JPH10212849A - ロック装置及びこれを用いた扉用錠 - Google Patents

ロック装置及びこれを用いた扉用錠

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JPH10212849A
JPH10212849A JP2962897A JP2962897A JPH10212849A JP H10212849 A JPH10212849 A JP H10212849A JP 2962897 A JP2962897 A JP 2962897A JP 2962897 A JP2962897 A JP 2962897A JP H10212849 A JPH10212849 A JP H10212849A
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Hiroshi Jo
寛史 城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固定すべき部材が固定位置にない状態において
人や物が触れた場合の誤動作を防止しうるロック装置、
特にオートロック方式の扉用錠を提供する。 【解決手段】開閉可能な扉の扉側ユニット3にデッドボ
ルト9が進退自在に設けられ、壁側ユニット4にデッド
ボルト9と係合する受部16が設けられる。壁側ユニッ
ト4から施錠ピン13を突出させて扉側ユニット4の施
錠トリガ10を押し込み、扉側ユニット3のデッドボル
ト9を作動させて壁側ユニット4の受部16に係合させ
ることにより当該扉の施錠を行う。扉が閉じられている
かどうかを光学的に検知するため、壁側ユニット4にL
ED22及び受光素子24を設けるとともに、扉側ユニ
ット3にLED22からの光を受光素子24に平行に反
射する直角プリズム26を設け、LED22から射出さ
れた光を受光素子24が検出した場合にのみ駆動機構1
5を動作させて施錠ピン13を突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対的に移動可能
な2つの部材を固定するためのロック装置に関し、特
に、ホテルの客室のドア等に取り付けられる電子式自動
施錠機能(いわゆるオートロック)を備えた堀込み錠に
適用可能なロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロック装置として、例え
ば、図4に示すようなオートロック方式の扉用錠が知ら
れている。図4において、符号101はドア、102は
壁で、上下の部分を省略して中央の要部のみを示してい
る。ここで、ドア101にはドア側ユニット103が堀
り込んで取り付けられ、壁102には壁側ユニット10
4が取り付けられる。
【0003】ドア側ユニット103には空締り用のラッ
チ105が設けられ、通常はフェースプレート106か
ら突出するようにバネ(図示せず)にて付勢され、ノブ
107をまわすと引込むようになっている。また、ドア
101の側面にはピンタンブラ式のシリンダ108が設
けられ、このシリンダに図示しない鍵を挿入して左右い
ずれかに回転させることによってデッドボルト109が
突出したり又は引込んだりするように構成されている。
【0004】フェースプレート106の表面には押し込
み操作可能な施錠トリガ110が設けられ、これを押し
込むと図示しない内部機構が動作してデッドボルト10
9を施錠状態に突出させるようになっている。また、デ
ッドボルト109の端面には解錠トリガ112が押し込
み操作可能に設けられ、これを押し込むと上記内部機構
によりデッドボルト109が引込んで解錠状態になるよ
うに構成される。
【0005】一方、壁側ユニット104には細長い棒状
の施錠ピン113が設けられ、ソレノイド等からなる駆
動機構115を動作させるとストライク114の表面か
ら突出するようになっている。
【0006】また、ストライク114の表面に陥設され
た受部119内には舌辺状の検知レバー120が設けら
れる。そして、ドア101が閉められてラッチ105が
受部119に進入すると検知レバー120が押し込ま
れ、図示しない駆動手段のスイッチがOFFからONに
切り換えられ、駆動機構115が作動して上記施錠ピン
113が突出動作する。その結果、上記施錠トリガ11
0が押し込まれ、デッドボルト109が施錠状態にセッ
トされるようになっている。
【0007】さらに、ストライク114の表面には上記
デッドボルト109の受部116が陥設され、その後方
側には、ソレノイド等からなる駆動機構118によって
突出動作する解錠ピン117が設けられる。そして、デ
ッドボルト109が受部116内に突出挿入された施錠
状態において、この解錠ピン117を突出させることに
よって解錠トリガ112が押し込まれ、これにより鍵を
用いることなくデッドボルト109を解錠状態に引込ま
せることができる。
【0008】このような構成のロック装置は、上述した
扉用錠に限らず、相対的に移動可能な部材を位置決め又
は固定するための装置に用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の従来のロック装置においては、次のような問題があっ
た。すなわち、図4に示す扉用錠を例にとると、この扉
用錠の場合、ドア101側に設けられた施錠トリガ11
0を確実に押込むためには比較的大きな力が必要で、こ
の操作力を得るためソレノイド等からなる駆動機構11
5を用いて施錠ピン113を急激に飛び出させる構造に
なっているが、ラッチ105と検知レバー120の当接
により動作する機械的なスイッチを用いてドア101の
開閉状態を検知するようにしているため、この検知レバ
ー120に何か別のものが触れた場合には、施錠ピン1
13が誤って作動して突出してしまうことがあった。
【0010】特に、このようなロック装置が例えばホテ
ルの客室の扉に取り付けられている場合には、子供がい
たずらして検知レバー120を触れる可能性も高く、そ
のため、施錠ピン113が誤って突出すると、施錠ピン
113がほぼ子供の顔面の高さに取り付けられているこ
とと相まって、非常に危険な状態になるという問題があ
った。
【0011】また、このような機械的な検知手段を用い
たロック装置においては、部材同士を固定する際にラッ
チ105、検知レバー120等の係止部分が接触して摩
耗するため、これらの部品を交換しなければならないと
いう問題もあった。
【0012】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、固定すべき部材が固定位置にない状態においては、
たとえ検知手段に人や物が触れた場合でも誤動作を起こ
すことのないロック装置を提供すること、特に、かかる
誤動作のない安全なオートロック方式の扉用錠を提供す
ることにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、ロックすべき
部材の固定位置を検知するための検知手段やスイッチの
長寿命化を可能にするロック装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、相対的に移動可能な2つの
部材の一方に係止部材が進退自在に設けられるととも
に、他方には上記係止部材と係合する係合部が設けら
れ、上記係止部材を作動させて上記係合部に係合させる
ことにより上記両部材の相対的な位置を固定するロック
装置であって、上記2つの部材が固定すべき位置にある
かどうかを光学的に検知する光学的位置検知手段と、該
光学的位置検知手段が上記2つの部材が固定すべき位置
にあると検知した場合にのみ上記係止部材の係合動作を
行うように制御する制御手段を設けたことを特徴とす
る。
【0015】また、請求項2記載の発明は、壁に対して
開閉可能な扉の扉側ユニットに係止部材が進退自在に設
けられるとともに、上記壁の壁側ユニットに上記係止部
材と係合する係合部が設けられ、上記壁側ユニットから
施錠ピンを突出させて上記扉側ユニットの施錠トリガを
押し込み、上記扉側ユニットの係止部材を作動させて上
記壁側ユニットの係合部に係合させることにより当該扉
の施錠を行う扉用錠であって、上記扉が閉じられている
かどうかを光学的に検知する光学的閉止検知手段と、該
光学的閉止検知手段が上記扉の閉じられている状態を検
知した場合にのみ上記施錠ピンを突出させるように制御
する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0016】この場合、請求項3記載の発明のように、
請求項2記載の発明において、光学的閉止検知手段とし
て、壁側ユニットに投光手段及び受光手段を設けるとと
もに扉側ユニットに上記投光手段からの光を上記受光手
段に導く光伝達部材を設け、上記受光手段が上記光伝達
部材からの光を検出した場合にのみ上記施錠ピンを突出
させるように制御することも効果的である。
【0017】また、請求項4記載の発明のように、請求
項3記載の発明において、投光手段と受光手段とを所定
の距離だけ離間して配設し、投光手段から光伝達部材へ
向って射出される光の光束と、該光伝達部材から上記受
光手段に入射する光の光束とが互いに平行になるように
構成することも効果的である。
【0018】さらに、請求項5記載の発明のように、請
求項4記載の発明において、光伝達手段が直角プリズム
である場合にも効果的である。
【0019】さらにまた、請求項6記載の発明のよう
に、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明において、
扉が閉じられたかどうかを機械的に検知する機械的閉止
検知手段と、上記扉が閉じられているかどうかを光学的
に検知する光学的閉止検知手段とを備え、上記機械的閉
止検知手段と光学的閉止検知手段の双方が上記扉が閉じ
られている状態を検知した場合にのみ上記施錠ピンを突
出させるように制御することも効果的である。
【0020】かかる構成を有する請求項1記載の発明の
ロック装置の場合、2つの部材が固定すべき位置にある
かどうかを光学的位置検知手段によって光学的に検知
し、2つの部材が固定すべき位置にあると検知した場合
にのみ一方の部材の係止部材を作動させて他方の部材の
係合部に係合させるようにしたことから、両部材が固定
位置にない場合には、例えば人や物が接触した場合であ
っても、係止部材が誤って動作してしまうことはない。
【0021】さらに、位置検知手段として機械的なレバ
ーやスイッチを用いていないため、繰り返して使用して
も従来のもののように摩耗することはなく、長期間にわ
たって位置検知手段を交換する必要がなくなる。
【0022】また、請求項2記載の発明の扉用錠の場合
は、扉が閉じられているかどうかを光学的閉止検知手段
によって光学的に検知し、扉が閉じられていると検知し
た場合にのみ壁側ユニットの施錠ピンを突出させるよう
にしたことから、扉が開いた状態においては、人や物が
接触した場合であっても、壁側ユニットから施錠ピンが
突出することはなく、このため、例えば、子供がいたず
らをして光学的閉止検知手段に触れた場合において、怪
我をするおそれを回避することができる。
【0023】この場合、請求項3記載の発明のように、
光学的閉止検知手段として、壁側ユニットに投光手段及
び受光手段を設けるとともに扉側ユニットに投光手段か
らの光を上記受光手段に導く光伝達部材を設け、この受
光手段が上述の光伝達部材からの光を検出した場合にの
み扉側ユニットの施錠ピンを突出させるように制御すれ
ば、簡単な構成で、扉が閉じられているかどうかを容易
かつ効果的に検知して施錠ピンの誤動作を確実に防止す
ることができる。
【0024】また、請求項4記載の発明のように、投光
手段と受光手段とを所定の距離だけ離間して配設し、投
光手段から光伝達部材へ向って射出される光の光束と、
この光伝達部材から上述の受光手段に入射する光の光束
とが互いに平行になるように構成すれば、例えば、鏡を
用いて投光手段からの光を反射させた場合であっても、
その反射光は受光手段に入射しないため、光学的閉止検
知手段が誤って動作することはない。
【0025】この場合、請求項5記載の発明のように、
光伝達手段として直角プリズムを用いれば、投光手段か
ら光伝達部材へ向って射出される光の光束と、この光伝
達部材から上述の受光手段に入射する光の光束とを、容
易に平行なものとすることができる。
【0026】また、請求項6記載の発明のように、扉が
閉じられたかどうかを機械的に検知する機械的閉止検知
手段と、この扉が閉じられているかどうかを光学的に検
知する光学的閉止検知手段とを備え、これら機械的閉止
検知手段と光学的閉止検知手段の双方が扉が閉じられて
いる状態を検知した場合にのみ扉側ユニットの施錠ピン
を突出させるように制御すれば、扉が閉じられているか
どうかを一層確実に検知することができ、より一層係合
ピンの誤動作を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
に係るロック装置及びこれを用いた扉用錠の好ましい実
施の形態を説明する。
【0028】図1は本実施の形態による扉用錠を扉に取
付けた状態を示す斜視図、図2はその扉用錠の内部構造
を模式的に示す断面図である。
【0029】図において、符号1はドア、2は壁で、上
下の部分を省略して中央の要部のみを図示している。3
はドア1に堀込んで取付けられたドア側ユニット、4は
同様に壁2に取付けられた壁側ユニットである。
【0030】ドア側ユニット3には空締り用のラッチ5
が設けられ、通常はフェースプレート6から突出するよ
うにバネ(図示せず)にて付勢され、ノブ7をまわすと
引込むようになっている。また、ドア1の側面にはピン
タンブラ式のシリンダ8が設けられ、このシリンダ8に
図示しない鍵を挿入して左右いずれかに回転させること
によって係止部材としてのデッドボルト9が突出したり
又は引込んだりするように構成されている。
【0031】フェースプレート6の表面には押し込み操
作可能な施錠トリガ12が設けられ、これを押し込むと
図2に示す内部機構11が動作してデッドボルト9を施
錠状態に突出させるようになっている。また、デッドボ
ルト9の端面には解錠トリガ12が押し込み操作可能に
設けられ、これを押し込むと上記内部機構11によりデ
ッドボルト9が引込んで解錠状態になるように構成され
る。
【0032】解錠トリガ12はドア1と壁2の隙間から
棒などで不正に押込み操作されることのないように、そ
の外周をデッドボルト9で取り囲まれ、デッドボルト9
と一体的に進退するように構成される。
【0033】一方、壁側ユニット4には細長い棒状の施
錠ピン13が設けられ、ソレノイド、モータ等からなる
駆動機構15を動作させるとストライク14の表面から
突出するようになっている。
【0034】ストライク14の表面に陥設された受部1
9内には舌辺状の検知レバー20が設けられる。そし
て、ドア1が閉められてラッチ5が受部19に進入した
場合に検知レバー20が押し込まれ、図2に示すスイッ
チ21をOFFからONに切り換え、後述する制御手段
27からの信号により駆動機構15を動作させて施錠ピ
ン13を突出動作させる。これにより上記施錠トリガ1
0を押し込み、デッドボルト9を施錠状態にセットする
ことができるように構成されている。
【0035】また、ストライク14の表面には上記デッ
ドボルト9の受部(係合部)16が陥設され、その後方
側には、ソレノイド等からなる駆動機構18によって突
出動作する解錠ピン17が設けられる。そして、デッド
ボルト9が受部16内に突出挿入された施錠状態におい
て、この解錠ピン17を突出させることによって解錠ト
リガ12が押し込まれ、これにより鍵を用いることなく
デッドボルト9を解錠状態に引込ませることができる。
【0036】図2に示すように、壁側ユニット4内に
は、投光手段としての例えば赤外線発光のLED22が
設けられ、その光がストライク14に穿設された丸孔状
の投光窓23を通して正面方向にのみ照射されるように
なっている。また、LED22と隣接する位置に受光手
段としての例えばフォトトランジスタからなる受光素子
24が配置される。この受光素子24は、赤外線帯域に
のみ感度を有しており、ストライク14に穿設された受
光窓25を通ってきた正面の光だけを受光するように構
成されている。
【0037】一方、ドア側ユニット3内には、光伝達手
段としての直角プリズム26が設けられる。この直角プ
リズム26は、2等辺三角形の斜辺部分26aに挟まれ
た底辺部分26bが正面に露出して上述のLED22及
び受光素子24と対面するようにフェースプレート6の
内側に固定されている。
【0038】また、壁側ユニット4には制御手段27が
設けられる。この制御手段27は、公知のCPUとその
プログラムを記憶したROM、RAMのほか、上記駆動
機構15、18を駆動するドライブ回路、上記スイッチ
21のON/OFFを入力する入力回路、上記LED2
2を点灯させる出力回路、上記受光素子24からの信号
を入力する入力回路、オートロックシステムの集中管理
を行う監視部28との通信インターフェース回路などが
内蔵されている。
【0039】次に、上記構成からなる本実施の形態の扉
用錠の動作を説明する。図3は、上記制御手段27のC
PUのプログラム動作の要部を示すフローチャートであ
る。まず、ドア1は開かれている状態にあるものとし、
ドア1を閉めたときの本実施の形態の施錠動作について
以下に説明する。
【0040】ステップS1では、ドア1が閉められて検
知レバー20が押込まれるまでCPUはループして待っ
ている。
【0041】ステップS2では、制御手段27が、スイ
ッチ21からの信号に基づいて、検知レバー20がドア
1のラッチ5によって押されたか否かを判断し、「YE
S」と判断した場合には、ステップS3に進んでLED
22を点灯させる。
【0042】ステップS4では、直角プリズム26から
導かれ受光素子24が受光した光のレベルの検出を行
う。すなわち、受光素子24は受光した光のレベルに応
じて信号を出力し、その信号を制御手段27へ送出す
る。
【0043】ステップ5では、制御手段27が、受光素
子24からの信号に基づいて、受光信号がONになって
いるか否かを判断し、「YES」と判断した場合には、
次のステップ6へ進む。
【0044】ステップ5において、制御手段27が「N
O」と判断した場合、すなわち、受光信号が検出されな
い場合には、ドア1は閉じられていないと判断し、例え
ば人の指等によって検知レバー20が操作されたものか
又は装置の故障により受光動作が正常に行えなくなって
いるかであるとして、ステップ11へ進み、誤検知の処
理を行う。この場合、具体的には誤検知があったことを
監視部28に通報して故障の発見を迅速に行えるように
する。
【0045】ステップ6では、制御手段27からの信号
に基づいてLED22を消灯させる。
【0046】ステップ7では、受光素子24が受光した
光のレベルの検出を行う。すなわち、受光素子24は受
光した光のレベルに応じて信号を出力し、その信号を制
御手段27へ送出する。
【0047】ステップ8では、制御手段27が、受光素
子24からの信号に基づいて、受光信号がOFFになっ
ているか否かを判断し、「YES」と判断した場合に
は、次のステップ9へ進む。
【0048】ステップ8において、制御手段27が「N
O」と判断した場合、すなわち、受光信号がONのまま
であれば、ドア1が開かれており外乱による入射光を検
知したものと判断してステップ11へ進み、誤検知の処
理を行う。
【0049】ステップ9では、制御手段27からの信号
に基づいて駆動機構15を動作させ、施錠ピン13を突
出させる。そして、ステップ10において、施錠動作を
終了する。
【0050】このように、本実施の形態においては、ド
ア1が閉められていることが確認されたときにのみ施錠
ピン17を駆動させるように制御される。すなわち、本
実施形態によれば、扉1が閉められていない状態ではた
とえ検知スイッチ20が操作されても施錠ピン13が突
出することはない。これを前述した子供のいたずらとの
関係でいえば、検知スイッチ20を指で押したとしても
受光素子24には光が戻ってこないので施錠ピン13は
突出しない。
【0052】しかも、直角プリズム26を用いて平行光
線が戻ってこないと受光検知しないように構成されてい
るため、例えば、鏡などを使っていたずらをしたとして
も施錠ピン13が誤動作を起こすことはない。
【0053】また、受光素子24に懐中電灯などで光を
当てたとしても受光OFFが検出されないので誤動作は
しない。このため、いたずらした子供に怪我を負わせる
等の事故を有効に防止することができる。
【0054】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
上記実施の形態では光伝達部材として直角プリズム26
を用いたが、鏡を2枚組合わせるようにしても同様の効
果が得られる。さらに光伝達部材としては、鏡やプリズ
ムに限られず、受けた光を所定の受光位置に戻す機能を
有する部材であれば何でも良く、例えばプラスチック製
の安価な光ファイバを用いるなどしてもよい。光ファイ
バの場合には例えば投光手段はストライクの上端に配置
して投光手段は下端に配置するなど発光位置と受光位置
との間隔をあけることができるので、誤動作防止性能を
高めることができる。
【0055】また、投光手段としては、LED22のほ
か、例えば、レーザダイオード等を用いることもでき
る。ただし、上述の実施の形態のように、LED22を
用いれば、製造コストを低く抑えることができる。この
場合、LED22に変調をかけるように構成すれば、誤
動作防止の精度を一層向上させることができる。
【0056】さらに、上述の実施の形態においては、L
ED22を点灯して直角プリズム26によって反射され
る光を受光素子24で検出した後に、LED22を消灯
して受光素子24からの出力がOFFになるかどうかを
検出するようにしたが、本発明はこれに限られず、後段
の受光素子24の受光OFFを検出するステップを省略
することもできる。ただし、上述の実施の形態のよう
に、LED22を点灯及び消灯させてその反射光を受光
素子24によって検出するように構成すれば、より確実
に施錠ピン13の誤動作を防止することができ、安全性
を高めることができる。
【0057】さらにまた、上述の実施の形態の場合は、
検知レバー20によってドア1のラッチ5を機械的に検
知するとともに、LED22の発光レベルを受光素子2
4で検出するように構成したが、本発明はこれに限られ
ず、検知レバー20によってドア1のラッチ5を機械的
に検知することを省略することも可能である。その場合
には、構成を簡素化することができ、しかも閉止検知手
段を交換する必要がなくなるので、長年の使用に耐えう
るものとなるという効果がある。ただし、より確実に誤
動作を防止するためには、上述の実施の形態のように構
成することが好ましい。
【0058】加えて、上述の実施の形態においては、本
発明を扉用錠に適用した場合を例にとって説明したが、
本発明はこれに限られず、相対的に移動可能な2つの部
材を相対的にロックするロック装置全般に適用すること
ができるものである。例えば、本発明は、工場における
搬送装置や工作機械の送り装置、エレベータの位置決め
装置などに広く誤動作防止装置として適用することがで
きる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、固
定すべき部材が固定位置にない状態においては、たとえ
検知手段に人や物が触れた場合でも誤動作を起こすこと
がないので、確実なロック動作を行うことができる。特
に、本発明によれば、子供のいたずら等によって誤動作
しない安全なオートロック方式の扉用錠を提供すること
ができる。また、本発明によれば、ロックすべき部材の
固定位置を検知するための検知手段やスイッチの長寿命
化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロック装置の一実施の形態に係る
扉用錠を扉に取付けた状態を示す斜視図
【図2】同実施の形態に係る扉用錠の内部構造を模式的
に示す断面図
【図3】同実施の形態に係る扉用錠の制御手段のCPU
の動作を示すフローチャート
【図4】従来のオートロック方式の扉用錠を扉に取付け
た状態を示す斜視図
【符号の説明】
1……ドア 2……壁 3……ドア側ユニット
4……壁側ユニット 5……ラッチ 6……フェースプレート 7……ノ
ブ 8……シリンダ 9……デッドボルト(係止部材) 10……施錠トリ
ガ 11……内部機構 12……解錠トリガ 13……施錠ピン 14……
ストライク 15……駆動機構 16……受部(係
合部) 17……解錠ピン 18……駆動機構
19……受部 20……検知レバー 21……スイ
ッチ 22……LED(投光手段) 23……投光
窓 24……受光素子(受光手段) 25……受光窓 26……直角プリズム(光伝達部
材) 27……制御手段 28……監視部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に移動可能な2つの部材の一方に係
    止部材が進退自在に設けられるとともに、他方には上記
    係止部材と係合する係合部が設けられ、上記係止部材を
    作動させて上記係合部に係合させることにより上記両部
    材の相対的な位置を固定するロック装置であって、 上記2つの部材が固定すべき位置にあるかどうかを光学
    的に検知する光学的位置検知手段と、該光学的位置検知
    手段が上記2つの部材が固定すべき位置にあると検知し
    た場合にのみ上記係止部材の係合動作を行うように制御
    する制御手段を設けたことを特徴とするロック装置。
  2. 【請求項2】壁に対して開閉可能な扉の扉側ユニットに
    係止部材が進退自在に設けられるとともに、上記壁の壁
    側ユニットに上記係止部材と係合する係合部が設けら
    れ、上記壁側ユニットから施錠ピンを突出させて上記扉
    側ユニットの施錠トリガを押し込み、上記扉側ユニット
    の係止部材を作動させて上記壁側ユニットの係合部に係
    合させることにより当該扉の施錠を行う扉用錠であっ
    て、 上記扉が閉じられているかどうかを光学的に検知する光
    学的閉止検知手段と、該光学的閉止検知手段が上記扉の
    閉じられている状態を検知した場合にのみ上記施錠ピン
    を突出させるように制御する制御手段を設けたことを特
    徴とする扉用錠。
  3. 【請求項3】光学的閉止検知手段として、壁側ユニット
    に投光手段及び受光手段を設けるとともに扉側ユニット
    に上記投光手段からの光を上記受光手段に導く光伝達部
    材を設け、上記受光手段が上記光伝達部材からの光を検
    出した場合にのみ上記施錠ピンを突出させるように制御
    することを特徴とする請求項2記載の扉用錠。
  4. 【請求項4】投光手段と受光手段とを所定の距離だけ離
    間して配設し、投光手段から光伝達部材へ向って射出さ
    れる光の光束と、該光伝達部材から上記受光手段に入射
    する光の光束とが互いに平行になるように構成したこと
    を特徴とする請求項3記載の扉用錠。
  5. 【請求項5】光伝達手段が直角プリズムであることを特
    徴とする請求項4記載の扉用錠。
  6. 【請求項6】扉が閉じられたかどうかを機械的に検知す
    る機械的閉止検知手段と、 上記扉が閉じられているかどうかを光学的に検知する光
    学的閉止検知手段とを備え、 上記機械的閉止検知手段と光学的閉止検知手段の双方が
    上記扉が閉じられている状態を検知した場合にのみ上記
    施錠ピンを突出させるように制御することを特徴とする
    請求項2乃至5のいずれか1項記載の扉用錠。
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