JPH10208749A - 電池用電極 - Google Patents
電池用電極Info
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- JPH10208749A JPH10208749A JP9023196A JP2319697A JPH10208749A JP H10208749 A JPH10208749 A JP H10208749A JP 9023196 A JP9023196 A JP 9023196A JP 2319697 A JP2319697 A JP 2319697A JP H10208749 A JPH10208749 A JP H10208749A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度でフレキシブル、且つ高エネルギー密
度の二次電池及び該電池に使用し所期の目標を達成する
ことのできる電極を開発すること。 【解決手段】 少なくとも1種類の電気化学的に酸化還
元反応を示す高分子材料を有する電池用電極において、
前記高分子材料に少なくとも1種の炭化水素を不完全燃
焼或いは熱分解することによって得られる炭素のコロイ
ド状微粉末を含有させた複合集電材料として用いること
を特徴とする電池用電極。
度の二次電池及び該電池に使用し所期の目標を達成する
ことのできる電極を開発すること。 【解決手段】 少なくとも1種類の電気化学的に酸化還
元反応を示す高分子材料を有する電池用電極において、
前記高分子材料に少なくとも1種の炭化水素を不完全燃
焼或いは熱分解することによって得られる炭素のコロイ
ド状微粉末を含有させた複合集電材料として用いること
を特徴とする電池用電極。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的酸化還
元反応を示す高分子材料を用いた電池用電極に関し、特
に、該高分子材料及び炭素質材料を含む改良された複合
集電材料を用いた電池用電極及びその製造方法、該電極
を使用した電池に関する。
元反応を示す高分子材料を用いた電池用電極に関し、特
に、該高分子材料及び炭素質材料を含む改良された複合
集電材料を用いた電池用電極及びその製造方法、該電極
を使用した電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオンが正極と負極の間を行き
来することを基本とする二次電池は鉛蓄電池やニッカド
電池より単純な構成で良い上に、理論上最も高い起電力
を持つため極めて注目されている。1970年代には金
属リチウムを負極活物質とし二硫化チタンを正極活物質
とする二次電池が、1987年には前記二次電池の正極
活物質を二硫化モリブデンに代えた二次電池が市販され
た。また、1987年には金属リチウムを負極活物質と
し、ポリアニリンを正極活物質とする二次電池が実用化
された。
来することを基本とする二次電池は鉛蓄電池やニッカド
電池より単純な構成で良い上に、理論上最も高い起電力
を持つため極めて注目されている。1970年代には金
属リチウムを負極活物質とし二硫化チタンを正極活物質
とする二次電池が、1987年には前記二次電池の正極
活物質を二硫化モリブデンに代えた二次電池が市販され
た。また、1987年には金属リチウムを負極活物質と
し、ポリアニリンを正極活物質とする二次電池が実用化
された。
【0003】現在リチウム二次電池に使用される正極活
物質としてはチタン、モリブデン、ニオブ、クロム、マ
ンガン、バナジウム、コバルト等の金属のカルコゲン化
合物の他、ポリアニリンやポリピロール等の導電性有機
高分子化合物などが検討されている。しかし、前記のカ
ルコゲン化合物を正極にすると充放電の際の電極反応時
にカチオンの電極内拡散速度が遅く、そのために急速充
放電が難しい上に過放電では可逆性が悪くなる難点もあ
る。また、無機活物質を電極にする場合には成形に接着
剤を使用するが、一般に使われているポリオレフィン系
樹脂を溶媒に溶解し、活物質を分散・塗布した電極では
十分に機械的強度が大きい電極を得るのが難しい。ま
た、リチウム二次電池の充放電では活物質結晶中へのリ
チウムカチオンの挿入・放出が繰り返されるため、活物
質としての能力を持たない前記結着剤がリチウムカチオ
ンの挿入・放出効率を下げる上に電極単位容量あたりの
エネルギー密度の低下も招くこととなる。
物質としてはチタン、モリブデン、ニオブ、クロム、マ
ンガン、バナジウム、コバルト等の金属のカルコゲン化
合物の他、ポリアニリンやポリピロール等の導電性有機
高分子化合物などが検討されている。しかし、前記のカ
ルコゲン化合物を正極にすると充放電の際の電極反応時
にカチオンの電極内拡散速度が遅く、そのために急速充
放電が難しい上に過放電では可逆性が悪くなる難点もあ
る。また、無機活物質を電極にする場合には成形に接着
剤を使用するが、一般に使われているポリオレフィン系
樹脂を溶媒に溶解し、活物質を分散・塗布した電極では
十分に機械的強度が大きい電極を得るのが難しい。ま
た、リチウム二次電池の充放電では活物質結晶中へのリ
チウムカチオンの挿入・放出が繰り返されるため、活物
質としての能力を持たない前記結着剤がリチウムカチオ
ンの挿入・放出効率を下げる上に電極単位容量あたりの
エネルギー密度の低下も招くこととなる。
【0004】リチウム二次電池の電極活物質に使用され
る導電性高分子は成形や加工面でプラスチックの利点を
生かすことができる上に、これを電極活物質とした二次
電池では100%の放電を繰り返しても高いサイクル特
性を示すことができる。しかし、導電性高分子を電極活
物質にした二次電池では活物質の密度が小さいために体
積あたりのエネルギー密度が低下するような問題があ
る。
る導電性高分子は成形や加工面でプラスチックの利点を
生かすことができる上に、これを電極活物質とした二次
電池では100%の放電を繰り返しても高いサイクル特
性を示すことができる。しかし、導電性高分子を電極活
物質にした二次電池では活物質の密度が小さいために体
積あたりのエネルギー密度が低下するような問題があ
る。
【0005】一方、導電性高分子にアニオンを可逆的に
挿入・放出させ、この電極反応で二次電池を形成させる
と、負極でカチオンの出し入れが行なわれるため電解液
中に該電極反応に十分足りるだけの電解質が必要とな
る。また、この場合は充放電反応に従って電解液濃度が
大きく変わるため液抵抗の変化が大きく、充放電反応を
円滑に進めるためには過剰な電解液が必要である。そし
て、これらのために体積エネルギー密度の向上が困難で
ある。
挿入・放出させ、この電極反応で二次電池を形成させる
と、負極でカチオンの出し入れが行なわれるため電解液
中に該電極反応に十分足りるだけの電解質が必要とな
る。また、この場合は充放電反応に従って電解液濃度が
大きく変わるため液抵抗の変化が大きく、充放電反応を
円滑に進めるためには過剰な電解液が必要である。そし
て、これらのために体積エネルギー密度の向上が困難で
ある。
【0006】前記の難点を排除するために、特開昭63
−102162号公報及び特開平5−82120号公報
には正極を導電性高分子と無機カルコゲン化合物で形成
させる方法が開示されている。しかし、これらの方法に
おいては前記二者を粉体として混合するだけで正極を形
成しており、エネルギー密度を十分に高める方法とは言
えない。また、特開平2−220373号公報には導電
性のポリアニリンをN−メチルピロリドンに溶解した塗
膜形成液を調整し、これを支持体用基板上に塗布・乾燥
して多孔質膜を得、該多孔質膜を正極活物質とする二次
電池が開示されている。しかし、この方法で得られる膜
は無機活物質より体積あたりのエネルギー密度が低いポ
リアニリンを活物質としているためにエネルギー密度の
大きい電極が得られず、得られた塗布膜は固くてもろい
ためフレキシブル性に乏しく基板との密着性も低い。膜
と基板との界面の密着性が低ければその電極のインピー
ダンスは高くなり、高負荷放電及び低温特性に悪影響を
及ぼす。
−102162号公報及び特開平5−82120号公報
には正極を導電性高分子と無機カルコゲン化合物で形成
させる方法が開示されている。しかし、これらの方法に
おいては前記二者を粉体として混合するだけで正極を形
成しており、エネルギー密度を十分に高める方法とは言
えない。また、特開平2−220373号公報には導電
性のポリアニリンをN−メチルピロリドンに溶解した塗
膜形成液を調整し、これを支持体用基板上に塗布・乾燥
して多孔質膜を得、該多孔質膜を正極活物質とする二次
電池が開示されている。しかし、この方法で得られる膜
は無機活物質より体積あたりのエネルギー密度が低いポ
リアニリンを活物質としているためにエネルギー密度の
大きい電極が得られず、得られた塗布膜は固くてもろい
ためフレキシブル性に乏しく基板との密着性も低い。膜
と基板との界面の密着性が低ければその電極のインピー
ダンスは高くなり、高負荷放電及び低温特性に悪影響を
及ぼす。
【0007】膜と基板の密着性を高める方法は従来から
いくつかの方法がある。一つは基板の表面を粗面化し、
基板と密着させる方法である。しかしこの方法では膜と
基板との物理的な接着を高めるだけであり、活物質の膨
張、収縮の繰り返しにより徐々にはがれが生じることは
避けられなかった。二つめは基板と膜との間に膜の組成
に近いアンカー層を設けることが考えられる。しかしこ
の方法では膜と基板との電子の授受のために該アンカー
層は導電性とする必要があり多くの制約を受ける。また
厚膜のひび割れによる剥離までは解決することができな
い。以上のように、従来法ではエネルギー密度が高くイ
ンピーダンスの低い二次電池用電極を得るのが困難であ
り、これが理想的二次電池の開発を妨げているといえ
る。
いくつかの方法がある。一つは基板の表面を粗面化し、
基板と密着させる方法である。しかしこの方法では膜と
基板との物理的な接着を高めるだけであり、活物質の膨
張、収縮の繰り返しにより徐々にはがれが生じることは
避けられなかった。二つめは基板と膜との間に膜の組成
に近いアンカー層を設けることが考えられる。しかしこ
の方法では膜と基板との電子の授受のために該アンカー
層は導電性とする必要があり多くの制約を受ける。また
厚膜のひび割れによる剥離までは解決することができな
い。以上のように、従来法ではエネルギー密度が高くイ
ンピーダンスの低い二次電池用電極を得るのが困難であ
り、これが理想的二次電池の開発を妨げているといえ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点を解消し、高強度でフレキシブル、且つ高エネ
ルギー密度の二次電池及び該電池に使用し、所期の目標
を達成することのできる電極の開発を目的とする。
の問題点を解消し、高強度でフレキシブル、且つ高エネ
ルギー密度の二次電池及び該電池に使用し、所期の目標
を達成することのできる電極の開発を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料を有
する電池用電極において、前記高分子材料に少なくとも
1種の炭化水素を不完全燃焼或いは熱分解することによ
って得られる炭素のコロイド状微粉末を含有させた複合
集電材料として用いることを特徴とする電池用電極を提
供する。すなわち、本発明者らは電極作成中における乾
燥工程において、前記高分子材料に少なくとも1種の炭
化水素を不完全燃焼或いは熱分解することによって得ら
れる炭素のコロイド状微粉末を含有させた複合集電材料
が基板との密着性を高め、エネルギー密度、電流特性に
優れた電極を得ることを見出し、鋭意検討の結果本発明
に到達したものである。
種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料を有
する電池用電極において、前記高分子材料に少なくとも
1種の炭化水素を不完全燃焼或いは熱分解することによ
って得られる炭素のコロイド状微粉末を含有させた複合
集電材料として用いることを特徴とする電池用電極を提
供する。すなわち、本発明者らは電極作成中における乾
燥工程において、前記高分子材料に少なくとも1種の炭
化水素を不完全燃焼或いは熱分解することによって得ら
れる炭素のコロイド状微粉末を含有させた複合集電材料
が基板との密着性を高め、エネルギー密度、電流特性に
優れた電極を得ることを見出し、鋭意検討の結果本発明
に到達したものである。
【0010】本発明の電極形成に使用される高分子材料
は少なくともその一部が電気的に酸化還元性を示し電極
活物質としての能力を持つとともに電解液に不溶で高分
子同士が結着できる材料である。電極形成に使用される
前記の高分子材料を具体的に示すと、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導
電性高分子、ポリジフェニルベンジジン、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリトリフェニルアミン等のredox活性導
電性高分子などが挙げられる。電極生成に使われる前記
高分子のうち特に電極材料に好適なものは窒素を含む高
分子であり、該高分子は電池を形成している電解質がド
ープされている際に10-5S/cm2以上の電気伝導度
を示し、電解質イオンの拡散性にも優れている。特にポ
リアニリンは重量あたりの電気容量が比較的大きく安定
に充放電を行なうことができるから、本発明の電極形成
用高分子として最適といえる。また、導電性や電気化学
的特性などの無い従来の電極形成用結着剤、例えばポリ
テトラフロロエチレンやポリエチレンなどを前記高分子
と併用してもよい。しかし、この量が過大では高分子の
電気的特性が十分発現されず、そのために電極性能が大
幅に低下する。なお、前記の電気的特性を持つ高分子は
単独でも或いは2種類以上混合して使ってもよい。
は少なくともその一部が電気的に酸化還元性を示し電極
活物質としての能力を持つとともに電解液に不溶で高分
子同士が結着できる材料である。電極形成に使用される
前記の高分子材料を具体的に示すと、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導
電性高分子、ポリジフェニルベンジジン、ポリビニルカ
ルバゾール、ポリトリフェニルアミン等のredox活性導
電性高分子などが挙げられる。電極生成に使われる前記
高分子のうち特に電極材料に好適なものは窒素を含む高
分子であり、該高分子は電池を形成している電解質がド
ープされている際に10-5S/cm2以上の電気伝導度
を示し、電解質イオンの拡散性にも優れている。特にポ
リアニリンは重量あたりの電気容量が比較的大きく安定
に充放電を行なうことができるから、本発明の電極形成
用高分子として最適といえる。また、導電性や電気化学
的特性などの無い従来の電極形成用結着剤、例えばポリ
テトラフロロエチレンやポリエチレンなどを前記高分子
と併用してもよい。しかし、この量が過大では高分子の
電気的特性が十分発現されず、そのために電極性能が大
幅に低下する。なお、前記の電気的特性を持つ高分子は
単独でも或いは2種類以上混合して使ってもよい。
【0011】また、本発明において少なくとも一種の炭
素粉末として鎖状構造を有するものを用いることによ
り、高分子の間隙をぬって鎖状構造を有する炭素粉末が
存在するようになる。これにより電極間に電圧をかける
と鎖状構造を形成した炭素粒子表面のπ電子がこの連鎖
を伝わって移動するという機構から本発明の電極のイン
ピーダンスを大きく低下させることが可能となった。ま
た、本鎖状構造を有する炭素粉末を用いることにより基
板との密着性を高め、エネルギー密度、電流特性に優れ
た電極を得ることを発見し、本発明に到達したものであ
る。
素粉末として鎖状構造を有するものを用いることによ
り、高分子の間隙をぬって鎖状構造を有する炭素粉末が
存在するようになる。これにより電極間に電圧をかける
と鎖状構造を形成した炭素粒子表面のπ電子がこの連鎖
を伝わって移動するという機構から本発明の電極のイン
ピーダンスを大きく低下させることが可能となった。ま
た、本鎖状構造を有する炭素粉末を用いることにより基
板との密着性を高め、エネルギー密度、電流特性に優れ
た電極を得ることを発見し、本発明に到達したものであ
る。
【0012】また、本発明において炭素粉末としてX線
回析による(002)面の面間隔が3.05〜3.85
のものを用いることにより電解液の吸蔵能力を極めて大
きくすることが可能となり、エネルギー密度及び電流特
性を大幅に向上させることに成功した。さらに、本発明
において炭素粉末として粒径が100〜1000オング
ストロームのものを用いることにより活物質からの集電
能力が大幅に高まり、電流特性の改善に大きく寄与する
ことが見い出された。
回析による(002)面の面間隔が3.05〜3.85
のものを用いることにより電解液の吸蔵能力を極めて大
きくすることが可能となり、エネルギー密度及び電流特
性を大幅に向上させることに成功した。さらに、本発明
において炭素粉末として粒径が100〜1000オング
ストロームのものを用いることにより活物質からの集電
能力が大幅に高まり、電流特性の改善に大きく寄与する
ことが見い出された。
【0013】本発明において高分子マトリクス中に少な
くとも1種の粒子状無機活物質が均質に分散されている
ことにより重量あたりのエネルギー密度を飛躍的に向上
させることが可能となり導電性高分子単体からなる電極
膜と比較し電極膜内部のイオン拡散速度が速くなるため
電流特性も向上した。ここで粒子状無機活物質の少なく
とも1種をバナジウム酸化物、コバルト酸化物、ニッケ
ル酸化物、マンガン酸化物のいずれかとすることによ
り、導電性高分子の放電電位と近似することとなり、高
エネルギー密度を達成することが可能となる。
くとも1種の粒子状無機活物質が均質に分散されている
ことにより重量あたりのエネルギー密度を飛躍的に向上
させることが可能となり導電性高分子単体からなる電極
膜と比較し電極膜内部のイオン拡散速度が速くなるため
電流特性も向上した。ここで粒子状無機活物質の少なく
とも1種をバナジウム酸化物、コバルト酸化物、ニッケ
ル酸化物、マンガン酸化物のいずれかとすることによ
り、導電性高分子の放電電位と近似することとなり、高
エネルギー密度を達成することが可能となる。
【0014】また、該無機活物質は該化合物とともに電
極を構成する際によく密着するように平均粒径0.5〜
10μmのものを用いるのが良い。微粒子化すると高分
子とよく密着する上に電極を塗布液で形成する際には液
が均質となって均質な膜が得られるために集電体から電
極が脱落するなどのトラブルが防止され、電極反応の際
に無機活物質中への電解質イオンの拡散速度が低下する
ことも防止される。粒径が10μm以上であれば膜の密
着性が低下し、ひいてはサイクルによる膜の脱落を引き
起こす。粒径が0.5μm以下であれば材料の入手が困
難となりコストの増加を引き起こす。
極を構成する際によく密着するように平均粒径0.5〜
10μmのものを用いるのが良い。微粒子化すると高分
子とよく密着する上に電極を塗布液で形成する際には液
が均質となって均質な膜が得られるために集電体から電
極が脱落するなどのトラブルが防止され、電極反応の際
に無機活物質中への電解質イオンの拡散速度が低下する
ことも防止される。粒径が10μm以上であれば膜の密
着性が低下し、ひいてはサイクルによる膜の脱落を引き
起こす。粒径が0.5μm以下であれば材料の入手が困
難となりコストの増加を引き起こす。
【0015】本発明者らは、炭素材料の含有量を全活物
質量に対して0.5〜20wt%とすることにより膜強
度が高く、エネルギー密度を上げて電流特性を格段に向
上させることをができた。炭素材料の含有量が0.5w
t%以下であるとインピーダンスを低くする効果が得ら
れなくなり、20wt%以上であると体積あたりのエネ
ルギー密度が低くなる。このとき電気化学的に酸化還元
反応を示す高分子材料において少なくとも1種が可溶性
導電性高分子材料であることによりサイクル特性に優
れ、生産性の高い電極を得られるようになった。
質量に対して0.5〜20wt%とすることにより膜強
度が高く、エネルギー密度を上げて電流特性を格段に向
上させることをができた。炭素材料の含有量が0.5w
t%以下であるとインピーダンスを低くする効果が得ら
れなくなり、20wt%以上であると体積あたりのエネ
ルギー密度が低くなる。このとき電気化学的に酸化還元
反応を示す高分子材料において少なくとも1種が可溶性
導電性高分子材料であることによりサイクル特性に優
れ、生産性の高い電極を得られるようになった。
【0016】また、本発明においては、前記少なくとも
1種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料と
少なくとも1種の粒子状無機活物質と炭素材料を有機溶
媒中に均質に分散した溶液を集電体基板上に塗布するこ
とにより、緻密で安定性が高く生産性に優れる電極が得
られることが見い出された。特に本発明で使用される前
記高分子材料は溶媒可溶性のものを使用すると電極形成
等の点で有利である。これは電気化学的特性を持つ前記
高分子の溶媒に無機活物質微粒子を分散させた分散液、
或いはこの液にさらに少量のポリテトラフロロエチレン
微粉末や各種添加物を分散させた液を作成し、これを集
電体上に塗布・乾燥させて形成した電極がエネルギー密
度を向上させる上で極めて好ましいからである。該電極
は均質で強固な上に加熱・加圧で形成される電極より緻
密に形成されるから小容量で高出力の二次電池を得るこ
とができる。また、該電極では無機活物質が前記高分子
に保護され、容量低下などの問題を起こさない。
1種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料と
少なくとも1種の粒子状無機活物質と炭素材料を有機溶
媒中に均質に分散した溶液を集電体基板上に塗布するこ
とにより、緻密で安定性が高く生産性に優れる電極が得
られることが見い出された。特に本発明で使用される前
記高分子材料は溶媒可溶性のものを使用すると電極形成
等の点で有利である。これは電気化学的特性を持つ前記
高分子の溶媒に無機活物質微粒子を分散させた分散液、
或いはこの液にさらに少量のポリテトラフロロエチレン
微粉末や各種添加物を分散させた液を作成し、これを集
電体上に塗布・乾燥させて形成した電極がエネルギー密
度を向上させる上で極めて好ましいからである。該電極
は均質で強固な上に加熱・加圧で形成される電極より緻
密に形成されるから小容量で高出力の二次電池を得るこ
とができる。また、該電極では無機活物質が前記高分子
に保護され、容量低下などの問題を起こさない。
【0017】本電極の塗布における電極の乾燥温度を8
0〜150℃とすることにより、集電体基板への膜の密
着性が高くサイクル特性の良好な電極が得られることが
わかった。80℃以下の乾燥では密着性が悪く、150
℃以上の乾燥では導電性高分子の分子構造を壊しエネル
ギー密度の低下をもたらした。
0〜150℃とすることにより、集電体基板への膜の密
着性が高くサイクル特性の良好な電極が得られることが
わかった。80℃以下の乾燥では密着性が悪く、150
℃以上の乾燥では導電性高分子の分子構造を壊しエネル
ギー密度の低下をもたらした。
【0018】本発明においては集電体に軽量で導電性が
高く、安価な圧延アルミを用いることが好ましい。一般
には圧延アルミは電極材料の接着性が劣りサイクル特性
などに重大なトラブルを引き起こす原因となっていた
が、本発明による電極材料を塗布することにより圧延ア
ルミ基板を用いた非常に安定な電極を得ることが可能と
なった。また、本発明において、アルミを基板に用いる
際、集電体にエッチング処理を施したアルミ電極を用い
ることにより、格段に密着性が向上し、サイクル特性の
良好な電極が得られることを知見するに至った。このと
き、エッチングの深さが表面から0.5〜10μmであ
ることにより、サイクル特性の50%以上の向上が確認
された。また、本電極において厚み方向にプレスを行な
うことにより密着性を高め、電流特性を向上させる効果
があることが見い出された。特に本電極において活物質
層が元の厚みの40〜98%になるまでプレスを行なう
ことにより、その効果は絶大となりサイクル特性、電流
特性が大幅に向上した。
高く、安価な圧延アルミを用いることが好ましい。一般
には圧延アルミは電極材料の接着性が劣りサイクル特性
などに重大なトラブルを引き起こす原因となっていた
が、本発明による電極材料を塗布することにより圧延ア
ルミ基板を用いた非常に安定な電極を得ることが可能と
なった。また、本発明において、アルミを基板に用いる
際、集電体にエッチング処理を施したアルミ電極を用い
ることにより、格段に密着性が向上し、サイクル特性の
良好な電極が得られることを知見するに至った。このと
き、エッチングの深さが表面から0.5〜10μmであ
ることにより、サイクル特性の50%以上の向上が確認
された。また、本電極において厚み方向にプレスを行な
うことにより密着性を高め、電流特性を向上させる効果
があることが見い出された。特に本電極において活物質
層が元の厚みの40〜98%になるまでプレスを行なう
ことにより、その効果は絶大となりサイクル特性、電流
特性が大幅に向上した。
【0019】本発明において添加される炭素材料は炭化
水素を不完全燃焼或いは熱分解することによって得られ
る炭素のコロイド状微粉末であり、その種類としてアセ
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック等がある。本発明の二次電池は正極と負
極と電解液の他、セパレータ、集電体等の部材で構成さ
れている。そして正極には本発明の電極が使用され負極
には本発明の電極の他、金属リチウムやリチウムを層間
に取り込むことのできる物質、例えば黒鉛化した炭素な
どのインターカレート型物質などが使用される。また、
電解液とセパレータの代わりに固体電解質を用いてもよ
い。
水素を不完全燃焼或いは熱分解することによって得られ
る炭素のコロイド状微粉末であり、その種類としてアセ
チレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフ
タリンブラック等がある。本発明の二次電池は正極と負
極と電解液の他、セパレータ、集電体等の部材で構成さ
れている。そして正極には本発明の電極が使用され負極
には本発明の電極の他、金属リチウムやリチウムを層間
に取り込むことのできる物質、例えば黒鉛化した炭素な
どのインターカレート型物質などが使用される。また、
電解液とセパレータの代わりに固体電解質を用いてもよ
い。
【0020】セパレータは電解溶液のイオン移動に低抵
抗で溶液保持性に優れたものが良く、ガラス繊維フィル
ター、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の高分子で形成されるポアフィルターや不織布等が好ま
しく用いられる。電解液はリチウム塩を有機溶媒に溶解
した液であり、該有機溶媒はリチウム塩を良く溶解し、
電極構成物質やリチウム塩等と反応しなければ良いが、
比較的極性の大きい溶媒が好ましい。
抗で溶液保持性に優れたものが良く、ガラス繊維フィル
ター、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の高分子で形成されるポアフィルターや不織布等が好ま
しく用いられる。電解液はリチウム塩を有機溶媒に溶解
した液であり、該有機溶媒はリチウム塩を良く溶解し、
電極構成物質やリチウム塩等と反応しなければ良いが、
比較的極性の大きい溶媒が好ましい。
【0021】具体的には、プロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラク
トン、ジオキソラン、トリエチルホスファイト、トリエ
チルホスフェート、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメ
トキシエタン、ポリエチレングリコール、スルホラン、
ジクロロエタン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン、ジ
エチルカーボネート等の有機溶媒の1種又は2種以上の
混合液が挙げられる。
チレンカーボネート、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラク
トン、ジオキソラン、トリエチルホスファイト、トリエ
チルホスフェート、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメ
トキシエタン、ポリエチレングリコール、スルホラン、
ジクロロエタン、クロルベンゼン、ニトロベンゼン、ジ
エチルカーボネート等の有機溶媒の1種又は2種以上の
混合液が挙げられる。
【0022】電解質として好適なリチウム塩を具体的に
示すと、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、Li
BF4、LiClO4、LiCF3CO3、LiI等を例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。なお、これらのリチウム塩は単独でも2種以上を混
合して使ってもよい。本発明の二次電池に電解液を使う
場合は液もれ防止に十分な注意が必要である。また、セ
パレータには予め電解液を含ませて使うのが好ましい。
しかし、これらの煩雑さを割けるために、本発明では固
体電解質を使うのが望ましく、固体電解質を使うと正負
極間の間隔を一定に保つなどの点でも有利である。
示すと、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、Li
BF4、LiClO4、LiCF3CO3、LiI等を例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。なお、これらのリチウム塩は単独でも2種以上を混
合して使ってもよい。本発明の二次電池に電解液を使う
場合は液もれ防止に十分な注意が必要である。また、セ
パレータには予め電解液を含ませて使うのが好ましい。
しかし、これらの煩雑さを割けるために、本発明では固
体電解質を使うのが望ましく、固体電解質を使うと正負
極間の間隔を一定に保つなどの点でも有利である。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、本発明を実施例に
よってさらに具体的に説明する。但し、これら具体的実
施例は本発明の実施形態の1例であって、これらによっ
て本発明が限定されるものではない。 実施例1 化学重合法で作成したポリアニリン粉末をN−メチルピ
ロリドンに溶解し、ポリアニリンを5重量%とアセチレ
ンブラックを5重量%含有する溶液を調整した。この液
に平均粒径5μmの微粉末のV2O5微粉末を、ポリアニ
リン:V2O5=3:7(重量比)となるように添加し分
散液を調整した。一方、図1に示すように、外寸140
mm×140mm、厚さ30μmのアルミ箔(1)の上
に、外寸140mm×140mm、内寸130mm×1
30mm、厚さ350μmのポリプロピレン製隔壁
(2)を熱融着法で接着した。そして、隔壁(2)で仕
切られたアルミ箔(1)の上に前記正極形成用分散液を
厚みが100μmになるように均質に塗布してから10
0℃で30分間乾燥させて正極部材(3)を作成した。
よってさらに具体的に説明する。但し、これら具体的実
施例は本発明の実施形態の1例であって、これらによっ
て本発明が限定されるものではない。 実施例1 化学重合法で作成したポリアニリン粉末をN−メチルピ
ロリドンに溶解し、ポリアニリンを5重量%とアセチレ
ンブラックを5重量%含有する溶液を調整した。この液
に平均粒径5μmの微粉末のV2O5微粉末を、ポリアニ
リン:V2O5=3:7(重量比)となるように添加し分
散液を調整した。一方、図1に示すように、外寸140
mm×140mm、厚さ30μmのアルミ箔(1)の上
に、外寸140mm×140mm、内寸130mm×1
30mm、厚さ350μmのポリプロピレン製隔壁
(2)を熱融着法で接着した。そして、隔壁(2)で仕
切られたアルミ箔(1)の上に前記正極形成用分散液を
厚みが100μmになるように均質に塗布してから10
0℃で30分間乾燥させて正極部材(3)を作成した。
【0024】次に7:3のプロピレンカーボネートとジ
メトキシエタンの混合液1リットルに2モルのLiBF
4を溶解した液80wt%、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート19.2wt%及びベンゾインイソプ
ロピルエーテル0.8wt%よりなる高分子固体電解質
を調整した。この液を厚さ25μmのポリプロピレン製
ポアフィルターに浸透させ、これを正極部材(3)に積
層してから高圧水銀灯の紫外線を照射し、図2に示され
るように、ゲル化した固体電解質を積層した正極部材
(4)を得た。一方、外寸140mm×140mm、厚
さ30μmの銅箔(5)の上に、外寸130mm×13
0mm、厚さ100μmのリチウム金属を圧着し負極部
材(7)を得た。該部材は集電体(5)の上に負極
(6)を積層し、その上に高分子固体電解質を積層した
部材である。
メトキシエタンの混合液1リットルに2モルのLiBF
4を溶解した液80wt%、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート19.2wt%及びベンゾインイソプ
ロピルエーテル0.8wt%よりなる高分子固体電解質
を調整した。この液を厚さ25μmのポリプロピレン製
ポアフィルターに浸透させ、これを正極部材(3)に積
層してから高圧水銀灯の紫外線を照射し、図2に示され
るように、ゲル化した固体電解質を積層した正極部材
(4)を得た。一方、外寸140mm×140mm、厚
さ30μmの銅箔(5)の上に、外寸130mm×13
0mm、厚さ100μmのリチウム金属を圧着し負極部
材(7)を得た。該部材は集電体(5)の上に負極
(6)を積層し、その上に高分子固体電解質を積層した
部材である。
【0025】次に図2の下段に示すように部材(4)と
部材(7)とを圧着して高分子固体電解質同士を貼り合
わせ、隔壁(2)を集電体(5)とを熱融着して封止
し、外寸140mm×140mm、厚さ約0.4μmの
シート状薄型電池を作成した。この電池を3.7Vまで
充電し、出力電圧が2.5Vになるまで電流レート1/
3Cで放電した。前記の評価試験を繰り返して各種の電
池評価を行なった結果を表1に示す。表1に示した初期
容量は5サイクル目のデータである。以上のほか、電池
の折曲げ試験を行なった結果を表1に示す。
部材(7)とを圧着して高分子固体電解質同士を貼り合
わせ、隔壁(2)を集電体(5)とを熱融着して封止
し、外寸140mm×140mm、厚さ約0.4μmの
シート状薄型電池を作成した。この電池を3.7Vまで
充電し、出力電圧が2.5Vになるまで電流レート1/
3Cで放電した。前記の評価試験を繰り返して各種の電
池評価を行なった結果を表1に示す。表1に示した初期
容量は5サイクル目のデータである。以上のほか、電池
の折曲げ試験を行なった結果を表1に示す。
【0026】実施例2 実施例1のV2O5の代わりにLiCoOxを用いた以外
は実施例1と同様にした。 実施例3 実施例1のV2O5の代わりにLiNiO2を用いた以外
は実施例1と同様にした。 実施例4 実施例1のV2O5の代わりにLiMn2O4を用いた以外
は実施例1と同様にした。 実施例5 正極基板に2μmのエッチング処理を施したエッチドア
ミルを用いた以外は実施例1と同様にした。
は実施例1と同様にした。 実施例3 実施例1のV2O5の代わりにLiNiO2を用いた以外
は実施例1と同様にした。 実施例4 実施例1のV2O5の代わりにLiMn2O4を用いた以外
は実施例1と同様にした。 実施例5 正極基板に2μmのエッチング処理を施したエッチドア
ミルを用いた以外は実施例1と同様にした。
【0027】比較例1 正極塗布用分散液にアセチレンブラックを混合せず正極
を塗布乾燥させた以外は実施例1と同様にした。
を塗布乾燥させた以外は実施例1と同様にした。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的記載から理解でき
るように、本発明は、少なくとも1種類の電気化学的に
酸化還元反応を示す高分子材料を有する電池用電極にお
いて、前記高分子材料に少なくとも1種の炭化水素を不
完全燃焼或いは熱分解することによって得られる炭素の
コロイド状微粉末を含有させた複合集電材料として用い
ることにより、基板との密着性を高め、エネルギー密
度、電流特性に優れた電極を得ることができ、また、鎖
状構造を有する炭素材料を用いることにより基板との密
着性を高め、エネルギー密度、電流特性に優れた電極を
得ることができ、さらに、本発明に用いる炭素粉末のX
線回析による(002)面の面間隔が3.05〜3.8
5であることにより電解液の吸蔵能力を極めて大きくす
ることが可能となり、エネルギー密度及び電流特性を大
幅に向上させることができ、本発明に用いる炭素粉末の
粒径が100〜1000オングストロームであることを
特徴とすることにより活物質からの集電能力が大幅に高
まり、電流特性の改善に大きく寄与し、高分子材料のマ
トリクス中に少なくとも1種の粒子状無機活物質が分散
した電極とすることによりエネルギー密度を大幅に向上
させることができるという極めて優れた効果を奏する。
また、本発明において前記粒子状無機活物質の少なくと
も1種はバナジウム酸化物、コバルト酸化物、ニッケル
酸化物、マンガン酸化物、鉄酸化物から選ばれ、その粒
径が0.5〜10μmであることにより、高エネルギー
密度であり、集電体から電極が脱落するなどのトラブル
がない電極を作成することに成功し、炭素材料の含有量
を全活物質量に対して0.5〜20wt%とすることに
より、膜強度が高く、エネルギー密度を上げて電流特性
を格段に向上させることができ、電極電気化学的に酸化
還元反応を示す高分子材料の少なくとも1種が可溶性導
電性高分子材料であることによりサイクル特性に優れ、
生産性の高い電極を得られるようになり、少なくとも1
種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料と少
なくとも1種類の粒子状無機活物質と炭素材料とを有機
溶媒中に均質に分散した溶液を集電体基板上に塗布する
ことにより、緻密で安定性が高く、生産性に優れる電極
が得られ、本電極の塗布における電極の乾燥温度を80
〜150℃とすることにより、集電体基板への膜の密着
性が高く、サイクル特性の良好な電極が得られる。さら
に、一般には圧延アルミには電極材料の接着性が劣りサ
イクル特性などに重大なトラブルを引き起こす原因とな
っていたが、本発明による電極材料を塗布することによ
りアルミ基板を用いた非常に安定な電極を得ることが可
能となり、アルミを基板に用いる際、集電体にエッチン
グ処理を施したアルミ電極を用いることにより、格段に
密着性が向上し、サイクル特性の良好な電極が得られ、
エッチングの深さが表面から0.5〜10μmであるこ
とにより、サイクル特性の50%以上の向上が確認さ
れ、本電極において、厚み方向にプレスを行なうことに
より密着性を高め、電流特性を向上させる効果があり、
本電極において活物質層が元の厚みの40〜98%にな
るまでプレスを行なうことにより、その効果は絶大とな
りサイクル特性、電流特性が大幅に向上するという極め
て優れた効果を発揮する。
るように、本発明は、少なくとも1種類の電気化学的に
酸化還元反応を示す高分子材料を有する電池用電極にお
いて、前記高分子材料に少なくとも1種の炭化水素を不
完全燃焼或いは熱分解することによって得られる炭素の
コロイド状微粉末を含有させた複合集電材料として用い
ることにより、基板との密着性を高め、エネルギー密
度、電流特性に優れた電極を得ることができ、また、鎖
状構造を有する炭素材料を用いることにより基板との密
着性を高め、エネルギー密度、電流特性に優れた電極を
得ることができ、さらに、本発明に用いる炭素粉末のX
線回析による(002)面の面間隔が3.05〜3.8
5であることにより電解液の吸蔵能力を極めて大きくす
ることが可能となり、エネルギー密度及び電流特性を大
幅に向上させることができ、本発明に用いる炭素粉末の
粒径が100〜1000オングストロームであることを
特徴とすることにより活物質からの集電能力が大幅に高
まり、電流特性の改善に大きく寄与し、高分子材料のマ
トリクス中に少なくとも1種の粒子状無機活物質が分散
した電極とすることによりエネルギー密度を大幅に向上
させることができるという極めて優れた効果を奏する。
また、本発明において前記粒子状無機活物質の少なくと
も1種はバナジウム酸化物、コバルト酸化物、ニッケル
酸化物、マンガン酸化物、鉄酸化物から選ばれ、その粒
径が0.5〜10μmであることにより、高エネルギー
密度であり、集電体から電極が脱落するなどのトラブル
がない電極を作成することに成功し、炭素材料の含有量
を全活物質量に対して0.5〜20wt%とすることに
より、膜強度が高く、エネルギー密度を上げて電流特性
を格段に向上させることができ、電極電気化学的に酸化
還元反応を示す高分子材料の少なくとも1種が可溶性導
電性高分子材料であることによりサイクル特性に優れ、
生産性の高い電極を得られるようになり、少なくとも1
種類の電気化学的に酸化還元反応を示す高分子材料と少
なくとも1種類の粒子状無機活物質と炭素材料とを有機
溶媒中に均質に分散した溶液を集電体基板上に塗布する
ことにより、緻密で安定性が高く、生産性に優れる電極
が得られ、本電極の塗布における電極の乾燥温度を80
〜150℃とすることにより、集電体基板への膜の密着
性が高く、サイクル特性の良好な電極が得られる。さら
に、一般には圧延アルミには電極材料の接着性が劣りサ
イクル特性などに重大なトラブルを引き起こす原因とな
っていたが、本発明による電極材料を塗布することによ
りアルミ基板を用いた非常に安定な電極を得ることが可
能となり、アルミを基板に用いる際、集電体にエッチン
グ処理を施したアルミ電極を用いることにより、格段に
密着性が向上し、サイクル特性の良好な電極が得られ、
エッチングの深さが表面から0.5〜10μmであるこ
とにより、サイクル特性の50%以上の向上が確認さ
れ、本電極において、厚み方向にプレスを行なうことに
より密着性を高め、電流特性を向上させる効果があり、
本電極において活物質層が元の厚みの40〜98%にな
るまでプレスを行なうことにより、その効果は絶大とな
りサイクル特性、電流特性が大幅に向上するという極め
て優れた効果を発揮する。
【図1】本発明に係わる正極部材の作製手順を示す説明
図である。
図である。
【図2】本発明に係わる上記正極部材を使って薄型電池
を作製する手順を示す説明図である。
を作製する手順を示す説明図である。
a 正極形成用分散液 b 高分子固体電解質形成液 1 アルミ箔 2 隔壁 3 正極部材 4 固体電解質を積層した正極部材 5 集電体 6 負極 7 固体電解質を積層した負極部材
Claims (15)
- 【請求項1】 少なくとも1種類の電気化学的に酸化還
元反応を示す高分子材料を有する電池用電極において、
前記高分子材料に少なくとも1種の炭化水素を不完全燃
焼或いは熱分解することによって得られる炭素のコロイ
ド状微粉末を含有させた複合集電材料として用いること
を特徴とする電池用電極。 - 【請求項2】 前記少なくとも1種の炭素粉末が鎖状構
造を有することを特徴とする請求項1に記載の電池用電
極。 - 【請求項3】 前記少なくとも1種の炭素粉末のX線回
析による(002)面の面間隔が3.05〜3.85で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池用電
極。 - 【請求項4】 前記少なくとも1種の炭素粉末の粒径が
100〜1000オングストロームであることを特徴と
する請求項1、2又は3のうちの何れか1に記載の電池
用電極。 - 【請求項5】 前記高分子材料のマトリクス中に少なく
とも1種の粒子状無機活物質が分散されていることを特
徴とする請求項1乃至4のうちの何れか1に記載の電
極。 - 【請求項6】 前記粒子状無機活物質の少なくとも1種
はバナジウム酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化
物、マンガン酸化物、鉄酸化物から選ばれ、その粒径が
0.5〜10μmであることを特徴とする請求項5に記
載の電極。 - 【請求項7】 炭素材料の含有量が全活物質量に対して
0.5〜20wt%であることを特徴とする請求項1乃
至6のうちの何れか1に記載の電極。 - 【請求項8】 前記電気化学的に酸化還元反応を示す高
分子材料の少なくとも1種が可溶性導電性高分子材料で
あることを特徴とする請求項1乃至7のうちの何れか1
に記載の電極。 - 【請求項9】 集電体に圧延アルミを用いることを特徴
とする請求項1乃至8のうちの何れか1に記載の電極。 - 【請求項10】 集電体にエッチング処理を施したアル
ミ電極を用いることを特徴とする請求項1乃至8のうち
の何れか1に記載の電極。 - 【請求項11】 エッチングの深さが表面から0.5〜
10μmであることを特徴とする請求項10に記載の電
極。 - 【請求項12】 厚み方向にプレスを行なったことを特
徴とする請求項1乃至11のうちの何れか1に記載の電
極。 - 【請求項13】 元の厚みの40〜98%になるまでプ
レスを行なったことを特徴とする請求項12に記載の電
極。 - 【請求項14】 前記少なくとも1種類の電気化学的に
酸化還元反応を示す高分子材料と前記少なくとも1種類
の粒子状無機活物質と炭素材料とを有機溶媒中に均質に
分散した溶液を集電体基板上に塗布することを特徴とす
る請求項5乃至12のうちの何れか1に記載の電極の製
造方法。 - 【請求項15】 塗布後の電極の乾燥温度を80〜15
0℃とすることを特徴とする請求項14に記載の電極の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9023196A JPH10208749A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 電池用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9023196A JPH10208749A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 電池用電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10208749A true JPH10208749A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=12103926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9023196A Pending JPH10208749A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 電池用電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10208749A (ja) |
-
1997
- 1997-01-22 JP JP9023196A patent/JPH10208749A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040107 |