JPH10209701A - 方向変換器および分岐器 - Google Patents
方向変換器および分岐器Info
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- JPH10209701A JPH10209701A JP9010138A JP1013897A JPH10209701A JP H10209701 A JPH10209701 A JP H10209701A JP 9010138 A JP9010138 A JP 9010138A JP 1013897 A JP1013897 A JP 1013897A JP H10209701 A JPH10209701 A JP H10209701A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 設計上の自由度が高く、全体に容易に小型化
できる方向変換器および分岐器を提供する。 【解決手段】 2つの導電体平面の間にTEモードの誘
電体共振器4を配置しそれぞれの端部を誘電体共振器4
に対向させて2つの誘電体ストリップ3a,3bを配置
して、誘電体ストリップ3aと3bとの成す角度の方向
に電磁波の伝搬方向を変換させる。同様に、TEモード
の誘電体共振器に対してそれぞれの端部を誘電体共振器
に対向させて3つ以上の誘電体ストリップを配置して、
1つの誘電体ストリップから伝搬されてくる信号を他の
複数の誘電体ストリップへ分岐させる。
できる方向変換器および分岐器を提供する。 【解決手段】 2つの導電体平面の間にTEモードの誘
電体共振器4を配置しそれぞれの端部を誘電体共振器4
に対向させて2つの誘電体ストリップ3a,3bを配置
して、誘電体ストリップ3aと3bとの成す角度の方向
に電磁波の伝搬方向を変換させる。同様に、TEモード
の誘電体共振器に対してそれぞれの端部を誘電体共振器
に対向させて3つ以上の誘電体ストリップを配置して、
1つの誘電体ストリップから伝搬されてくる信号を他の
複数の誘電体ストリップへ分岐させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘電体線路の電
磁波伝搬方向を変換する方向変換器、および誘電体線路
の分岐を行う分岐器に関する。
磁波伝搬方向を変換する方向変換器、および誘電体線路
の分岐を行う分岐器に関する。
【0002】
【従来の技術】平行な2つの導電体平面の間隔を半波長
以下にして遮断域を構成するとともに、その2つの導電
体平面の間に誘電体ストリップを介在させることによっ
て、その誘電体ストリップに沿って電磁波を伝搬させる
ようにした非放射性誘電体線路(以下「NRDガイド」
という。)を用いたミリ波モジュールが従来より開発さ
れている。このようなNRDガイドを用いたミリ波モジ
ュールを構成する場合に、電磁波の伝搬方向を変換する
方向変換器や複数のポートの間で線路の分岐を行う分岐
器が用いられる。
以下にして遮断域を構成するとともに、その2つの導電
体平面の間に誘電体ストリップを介在させることによっ
て、その誘電体ストリップに沿って電磁波を伝搬させる
ようにした非放射性誘電体線路(以下「NRDガイド」
という。)を用いたミリ波モジュールが従来より開発さ
れている。このようなNRDガイドを用いたミリ波モジ
ュールを構成する場合に、電磁波の伝搬方向を変換する
方向変換器や複数のポートの間で線路の分岐を行う分岐
器が用いられる。
【0003】従来の誘電体線路における方向変換器は、
誘電体ストリップを所定の曲率で屈曲させたベンドとし
て構成されている。また分岐器としては、電子情報通信
学会論文誌C-I Vol.J75-C-I No.1 pp35-41 1992年 1月
に示されているように、モード変換を行うT分岐器やこ
れを組み合わせた分岐器が用いられている。
誘電体ストリップを所定の曲率で屈曲させたベンドとし
て構成されている。また分岐器としては、電子情報通信
学会論文誌C-I Vol.J75-C-I No.1 pp35-41 1992年 1月
に示されているように、モード変換を行うT分岐器やこ
れを組み合わせた分岐器が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した方
向変換器においては、LSMモードから、その寄生モー
ドであるLSEモードへのモード変換が生じるため損失
が生じ、またこの損失を低減するためには、ある限られ
た範囲内の曲率半径のベンドを構成しなければならず、
設計上の自由度が低く、また全体に大型化するという問
題があった。また上述した従来の分岐器においては、多
数の誘電体ストリップを高精度に配置しなければならな
かったり、LSEモードの伝搬を阻止するモードサプレ
ッサを設けたりしなければならず、全体の構造が複雑と
なる問題があった。
向変換器においては、LSMモードから、その寄生モー
ドであるLSEモードへのモード変換が生じるため損失
が生じ、またこの損失を低減するためには、ある限られ
た範囲内の曲率半径のベンドを構成しなければならず、
設計上の自由度が低く、また全体に大型化するという問
題があった。また上述した従来の分岐器においては、多
数の誘電体ストリップを高精度に配置しなければならな
かったり、LSEモードの伝搬を阻止するモードサプレ
ッサを設けたりしなければならず、全体の構造が複雑と
なる問題があった。
【0005】この発明の目的は、設計上の自由度が高
く、全体に容易に小型化できる方向変換器および分岐器
を提供することにある。
く、全体に容易に小型化できる方向変換器および分岐器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の方向変換器
は、モード変換による損失を無くし、また設計上の自由
度を高めるために、請求項1に記載のとおり、略平行な
2つの導電体平面の間に1つのまたは互いに結合した複
数のTEモードの誘電体共振器を配置し、前記1つまた
は複数の誘電体共振器のうち所定の誘電体共振器にそれ
ぞれの端部が対向して電磁界的に結合する第1と第2の
2つの誘電体ストリップを配置する。この構成によっ
て、第1の誘電体ストリップを伝搬する電磁波は誘電体
共振器に結合し、この誘電体共振器またはこの誘電体共
振器に結合する他の誘電体共振器の励振信号が第2の誘
電体ストリップに結合する。したがって、誘電体共振器
を介して第1の誘電体ストリップと第2の誘電体ストリ
ップによる方向の異なった線路が構成され、全体として
方向変換器として作用する。上記誘電体共振器はTEモ
ードで励振するため、誘電体共振器を挟んで第1・第2
の誘電体ストリップの成す角度がどのような角度であっ
ても、誘電体共振器をTEモードで励振するモード(L
SMモード)の電磁波は第1の誘電体ストリップと第2
の誘電体ストリップとの間を低損失で伝搬することにな
る。
は、モード変換による損失を無くし、また設計上の自由
度を高めるために、請求項1に記載のとおり、略平行な
2つの導電体平面の間に1つのまたは互いに結合した複
数のTEモードの誘電体共振器を配置し、前記1つまた
は複数の誘電体共振器のうち所定の誘電体共振器にそれ
ぞれの端部が対向して電磁界的に結合する第1と第2の
2つの誘電体ストリップを配置する。この構成によっ
て、第1の誘電体ストリップを伝搬する電磁波は誘電体
共振器に結合し、この誘電体共振器またはこの誘電体共
振器に結合する他の誘電体共振器の励振信号が第2の誘
電体ストリップに結合する。したがって、誘電体共振器
を介して第1の誘電体ストリップと第2の誘電体ストリ
ップによる方向の異なった線路が構成され、全体として
方向変換器として作用する。上記誘電体共振器はTEモ
ードで励振するため、誘電体共振器を挟んで第1・第2
の誘電体ストリップの成す角度がどのような角度であっ
ても、誘電体共振器をTEモードで励振するモード(L
SMモード)の電磁波は第1の誘電体ストリップと第2
の誘電体ストリップとの間を低損失で伝搬することにな
る。
【0007】また、この発明の分岐器は全体の構成を単
純化して全体に小型で低コストに構成するために、請求
項2に記載のとおり、略平行な2つの導電体平面の間に
1つのまたは互いに結合した複数のTEモードの誘電体
共振器を配置し、前記1つまたは複数の誘電体共振器の
うち所定の誘電体共振器にそれぞれの端部が対向して電
磁界的に結合する3つ以上の誘電体ストリップを配置す
る。この構成によって、或る1つの誘電体ストリップを
伝搬する電磁波は誘電体共振器に結合し、この誘電体共
振器またはこの誘電体共振器に結合する他の誘電体共振
器の励振信号が他の複数の誘電体ストリップにそれぞれ
結合する。したがって、1つの誘電体ストリップからの
伝搬信号が他の複数の誘電体ストリップへ分岐されるこ
とになる。この場合、分岐のためだけに用いる誘電体ス
トリップは不要であり、全体の構成が単純化されて小型
化が図れる。しかも、2つの誘電体ストリップの間の関
係は請求項1の方向変換器と同一であり、分岐とともに
方向変換を行うことができるため、限られたスペースに
多数の誘電体線路を配置することも容易となる。
純化して全体に小型で低コストに構成するために、請求
項2に記載のとおり、略平行な2つの導電体平面の間に
1つのまたは互いに結合した複数のTEモードの誘電体
共振器を配置し、前記1つまたは複数の誘電体共振器の
うち所定の誘電体共振器にそれぞれの端部が対向して電
磁界的に結合する3つ以上の誘電体ストリップを配置す
る。この構成によって、或る1つの誘電体ストリップを
伝搬する電磁波は誘電体共振器に結合し、この誘電体共
振器またはこの誘電体共振器に結合する他の誘電体共振
器の励振信号が他の複数の誘電体ストリップにそれぞれ
結合する。したがって、1つの誘電体ストリップからの
伝搬信号が他の複数の誘電体ストリップへ分岐されるこ
とになる。この場合、分岐のためだけに用いる誘電体ス
トリップは不要であり、全体の構成が単純化されて小型
化が図れる。しかも、2つの誘電体ストリップの間の関
係は請求項1の方向変換器と同一であり、分岐とともに
方向変換を行うことができるため、限られたスペースに
多数の誘電体線路を配置することも容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態に係る
方向変換器の構成を図1〜図5を参照して説明する。
方向変換器の構成を図1〜図5を参照して説明する。
【0009】図1は方向変換器で用いる誘電体線路の部
分斜視図および断面図であり、図中の1,2は2つの導
電体平面を成すそれぞれ導電体板であり、その間に比誘
電率がεrの誘電体ストリップ3を配置している。
分斜視図および断面図であり、図中の1,2は2つの導
電体平面を成すそれぞれ導電体板であり、その間に比誘
電率がεrの誘電体ストリップ3を配置している。
【0010】図2はLSM01モードとLSE01モー
ドのそれぞれの電磁界分布を示す斜視図である。ここで
実線が電界、破線が磁界である。
ドのそれぞれの電磁界分布を示す斜視図である。ここで
実線が電界、破線が磁界である。
【0011】図3の(A)は方向変換器の部分斜視図、
(B)は(A)における誘電体ストリップ部分を通る断
面図である。(A)においては上下の導電体板を省略し
ている。このように、導電体板1,2の間に誘電体共振
器4を配置するとともに、その誘電体共振器4に対し、
それぞれの端部が対向する誘電体ストリップ3a,3b
を配置している。
(B)は(A)における誘電体ストリップ部分を通る断
面図である。(A)においては上下の導電体板を省略し
ている。このように、導電体板1,2の間に誘電体共振
器4を配置するとともに、その誘電体共振器4に対し、
それぞれの端部が対向する誘電体ストリップ3a,3b
を配置している。
【0012】図4は上記誘電体共振器4の励振モードの
例を示す図であり、実線は電界、破線は磁界を示す。こ
の例はTE011モードであり、円柱形状を成す誘電体
共振器4の中心軸を中心として回転方向に電界が分布
し、上下の導電体板に垂直な方向に磁界が分布する。こ
れにより、この誘電体共振器4は図2に示したLSM0
1モードのモードと磁界結合することになる。この誘電
体共振器4が、使用周波数である60GHzにおいてT
E011モードで共振するためには、次のような設計を
行えばよい。
例を示す図であり、実線は電界、破線は磁界を示す。こ
の例はTE011モードであり、円柱形状を成す誘電体
共振器4の中心軸を中心として回転方向に電界が分布
し、上下の導電体板に垂直な方向に磁界が分布する。こ
れにより、この誘電体共振器4は図2に示したLSM0
1モードのモードと磁界結合することになる。この誘電
体共振器4が、使用周波数である60GHzにおいてT
E011モードで共振するためには、次のような設計を
行えばよい。
【0013】すなわち、比誘電率εr=2.04の誘電
体材料を円柱形状に成形する際、その高さをh、直径を
Dで表せば、h=2.25 mm であるとき、D=4.9
mmとすればよい。また、h=2.2 mm であるとき、
D=5.2 mm とすればよい。因みに、h=2.25 m
m であるとき、D=2.8 mm とすればHE111モー
ドで共振し、h=2.2 mm であるとき、D=3.0 m
m とすればHE111モードで共振する。
体材料を円柱形状に成形する際、その高さをh、直径を
Dで表せば、h=2.25 mm であるとき、D=4.9
mmとすればよい。また、h=2.2 mm であるとき、
D=5.2 mm とすればよい。因みに、h=2.25 m
m であるとき、D=2.8 mm とすればHE111モー
ドで共振し、h=2.2 mm であるとき、D=3.0 m
m とすればHE111モードで共振する。
【0014】図5は誘電体共振器と誘電体ストリップと
の間の結合の様子を示す図と、方向変換器の等価回路図
である。(A)に示すように、誘電体ストリップ3aに
LSM01モードの電磁波が伝搬すると、その端部で誘
電体共振器4と磁界結合し、誘電体共振器4がTE01
1モードで励振され、これが再び誘電体ストリップ3b
に結合して、LSM01モードの電磁波が伝搬すること
になる。これによって誘電体ストリップ3aと3bとの
成す角度θだけ電磁波の伝搬方向が変換されることにな
る。同図の(B)において3a′,3b′は(A)に示
した誘電体ストリップ3a,3bとその上下の導電体板
とによって構成される2つの誘電体線路、4′は(A)
に示した誘電体共振器4とその上下の導電体板とによっ
て構成される共振回路である。このように誘電体線路3
a′と共振回路4′とが磁界結合し、共振回路4′と誘
電体線路3b′とが磁界結合し、結局2つの誘電体線路
3a′と3b′とが共振器4′を介して接続されること
になる。ここで、誘電体共振器の共振周波数を適当に設
計し、2つの誘電体ストリップ3a,3bを必要な外部
Q(図5(B)に示すQe1,Qe2)が得られるよう
な適当な位置に配置すると、共振回路4′は、伝搬させ
たい周波数帯を通過させる帯域通過フィルタとして作用
する。
の間の結合の様子を示す図と、方向変換器の等価回路図
である。(A)に示すように、誘電体ストリップ3aに
LSM01モードの電磁波が伝搬すると、その端部で誘
電体共振器4と磁界結合し、誘電体共振器4がTE01
1モードで励振され、これが再び誘電体ストリップ3b
に結合して、LSM01モードの電磁波が伝搬すること
になる。これによって誘電体ストリップ3aと3bとの
成す角度θだけ電磁波の伝搬方向が変換されることにな
る。同図の(B)において3a′,3b′は(A)に示
した誘電体ストリップ3a,3bとその上下の導電体板
とによって構成される2つの誘電体線路、4′は(A)
に示した誘電体共振器4とその上下の導電体板とによっ
て構成される共振回路である。このように誘電体線路3
a′と共振回路4′とが磁界結合し、共振回路4′と誘
電体線路3b′とが磁界結合し、結局2つの誘電体線路
3a′と3b′とが共振器4′を介して接続されること
になる。ここで、誘電体共振器の共振周波数を適当に設
計し、2つの誘電体ストリップ3a,3bを必要な外部
Q(図5(B)に示すQe1,Qe2)が得られるよう
な適当な位置に配置すると、共振回路4′は、伝搬させ
たい周波数帯を通過させる帯域通過フィルタとして作用
する。
【0015】次に、第2の実施形態に係る方向変換器の
構成を図6を参照して説明する。第1の実施形態では、
1段の誘電体共振器を用いたが、誘電体共振器を多段化
してもよい。図6の例では、誘電体ストリップ3aと3
bとの間に2つの誘電体共振器4a,4bを配置してい
る。(上下の導電体板は図において省略している。)
(A)と(B)とでは、2つの誘電体ストリップ3a,
3bの中心軸の交点が異なる例を示している。いずれの
場合でも誘電体ストリップ3aを伝搬するLSM01モ
ードの信号と誘電体共振器4aのTE011モードとが
結合し、誘電体共振器4aと4b間がTE011モード
で結合し、誘電体共振器4bと誘電体ストリップ3bと
が磁界結合して、誘電体ストリップ3bにLSM01モ
ードの信号が伝搬されることになる。このように誘電体
共振器を多段化することによって、誘電体共振器部分を
帯域通過フィルタとして見た場合の通過帯域幅を広げる
ことができる。
構成を図6を参照して説明する。第1の実施形態では、
1段の誘電体共振器を用いたが、誘電体共振器を多段化
してもよい。図6の例では、誘電体ストリップ3aと3
bとの間に2つの誘電体共振器4a,4bを配置してい
る。(上下の導電体板は図において省略している。)
(A)と(B)とでは、2つの誘電体ストリップ3a,
3bの中心軸の交点が異なる例を示している。いずれの
場合でも誘電体ストリップ3aを伝搬するLSM01モ
ードの信号と誘電体共振器4aのTE011モードとが
結合し、誘電体共振器4aと4b間がTE011モード
で結合し、誘電体共振器4bと誘電体ストリップ3bと
が磁界結合して、誘電体ストリップ3bにLSM01モ
ードの信号が伝搬されることになる。このように誘電体
共振器を多段化することによって、誘電体共振器部分を
帯域通過フィルタとして見た場合の通過帯域幅を広げる
ことができる。
【0016】次に第3の実施形態に係る方向変換器の構
成を図7を基に説明する。第1および第2の実施形態で
は、誘電体共振器を上下の導電体板に挟むように配置し
たが、図7の断面図に示すように上下いずれか一方の導
電体板で誘電体共振器4を支持するようにしてもよい。
(A)に示す例では、誘電体共振器4を導電体板1に接
着している。また(B)の例では、誘電体共振器4を導
電体板1の内面に低誘電率の支持台を介して固定し、導
電体板1,2の略中間位置に誘電体共振器4を配置して
いる。これにより誘電体共振器4はそれぞれTE01δ
モードで励振することになる。この図7に示した例で
は、誘電体共振器4の比誘電率と導電体板1,2との板
間距離とを独立して設計することが可能となり、設計上
の自由度が増す。
成を図7を基に説明する。第1および第2の実施形態で
は、誘電体共振器を上下の導電体板に挟むように配置し
たが、図7の断面図に示すように上下いずれか一方の導
電体板で誘電体共振器4を支持するようにしてもよい。
(A)に示す例では、誘電体共振器4を導電体板1に接
着している。また(B)の例では、誘電体共振器4を導
電体板1の内面に低誘電率の支持台を介して固定し、導
電体板1,2の略中間位置に誘電体共振器4を配置して
いる。これにより誘電体共振器4はそれぞれTE01δ
モードで励振することになる。この図7に示した例で
は、誘電体共振器4の比誘電率と導電体板1,2との板
間距離とを独立して設計することが可能となり、設計上
の自由度が増す。
【0017】次に、第4の実施形態に係る方向変換器の
構成例を図8に示す。第1〜第3の実施形態ではいずれ
も誘電体共振器と誘電体ストリップとを分離形成した
が、この図8に示すように、誘電体ストリップ3a,3
bと誘電体共振器4とを一体的に形成してもよい。すな
わち、予め屈曲した形状の誘電体ストリップの屈曲部分
を加工することによって、図8に示すように、屈曲部分
に誘電体共振器4を構成するか、あるいは成形によって
初めから図8に示すような形状の誘電体共振器付き誘電
体ストリップを形成する。
構成例を図8に示す。第1〜第3の実施形態ではいずれ
も誘電体共振器と誘電体ストリップとを分離形成した
が、この図8に示すように、誘電体ストリップ3a,3
bと誘電体共振器4とを一体的に形成してもよい。すな
わち、予め屈曲した形状の誘電体ストリップの屈曲部分
を加工することによって、図8に示すように、屈曲部分
に誘電体共振器4を構成するか、あるいは成形によって
初めから図8に示すような形状の誘電体共振器付き誘電
体ストリップを形成する。
【0018】次に第5の実施形態に係る分岐器の構成例
を図9を基に説明する。同図の(A)は上下の導電体板
を省略して、誘電体ストリップと誘電体共振器部分との
配置関係を示す平面図である。同図に示すように、誘電
体共振器4に対してそれぞれの端部を対向させて誘電体
ストリップ3a,3b,3cを配置している。同図の
(B)は分岐器の等価回路図である。3a′,3b′,
3c′は同図の(A)に示した誘電体ストリップ3a,
3b,3cおよびその上下の導電体板による誘電体線路
であり、4′は(A)における誘電体共振器4とその上
下の導電体板による共振器回路である。このように誘電
体線路3a′,3b′,3c′と共振回路4′とはそれ
ぞれ磁界結合する。従って同図の(A)に示すように、
ポート#1から伝搬されてくるLSM01モードの信号
は誘電体共振器4を介して2つに分岐されて、ポート#
2およびポート#3へLSM01モードの信号として伝
搬されることになる。
を図9を基に説明する。同図の(A)は上下の導電体板
を省略して、誘電体ストリップと誘電体共振器部分との
配置関係を示す平面図である。同図に示すように、誘電
体共振器4に対してそれぞれの端部を対向させて誘電体
ストリップ3a,3b,3cを配置している。同図の
(B)は分岐器の等価回路図である。3a′,3b′,
3c′は同図の(A)に示した誘電体ストリップ3a,
3b,3cおよびその上下の導電体板による誘電体線路
であり、4′は(A)における誘電体共振器4とその上
下の導電体板による共振器回路である。このように誘電
体線路3a′,3b′,3c′と共振回路4′とはそれ
ぞれ磁界結合する。従って同図の(A)に示すように、
ポート#1から伝搬されてくるLSM01モードの信号
は誘電体共振器4を介して2つに分岐されて、ポート#
2およびポート#3へLSM01モードの信号として伝
搬されることになる。
【0019】図10は第6の実施形態に係る分岐器の構
成を示す図である。(A)は誘電体ストリップ3aに対
する他の誘電体ストリップ3b,3cの成す角度をそれ
ぞれ90°として、いわゆるT分岐を構成した例であ
り、(B)はこれに更にもう1つの誘電体ストリップ3
dを設けて4分岐を構成した例である。上述したよう
に、誘電体共振器4はTEモードで励振するため、すな
わち回転対称モードで励振するため、誘電体ストリップ
間の成す角度に関わらず分岐を行うことができる。そし
て、その電力分配比は、誘電体共振器と誘電体ストリッ
プとの結合度(図9の(B)に示した外部Q(Qe1,
Qe2,Qe3)をそれぞれ設定することによって定め
ればよい。これにより等分配だけでなく、任意の分配比
で電力分配を行う分岐器として用いることも可能とな
る。
成を示す図である。(A)は誘電体ストリップ3aに対
する他の誘電体ストリップ3b,3cの成す角度をそれ
ぞれ90°として、いわゆるT分岐を構成した例であ
り、(B)はこれに更にもう1つの誘電体ストリップ3
dを設けて4分岐を構成した例である。上述したよう
に、誘電体共振器4はTEモードで励振するため、すな
わち回転対称モードで励振するため、誘電体ストリップ
間の成す角度に関わらず分岐を行うことができる。そし
て、その電力分配比は、誘電体共振器と誘電体ストリッ
プとの結合度(図9の(B)に示した外部Q(Qe1,
Qe2,Qe3)をそれぞれ設定することによって定め
ればよい。これにより等分配だけでなく、任意の分配比
で電力分配を行う分岐器として用いることも可能とな
る。
【0020】尚、図9および図10に示した分岐器では
1つの誘電体共振器を用いたが、図6に示した方向変換
器の場合と同様に、複数の誘電体共振器を結合させて多
段化することによって広帯域化してもよい。また、分岐
器においても、誘電体共振器と誘電体ストリップとを一
体に設けてもよい。更に、図10の(B)に示した例で
は、4分岐の例を示したが、更に多分岐の分岐器を構成
することも同様にして可能である。
1つの誘電体共振器を用いたが、図6に示した方向変換
器の場合と同様に、複数の誘電体共振器を結合させて多
段化することによって広帯域化してもよい。また、分岐
器においても、誘電体共振器と誘電体ストリップとを一
体に設けてもよい。更に、図10の(B)に示した例で
は、4分岐の例を示したが、更に多分岐の分岐器を構成
することも同様にして可能である。
【0021】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、誘電体共
振器を介して第1の誘電体ストリップと第2の誘電体ス
トリップによる方向の異なった線路が構成され、全体と
して方向変換器として作用する。しかも、誘電体共振器
はTEモードで励振するため、誘電体共振器を挟んで第
1・第2の誘電体ストリップの成す角度がどのような角
度であっても、誘電体共振器をTEモードで励振するモ
ード(LSMモード)の電磁波は第1の誘電体ストリッ
プと第2の誘電体ストリップとの間を低損失で伝搬する
ことになる。したがって、直線状の誘電体線路を用いな
がら方向変換を行うことができ、ベンド特有の設計上の
制限を受けることなく、設計することが可能となる。
振器を介して第1の誘電体ストリップと第2の誘電体ス
トリップによる方向の異なった線路が構成され、全体と
して方向変換器として作用する。しかも、誘電体共振器
はTEモードで励振するため、誘電体共振器を挟んで第
1・第2の誘電体ストリップの成す角度がどのような角
度であっても、誘電体共振器をTEモードで励振するモ
ード(LSMモード)の電磁波は第1の誘電体ストリッ
プと第2の誘電体ストリップとの間を低損失で伝搬する
ことになる。したがって、直線状の誘電体線路を用いな
がら方向変換を行うことができ、ベンド特有の設計上の
制限を受けることなく、設計することが可能となる。
【0022】請求項2に係る発明によれば、分岐のため
だけに用いる誘電体ストリップは不要であり、全体の構
成が単純化されて小型化が図れる。しかも、分岐ととも
に方向変換を行うことができるため、限られたスペース
に多数の誘電体線路を配置することも容易となる。
だけに用いる誘電体ストリップは不要であり、全体の構
成が単純化されて小型化が図れる。しかも、分岐ととも
に方向変換を行うことができるため、限られたスペース
に多数の誘電体線路を配置することも容易となる。
【図1】第1の実施形態に係る方向変換器で用いる誘電
体線路の構成を示す斜視図および断面図である。
体線路の構成を示す斜視図および断面図である。
【図2】同誘電体線路における伝送モードの例を示す図
である。
である。
【図3】誘電体共振器と誘電体ストリップとの配置関係
を示す斜視図および断面図である。
を示す斜視図および断面図である。
【図4】誘電体共振器の共振モードの例を示す図であ
る。
る。
【図5】誘電体ストリップと誘電体共振器の結合関係を
示す図および等価回路図である。
示す図および等価回路図である。
【図6】第2の実施形態に係る方向変換器の構成を示す
図である。
図である。
【図7】第3の実施形態に係る方向変換器の構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図8】第4の実施形態に係る方向変換器の構成を示す
図である。
図である。
【図9】第5の実施形態に係る分岐器の構成および等価
回路を示す図である。
回路を示す図である。
【図10】第6の実施形態に係る分岐器の構成を示す図
である。
である。
1,2−導電体板 3−誘電体ストリップ 4−誘電体共振器
Claims (2)
- 【請求項1】 略平行な2つの導電体平面の間に1つの
または互いに結合した複数のTEモードの誘電体共振器
を配置し、前記1つまたは複数の誘電体共振器のうち所
定の誘電体共振器にそれぞれの端部が対向して電磁界的
に結合する第1と第2の2つの誘電体ストリップを配置
して、第1の誘電体ストリップと第2の誘電体ストリッ
プとの成す角度の方向に電磁波の伝搬方向を変換するこ
とを特徴とする方向変換器。 - 【請求項2】 略平行な2つの導電体平面の間に1つの
または互いに結合した複数のTEモードの誘電体共振器
を配置し、前記1つまたは複数の誘電体共振器のうち所
定の誘電体共振器にそれぞれの端部が対向して電磁界的
に結合する3つ以上の誘電体ストリップを配置して、1
つの誘電体ストリップからの伝搬信号を他の複数の誘電
体ストリップへ分岐することを特徴とする分岐器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9010138A JPH10209701A (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 方向変換器および分岐器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9010138A JPH10209701A (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 方向変換器および分岐器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10209701A true JPH10209701A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11741930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9010138A Pending JPH10209701A (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 方向変換器および分岐器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10209701A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103430380A (zh) * | 2011-03-16 | 2013-12-04 | 国际商业机器公司 | 具有有效折射率梯度的电磁波谐振器 |
-
1997
- 1997-01-23 JP JP9010138A patent/JPH10209701A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103430380A (zh) * | 2011-03-16 | 2013-12-04 | 国际商业机器公司 | 具有有效折射率梯度的电磁波谐振器 |
CN103430380B (zh) * | 2011-03-16 | 2016-08-03 | 国际商业机器公司 | 具有有效折射率梯度的电磁波谐振器 |
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