JPH10212308A - メタロセン触媒およびポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

メタロセン触媒およびポリオレフィンの製造方法

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JPH10212308A
JPH10212308A JP1856197A JP1856197A JPH10212308A JP H10212308 A JPH10212308 A JP H10212308A JP 1856197 A JP1856197 A JP 1856197A JP 1856197 A JP1856197 A JP 1856197A JP H10212308 A JPH10212308 A JP H10212308A
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metallocene
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JP1856197A
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Satoshi Ishigaki
聡 石垣
Shinji Hikuma
新次 日隈
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
Kazumi Futaki
一三 二木
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族炭化水素を使用せずに重合が可能で重
合時のファウリングが抑制されるメタロセン触媒、及び
それを用いるポリオレフィンの製造法の提供。 【構成】 成分(A):下記一般式(I)または(II) (Cp)(Cp*)MX12 (I) (Cp)(Z)MX12 (II) (式中、M、Cp、Cp*、Z、X1、X2は明細書に記
載の意味を表わす。)で示される脂肪族炭化水素難溶性
メタロセン化合物(a)、脂肪族炭化水素(b)、有機
金属化合物(アルミノキサンを除く。)(c)を混合
し、成分(a)を成分(b)に可溶化して得られるメタ
ロセン化合物溶液と、成分B:助触媒成分(d)を担持
した微粒子担体(e)からなるメタロセン触媒及びその
触媒の存在下芳香族炭化水素を用いずにバルク重合する
ポリオレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタロセン触媒およ
びポリオレフィンの製造方法に関する。さらに詳しく
は、脂肪族炭化水素に可溶化されたメタロセン化合物溶
液と担持された助触媒とからなり、芳香族炭化水素を使
用せずに重合が可能で、重合反応時のファウリングが抑
制されるメタロセン触媒、およびその触媒を用いるポリ
オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン化合物(触媒)とアルミノキ
サンあるいは有機ホウ素化合物等(助触媒)とによりポ
リオレフィンが得られることは公知である。このような
メタロセン系の触媒を使用して得られるポリオレフィン
は、一般に分子量分布が狭く、透明性や耐ブロッキング
性に優れるため、シート、フィルム、ラミネートといっ
た分野での利用が期待されている。
【0003】メタロセン化合物とアルミノキサン等の助
触媒によりポリオレフィンを製造する場合の問題の一つ
は、メタロセン化合物の炭化水素溶媒、特に脂肪族炭化
水素に対する溶解度が低いことである。特に従来提案さ
れているメタロセン化合物の殆どは、脂肪族炭化水素に
対して難溶性である。従って、メタロセン触媒によるポ
リオレフィンの製造に当たってはトルエン等の芳香族炭
化水素を使用することが一般的である。
【0004】しかし芳香族炭化水素を含有する触媒を使
用してオレフィンの重合を行なった場合には、ポリオレ
フィン中に有毒な芳香族炭化水素溶剤が多量に残留す
る。そのため、芳香族炭化水素を除去するために洗浄や
乾燥などの後処理が必要となり、製造コストを増加させ
るなどの問題が発生する。また、多量の芳香族炭化水素
溶剤が重合反応器中に導入される結果、通常行なわれる
バルク重合の重合速度が低下して生産性が悪くなり、場
合によっては重合方法を、経済的にあまり有利でない溶
液重合やスラリー重合に制限せざるを得ないこともあ
る。
【0005】一方、芳香族炭化水素溶液を使用してメタ
ロセン触媒を調製した後、芳香族炭化水素を除去して脂
肪族炭化水素に置き換えることで、重合反応器への芳香
族炭化水素の導入を防ぐことが可能である。しかし芳香
族炭化水素を除去する工程が必要となり、製造コストが
上昇する上に、その工程中にメタロセン化合物の変質や
損失が起こり、その結果得られるメタロセン触媒の重合
活性が低下する。
【0006】また、他の問題としては、生成する重合体
が塊状となる、あるいは重合体粒子が嵩比重の低い取り
扱い困難な粉体となり、さらには重合体が反応器の器壁
に付着したりするファウリング現象が発生することなど
である。
【0007】これを解決する試みとしては、メタロセン
化合物やアルミノキサン等の助触媒を微粒子担体上に担
持する方法が多数提案されている。これらは、例えば特
開昭61-108610号公報、同61-296008号公報、同63-28070
3公報、同63-22804号公報、同63-51405号公報、同63-51
407号公報、同63-55403号公報、同63-61010号公報、同6
3-248803号公報、特開平4-100808号公報、同3-74412号
公報、同3-709号公報、同4-7306公報、特開平5-239138
号公報、特開平5-247128号公報、特開平7-10917号公報
等に開示されているが、ファウリングの問題は十分には
解決されておらず、これらの技術を工業的な生産に適用
することは困難である。
【0008】特開平5-339315号公報には、一つのシクロ
ペンタジエニル骨格に置換したアルキル基の炭素数の合
計が3以上である、シクロペンタジエニル基を有するメ
タロセン化合物とアルミノキサンからなる触媒を使用
し、脂肪族炭化水素の存在下、オレフィンを溶液重合ま
たは懸濁重合する重合方法が開示されている。この方法
では芳香族炭化水素を使用せずにオレフィンを重合する
ことが可能であるが、置換基の多い特殊なメタロセン化
合物を使用する必要である。このようなメタロセン化合
物は置換基が多いため、製造が容易でなく、また一般に
重合活性が低い。
【0009】特開平7-2918号公報には、本発明に類似し
たメタロセン溶液が開示されており、難溶性のメタロセ
ン化合物を脂肪族炭化水素に可溶化させる方法が示唆さ
れている。該公報ではメタロセンのジアルキル錯体を使
用しており、このようなメタロセンのジアルキル錯体
は、本発明でも使用するメタロセン化合物(a)とアル
キルリチウムとの反応により得られるものであるが、メ
タロセン化合物(a)から複数の工程を経る必要があ
り、非常に高価なものとなる。
【0010】さらにこのようなメタロセンのジアルキル
錯体は、特に空気や水分に対し不安定であり、これを単
離して取り扱うことは工業的には容易でない。また該公
報には本発明において必須である、メタロセン化合物の
脂肪族炭化水素溶液を使用することの思想は何ら開示さ
れていない。すなわち、該公報におけるメタロセン化合
物の芳香族炭化水素溶液を、特開昭61-108610号公報等
の微粒子担体上に担持された助触媒と共に用いてポリオ
レフィンの製造を行なっても、ファウリング現象を抑制
することは困難である。
【0011】また、特開平8-245714号公報にも本発明に
類似したメタロセン溶液が開示されており、メタロセン
化合物とアルミノキサンからなる触媒を70容量%の脂
肪族炭化水素を含有する媒体で保存することが記載され
ている。しかしここでもトルエン等の芳香族炭化水素を
使用しており、本発明において必須である、メタロセン
化合物の脂肪族炭化水素溶液を使用するという思想は何
ら開示されていない。特に該公報記載の溶液には助触媒
成分であるアルミノキサンが含有されているため、この
溶液と微粒子担体上に担持された助触媒とによりポリオ
レフィンの製造を行なっても、ファウリングの抑制はも
とより重合体を粒子状で得ることも困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、芳香族炭化水素を使用せずに重合が可能で、ファウ
リングの抑制されたメタロセン触媒、およびその触媒を
用いる重合時に芳香族炭化水素を使用しないポリオレフ
ィンの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記状況
に鑑み鋭意検討した結果、脂肪族炭化水素に難溶性であ
る特定のメタロセン化合物を、脂肪族炭化水素中におい
て有機金属化合物と接触させることにより、メタロセン
化合物が脂肪族炭化水素に1段階で容易に可溶化され、
さらにはこのメタロセン化合物溶液と微粒子担体状に担
持された助触媒を組み合わせることにより芳香族炭化水
素を使用せずに、さらに予想外なことにファウリングを
伴うことなくオレフィンを重合できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は 1) 成分(A):下記一般式(I)または(II) (Cp)(Cp*)MX12 (I) (Cp)(Z)MX12 (II) (式中、CpおよびCp*は、互いに同一でも異なって
もよく、各々炭素数の合計が2以下のアルキル基、ハロ
ゲン原子、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で
置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基または
インデニル基であり、CpとCp*とは炭素原子、珪素
原子、ゲルマニウム原子、スズ原子の中から選ばれる1
〜3個の原子団により架橋されていてもよく、ZはR1
2N−、R1O−またはR12P−(R1およびR2は、
互いに同一でも異なってもよく、各々炭素数1〜2のア
ルキル基またはアルキレン基、炭素数6〜10のアリー
ル基またはアリーレン基、または珪素含有基である。)
を表わし、R1およびR2はCpと結合していてもよく、
Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、X
1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、各々水
素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアミド基を
表わし、X1およびX2のうち少なくとも一つはハロゲン
原子である。)で示される脂肪族炭化水素難溶性のメタ
ロセン化合物(a)、脂肪族炭化水素(b)、および有
機金属化合物(アルミノキサンを除く。)(c)を混合
し、成分(a)を成分(b)に可溶化して得られるメタ
ロセン化合物溶液、および成分B:助触媒成分(d)を
担持した微粒子担体(e)、からなるメタロセン触媒。
【0015】2)CpとCp*、およびCpとZが、炭
素原子、珪素原子、ゲルマニウム原子およびスズ原子の
中から選ばれる1〜3個の原子団により架橋されている
前記1に記載のメタロセン触媒。 3)X1およびX2が塩素原子である前記1または2に記
載のメタロセン触媒。 4)有機金属化合物(c)が、トリアルキルアルミニウ
ムである前記1乃至3のいずれかに記載のメタロセン触
媒。 5)前記1乃至4のいずれかに記載のメタロセン触媒の
存在下に、芳香族炭化水素を用いずにオレフィンをバル
ク重合することを特徴とするポリオレフィンの製造方法
を提供する。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
成分(A)に使用される(a)脂肪族炭化水素難溶性の
メタロセン化合物は下記一般式(I)または(II)で表
わされる。 (Cp)(Cp*)MX12 (I) (Cp)(Z)MX12 (II)
【0017】式中、CpおよびCp*は、アルキル置換
基の炭素数の合計が2以下のシクロペンタジエニル基、
またはアルキル置換基の炭素数の合計が2以下のインデ
ニル基であり、CpとCp*とは互いに同一でも異なっ
てもよい。また、CpおよびCp*は付加的にアルキル
置換基以外の置換基、例えばアリール基、ハロゲン化ア
リール基、ハロゲン等を有していてもよい。具体的に
は、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、2−
メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、2,4
−ジメチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルイ
ンデニル基等が挙げられる。
【0018】またCpとCp*とは、各々が炭素原子、
珪素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子の中から選ばれ
る1〜3個の原子により架橋されていてもよい。このよ
うな架橋を形成する原子団は以下の式で表わされる。
【0019】―[Y1(R34)]l[Y2(R56)]m
[Y3(R78)]n− 式中、Y1、Y2およびY3は炭素原子、珪素原子、ゲル
マニウム原子、スズ原子のいずれかを表わし、各々同一
でも異なってもよい。Y1、Y2およびY3は好ましくは
炭素原子または珪素原子である。
【0020】R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、炭
素数1〜3の炭化水素基、t−ブチル基、アリール基、
ハロゲンのいずれかであり、各々同一でも異なってもよ
い。R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、好ましくは
炭素数1〜3の炭化水素基またはアリール基である。
l、m、nは0または1〜3の整数であり、かつ1≦l
+m+n≦3である。好ましくは1≦l+m+n≦2で
ある。
【0021】これら架橋を形成する原子団の具体例とし
ては、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、
ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、ジメチルゲルミレン基、ジメチルスタニ
レン基等があげられる。ZはR12N−、R1O−、R1
2P−である。Z中のR1およびR2は炭素数1〜2の
アルキル基またはアルキレン基、炭素数6〜20のアリ
ール基またはアリーレン基、またはトリメチルシリル
基、ジメチルシリレン基、フェニルジメチルシリル基、
ジフェニルシリレン基等の珪素含有基であり、互いに同
一でもよく異なってもよい。またR1およびR2は各々C
pと結合していてもよい。
【0022】Mはチタン、ジルコニウムもしくはハフニ
ウムのいずれかであり、好ましくはジルコニウムまたは
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。X1およびX2はハロゲン、水素原子、アルコキシ
基、アミド基の中から選ばれ、うち少なくとも一つはハ
ロゲンもしくは水素原子である。X1およびX2は各々同
一でも異なってもよい。X1およびX2は、好ましくはと
もにハロゲンであり、特に好ましくはともに塩素であ
る。
【0023】本発明の(a)メタロセン化合物の具体的
例としては、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(η5−メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(η5
1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレン−1、2−ビス(η5−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレ
ンビス(η5−1−インデニル)ジルコニウムジクロラ
イド、エチレン−1,2−ビス[2−メチル−η5
(1−インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジメ
チルシリレンビス[2−メチル−(η5−1−インデニ
ル)]ジルコニウムジクロライド、エチレンビス[2−
メチル−4−フェニル−(η5−1−インデニル)]ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス[2−
メチル−4−フェニル−(η5−1−インデニル)]ジ
ルコニウムジクロライド、エチレンビス[2−メチル−
4−(1−ナフチル)−(η5−1−インデニル)]ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス[2−
メチル−4−(1−ナフチル)−(η5−1−インデニ
ル)]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンシ
クロペンタジエニル(η5−9−フルオレニルジルコニ
ウムジクロライド、およびこれらの混合物等があげられ
る。
【0024】なお、メタロセン化合物(a)としては、
上記の具体例化合物の塩素原子を他のハロゲン原子に置
き換えたものや、ジルコニウムをチタンやハフニウムに
置き換えたものも何ら制限無く使用できる。
【0025】本発明において使用する脂肪族炭化水素
(b)は、いわゆる脂環式炭化水素を包含する。脂肪族
炭化水素(b)の具体例としては、プロパン、n−ブタ
ン、i−ブタン、n−ペンタン、2,2−ジメチルプロ
パン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、
2,3−ジメチルブタン、2,2,3−トリメチルブタ
ン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2
−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,
4−ジメチルペンタン、シクロペンテン、n−ヘキサ
ン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン
やケロシン、パラフィン系オイルおよびこれらの混合物
等が挙げられる。中でも重合体粒子からの除去が容易な
ことから、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン等の炭素数6以下のものが好ま
しく、特にn−ヘキサンが好ましい。
【0026】脂肪族炭化水素の代わりに芳香族炭化水素
を用いたメタロセン触媒によりポリオレフィンを製造す
ると、得られるポリオレフィン中に芳香族炭化水素が残
留するだけでなく、ファウリングの抑制も困難となる。
【0027】本発明で使用する有機金属化合物(c)と
は、アルミノキサンを除く有機アルミニウム、有機リチ
ウム、有機亜鉛、有機マグネシウム化合物等である。有
機アルミニウムとしては、例えばトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミ
ニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類;ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハラ
イド類;エチルアルミニウムセスキクロリド、ジブチル
アルミニウムセスキクロリド等のアルミニウムセスキハ
ライド類;エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアル
ミニウムジクロリド、エチルアルミニウムブロミド等の
ような部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム
類;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニ
ウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピ
ルアルミニウムジヒドリド、ブチルアルミニウムジヒド
リド等のような部分的に水素化されたアルキルアルミニ
ウム類;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルア
ルミニウムエトキシド等の部分的にアルコキシ化された
アルキルアルミニウム類等が挙げられる。
【0028】有機リチウム化合物としては、メチルリチ
ウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−
ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム
等が挙げられ、有機亜鉛化合物としてはジメチル亜鉛、
ジエチル亜鉛等が挙げられ、有機マグネシウム化合物と
してはn−ブチルマグネシウムクロライド、s−ブチル
マグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムクロ
ライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネ
シウムブロマイド、n−プロピルマグネシウムブロマイ
ド、i−プロピルマグネシウムブロマイド、ビニルマグ
ネシウムブロマイド、メチルマグネシウムヨーダイド、
ブチルエチルマグネシウム等が挙げられる。
【0029】これらのうちで、好ましいのは有機アルミ
ニウム化合物および有機リチウム化合物であり、さらに
好ましいのは有機アルミニウム化合物である。有機リチ
ウム化合物の中でも脂肪族炭化水素への溶解性が特に良
好なことから、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウム等の炭素数4以上の炭化水素基
を有するアルキルリチウムが好ましい。有機アルミニウ
ム化合物のなかでは炭素数4以上の炭化水素基を有する
有機アルミニウム化合物が好ましく、トリ−i−ブチル
アルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−
n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミ
ニウム等の炭素数4以上の炭化水素基を有するトリアル
キルアルミニウムが最も好ましい。
【0030】本発明における成分(A)のメタロセン化
合物溶液の調製法には特に制限はなく、前記成分
(a)、(b)および(c)を任意の方法で混合するこ
とが可能である。混合に当たっては通常、窒素やアルゴ
ンといった不活性ガス雰囲気のもとで行なわれる。
【0031】より具体的に説明すれば、(i) メタロセン
化合物(a)に脂肪族炭化水素(b)と有機金属化合物
(c)を同時に加える方法、(ii) メタロセン化合物
(a)に有機金属化合物(c)の脂肪族炭化水素(b)
溶液を添加する方法、(iii)メタロセン化合物(a)に
脂肪族炭化水素(b)と有機金属化合物(c)を逐次に
加える方法、(iv) 脂肪族炭化水素(b)に有機金属化
合物(c)とメタロセン化合物(a)を同時に加える方
法、(v) 有機金属化合物(c)の脂肪族炭化水素(b)
溶液にメタロセン化合物(a)を添加する方法、(vi)
脂肪族炭化水素(b)にメタロセン化合物(a)と有機
金属化合物(c)を逐次に加える方法等である。また後
述の成分(B)の存在下において製造することも可能で
ある。
【0032】これらの混合温度は特に制限はなく、通常
は−78℃〜200℃の範囲であり、好ましくは−30
℃〜120℃の範囲である。また混合時間も特に制限は
なく、脂肪族炭化水素に難溶性のメタロセン化合物が有
機金属化合物と混合されて、十分に溶解するまで行な
う。
【0033】本発明におけるメタロセン化合物溶液(成
分(A))において、メタロセン化合物(a)に対する
有機金属化合物(c)の混合比は、通常メタロセン化合
物中の遷移金属原子1に対して1〜10,000倍であり、好
ましくは5〜2,000倍、さらに好ましくは10〜800
倍である。
【0034】またメタロセン化合物溶液(成分(A))
におけるメタロセン化合物の濃度は通常10-6〜0.09m
ol/リットルの範囲であり、好ましくは10-5〜0.01mo
l/リットルの範囲である。10-6mol/リットル未満でも使
用可能であるが、重合時に多量の溶剤が添加されるため
重合方法が制限されたり、活性の低下や分子量の低下が
起こる場合がある。また0.09mol/リットルを超えると均
一な溶液を得ることが困難となる。
【0035】次に本発明の(B)成分について説明す
る。本発明で使用する成分(B)は、アルミノキサンや
有機ホウ素化合物等、メタロセン化合物と接触すること
によりメタロセン触媒を形成する助触媒成分(d)がシ
リカ等の微粒子担体(e)上に担持されたものである。
助触媒成分および微粒子担体としては公知のものが何ら
制限無く使用できる。
【0036】助触媒成分(d)の例としては、アルミノ
キサンがあげられる。アルミノキサンとしては、1種類
または2種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との
反応によって得られ、公知のものが使用可能である。具
体的には、1種類のトリアルキルアルミニウムより得ら
れるメチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブ
チルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、2種
類のトリアルキルアルミニウムより得られるメチルエチ
ルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチ
ルイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。またこれ
らの複数を混合したものやトリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロライド等により変性されたも
のを使用することも可能である。これらの中でもメチル
アルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルイ
ソブチルアルミノキサンが好ましく、メチルアルミノキ
サン、メチルイソブチルアルミノキサンが特に好まし
い。
【0037】助触媒成分(d)の他の例としては有機ホ
ウ素化合物がある。より具体的に示せば、ジメチルアニ
リニウムテトラキスペンタフルオロボラート、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロボラート、
トリエチルオキソニウムテトラキスペンタフルオロボラ
ート、トロピリウムテトラキスペンタフルオロボラート
等の非配位性イオンを含有するホウ素あるいはアルミニ
ウム化合物、トリスペンタフルオロフェニルボラン、ト
リス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、ト
リス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラ
ン、トリス(ペンタフルオロフェノキシ)ボラン等の非
イオン性の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0038】これらの助触媒成分(d)は微粒子担体
(e)上に担持した形で使用される。微粒子担体に担持
しない場合にはファウリングの抑制が困難である。これ
ら微粒子担体としては任意のものが使用可能である。具
体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、
ジルコニア等の金属酸化物、塩化マグネシウム等の金属
ハロゲン化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム等の金属水酸化物、マグネシウムエトキシド、マグネ
シウムメトキシド等の金属アルコキシド、炭酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、酢酸塩、雲母、タルク等の珪酸マグネシウ
ムや珪酸カルシウム珪酸ナトリウム等の珪酸塩やポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の有機高分子
化合物等が好適に使用できる。これらのうちで好ましい
のは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク等の珪酸マグネ
シウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等の珪酸塩で
ある。
【0039】これら微粒子担体(e)の平均粒子径は、
特に制限はないが、通常0.1〜2,000μmの範囲であり、
好ましくは1〜1,000μm、さらに好ましくは5〜10
0μmの範囲である。また比表面積も特に制限はない
が、通常0.1〜2,000m2/gの範囲であり、好ましくは
10〜1,500m2/gであり、さらに好ましくは100〜
1,000m2/gの範囲である。
【0040】前記助触媒成分(d)を担持した微粒子担
体(e)である成分(B)としては、メチルアルミノキ
サンをシリカやアルミナ上に担持したもの、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボラン、ジメチルアニリニウム
テトラキスペンタフルオロボラート、トリフェニルカル
ベニウムテトラキスペンタフルオロボラート、トリエチ
ルオキソニウムテトラキスペンタフルオロボラート等の
公知のものや、N,N−ジメチルアニリニウムトリス
(ペンタフルオロフェニル)〔p−(クロロジメチルシ
リル)テトラフルオロフェニル〕ボラート、N,N−ジ
メチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)
(p−トリクロロシリルテトラフルオロフェニル)ボラ
ート等の担体に対し化学的に結合可能な化合物をシリカ
やアルミナ上に担持したものが例示される。
【0041】これら成分(B)の中では、入手容易なこ
とからメチルアルミノキサンやトリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボランをシリカやアルミナ上に担持したもの
が好ましく、またファウリングが特に少なく、得られる
重合体粒子の性状が良好なことから、N,N−ジメチル
アニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p−
(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボ
ラート、N,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタ
フルオロフェニル)(p−トリクロロシリルテトラフル
オロフェニル)ボラート等をシリカやアルミナ上に担持
したものが好ましい。
【0042】前記助触媒成分(d)の微粒子状担体
(e)上への担持は、これらを任意の方法で接触させる
ことにより達成されるが、脂肪族炭化水素以外の溶剤を
使用した場合には、これを固液分離や減圧留去等により
得られる(B)成分から十分に除去しておく必要があ
る。
【0043】これらの接触は使用する有機溶剤やその他
の条件を考慮して任意の温度で行なうことができるが、
通常−80℃〜300℃の範囲で行なわれる。接触温度
の好ましい範囲は−50℃〜200℃であり、さらに好
ましい範囲は0℃〜150℃である。また前記助触媒成
分(d)の微粒子状担体(e)に対する使用量に特に制
限はなく任意の量を用いることが可能であるが、通常微
粒子状担体(d)100重量部に対し、助触媒成分
(d)が0.0001〜1,000,000重量部の範囲である。
【0044】次に本発明のメタロセン触媒の調製につい
て説明する。本発明のメタロセン触媒の調製は、前記成
分(A)(メタロセン化合物溶液)と成分(B)(担持
助触媒)とを接触させることにより得られる。成分
(A)と成分(B)の接触は、芳香族炭化水素を用いな
い以外に特に制限は無く、重合を行なう反応器にメタロ
セン溶液と担持助触媒を別々に導入し反応器内で接触さ
せて調製してもよいし、予め反応器の外で接触させた後
に反応器に導入して調製してもよい。
【0045】成分(A)と成分(B)を重合を行なう反
応器に別々に導入し反応器内で重合用触媒を調製させる
場合においては、成分(A)はそのまま反応器に導入で
き、成分(B)はそのまま、あるいは脂肪族炭化水素の
スラリーとして導入することができる。成分(A)と成
分(B)を反応器の外で接触させ重合用触媒を調製する
場合は、メタロセン溶液に助触媒をそのまま添加しても
よいが、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素のスラ
リーとして添加してもよい。
【0046】成分(A)と成分(B)を反応器の外で接
触させ重合触媒を調製する場合、その温度は使用する脂
肪族炭化水素やその他の条件を考慮して任意に決定され
るが、通常は−80℃〜200℃の範囲で行なわれる。
接触温度の好ましい範囲は−50℃〜120℃であり、
さらに好ましい範囲は0℃〜100℃である。成分
(A)と成分(B)との使用割合には特に制限はなく、
成分(B)中の助触媒成分(d)がアルミノキサンの場
合、通常メタロセン化合物(a)中の遷移金属1原子当
たり、アルミニウム原子で1〜100,000である。より高
い重合活性を得るためには、好ましくは10〜10,000、
さらに好ましくは50〜5,000、最も好ましくは100
〜1,000の範囲である。
【0047】成分(B)中の助触媒成分(d)が有機ホ
ウ素化合物の場合、その添加量は前記メタロセン化合物
(a)中の遷移金属1原子当たり、通常0.01〜10,000で
ある。より高い重合活性を得るために、好ましくは0.1
〜1,000、さらに好ましくは0.3〜500、最も好ましく
は0.8〜100の範囲である。
【0048】本発明のポリオレフィンの製造方法は、上
記成分(A)および成分(B)からなるメタロセン触媒
の存在下に、任意のオレフィンをそれ自体液相でバルク
重合するものである。ここでいうバルク重合とは、オレ
フィンを液相の状態で重合することを意味するが、触媒
に含有される脂肪族炭化水素や触媒その他の成分を重合
反応器に投入するために使用される脂肪族炭化水素が液
相に少量含有されていても構わない。
【0049】重合温度に特に制限はないが、通常−20
℃〜200℃未満の範囲である。重合温度の好ましい範
囲は0〜150℃であり、さらに20〜95℃が好まし
く、特に45℃〜85℃が好ましい。
【0050】圧力は常圧〜70kg/cm2の範囲が一
般的であり、得ようとするポリオレフィンの性質や、生
産性などを考慮して適当な範囲を選択できる。また重合
時には、水素の導入や温度、圧力の選定など任意の手段
により分子量を調節することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明のメタロセン触媒によれば、芳香
族炭化水素を使用せずに重合が可能であり、重合時のフ
ァウリングを伴うことなくオレフィンを重合することが
できる。
【0052】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0053】助触媒成分の調製 助触媒−1:シリカ担持メチルアルミノキサン トルエン50mlにシリカ(富士デビソン社製952,
粒径:130μm、比表面積:270m2/g)3.0gを
加えたスラリーに対し、公知の方法にしたがって製造し
たメチルアルミノキサン(Al原子換算で0.35mol/
リットル)のトルエン溶液70mlを添加した。室温で1時
間撹拌した後、トルエンを減圧で留去した。その後、3
0mlのヘキサンで5回洗浄し、助触媒−1を得た。
【0054】助触媒−2:N,N−ジメチルアニリニウ
ムトリス(ペンタフルオロフェニル)(p−トリクロロ
シリルテトラフルオロフェニル)ボラートのシリカ担持
物 1)N,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフル
オロフェニル)(p−トリクロロシリルテトラフルオロ
フェニル)ボラートの製造 1−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル
ベンゼン3.85g(1.86mmol)をジエチルエーテル5
0mlに溶解した。さらに−78℃でn−ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液(1.6mol/リットル)10.5mlを滴下
し、30分間撹拌した。得られた溶液をトリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボランのヘキサン溶液(50mmo
l/リットル)200mlに添加し、25℃で20分間撹拌
することで、生成物を固体として得た。溶液層を除去
後、得られた固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥を行なっ
た。上記で得られた固体1.66gをテトラヒドロフラン1
0mlに溶解し−78℃まで冷却した後、n−ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.6mol/リットル)1.5mlを滴
下し45分間撹拌した。この溶液を四塩化ケイ素2.7m
lをテトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液に添加
し、25℃で15分間撹拌した。この溶液にヘプタン1
00mlを加えた後、テトラヒドロフランを留去した。
ヘプタン層を除去した残分をヘキサンで洗浄後、真空乾
燥した。さらにジクロロメタン50mlを加え不溶分を
除去した後、ジクロロメタンを留去することで1.65gの
生成物を得た。この生成物1.65gをジクロロメタン30
mlに溶解した後、ジメチルアニリニウムクロライド0.
31gを添加し、25℃で5分間撹拌した。不溶分を除去
後、ジクロロメタンを留去、真空乾燥することでN,N
−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)(p−トリクロロシリルテトラフルオロフェニル)
ボラート1.7gを得た。
【0055】2)シリカ担体への担持 ジクロロメタン30mlにシリカ(富士デビソン社製9
52)0.5gを加えたスラリーに対し、前記1)で得た
化合物0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させた溶液
を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除去
しジクロロメタンで洗浄し、助触媒−2を得た。
【0056】助触媒−3:N,N−ジメチルアニリニウ
ムトリス(ペンタフルオロフェニル) 〔p−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニ
ル〕ボラートのシリカ担持物 助触媒−2の調製において、四塩化ケイ素の代わりにジ
メチルジクロロシランを用い、N,N−ジメチルアニリ
ニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p−(クロ
ロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボラート
を調製したのち、同様に調製を行ない、助触媒−3を得
た。
【0057】実施例1 1)メタロセン化合物溶液の調製 ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド
(東京化成株式会社製)1.0mgに対し、市販の1.0mo
l/リットルのトリイソブチルアルミニウム(以下、TIB
Aと略記する。)ヘキサン溶液(関東化学株式会社製)
2mlとヘキサン3mlを添加し、メタロセン化合物溶
液を調製した。
【0058】2)ポリエチレンの製造 1.5リットルのオートクレーブに600mlのイソブタンお
よびイソブタン中の不純物を除去するために0.2mol
/リットルのn−BuLiヘキサン溶液0.5ml加え70℃
に昇温した。上記メタロセン化合物溶液に前記の助触媒
−1を30mg添加し3分間撹拌したものをオートクレ
ーブ中に圧入し、ついでエチレンを10kg/cm2
圧力まで圧入し70℃の温度で30分間重合を行ないポ
リエチレン粒子を得た。オートクレーブ中にファウリン
グは見られなかった。得られたポリエチレン粒子の揮発
成分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、
トルエン等の芳香族炭化水素は検出されなかった。
【0059】実施例2 1)メタロセン化合物溶液の調製 1,2−ビス(η5−1−インデニル)エタンジルコニ
ウムジクロライド(WITCO株式会社製)1.0mgに
ヘキサン3mlを添加したスラリーに対し、市販の1.0
mol/リットルのTIBAヘキサン溶液(関東化学株式会
社製)2mlを添加し、メタロセン化合物溶液を調製し
た。
【0060】2)ポリエチレンの製造 実施例1と同様に行ないエチレンの重合を行ないポリエ
チレン粒子を得た。オートクレーブ中にファウリングは
見られなかった。得られたポリエチレン粒子の揮発成分
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、トル
エン等の芳香族炭化水素は検出されなかった。
【0061】実施例3 1)メタロセン化合物溶液(メタロセン触媒)の調製 1,2−ビス(η5−1−インデニル)エタンハフニウ
ムジクロライド(WITCO社製)1.2mgおよび前記
の助触媒−1を30mgに対し、市販の1.0mol/リット
ルのTIBAヘキサン溶液(関東化学株式会社製)2m
lとヘキサン3mlを混合し、メタロセン化合物溶液
(メタロセン触媒)の調製を行なった。
【0062】2)ポリプロピレンの製造 1.5リットル のオートクレーブにプロピレン8molおよ
び、プロピレン中の不純物を除去するために0.2mol
/リットルのn−BuLiヘキサン溶液0.5ml加え50℃
に昇温した。上記1)で調製したメタロセン触媒をオー
トクレーブ中に圧入し、30分間重合を行ないポリプロ
ピレン粒子を得た。オートクレーブ中にファウリングは
見られなかった。得られたポリプロピレン粒子の揮発成
分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ト
ルエン等の芳香族炭化水素は検出されなかった。
【0063】実施例4 実施例3において、1,2−ビス(η5−1−インデニ
ル)エタンハフニウムジクロライドの代わりに公知の方
法にしたがって調製したビス[2−メチル−4−フェニ
ル−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコ
ニウムジクロライドを、助触媒−1の代わりに助触媒−
2を用いた以外は同様に実施した。オートクレーブ中に
ファウリングは見られなかった。得られたポリプロピレ
ン粒子の揮発成分をガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、トルエン等の芳香族炭化水素は検出されな
かった。
【0064】実施例5 実施例3において、1,2−ビス(η5−1−インデニ
ル)エタンハフニウムジクロライドの代わりに公知の方
法にしたがって調製したビス[2−メチル−4,5−ベ
ンゾ(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコ
ニウムジクロライドを、助触媒−1の代わりに助触媒−
2を用いた以外は同様に実施した。オートクレーブ中に
ファウリングは見られなかった。得られたポリプロピレ
ン粒子の揮発成分をガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、トルエン等の芳香族炭化水素は検出されな
かった。
【0065】実施例6 実施例3において、1,2−ビス(η5−1−インデニ
ル)エタンハフニウムジクロライドの代わりに公知の方
法にしたがって調製したビス[2−メチル−4,5−ベ
ンゾ(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコ
ニウムジクロライドを、助触媒−1の代わりに助触媒−
3を用いた以外は同様に実施した。オートクレーブ中に
ファウリングは見られなかった。得られたポリプロピレ
ン粒子の揮発成分をガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、トルエン等の芳香族炭化水素は検出されな
かった。
【0066】比較例1 実施例1においてTIBAを使用せずにメタロセン化合
物溶液の調製を試みたが、メタロセン化合物は溶解しな
かった。またこの混合物の液相を採取し、実施例1と同
様にポリオレフィンの製造を行なったが、ポリエチレン
は得られなかった。
【0067】比較例2 実施例1において助触媒−1の代わりにメチルアルミノ
キサン(Al原子換算で0.35mol/リットル)のヘキサン
溶液3mlを用いて同様に行なった。オートクレーブ中
にファウリングが見られた。得られたポリエチレン粒子
の揮発成分をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、トルエン等の芳香族炭化水素は検出されなかっ
た。
【0068】比較例3 1)メタロセン化合物溶液の調製 メタロセン化合物としてビスシクロペンタジエニルジル
コニウムジクロライドの100mgを、Na−K合金に
より精製したテトラヒドロフラン5mlに溶解した。こ
の溶液に−20℃で1mol/リットル―メチルリチウムの
エーテル溶液(関東化学株式会社製)1mlを滴下した
後、室温まで昇温し1時間撹拌した。溶媒を留去した
後、Na−K合金により精製したトルエンを加えて塩化
リチウムの沈殿をろ過した後、得られたろ液を留去しジ
シクロペンタジエニルジルコニウムジメチルを得た。上
記で得たジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチル
1.2mgをトルエン1mlに溶解させ、市販の1.0mol
/リットルのTIBAヘキサン溶液(関東化学株式会社製)
5mlを添加し、メタロセン化合物の溶液を調製した。
【0069】2)ポリエチレンの製造 上記1)で得たメタロセン化合物溶液を用い実施例1と
同様に行なった。オートクレーブ中にファウリングが見
られた。得られたポリエチレン粒子の揮発成分をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、トルエンが検
出された。
【0070】比較例4 1)メタロセン化合物溶液の調製 ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド1.2
mgをメチルアルミノキサン(Al原子換算で0.35mo
l/リットル)のトルエン溶液1mlに溶解させた後、ヘキ
サン6mlを添加しメタロセン化合物の溶液を調製し
た。
【0071】2)ポリプロピレンの製造 上記1)で得たメタロセン化合物溶液を用い実施例1と
同様に行なった。オートクレーブ中にはなはだしいファ
ウリングが見られた。また得られたポリエチレンは塊状
であった。得られたポリエチレン塊の揮発成分をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、トルエンが検
出された。
【0072】比較例5 1)メタロセン触媒の製造 実施例3においてトルエンを用いてメタロセン触媒を調
製した後、トルエンを減圧で1時間かけて留去した。そ
の後、ヘキサン5mlを添加しメタロセン触媒とした。
【0073】2)ポリプロピレンの製造 実施例3と同様にプロピレンの重合を試みたが、ポリプ
ロピレンは得られなかった。
【0074】比較例1から判るように有機金属化合物を
使用しないと、メタロセン化合物がヘキサン等の脂肪族
炭化水素に溶解しないことがわかる。また比較例2にお
いては助触媒成分が担持されていないため、ファウリン
グが発生した。比較例3は特開平7-2918号公報に記載さ
れた方法によるものであるが、トルエンを使用している
ためにファウリングが発生し、また得られるポリプロピ
レン中にトルエンが残留する。さらにメタロセン化合物
溶液の調製にあたって、エーテル系溶剤の使用とその精
製や留去、アルキルリチウムとの反応、ろ過による副生
成物の除去など多数の工程を必要とする。一方、本発明
においては実施例において見られるように、入手容易な
メタロセン化合物、特に実施例1、2および3において
は市販のメタロセン化合物と、市販の有機金属化合物の
脂肪族炭化水素溶液をそのまま使用することで目的を達
成することが可能である。比較例4は特開平8-245714号
公報に記載された方法であるが、トルエンおよび溶液の
メチルアルミノキサンを使用しているために著しいファ
ウリングが発生し、得られるポリエチレンは塊状となる
ことが判る。また得られたポリエチレン中にトルエンが
残留してしまう。比較例5では芳香族炭化水素を使用し
てメタロセン触媒を製造した後、脂肪族炭化水素に置き
換えているが、芳香族炭化水素を除去する工程において
メタロセン触媒が変質し、重合活性が殆ど見られなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリオレフィン製造用メタロセン触
媒調製のフローチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二木 一三 大分県大分市大字中の洲2番地 日本ポリ オレフィン株式会社大分研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A):下記一般式(I)または
    (II) (Cp)(Cp*)MX12 (I) (Cp)(Z)MX12 (II) (式中、CpおよびCp*は、互いに同一でも異なって
    もよく、各々炭素数の合計が2以下のアルキル基、ハロ
    ゲン原子、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で
    置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基または
    インデニル基であり、CpとCp*とは炭素原子、珪素
    原子、ゲルマニウム原子、スズ原子の中から選ばれる1
    〜3個の原子団により架橋されていてもよく、 ZはR12N−、R1O−またはR12P−(R1および
    2は、互いに同一でも異なってもよく、各々炭素数1
    〜2のアルキル基またはアルキレン基、炭素数6〜10
    のアリール基またはアリーレン基、または珪素含有基で
    ある。)を表わし、R1およびR2はCpと結合していて
    もよく、 Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、 X1およびX2は、互いに同一でも異なってもよく、各々
    水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアミド基
    を表わし、X1およびX2のうち少なくとも一つはハロゲ
    ン原子である。)で示される脂肪族炭化水素難溶性のメ
    タロセン化合物(a)、脂肪族炭化水素(b)、および
    有機金属化合物(アルミノキサンを除く。)(c)を混
    合し、成分(a)を成分(b)に可溶化して得られるメ
    タロセン化合物溶液、および成分B:助触媒成分(d)
    を担持した微粒子担体(e)、からなるメタロセン触
    媒。
  2. 【請求項2】 CpとCp*、およびCpとZが、炭素
    原子、珪素原子、ゲルマニウム原子およびスズ原子の中
    から選ばれる1〜3個の原子団により架橋されている請
    求項1に記載のメタロセン触媒。
  3. 【請求項3】 X1およびX2が塩素原子である請求項1
    または2に記載のメタロセン触媒。
  4. 【請求項4】 有機金属化合物(c)が、トリアルキル
    アルミニウムである請求項1乃至3のいずれかに記載の
    メタロセン触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のメタ
    ロセン触媒の存在下に、芳香族炭化水素を用いずにオレ
    フィンをバルク重合することを特徴とするポリオレフィ
    ンの製造方法。
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