場合には、コアクラッド構
造を有する光ファイバ中のコア部分にブラッグ回折格子
を形成するので、クラッドモード結合から起こる短波長
側で光損失が増加し易いという問題がある。即ち、従来
のファイバ回折格子の光ファイバ中を進行する光線束
は、光軸に平行に進行するのではなく、クラッドとコア
の境界面で全反射を繰り返してジクザクに進行するの
で、ブラッグ回折格子により反射された反射光のかなり
の部分は境界面での入射角が臨界角よりも小さくなリ、
クラッドに入射して比較的大きな光損失を生ずる。特に
短波長側ではモード変換が起こりやすくモードミスマッ
チによるロスが生ずるのでこの影響を受けやすくなる。
【0004】また、コアクラッド構造などの径方向に同
心円状の屈折率分布を有する光ファイバのコア部分に、
更に光軸方向に屈折率分布を有するブラッグ回折格子を
形成するので、製作時の屈折率分布制御が技術的に困難
で低損失で高い反射率を有する回折格子付き光ファイバ
を製造するのが容易でないという問題がある。
【0005】また前記従来の波長光分波器として利用さ
れる波長光選別器は、比較的高価な誘電体多層膜よりな
るファブリペロ板を用いているので高コストを要し、更
に、ファブリペロ板、レンズ、光ファイバ、ミラーなど
の構成部品の精密な調心作業を要するため量産化が困難
であるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明の、請求項1に
記載の発明は、入射した多波長光線束の内で特定の波長
の光を選択的に反射又は通過させる波長光選別器におい
て、一つの屈折率を有するガラスからなるガラスファイ
バ中にブラッグ回折格子が形成されたファイバ回折格子
の両端末に、シングルモード光ファイバの先端に接合し
た屈折率分布型の光ファイバチップからなるファイバコ
リメータが接続されていることを特徴とする。
【0007】このファイバコリメータは、光軸に同心円
状に屈折率分布を有する屈折率分布型の光ファイバの小
片であるチップから成るもので、いわゆるGIFコリメ
ータ(Greded Index Fiberコリメー
タ)と言われているものである。このファイバコリメー
タは、入射する発散光線束を平行光として出射し、又入
射する平行光線束を収束光線束として出射する機能を有
する。
【0008】即ち、本願発明の波長光分波器は、シング
ルモード光ファイバから入射する発散光線束を入射側の
ファイバコリメータにより平行光線束に変換した状態
で、ファイバ回折格子に入射させ、ブラッグ回折格子に
より特定波長光を反射させ、かつ透過した平行光線束
を、出射側のファイバコリメータにより収束光線束に変
換してシングルモード光ファイバに出射し、伝搬させる
構成を基本構成とする。この場合において、反射した波
長光を単に排除するものが波長光フィルタとしての用途
を有し、分波して取り出す構成を付加したものが波長光
フィルタとしての用途を有する。
【0009】本願発明の波長光選別器の構成要素である
ファイバ回折格子は、後に詳述するように、その両端に
光線束を平行にする機能を有するコリメータを接続する
のでクラッドのような導波路構造が不要となり、これに
より挿入損失を顕著に低減することができる。また、特
定波長光の反射率を高くすることができるという優れた
効果が得られる。また本願発明の波長光選別器は、主要
素子をガラスファイバで構成するので小型、低コスト化
することが可能である。かつこれら素子の組立に際して
は、各素子のファイバの端面を接合して組み立て調整さ
れるので、光軸の調整について煩雑な作業を要する角度
の調心は不要となり、比較的簡単な径方向の調心だけで
すむので量産性に優れる。
【0010】請求項2に記載の発明は、ファイバ回折格
子の両端末に、それぞれ1本のファイバコリメータが接
続されており、1方のファイバコリメータからファイバ
回折格子に入射した多波長光線束の内特定の1波長の光
のみを選択的に反射させて排除し、透過光を他方のファ
イバコリメータに入射させる波長光フィルタの機能を有
することを特徴とする。即ち、本願発明の波長光選別器
は波長光フィルタとして実施できる。
【0011】請求項3に記載の発明は、ファイバ回折格
子の一方の端末に、2本のファイバコリメータが、他方
の端末に1本のファイバコリメータがそれぞれ接続され
ており、2本のうちのいずれか1本のファイバコリメー
タからファイバ回折格子へ入射した多波長光線束の内の
特定の1波長の光を選択的に反射させ、2本のうちの他
の1本のファイバコリメータに入射させて分波し、透過
光線束を他方の端末の1本のファイバコリメータに入射
させ、以降それぞれ各コリメータに接続されているシン
グルモード光ファイバにより伝搬させる波長光分波器の
機能を有することを特徴とする。
【0012】即ち、本発明の波長光選別器は、入射側フ
ァイバコリメータから入射した多波長光線束の内、ファ
イバ回折格子により反射される特定波長の反射光線束
を、反射側ファイバコリメータから取り出し、他の波長
の光線束は透過側のファイバコリメータを通過して伝搬
させるもので、波長光分波器として実施できる。
【0013】請求項4に記載の発明は、入射側のファイ
バ回折格子の端末がその光軸に対し2°乃至3°傾斜し
ているか又はガラスファイバ中に形成されたブラッグ回
折格子の屈折率分布の方向が光軸に対し2°乃至3°傾
斜していることを特長とする請求項3に記載の波長光選
別器である。本発明により、ファイバ回折格子により反
射される特定波長の反射光線束を、反射用ファイバコリ
メータに効率よく入射し、分波させることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記ファイバ回
折格子がコアクラッド導波路構造も、前記光軸を中心と
する同心円状の屈折率分布も有しないことを特長とする
請求項1乃至4のいづれか1項に記載の波長光選別器で
ある。
【0015】即ち、本願発明の波長光選別器は、コアク
ラッド構造などの径方向の同心円状の屈折率分布を有し
ないガラスファイバ中に、ブラッグ回折格子を形成した
ファイバ回折格子を用い、かつクラッドなどの導波機能
の無いファイバ回折格子を用いるかわりに、光線束を平
行にする機能を有するコリメータを両端に接続して、平
行光線束を入射及び出射させることを特長とする。
【0016】従って、従来コアクラッド構造を有する光
ファイバ中にブラッグ回折格子を形成したことに起因し
て生じていた、クラッド中での短波長側で生ずる比較的
大きな光損失を回避できる。また、従来はコアクラッド
構造等の径方向の同心円状の屈折率分布を有する光ファ
イバのコアの部分に、更に光軸方向に所定の格子間隔を
有するブラッグ回折格子を形成しなければならないため
に製作が技術的に困難であったが、本願発明ではコアク
ラッド構造のような径方向の同心円状の屈折率分布のな
い均一なガラスファイバ中に紫外線を照射してブラッグ
回折格子を形成するのでこのような問題はなく、ブラッ
グ回折格子の屈折率分布を精度よく製作できる。
【0017】この結果、光軸方向の屈折率分布だけを考
慮してブラッグ回折格子を製作すればよいので、紫外線
を照射して屈折率分布を形成するために添加するGe
や、Sn、Bなどの添加物を従来以上に多量に添加で
き、高い反射率を有するブラッグ回折格子を精度高く、
容易に形成できる。なお、このように添加物を多量に添
加したとしても、このブラッグ回折格子の長さは高々数
mmにすぎないので、添加物に起因する挿入損失の増加
は、前記導波路構造を無くしたことによる光損失の減少
と比較して無視できるほど小さい。
【0018】また、本願発明の波長光選別器は、前記の
ように主な光学素子をすべてファイバ中に構成するの
で、小型で、コストが低く、また調整も容易で量産化に
適している。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本願発明の波長光選別器の実
施の形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。尚、図
面の説明において同一の要素には同種の符号を付し、重
複する説明を省略する。
【0020】(実施の形態1)図1に本願発明の波長光
選別器を波長光フィルタとして実施する場合の主要構成
を示す。シングルモード光ファイバ1の先端に接合した
屈折率分布型ファイバチップレンズからなるファイバコ
リメータ2が、ブラッグ回折格子が形成されたガラスフ
ァイバからなるファイバ回折格子3の両端末に接続され
ている。
【0021】ここで、シングルモード光ファイバ1は、
外径125ミクロンでコアクラッド構造を有する。
【0022】ファイバコリメータ2は、ファイバ回折格
子3の入射側と透過側に同じものが、接続され、いずれ
も比屈折率差が1・1%、長さ980ミクロン、外径1
25ミクロンの屈折率分布型ファイバからなる。入射側
のファイバコリメータ2は、シングルモード光ファイバ
1から入射した発散光線束を平行に揃えてブラッグ回折
格子を含むファイバ回折格子3に出射させる機能を有す
る。また、透過側のファイバコリメータ2は、ファイバ
回折格子3のブラッグ回折格子を透過し、出射した平行
光線束を収束光線束に変換して、シングルモード光ファ
イバ1に効率よく出射する機能を有する。
【0023】ファイバ回折格子3は、光軸方向に周期的
かつ規則的に屈折率が分布しているブラッグ回折格子を
有し、屈折率の凹凸の方向である屈折率分布の方向が光
軸の方向と一致する(図1参照)。ファイバ回折格子3
は、ファイバコリメータ2から平行に入射した多波長光
線束の内で、次式で表されるグラッグ条件を満たす波長
λの光だけを選択的に反射し、波長λ以外の他の波長の
光はそのまま透過させる機能を有する。
【0024】 λ=2nЛ (1)式 ここで、λは反射される光の波長Лはブラッグ回折格子
の格子間隔、nは反射モードのインデックスを表わす整
数である。即ち、格子間隔Лの2倍の整数倍の波長λの
光だけが選択的に反射される。この波長λは、ガラス中
の値であるが、以下、説明の簡単のため具体的数値をい
うときには、すべて真空中に換算した値をいうものとす
る。
【0025】波長光フィルタの機能を、図3に基づい
て、4つの波長λ1、λ2、λ3、λ4を含む信号光パ
ルスからなる光線束がシングルモード光ファイバ1中を
伝搬している場合を例にとり説明する。まず、シングル
モード光ファイバ1aの端末から出射してファイバコリ
メータ2aに入射する発散光線束は、ファイバコリメー
タ2a中でその屈折率分布型ファイバの径方向の同心円
状の屈折率分布の作用により平行光線束となってその端
末から出射し、ファイバ回折格子3に入射する。このブ
ラッグ回折格子3の格子間隔Лが波長λ2の1/2倍の
ときは、波長λ2だけがこの回折格子により反射されて
排除され、他の波長λ1、λ3、λ4からなる信号光パ
ルスはそのまま透過する。
【0026】ファイバ回折格子3を透過した、波長λ
1、λ3、λ4からなる光線束は平行光線束の状態で、
透過光側のファイバコリメータ2bに入射し、ファイバ
コリメータ2b中で収束光線束とされた状態で、接合さ
れているシングルモード光ファイバ1bに入射し伝搬し
てゆく。
【0027】この場合において、ファイバ回折格子3の
中の光線束は平行に進むので、前記のようにクラッドや
径方向の同心円状の屈折率分布による導波路構造が不要
となる。このため、ファイバ回折格子3の中の光損失
は、ファイバ回折格子3を構成するガラスによる光吸収
か又は光散乱に基づく比較的小さな光損失だけであり、
クラッド等の導波路構造に起因する比較的大きな光損失
は生じない。
【0028】尚、本願発明では、ガラスファイバ中にブ
ラッグ回折格子を形成するために、紫外線の照射により
屈折率が増加するGeO2を添加したり、特定波長光の
反射率を向上させるために添加物B2O3やSnO2を比
較的高濃度に添加するが、ファイバ回折格子の長さは、
高々数mmでありそれによるファイバ回折格子の透過光
線束の光損失の増加は0.01dB以下で、前記導波路
構造に起因する比較的大きな損失よりもはるかに小さい
ものである。従って、本願発明の波長光選別器は、従来
のそれと比較して光損失が極めて小さくなり、低挿入損
失が達成される。
【0029】波長光フィルタの組立方法を図5に基づい
て説明する。まず、シングルモード光ファイバ1の端末
を垂直に切断し鏡面に研磨した端面と、比屈折率差が
1.1%、長さ980ミクロン、外径125ミクロンの
屈折率分布型の光ファイバのチップからなるファイバコ
リメータ2の端末を垂直に切断、研磨した端面とを融着
接続する。
【0030】このシングルモード光ファイバ1の先端に
接合したファイバコリメータ2(以下、特に言及しない
限りシングルモード光ファイバが接合されているものと
する。)を、コリメータフェルール4に挿入して接着
し、端面を鏡面に研磨して、ファイバコリメータ部材を
製作する。
【0031】つぎに、紫外線の照射に基づく光化学反応
により屈折率を増加させるためのGeO2を10mol
% 、B2O3を2mol%、SnO2を3mol%をガラ
ス母材のガラス原料に添加し、径方向に屈折率が均一な
ガラス母材を、軸方向堆積法であるVAD法により製作
し、これを線引きして外径125ミクロンのガラスファ
イバに成型する。このガラスファイバは、屈折率が均一
で、勿論クラッドなどの導波路構造を有しないものであ
る。
【0032】次に、このガラスファイバに対し、形成す
べきブラッグ回折格子の位相格子マスクにより遮蔽した
状態で、エキシマレーザなどの紫外線波長域の20mW
のレーザーを約5分程度照射して、光軸方向に所定の格
子間隔Лの屈折率分布を有するブラッグ回折格子を、ガ
ラスファイバ中に形成して、全長約4mmの長さのファ
イバ回折格子3を製作する。
【0033】上記格子間隔Лを1545nmの1/2倍
としてファイバ回折格子3を製作し、本波長を含む連続
スペクトルの光線束を入射した場合、即ち中心波長15
45nm 、半値幅1.0nmの光線束を入射した場合
は、ファイバ回折格子3から反射された光線束の中心波
長1545nm 、半値幅0.8nmで反射率97%以
上と、極めて高い反射率を有していた。
【0034】このファイバ回折格子3をファイバ回折格
子フェルール5に挿入して接着し、両端面を光軸方向に
垂直に切断し、鏡面研磨してファイバ回折格子部材とし
た。
【0035】このようにして製作した、ファイバ回折格
子部材を中央にして、前記ファイバコリメータ部材がそ
の両端に位置するようにフィルタ組立フェルール6に挿
入し、端面接合部を紫外線硬化接着剤7で接着固定し
て、本願発明の波長光フィルタが完成する。
【0036】波長λ1が1540nm 、波長λ2が1
545nm 、波長λ3が1550nm 、波長λ4が1
555nmからなる4波信号光を、この波長光フィルタ
に入射した場合について、透過光のフィルタ特性を測定
したところ、ブラッグ反射波長と一致する1545nm
の波長λ2の波長光の透過損失が35dBとほとんど完
全にファイバ回折格子3で反射されて排除され、他の波
長光(波長λ1=1540nm 、波長λ3=1550
nm 、波長λ4=1555nm)の透過損失は0.8
dBとわずかであり、きわめてすぐれたフィルタ特性が
得られた。
【0037】(実施の形態2)本願発明の波長光選別器
を波長光分波器として実施する場合の実施形態を説明す
る。本実施形態の波長光分波器は、主要構成を図2に示
すように前記実施形態の波長光フィルタと比較して基本
構成が共通するものであり、かつ使用する光学素子も本
質的には同じものであるが、前者はファイバ回折格子で
反射された反射光を排除することを目的としているのに
対し、後者は反射光を分波して取り出すことを目的とす
る点で用途が異なるものであり、この用途の相違に基づ
いて他の構成に若干の相違点がある。
【0038】本実施形態の波長光分波器は、図2に示す
ように前記波長光フィルタと似た構成であるが、ファイ
バ回折格子13の一方の端末には、入射光用のファイバ
コリメータ12aと反射光用のファイバコリメータ12
bの一対のコリメータが接続されている点が相違する。
他方の端末には透過光用のファイバコリメータ12cが
接続されている。各ファイバコリメータ12a、12
b、12cは前記実施形態の波長光フィルタのファイバ
コリメータ2と同じものである。
【0039】また、ファイバ回折格子13は、反射した
平行光線束を反射用のファイバコリメータ12bに効率
的に入射させることができるように、ブラッグ回折格子
の屈折率分布の方向Zがガラスファイバの光軸方向に対
し2°乃至3°の範囲の傾斜角θを有するように形成す
る。本実施形態では、紫外線波長域のレーザを照射して
ブラッグ回折格子を形成する際、位相格子マスクをガラ
スファイバの光軸に対し傾斜角θが2.4°度になるよ
うに照射することにより、2.4°度傾斜したブラッグ
回折格子を形成した(図2参照)。またこの、ファイバ
回折格子13の直径はシングルモード光ファイバ11
a、11bの外径125ミクロンの2倍の250ミクロ
ンである。
【0040】波長光分波器での特定波長光の分波作用を
図4に基づいて説明する。図4に示すように、波長λ
1、波長λ2、波長λ3、波長λ4よりなる4波信号光
がシングルモード光ファイバ11a中を伝搬している場
合、ファイバコリメータ12aを経由してファイバ回折
格子13に対し光軸に平行に入射する平行光線束の内で
波長λ2が格子間隔Лの1/2倍のとき、この波長光は
ブラッグ回折格子によりその屈折率分布方向Zの光軸に
対する傾斜角度の2倍の角度の方向に反射されて分波
し、ファイバコリメータ12bに入射し、シングルモー
ド光ファイバ11bを伝搬する。波長λ1、波長λ3、
波長λ4よりなる透過光は、透過側のファイバコリメー
タ12cに出射され、シングルモード光ファイバ11c
中を伝搬する。
【0041】波長光分波器の組立方法を図6に基づいて
説明する。波長光分波器の組立は、前記波長光フィルタ
の場合と同じファイバコリメータである、シングルモー
ド光ファイバ11の先端に融着接合したファイバコリメ
ータ12を、2本対にして融着接合部が同一平面上に位
置するように揃えた状態でコリメータフェルール14に
挿入する。この端面を鏡面に研磨して、コリメータ対部
材を製作する。ファイバ回折格子13の透過光側のファ
イバコリメータ部材も、前記波長光フィルタの実施の形
態で製作した部材と同じ物を用いる。
【0042】ファイバ回折格子13は、前記実施形態の
波長光フィルタと比較して、直径が2倍の250ミクロ
ンのガラスファイバを用いた点、及びブラッグ回折格子
の屈折率分布の方向Zが光軸に対し2.4°傾斜してい
ること以外は、同じ方法で製作した。このファイバ回折
格子13を、ファイバ回折格子フェルール15に挿入し
た後に端面を鏡面に研磨してファイバ回折格子部材を製
作する。このファイバ回折格子部材と前記コリメータ対
部材とを各端面を接合して、ファイバコリメータ12a
を介して入射された波長λ2が反射効率よく、反射光側
のファイバコリメータ12bに入射するように、ファイ
バ回折格子部材を回転させながら反射光線束を測定し、
波長λ2の反射光線束が最大になる最適位置で、紫外線
硬化型接着剤17により接着、固定する。
【0043】このファイバ回折格子部材の他の端面に、
前記ファイバコリメータ12cの端面を接合させて、波
長λ2が1545nm以外の波長λ1 、λ3、λ4か
らなる透過光に対しては、透過損失が最低になる接合位
置を透過光をモニター、透過光線束が最大となる最適位
置で紫外線硬化型接着剤17により接着、固定する。
【0044】波長λ1が1540nm 、波長λ2が1
545nm 、波長λ3が1550nm 、波長λ4が1
555nmからなる4波長信号光を、この波長光分波器
に入射した場合について、反射光側のファイバコリメー
タ12bに入射した1545nmの波長λ2の波長光に
対して挿入損失はわずか0.9dBと極めて小さな値と
なり、入射した、1545nmの波長λ2の波長光の殆
ど大部分を分波することができた。
【0045】他方、透過側のファイバコリメータ12c
に入射した透過光の透過損失を測定したところ、ブラッ
グ反射波長である1545nmの波長λ2の透過損失が
35dBとほとんど完全にファイバ回折格子3で反射さ
れて排除され、他の波長光(波長λ1=1540nm
、波長λ3=1550nm 、波長λ4=1555n
m)の透過損失は0.8dBとわずかで、入射したこれ
ら波長の光線束の殆ど大部分を透過させることができ
た。
【0046】尚、前記実施形態のファイバ回折格子で
は、その格子間隔Лを、波長λ2の1545nmの光を
選択的に反射するように選定したがこれに限定されるも
のでなく、多波長入射信号光の波長構成に応じて任意の
1波長を選択的に反射するように、前記ブラッグ条件に
もとづいて定めることができる。
【0047】また、前記実施形態の波長光分波器のファ
イバ回折格子では、ガラスファイバ中に、ブラッグ回折
格子の屈折率分布の方向を、光軸方向に垂直の方向から
2乃至3°傾斜させて反射光を反射用コリメータに効率
よく入射させるようにしたが、この方法に限定されるも
のでなく、ファイバ回折格子の入射側の端面を光軸に対
し同程度傾斜させる方法であっても良い。この場合、光
軸方向に平行にファイバ回折格子に入射した平行光線束
は、この傾斜した端面で屈折し、光軸に対し一定の偏角
を生じブラッグ回折格子によりこの偏角の2倍の角度の
方向に反射される現象を利用するものである。
【0048】また、前記実施形態のファイバ回折格子の
グラッグ回折格子の格子間隔Лは一定となるように形成
したがこれに限定されるものではなく、波長の分布を有
する光線束の特定の帯域幅の光を反射することができる
ように、格子間隔Лが分布を有するように形成すること
もできる。
【0049】また、前記実施形態のファイバ回折格子の
製作には、マスク法を用いてガラスファイバ中にグラッ
グ回折格子を形成したがこれに限定されるものでなく、
ホログラフィック干渉法により形成した干渉縞をガラス
ファイバに照射して形成することもできる。
【0050】また、前記実施形態のファイバ回折格子の
製作には、共通のファイバコリメータや、シングルモー
ド光ファイバを用いたがこれに限定されるものでなく、
異なる物を用いることができる。
【0051】また、前記実施形態のファイバ回折格子
は、クラッドを有しないものであるが、本願のファイバ
回折格子を形成した後にその外周に屈折率の異なるガラ
ス又は樹脂の被覆層を設けることを排除するものではな
い。
【0052】
【発明の効果】本願発明の波長光選別器は、クラッドな
どの導波路構造を有しないガラスファイバ中にブラッグ
回折格子を形成し、これを光学素子として用いるので、
反射波長光について高い反射率を達成でき、かつ低挿入
損失を実現できる。また主要光学素子がファイバ中に構
成されるので、小型で量産性に優れ、かつ低コストで供
給可能である。従って、これを通信の高速大容量化を目
的とする光波長多重通信システムにおいて構成部品とし
て利用すれば、技術的、経済的に極めて有用である。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の波長光選別器を波長光フィルタとし
て実施した場合の主要構成を示す図である。
【図2】本願発明の波長光選別器を波長光分波器として
実施した場合の主要構成を示す図である。
【図3】本願発明の波長光選別器を波長光フィルタとし
て実施した場合の作用を示す図である。
【図4】本願発明の波長光選別器を波長光分波器として
実施した場合の作用を示す図である。
【図5】本願発明の波長光選別器を波長光フィルタとし
て実施した場合の実施形態を示す図である。
【図6】本願発明の波長光選別器を波長光分波器として
実施した場合の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、11、11a、11b、11c: シ
ングルモード光ファイバ 2、2a、2b、12、12a、12b、12c:ファ
イバコリメータ (屈折率分布型ファイバチップレン
ズ) 3、3a、3b、13: ファイバ回折格子(ブラッグ
回折格子付ガラスファイバチップ) 4、14、14a :コリメータフェルール 5、15:ファイバ回折格子フェルール 6:フィルタ組立フェルール 7、17:紫外線硬化樹脂

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した多波長光線束の内の特定の波長
    の光を選択的に反射させ、又は通過させる波長光選別器
    において、光ファイバ回折格子の両端をコリメータレン
    ズを介してシングルモード光ファイバに接続し、前記フ
    ァイバ回折格子内を通過又は反射する光線束が平行光と
    なるように構成したことを特長とする波長光選別器
  2. 【請求項2】 前記ファイバ回折格子が、同じ材質のガ
    ラスから成るガラスファイバ中にブラッグ回折格子を形
    成したことを特徴とする請求項1に記載の波長光選別器
  3. 【請求項3】 前記コリメータレンズが、屈折率分布型
    の光ファイバのチップからなることを特徴とする請求項
    1に記載の波長光選別器
  4. 【請求項4】 前記ファイバ回折格子の両端末に、それ
    ぞれ1本の前記ファイバコリメータが接続され、1方の
    前記ファイバコリメータから前記ファイバ回折格子に入
    射した多波長光線束の内の特定波長の光を選択的に反射
    させて排除し、透過光線束を他方の前記ファイバコリメ
    ータに入射させる波長光フィルタの機能を有することを
    特徴とする請求項1乃至3のいづれか1項に記載の波長
    光選別器
  5. 【請求項5】 前記ファイバ回折格子の一方の端末に、
    1対の前記ファイバコリメータを並列に接続し、他方の
    端末に1本の前記ファイバコリメータを接続し、前記1
    対のファイバコリメータの内の1本のファイバコリメー
    タから前記ファイバ回折格子入射した多波長光線束の内
    の特定の波長の光を選択的に反射させ、前記1対のファ
    イバコリメータの内の他の1本のファイバコリメータに
    入射させて分波し、透過光線束を前記他方の端末の1本
    のファイバコリメータに出射させる波長光分波器の機能
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいづれか1
    項に記載の波長光選別器
  6. 【請求項6】 前記ファイバ回折格子のブラッグ回折格
    子の屈折率分布の方向が、その光軸の方向から2°乃至
    3°傾斜しているを特長とする請求項1乃至5のいづれ
    か1項に記載の波長光選別器
  7. 【請求項7】 前記ファイバ回折格子の入射側の端面が
    その光軸に垂直な方向から2°乃至3°傾斜しているこ
    とを特長とする請求項1乃至5のいづれか1項に記載の
    波長光選別器
  8. 【請求項8】 前記ファイバ回折格子が、前記光軸を中
    心とする同心円状の屈折率分布を有しないことを特長と
    する請求項1乃至7のいづれか1項に記載の前記波長光
    選別器
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006267100A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 General Electric Co <Ge> 光ファイバ検知装置およびその製造および操作方法

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