JPH10209828A - 内部クロック発生回路及びそれに用いる可変遅延回路 - Google Patents

内部クロック発生回路及びそれに用いる可変遅延回路

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JPH10209828A
JPH10209828A JP9008021A JP802197A JPH10209828A JP H10209828 A JPH10209828 A JP H10209828A JP 9008021 A JP9008021 A JP 9008021A JP 802197 A JP802197 A JP 802197A JP H10209828 A JPH10209828 A JP H10209828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波で動作するLSIチップにおいて、正
確に外部クロックと内部クロックとの同期をとり、環境
変化による同期のずれを起こさない内部クロック発生回
路及びそれに用いて好適な可変遅延回路を提供する。 【解決手段】 位相比較回路2は、外部クロックと可変
遅延回路5の出力を比較する。可変遅延回路4は、外部
クロックを1周期分遅延させる。可変遅延回路5は、可
変遅延回路4の出力を制御信号C1に応じてゼロ又は1
周期分遅延させる。制御回路8は、位相比較回路2の出
力を基に可変遅延回路5を制御して可変遅延回路5をゼ
ロ遅延と1周期遅延とに交互に切り替えた時に、常に外
部クロックと可変遅延回路5の出力の位相が一致するよ
うに可変電流源6の出力電流を制御する。可変遅延回路
7は、可変遅延回路4の出力クロックを基に、可変電流
源6からの積分電流を積分して、内部クロックを発生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部クロック発生
回路及びそれに用いる可変遅延回路に係り、特に高周波
で動作する集積回路に好適で、位相の遅延を任意制御可
能な内部クロック発生回路及びそれに用いる可変遅延回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロプロッセサや半導体メモ
リ等の半導体集積回路(LSI)は高い周波数で動作す
ることが要求され、それに伴い各LSIチップ間の同期
をとるためのシステムクロック、或は各LSIチップ内
の回路の同期をとるための内部クロックの周波数が高ま
ってきている。
【0003】LSIチップ外部から供給されたシステム
クロック等の外部クロックとLSI内部回路との同期を
とるためには、位相同期回路(PLL:Phase Locked L
oop)が用いられている。PLLは、2つの周波数の位
相差に応じて発振器の周波数を制御する回路である。図
6のブロック図を用いてPLLの動作の仕組みを簡単に
説明する。
【0004】PLLは、2つの位相を比較する位相比較
器31と、位相比較器31から出力された位相差比較電
圧信号にフィルタリングして電圧制御信号を生成するル
ープフィルタ32と、ループフィルタ32で生成された
電圧制御信号に基づいて周波数を制御する電圧制御発振
器33(VCO:Voltage Controlled Oscillator )と
を有する。
【0005】外部クロック入力端子35から入力された
clkin信号は、位相比較器31、ループフィルタ3
2、VCO33を経由して、再び位相比較器31ヘPL
L1信号として入力する。ここで、clkin信号とP
LL1信号との位相が比較されて、もし、clkin信
号に対してPLL1信号の位相が遅れた場合には、ルー
プフィルタ32で生成される電圧制御信号値が増加して
VCO33から出力する周波数を高くする。
【0006】逆に、clkin信号に対してPLL1信
号の位相が進んだ場合には、同様にしてVCO33から
出力する周波数を下げて、clkin信号とPLL1信
号の位相がずれないように制御される。さらに、ディレ
イ同期回路(DLL:Delay Locked Loop )を用いてc
lkin信号に対して1サイクル送れた次のクロックの
立ち上がりに同期させることも行われている。DLLは
PLLと似たような動作を行うが、ちょうど、1サイク
ルだけ遅らせる働きを作り出すために、ディレイライン
が設けられている。つまり、1サイクル分の遅れを作り
出すためのものであり、利用できる周波数範囲が限定さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、LSIチ
ップでは、外部クロックと内部クロックの位相差をPL
LやDLLを用いて補正して正確な信号の伝送が行われ
るよう工夫されている。ところが、近年、LSIの動作
周波数が非常に高速化しているため、信号振幅が小さく
なってきている。このため、内部回路で外部信号を利用
する際に入力回路で増幅などを行う必要があり、これら
入力回路、或いは入力端子から入力回路までの配線等で
さえ信号が通過する際に遅延が生じる。
【0008】さらに、LSIチップの動作スピードはチ
ップをとりまく環境に影響され、例えば温度や、電圧値
によって、発振器の発振周波数が変化したり、入力回路
の動作そのもので遅延が生じてしまう。このような不規
則な遅延のための対策として、遅延量を外部からの指示
で変化させることのできる可変遅延回路も提案されてい
る。これは、複数のトランジスタを接続し、遅延量に対
応した電流を得る分だけのトランジスタを選択的に駆動
して遅延回路を制御することによって遅延量を変更する
ものである。この方法を用いれば、ある程度の遅延量の
幅に対応できるが、選択するトランジスタの特性によっ
て段階的にしか電流値を変えられず微少な遅延量の調整
が困難であった。
【0009】また、外部からの信号で調整を行うだけで
は、内部の遅延が考慮されていないため正確な同期をと
るには不十分であった。本発明は上記事情に基づいてな
されたものであり、高周波で動作するLSIチップにお
いて、正確に外部クロックと内部クロックとの同期をと
り、環境変化による同期のずれを起こさない内部クロッ
ク発生回路及びそれに用いて好適な可変遅延回路を提供
することを目的とするものである。
【0010】また、本発明の他の目的は、可変遅延回路
の遅延量の設定がバイナリコードで行える可変遅延回路
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る内部クロック発生回路は、クロック信号
が入力される差動入力回路と、前記クロック信号を1周
期分遅延させる第一の可変遅延回路と、前記第一の可変
遅延回路の出力を制御信号に応じてゼロまたは1周期分
遅延させる積分型の第二の可変遅延回路と、前記クロッ
ク信号と前記第二の可変遅延回路の出力を比較する位相
比較手段と、前記第二の可変遅延回路に積分電流を供給
する可変電流源と、前記位相比較手段の出力を基に前記
第二の可変遅延回路を制御して前記第二の可変遅延回路
をゼロ遅延と1周期遅延とに交互に切り替えた時に、常
に前記クロック信号と前記第二の可変遅延回路の出力の
位相が一致するように前記可変電流源の出力電流を制御
する制御手段と、前記第一の可変遅延回路の出力が入力
され、前記可変電流源からの積分電流を前記第一の可変
遅延回路の出力クロックを基に積分して内部クロックを
発生する積分型の第三の可変遅延回路と、を備えたこと
を特徴とするものである。
【0012】第二の可変遅延回路は、遅延量ゼロのゼロ
遅延と遅延量が入力クロックの1周期分の1周期遅延と
を交互に切り替える。位相比較手段の入力には、第一の
可変遅延回路による1周期遅延を受けたクロックと、第
一の可変遅延回路および第二の可変遅延回路によって2
周期遅延を受けたクロックとが交互に入力される。第二
の可変遅延回路の遅延量が正確にゼロ遅延又は1周期遅
延である場合には、位相比較手段の入力位相のずれは第
一の可変遅延回路による位相ずれだけになる。このた
め、まず、第二の可変遅延回路の遅延量をゼロ遅延に設
定し、第一の可変遅延回路の遅延量を制御して位相を合
わせ込み、次に、第二の可変遅延回路の遅延量を1周期
遅延に設定し、可変電流源の出力電流を制御することに
よって位相を合わせ込む。制御手段はこのようにして入
力クロックと第一の可変遅延回路による1周期遅延を受
けたクロックとの位相が常に合うように制御する。した
がって、温度変化等によって第二の可変遅延回路の遅延
量が変動した場合にもこのフィードバックループによっ
て位相変動が押さえられるように可変電流源の出力電流
が制御される。
【0013】一方、第一の可変遅延回路によって1周期
遅延を受けたクロックは第三の可変遅延回路にも供給さ
れる。第三の可変遅延回路を第二の可変遅延回路と同じ
構成とすれば、第三の可変遅延回路に第二の可変遅延回
路と同じ制御信号を入力するだけで温度変化等に対する
変動のない正確な遅延を得られる。上記目的を達成する
ための本発明に係る可変遅延回路は、外部から入力され
るクロック信号を基に可変電流源から供給される電流を
積分して前記クロック信号を遅延させる可変遅延回路に
おいて、マスタトランジスタと、ゲートが前記マスタト
ランジスタと接続され、ソース・ドレインが直列に接続
された第一のスレーブトランジスタ及び第二のスレーブ
トランジスタと、前記第一のスレーブトランジスタのソ
ース・ドレイン間を相補的に短絡する第一の選択トラン
ジスタと、前記第二のスレーブトランジスタのソース・
ドレイン間を相補的に短絡する第二の選択トランジスタ
とからなるスレーブトランジスタ対が複数個直列に接続
されたスレーブトランジスタ対群と、を備え、前記第一
の選択トランジスタ及び前記第二の選択トランジスタの
各対の動作パターンを変化させて出力電流を切り替える
ことにより、遅延量を制御することを特徴とするもので
ある。
【0014】スレーブトランジスタ対群の各スレーブト
ランジスタ対が遅延量設定値のバイナリコードの各ビッ
トに対応させることで簡単に遅延量の設定ができる。ま
た、上記目的を達成するための本発明に係る可変遅延回
路は、積分電流制御部と、前記積分電流制御部から供給
される電流を、入力されるクロック信号に応じて積分
し、前記クロック信号を遅延させる積分回路部とを備え
た可変遅延回路において、前記積分回路部は、前記積分
電流制御部から供給される電流によって駆動する駆動ト
ランジスタと、前記駆動トランジスタによって電荷を蓄
積する容量手段と、前記駆動トランジスタのゲート端子
に接続され、前記駆動トランジスタのゲート・ソース間
容量またはゲート・ドレイン間容量とほぼ等しい容量を
持ち、前記駆動トランジスタと前記容量手段の接続点の
電位の変化に応じて前記駆動トランジスタのゲート端子
の電位を逆方向に変化させる第一のゲート電位補正手段
と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】第一のゲート電位補正手段としては、積分
回路部は、駆動トランジスタとしての第一の導電型の第
一のトランジスタを有する第一の積分部と、第一の導電
型の第一のトランジスタと異なる第二の導電型を持つ第
二のトランジスタを有し第一の積分部と相補的動作をす
る第二の積分部とを備える場合に、第一のトランジスタ
のゲートと第二のトランジスタのソース又はドレイン間
に設けられた、第一のトランジスタのゲート・ソース容
量に応じた容量のコンデンサを用いることができる。
【0016】したがって、LSIチップの温度や内部回
路による微少な遅延も相殺することができ、とくに高速
で動作する集積回路において正確な同期をとることがで
きる。尚、上記説明で第二の可変遅延回路の遅延量をゼ
ロ又は1周期遅延させると説明したが、実際の回路では
完全なゼロ遅延は実現できないので、第二の可変遅延回
路がゼロ遅延と1周期遅延とを交互に切り替えるという
ことは、実際は「最小遅延量」と「最小遅延量+1周
期」との間で遅延量を変化させることを意味する。ま
た、第一の可変遅延回路が1周期分遅延させるというこ
とは、実際は「最小遅延量+1周期」分遅延させること
を意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形
態である内部クロック発生回路の一例を示す概略ブロッ
ク図、図2乃至図4はその内部クロック発生回路に用い
られる可変電流源及び第二又は第三の可変遅延回路の具
体的回路図である。ここで、図2乃至図4においては、
図2のと図3の、図3のと図4の、図3のと
図4のがそれぞれ接続される。
【0018】図1に示す内部クロック発生回路は、外部
クロック信号が入力する入力端子20と、参照電圧が入
力する入力端子21と、外部クロック信号と参照電圧を
比較し、クロックを再生する差動入力回路1と、差動入
力回路1の出力を遅延する直列に接続された第一の可変
遅延回路4及び第二の可変遅延回路5と、インバータ3
と、外部クロック信号の位相と第二の可変遅延回路5の
出力の位相を比較する位相比較回路2と、位相比較回路
2からの出力信号に基づき可変遅延回路4,5の遅延量
を制御する制御信号を発生する制御回路8と、制御回路
8からの制御信号によって出力電流を変化させる可変電
流源6と、内部クロックを発生する第三の可変遅延回路
7とを備える。可変遅延回路5,7は、可変電流源6に
接続されており、可変電流源6の出力電流によって遅延
量を変化させる。可変電流源6及び可変遅延回路5,7
の詳細は、後に図2乃至図4を用いて説明する。
【0019】また、本実施形態では、第三の可変遅延回
路7で発生したクロックを、インバータ9,10を介し
て、内部動作クロック0,1として取り出している。こ
の内部動作クロック0,1は、例えば、メモリ自身が動
作するためのクロックとして使用される。図1におい
て、外部クロック入力端子20より入力される外部クロ
ックは、差動入力回路1でデジタル回路で扱うことので
きる電圧を得るために増幅される。近年のLSIチップ
では、高い周波数で信号を伝送するために信号の振幅が
小さく抑えられており、差動入力回路1等を用いて内部
で使用するのに十分な振幅まで増幅される。この差動入
力回路1で増幅を行った際にクロックに遅延が発生す
る。尚、図6に示す従来の位相比較回路では、この差動
入力回路で発生した遅延の影響を受けたまま位相比較を
行っていた。
【0020】差動入力回路1で増幅されて若干の遅延を
含んで出力された信号は、次に遅延回路によって適当な
遅延量を与えられる。本実施形態では、遅延回路として
可変遅延回路4,5,7を備えている。第二の可変遅延
回路5は、制御信号C1に応じて、第一の可変遅延回路
4から出力された信号の位相を全く遅延させないゼロ遅
延と、100パーセント即ち1周期分遅延させる1周期
遅延とを切り替えることができる構成になっている。
【0021】第一の可変遅延回路4は、第二の可変遅延
回路5がゼロ遅延の場合に、位相比較回路2に入力され
るクロックが外部入力クロックに対してちょうど1周期
分の遅れを持つように遅延量の調整をするための遅延回
路である。したがって、第二の可変遅延回路5が1周期
遅延の場合には、位相比較回路2に入力されるクロック
は外部入力クロックに対してちょうど2周期分の遅れを
持つようになる。
【0022】クロックの同期は、以下の手順に行う。ま
ず、ステップ1:制御信号C1によって第二の可変遅延
回路5をゼロ遅延に設定する。そして、第一の可変遅延
回路4を制御して、第二の可変遅延回路5から出力され
るクロックの立ち上がりまたは立ち下がりエッジが外部
入力クロックと一致するように遅延量を調整する。具体
的には、位相を少しずつ進めまたは遅らせて位相差が減
る方向に制御していき、これを両方の入力位相が一致す
るまで繰り返す。
【0023】次に、ステップ2:制御信号C1によって
第二の可変遅延回路5を調整して位相ずれを100%に
設定する。そして、可変電流源6の出力電流を制御する
ことによって、その時の第二の可変遅延回路5から出力
されたクロックが、外部入力クロックとちょうど2周期
ずれた状態で位相が一致するように、第二の遅延回路5
の遅延量を調整する。こうして、2周期ずれた状態で第
二の可変遅延回路5から出力されるクロックの立ち上が
りまたは立ち下がりエッジを外部入力クロックと一致さ
せる。以上のステップ1とステップ2を交互に繰り返す
ことで、外部入力クロックと内部クロックを同期させ
る。
【0024】第三の可変遅延回路7は、第二の可変遅延
回路5と全く同一の構成を持ち、同一の可変電流源6か
らの電流を積分するように構成されており、図1に示す
ように第二の可変遅延回路5と全く同一の制御信号でそ
の遅延量が設定される。したがって、図1の入力端子2
0,21、差動入力回路1、可変遅延回路4,5、イン
バータ3及び位相比較回路2からなる帰還ループで第二
の可変遅延回路5の位相ずれを修正すると、自動的に第
三の可変遅延回路7の位相ずれも調整される。
【0025】次に、図2乃至図4を用いて可変電流源6
と可変遅延回路5,7の詳細を説明する。可変電流源6
は、可変遅延回路5,7の遅延量を調整するとともに、
後段の内部回路の電流源としても用いられる。図2にお
いて、ブロックAはスパン制御部であり、図1の可変電
流源6に相当する。図1に示す可変遅延回路5,7はそ
れぞれ、図3及び図4におけるブロックB、ブロックC
及びブロックDで構成される。ブロックBは積分電流を
制御する部分(積分電流制御回路)で、この積分電流を
変化させることにより遅延時間を変化させている。ブロ
ックC,Dは積分器で構成された積分回路である。ま
た、ブロックEは、第一の可変遅延回路4から出力さ
れ、ブロックC及びブロックDに入力するクロックを制
御する回路であり、RSフリップフロップ等を含む公知
の技術を用いている。
【0026】スパン制御部Aは、n周期のクロックその
もののスパン(最大遅延量と最小遅延量の幅)を制御す
るものである。スパン制御部Aは、PMOSトランジス
タP1〜P6と、NMOSトランジスタN1〜N16と
を備える。ここで、NMOSトランジスタN12〜N1
6はスイッチング用のトランジスタである。PMOSト
ランジスタP2,P3,P4,P5,P6はそれぞれ、
PMOSトランジスタP1とゲートを共通に接続されて
おり、PMOSトランジスタP1と第一のカレントミラ
ー回路を構成する。これらの第一のカレントミラー回路
は、PMOSトランジスタP1からNMOSトランジス
タN1への電流経路を流れる電流iAに対して、先の電
流経路に同一の所定電流iA1〜iA5が流れるように
するものである。
【0027】また、NMOSトランジスタN2とN3、
NMOSトランジスタN4とN5、NMOSトランジス
タN6とN7、NMOSトランジスタN8とN9、及び
NMOSトランジスタN10とN11はそれぞれ、第二
のカレントミラー回路を構成する。各第一のカレントミ
ラー回路からの出力電流は、これらの第二のカレントミ
ラー回路を経て重畳された後、出力電流として出力端5
1に出力される。
【0028】各第一のカレントミラー回路の出力電流
は、各第二のカレントミラー回路に接続されたNMOS
トランジスタN12,N13,N14及びN15のゲー
ト電圧に応じて変化する。制御回路8からNMOSトラ
ンジスタN12,N13,N14及びN15のゲートに
対してオン・オフ信号が供給される。このとき、NMO
SトランジスタN16のゲート電圧はVddに固定され
ているので、NMOSトランジスタN10,N11の第
二のカレントミラー回路は、制御回路8からすべての端
子R0〜R3に0(ゼロ)が入力されたときの電流値を
決めることになる。この電流値は、スパン制御部Aで制
御できる最小遅延量に対応する。一方、NMOSトラン
ジスタN12,N13,N14,N15のゲートはそれ
ぞれ、端子R0,R1,R2,R3を介して図1の制御
回路8に接続される。スパン制御部Aで制御できる最大
遅延量は、端子R0〜R3の電圧を制御してNMOSト
ランジスタN12,N13,N14及びN15のすべて
をオンしたときの出力電流に対応する。
【0029】このように、スパン制御部Aでは、端子R
0〜R3に入力されるオン・オフ信号に応じて、4ビッ
トで、即ち16段階で出力電流iSを切り換えることが
できる。また、この出力電流iSは、端子R0〜R3に
入力される信号を切り換えることにより、リニアに変化
させることができる。次にスパン制御部Aから出力され
た電流iSは、可変遅延回路の積分電流制御回路Bへと
入力する。この可変遅延回路は積分器で構成されている
ので、遅延時間は積分電流値の逆数に比例する。つま
り、後段のNMOSトランジスタN55又はN56で構
成される静電容量をC、同じく後段のインバータiv1
又はiv2の論理しきい値をVとすると、電荷量Qは、 Q=CV であり、この静電容量Cを充電するための電流Iは、 I=Q/t である。したがって、遅延量の設定値と遅延時間を比例
させるには、電流は設定値の逆数で与える必要があり、
それを実現するのが、NMOSトランジスタN20と、
NMOSトランジスタN21〜N32及びN33の各々
とで構成された第五のカレントミラー回路である。
【0030】積分電流制御部Bは、3つのカレントミラ
ー回路、即ち、第三のカレントミラー回路と、第四のカ
レントミラー回路と、第五のカレントミラー回路とで構
成されている。第三のカレントミラー回路は、PMOS
トランジスタP20とPMOSトランジスタP21とで
構成されたものであり、第五のカレントミラー回路に供
給する電流を調整する。これにより、スパン制御部Aか
らの出力電流iSに対応する電流iBがPMOSトラン
ジスタP21からNMOSトランジスタN20に流れ
る。第四のカレントミラー回路は、PMOSトランジス
タP22とPMOSトランジスタP23とで構成された
ものである。これにより、NMOSトランジスタN33
とPMOSトランジスタP22との間の電流iCに対応
する電流iDがPMOSトランジスタP23とNMOS
トランジスタN52との間に流れる。
【0031】第五のカレントミラー回路は、NMOSト
ランジスタN20(マスタトランジスタ)と、それと対
をなす複数のNMOSトランジスタN21〜N32及び
N33とで構成されたものである。NMOSトランジス
タN21〜N32及びN33は、ゲートがNMOSトラ
ンジスタN20と接続され、ソース・ドレインが直列に
接続される。また、NMOSトランジスタN21〜N3
2にはそれぞれ、スイッチングトランジスタとしてNM
OSトランジスタN40〜N51(選択トランジスタ)
が接続されている。NMOSトランジスタN40〜N5
1はそれぞれ、NMOSトランジスタN21〜N32の
ソース・ドレイン間を相補的に短絡している。このスイ
ッチングトランジスタを選択的に動作させ、出力電流i
Cを決定する。
【0032】偶数番の符号が付されたNMOSトランジ
スタN22,N24,N26,N28,N30,N32
(第二のスレーブトランジスタ)はそれぞれ、異なるゲ
ート長Lを持ったトランジスタで構成される。本実施形
態では、このゲート長Lは、N22の方が最も小さい値
を持ち、N24,N26,・・・ の順で順次大きい値にな
るように設定されている。奇数番の符号が付されたNM
OSトランジスタN21,N23,N25,N27,N
29,N31(第一のスレーブトランジスタ)はすべて
同じ最小ゲート長L0 を持った基準用のトランジスタで
ある。また、NMOSトランジスタN33は、第五のカ
レントミラー回路の基本の動作を定めるものであり、所
定のゲート長L1 を持つ。
【0033】尚、各NMOSトランジスタN21〜N3
2及びN33のゲート幅Wはすべて同じとしている。ま
た、偶数番の符号が付されたNMOSトランジスタN2
2,N24,N26,N28,N30,N32のゲート
長Lは、N22,N24,・・・ の順で順次小さい値にな
るように設定してもよい。NMOSトランジスタN40
〜N51はスイッチ動作を行うもので、上記ゲート長L
調整用のトランジスタN22,N24,N26,N2
8,N30,N32と、基準用トランジスタN21,N
23,N25,N27,N29,N31の切り替えを行
う。C0〜C5はそれぞれ、遅延量を制御するための信
号を入力する端子であり、C0とC0bは、一方がVd
dならば他方はVssとなる信号が入力される。例え
ば、C0にオフ信号が入力すると(このとき、C0bに
はオン信号が入力する)、電流は、スイッチングトラン
ジスタN41と基準用トランジスタ21を流れることに
なる。一方、C0にオン信号が入力すると(このとき、
C0bにはオフ信号が入力する)、電流は、調整用トラ
ンジスタ22とスイッチングトランジスタN40を流れ
ることになる。このとき、電流が通った調整用又は基準
用のトランジスタだけが、実質的に第五のカレントミラ
ー回路を構成することになる。C1〜C5、C1b〜C
5bも同様に動作する。したがって、NMOSトランジ
スタN21とN22、N23とN24、N25とN2
6、N27とN28、N29とN30、N31とN32
はそれぞれ、ペアを組んでおり、常にペアのいずれか一
方が選択されて、動作することになる。
【0034】この第五のカレントミラー回路の出力電流
は、端子C0〜C5すべてにオン電圧、端子C0b〜C
5bすべてにオフ電圧を供給した時の合計ゲート長6×
0+L1 に対する電流を最小電流とし、端子C0〜C
5すべてにオフ電圧、端子C0b〜C5bすべてにオン
電圧を供給した時の合計ゲート長に対する電流を最大電
流とする。最小電流と最大電流との間の電流値は、NM
OSトランジスタN40〜N51のオン・オフパターン
を選択することによって適当に調整することができる。
尚、スイッチングトランジスタN40〜N51がオンに
なっても、第五のカレントミラー回路のゲート長には寄
与しない。
【0035】この積分電流制御回路Bでは、すべてのミ
ラーNMOSトランジスタN21〜N32及びN33の
ゲートはミラー電位なので、出力電流iCはゲート長L
の逆数に比例する。すなわち、端子C0〜C5、C0b
〜C5bに所定の信号を入力して、ゲート長Lを切り替
えることによって、出力電流iCは1/Lに比例して変
化し、したがって、ゲート長Lを設定値とすると、この
設定値は、遅延時間に比例するようになる。この設定値
ゲート長Lは2のn乗で制御しても構わない。例えば、
本実施形態では、2の6乗、即ち6ビットでゲート長L
を設定することができる。C0〜C5をオールゼロ(0
00000)とした場合が最小ゲート長となり、また、
C0が“1”でC1〜C5がゼロ(100000)の場
合は、最小ゲート長よりも、NMOSトランジスタN2
2のゲート長と基準用トランジスタN21のゲート長と
の差だけゲート長が長くなる。これにより、電流iCが
減少し、次段の積分回路C,Dでの積分時間が延び、遅
延量が増大する。また、(010000)の場合は、最
小ゲート長よりも、NMOSトランジスタN24のゲー
ト長と基準用トランジスタN23のゲート長との差だけ
ゲート長が長くなり、(110000)の場合は、最小
ゲート長よりも、NMOSトランジスタN22とNMO
SトランジスタN24の合計ゲート長と基準用トランジ
スタN21,N23の合計ゲート長との差だけゲート長
が長くなる。このように2のn乗、即ちバイナリで遅延
量を設定できることはディジタル制御を行う上で特に有
利である。
【0036】この電流制御回路Bでは、合計ゲート長は
2つ以上のトランジスタのゲート長の差を単位として制
御できるので細かい設定が可能である。実際、非常に細
かい遅延量を設定でき、約30ps程度の制御が可能で
ある。また、この電流制御回路Bでは、従来より提案さ
れているゲート切り替えによる電流制御回路よりも、回
路配置の自由度が向上するというメリットがある。
【0037】次に、上記電流制御回路Bで得られた電流
iCに対して反転した電流iDを、PMOSトランジス
タP22,P23によって生成する。ブロックCは充電
用の積分回路であり、ブロックDは放電用の積分回路で
ある。かかるブロックCとブロックDは、対称的に形成
されている。ブロックCにおいて、PMOSトランジス
タP60は、積分電流制御回路BのPMOSトランジス
タP22と第六のカレントミラー回路を構成しており、
ブロックDにおいては、NMOSトランジスタN60
が、積分電流制御回路BのNMOSトランジスタN52
と第七のカレントミラー回路を構成している。これら第
六と第七のカレントミラー回路は、ブロックCとDに等
しい電流が流れるようにして、二つのブロックCとDの
動作が対称になるようにするものである。
【0038】ブロックCは、積分電流制御回路Bから供
給される電流によって駆動するPMOSトランジスタP
60(駆動トランジスタ)と、容量手段としてのNMO
SトランジスタN55と、積分開始を定めるPMOSト
ランジスタP63(スイッチングトランジスタ)と、リ
セット用のNMOSトランジスタN64と、第一のゲー
ト電位補正手段としてのPMOSトランジスタP61
と、第二のゲート電位補正手段としてのPMOSトラン
ジスタP62とを有する。同様に、ブロックDは、積分
電流制御回路Bから供給される電流によって駆動するN
MOSトランジスタN60(駆動トランジスタ)と、容
量手段としてのNMOSトランジスタN56と、積分開
始を定めるNMOSトランジスタN63(スイッチング
トランジスタ)と、リセット用のPMOSトランジスタ
P64と、第一のゲート電位補正手段としてのNMOS
トランジスタN61と、第二のゲート電位補正手段とし
てのNMOSトランジスタN62とを有する。
【0039】ブロックCでは、PMOSトランジスタP
60がNMOSトランジスタN55のゲートをVssか
らVddに向かって充電する。一方、ブロックDでは、
NMOSトランジスタN60がNMOSトランジスタN
56のゲートをVddからVssに向かって放電する。
この2つの充放電波形は、第六及び第七のカレントミラ
ー回路により同じ電流で制御されているので、0.5V
ddに対して対称である。すなわち、充電量と放電量と
は等しい。
【0040】充放電電流iE,iFは、PMOSトラン
ジスタP60及びNMOSトランジスタN60のゲート
電圧が完全に一定であっても、node−P、node
−Nの電圧の影響を受けて完全には一定にならない。し
かし、充放電の完了を監視しているインバータの論理し
きい値(1/2Vdd)程度までなら比較的この影響を
抑えることが可能となる。
【0041】それよりも最も大きな影響を与えるのは、
PMOSトランジスタP60及びNMOSトランジスタ
N60のゲート・ソースまたはゲート・ドレイン間に発
生する静電容量(寄生容量)の効果で、PMOSトラン
ジスタP60及びNMOSトランジスタN60のゲート
電圧が変動してしまい、それにより充放電電流iE,i
Fが変化し、充放電波形が非直線となることである。こ
れは、node−PにつられてPMOSトランジスタP
60のゲート電圧が上がり、逆にnode−Nにつられ
てNMOSトランジスタN60のゲート電圧が下がり、
結局両側とも電流が減ってしまうために起こる。
【0042】このような場合、通常は、充電キャパシタ
を反転増幅器のフィードバックループにいれて、充電端
子を仮想接地点にして影響防止しているが、周波数が高
くなると実現が難しく、たとえ実現しても回路が複雑に
なる。しかも、高速動作に対応できないという問題もあ
る。しかし、本実施形態のように対称型の充放電波形を
生成してバランスをとることにより、容易な回路で、し
かも高速動作が可能となる。この積分回路Cでは、PM
OSトランジスタP61を、PMOSトランジスタP6
0とNMOSトランジスタN55の接続点の電位の変化
に応じて、PMOSトランジスタP60のゲート電圧を
逆方向に変化させる第一のゲート電位補正手段として用
いている。すなわち、PMOSトランジスタP61はP
MOSトランジスタP60と等しい容量を持つバランサ
ーとして働き、このキャパシタを通して逆向きの電圧波
形を作ってバランスをとる。PMOSトランジスタP6
1はソース・ドレイン間が短絡され、容量素子として動
作する。PMOSトランジスタP61のゲートは、PM
OSトランジスタP60のゲートに接続され、PMOS
トランジスタP61のソース・ドレインは、積分回路D
のNMOSトランジスタN63のソース又はドレインに
接続される。また、PMOSトランジスタP61のゲー
ト・ソース(若しくはドレイン)間容量がPMOSトラ
ンジスタP60のゲート・ソース(若しくはドレイン)
間容量とほぼ等しくなるようにPMOSトランジスタP
61のゲート長等が設定されている。同様に、積分回路
Dにおいても、NMOSトランジスタN61を、NMO
SトランジスタN60のゲート電圧を逆方向に変化させ
る第一のゲート電位補正手段として用いており、このN
MOSトランジスタN61は、NMOSトランジスタN
60のバランサーとして働く。
【0043】また、この寄生容量の問題は、スイッチン
グトランジスタとしてのPMOSトランジスタP63と
NMOSトランジスタN63に対しても生じる。このた
め、本実施形態では、第二のゲート電圧補正手段として
のNMOSトランジスタN62とPMOSトランジスタ
P62とを設けている。NMOSトランジスタN62は
ソース・ドレイン間が短絡され、容量素子として動作す
る。このNMOSトランジスタN62のゲートは、NM
OSトラジスタN60のゲートに接続され、NMOSト
ランジスタN62のソース・ドレインは、PMOSトラ
ンジスタP63のゲートに接続される。そして、NMO
SトランジスタN62のゲート・ソース(若しくはドレ
イン)間容量はPMOSトランジスタP63のゲート・
ソース(若しくはドレイン)間容量とほぼ等しく設定さ
れる。NMOSトランジスタN62は、PMOSトラン
ジスタP63とNMOSトランジスタN55の接続点の
電位の変化に応じて、PMOSトランジスタP63のゲ
ート電圧を逆方向に変化させる。また、PMOSトラン
ジスタP62も同様に構成される。このように、PMO
SトランジスタP62とNMOSトランジスタN62は
それぞれ、NMOSトランジスタN63とPMOSトラ
ンジスタP63の影響を相殺するためのバランサーとし
て働く。
【0044】次に、積分回路C,Dにおける一連の動作
のタイミングを説明する。まず、初期状態として、充放
電電流はブロックA、ブロックBによってあらかじめ決
定されている。一方、ブロックCの積分ノードnode
−Pは、リセット用のNMOSトランジスタN64によ
って、Vssにリセットされている。そして、ブロック
Dの積分ノードnode−Nは、リセット用のPMOS
トランジスタP64によって、Vddにリセットされて
いる。いま、外部クロックが差動入力回路1を経て積分
回路C,Dに入力する信号tdinがLowになると、
ブロックE内のRSフリップフロップがセットされてt
d0もLowとなる。このとき、各リセット用のトラン
ジスタN64,P64がオフとなり、充電用のトランジ
スタN55と直列に接続されている駆動トランジスタP
60と、放電用のトランジスタN56と直列に入ってい
るトランジスタN60とがオンとなり、充放電が開始さ
れる。各々の電圧が、インバータiv1,iv2のしき
い値を越えるとインバータの出力が反転し、同時にRS
フリップフロップがリセットされて初期状態となる。
【0045】図5に図2乃至図4の回路のシミュレーシ
ョン結果を示す。図5(a)はiCが流れるノードの電
圧、即ちPMOSトランジスタP60のゲート電圧の変
化を示すグラフ、図5(b)はnode−Pの充電波形
を示すグラフ、図5(c)はiDが流れるノードの電
圧、即ちNMOSトランジスタN60のゲート電圧の変
化を示すグラフ、図5(d)はnode−Nの放電波形
を示すグラフである。ここでは、積分電流制御回路Bで
設定値をいくつかの段階に変えて、シミュレーションを
行った。各図において、横軸は時間(ns)で、縦軸は
電圧(V)である。図5(a)及び(b)から分かるよ
うに、PMOSトランジスタP60のゲート電圧はほぼ
一定に安定しており、充電波形がほとんど直線的に変化
している。また、図5(c)及び(d)から、NMOS
トランジスタN60のゲート電圧はほぼ一定に安定し、
放電波形もほとんど直線的に変化することが分かる。
【0046】本実施形態では、スパン制御部Aは、16
段階のディジタルのステップでスパンを変えることによ
り、出力電流を制御する。一方、積分電流制御回路B
は、64段階のディジタルのステップで遅延量の設定値
を変えることにより、電流を制御する。すなわち、スパ
ンと遅延量の設定値という二つの入力系統をもって、積
分電流iC,iD、従って遅延量を発生させる点に、本
発明の一つの特徴がある。
【0047】次に、本実施形態の内部クロック発生回路
において、クロックの同期のとり方について説明する。
まず、図1に示すように、制御回路8は第二の可変遅延
回路5に制御信号C1を送り、第二の可変遅延回路5を
ゼロ遅延に設定する。このとき、位相比較回路2には、
外部クロックと、第一の可変遅延回路4による1周期遅
延を受けたクロックとが入力する。制御回路8は、位相
比較回路2からの信号に基づいて、1周期遅延を受けた
クロックの位相が外部クロックの位相に対して進んでい
るか遅れているかを判断し、第一の可変遅延回路4に所
定の信号を送る。すると、第一の可変遅延回路4は、最
小ステップずつ遅延量を増やしたり、又は減らしてい
く。こうして、制御回路8は、外部クロックと第一の可
変遅延回路4による1周期遅延を受けたクロックとの位
相を一致させる。
【0048】次に、制御回路8は第二の可変遅延回路5
に制御信号C1を送り、第二の可変遅延回路5を1周期
遅延に設定する。このとき、位相比較回路2には、外部
クロックと、第一の可変遅延回路4及び第二の可変遅延
回路5によって2周期遅延を受けたクロックとが入力す
る。制御回路8は、位相比較回路2からの信号に基づい
て、2周期遅延を受けたクロックの位相が外部クロック
の位相に対して進んでいるか遅れているかを判断し、可
変電流源6に所定の信号を送る。すると、可変電流源6
は、その信号に基づいてスパンを調整する。こうして、
制御回路8は、外部クロックと第一の可変遅延回路4及
び第二の可変遅延回路5による2周期遅延を受けたクロ
ックとの位相を合わせる。
【0049】ところで、スパン制御部(可変電流源)が
スパンを変えると、遅延量も変化してしまう。このた
め、最初に、第二の可変遅延回路4をゼロ遅延に設定し
たときに合わせたクロックの位相がずれてしまう。これ
は、スパン制御部を構成する回路の宿命ともいえるもの
である。そこで、本実施形態では、第二の可変遅延回路
5をゼロ遅延に設定したときに第一の可変遅延回路4を
制御してクロックの位相を合わせ込む動作と、第二の可
変遅延回路5を1周期遅延に設定したときに可変電流源
6を制御してクロックの位相を合わせ込む動作とを、交
互に繰り返して行うことにより、最終的に、第二の可変
遅延回路5をゼロ遅延、1周期遅延の各々に設定したと
きのクロックの位相のずれがゼロとなるように、第一の
可変遅延回路4の遅延量と可変電流源6の電流値とを設
定する。こうして、外部入力クロックと内部クロックと
を正確に同期させる。
【0050】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内部クロッ
ク発生回路及び可変遅延回路では、可変電流源で選択的
にトランジスタを駆動するだけでなく、外部クロックと
の直接的な位相差を用いて遅延量を変化させているの
で、LSIチップの温度や内部回路による微少な遅延も
相殺することができ、特に高速で動作する集積回路にお
いて正確な同期をとることができる。
【0052】また、クロックの遅延を制御するだけでな
く、スパンそのものを自動的に調整することにより、内
部の入力回路などで不規則に発生する遅延に対しても制
御を行うことができるので、周波数の高い集積回路に好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である内部クロック発生回
路の概略ブロック図である。
【図2】その内部クロック発生回路に用いられる可変電
流源の具体的回路図である。
【図3】その内部クロック発生回路に用いられる第二又
は第三の可変遅延回路の具体的回路図である。
【図4】その内部クロック発生回路に用いられる第二又
は第三の可変遅延回路の具体的回路図である。
【図5】図2乃至図4の回路のシミュレーション結果を
示す図である。
【図6】従来の遅延回路の概略図である。
【符号の説明】
1 差動入力回路 2 位相比較回路 3 インバータ 4 第一の可変遅延回路 5 第二の可変遅延回路 6 可変電流源 7 第三の可変遅延回路 8 制御回路 A スパン制御部 B 積分電流制御部 C,D 積分回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロック信号が入力される差動入力回路
    と、 前記クロック信号を1周期分遅延させる第一の可変遅延
    回路と、 前記第一の可変遅延回路の出力を制御信号に応じてゼロ
    または1周期分遅延させる積分型の第二の可変遅延回路
    と、 前記クロック信号と前記第二の可変遅延回路の出力を比
    較する位相比較手段と、 前記第二の可変遅延回路に積分電流を供給する可変電流
    源と、 前記位相比較手段の出力を基に前記第二の可変遅延回路
    を制御して前記第二の可変遅延回路をゼロ遅延と1周期
    遅延とに交互に切り替えた時に、常に前記クロック信号
    と前記第二の可変遅延回路の出力の位相が一致するよう
    に前記可変電流源の出力電流を制御する制御手段と、 前記第一の可変遅延回路の出力が入力され、前記可変電
    流源からの積分電流を前記第一の可変遅延回路の出力ク
    ロックを基に積分して内部クロックを発生する積分型の
    第三の可変遅延回路と、 を備えたことを特徴とする内部クロック発生回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制御手段は前記
    第二の可変遅延回路をゼロ遅延とした時に前記位相比較
    手段の位相差がゼロとなるように前記第一の可変遅延回
    路を制御するとともに、前記第二の可変遅延回路を1周
    期遅延とした時に前記位相比較手段の位相差がゼロとな
    るように前記可変電流源を制御することを特徴とする内
    部クロック発生回路。
  3. 【請求項3】 外部から入力されるクロック信号を基に
    可変電流源から供給される電流を積分して前記クロック
    信号を遅延させる可変遅延回路において、 マスタトランジスタと、 ゲートが前記マスタトランジスタと接続され、ソース・
    ドレインが直列に接続された第一のスレーブトランジス
    タ及び第二のスレーブトランジスタと、前記第一のスレ
    ーブトランジスタのソース・ドレイン間を相補的に短絡
    する第一の選択トランジスタと、前記第二のスレーブト
    ランジスタのソース・ドレイン間を相補的に短絡する第
    二の選択トランジスタとからなるスレーブトランジスタ
    対が複数個直列に接続されたスレーブトランジスタ対群
    と、 を備え、前記第一の選択トランジスタ及び前記第二の選
    択トランジスタの各対の動作パターンを変化させて出力
    電流を切り替えることにより、遅延量を制御することを
    特徴とする可変遅延回路。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記スレーブトラン
    ジスタ対の前記第一のスレーブトランジスタは共通のゲ
    ート長を持ち、前記第二のスレーブトランジスタは前記
    各スレーブトランジスタ対毎に異なるゲート長を持つこ
    とを特徴とする可変遅延回路。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記スレーブトラン
    ジスタ対の前記第二のスレーブトランジスタは直列接続
    された順に順次ゲート長が増加または減少するように設
    定されていることを特徴とする可変遅延回路。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5において、前記スレーブ
    トランジスタ対群の前記各スレーブトランジスタ対が遅
    延量設定値のバイナリコードの各ビットに対応している
    ことを特徴とする可変遅延回路。
  7. 【請求項7】 積分電流制御部と、前記積分電流制御部
    から供給される電流を、入力されるクロック信号に応じ
    て積分し、前記クロック信号を遅延させる積分回路部と
    を備えた可変遅延回路において、前記積分回路部は、 前記積分電流制御部から供給される電流によって駆動す
    る駆動トランジスタと、 前記駆動トランジスタによって電荷を蓄積する容量手段
    と、 前記駆動トランジスタのゲート端子に接続され、前記駆
    動トランジスタのゲート・ソース間容量またはゲート・
    ドレイン間容量とほぼ等しい容量を持ち、前記駆動トラ
    ンジスタと前記容量手段の接続点の電位の変化に応じて
    前記駆動トランジスタのゲート端子の電位を逆方向に変
    化させる第一のゲート電位補正手段と、 を備えたことを特徴とする可変遅延回路。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記積分回路部は、
    前記駆動トランジスタとしての第一の導電型の第一のト
    ランジスタを有する第一の積分部と、前記第一の導電型
    の第一のトランジスタと異なる第二の導電型を持つ第二
    のトランジスタを有し前記第一の積分部と相補的動作を
    する第二の積分部とを備え、前記第一のトランジスタの
    ゲートと前記第二のトランジスタのソース又はドレイン
    間に、前記第一のトランジスタのゲート・ソース容量に
    応じた容量のコンデンサが前記第一のゲート電位補正手
    段として接続されていることを特徴とする可変遅延回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記積分回路部の前
    記第一の積分部及び前記第二の積分部はそれぞれ、 前記駆動トランジスタと前記容量手段との間に積分クロ
    ック信号をゲート入力とするスイッチングトランジスタ
    と、 前記スイッチングトランジスタのゲート端子に接続さ
    れ、前記スイッチングトランジスタのゲート・ソース間
    容量またはゲート・ドレイン間容量とほぼ等しい容量を
    持ち、前記スイッチングトランジスタと前記容量手段の
    接続点の電位の変化に応じて前記駆動トランジスタのゲ
    ート端子の電位を逆方向に変化させる第二のゲート電位
    補正手段と、 を備えたことを特徴とする可変遅延回路。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記第一の積分部
    は、前記スイッチングトランジスタとしての第一の導電
    型の第三のトランジスタを有し、前記第二の積分部は、
    前記第一の導電型を持つ第三のトランジスタと異なる第
    二の導電型を持つ第四のトランジスタを有し、且つ、前
    記第三のトランジスタのゲートと前記第四のトランジス
    タのゲート間に、前記第三のトランジスタのゲート・ソ
    ース容量に応じた容量のコンデンサが前記第二のゲート
    電圧補正手段として接続されていることを特徴とする可
    変遅延回路。
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