JPH10211380A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH10211380A
JPH10211380A JP1420997A JP1420997A JPH10211380A JP H10211380 A JPH10211380 A JP H10211380A JP 1420997 A JP1420997 A JP 1420997A JP 1420997 A JP1420997 A JP 1420997A JP H10211380 A JPH10211380 A JP H10211380A
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JP
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thread
tension
knife
sewing machine
fixed
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JP1420997A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Ogawa
達矢 小川
Mitsufumi Kudo
充史 工藤
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明の目的は、ミシンの糸を針板の下側
で切断する糸切り装置を備えたミシンにおいて、正常な
位置より前に糸が切断されてしまうといった不具合を解
消することである。 【解決手段】 糸切り位置まで移動して固定される固定
メス、および、糸を手繰って前記固定メスと挟むことで
糸を切断する動メスを有し、ミシンの糸を針板と釜との
間で切断する糸切り装置を備えたミシンである。そし
て、前記動メスによる上糸の手繰り始めのタイミング
を、上糸の釜渡り時に上糸に掛かる張力が最大となるタ
イミング以降に設定してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糸切り位置まで
移動して固定される固定メスと、糸を手繰り前記固定メ
スの刃と挟み合わせることで糸を切断する動メスとを有
し、ミシンの上糸または下糸を針板の下方で切断する糸
切り装置を備えたミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば千鳥縫いを行うミシン
などには、固定メスと動メスとを有する糸切り装置が装
備され、糸切り時において、固定メスが糸切り位置まで
移動して固定される一方、動メスが糸を手繰って固定メ
スの刃と挟み合わせることで、ミシンの糸を針板の下方
で切断できるようになっている。この糸切り装置の例と
して、例えば実公平3−30974号公報に開示の糸切
り装置P1がある。
【0003】図8は上記の糸切り装置P1の構成および
動作を示す説明図であり、図中、P10は固定メス、P
11は固定メスの刃、P20は動メス、P21は動メス
の刃、P30はラッチである。
【0004】このような糸切り装置P1によれば、図8
(a)に示すように、縫製中は固定メスP10と動メス
P20とが重なった状態で針落ち位置から離れた位置に
待機しているが、ミシンの糸切り時において、先ず、図
8(b)に示すように、動メスP20が前進駆動するこ
とで固定メスP10が同期して動き出し、動メスP20
が最前進したときにラッチP30が固定メスP10に係
止されて固定される。次いで、図8(c)に示すよう
に、動メスP20の手繰り部P22にミシンの糸が引っ
かけられた状態で、動メスP20が引き戻されて、固定
メスP10の刃P11と動メスP20の刃P21とで糸
が挟まれて糸が切断される。
【0005】上記糸切り装置P1は、ミシンの針板下に
設置され、ミシンの釜と針板との間で糸を切断するよう
になっている。また、固定メスP10が前進後に固定さ
れる位置は、例えば、針落ち位置が左右2箇所に振られ
る場合、一般に、その針振りの中心に刃P11が来るよ
うに固定される。つまり、縫製中においては、糸切り装
置P1は針落ち位置から離れた位置に待機し、糸切り時
において針落ち位置の下に延出してくることで、縫製中
は縫製の邪魔をせず、糸切り時においてのみ機能するよ
うになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な糸切り装置を使用したミシンには、次ぎに示すような
幾つかの課題があった。なお、説明の便宜上、下記の説
明には上記糸切り装置P1の符号を用いて説明するが、
これらの課題は上記の糸切り装置P1に限って課せられ
るものではない。
【0007】[第1の課題]従来のミシンでは、動メス
P20による糸の手繰り寄せタイミングが、図9(a)
に示すように、上糸の釜渡り時、上糸に最大張力が掛か
るときであった。そのため、動メスP20が糸を手繰り
始めて刃P11と刃P21で糸を挟む前に、その大きな
張力により上糸が切断されてしまう場合がある。例え
ば、図9(b)に示すように、動メスP20の糸手繰り
部P22と固定メスP10の刃P11とが重なった段階
で上糸が切れる場合があり、この場合、上糸が正常な位
置より前で切断されて針先の糸が短くなるため、次ぎの
縫製時に糸が針から抜け易いという問題が生じる。
【0008】また、例えばボビンに巻かれた糸量が減少
するなどして下糸張力が大きくなった場合、その張力に
より、動メスP20が下糸を手繰る際に下糸が固定メス
P10の刃P11に触れてしまい、下糸が正常な位置よ
り前で切断されることがあった。この場合、ボビンから
伸びる下糸の長さが短くなるので、次ぎの縫い始めに上
糸との結節ができず目飛びが発生するという問題が生じ
る。
【0009】[第2の課題]また、従来のミシンでは、
糸切り時において、動メスP20が糸を手繰ると、その
分、糸巻側から糸が供給されて、糸切り後の糸長を長く
するという作用がある。しかしながら、糸調子としてロ
ータリーテンションとプリテンションとが設けられてい
るミシンの場合、糸切り時においてロータリーテンショ
ンは糸の保持を解いて張力を弱めるが、プリテンション
による張力はそのままであるため、例えば、プリテンシ
ョンの張力を強く設定した場合に、その大きな張力によ
り通常の糸切り位置より前で糸が切断されてしまった
り、糸切り時において十分な上糸の供給が行われないと
いう問題があった。上糸の供給が十分に行われないこと
から、糸切り後に針先から糸が抜けたり、また、糸を切
断した後に針先の糸の長さが短くなって次の縫製時に針
から糸が抜けるといった問題が生じる。プリテンション
は、ローターリーテンションを機能させるために必要な
もので、厚物の生地を縫製する際など、ローターリーテ
ンションによる張力を強める場合には、プリテンション
の張力も同様に強める必要がある。
【0010】[第3の課題]また、図10に示すよう
に、糸切り装置P1の動メスP20には、一般に、手繰
った糸を動メスP20と固定メスP10との間を通して
逃がす逃げ溝部P23が設けられており、動メスP20
により手繰られた糸は、固定メスP10と動メスP20
との間、前記逃げ溝部P23により形成された空間内に
通されて動メスP20の刃P21まで達するようになっ
ている。
【0011】従来、この逃げ溝部P23は、動メスP2
0の先方から根元に架けて形成されているが、該逃げ溝
部P23の一方の縁が、動メスP20のエッジに沿った
状態で且つ動メスP20のエッジから僅かに隔てた位置
に形成されている。しかしながら、逃げ溝部P23が上
記のような位置形状に形成されていると、図10(b)
に示すように、固定メスP10と動メスP20とで左右
のガタ等が生じた場合、固定メスP10が逃げ溝部P2
3に落ちてしまい、糸切りがうまく行われなかったり、
糸切り装置P1がロックしてしまうという問題があっ
た。
【0012】[第4の課題]また、図11(a),
(b)に示すように、通常、外釜P50の剣先P51に
かかって釜を渡ってきた上糸は、剣先P51から外れた
後に走路押えP52の小爪P52aに受け渡されなくて
はいけない。しかしながら、従来のミシンでは、糸切り
時に、糸切り装置P1が糸を手繰ると糸に抵抗および屈
曲が与えられるので、図11(c)のように、上糸が剣
先P51から外れた後に、上糸が小爪P52aにうまく
受け渡されないという問題があった。上糸が小爪P52
aに引っかからないと、上糸は剣先P51から抜けた後
すぐに釜から抜けてしまうので、上糸の切断位置がず
れ、切断後の針先の糸の長さが短くなったり、針先から
糸が抜けてしまうなどの問題が生じる。
【0013】[第5の課題]また、従来のミシンには、
糸切り後の針先の糸量を保つため糸切り時に上糸を糸巻
き側から繰り出す上糸繰出し装置を備えたものがある。
(図7参考:図7の上糸繰出し装置40は本発明のもの
であるが、形状や動作は従来のものとほぼ同一であ
る。)この上糸繰出し装置は、回転駆動する基部に上糸
を引っかけるワイヤーを取り付けたもので、糸切り時
(糸切り装置が糸を切断する前)において、上糸を引っ
かけたワイヤーが回転駆動し、所定のストロークを移動
することで、所定量の上糸を糸巻き側から繰り出すよう
になっている。
【0014】この上糸繰出し装置のワイヤーは回転駆動
する基部にバネ材を介して取り付けられており、ワイヤ
ーが所定のストロークを移動した後、ワイヤーには一定
のバネ力が付加された状態で停止するようになってい
る。即ち、一定力以下の張力が糸に掛かる範囲において
はワイヤーの位置は変化しないが、一定力以上の張力が
糸に掛かった場合、ワイヤーは元の位置に戻る方向に移
動するようになっている。
【0015】従来、上糸繰出し装置のバネ材のバネ力
は、ワイヤーが所定ストロークを移動した後の状態にお
いて、釜張力と天秤張力とを加算した力とほぼ同等で少
し大きくなるように設定されるのが一般であった。
【0016】しかしながら、上記従来の上糸繰出し装置
においては、糸切り装置が糸を手繰る時に掛かる張力の
ことが考慮されておらず、糸の手繰り時に、上糸繰出し
装置のバネ力よりも糸の張力が大きくなって、ワイヤー
が元の方向に動いてしまうという問題があった。この移
動により、上糸繰出し装置による上糸の繰出し量がばら
つき、糸切断後の針先の糸の長さがばらついてしまった
り、糸を切断した後に針先の糸の長さが短くなって次の
縫製時に針から糸が抜け易くなるといった問題が生じ
る。
【0017】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、糸切り装置が上糸および下糸を正常な
位置で切断できるようにしたり、糸切り装置がロックし
たりせずスムーズに動作するようにすることを目的とし
ている。つまり、固定メスと動メスとを有しミシンの上
糸および下糸を針板の下方で切断する糸切り装置を備え
たミシンにおいて、当該糸切り装置に係わる不具合を解
消することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、糸切り位置まで移動して固
定される固定メス、および、糸を手繰って前記固定メス
と挟むことで糸を切断する動メスを有し、ミシンの糸を
針板と釜との間で切断する糸切り装置を備えたミシンに
おいて、前記動メスによる上糸の手繰り始めのタイミン
グを、上糸の釜渡り時に上糸に掛かる張力が最大となる
タイミング以降にした構成とした。
【0019】この請求項1記載の発明によれば、動メス
が上糸を手繰るときには、上糸に掛けられる張力が小さ
くなっているので、従来のミシンで起きていたような、
正常な位置より前で糸が切断されてしまうといった不具
合が回避される。
【0020】請求項2記載の発明は、糸切り位置まで移
動して固定される固定メス、および、糸を手繰って前記
固定メスと挟むことで糸を切断する動メスを有しミシン
の糸を針板の下で切断する糸切り装置と、回転しながら
上糸に張力を与え上糸の張力を調整するロータリーテン
ションと、このロータリーテンションに供給する上糸を
保持し該上糸に予め張力を与えるプリテンションとを備
えたミシンにおいて、糸切り時に前記ロータリーテンシ
ョンおよびプリテンションによる糸の保持を開放させる
開放手段を備えた構成とした。
【0021】この請求項2記載の発明によれば、糸切り
時にロータリーテンションとプリテンションによる糸の
保持が解かれるので、動メスが糸を手繰ったときに、上
糸の供給が抵抗なく行われ、正常な位置より前で糸が切
断されるといった不具合を回避することが出来ると共
に、針先の糸残り長さが安定し、次の縫製作業をスムー
ズに実施することが出来る。
【0022】ここで、プリテンションの糸の保持を開放
させる開放手段は、例えば、プリテンションに差し込ま
れることでプリテンションを押し開けて糸の保持を解除
させる片部を設け、ソレノイドやエアーシリンダーによ
り前記片部を作動制御することで構成可能である。その
他、この構成に限られず、どのような形式のものでも良
い。
【0023】請求項3記載の発明は、糸切り位置まで移
動して固定される固定メスと、糸を手繰る手繰り部と糸
を切断する刃部が形成された動メスとを有し、この動メ
スが固定メスと重なり合った状態で固定メス側に引かれ
ることで、前記糸手繰り部により糸が手繰られ、手繰ら
れた糸が前記固定メスと動メスとの間に引き込まれ、そ
の後、前記動メスの刃部と固定メスとがかみ合って糸を
切断する糸切り装置を備えたミシンにおいて、前記動メ
スには、固定メスと動メスとの間に糸を引き込む際に前
記手繰り部から前記刃部に架けて糸を逃がす逃げ溝が形
成され、この逃げ溝が、前記手繰り部から前記刃部に架
けてのみ形成され、且つ、前記手繰り部から前記刃部に
架けてほぼ同じ幅に形成されている構成とした。
【0024】この請求項3記載の発明によれば、従来の
逃げ溝が、手繰り部よりも根元にかけて全体に形成さ
れ、且つ、根元側の幅が末広になるように形成されてい
たのに対して、この発明の逃げ溝は、手繰り部から刃部
にかけてのみ形成され、且つ、刃部から手繰り部にかけ
てほぼ同じ幅に形成されているので、逃げ溝の大きさお
よび形状が機能的に必要最小限のものとなる。従って、
従来、逃げ溝により引き起こされていた、固定メスが逃
げ溝部に落ちてしまい、糸切りがうまく行われなかった
り、糸切り装置がロックしてしまうといった不具合を回
避することが出来る。また、逃げ溝の大きさが必要最小
限となることから、動メスの強度の向上も併せて図るこ
とが出来る。
【0025】請求項4記載の発明は、糸切り位置まで移
動して固定される固定メス、および、糸を手繰って前記
固定メスと挟むことで糸を切断する動メスを有し、ミシ
ンの糸を針板と釜との間で切断する糸切り装置を備えた
ミシンにおいて、内釜に、外釜の剣先から走路押えの小
爪に糸を導く凸部を設けた構成とした。
【0026】この請求項4記載の発明によれば、糸切り
装置が糸を手繰っている場合でも、内釜に設けられた凸
部の作用により、上糸が釜を渡る際、外釜の剣先から走
路押えの小爪への上糸の受け渡しが確実に行われる。即
ち、一般に、上糸が釜を渡る際には、上糸が外釜の剣先
に引っかけられた状態で外釜が回転することで、上糸が
内釜に沿った状態で通過するため、内釜に何らかの凸部
を形成することで、その凸部の分、上糸の経路をずらす
ことが出来る。そして、その凸部を、例えば、外釜の剣
先から走路押えの小爪へ上糸が受け渡される経路に沿っ
た形状に形成することで、剣先から小爪への上糸の受け
渡しを、ある程度強制的に行わせることができ、それ
故、糸切り装置が糸を手繰っている場合でも、上記剣先
から小爪への上糸の受渡しを確実に行うことが出来る。
【0027】具体的には、外釜の剣先から走路押えの小
爪に糸を導く凸部は、内釜の上面側(釜底を下とした上
面側)周縁部、上糸が剣先から小爪に受け渡される角度
の範囲に、径方向に膨出させることで構成可能である。
なお、この発明の凸部の構成は具体的に示したこの構造
に限られるものではない。
【0028】請求項5記載の発明は、糸切り位置まで移
動して固定される固定メス、および、糸を手繰って前記
固定メスと挟むことで糸を切断する動メスを有しミシン
の糸を針板の下で切断する糸切り装置と、上糸を手繰る
糸手繰り部材を有し、糸切り時に前記糸手繰り部材を所
定ストローク移動させることで所定量の上糸を繰り出す
上糸繰出し装置とを備えたミシンにおいて、前記上糸繰
出し装置の糸手繰り部材はバネ材を介して固定され、こ
の糸繰出し部材が所定ストローク移動した状態におい
て、前記バネ材により前記糸手繰り部材に付加されるバ
ネ力のモーメントが、釜の糸引きによる釜張力と、天秤
の糸引きによる天秤張力と、前記糸切り装置の糸手繰り
による糸切り装置張力との和よりも大きい構成とした。
【0029】この請求項5記載の発明によれば、糸繰出
し部材は、糸切り時に所定ストローク移動した状態で、
釜張力と、天秤張力と、前記糸切り装置の糸手繰りによ
る糸切り装置張力との和よりも大きいバネ力のモーメン
トが付加されるので、糸切り時において糸繰出し部材の
位置が安定する。即ち、従来、糸切り装置が糸を手繰っ
たときに、その張力により糸繰出し部材が引っ張られ
て、糸繰出し部材の位置が元に戻る方向に移動し、上糸
の繰出し量がばらつくといった不具合があったのに対し
て、この発明ではその不具合を回避することが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図7の図面を参照しながら説明する。図1
は、この発明の実施の形態であるミシン1の外観を示す
斜視図である。図2は、ミシン1に装備された糸切り装
置60を示すもので(a)と(b)はその上面図、
(c)は糸切り装置60の固定メス62の先端部を示す
側面図である。図3はミシン1の釜80を示すもので
(a)はその正面図、(b)は矢印A方向から見た内釜
82の側面図である。
【0031】この実施の形態のミシン1は、縫製処理の
糸切り時などに針板2の下で自動的に糸を切断する機能
を有するもので、図1に示すように、ミシン1の上部側
には、糸調子としてのロータリーテンション10とプリ
テンション20、開放手段としてのプリテンション開放
装置30、並びに、上糸繰出し装置40が装備されてい
る他、図2や図3に示すように、針板2の下側には、糸
切り装置60や、釜80が配設されている。
【0032】糸切り装置60は、従来の構成とほぼ同様
のもので、固定メス62と動メス64とから構成され、
これら固定メス62および動メス64が前後(図2
(a)において左右)に可動な状態で上下に重ねられて
いる。この糸切り装置60は、ミシン1の針板2と釜8
0との間に配置され、縫製中においては、針落ち位置か
ら離れた位置に待機しているが、糸切り時になると、動
メス64と固定メス62とが糸切り位置(針落ち位置の
下側)まで移動して糸を切断するようになっている。
【0033】固定メス62の先端部には、図2(c)に
も示すように、刃部62aが下面側に形成される他、こ
の刃部62aより先端側に先端方向に突出する凸部62
bが形成されている。これら刃部62aと凸部62bと
は、刃部62aと凸部62bの先端を結んだ直線Pと水
平線Qとの角度θが25度以下(例えば18度)になる
ように形成されている。
【0034】動メス64には、先端部に刃部64aが、
中央部に手繰り部64bと逃げ溝64cが形成されてい
る。逃げ溝64cは、手繰り部64bから刃部64aに
架けてのみ形成され、且つ、手繰り部64bから刃部6
4aに架けてほぼ同じ幅に形成されている。即ち、逃げ
溝64cは機能的に最小の大きさ及び形状に形成される
と共に、動メス64の中央部(手繰り部64b付近)に
おいて動メス64の両側縁64f,64fから十分離れ
た位置に形成されている。
【0035】逃げ溝64cが動メス64の両側縁64
f,64fから十分離れていることより、動メス64が
固定メス62から押し出されたり引き戻されたりしたと
きに、固定メス62が動メス64の逃げ溝64cに落ち
てしまうといった不具合を防止するようになっている。
また、逃げ溝64cが機能的に最小の大きさであること
から動メス64の強度も高いものになっている。
【0036】上記糸切り装置60は、その動作タイミン
グ(特に手繰り部64bによる糸手繰りのタイミング)
について、本発明の特徴を有している。この点について
は、後述のミシン1の動作の説明のところで詳述する。
【0037】釜80は、図3に示すように、剣先84a
と走路押えの小爪84bとを有する外釜84と、凸部8
2aを有する内釜82とから構成されている。内釜82
の凸部82aは、本発明の特有の構成であり、図3
(b)にも示すように、内釜82の手前側(釜底を奥方
とした手前側)において、上糸が外釜84の剣先84a
から小爪84bに移動するときに上糸が渡る部位に架け
て、径方向に膨出した形状に形成され、上糸が外釜84
の剣先84aから小爪84bに移動する際にこの移動の
案内をするようになっている。この凸部82aの膨出量
は、例えば、正面視(釜底を奥方とした正面視)、凸部
82aの外周端が小爪84bの先端、径方向の外側の位
置にかかるか、或いは、その位置より外周側に張り出す
量になっており、この膨出量により上糸の上記案内がよ
り確実に行われるようになっている。
【0038】ロータリーテンション10とプリテンショ
ン20は、従来の構成と同様のものである。ロータリー
テンション10は、ローラーとこのローラーの回転に対
して摩擦トルクを与えるバネ材とからなり、前記ローラ
ーに上糸を1回転巻き付けて、上糸の供給に伴ってロー
ラーが回転することで上糸に所定の張力が掛けられる。
プリテンション20は、2枚の調子皿21,21とこれ
ら調子皿21,21を押圧するバネ材とからなり、押圧
されている2枚の調子皿21,21の間に糸を通して糸
に予め張力を与えるようになっている。
【0039】上記ロータリーテンション10には、糸切
り時にソレノイド等の作用によりバネ材の押圧を緩めて
ローラーに与える摩擦トルクを小さくするロータリーテ
ンション開放装置が装備されている。このロータリーテ
ンション開放装置は公知のものである。
【0040】プリテンション開放装置30は、糸切り時
においてプリテンション20による上糸の保持を開放す
るものである。プリテンション開放装置30の説明図で
ある図6(同図(a)は拡大斜視図、(b)は動作を説
明する模式図)にも示すように、このプリテンション開
放装置30は、ミシン取り付け用の取付けベース31、
ソレノイド32、および、作動片33等から構成されて
いる。取付けベース31には横長のネジ通し孔31aが
形成され、プリテンション20とプリテンション開放装
置30との距離が調整可能になっている。
【0041】このプリテンション開放装置30は、糸切
り時において、ソレノイド32が作動して、作動片33
がプリテンション20の調子皿21,21の間に挿入さ
れるようになっている。作動片33が挿入されること
で、調子皿21,21が開いてプリテンション20によ
る上糸の保持が解かれる。
【0042】上糸繰出し装置40は、該上糸繰出し装置
40の説明するためのミシンの頭部を示した正面図であ
る図7にも示すように、上糸を引っかけて上糸を繰り出
す糸繰出しワイヤー41と、糸切り時に糸繰出しワイヤ
ー41を回動させる駆動装置42(例えばロータリーソ
レノイドなど)、並びに、糸繰出しワイヤー41と駆動
装置42との間に介設されるバネ材(図示略)等から構
成される。この上糸繰出し装置40は、糸切り時に作動
して、糸繰出しワイヤー41を原点位置L0から繰出し
位置L1まで回動させるようになっている。この回動に
より、上糸が糸巻側から繰り出され、糸切り後の針先の
糸残りの長さが安定的に保たれる。
【0043】糸繰り出しワイヤー41が繰出し位置L1
に移動した状態において、糸繰出しワイヤー41には、
糸を繰り出す方向に所定のバネ力が付加され、且つ、ス
トッパー等によりこのバネ力の方向に移動しないように
係止された状態になっている。つまり、糸繰出しワイヤ
ー41の上糸を引っかけた部分に前記バネ力のモーメン
トが掛けられた状態で停止しており、上糸に前記バネ力
のモーメント以上の張力が掛かった場合に、糸繰出しワ
イヤー41が原点位置L0の方向へ戻るようになってい
る。
【0044】この上糸繰出し装置40のバネ材のバネ力
は、糸繰出しワイヤー41が繰出し位置L1に移動した
状態で、前記バネ力のモーメントが、釜張力(釜80か
ら上糸に掛けられる張力)、天秤張力(天秤から上糸に
掛けられる張力)、糸切り装置張力(糸切り装置60か
ら上糸に掛けられる張力)の和よりも大きくなるように
設定されている。
【0045】次に、上記のような構成のミシン1の糸切
り時の動作について説明する。
【0046】図4には、糸切り装置60の一連の動作を
説明するための模式図を示す。同図の(a)は糸切り装
置60の正面斜視図、(b)(c)(e)はその側面
図、(d)は上面図である。
【0047】糸切り時のミシン1の動作は次のごとくで
ある。即ち、糸切り時において、先ず、電気的な駆動に
より、動メス64が固定メス62の外側に押し出される
と共に、この動メス64に連動して固定メス62も前進
する。そして、動メス64と固定メス62とが糸切り位
置まで移動した段階で、固定メス62が固定される。こ
のとき、動メス64の手繰り部64b内にミシン糸が入
り込んだ状態になる。
【0048】この糸切り時において、ロータリーテンシ
ョン開放装置およびプリテンション開放装置30が始動
して、ロータリーテンション10およびプリテンション
20による上糸の保持が開放される。また、上糸繰り出
し装置40が始動して、糸巻側からの上糸の繰り出しが
行われる。
【0049】次いで、動メス64が固定メス62側に引
かれ、所定のタイミングで、ミシン糸が糸手繰り部64
bに掛けられてミシン糸が手繰り始められる(図4
(a)(b)の状態)。この糸の手繰り開始のタイミン
グは、上糸の釜渡り時において上糸に最大張力が掛けら
れるタイミング以降で且つ天秤が上糸を引き上げ始める
タイミング以前に設定されている。
【0050】この糸手繰りのタイミングについて、上糸
が釜80を渡っている状態の正面図である図5を参照し
ながら説明する。一般に、上糸に掛けられる張力は外釜
84の回転位置に依存して変化する。図示例の場合、上
糸が釜80を渡り始めて最下点近傍に達するまで(図中
Eの範囲)徐々に上糸の張力が増加し、釜80の最下点
近傍において上糸の張力が最大となる。図中矢印eは糸
張力の緊張方向を示している。
【0051】上糸が釜80の最下点近傍を過ぎると、上
糸は剣先84aから外れて走路押えの小爪84b側に移
動する(図中Fの範囲)。このとき、上糸の張力は比較
的急激に減少する。図中矢印fは糸張力の緩和方向を示
している。その後、上糸は天秤に引き上げられて上糸に
適度な張力が与えられ(図中Gの範囲)、上糸は釜80
を渡り切る。
【0052】上記のような上糸の釜渡り動作において、
糸切り装置60による糸手繰りの始動タイミングは、上
糸が剣先から外れてから天秤に引き上げ始められるまで
の範囲(図中Fの範囲)において行われる。なお、上糸
の張力を決定する釜の回転位置は、上記に説明した釜8
0の回転位置に限られるものではなく、釜の種類やミシ
ンの設定等により、その回転位置は前後に変化する場合
がありえる。
【0053】更に、動メス64がそのまま固定メス62
側に引かれることで、ミシン糸の一端側は固定メス62
と動メス64との間に引き込まれ、多端側は固定メス6
2の先端部から外側に伸びた状態になる。この糸引きの
過程中、例えば、動メス64の手繰り部64bが固定メ
ス62の先端部に差し掛かった状態(図4(c)の状
態)において、上糸に掛けられた張力が大きいと(図中
2点鎖線で示す)、固定メス62の先端部や動メス64
の手繰り部64bに摺動する上糸の抵抗が大きくなり、
上糸が通常の糸切り位置より前で切断されてしまう要因
となる。しかし、図中に示すように糸の張力が低い場
合、上糸は固定メス62と動メス64との間でスムーズ
に引かれ、糸の緊張により上糸が切断されることはな
い。
【0054】この実施の形態のミシン1では、糸手繰り
の開始タイミングを上糸の釜渡り時、上糸に最大張力が
掛けられるタイミング以降にしたこと、並びに、開放手
段(ロータリーテンション開放装置およびプリテンショ
ン開放装置30)により糸切り時にロータリーテンショ
ン10およびプリテンション20による上糸の保持を開
放していること等により、糸手繰り時に上糸に掛けられ
る張力が低くおさえられている。
【0055】また、上記糸引きの過程中において、固定
メス62の先端に掛かっている糸は固定メス62の刃部
62aに接触することになるが、刃部62aより先端側
に設けられた凸部62b(図2(c)参照)の作用によ
り、刃部62aと糸との接触角度が緩くなり、刃部64
aへの接触により糸が切断されにくいようになってい
る。ここで、凸部62bと刃部62aとのなす角度(刃
部62aと凸部62bの先端を結んだ直線Pと水平線Q
との角度θ:図2参照)は、25度以下で、糸が切断さ
れにくいという効果を現し、例えば18度程度で十分な
効果を奏する。
【0056】また、上記の糸引きの過程において、上糸
が剣先84aから小爪84bに移動する際、上糸は糸切
り装置60により手繰られるため、上糸の軌道がずれ
て、上糸が小爪84bにうまく掛かり難い状態になる
が、上記内釜82に設けられた凸部82aにより、上糸
が小爪84bに案内されて、上糸の小爪84bへの架け
渡しが確実に行われるようになっている。
【0057】また、上糸繰り出し装置40の糸繰り出し
ワイヤー41に掛けられているバネ力のモーメントが、
釜張力(釜80から上糸に掛けられる張力)と、天秤張
力(天秤から上糸に掛けられる張力)と、糸切り装置張
力(糸切り装置60から上糸に掛けられる張力)の和よ
りも大きくなっていることから、糸繰り出しワイヤー4
1が元の位置に引き戻されることがなく、その位置が安
定されて、糸切り後の針先の上糸残りの長さが十分に保
たれるようになっている。
【0058】そして、最後に、動メス64の刃部64a
と固定メス62の刃部62aが重なってミシン糸が切断
される(図4(d)(e)の状態)。
【0059】以上のように、この実施の形態のミシン1
によれば、糸切り装置60が上糸を手繰り始めるタイミ
ングを、上糸の釜渡り時に上糸に掛かる張力が最大とな
るタイミング(釜越え点)以降としたこと、並びに、糸
切り時にロータリーテンション10とプリテンション2
0による糸の保持を解いていることから、動メス64の
手繰り部64bが上糸を手繰り始めてから切断するまで
上糸に掛かる張力が低く抑えられ、正常な位置での糸切
りを確実にすることが出来る。従って、糸切り後の針先
の糸の長さが安定し、針から糸が抜けるといった不具合
を回避でき、次の縫製作業をスムーズに実施できるよう
になっている。
【0060】また、内釜82に設けられた凸部82aに
よって、糸切り時に、外釜84の剣先84aから走路押
えの小爪84bへの上糸の受け渡しが確実に行われるの
で、糸切り後の針先の糸残り長さが安定し、次の縫製作
業をスムーズに実施することが出来る。
【0061】また、糸切り時に、糸切り装置60が糸を
手繰った場合でも、上糸手繰り装置40の糸手繰りワイ
ヤー40が引き戻されないので、糸切り後の針先の糸残
り長さが安定し、糸切り後の糸抜けがなくなり、次の縫
製作業をスムーズに実施できる。
【0062】なお、本発明は、この実施の形態のミシン
1に限られるものではなく、プリテンション開放装置3
0の構成や、内釜82の凸部82aの形状など、具体的
に示した細部構造などは、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で、変更可能なことは云うまでもない。また、糸切り
装置60の糸手繰りタイミングを上糸の釜越え以降にし
たこと、並びに、糸切り時にロータリーテンション10
とプリテンション20との糸の保持を解いたことは、共
に両方実行する必要はなく、それぞれ個別に行うだけで
も上記の適切な位置での糸切りといった効果が得られ
る。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、糸切り装
置が上糸を手繰り始めるタイミングを、上糸の釜渡り時
に上糸に掛かる張力が最大となるタイミング(釜越え
点)以降としたことで、糸切り装置が上糸を手繰り始め
てから切断するまで上糸に掛かる張力が低く抑えられ、
正常な位置での糸切りを確実にすることが出来る。従っ
て、糸切り後の針先の糸の長さが安定し、針から糸が抜
けるといった不具合を回避でき、次の縫製作業をスムー
ズに実施できる。
【0064】請求項2記載の発明によれば、糸切り時に
ロータリーテンションとプリテンションによる糸の保持
が解かれるので、糸切り装置が上糸を手繰り始めてから
切断するまで上糸に掛かる張力を低く抑えられ、且つ、
糸巻き側からの上糸の供給が抵抗なく行われる。従っ
て、糸切り装置による糸切りが正常な位置で行われ、糸
切り後の針先の糸残り長さが安定し、次の縫製作業をス
ムーズに実施することが出来る。
【0065】請求項3記載の発明によれば、動メスに形
成された逃げ溝が、手繰り部から刃部に架けてのみ形成
され、且つ、前記手繰り部から前記刃部に架けてほぼ同
じ幅に形成されているので、逃げ溝の大きさおよび形状
が機能的に必要最小限のものとなる。従って、従来、逃
げ溝が、動メスの刃部から根元にかけて全体に形成さ
れ、且つ、根元側の幅が末広になるように形成されてい
たことから、動メスが伸びたときに、固定メスが逃げ溝
部に落ちてしまい、糸切り装置がロックしてしまうとい
った不具合が生じていたのに対して、この発明ではその
不具合を回避することが出来るし、逃げ溝の大きさが必
要最小限となることから、動メスの強度の向上も併せて
計ることが出来る。つまり、動メスの逃げ溝部に固定メ
ス端が入り込むことなく糸切り装置がスムーズに動き、
動メスの剛性が向上し安定した糸切りを行うことが出来
る。
【0066】請求項4記載の発明によれば、内釜に設け
られた凸部によって、糸切り時に、外釜の剣先から走路
押えの小爪への上糸の受け渡しを確実に行わせることが
出来る。つまり、従来、糸切り時に、糸切り装置が上糸
を手繰るので、上糸の位置がずれ、剣先から小爪へ上糸
がうまく受け渡されないといった不具合が生じていたの
に対して、この発明ではその不具合を回避できる。そし
て、糸切り時に上糸が小爪へ確実に受け渡されることか
ら、糸切り後の針先の糸残り長さが安定し、次の縫製作
業をスムーズに実施することが出来る。
【0067】請求項5記載の発明によれば、上糸手繰り
装置の糸手繰り部材に付加されるバネ力が、上糸を手繰
った状態で、釜の糸引きによる釜張力と、天秤の糸引き
による天秤張力と、前記糸切り装置の糸手繰りによる糸
切り装置張力との和よりも大きいので、糸切り装置が糸
を手繰った場合でも、糸繰り出し部材が引き戻されるこ
とがなく、その位置が安定する。従って、糸切り後の針
先の糸残り長さが安定し、糸切り後の糸抜けがなくな
り、次の縫製作業をスムーズに実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態であるミシンの外観を示
す斜視図である。
【図2】図1のミシンに装備された糸切り装置を示すも
ので、(a)と(b)はその上面図、(c)はこの糸切
り装置の固定メスの先端部を示す側面図である。
【図3】同、ミシンの釜を示すもので、(a)はその正
面図、(b)は(a)の矢印A方向から見た内釜の側面
図である。
【図4】図2の糸切り装置の一連の動作を説明するため
の模式図であり、(a)は糸切り装置の正面斜視図、
(b)(c)(e)はその側面図、(d)は上面図であ
る。
【図5】上糸が図3の釜を渡っている状態を示す正面図
である。
【図6】図1のプリテンション開放装置を説明するため
のもので、(a)はプリテンション開放装置の拡大斜視
図、(b)はその動作を示す模式図である。
【図7】図1の上糸繰出し装置を説明するためのミシン
の頭部を示した正面図である。
【図8】従来の糸切り装置の概略構成および動作を示す
説明図である。
【図9】従来の糸切り装置に係る問題点を説明するため
のもので、(a)は従来の糸引きタイミングを示す模式
図、(b)は糸が標準からずれた位置で切断されやすい
状態を示した斜視図である。
【図10】従来の糸切り装置に係る問題点を説明するた
めのもので、(a)は上糸繰出し装置の詳細上面図、
(b)は動メスがロックしてしまった状態を示す上面図
である。
【図11】従来のミシンにおいて、糸切り時に上糸が外
釜の剣先から走路押えの小爪に渡るときの状態を示すも
ので、(a)は剣先から小爪に渡る前の状態を示す釜の
正面図、(b)は正常に渡った場合を示す走路押えの拡
大部分図、(c)は剣先から上糸が離れた後の状態を示
す釜の正面図である。
【符号の説明】
1 ミシン10 ロータリーテンション 20 プリテンション 30 プリテンション開放装置(開放手段) 31 取付けベース 32 ソレノイド 33 作動片 40 上糸繰出し装置 41 糸繰り出しワイヤー 42 駆動装置 60 糸切り装置 62 固定メス 62a 固定メスの刃部 62b 固定メスの凸部 64 動メス 64a 動メスの刃部 64b 手繰り部 64c 逃げ溝 80 釜 82 内釜 82a 上糸を剣先から小爪に導く内釜の凸部 84 外釜 84a 剣先 84b 走路押えの小爪

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸切り位置まで移動して固定される固定
    メス、および、糸を手繰って前記固定メスと挟むことで
    糸を切断する動メスを有し、ミシンの糸を針板と釜との
    間で切断する糸切り装置を備えたミシンにおいて、 前記動メスによる上糸の手繰り始めのタイミングを、上
    糸の釜渡り時に上糸に掛かる張力が最大となるタイミン
    グ以降にしたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 糸切り位置まで移動して固定される固定
    メス、および、糸を手繰って前記固定メスと挟むことで
    糸を切断する動メスを有しミシンの糸を針板の下で切断
    する糸切り装置と、 回転しながら上糸に張力を与え上糸の張力を調整するロ
    ータリーテンションと、 このロータリーテンションに供給する上糸を保持し該上
    糸に予め張力を与えるプリテンションとを備えたミシン
    において、 糸切り時に前記ロータリーテンションおよびプリテンシ
    ョンによる糸の保持を開放させる開放手段を備えたこと
    を特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】 糸切り位置まで移動して固定される固定
    メスと、 糸を手繰る手繰り部と糸を切断する刃部が形成された動
    メスとを有し、 この動メスが固定メスと重なり合った状態で固定メス側
    に引かれることで、前記糸手繰り部により糸が手繰ら
    れ、手繰られた糸が前記固定メスと動メスとの間に引き
    込まれ、その後、前記動メスの刃部と固定メスとがかみ
    合って糸を切断する糸切り装置を備えたミシンにおい
    て、 前記動メスには、糸を固定メスと動メスとの間に引き込
    む際に前記手繰り部から前記刃部に架けて糸を逃がす逃
    げ溝が形成され、 この逃げ溝が、前記手繰り部から前記刃部に架けてのみ
    形成され、且つ、前記手繰り部から前記刃部に架けてほ
    ぼ同じ幅に形成されていることを特徴とするミシン。
  4. 【請求項4】 糸切り位置まで移動して固定される固定
    メス、および、糸を手繰って前記固定メスと挟むことで
    糸を切断する動メスを有し、ミシンの糸を針板と釜との
    間で切断する糸切り装置を備えたミシンにおいて、 内釜に、外釜の剣先から走路押えの小爪に糸を導く凸部
    を設けたことを特徴とするミシン。
  5. 【請求項5】 糸切り位置まで移動して固定される固定
    メス、および、糸を手繰って前記固定メスと挟むことで
    糸を切断する動メスを有しミシンの糸を針板の下で切断
    する糸切り装置と、 上糸を手繰る糸手繰り部材を有し、糸切り時に前記糸手
    繰り部材を所定ストローク移動させることで所定量の上
    糸を繰り出す上糸繰出し装置とを備えたミシンにおい
    て、 前記上糸繰出し装置の糸手繰り部材はバネ材を介して固
    定され、 この糸繰出し部材が前記所定ストローク移動した状態に
    おいて、前記バネ材により前記糸手繰り部材に付加され
    るバネ力のモーメントが、釜の糸引きによる釜張力と、
    天秤の糸引きによる天秤張力と、前記糸切り装置の糸手
    繰りによる糸切り装置張力との和よりも大きいことを特
    徴とするミシン。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100354465C (zh) * 2001-10-15 2007-12-12 重机公司 缝纫机的切线装置
CN102061577A (zh) * 2011-01-21 2011-05-18 李德锵 绗缝绣花机转盘式供线系统
CN102182019A (zh) * 2011-05-04 2011-09-14 张章生 缝纫机及其全密封挑线机构
JP2018201658A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 極東産機株式会社 縫製装置の縫い糸送り機構、および、縫い糸送り機構を備えた縫製装置
WO2021227474A1 (zh) * 2020-05-12 2021-11-18 安徽杰羽制鞋机械科技有限公司 一种短线头罗拉车可调动刀剪线机构
CN113699706A (zh) * 2020-05-22 2021-11-26 杰克缝纫机股份有限公司 一种密封式挑线机构及缝纫机

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