JPH10212665A - 柔軟仕上剤組成物 - Google Patents

柔軟仕上剤組成物

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JPH10212665A
JPH10212665A JP819997A JP819997A JPH10212665A JP H10212665 A JPH10212665 A JP H10212665A JP 819997 A JP819997 A JP 819997A JP 819997 A JP819997 A JP 819997A JP H10212665 A JPH10212665 A JP H10212665A
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紀子 山口
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淳一 猪腰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の繊維に対して、優れた柔軟性及び弾力
性(ふっくら感)を付与でき、環境安全性の高い衣料用
柔軟仕上剤組成物の提供。 【解決手段】 3級アミン化合物(I)あるいはその中
和物又は4級化物と、3級アミン化合物(II)あるいは
その中和物又は4級化物と、3級アミン化合物(III) あ
るいはその中和物又は4級化物とを含有し、その合計含
有量が4〜40重量%である衣料用柔軟仕上剤組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 〔式中、R1はC1-35のアルキル基等、AはC1-10 のアルキ
レン基等、Y及びZはC2-3のアルキレン基、n及びmは1〜
20の数、R2及びR3はC8-36 のアシル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣料用柔軟仕上剤組
成物に関し、詳しくは各種の繊維に対して、優れた柔軟
性及び弾力性(ふっくら感)を付与でき、環境安全性の
高い衣料用液体柔軟仕上剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
家庭で用いられている衣料用柔軟仕上剤として市販され
ている商品は殆どがジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルア
ンモニウムクロライドに代表されるような1分子中に2
個の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩を主
成分とした組成物である。この理由としては第4級アン
モニウム塩は少量で各種繊維に対して良好な柔軟効果を
有するからである。しかしながら、上記の第4級アンモ
ニウム塩は、木綿類に対しては著しい柔軟効果を有して
いるが、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系な
どの合成繊維に対しては効果は十分とは言い難く、更に
高濃度で処理すると衣料の弾力性が低下し、風合いが損
なわれてしまうことがある。更に、上記第4級アンモニ
ウム塩は環境中で生分解しないために環境に対する影響
が問題となっている。
【0003】また、従来より各種アミンを柔軟基剤とす
る液体柔軟仕上剤が知られている。例えば、特開昭52
−59796号公報にはメチルジ(硬化牛脂アルキル)
アミンのような長鎖アルキルアミンを含有する繊維に柔
軟性を付与する組成物が、特開昭58−60070号公
報にはアシル化アルカノールアミン、水溶性第4級アン
モニウム塩及び脂肪酸エステルを含有する繊維に平滑
性、快適な手触りを与える繊維材料仕上剤が、特開昭6
1−167083号公報には第4級アンモニウム化合
物、高級脂肪酸とヒドロキシ低級アルキルポリアミンと
の縮合反応物及びアルキルアミンポリグリコールエーテ
ルを含有する分散性の良い柔軟剤が、特開昭61−27
5474号公報にはジ(高級アルキル)環式アミン及び
ブレンステッド酸を含有する織物処理用の安定な水性分
散液が、特開昭64−85368号公報にはジ長鎖アル
キルアミン−陰イオン性界面活性剤イオン対複合体、非
シリコーンロウ及び液体担体を含む柔軟化組成物が、特
開平2−6662号公報にはヒドロキシ低級アルキルア
ルキレンジアミンと高級脂肪酸の縮合物等のアミン及び
両性布地コンディショニング剤を含有する布地コンディ
ショニング組成物が、特開平2−14076号公報には
ジ長鎖アルキルアミン−多官能カルボン酸錯体を含有す
る柔軟性、帯電防止性を付与する布類コンディショニン
グ組成物が記載されている。更に、特開昭52−539
4号公報にはモノ又はジ長鎖アルキルアルキレンジアミ
ン静電気抑制剤及び第4級アンモニウム系柔軟剤を含有
する布類状態調節組成物が記載されている。しかしなが
ら、これらアミンを含有する柔軟剤は分散性、保存安定
性は第4級アンモニウム塩を含有する柔軟剤に比べ比較
的良いが、柔軟性能は未だ十分でない。
【0004】従って、本発明の課題は、優れた柔軟性及
び弾力性(ふっくら感)を付与でき、環境安全性の高い
衣料用液体柔軟仕上剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、特殊なアミン化合物あ
るいはその中和物又は4級化物から選ばれる3種以上の
化合物を使用することにより、各種の繊維に対して柔軟
性に優れ、しかも衣類に弾力性(ふっくら感)を付与で
きる安定な柔軟仕上剤が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、次の(a) 成分、(b) 成
分及び(c) 成分を含有し、その合計含有量が4〜40重量
%であることを特徴とする衣料用柔軟仕上剤組成物を提
供するものである。 (a) 成分:一般式(I)で表される3級アミン化合物、
その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
はその4級化物。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、 Aは水酸基で
置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の
アルキレン基を示し、 Y及び Zは同一又は異なって炭素
数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、n 及
びm は同一又は異なってアルキレンオキサイドの平均付
加モル数を示す1〜20の数であり、 n個のY 及び m個の
Z は同一でも異なっていてもよい。) (b) 成分:一般式(II)で表される3級アミン化合物、
その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
はその4級化物
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記の意
味を示し、R2は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸か
ら誘導されるアシル基を示す。) (c) 成分:一般式(III) で表される3級アミン化合物、
その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
はその4級化物
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1, R2,A, Y, Z, n及びm は前記
の意味を示し、R3は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪
酸から誘導されるアシル基を示す。)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0014】本発明の一般式(I)〜(III) で表される
3級アミン化合物、あるいはその中和物又は4級化物に
おいて、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数7〜23
の直鎖アルキル基、さらに好ましくは炭素数11〜21の直
鎖アルキル基である。
【0015】また、R2及びR3は同一又は異なって、炭素
数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導されるアシル
基を示すが、好ましくは炭素数8〜24の直鎖飽和脂肪酸
から誘導されるアシル基であり、特に好ましくは炭素数
12〜22の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシル基であ
る。
【0016】Aは水酸基で置換されていてもよい炭素数
1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示すが、好ま
しくは炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、さらに好まし
くは炭素数2〜3の直鎖アルキレン基である。
【0017】Y及び Zは同一又は異なって炭素数2〜3
の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示すが、好ましくは
同一又は異なってエチレン基又はプロピレン基であり、
さらに好ましくはエチレン基である。また、n 個の Y及
び m個の Zは同一でも異なっていてもよい。
【0018】n 及びm は同一又は異なってアルキレンオ
キサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数を示すが、
好ましくは同一又は異なって1〜10、さらに好ましくは
1〜5である。
【0019】本発明において、一般式(I)〜(III) で
表される3級アミン化合物の中和物を形成する無機酸と
しては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられ、炭素
数1〜6の有機酸としては酢酸、乳酸、グリコール酸、
クエン酸、マレイン酸、メトサルフェート、エトサルフ
ェート等が挙げられる。
【0020】本発明において、一般式(I)〜(III) で
表される3級アミン化合物の4級化物を形成する4級化
剤としては、下記式 (IV) で表される化合物が挙げられ
る。
【0021】R4X (IV) (式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキシ
アルキル基を示し、X は4級化物の陰イオンを形成する
基を示す。) R4の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヒドロキシエチル基等が挙げられ、好ましくはメチ
ル、エチル、ヒドロキシエチル基であり、さらに好まし
くはメチル基である。
【0022】X の具体例としては、ハロゲン原子、サル
フェート、炭素数1〜4の水酸基で置換されていてもよ
いカルボキシレート又は炭素数1〜4のアルキルサルフ
ェート(CH3SO4、C2H5SO4 等) 等が挙げられ、Cl又はCH
3SO4が好ましい。
【0023】一般式(I)で表される3級アミン化合
物、あるいはその中和物又は4級化物の好ましい具体例
としては、次のようなものが挙げられる。
【0024】
【化8】
【0025】一般式(II)で表される3級アミン化合
物、あるいはその中和物又は4級化物の好ましい具体例
としては、次のようなものが挙げられる。
【0026】
【化9】
【0027】一般式(III) で表される3級アミン化合
物、あるいはその中和物又は4級化物の好ましい具体例
としては、次のようなものが挙げられる。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】本発明の一般式(I)〜(III) で表される
3級アミン化合物は、(i) 下記工程(1) 、(ii)下記工程
(1) 及び(2) 、(iii) 下記工程(1) 及び(3) 、又は(iv)
下記工程(1) 、(2) 及び(3) をこの順に行うことにより
得ることができる。また一般式(I)〜(III) で表され
る3級アミン化合物の4級化物は、(i) 下記工程(1) 及
び(4) 、(ii)下記工程(1) 、(2) 及び(4) 、(iii) 下記
工程(1) 、(3) 及び(4) 、又は(iv)下記工程(1) 、(2)
、(3) 及び(4) をこの順に行うことにより得ることが
できる。また一般式(I)〜(III) で表される3級アミ
ン化合物の中和物は、(i) 下記工程(1) 、(ii)下記工程
(1) 及び(2) 、(iii) 下記工程(1) 及び(3) 、又は(iv)
下記工程(1) 、(2) 及び(3) をこの順に行うことにより
一般式(I)〜(III) で表される3級アミン化合物を得
た後、無機酸又は炭素数1〜6の有機酸により中和する
ことにより得ることができる。また中和物は、柔軟仕上
剤組成物を調製する際に酸水溶液中に一般式(I)〜(I
II) で表される3級アミン化合物を液状又は固体状で投
入しても、あるいは3級アミン化合物と酸成分を同時に
投入してもよい。
【0031】工程(1) 一般式(V)
【0032】
【化12】
【0033】(式中、A, Y及びZ は前記と同じ意味を示
し、a及びbは同一又は異なって0〜20の数を示す。)
で表されるジヒドロキシアミン体、例えばN−(3−ア
ミノプロピル)ジエタノールアミンと、一般式 (VI) R1COOR5 (VI) (式中、R1は前記と同じ意味を示し、R5は H又は炭素数
1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂肪酸又はそ
のエステルを反応させてアミド化を行い一般式(VII) で
表されるジヒドロキシアミド化合物を得るか、又はアミ
ド化とエステル化を同時に行い一般式(VIII)又は(IX)で
表されるアミドエステル化合物を得る工程。
【0034】
【化13】
【0035】(式中、R1,A, Y, Z, a及びb は前記と同
じ意味を示し、R1' は炭素数7〜35の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基又はアルケニル基を示す。) 工程(2) 一般式(VII) で表されるジヒドロキシアミド化合物にさ
らに炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを反応させ、
一般式(I)
【0036】
【化14】
【0037】(式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記と同
じ意味を示す。)で表されるジヒドロキシアミド化合物
を得る工程。
【0038】工程(3) 一般式(VII) 又は(I)で表されるジヒドロキシアミド
化合物と、一般式(X) R6COOR5 (X) (式中、R5は前記と同じ意味を示し、R6は炭素数7〜35
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示
す。)で表される脂肪酸又はそのエステルの1種又は2
種以上をエステル反応させて、一般式(II)又は(III)
【0039】
【化15】
【0040】(式中、R1, R2, R3, A, Y, Z, n及びm は
前記と同じ意味を示す。)で表されるアミドエステル化
合物を得る工程。
【0041】工程(4) 一般式(VII) 又は(I)で表されるジヒドロキシアミド
化合物、あるいは一般式(VIII)、(IX)、(II)又は(II
I) で表されるアミドエステル化合物と、前記一般式 (I
V) で表される4級化剤を反応させ、さらに必要に応じ
て塩交換を行い、一般式(XI)、(XII) 又は(XIII)で表さ
れる4級化物を得る工程。
【0042】
【化16】
【0043】(式中、R1, R2, R3, R4, A, Y, Z, n及び
m は前記と同じ意味を示し、X-は陰イオン基を示す。) 本発明においては、(a) 成分として下記一般式(I−
1)で表される化合物、(b) 成分として下記一般式(II
−1)で表される化合物、(c) 成分として下記一般式(I
II−1)又は(III−2)で表される化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物を含有するものが好ましい。
【0044】
【化17】
【0045】(式中、R1, R2, R3及びX-は前記の意味を
示し、pは2〜6の数を示す。) 本発明の組成物中の(a) 成分、(b) 成分及び(c) 成分の
合計含有量は4〜40重量%、好ましくは4〜20重量%で
ある。合計含有量が4重量%未満であると本発明の特徴
である柔軟性が得られず、40重量%を超えると製品安定
性やハンドリング性に問題が生ずる。
【0046】また本発明の組成物において、(a)成分と
(b)成分との配合割合は (a)/(b)(重量比) = 0.1〜1
が好ましく、0.2 〜0.5 が更に好ましい。また(c) 成分
と(b)成分との配合割合は (c)/(b)(重量比) =
0.1〜2が好ましく、0.3 〜1.5 が更に好ましい。
【0047】本発明組成物において、(a) 成分、(b) 成
分、(c) 成分は別々に合成して適当量配合することもで
きるし、前述の合成工程を経る過程で混合物として得、
この混合物をそのまま配合することもできる。
【0048】本発明の組成物は、柔軟性能及び保存安定
性を向上させる目的で、さらに(d)成分として直鎖又は
分岐鎖の炭素数8〜44の飽和又は不飽和アルコールを配
合することができる。(d) 成分の配合量は、(a) 、(b)
及び(c) 成分の合計量に対して 110重量%以下が好まし
く、1〜 100重量%が更に好ましい。また組成物全量に
対する(d) 成分の配合量は20重量%以下が好ましい。
【0049】この(d) 成分の具体例として下記のものが
挙げられる。 CH3(CH2)11OH, CH3(CH2)13OH, CH3(CH2)15OH,CH3(CH2)
17OH, CH3(CH2)19OH, CH3(CH2)21OH,CH3(CH2)7CH=CH
(CH2)8OH 本発明の柔軟仕上剤組成物は、柔軟性能及び保存安定性
を向上させるために、(e) 成分として直鎖又は分岐鎖の
炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸を配合することが
できる。(e) 成分の配合量は、(a) 、(b) 及び(c) 成分
の合計量に対して 100重量%以下が好ましく、 0.5〜50
重量%が更に好ましい。また組成物全量に対する(e) 成
分の配合量は20重量%以下が好ましい。
【0050】この(e) 成分の具体例としては、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプ
リン酸、カプリル酸、オレイン酸、イソステアリン酸、
及びヤシ油、パーム油、牛脂、ナタネ油、魚油等の天然
油脂由来のアルキル組成をもつ脂肪酸が挙げられる。
【0051】本発明組成物には、組成物の粘度調整及び
保存安定性(ゲル化防止等)の向上のため、(f) 成分と
して炭素数1〜4の1価アルコールを配合することがで
きる。(f) 成分の配合量は、(a) 、(b) 及び(c) 成分の
合計量に対して60重量%以下が好ましく、5〜50重量%
が更に好ましく、10〜45重量%が特に好ましい。また組
成物全量に対する(f) 成分の配合量は10重量%以下が好
ましい。この(f) 成分の具体例としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
【0052】本発明の組成物は、組成物の液性向上及び
保存安定性のため、(g) 成分として炭素数8〜22の高級
アルコール又は高級モノアミン又は高級ジアミンのエチ
レンオキサイド3〜80モル付加物を配合することができ
る。(g) 成分の具体例としては、炭素数8〜22の天然油
脂由来のアルコール、例えば、ヤシ油アルキル組成アル
コール、牛脂アルキル組成アルコール、ラウリルアルコ
ール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、硬
化牛脂アルキル組成アルコールや各種の合成アルコール
にエチレンオキサイドを3〜80モル、好ましくは5〜50
モル付加させた非イオン系活性剤、ラウリルアミン、硬
化牛脂アルキル組成アミン等のモノアミンや、オレイル
プロピレンジアミン等のジアミンにエチレンオキサイド
3〜80モル、好ましくは5〜50モル付加させた非イオン
系活性剤が挙げられる。本発明において、(g) 成分の配
合量は組成物全量に対し10重量%以下が好ましく、 0.2
〜3.5重量%が更に好ましい。
【0053】さらに、本発明の柔軟仕上剤を調製する際
に、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を0.01〜1
重量%配合することにより、柔軟仕上剤のハンドリング
性が向上する。これらの金属塩としては、NaCl、Na2S
O4、CaCl2 、KCl 、K2SO4 、MgCl2 、MgSO4 等が挙げら
れる。
【0054】更に、ジメチルポリシロキサン、部分的に
アミノ基又はポリオキシアルキレン基で変性されたジメ
チルポリシロキサン等のシリコーン化合物、特に好まし
くは部分的にポリオキシアルキレン基で変性されたジメ
チルポリシロキサンを配合することにより、吸水性能を
損なうことなく柔軟処理された衣料の肌ざわりを改良で
きる。これらのシリコーン化合物は0.01〜 1.0重量%配
合されるのが好ましい。
【0055】また、凍結回復性向上のため、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコールを1〜15重量%配合することが好ましい。更
に製品の外観を良くしたり、香りを良くするために色素
や香料を配合することが一般的である。また、製品中に
蛍光増白剤、消泡剤や抗菌剤、製品のpHを調整するた
めにHCl やNaOHを配合することも可能であり、上記(a)
〜(g) 成分及び任意成分以外の残部は水である。
【0056】本発明の柔軟仕上剤組成物の粘度は、B型
粘度計により測定された25℃での粘度が10〜300cpsの範
囲にあることが好ましい。
【0057】本発明の柔軟仕上剤は、従来広く用いられ
ているジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロラ
イドと比較して各種の繊維に対して柔軟性に優れ、しか
も、衣類に弾力性(ふっくら感)を付与でき、かつ安定
であり、更に環境安全性にも優れている。
【0058】
【実施例】次に本発明を製造例及び実施例をもって詳述
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0059】製造例1 N−メチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−
N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)アンモニウムク
ロライド 攪拌機、温度計、脱水冷却管のついた1リットル4つ口
フラスコに牛脂脂肪酸269gとN−(3−アミノプロピ
ル)ジエタノールアミン 162gを仕込み、 150℃まで昇
温し、そのままの温度で6時間、反応生成水を留去しな
がらアミド化反応を行い、N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)ア
ミンを410g得た。次いで、攪拌機、温度計、圧力計の
付いた0.5リットルオートクレーブに前記のN,N−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−牛脂脂肪酸ア
ミドプロピル)アミン 210g、メチルクロライド28g、
イソプロピルアルコール42gを仕込み、60℃まで昇温
し、その温度を維持しながら6時間反応を行い、4級化
を完結させた。反応後、イソプロピルアルコールを留去
し、乾燥後、目的のN−メチル−N,N−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピ
ル)アンモニウムクロライドを 235g得た。1H−NM
R、IRスペクトルから以下の構造を確認した。
【0060】
【化18】
【0061】1H−NMRスペクトル(CDCl3 、内
部標準TMS) 0.88ppm (t 3H) CH3 -(CH2)10-14-CH2-CH2CO- 1.6ppm (m 2H) CH3-(CH2)10-14-CH2 -CH2CO- 2.07ppm (t 2H) CH3-(CH2)10-14-CH2-CH2 CO- 2.35ppm (m 2H) NHCH2CH2 CH2-N+ 3.25ppm (m 2H) NHCH2 CH2CH2-N+ 3.70ppm (s 3H) CH3 -N+- 3.8〜4.1ppm (m 10H) NHCH2CH2CH2 -N+-CH2 -CH2 OH IRスペクトル(KBr錠剤):1652cm-1 製造例2 N−メチル−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)−
N−(2−牛脂脂肪酸エチル)−N−(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウムクロライド 攪拌機、温度計、脱水管のついた2リットル4つ口フラ
スコに牛脂脂肪酸 538gとN−(3−アミノプロピル)
ジエタノールアミン 162gを仕込み、 170℃まで昇温
し、6時間反応生成水を留去しながらアミド・エステル
化反応を行い、更に温度計とキャピラリィを具備したナ
シ型フラスコにて分留し、N−(3−牛脂脂肪酸アミド
プロピル)−N−(2−牛脂脂肪酸エチル)−N−(2
−ヒドロキシエチル)アミンを得た。次に、攪拌機、温
度計、圧力計の付いた 0.5リットルオートクレーブにN
−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)−N−(2−牛脂
脂肪酸エチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン
190g、メチルクロライド35g、イソプロピルアルコー
ル18gを仕込み、60℃まで昇温し、その温度を維持しな
がら6時間反応を行い、4級化を完結させた。反応後、
イソプロピルアルコールを留去し、下記式で表される目
的のN−メチル−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピ
ル)−N−(2−牛脂脂肪酸エチル)−N−(2−ヒド
ロキシエチル)アンモニウムクロライドを 218g得た。
【0062】
【化19】
【0063】製造例3 N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)−N,N−ビス
−(2−牛脂脂肪酸エチル)アミン 攪拌機、温度計、脱水冷却管のついた1リットル4つ口
フラスコに牛脂脂肪酸403.5gとN−(3−アミノプロ
ピル)ジエタノールアミン81gを仕込み、 180℃まで昇
温し、その温度を維持しながら12時間反応生成水を留去
しながらアミド・エステル化反応を行い、下記式で表さ
れる目的のN−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)−
N,N−ビス−(2−牛脂脂肪酸エチル)アミンを450
g得た。
【0064】
【化20】
【0065】実施例1〜10及び比較例1〜5 表1に示す(a) 成分、(b) 成分及び(c) 成分、表2に示
す(d) 〜(g) 成分及びその他の成分((h)成分) を用い、
表3に示す組成の柔軟仕上剤組成物を調製した。尚、こ
の組成物中にはCaCl2 0.02重量%を添加した。得られた
柔軟仕上剤組成物について、下記方法により柔軟処理を
行い、柔軟性を評価した。結果を表3に示す。
【0066】<柔軟処理方法>市販の木綿タオルとアク
リルジャージを市販洗剤“アタック”(花王(株)製、
登録商標)にて5回繰り返し洗濯をし、布についている
洗剤を除去した後、上記で調製した柔軟仕上剤組成物を
1重量%投入し、25℃、浴比1/30で5分間攪拌下で処
理した後、室内で乾燥後、20℃、65%RHの恒温、恒湿
室にて24時間放置した。
【0067】<柔軟性の評価方法>柔軟性の評価は比較
例1の柔軟仕上剤組成物で同様に調製、処理した布を対
照にして一対比較を行い、下記の基準で評価した。 評価基準 +2:対照より柔らかい +1:対照よりやや柔らかい 0:対照と同等 −1:対照の方が柔らかい
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(a) 成分、(b) 成分及び(c) 成分を
    含有し、その合計含有量が4〜40重量%であることを特
    徴とする衣料用柔軟仕上剤組成物。 (a) 成分:一般式(I)で表される3級アミン化合物、
    その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
    はその4級化物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜35の直鎖又は分岐鎖のアルキル
    基又はアルケニル基を示し、 Aは水酸基で置換されてい
    てもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基
    を示し、 Y及び Zは同一又は異なって炭素数2〜3の直
    鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、n 及びm は同一又
    は異なってアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示
    す1〜20の数であり、 n個のY 及び m個のZ は同一でも
    異なっていてもよい。) (b) 成分:一般式(II)で表される3級アミン化合物、
    その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
    はその4級化物 【化2】 (式中、R1, A, Y, Z, n及びm は前記の意味を示し、R2
    は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導される
    アシル基を示す。) (c) 成分:一般式(III) で表される3級アミン化合物、
    その無機酸又は炭素数1〜6の有機酸の中和物、あるい
    はその4級化物 【化3】 (式中、R1, R2,A, Y, Z, n及びm は前記の意味を示
    し、R3は炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸から誘導
    されるアシル基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)〜(III) において、R1が炭
    素数7〜23の直鎖アルキル基、R2及びR3が同一又は異な
    って炭素数8〜24の直鎖飽和脂肪酸から誘導されるアシ
    ル基、 Aが炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、 Y及び Z
    がエチレン基又はプロピレン基、n 及びm が同一又は異
    なって1〜10の数である請求項1記載の柔軟仕上剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a) 成分が下記一般式(I−1)で表さ
    れる化合物、(b) 成分が下記一般式(II−1)で表され
    る化合物、(c) 成分が下記一般式(III−1)又は(III−
    2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化
    合物である請求項1又は2記載の柔軟仕上剤組成物。 【化4】 (式中、R1, R2及びR3は前記の意味を示し、pは2〜6
    の数を示し、X-は陰イオン基を示す。)
  4. 【請求項4】 (a) 成分と(b) 成分との配合割合が (a)
    /(b)(重量比) =0.1〜1、(c) 成分と(b) 成分との配
    合割合が (c)/(b)(重量比) = 0.1〜2である請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の柔軟仕上剤組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、下記(d) 及び(e) 成分を組成物
    全量に対しそれぞれ20重量%以下、下記(f) 及び(g) 成
    分を組成物全量に対しそれぞれ10重量%以下含有する請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の柔軟仕上剤組成物。 (d) 成分:直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜44の飽和又は不
    飽和アルコール (e) 成分:直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜36の飽和又は不
    飽和脂肪酸 (f) 成分:炭素数1〜4の1価アルコール (g) 成分:炭素数8〜22の高級アルコール又は高級モノ
    アミン又は高級ジアミンのエチレンオキサイド3〜80モ
    ル付加物
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