JPH10211471A - 表面処理システム - Google Patents

表面処理システム

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JPH10211471A
JPH10211471A JP4158198A JP4158198A JPH10211471A JP H10211471 A JPH10211471 A JP H10211471A JP 4158198 A JP4158198 A JP 4158198A JP 4158198 A JP4158198 A JP 4158198A JP H10211471 A JPH10211471 A JP H10211471A
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cleaned
washing
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cleaning
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正巳 高木
Yasuo Miyake
康夫 三宅
Yukihisa Takebe
幸久 建部
Hisashi Tsuge
久司 柘植
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被処理物を連続的に処理する表面処理システム
を提供する。 【解決手段】洗浄液を入れた洗浄槽1は、二重筒であっ
て内側の分割槽2aと外側の分割槽2bとを備える。各
分割槽2a,2bには螺旋状の搬送路3a,3bが形成
され、加振器15によって洗浄槽1に対して周方向およ
び上下方向の振動を加えると分割槽2a,2bの底部の
被処理物たる被洗浄部材Aは搬送路3a,3bに沿って
上昇する。内側の分割槽2aの周壁には分割槽2bに連
通する貫通口4が形成され、分割槽2aで洗浄された被
洗浄部材Aは貫通口4を通して外側の分割槽2bに投入
される。被洗浄部材Aは、分割槽2bの液面から出た
後、水蒸気吐出管12から加熱された水蒸気が吹きつけ
られることによって残留物が洗い落とされ、その後、空
気吐出管13から吹きつけられる空気によって乾燥され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物の表面処
理を行う表面処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種表面処理の一例として、例えば金属
質の被処理物の表面に付着した加工油等の油分を除去す
る洗浄処理が一般に行われている。ここで、この種の表
面処理には、被処理物たる被洗浄部材をかご状のバレル
内に収納しておき、洗浄液を入れた洗浄槽にバレルを浸
漬させて被洗浄部材を洗浄し、洗浄後にバレルを洗浄槽
から取り出すような洗浄装置が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した洗浄装置で
は、バレルに収納可能な量の被洗浄部材を一度に洗浄槽
に投入し、洗浄が終了してから被洗浄部材を取り出すと
いうバッチ処理を行うものであるから、バレルおよびバ
レルを洗浄槽に対して出し入れする装置が必要になって
設備が大型化し、かつコスト高になるという問題があ
る。
【0004】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、被処理物をバレルを用いることなく連続的に
処理するようにして設備を小型化かつ自動化できるよう
にした表面処理システムを提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、被処理物の表面に化学的作用ま
たは物理的作用による表面処理を施す表面処理工程と、
前記表面処理後に被処理物の表面に残留している付着物
を水で洗う洗い工程と、前記洗い工程の後に被処理物の
表面に残留している水分を乾燥させる乾燥工程とを含
み、中心線を上下方向として配置される円筒状であって
被処理物が載置される螺旋状の搬送路が固設された処理
槽を前記各工程に用い、被処理物が搬送路に沿って移動
するように加振器を用いて処理槽に対して上下方向およ
び周方向の振動を与えることを特徴とするものであり、
各処理槽にそれぞれ螺旋状の搬送路を形成し、各処理槽
を加振器によって振動させることによって搬送路の上で
被処理物が搬送されるようにしているので、被処理物の
表面に化学的作用または物理的作用による表面処理を施
し、その後、前記表面処理後に被処理物の表面に残留し
ている付着物を水で洗い落とし、更にその後に被処理物
の表面に残留している水分を乾燥させるような処理を、
従来のようにバレルを用いたバッチ処理ではなく、連続
処理によって行うことができ、表面処理システムの自動
化が容易になる。しかも、処理槽の上下方向に螺旋状の
搬送路を形成して処理槽の上下方向の利用効率を高めて
いることによって、各処理槽を小型化することができ、
システム全体の設備を小型化することができる。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記表面処理工程、前記洗い工程、前記乾燥工程の
うち複数の工程に1つの処理槽が共用されているので、
処理槽の数が減り、システム全体の設備を小型化するこ
とができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例と
して金属質の被処理物の表面に付着した加工油等の油分
を除去するような表面処理を行うシステムについて図面
を参照しながら説明する。 (実施形態1)図1に示すように、下面が閉塞され上面
が開放された円筒状の洗浄槽1を備える。洗浄槽1は、
内筒1aと外筒1bとを同軸的に配置した二重筒であっ
て、内筒1aの中を第1の分割槽2aとし、内筒1aと
外筒1bとの間の空間を第2の分割槽2bとしている。
内筒1aと外筒1bとの内周面には、それぞれ螺旋状の
搬送路3a,3bが一体に固定される。すなわち、各搬
送路3a,3bは各分割槽2a,2bの周壁に外側縁が
固着された横片の内側縁から縦片が上方に突出する断面
略L形に形成され片持ちになっている。また、搬送路3
a,3bの下端は洗浄槽1の底面に連続する。分割槽2
aにおいては搬送路3aの内側縁に囲まれた空間に被処
理物たる被洗浄部材Aを投入することができ、分割槽2
bにおいては搬送路3bの内側縁と内筒1aの外周面と
に囲まれる空間に被洗浄部材Aを投入することができ
る。洗浄槽1の底面は中央部が周部よりも高くなるよう
に形成されており、洗浄槽1に投入されて洗浄槽1の底
部に入った被洗浄部材Aが各分割槽2a,2bの底面の
周部に集まるようにしてある。
【0008】分割槽2aに設けた搬送路3aの上端は、
内筒1aの周壁に形成した貫通口4に連続する。また、
分割槽2bに設けた搬送路3bの上端部は外筒1bの周
壁に貫通口4よりも上方で形成した取出口5を通して外
部に突出し取出部6となる。貫通口4と取出口5との間
の高さ位置には、分割槽2aにのみ連通した管状のオー
バーフロー路7が設けられ、オーバーフロー路7の一端
部は洗浄槽1の外部に引き出される。また、分割槽2b
に設けた搬送路3bにおいてオーバーフロー路7よりも
上側の部分にはパンチングが施されてメッシュ状の液切
部8が形成されている。液切部8には搬送路3bに沿っ
て取出口5に向かう向きに、洗浄液を吐出する洗浄液吐
出管11と、加熱された水蒸気を吐出する水蒸気吐出管
12と、乾燥用空気を吐出する空気吐出管13とが順に
配列され、洗浄液吐出管11の洗浄液吐出口、水蒸気吐
出管12の水蒸気吐出口、空気吐出管13の空気吐出口
はそれぞれ搬送路3bの上方に対向して位置する。洗浄
液を吐出させる洗浄液吐出口は搬送路3bに向かって洗
浄液をスプレー状に噴射するように構成されている。さ
らに、洗浄槽1の上方には被洗浄部材Aを分割槽2aの
中央部に投入するコンベア9が配設される。
【0009】ここにおいて、被処理物たる被洗浄部材A
は、金属材料にプレス加工あるいは鍛造、転造加工を施
したものであって、表面には加工油が付着しており、こ
の油分を洗浄するために洗浄槽1を用いている。したが
って、この目的のために油脂分離性がよく、かつ被洗浄
部材Aから分離させた油分を殆ど乳化させない水溶性の
洗浄液を用いる。このような洗浄液には、たとえば三菱
化成社製の「Kasei クリーナー」や、大塚化学(株)社
製の「シャダンC&S-1000」、奥野製薬社製の「エースク
リーン」(いずれも商品名)等がある。この種の洗浄液
を用いることにより、被洗浄部材Aの表面の油分が容易
に分離されて、洗浄液の表面に油膜を形成するようにな
るのである。したがって、オーバーフロー路7から洗浄
液をあふれさせるだけで油分を分離して洗浄槽1の外部
に排出することができるのである。
【0010】洗浄槽1の下面には加振器15の可動台1
6が結合される。加振器15は、固定ベース17の上に
電磁ソレノイド(図示せず)を備え、可動台16を板ば
ねを介して固定ベース17に結合した構成を有する。可
動台16の要所には電磁ソレノイドの励磁によって吸引
される磁極板が固着されており、電磁ソレノイドを励磁
すると磁極板に作用する吸引力によって、可動台16に
対して固定ベース17の表面に沿う方向の回転と、固定
ベース17から離れる向きの平行移動とが同時に生じる
ようになっている。すなわち、電磁ソレノイドが励磁さ
れると、可動台16は回転しながら上方に移動し、電磁
ソレノイドを非励磁にすると、板ばねの復帰力によって
可動台16は回転しながら下方に移動して元の位置に復
帰する。したがって、加振器15の可動台16は、電磁
ソレノイドの励磁・非励磁によって、回転方向に振動す
るとともに上下方向に振動する。加振器15としては、
以上に述べた電磁ソレノイド式のほかに、アンバランス
ウエイトを備えた振動モータやピエゾ振動あるいはカム
駆動方式のものを使うことができる。
【0011】可動台16には洗浄槽1が結合されている
から、加振器15によって洗浄槽1を周方向および上下
方向に振動させることができる。すなわち、加振器15
を作動させると、洗浄槽1の底部の被洗浄部材Aは各分
割槽2a,2bの周部に集まり、搬送路3a,3bの上
に載るのであり、さらに搬送路3a,3bの上では電磁
ソレノイドの励磁による回転で被洗浄部材Aが斜め上方
に運ばれ、ここで電磁ソレノイドを非励磁にすると、搬
送路3a,3bは板ばねの復帰力によって、被洗浄部材
Aの落下速度より速い速度で復帰し、落下してくる被洗
浄部材Aを待ち受け、この繰り返しによって被洗浄部材
Aを斜め上方に連続的に進めることができる。ここに、
搬送路3a,3bは片持ちになっているから、加振器1
5による洗浄槽1の振動によって、搬送路3a,3bが
煽り運動を行うことになり、洗浄槽1に入れられた洗浄
液を攪拌することになる。また、加振器15の振動周期
を洗浄槽1に共振するように設定すれば、搬送路3a,
3bの煽り運動によって洗浄槽1の外周側から内周側に
向けて強い水流が生じることになり、被洗浄部材Aに洗
浄液を十分に接触させることができて、効率よく洗浄す
ることができる。
【0012】上記構成によれば、図1に矢印で示すよう
に、コンベア9から内側の分割槽2aに投入された被洗
浄部材Aは搬送路3aを通って上昇しながら洗浄され、
貫通口4を通って外側の分割槽2bに投入され、外側の
分割槽2bでも搬送路3bを上昇しながら洗浄される。
こうして被洗浄部材Aが洗浄液の液面から出ると液切部
8によって洗浄液の液切りが行われる。ここで、外側の
分割槽2bには清浄化された洗浄液が供給され、内側の
分割槽2aからの油分の逆流が殆どないために、被洗浄
部材Aの表面の油分は大半が除去されることになる。さ
らに洗浄液吐出管11により洗浄液が被洗浄部材Aに吹
き付けられることによって、被洗浄部材Aの表面にわず
かに残留している油分も洗い落とされる。その後、被洗
浄部材Aには水蒸気吐出管12によって加熱された水蒸
気が吹き付けられて被洗浄部材Aの表面に残留している
洗浄液や微量の油分などが洗い落とされ、空気吐出管1
3から吹き付けられる空気によって乾燥されるのであ
る。乾燥した被洗浄部材Aは取出口5を通って搬送路3
bの上端である取出部6から取り出される。以上のよう
にして、本実施形態の表面処理システムは、被処理物た
る被洗浄部材Aを連続的に洗浄し、さらに乾燥すること
ができるのである。ここにおいて、本実施形態では、表
面処理(洗浄処理)を施す表面処理工程に分割槽2a,
2bが用いられ、前記表面処理後に被処理物の表面に残
留している付着物を水で洗う洗い工程及びこの洗い工程
の後に被処理物の表面に残留している水分を乾燥させる
乾燥工程に分割槽2bが共用されている。
【0013】ところで、本実施形態では洗浄液の外部へ
の廃棄量を少なくするようにクローズドシステムを構成
している。すなわち、オーバーフロー路7を通った油分
を多量に含む洗浄液は1次分離槽21に導入され1次分
離槽21に設けた邪魔板22によって油分と洗浄液とが
分離される。分離された油分は廃油として処理される。
また、1次分離槽21を通った洗浄液は、さらに2次分
離槽23に導入されてさらに邪魔板24によって油分と
洗浄液とが分離される。このようにして、複数段階の分
離槽で油分が分離された洗浄液はポンプ25によって汲
み出され、管理槽26に導入される。管理槽26では、
液面センサ27を設けて洗浄水が一定量に保たれるよう
に管理し、かつヒータ28を設けて温度を管理する。洗
浄液の一部は油分とともに廃棄されて減少するから、バ
ルブ29を制御することによって洗浄液を減少分だけ補
充液タンク30から補充する。管理槽26の洗浄液はポ
ンプ31によって汲み出されて洗浄液吐出管11を通し
て分割槽2bに導入される。ここにおいて、分割槽2b
の洗浄液の液面が分割槽2aの洗浄液の液面(オーバー
フロー路7の高さ位置付近)よりもわずかに高くなるよ
うに、洗浄液吐出管11の近傍に設けた調節弁32の開
量を調節する。このようにして分割槽2bに洗浄液を導
入し、分割槽2aからオーバーフロー路7を通して洗浄
液を外部に取り出すから、貫通口4では分割槽2bから
分割槽2aに向かう流れが形成され、分割槽2aで分離
された油分が分割槽2bに流れ込むことがなく、分割槽
2bの洗浄液を分割槽2aの洗浄液よりも清浄な状態に
保つことができるのである。
【0014】(実施形態2)本実施形態では、図2に示
すように、洗浄槽1の下方に水洗槽40を設け、かつ水
洗槽40と洗浄槽1とを1本の振動ロッド18により結
合することによって、1台の加振器15で洗浄槽1と水
洗槽40とに同時に振動を与えるように構成してある。
また、オーバーフロー路7の出口付近には、図3に示す
ように、サージタンク14が配設されており、サージタ
ンク14には外気に開放されたブリーザ14aを設ける
ことによって油分を多く含む洗浄液をサージタンク14
に導入しやすいようにしてある。また、オーバーフロー
路7は、図3(b)に示すように、断面矩形状に形成さ
れている。本実施形態における洗浄槽1では、水蒸気吐
出管12は省略されている。また、水洗は水洗槽40に
よって行うのであって、洗浄槽1の取出部6の下方にシ
ュート10を配設し、取出部6より落下した被処理物た
る被洗浄部材Aをシュート10に沿って落下させること
によって水洗槽40に投入するようになっているのであ
る。
【0015】水洗槽40は、円筒状に形成され内周面に
螺旋状の水洗搬送路41を有する。水洗搬送路41は、
分割槽2a,2bの搬送路3a,3bと同様に、下端が
水洗槽40の底面に連続しており、上端部は水洗槽40
の周壁に形成した排出口42を通して外部に突出して排
出部となる。水洗槽40の底部は周部が中央部よりも下
方に位置するように傾斜し、被洗浄部材Aが周部に集ま
るようにしてある。また、排出口42よりも下方の高さ
位置で洗浄水オーバーフロー路43が形成されている。
この水洗槽40には温水である洗浄水が導入される。
【0016】洗浄水オーバーフロー路43を通して水洗
槽40から排出された洗浄水は、分離槽44に導入され
て邪魔板45を用いて油分と洗浄水とが分離され、分離
された油分は廃油として処理される。また、分離槽44
で清浄化された洗浄水は管理槽46でさらに油分が分離
され(必要に応じてフィルタを用いる)、温度調節が行
われた後にポンプ47によって汲み出され、調節弁48
を介して洗浄水吐出管51の先端部の洗浄水吐出口から
水洗槽40に戻される。洗浄水吐出口は水洗搬送路41
において洗浄水オーバーフロー路43よりも上方の高さ
位置であって水面から出ている部位の上方に対向し、洗
浄水は洗浄後の被洗浄部材Aにシャワー状に吹き付けら
れる。さらに水洗搬送路41に沿って排出口42に近い
部位の上方には熱風を吐出する熱風吐出管49の熱風吐
出口が対向する。したがって、水洗槽40内において洗
浄水で水洗された後の被洗浄部材Aは、さらに洗浄水が
吹き付けられて仕上げ洗浄され、その後、熱風によって
洗浄水が吹き飛ばされるとともに被洗浄部材Aが乾燥さ
れるのである。排出口42を通った被洗浄部材Aは容器
50に集められる。
【0017】上述したように、本実施形態の表面処理シ
ステムは、洗浄槽1と水洗槽40とを上下に配列して1
台の加振器15で振動させるのであって、被洗浄部材A
を連続的に洗浄することができるとともに、設置面積を
小さくすることができるという利点を有するのである。 (実施形態3)本実施形態は、図4および図5に示すよ
うに、外側の分割槽2bにおいて貫通口4を通して導入
された被洗浄部材Aをスロープ19によって分割槽2b
の下方に導くようにしたものである。すなわち、スロー
プ19は、内外の分割槽2a,2bの間の周壁に沿って
螺旋状に周回しながら下方に傾斜しており、被処理物た
る被洗浄部材Aは貫通口4を通った後に短時間で分割槽
2bの下部に達するのではなく、スロープ19に沿って
比較的長時間で分割槽2bの下部に達するようになって
いる。
【0018】このような構成を採用していることによっ
て、スロープ19を設けていない場合に比較すれば、洗
浄槽2の中での仕上げ洗浄の過程において被洗浄部材A
が洗浄液に接触する時間を大幅に増加させることがで
き、強固に付着している油分であっても分離できる可能
性が高くなるのである。しかも、スロープ19を設ける
場所としては、両分離槽2a,2bの間の周壁と搬送路
3bとの間に被洗浄部材Aの投入のために必然的に形成
される空間を利用することができるから、搬送路3a,
3bの周回回数を増加させて洗浄槽1の高さを増加させ
たり洗浄槽1の容積を大きくしたりすることなく、洗浄
能力を高めることができるのである。すなわち、スロー
プ19を設ける空間は貫通口4の下方を除いてはほとん
ど利用に供されていないデッドスペースであるから、洗
浄槽1の内部空間を有効利用することになるのである。
【0019】被洗浄部材Aはコンベア9に代わるシュー
ト9′によって投入される。また、オーバフロー路7と
なるホースの端部は、分割槽2aの内方に向かって上向
きに傾斜するように配設された油水排出受け7aと分割
槽2aの内周面とに囲まれる空間に開放されており、油
水排出受け7aを乗り越えた油分がオーバフロー路7を
通して洗浄槽1の外部に排出されるようになっている。
本実施例の構成は実施例1と実施例2とのいずれの構成
においても採用することができ、他の構成は上記各実施
例と同様であるから説明を省略する。
【0020】なお、上記各実施形態では、洗浄槽1は2
個の分割槽2a,2bを備えているが、さらに多数の分
割槽を設けてもよく、また、被洗浄部材Aが洗浄槽1の
内側から外側に向かって搬送されるようにしているが、
外側から内側に向かって搬送されるように構成しても良
い。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、被処理物の表面に化
学的作用または物理的作用による表面処理を施す表面処
理工程と、前記表面処理後に被処理物の表面に残留して
いる付着物を水で洗う洗い工程と、前記洗い工程の後に
被処理物の表面に残留している水分を乾燥させる乾燥工
程とを含み、中心線を上下方向として配置される円筒状
であって被処理物が載置される螺旋状の搬送路が固設さ
れた処理槽を前記各工程に用い、被処理物が搬送路に沿
って移動するように加振器を用いて処理槽に対して上下
方向および周方向の振動を与えることを特徴とするもの
であり、各処理槽にそれぞれ螺旋状の搬送路を形成し、
各処理槽を加振器によって振動させることによって搬送
路の上で被処理物が搬送されるようにしているので、被
処理物の表面に化学的作用または物理的作用による表面
処理を施し、その後、前記表面処理後に被処理物の表面
に残留している付着物を水で洗い流し、更にその後に被
処理物の表面に残留している水分を乾燥させるような処
理を、従来のようにバレルを用いたバッチ処理ではな
く、連続処理によって行うことができ、表面処理システ
ムの自動化が容易になるという効果がある。しかも、処
理槽の上下方向に螺旋状の搬送路を形成して処理槽の上
下方向の利用効率を高めていることによって、各処理槽
を小型化することができ、システム全体の設備を小型化
することができるという効果がある。
【0022】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記表面処理工程、前記洗い工程、前記乾燥工程の
うち複数の工程に1つの処理槽が共用されているので、
処理槽の数が減り、システム全体の設備をさらに小型化
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】実施形態2を示す概略構成図である。
【図3】実施形態2を示し、(a)は要部の断面図、
(b)は同図(a)のX−X線断面図である。
【図4】実施形態3の断面図である。
【図5】実施形態3の平面図である。
【符号の説明】
1 洗浄槽 2a 分割槽 2b 分割槽 3a 搬送路 3b 搬送路 4 貫通口 11 洗浄液吐出管 12 水蒸気吐出管 13 空気吐出管 15 加振器 A 被洗浄部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柘植 久司 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物の表面に化学的作用または物理
    的作用による表面処理を施す表面処理工程と、前記表面
    処理後に被処理物の表面に残留している付着物を水で洗
    う洗い工程と、前記洗い工程の後に被処理物の表面に残
    留している水分を乾燥させる乾燥工程とを含み、中心線
    を上下方向として配置される円筒状であって被処理物が
    載置される螺旋状の搬送路が固設された処理槽を前記各
    工程に用い、被処理物が搬送路に沿って移動するように
    加振器を用いて処理槽に対して上下方向および周方向の
    振動を与えることを特徴とする表面処理システム。
  2. 【請求項2】 前記表面処理工程、前記洗い工程、前記
    乾燥工程のうち複数の工程に1つの処理槽が共用されて
    いることを特徴とする請求項1記載の表面処理システ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107511354A (zh) * 2017-09-28 2017-12-26 京东方科技集团股份有限公司 板材清洗装置及方法
CN113593876A (zh) * 2021-06-30 2021-11-02 烟台正海磁性材料股份有限公司 一种磁体表面处理装置、系统及钕铁硼磁体的表面处理方法

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