JPH10212146A - セメント混和剤およびその応用 - Google Patents

セメント混和剤およびその応用

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JPH10212146A
JPH10212146A JP9010838A JP1083897A JPH10212146A JP H10212146 A JPH10212146 A JP H10212146A JP 9010838 A JP9010838 A JP 9010838A JP 1083897 A JP1083897 A JP 1083897A JP H10212146 A JPH10212146 A JP H10212146A
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Hiroyuki Naito
博之 内藤
Hidenobu Hori
英伸 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌や産業廃棄物等の各種固化対象物を不焼
成成型製品、リサイクル二次製品、路盤造成、土壌改
良、建築構造物等の固化体に常温で変換せしめるセメン
トやセメント系固化材に採択されるセメント混和剤とそ
の応用技術を提供する。 【解決手段】 含水フィロケイ酸塩を主成分とする粘土
鉱物からなる粉状担持体(A) に塩類からなる酸根含有化
合物(B) が均質混合されている粉末組成物において;該
粉状担持体(A)100重量部に対して、該酸根含有化合物
(B) が無水物換算で20ないし200 重量部の量範囲で均質
に反応担持されている粉末組成物が100 メッシュ篩を少
なくとも80%通過することを特徴とするセメント混和剤
を基本構成とする。更に、これを用いた固化体製品、建
設系産業廃棄物の再利用法、路盤の造成方法、油分含有
産業廃棄物の処理方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水フィロケイ酸
塩粘土鉱物からなる粉状担持体(A) に酸根含有化合物
(B) を反応担持せしめたセメント混和剤とその応用に関
し、より詳しくは、土壌や産業廃棄物等の各種固化対象
物を不焼成成型製品、リサイクル二次製品、路盤造成、
土壌改良、建築構造物等の固化体に常温で変換せしめる
セメントやセメント系固化材(E) に採択されるセメント
混和剤とその応用に関する。
【0002】
【用語の定義】本明細書で用いられる下記の用語は、つ
ぎのように定義される。
【0003】『その応用』:本発明の名称で用いている
「その応用」とは、本発明のセメント混和剤を採択する
具体的施工現場における該混和剤の使用法や利用法等の
手段ならびに該混和剤を用いた対象材料の処理方法、ま
た該混和剤を用いた固化体製品をいう。
【0004】『セメント』:JIS R 5200で規定されてい
るポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸
熱、耐硫酸塩)や混合セメント(高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメント)、さらには特殊セ
メントとして(白色ポルトランドセメント、アルミナセ
メント、超速硬セメント、コロイドセメント、膨潤セメ
ント、その他特殊セメント)を総称していう。
【0005】『含水フィロケイ酸塩粘土鉱物類』粘土鉱
物の内、Si-Oの四面体を中心に互いに結合し、層状ケイ
酸塩を形成している含水ケイ酸塩の粘土鉱物をいう。代
表的には、1:1 層の型カオリナイトやハロイサイトがあ
り、2:1 層の型のパイロフィライト、タルク、スメクタ
イト、モンモリロナイト、バーミキュライト等を挙げこ
とができる。
【0006】『吸湿粉末度』100 メッシュ篩全通の試料
100 gを25℃における関係湿度90%が維持されている雰
囲気中(デシケーター中)に24時間放置し、ついでこの
試料を100 メッシュ篩を用いて軽い振動による篩い別け
を行い、この時の篩い通過量が95%以上の場合を試料に
吸湿性がなく吸湿粉末度に「合格」とし、篩い通過量が
95%未満の場合を試料に吸湿性があり凝集していること
から「不合格」とした。
【0007】『セメント系固化材』:ポルトランドセメ
ントを中心材料とする水硬性の固化材を総称しており、
固化目的に応じて高炉セメント、フライアッシュや各種
のポゾラン等が混合配合されたり、各種の硬化促進剤や
硬化遅延剤等の添加剤や混和剤が配合された所謂特殊セ
メントを含めていう。なお、本明細書では、本発明の粉
末セメント混和剤が配合されたセメント系固化材を「複
合セメント系固化材(E) 」と略記する。
【0008】『水含有の建設系産業廃棄物』:「廃棄物
処理および清掃に関する法律」に定義されている産業廃
棄物の中、建設工事において水を伴って発生する、高含
水比の建設汚泥や含水掘削残土を総称していい、ここで
は一般に建設副産物とされている掘削残土をも含める。
【0009】
【従来技術】セメントは、ほとんどの場合そののま使用
されることはなく、セメントに水と骨材が加えられて
セメントペースト、モルタル、コンクリートとな
り、建築や土木の分野で、また各種のセメント製品に加
工されて広く使用されている。しかもこの応用時点にお
いて、硬化を促進させるためもしくは強度を増大させる
ために、各種の混和剤や添加剤が添加配合されている。
【0010】一方、技術・産業・社会の分野では、その
構造変革と進歩に伴ってグローバルな課題である地球環
境問題が、人類の危急存亡のテーマとして真剣に取り組
まねばならない現実となっている。こうしたことから、
各所で副生してくる廃棄物、特に産業廃棄物を処理・処
分せねばならない必要性が飛躍的に増大している。しか
も、これら産業廃棄物を地盤中や海洋中に投棄するとい
う単純で安易な処理・処分方法は安全性の面からも許さ
れない現状にある。
【0011】したがって、今や産業廃棄物の処理・処分
は、安全が確保された上で積極的にリサイクルされる方
向での有効利用や再利用が必須の課題とされている。こ
の点では建設工事に伴って発生する廃棄物、特に建設残
土である高含水比汚泥や含水掘削残土等に関しても同じ
であり、資源を再利用する立場から建設残土等を建設副
産物として積極的に有効利用することが問われている。
【0012】建設残土の高含水比汚泥や含水掘削残土を
固化処理する技術では、建設残土にセメント系固化材を
添加配合し、流動性のある泥状体から取り扱いやすい固
形状の顆粒状物や砂状に変換することによって有効再利
用がなされている。しかし、これらの固化処理は建設現
場における作業であることから、汚泥等の泥状流動体を
そのまま現場に放置することは許されず、早期に処分も
しくは再利用可能な固形状の顆粒状物や砂状に変換させ
ることが必須である。そのためにこれらの水含有の建設
系産業廃棄物を安価で素早く固化させるセメントもしく
はセメント系固化材が求められ、ここに有効なセメント
混和剤が求められている。
【0013】また一方、産業廃棄物の再利用に留まら
ず、建築や構造物の製造分野さらにはコンクリート製品
製造の分野においても、これらセメント製品を高強度に
確保できることが一般に求められており、セメント製品
に高強度を発揮させるセメント添加剤や混和剤が各種検
討されてきた。
【0014】このように産業廃棄物を処理・処分し、建
設副産物を有効利用するために、またセメント製品に高
強度を付与せしめるために用いられる固化材、特にセメ
ントやセメント系固化材の利用方法、さらにはセメント
系固化材に添加配合される混和剤に関しては多くの研究
・開発が行われてきた。したがって、これらセメント類
を利用した固化処理技術が多くの成果を挙げている。こ
のようにセメントの硬化作用に対してその硬化を、促進
させたり、遅延させたり、急結させたり、固化体強度を
増大させたりする添加剤がセメント混和剤として各種市
販されており、それぞれ目的の応じて採用されている。
【0015】一般にセメント混和剤としては、ケイ酸ア
ルカリである水ガラスやケイ酸ソーダー;水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化
物;塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニ
ウム、塩化ナトリウム等の塩化物;炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の炭酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;ミョウバン、ケイフ
ッ化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カ
ルシウム等の無機系塩類の粉末やその水溶液が、さらに
は有機化合物であるグリセリンやエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等の化合物が知られており、それぞれ
の目的に応じてこれらの単独もしくはその複合化合物ま
たはそれらの水溶液から選び用いられているのが現状で
ある。
【0016】これら混和剤の中でも塩化カルシウムは代
表的で、塩化カルシウムの各種条件下におけるセメント
への凝結・硬化作用等に対する有効性については多くの
研究が行われている。例えば「セメント技術年報」319,
(1952)に塩化カルシウムをセメント混和剤として用いた
時の詳細な研究成果を篠原により報告されている。しか
し、これら混和剤となる塩化物や硫酸塩は一般に吸湿性
もしくは潮解性があり、粉末製品とした場合に棚寿命性
がなく、しかもこれら塩類が吸湿した時の水溶液pHは4
未満の酸性を示すことから粉末で商品化できず、やむな
く溶液状態で商品化され、市販され、使用されているの
が現状である。
【0017】一方、セメント類は粉末で提供されるが、
硬化促進作用が期待できるセメント混和剤は一般に吸湿
・潮解性を有することから液体で供給されている。した
がって、この両者機能を同時に充分に満足させる単一製
品での商品提供は行われていない。ただ一部、超速硬セ
メント等に応用されている例に留まっている。
【0018】粉末状態で提供されているセメント混和剤
の例として、無水の硫酸アルミニウムを硬化促進剤とし
て有効に採択している技術が特公昭54-1732 に開示され
ている。しかるにこの開示技術では、この無水の硫酸ア
ルミニウムを微粉末にして吸湿・潮解性に配慮したり、
含水フィロケイ酸塩に反応担持させて微粉末のセメント
混和剤に応用している技術開示はない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】セメントの水和を促進
させる混和剤として使用されている硫酸塩や塩化物は一
般に結晶水を有しており、しかも吸湿・潮解性であるこ
とから粉体での取り扱いはできない。仮にこれらの混和
剤を粉体で扱っても、結晶水を有し吸湿・潮解性のある
塩類を予め粉末のセメント類に接触せしめたり、一体化
しておくことはセメントを変質させることから許されな
い。したがって、セメント混和剤は水に溶解せしめた液
体に変えて調製されており、セメントの施工現場でセメ
ントを水添加によるペースト調製工程においてはじめて
別途特別に計量配合する煩雑さは免れられない。したが
って下記に示す種々の課題を残している。
【0020】その第一は、粉状のセメント類に混和剤が
直接配合混合された単一のセメント系固化材製品はな
く、これらを現場で個別に計量し、混合する等の作業を
必要とする煩雑さがある。その二は、固化させる対象物
が水分を除去したい高含水比汚泥である時には、この泥
状にさらに水分を加える矛盾を抱えている。その三は、
混和剤が溶液で製品化されているため製品には多量の水
を含有しており、この有効成分でない多量の水に輸送コ
ストを掛けている。しかも、その四として、溶液製品を
現地に運び込んだ容器の使用後の後処理・処分にも問題
がある。
【0021】しかも一般的にセメント混和剤を採用する
時は、セメントに特定される効果を期待して採用する
が、同時にこの時他の面で特定される効果に犠牲を払わ
ねばばならない傾向にある。その中でも避けられないつ
ぎに示す二つの問題点がある。
【0022】セメントに硬化促進剤が配合されたセメ
ントペーストは急速に硬化する。その結果、生成固化体
に硬化歪が生じ、この硬化歪はその歪を解消するために
固化体中に細かいヘヤクラックを発生させる傾向にあ
る。したがって、このようセメント固化体では一定の養
生期間後、例えば養生3週目頃よりその強度は寧ろ低下
する傾向にある。しかも細かいヘヤクラックが発生した
固化体では、寒冷地で起きる凍結融解に耐えることがで
きず、多くのトラブルを引き起こしている。
【0023】塩化カルシウム等の塩化物がセメント混
和剤として使用される時、特に鉄筋コンクリート構造体
に使用される時は、この塩化物の塩素イオンが鉄筋を腐
食させ、この時生成する酸化鉄のボリュウムによりコン
クリートにクラックが発生するトラブルが避けられな
い。したがって、塩化物、例えば塩化カルシウムや海水
等をセメントに配合せざるを得ない時には、その添加は
2 %以内に抑えるべきであると指導されている。
【0024】さらにまた、セメント系固化材の役割を補
助する「セメント混和材」と総称さる添加混合材料、例
えばフライアッシュ、高炉スラッグ、ポゾラン類は水に
対して不溶性もしくは難溶性であることから、これらを
水溶液で供給されるセメント混和剤と一緒に予め溶解混
合せしめた単一混合の製品にしておくことは不可能であ
り、セメント使用に際してこれら補助的材料を必要とす
る時も別途に取り扱う煩雑さは免れられない。
【0025】さらにまた、セメントに対する混和剤でセ
メントに固定化されない水可溶性の塩類、特にアルカリ
イオン類は空気中の炭酸との反応によりセメント固化体
表面に微粉状の炭酸アルカリからなる白い粉吹き現象
(白華現象)をおこす傾向にあり、この白華現象の原因
となるアルカリイオンをセメントに添加することは避け
る必要がある。また、同様の現象はセメントの水和反応
で副生する水酸化カルシウムによっても起ることから、
副生する水酸化カルシウムをフリーにせず固定化して白
華現象を解消することも必要がある。
【0026】セメントもしくはセメント系固化材を用い
て応用される分野に、不焼成で各種の形状に製造できる
固化体、例えばコンクリート製品の分野がある。しか
し、従来不焼成で製造されたコンクリート製品は、高温
で焼き上げたセラミック製品に比べて強度が低く、その
用途先はおのずと限定される傾向にあった。しかし産業
廃棄物等の再利用に際し、省エネルギーで地球環境に優
しさが求められる立場から、高温焼成で製造されるセラ
ミック製品に代わり安価なセメントを用いて不焼成で、
しかも高生産性で製造されるコンクリート製品が求めら
れている。しかもこの時のセメント固化を早期に高硬度
で完成させ、しかもセラミック製品に負けない強度を有
する製品の製造が期待できるセメント混和剤が求められ
ている。
【0027】また、一般に有機質化合物を含有する土、
骨材、産業廃棄物等を含む被固化材料をセメント系固化
材で固化しようとする時、含有する有機質化合物がセメ
ントの水和反応を阻害して、硬化がうまく進行せず強度
のある良好な固化体を製造することができない傾向にあ
る。これら有機質化合物を含有する被固化材料等をも固
化させコンクリート製品とする技術の確立が求められて
いる。
【0028】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、土や高含水比
汚泥・含水掘削残土等の建設系産業廃棄物をリサイクル
土として有効利用するために、また各種の産業廃棄物等
を固化体製品として有効利用するために採択される粉末
状のセメントもしくはセメント系固化材に直接配合可能
な速効性で高強度が期待できるセメント混和剤を提供
し、さらにこれを有効利用する手段ならびにこれを用い
た各種の不焼成製品を提供することにある。
【0029】
【課題を解消するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、含水フィロケイ酸
塩を主成分とする粘土鉱物からなる粉状担持体(A) に塩
類からなる酸根含有化合物(B) が均質混合されている10
0 メッシュ篩を少なくとも80%通過する粉末組成物を基
本構成とするものである。
【0030】すなわち、本発明によれば、含水フィロケ
イ酸塩を主成分とする粘土鉱物からなる粉状担持体(A)
に塩類からなる酸根含有化合物(B) が均質混合されてい
る粉末組成物において;該粉状担持体(A)100重量部に対
して、該酸根含有化合物(B)が無水物換算で20ないし200
重量部の量範囲で均質に反応担持されている粉末組成
物が100 メッシュ篩を少なくとも80%通過することを特
徴とするセメント混和剤が提供される。
【0031】また、本発明によれば、前記の酸根含有化
合物(B) が、粉状担持体(A) の含水フィロケイ酸塩を主
成分とする粘土鉱物の塩基性成分に塩酸、硝酸または硫
酸の単独ないしは2種以上の組み合わせからなる無機酸
を反応せしめて生成する塩類であるセメント混和剤が提
供される。
【0032】また、本発明によれば、前記の酸根含有化
合物(B) が下記一般式(1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム金属ないしは鉄金属の単独ないしは2種以上の組
み合わせからなる元素であり、Yは塩酸、硝酸、硫酸、
ホウ酸、炭酸、アルミン酸またはケイ酸の単独ないしは
2種以上の組み合わせからなる酸根であり、aは酸根の
価数に相当する数であり、bは金属元素の価数に相当す
る数である)で表わされる塩類であるセメント混和剤が
提供される。
【0033】また、本発明によれば、前記の粉状担持体
(A) に酸根含有化合物(B) が均質混合された組成物が12
0 ないし 600℃の温度で反応担持されている粉末組成物
であるセメント混和剤が提供される。
【0034】また、本発明によれば、前記の粉状担持体
(A) に酸根含有化合物(B) が均質に反応担持されている
粉末組成物の10重量%水サスペンジョンpHが6 以上9 未
満の範囲にあるセメント混和剤が提供される。
【0035】また、本発明によれば、前記の粉状担持体
(A) に酸根含有化合物(B) が均質に反応担持されている
粉末組成物を関係湿度90%に24時間放置した時の吸湿粉
末度が100 メッシュ篩全通であるセメント混和剤が提供
される。
【0036】また、本発明によれば、前記セメント混和
剤 100重量部に対して、アルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩または水酸
化物の単独ないしは2種組み合わせからなる粉末アルカ
リ性填剤(C) が300 重量部以下の量で均質混合されてい
る複合粉末組成物の10重量%水サスペンジョンのpHが9
ないし13の範囲にあることを特徴とする複合セメント混
和剤が提供される。
【0037】また、本発明によれば、前記セメント混和
剤 100重量部に対して、100 ℃乾燥基準でSiO2含有量が
25重量%以上であるケイ酸含有化合物の単独ないしは2
種以上の組み合わせからなる粉末混和材(D) が500 重量
部以下の量で均質混合されている複合粉末組成物の10重
量%水サスペンジョンのpHが6 ないし13の範囲にあるこ
とを特徴とする複合セメント混和剤が提供される。
【0038】また、本発明によれば、前記セメント混和
剤である粉末組成物100 重量部に対して、水が50ないし
1,000 重量部の範囲で添加されて水分散状態を形成して
いることを特徴とする水分散型セメント混和剤が提供さ
れる。
【0039】また、本発明によれば、前記セメント混和
剤である粉末組成物100 重量部に対して、粉末セメント
が100 ないし10,000重量部の範囲で混合配合されている
ことを特徴とする複合セメント系固化材(E) が提供され
る。
【0040】また、本発明によれば、前記複合セメント
系固化材(E)100重量部に対して、有機質成分を0 を含む
20重量%以下の量で含有している被固化材料(F) が300
ないし1,000 重量部の範囲で、水が30ないし120 重量部
の範囲で添加混合・養生されて不焼成で形成されている
ことを特徴とする固化体製品が提供される。
【0041】また、本発明によれば、前記複合セメント
系固化材(E) 100 重量部を水含有の流動性建設系産業廃
棄物(G) の250 ないし2,000 重量部の範囲に添加混合
し、養生 1時間後の圧縮強度が0.05 N/mm2以上である固
形体に変化させることを特徴とする建設系産業廃棄物の
再利用法が提供される。
【0042】また、本発明によれば、前記複合セメント
系固化材(E) 10重量部を路盤造成予定土壌100 容積部に
均質散布により添加し、ついで水を散布して土壌と共に
混和・養生せしめて路盤を造成せしめることを特徴とす
る路盤の造成方法が提供される。
【0043】また、本発明によれば、油分含有産業廃棄
物の油分100 重量部に対してスメクタイト系粘土鉱物か
らなる油分吸着剤(H) の少なくとも100 重量部を予め混
合して油分を吸着せしめた後、前記複合セメント系固化
材(E) 100 重量部に対して、油分吸着剤(H) が配合され
た油分含有産業廃棄物を300 ないし1,000 重量部の範囲
で、水が30ないし120 重量部の範囲で添加混合・養生せ
しめて固形体に変化させることを特徴とする油分含有産
業廃棄物の処理方法が提供される。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明者等は、従来使用されてき
たセメントの硬化促進剤が、一般に吸湿・潮解性の塩類
を液体で供給されていることから、この硬化促進剤をセ
メント粉末と同レベルの吸湿・潮解性のない粉末で取り
扱いができ、セメント混和剤としての機能を効率よく発
揮する粉末組成物材料を求めて鋭意検討・研究を行っ
た。
【0045】その結果、含有水分量が20重量%以下で実
質的に100 メッシュ篩を全通する含水フィロケイ酸塩を
主成分とする粘土鉱物類の粉体を担持体(A) として選
び、担持体(A) にセメントの硬化促進作用を有する塩類
を反応・担持させた粉末組成物は、吸湿・潮解性がなく
セメント混和剤としての役割が充分発揮され、本発明の
目的を効率よく達成することを見出した。
【0046】しかも、ここで採択される含水フィロケイ
酸塩を主成分とする粘土鉱物類がセメントに配合される
時は、単なる担持体としての役割だけでなく、ポゾラン
効果を発揮する微粉末のシリカもしくアルミノケイ酸塩
としての役割も果し、セメント固化体の緻密度を向上さ
せ、固化体硬度を向上させるセメントもしくはセメント
系固化材の混和材料(混和剤)としても好適であること
が判明した。
【0047】さらに本発明者等は、硬化促進剤が粉体で
取り扱えることに鑑み、セメント系固化材に予め直接混
合できる硬化促進剤の検討・研究開発を行った。その結
果、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、炭酸、アルミン酸、ケ
イ酸等の無機酸の酸根を有する酸根含有化合物を結晶水
を持たない無水の塩類で選んでも、これら無水の塩類が
セメント系固化材の硬化促進剤として有効に機能するこ
とをも見出した。
【0048】セメントは、セメント粉末に水が加わる
と、セメントクリンカー中のケイ酸カルシウム(エーラ
イト:3CaO・SiO2 とピーライト:2CaO・SiO2)やアルミネ
イート相(3CaO・Al2O3)とフェライト相(4CaO・Al2O3・F
e2O3)は水と反応(水和反応)して新しい水和化合物を
形成し、凝結過程を経て硬化過程により水和生成物を形
成し、この水和生成物が絡み合って強固な固化体マトリ
ックスを形成する。
【0049】このようにセメントクリンカーと石こうか
らなるセメント粒子に水が接触するとアルミネイート相
とケイ酸カルシウムは、特に3CaO・Al2O3のアルミネイー
ト相は急速に水和反応を進行させ、放置すればそのまま
固化体を形成してしまい、この状態ではモルタルやコン
クリート施工の作業性を確保することはできない。
【0050】しかし実際には、共存する石こうが水に溶
けてアルミネイート相の3CaO・Al2O3と反応してエトリン
ガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・31〜33H2O)またはモノサル
フェイト水和物(3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O)をアルミネイ
ート相表面に被膜状に生成して内部のアルミネイート相
と水との水和反応を抑制する傾向にある。またケイ酸カ
ルシウムにおいては3CaO・SiO2 と水の反応で3CaO・SiO2
表面に3CaO・SiO2 の水和物が被膜を形成する。そのため
その後の水和反応を抑制される傾向にある。
【0051】このように初期は急激に反応が進行するセ
メントもこのスピードで水和反応が完成するのでなく、
実際の水和反応は緩やかなスピードで進行して行く。こ
の過程におけるケイ酸カルシウムからケイ酸カルシウム
水和物(nCaO・SiO2・mH2O)の生成に伴って、水酸化カル
シウム(Ca(OH)2)が遊離副生してくる。一方、セメント
粒子表面には水和反応物が被膜状に生成することからセ
メント粒子内部には未反応のセメントクリンカーが取り
残される状態となる。この副生する水酸化カルシウムと
未反応のセメントクリンカーは生成する水和物による固
化体強度には寄与せず、むしろ固化体強度を低下させる
傾向にある。
【0052】本発明の重要な特徴は、本発明のセメント
混和剤がセメントの水和で副生してくる水酸化カルシウ
ムや未反応のセメントクリンカーに作用して、これらの
化合物を固化体強度に貢献する水和化合物に変換させる
ことにある。即ち、副生遊離した水酸化カルシウムや未
反応のセメントクリンカーに本発明セメント混和剤が効
率よく作用反応して、固化体硬度に貢献するケイ酸カル
シウム水和物やエトリンガイト・モノサルフェイト水和
物を別個に新たに形成せしめることにある。
【0053】この結果、本発明のセメント混和剤が配合
されて施工されたセメント固化体においては、セメンテ
ィング処理効果の向上と、モルタルやコンクリートの固
化体強度の向上を可能にするものと思われる。したがっ
て本発明においては、副生遊離した水酸化カルシウムや
粒子内部に残る未反応のセメントクリンカーに反応し
て、固化体強度に貢献できる新たな水和物の生成を可能
にする硬化促進剤を取り扱いやすい粉状体でセメント混
和剤として提供する所に重要な意味がある。
【0054】含水フィロケイ酸塩粘土鉱物類に関しては
定義の項で説明したように、粘土鉱物の内のSi-Oの四面
体を中心に互いに結合した層状ケイ酸塩構造を基本体と
する含水の層状粘土鉱物を総称していう。この層状ケイ
酸塩には、六角網状の層状体と四角網状の層状体とに大
別されている。大部分の粘土鉱物は六角網状の層状体か
ら形成されている。このフィロケイ酸塩を構成する単位
は、面、シート、層の3つに区別されており、シートに
は四面体シートと八面体シートとがある。
【0055】四面体シートは、(Si、Al)2O5の組成を持ち
Si4+またはAl3+を4つのO2- が囲んだ四面体が六角網状
に広がったものである。八面体シートは、Al3+、Mg2+、Fe
2+、Fe3+、Cr3+、Mn2+、Ni2+、Li+、などの中型の陽イオ
ンを6つの(OH)- またはO2-が囲んだ八面体が陵を共有
して2次元的に広がった状態で構成されており、基本的
にAl2(OH)6の組成を持つAl3+のような3価の陽イオンを
含むときには八面体の陽イオンの位置が1/3 は空席にな
った状態にあり、この状態を2−八面体と呼んでいる。
また、Mg2+やFe2+のような2価の陽イオンの場合はすべ
ての八面体が満席になっており、この状態を3−八面体
と呼んでいる。
【0056】この四面体シートと八面体シートで構成さ
れる単位層が層状に重なって粘土鉱物を形成しており、
層と層との間に水分子を伴い陽イオンが入ることが多
く、一般に水分を20重量%以下の量範囲で含有してい
る。この粘土鉱物分類によれば、1:1層の型のカオリ
ナイトでは2八面体型にカオリナイトやハロイサイトが
あり、3八面体型にクリソタイルやアメサイトがある。
一方、2:1層の型にはパイロフィライト、スメクタイ
ト、バーミキュライト、雲母、緑泥石があり、2八面体
型にパイロフィライト、モンモリロナイト、バーミキュ
ライト、白雲母、ドンバサイト等があり、3八面体型に
タルク、サポナイト、ヘクトナイト、バーミキュライ
ト、金雲母、クリノクロア等がある。
【0057】しかし一般に、2八面体型の2:1層のモ
ンモリロナイト等のフィロケイ酸塩粘土鉱物は、1:1
層のカオリナイト等のフィロケイ酸塩粘土鉱物に比べ
て、含有するアルミニウムとケイ素の結合が不安定であ
り反応性に富み、比表面積も一般に大きく、吸着性能も
高く、粉状での担持能力に優れている。
【0058】本発明では上記した含水フィロケイ酸塩を
粉状担持体(A) の代表的粘土鉱物として挙げることがで
きる。この中でもモンモリロナイト粘土鉱物は、粉状で
の担持能力に優れて、入手が容易であることから好適で
ある。モンモリロナイトは、(Na,Ca1/2)0.33(Al 1.67Mg
0.33)Si4O10(OH)2の組成構造式(但し層間水は省略)で
示される。このモンモリロナイトでは、正負の荷電間の
距離は大で、相互作用の力は弱く、容易に陽イオン交換
が起きる。また環境によって層間水の量も変わり、水や
有機物が層間に入って底面間隔を広げる傾向にあり、膨
潤性がある。このモンモリロナイトにはベントナイトや
膨潤性がそれほど大きくないサブベントナイト(酸性白
土)が分類されている。
【0059】しかし、含水フィロケイ酸塩は一般に天然
産の鉱物であることから、各種の不純物を共存している
ことが多い。したがって本発明においては、不純物を共
存している含水フィロケイ酸塩の場合、粘土鉱物として
の有効成分、例えばモンモリロナイトを少なくとも50重
量%以上含有しいる粘土鉱物であれば、本発明の目的を
損なうことなく粉状担持体(A) として採択することがで
きる。
【0060】粉状担持体(A) として採択する含水フィロ
ケイ酸塩は、乾燥粉末であることが大切である。その含
有水分量は20重量%以下、好適には18重量%以下の乾燥
粉末であり、その粉末度は、実質的に100 メッシュ篩を
通過する粒径に粉砕・分級されていることが本発明の粉
末セメント混和剤として好ましい。
【0061】粉状担持体(A) の含有水分量が20重量%以
上である時は、担持させる水可溶の酸根含有化合物(B)
の均質な反応・担持が困難となる。また、粉状担持体
(A) が100 メッシュ篩を通過しない大きさの粒径である
時は、硬化促進剤化合物との均質な接触が期待できず、
担持体としての有効な役割が果たせず、本発明の粉末混
和剤としての役割を充分に発揮することはできない。
【0062】本発明の粉状担持体(A) に担持・反応され
る酸根含有化合物(B) としては、下記一般式(1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム金属ないしは鉄金属の単独ないしは2種以上の組
み合わせからなる元素であり、Yは塩酸、硝酸、硫酸、
ホウ酸、炭酸、アルミン酸またはケイ酸の単独ないしは
2種以上の組み合わせからなる酸根であり、aは酸根の
価数に相当する数であり、bは金属元素の価数に相当す
る数である)で表わされる塩基性成分と酸根からなる塩
類化合物がセメント系固化材の混和剤として有効に作用
して好適である。
【0063】本発明の酸根含有化合物(B) の塩基性成分
として、アルカリ金属元素では、リチウム、ナトリウム
およびカリウムが入手の容易さならびに安価であること
から好適である。アルカリ土類金属では、マグネシウム
とカルシウムを挙げることができ、この他にストロンチ
ウムやバリウムも挙げられるが、ストロンチウムは高価
であり、バリウムは重金属であることから毒・劇物の指
定を受けており本発明の原材料としては適さない。さら
に本発明においては、アルミニウム金属元素ならびに二
価もしくは三価の鉄金属元素が安価であり、塩化物、硫
酸塩ならびにケイ酸塩として入手容易であることから好
適である。
【0064】本発明の酸根含有化合物(B) の酸根とし
て、無機酸である塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、炭酸、ア
ルミン酸、ケイ酸等が、セメントと水との反応で遊離し
ている水酸化カルシウムや未水和反応のセメントクリン
カーとの反応を有効に励起させるイオン性化合物として
有効であることから特に好ましい。
【0065】本発明で採択される酸根含有化合物(B) の
代表的具体例を無水物で表わせば、硫酸アルミニウム、
硝酸アルミニウム、硫酸第二鉄、ケイ酸リチウム、硫酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸
ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、塩化
カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸
マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の塩類化合物も
しくはこれらの複合化合物を挙げることができる。なか
でも、硫酸塩はアルカリサイドで安定であることから、
セメントとの混合におけるトラブルの心配がなく好適で
ある。一般にこれら塩類化合物は、それぞれの量で結晶
水を持っている。しかし、実施例を含む本明細書で扱わ
れるこれら酸根含有化合物(B) の塩類化合物数量は、特
記しない限りそれぞれ「無水物」に換算して表示する。
【0066】さらに本発明で採択される酸根含有化合物
(B) には、ケイ酸カルシウムを主成分とするウォラスト
ナイトやアルミン酸カルシウムを主成分とするアルミナ
セメント、さらには一般に用いられているセメントクリ
ーカー、フライアッシュや高炉スラッグ等の複合化合物
も上記塩類と共に本発明で併用することができる。
【0067】また本発明において重要なことは、本発明
で粉状担持体(A) として採択されるフィロケイ酸塩が含
有するアルミニウム金属元素を主体とする塩基性成分に
無機酸を反応せしめることによって、このフィロケイ酸
塩中で該塩基性成分と無機酸の反応により塩類を生成せ
しめ、この生成塩類がセメントの硬化促進剤成分として
も有効に作用し、活用されることを見出したことにあ
る。
【0068】さらにまた本発明においては、フィロケイ
酸塩中の塩基性成分に無機酸を反応せしめて本発明で必
要な酸根含有化合物(B) をフィロケイ酸塩中で調製でき
ることに鑑み、前記フィロケイ酸塩に予め積極的に各種
塩基性成分である、例えば水酸化アルミニウム、カルシ
ヤ、マグネシヤ、鉄酸化物、アルカリ金属等の化合物を
混合添加して予め複合された担持体に調製してから無機
酸と反応せしめることによって、水可溶性の塩類をフィ
ロケイ酸塩中で生成・担持せしめて、本発明に必要な酸
根含有化合物(B) の質と含有量を調製することが可能と
なる。
【0069】この時用いる無機酸としては、鉱酸である
塩酸、硝酸 または硫酸の単独もしくは2種以上の組み
合わせからなる混酸をそのまま、または水に希釈して用
いることができる。これら無機酸は担持体(A) となるフ
ィロケイ酸塩と均質混合後、必要に応じて120 ないしは
330 ℃で加熱反応せしめ、セメント混和剤として有用な
酸根含有化合物(B) を粉体担持体中で生成せしめること
が可能となる。
【0070】さらに本発明において採択される酸根含有
化合物(B) の中でも、硫酸イオン、アルミニウム元素、
ケイ酸カルシウム、アルミン酸カルシウム等を選ぶ時
は、これらの化合物は、セメントの水和反応で副生して
くる水酸化カルシウムを取り込み反応してセメント固化
体構成要員のエトリンガイトやモノサルフェイト等の水
和物を別枠で形成・固定して、これらの化合物が単なる
添加剤でなく固化体形成に有効に機能することから好適
である。
【0071】しかし、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属元素は、本発明の混和剤をアルカリ性に維持する
面からは重要であるが、セメントの結晶性水和物の構成
員になり得ず、セメント固化体中に固定化されることが
なく、むしろ形成した固化体中から水との接触により溶
出して空気中の炭酸ガス等と反応し、微細な粉となる炭
酸アルカリを生成による白華現象を起こすことから好ま
しくない。
【0072】また酸成分中の塩素イオンは、未反応のセ
メントクリンカーに触媒的に作用して反応を促進させる
面では重要であるが、鉄筋コンクリートの鉄筋を腐食さ
せること、ならびに生成セメント固化体中に固定される
ことなく、固化体が水と接触する時は、この塩素イオン
が外部に流失して二次公害、例えば植物に対する塩害を
引き起こす傾向があることから好ましくない。
【0073】従来セメントの硬化促進剤として利用され
ている塩類の水溶液pHは6 未満の酸性を呈している。し
たがって、アルカリ性のセメントクリンカー粉末とこの
酸性塩類とが水を介して接触すると急激な反応を生起し
て、全体を均質でマイルドな反応は期待できない。その
結果、セメントマトリックス形成に必要な結晶性水和物
の正規な生成を期待することができず、固化体中に硬化
歪を残し、ヘヤクラック等の発生を誘引し、固化体強度
を低下させる傾向にある。
【0074】本発明において重要なことは、酸根含有化
合物(B) の種類と量割合を特定して選び担持・反応させ
た本発明の粉末混和剤の10重量%水サスペンジョンのpH
が6以上9 未満、好ましくは8 未満の範囲に調整されて
いることにある。この結果、セメントクリンカーとの急
激な水和反応が抑制され、均質にして有効な水和物を形
成させ、高硬度セメント固化体の生成が期待できる。し
かも粉末混和物が中性であることから施工取扱に危険が
なく、棚寿命性もあり、包装形態も後処分容易な紙袋の
採用で充分であり、本発明の目的を効果的に発揮するこ
とができる。
【0075】本発明のセメント混和剤の調製はつぎの方
法が好適である。本発明で採択した粉状担持体(A) のフ
ィロケイ酸塩粘土鉱物は、塩類の担持面積が大きく、吸
着性能が高く、また結晶水を有する酸根含有化合物(B)
が加熱により容易に液状態になる性質を利用して、粉状
担持体(A) 100 重量部に酸根含有化合物(B) の単独ない
しは2種以上の組み合わせを20ないし200 重量部、好適
には24ないし160 重量部の量範囲でまず均質に混合す
る。この時、担持体(A) に対する酸根含有化合物(B) の
配合量が10重量部よりも少ないと硬化促進剤としての効
果を発揮できず、一方200 重量部よりも多いと吸湿粉末
度を満足することができず、セメント混和剤としての吸
湿・潮解性を解消することができない。
【0076】ここに配合混合された担持体(A) と酸根含
有化合物(B) の混合物は、120 ないしは600 ℃、好適に
は150 ないしは450 ℃に加熱することによって担持反応
が完結する。加熱温度が120 ℃より低い時は、担持反応
は完結されず吸湿粉末度を満足することはできない。一
方、600 ℃を越える時は、配合された酸根の一部が揮発
する傾向にあり、また含有している塩基性成分のシリカ
との強固な反応が進行する傾向にあり、硬化促進剤とし
て満足できる効果が期待できない。
【0077】加熱により粉状担持体(A) と酸根含有化合
物(B) との担持反応が進行している様子は、生成した混
和剤の10%水サスペンジョンのpHが、酸根含有化合物
(B) として採択する塩類単品のpH値、例えばCaCl・2H2O
では5.30、Al2(SO4)3・18H2O では3.50であるのに対し
て、これら塩類をモンモリロナイトからなる粉状担持体
(A) に350 ℃で担持反応せしめた混和剤では、それぞれ
そのpH値が6.65および4.10と中性方向にシフトしている
(一部実施例を参照)。このことからも本発明の混和剤
が粉状担持体(A) と酸根含有化合物(B) との単なる混合
でなく、反応により担持され一体化された組成物状態に
あることが良く理解される。
【0078】また本発明においては、粉状担持体(A) に
酸根含有化合物(B) が加熱により担持反応せしめた組成
物は、当業界で公知・公用の粉砕・分級方法によって、
80%が100 メッシュ篩(149μm)を実質的に通過する、好
適には全通する、さらに好適には150 メッシュ篩 (88μ
m)全通の粉末組成物であることが本発明の目的を達成す
る上で好適である。この時、粉末組成物が100 メッシュ
篩を通過しない粗い粉末であると、セメント粉末との水
和反時の接触効率が悪く、セメント混和剤として本発明
の目的を有効に発揮することができない。本発明におい
て重要なことは、本発明のセメント混和剤が安定した粉
末状態で調製されていることに鑑み、セメント粉末と予
め混合して一体化された単一製品として複合セメント系
固化材(F) に調製しておくことができることにある。本
発明の複合セメント系固化材(E) に配合される粉末のセ
メントとしては、公知・公用のセメント粉末から適宜選
ぶことができる。
【0079】その具体的としては、JIS R 5200で規定さ
れているポルトランドセメント(普通、早強、超早強、
中庸熱、耐硫酸塩)や混合セメント(高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメント)、さらには特
殊セメントとして(白色ポルトランドセメント、アルミ
ナセメント、超速硬セメント、コロイド状セメント、油
井セメント、地熱井セメント、膨潤セメント、その他特
殊セメント)等を挙げることができる。
【0080】本発明のセメント混和剤に配合される粉末
セメントの量は、該混和剤100 重量部に対して、セメン
ト粉末が100 ないし10,000重量部の範囲で配合混合され
て複合セメント系固化材(E) を調製することが、本発明
セメント混和剤の機能を充分に発揮させる上で有効であ
る。
【0081】本発明の複合セメント系固化材(E) の配合
混合は、その原料が実質的に100 メッシュ篩通過の微粉
末であることから、特別なる装置を用いることなく当業
界で公知・公用の粉末混合機を用いることによって充分
達成することができる。ここに調製された本発明の複合
セメント系固化材(E) を用いると不焼成で各種形状を有
する固化体が有効に製造できることから、例えばコンク
リート製品と呼ばれている分野(建材、レンガ、ブロッ
ク、インターロッキング、舗石、テトラポット、魚礁、
容器、各種コンクリート製品等)で目的に応じて本発明
の複合セメント系固化材(E) を応用することが可能とな
る。
【0082】本発明の複合セメント系固化材(E) を用い
てコンクリート製品を製造する時、骨材として各種被固
化材料(F) を選ぶことができる。被固化材料(F) として
は、従来のコンクリート製品で採択されてきた被固化材
料類は全て対象として選ぶことができるが、特に代表的
具体例としてつぎの材料を挙げることができる。
【0083】各種の粒度構成ならびに形状をしたガラ
ス、陶磁器類、酸化ケイ素(硅砂、硅石、石英、シリ
カ、シリカヒューム、溶融シリカ)、マグネシヤ粉、炭
酸カルシウム、ジルコンサンド、各種粘土(ベントナイ
ト、スメクタイト、ガイロメ、木節粘土等の精製品)、
焼成クレー(ボーキサイト、カオリン等)、石膏、ケイ
酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、各種の雲母、アスベスト、マイカ、
ロウ石、長石、シャモット、ムライト、アルミナ、ドロ
マイト、マグネシヤ、ジルコニヤ、カルシヤ、ジルコニ
ヤ、各種組成内容の釉薬、炭素、黒鉛、炭化物、窒化物
等の耐熱耐火物等の粉末や顆粒状品等;ステンレス、鉛
や鉄等の金属および合金のフレークや粉末;ガラス繊
維、ロックウール、天然鉱物繊維、カーボン繊維等の無
機質繊維;の中からそれぞれ単独もしくは2種以上の組
み合わせで適宜選ぶことができる。
【0084】さらにまた被固化材料(F) として、混合セ
メント混和剤で採択した25%以上のケイ酸(SiO2)を含有
するケイ酸塩含有粉末(D) である上記した各種産業廃棄
物類をここでも採択し、適宜選び用いることは、産業廃
棄物類の有効利用ならびにコストの低廉化から好適であ
る。
【0085】本発明においては、アルカリ性填剤(C) の
配合されたセメント混和剤では、該セメント混和剤の10
重量%水サスペンジョンのpHが9 ないし13のアルカリ性
を呈することに鑑み、上記したように従来のコンクリー
ト製品の加工対象とならなかった被固化材料、例えば前
記した有機質成分を含有した材料をも被固化材料(F)と
して選ぶことができる。
【0086】この被固化材料(F) で有機質成分を含有す
る材料は、有機質成分の含有量が20重量%以下であるこ
とが大切であり、例えばフミン質等を含有する土壌やホ
タテ・かき等の有機質成分を含有する貝殻の産業廃棄
物、廃油が含浸された白土、魚類・肉類・貝類等の加工
現場から生じる産業廃棄物等を挙げることができる。
【0087】これらの被固化材料(F) を用いて固化体製
品を製造加工する時は、複合セメント系固化材(E) 100
重量部に対して、該被固化材料(F) を300 ないし1,000
重量部の範囲で、水を30ないし120 重量部の範囲で添加
配合した後、養生して不焼成性で成型された各種の固化
体製品を製造することができる。
【0088】本発明者等は、油分を多量に含有する材
料、例えば油性の産業廃棄物に対しては、特定される処
理手段として該油分含有産業廃棄物の油分100 重量部に
相当する量にスメクタイト系粘土鉱物からなる油分吸着
剤(H) を少なくとも100 重量部の割合で混合し、必要に
応じて加熱して油分を予め吸着せしめる前処理を施すこ
とにより、これらの油分を多量に含有する被固化材料を
も固化体に形成できる油分含有材料の処理・処分方法を
見出した。
【0089】この時の予め前処理された油分含有産業廃
棄物の100 重量部に対し、本発明の複合セメント系固化
材(E) を10ないし50重量部の範囲で、必要に応じて砂を
10ないし100 重量部の範囲で、水を10ないし30重量部の
範囲で添加混合し、ついで成型・養生せしめることによ
り各形状の固形体を製造することができる。
【0090】複合セメント系固化材(E) と被固化材料
(F) と水との三者を混合する手段ならびに成型手段、さ
らには養生手段は、既存のコンクリート製品の製造で用
いられている条件・手段・方法の全てを採用することが
できる。勿論、成型において加圧、減圧、振動、鋳込み
等の各種手段も応用できる。また養生においても気中の
みならず水中養生、蒸気養生、加圧養生、減圧養生、各
種ガス体による置換養生等の各種養生条件を採用するこ
とができる。
【0091】また本発明においては、本発明の複合セメ
ント系固化材(E) を水含有の流動性建設系産業廃棄物
(G) を流動性のない埋め立て用土として再利用するため
の処理法に応用することができる。この場合の水含有の
流動性建設系産業廃棄物(G) としては、建設工事に伴っ
て発生する廃棄物、特に建設残土である高含水比汚泥、
ヘドロや含水掘削残土等を挙げることができる。
【0092】水含有の流動性建設系産業廃棄物(G) を再
利用するに際して、本発明の複合セメント系固化材(E)
100 重量部を水含有の流動性建設系産業廃棄物(G) の25
0 ないし2,000 重量部の範囲に添加混合処理することに
よって、1 時間養生後の圧縮強度が0.05 N/mm2以上を有
する固形体に変化させることができ、水含有の流動性建
設系産業廃棄物(G) を埋め立て用土として再利用するこ
とが可能となる。
【0093】具体的な応用例は後述する本実施例で説明
されるが、少なくとも20重量%の水を含有している流動
性建設系産業廃棄物(G) の100 重量部に対して、本発明
の複合セメント系固化材(E) を20ないし50重量部の範囲
で添加混合し、24時間養生すると圧縮強度0.05 N/mm2
上の強度を持つ固形体に変化せしめることができ、該建
設系産業廃棄物を埋め立て用の土として再利用でき、ま
た建設現場の処理処分に留まらず建設副産物である改良
土として有効再利用することができる。
【0094】さらに本発明においては、本発明の複合セ
メント系固化材(E) を用いて土壌面を人や車の通行が可
能となる路盤の造成に応用することが可能となる。この
場合の路盤造成方法としては、路盤造成予定土壌100 容
積部に対して本発明の複合セメント系固化材(E) の少な
くとも10重量部を均質に散布・混合添加し、ついでその
上より水を散布して土壌と共に混和・養生せしめること
によって人や車の通行が可能となる路盤を造成すること
ができる。
【0095】この場合、対象となる土壌が有機質成分、
例えば植物の腐敗によるフミン質の有機成分を含有して
いる時は、セメントの水和反応は阻害される傾向にあ
る。しかるに、本発明のアルカリ性填剤(C) が添加配合
されている混合セメント混和剤が選択配合されている複
合セメント系固化材(E) を選択する時は、フミン質等の
有機成分に水和反応が阻害されることなく、セメント系
固化材の機能を有効に発揮させることができる。また、
特にカルボン酸を有する有機酸を含有する有機質成分の
場合、水酸化カルシウム等で中和・石ケン化させる処理
を併用することは有効である。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、土や高含水比汚泥・含
水掘削残土等の建設系産業廃棄物をリサイクル土として
有効利用する時に、また各種の産業廃棄物を固化体製品
として有効利用する時に、用いられるセメントもしくは
セメント系固化材に配合できるセメント混和剤を取り扱
いやすい粉末で供給することができ、これによって、常
温の不焼成条件下にセメント固化体を迅速に緻密に水和
させ、高硬度で耐凍害性に優れたセメント固化体が形成
され、産業廃棄物等の再利用活動に寄与することができ
る。
【0097】
【実施例】以下、本発明のセメント混和剤とその応用に
ついて、各具体的実施例を以って説明する。なお、本実
施例は本発明に対応する好適な具体的を開示するもので
あって、これに限定されるものでないことは理解される
べきである。本実施例では、特記しない限り、%ならび
に部数は重量を以って表示する。また、本実施例の酸根
含有化合物(B) 等で採択した薬品類は、特記ない限り市
販試薬より選んだ。
【0098】[参考例1]本参考例において、本実施例
で採択するフィロケイ酸塩の粘土鉱物を主成分とする粉
状担持体(A) 3種類(試料番号A-1 、A-2 、A-3 )につ
いて説明する。試料番号 A-1は三層構造(2:1層)の2−
八面体型モンモリロナイト粘土鉱物の酸性白土であり、
試料番号 A-2は三層構造(2:1層)の3−八面体型タルク
粘土鉱物のタルクであり、試料番号 A-3は二層構造(1:1
層)の2−八面体型のカオリナイト粘土鉱物のカオリン
である。なお、粉状担持体(A) の比較例として、層状構
造を持たぬ硅石粉末(試料番号:AH-1)を選んだ。
【0099】各試料は、110 ℃で乾燥した後に粉砕・分
級して、100 メッシュ篩を全通させた粉末にして担持体
(A) の供試料とした。各担持体供試料の主成分[乾燥物
基準(%) ]と諸物性を表1に併せ表示する。
【0100】
【0101】[参考例2]本参考例において、本実施例
で採択する酸根含有化合物(B) 20種類(試料番号B-1 な
いし B-20 )について説明する。酸根含有化合物(B) は
市販試薬塩類の中より選び、該塩類の組成式とその10重
量%溶液のpHを表2に示す。
【0102】
【0103】[参考例3]本参考例において、本実施例
で採択するSiO2含有量25重量%以上のケイ酸含有化合物
である粉末混和材(D) 3種類(試料番号D-1 ないし D-
3)について説明する。試料番号D-1 には人工ウォラス
トナイト(ケイ酸カルシウム)、試料番号D-2には石炭
火力発電所より廃出されるフライアッシュ、試料番号D-
3 には製鉄の高炉より廃出される高炉スラッグを選び、
選んだ各粉末混和材(D) の主成分を表3に表示する。な
お、各粉末混和材(D) においては、粉砕後分級により10
0 メッシュ篩を全通させた粉末を供試料とした。
【0104】
【0105】[実施例1]本実施例において、粉状担持
体(A) に酸根含有化合物(B) を担持させて調製したセメ
ント混和剤とその性能について説明する。粉状担持体
(A) には、参考例1で示したモンモリロナイト(A-1)、タ
ルク(A-2)とカオリン(A-3) ならびに比較例として硅石
粉末(AH-1)の4種類を選んだ。酸根含有化合物(B) の塩
類には、表2に示す硫酸アルミニウム(B-3) 、ケイ酸カ
ルシウム(B-9) 、アルミン酸カルシウム(B-4) 、塩化カ
ルシウム(B-7) の4種類を選んだ。セメント混和剤の調
製方法は、下記に示す調整方法に準拠し表4に示す配合
量と反応担持条件(加熱温度)で14種類のセメント混和
剤(試料番号N-1 ないしN-14) を調製した。
【0106】本セメント混和剤は、10重量%の水サスペ
ンジョンpHと25℃における90%関係湿度に暴露した時の
吸湿粉末度(定義の項参照)を測定して、その結果を表
4に併せ表示した。また、本セメント混和剤を用いて下
記方法により試作したセメント固化試験体を圧縮強度試
験ならびに耐凍害性試験に付して評価した。これらの結
果を比較例(H-1:混和剤無添加、H-2:塩化カルシウム溶
液、H-3:担持体なし、H-4:担持体が層状構造を持たぬ硅
石粉末、H-5、H-6:反応担持条件が本発明を外れる時) の
場合と共に表5に併せ表示する。
【0107】〈セメント混和剤の調製方法〉:粉状担持
体(A) 100 g に、粉状酸根含有化合物(B) を表4に示す
数量(無水物換算重量部)で均質混合し、110 ℃で30分
間脱水処理した後、所定の温度(表1に記載)で30分間
加熱して反応・担持させ、ついで粉砕・分級して200 メ
ッシュ篩全通粉末を混和剤供試料とした。
【0108】
【0109】 *1:塩化カルシウム2水塩 20%水溶液、*2:無水物換算重量
【0110】〈セメント固化体の圧縮強度試験方法〉:
試験方法は、JIS 5201ならびに A 1108 に準拠して行
い、試験体作成条件は、つぎに示す重量部割合の材料
[骨材(川砂)1000、セメント(市販ポルトランドセメ
ント:日本セメント製) 200、混和剤 所定量、水 28
]を混練後、混練材料を50φ×100 mmの型で加圧下に
成型し、24時間後に脱型して試験体とし、各試験体は水
中における標準養生条件下に7 日間および28日間養生し
た後、圧縮強度を測定した。なお、結果は3試験体の平
均値で示した。以下本実施例においては特記ない限り本
試験方法を標準として採用する。
【0111】〈セメント固化体の耐凍害性試験方法〉:
試験方法は、JIS 5209に準拠して行い、圧縮強度試験で
作成した28日水中養生後の同じ試験体を用いて、−20±
3 ℃の気中冷凍槽内に8 時間暴露しついで20±3 ℃の清
水中に6 時間浸漬する操作を一サイクルとして50サイク
ル行い、凍結溶解を受けた試験体を観察し、試験体に異
常なき場合を「合格」とし、試験体にキレツやハガレ、
崩壊ある場合を「不合格」とした。
【0112】 *3:混和剤配合量は、試験体作成条件に示した「所定量」に相当する。
【0113】以上の結果、本実施例の混和剤は吸湿性が
改善されており、該混和剤を用いた固化試験体ではコン
クリート製品として充分な圧縮強度を発揮し、比較例に
比べて特に凍結融解による耐凍害性に優れていることが
良く理解される。
【0114】[実施例2]本実施例において、粉状担持
体(A) に各種の酸根含有化合物(B) を担持させた場合の
他のセメント混和剤とその性能について説明する。粉状
担持体(A) には参考例1で示したモンモリロナイトを選
び、酸根含有化合物(B) には表2に示した塩類化合物の
中から表6に示す各塩類化合物ならびにその組み合わせ
を選んだ。粉状担持体(A) と酸根含有化合物(B) を原料
とするセメント混和剤の調製は実施例1に準拠し、表6
に示す配合量の酸根含有化合物(B)を担持体(A) 100 g
に加え均質に混合し、表6に示す加熱温度で処理して各
混和剤試料を調製した。
【0115】調製された各試料は、水サスペンジョンpH
と吸湿粉末度を測定し、その結果を表6に併せ表示し
た。また、調製された各混和剤試料を用いてセメント固
化体の試験体を試作し、圧縮強度試験ならびに耐凍害性
試験に付して評価し、その結果を表7に併せ表示した。
【0116】
【0117】
【0118】 以上の結果、各種の酸根含有化合物(B) を粉状担持体
(A) に担持させて調製した本実施例のセメント混和剤
は、吸湿性が改善されており、該混和剤を用いた固化試
験体ではコンクリート製品として充分な圧縮強度を発揮
し、凍結融解による耐凍害性に優れていることが良く理
解される。
【0119】[実施例3]本実施例において、粉状担持
体(A) もしくは該粉状担持体(A) に塩基性成分が予め配
合されている複合担持体に酸根含有化合物(B) として選
ばれた無機酸を直接反応させたセメント混和剤とその性
能について説明する。粉状担持体(A) には参考例1で示
したモンモリロナイト(A-1) を選んだ。また複合担持体
としては、複合される塩基性成分に水酸化アルミニウム
[Al(OH)3 ]20重量部を選び、基本担持体にモンモリロ
ナイト(A-1) 80重量部を選び予め粉末混合して複合担持
体(AA-1)を調整した。酸根含有化合物(B) には表8に
示した塩酸(BA-1)、硝酸(BA-2)ならびに硫酸(号BA
-3)の無機酸を選んだ。
【0120】セメント混和剤の調製は、実施例1に準拠
し表8に示す配合量(無水物換算)の無機酸を担持体
(A) もしくは複合担持体100 g に加え均質混合した後、
表7に示す加熱温度で処理し、各混和剤試料を調製し
た。調製された各試料は、水サスペンジョンpHと吸湿粉
末度を測定し、その結果を表8に表示した。また、調製
された各混和剤試料を用いてセメント固化体の試験体を
試作し、圧縮強度試験ならびに耐凍害性試験に付して評
価し、その結果を表9に併せ表示した。
【0121】
【0122】 以上の結果、粉状担持体(A) もしくは複合担持体(AA-1)
に無機酸を酸根含有化合物(B) として直接反応させた本
実施例混和剤は、吸湿性が改善されコンクリート製品と
しても充分優れていることが良く理解される。
【0123】[実施例4]本実施例において、粉末セメ
ント混和剤に粉末アルカリ性填剤(C) もしくはケイ酸塩
含有化合物からなる粉末混和材(D) の配合材が混合配合
されている複合セメント混和剤について説明する。本実
施例の基礎となる粉末セメント混和剤としては、実施例
1で調製された試料番号N-4 のセメント混和剤を選ん
だ。
【0124】本実施例で配合される粉末アルカリ性填剤
(C) には市販試薬の水酸化カルシウム(試料番号B-20)
とメタケイ酸ナトリウム(試料番号B-16)の粉末を選
び、粉末混和材(D) には表3にその主成分を示した試料
番号D-1 の人工ウォラストナイト、試料番号D-2 の石炭
火力発電所より廃出されるフライアッシュならびに試料
番号D-3 の製鉄の高炉より廃出される高炉スラッグの各
粉末を選んだ。
【0125】複合セメント混和剤の試料は、試料番号N-
4 のセメント混和剤100 g に対して表10に示す粉末アル
カリ性填剤(C) もしくは粉末混和材(D) からなる配合材
を表10に示す配合量で配合し、常温で均質混合すること
により調製した。ここに調製された複合混和剤は、水サ
スペンジョンpHと吸湿粉末度を測定し、その結果を表10
に併せ表示した。また、各複合セメント混和剤試料をセ
メント粉末に対して10重量%配合して作成したセメント
固化体の試験体を、圧縮強度試験ならびに耐凍害性試験
に付して評価し、その結果を表10に併せ表示した。
【0126】 以上の結果、特に人工ウォラストナイト、フライアッシ
ュ、高炉スラッグの粉末混和材(D) が配合された複合セ
メント混和剤を用いて作成したセメント固化体は、粉末
混和材(D) の影響もあり高い圧縮強度を示すことが理解
される。
【0127】[実施例5]本実施例において、粉末セメ
ント混和剤に水を予め添加して調製した水分散型セメン
ト混和剤について説明する。本実施例の基礎となる粉末
セメント混和剤としては、実施例1で調製された試料番
号N-1 のセメント混和剤を選んだ。水分散型セメント混
和剤の調製は、該セメント混和剤(N-1)100 gに対して水
を表11に示す配合量で加え、常温で均質混合してペース
ト状もしくはミルキ状の水分散状態に調製した。
【0128】セメント固化体の試験体は、セメント粉末
100 g に対し水分散型セメント混和剤に配合された粉末
混和剤基準で3 g に相当する量で配合し、試料番号N-42
〜N-44では不足する水を添加し、試料番号N-45とN-46で
は特には水を添加せずに作成した。ここに作成した各試
験体は、圧縮強度試験ならびに耐凍害性試験に付して評
価し、その結果を表11に併せ表示した。
【0129】 以上の結果、粉末セメント混和剤に予め水を配合した水
分散型セメント混和剤を用いて作成したセメント固化体
においても優れた固化体強度を示すことが良く理解され
る。
【0130】[実施例6]本実施例において、粉末セメ
ント混和剤に粉末セメントが予め混合配合されている複
合セメント系固化材(E) について説明する。本実施例の
基礎となるセメント混和剤には、実施例1記載の方法で
調製された試料番号N-4、N-10とN-39の粉末セメント混和
剤を選んだ。本実施例で配合される粉末セメントには市
販セメント製品から、ポルトランドセメント粉末(J-1)
と高炉セメント(J-2) [いずれも日本セメント社製」の
2種類を選んだ。
【0131】複合セメント系固化材(E) の試料は、各粉
末セメント100 g に対して表12に示すセメント混和剤の
種類とその量割合で両者を均質に粉末混合することによ
り調製した。調製された各複合セメント系固化材(E) 20
0 g を川砂 1000 g に加え、表12に示す条件で作成され
たセメント固化体の試験体を、圧縮強度試験ならびに耐
凍害性試験に付して評価し、その結果を表12に併せ表示
した。
【0132】 以上の結果、予めセメント粉末とセメント混和剤とが充
分よく分散混合されている複合セメント系固化材(E) を
用いて川砂を骨材として常温の不焼成で作成した固化体
の圧縮強度が良好で、焼き物のセラミックス製品に匹敵
する固化体製品が不焼成で製作されることがよく理解さ
れる。
【0133】[実施例7]本実施例において、本発明の
セメント混和剤(試料番号 N-4)とケイ酸塩含有化合物
からなる粉末混和材(D)[フライアッシュ:D-2]とで調製
された複合セメント系固化材(E)[試料番号E-5]を用い
て、各分野より排出されている各種の産業廃棄物を骨材
として再利用可能な固化体を不焼成で製造する場合につ
いて説明する。骨材に選んだ産業廃棄物の主たる成分を
表13に示す。
【0134】
【0135】産業廃棄物ならびにその他の骨材を用い
て、表14に示す固化体調製条件で再利用可能な固化体を
不焼成で作成した。
【0136】
【0137】上記の調整方法で調製された各セメント固
化体の試験体を、7 日および28日間水中で養生した後、
圧縮強度試験に付し、また耐凍害性試験に付してそれぞ
れ評価し、その結果を表15に併せ表示した。
【0138】 以上の結果、各種の産業廃棄物を本発明の粉末セメント
混和剤から調製した複合セメント系固化材(E) を用いて
固化体を作成する時は、いずれの場合も再利用可能な固
化体を形成していること、特に有機物のウロを含有する
ホタテ貝殻粉末の場合も良好な固化体を形成しているこ
とが良く理解される。
【0139】[実施例8]本実施例において複合セメン
ト系固化材(E) を用いて、高含水比汚泥を再利用可能な
埋め立て用の土に調製する方法について説明する。本発
明の複合セメント系固化材(E) としては、実施例6で示
した試料番号 E-5の固化材(E) を選んだ。高含水比汚泥
としては、東京都東中野(試料番号 L-1)と三重県四日
市(試料番号 L-2)を採取し、四日市の高含水比汚泥は
水分を60%に調製(試料番号 L-3)した。また、東京都
東中野の高含水比汚泥に関しては、120 ℃における脱水
後を基準として、800 ℃に焼成し多時の減量より有機質
成分を求めた。それらの結果ならびにその組成構成を表
16に示す。
【0140】
【0141】再利用可能な埋め立て用の土への調製方法
は、各高含水比汚泥1000g に複合セメント系固化材(E)
110 g を均質な分散状態で加え、各経過時間毎の一軸圧
縮強度を測定して評価し、その結果を表17に併せ表示す
る。
【0142】 以上の結果、本発明の粉末セメント混和剤より構成され
る複合セメント系固化材(E) を用いて、高含水比汚泥を
再利用可能な埋め立て用土に変化せしめる時、いずれの
場合も再利用可能な埋め立て用土に単時間に変換でき、
特に有機質成分を11%含有する土でも埋め立て用土に変
換できることが良く理解できる。
【0143】[実施例9]本実施例において複合セメン
ト系固化材(E) を用いて、一般土壌面に車の通過を可能
にする路盤を形成(造成)せしめる方法について説明す
る。一般土壌面は、実施例8で示した東京都東中野の現
場で行った。したがって、土壌面の粒度構成等は表16に
示されている内容と同等である。複合セメント系固化材
(E) としては、実施例6で示した試料番号E- 5の固化材
(E) を選んだ。
【0144】路盤造成方法は、土壌面約30cmの深さで掘
り起こし、掘り起こされた土 1m3に5重量%に相当する
粉末固化材(E) を散布しながら深さ約30cmの範囲で均質
に分散させ、ついで水を散布・浸透させた後、粉末固化
材(E) の散布処理された土壌面を上部より圧して整地す
る。この間の単位区分での作業時間は20〜30分以内で完
了するように計画することが好ましい。造成された土壌
面は、24時間後に車の通過が可能な0.5 N/mm2 以上の圧
縮強度を有し、本発明のセメント混和剤を用いて路盤造
成が可能であることが良く理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22/08 C04B 22/12 22/10 22/14 A 22/12 E01C 3/04 22/14 B09B 3/00 ZAB E01C 3/04 301S

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水フィロケイ酸塩を主成分とする粘土
    鉱物からなる粉状担持体(A) に塩類からなる酸根含有化
    合物(B) が均質混合されている粉末組成物において;該
    粉状担持体(A)100重量部に対して、該酸根含有化合物
    (B) が無水物換算で20ないし200 重量部の量範囲で均質
    に反応担持されている粉末組成物が100メッシュ篩を少
    なくとも80%通過することを特徴とするセメント混和
    剤。
  2. 【請求項2】 前記の酸根含有化合物(B) が、粉状担持
    体(A) の含水フィロケイ酸塩を主成分とする粘土鉱物の
    塩基性成分に塩酸、硝酸または硫酸の単独ないしは2種
    以上の組み合わせからなる無機酸を反応せしめて生成す
    る塩類である請求項1記載のセメント混和剤。
  3. 【請求項3】 前記の酸根含有化合物(B) が下記一般式
    (1) Xab ・・・・・・・・・・・・・・ (1) (式中:Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
    ニウム金属ないしは鉄金属の単独ないしは2種以上の組
    み合わせからなる元素であり、Yは塩酸、硝酸、硫酸、
    ホウ酸、炭酸、アルミン酸またはケイ酸の単独ないしは
    2種以上の組み合わせからなる酸根であり、aは酸根の
    価数に相当する数であり、bは金属元素の価数に相当す
    る数である)で表わされる塩類である請求項1または2
    記載のセメント混和剤。
  4. 【請求項4】 前記の粉状担持体(A) に酸根含有化合物
    (B) が均質混合された組成物が120 ないし 600℃の温度
    で反応担持されている粉末組成物である請求項1ないし
    3のいずれか1項記載のセメント混和剤。
  5. 【請求項5】 前記の粉状担持体(A) に酸根含有化合物
    (B) が均質に反応担持されている粉末組成物の10重量%
    水サスペンジョンpHが6 以上9 未満の範囲にある請求項
    1ないし4のいずれか1項記載のセメント混和剤。
  6. 【請求項6】 前記の粉状担持体(A) に酸根含有化合物
    (B) が均質に反応担持されている粉末組成物を関係湿度
    90%に24時間放置した時の吸湿粉末度が100メッシュ篩
    全通である請求項1ないし5のいずれか1項記載のセメ
    ント混和剤。
  7. 【請求項7】 前記請求項1ないし6のいずれか1項記
    載のセメント混和剤100重量部に対して、アルカリ金属
    もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、ケイ酸塩、アルミ
    ン酸塩または水酸化物の単独ないしは2種組み合わせか
    らなる粉末アルカリ性填剤(C) が300 重量部以下の量で
    均質混合されている複合粉末組成物の10重量%水サスペ
    ンジョンのpHが9 ないし13の範囲にあることを特徴とす
    る複合セメント混和剤。
  8. 【請求項8】 前記請求項1ないし6のいずれか1項記
    載のセメント混和剤100重量部に対して、100 ℃乾燥基
    準でSiO2含有量が25重量%以上であるケイ酸含有化合物
    の単独ないしは2種以上の組み合わせからなる粉末混和
    材(D) が500重量部以下の量で均質混合されている複合
    粉末組成物の10重量%水サスペンジョンのpHが6 ないし
    13の範囲にあることを特徴とする複合セメント混和剤。
  9. 【請求項9】 前記請求項1ないし8のいずれか1項記
    載のセメント混和剤である粉末組成物100 重量部に対し
    て、水が50ないし1,000 重量部の範囲で添加されて水分
    散状態を形成していることを特徴とする水分散型セメン
    ト混和剤。
  10. 【請求項10】 前記請求項1ないし8のいずれか1項記
    載のセメント混和剤である粉末組成物100 重量部に対し
    て、粉末セメントが100 ないし10,000重量部の範囲で混
    合配合されていることを特徴とする複合セメント系固化
    材(E) 。
  11. 【請求項11】 前記請求項10記載の複合セメント系固化
    材(E) 100 重量部に対して、有機質成分を0 を含む20重
    量%以下の量で含有している被固化材料(F)が300 ない
    し1,000 重量部の範囲で、水が30ないし120 重量部の範
    囲で添加混合・養生されて不焼成で形成されていること
    を特徴とする固化体製品。
  12. 【請求項12】 前記請求項10記載の複合セメント系固化
    材(E) 100 重量部を水含有の流動性建設系産業廃棄物
    (G) の250 ないし2,000 重量部の範囲に添加混合し、養
    生 1時間後の圧縮強度が0.05 N/mm2以上である固形体に
    変化させることを特徴とする建設系産業廃棄物の再利用
    法。
  13. 【請求項13】 前記請求項10記載の複合セメント系固化
    材(E) 10重量部を路盤造成予定土壌100 容積部に均質散
    布により添加し、ついで水を散布して土壌と共に混和・
    養生せしめて路盤を造成せしめることを特徴とする路盤
    の造成方法。
  14. 【請求項14】 油分含有産業廃棄物の油分100 重量部に
    対してスメクタイト系粘土鉱物からなる油分吸着剤(H)
    の少なくとも100 重量部を予め混合して油分を吸着せし
    めた後、前記請求項10記載の複合セメント系固化材(E)
    100 重量部に対して、油分吸着剤(H) が配合された油分
    含有産業廃棄物を300 ないし1,000 重量部の範囲で、水
    が30ないし120 重量部の範囲で添加混合・養生せしめて
    固形体に変化させることを特徴とする油分含有産業廃棄
    物の処理方法。
JP9010838A 1997-01-24 1997-01-24 セメント混和剤およびその応用 Withdrawn JPH10212146A (ja)

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