JPH10208294A - 光ヘッド装置および光ヘッド装置における往路の回折光の 遮光方法 - Google Patents

光ヘッド装置および光ヘッド装置における往路の回折光の 遮光方法

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JPH10208294A
JPH10208294A JP10054810A JP5481098A JPH10208294A JP H10208294 A JPH10208294 A JP H10208294A JP 10054810 A JP10054810 A JP 10054810A JP 5481098 A JP5481098 A JP 5481098A JP H10208294 A JPH10208294 A JP H10208294A
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慶明 金馬
Shinichi Kadowaki
愼一 門脇
Yoshikazu Hori
義和 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホログラム素子の往路の回折光がディテクタに
入射するのを防止することができる光ヘッド装置を提供
する。 【解決手段】放射光源1と、この放射光源1より出射す
る放射光2を情報担体4に集光する集光光学系3と、情
報担体4で反射したビームを集光光学系3を透して受け
て回折光を発生するホログラム素子5と、回折光を受光
するディテクタ6とを備えた光ヘッド装置であって、往
路の回折光を含む光ビームが情報担体4で反射され後デ
ィテクタ6に入射するのを遮光する開口制限手段7を有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光情報装置にお
いて、情報の記録または再生を行う光ヘッド装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラム素子を用いて光ヘッド装置の
光学系を簡略化したものとして、最近では、図8に示す
ようなものがあった(たとえば特開昭62-97141号公
報)。図8において、50は放射光源である。この放射
光源50から出射したビームは回折素子であるホログラ
ム素子51を透過して集光光学系である対物レンズ52
に入射し、情報担体53上に集光される。情報担体53
上で反射した光はもとの光路を逆にたどってホログラム
素子51に入射する。ホログラム素子51は図9に示す
ように第1格子54と第2格子55に2分割されてい
て、それぞれ、同じピッチPを持つホログラム素子であ
る。この時、ホログラム素子51に入射したビームか
ら、それぞれ図9に示すディテクタ(光検出器)56〜
59の分割線60,61上に像形成する回折光が生じ
る。62,63は格子細条を示す。ディテクタ56〜5
9は回折光を複数の分割領域で分割して受光し、受光し
た光量を電気倍号に変換するものである。図10はディ
テクタ56〜59上での回折光64の光スポットを模式
的に示したもので、同図(b)はジャストフォーカス位
置の場合、同図(a)および同図(b)はジャストフォ
ーカス位置前後の場合を示す。従って、これらのディテ
クタ56〜59から得られるフオーカスエラー信号FE
は、ディテクタ56〜59で得られる出力をそれぞれS
56〜S59として、 FE=(S56+S59)−(S57+S58) ………(1) という演算によって得られる。
【0003】また、フォーカスサーボと、トラッキング
サーボが正常に動作しているとき、情報信号RFは RF=S56+S57+S58+S59 ………(2) という演算によって得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この光ヘッド
装置は、放射光源50から情報担体53までの光路(以
下往路と呼ぶ)においてもホログラム素子51によって
回折光が発生し、この往路の回折光も情報担体53で反
射してディテクタ56〜59上に戻ってくる。この往路
の回折光は、情報担体53上において往路の透過光と異
なる位置に照射されるため、前記(2)式によって得ら
れる情報信号RFに対して雑音を形成してしまうという
問題がある。
【0005】さらにまた、ホログラム素子51が回折光
64に対してレンズ作用を持つように設計されている場
合には、ディテクタ56〜59上では往路の−1次の回
折光と、情報担体53からディテクタ56〜59へ向か
う光路(以下帰路と呼ぶ)において発生する+1次の回
折光がディテクタ上において重なるために、この2つの
共役な回折光がデフォーカスに対して正反対の形状変化
をする。このため、フォーカスサーボ信号を劣化させて
しまうという問題もある。
【0006】したがって、この発明の目的は、ホログラ
ム素子の往路の回折光がディテクタに入射するのを防止
することができる光ヘッド装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光ヘッド
装置は、放射光源と、この放射光源より出射する放射光
を情報担体に集光する集光光学系と、前記情報担体で反
射したビームを前記集光光学系を透して受けて回折光を
発生する回折素子と、前記回折光を受光するディテクタ
とを備えた光ヘッド装置であって、前記光ビームが前記
情報担体で反射され後、前記回折素子に入射することに
より生じる帰路の回折光を制限する開口制限手段を有す
ることを特徴とするものである。
【0008】請求項1記載の光ヘッド装置によれば、放
射光源より放射した放射光が回折素子を透して集光光学
系により情報担体に集光され、情報担体の反射光が集光
光学系を透して回折素子に入射しその帰路の回折光をデ
ィテクタで検出する。また、前記放射光が回折素子を透
過する際に生じる往路の回折光は、開口制限手段により
ディテクタに入射するのを防止される。
【0009】請求項2記載の光ヘッド装置は、放射光源
と、この放射光源により出射する放射光を情報担体に集
光する集光光学系と、前記情報担体で反射したビームを
前記集光光学系を透して受けて回折光を発生する回折素
子と、前記回折光を受光するディテクタとを備えた光ヘ
ッド装置であって、前記光ビームの内、ある開口範囲内
の光ビームを前記ディテクタで受光して情報信号を検出
するための開口制御手段を有することを特徴とするもの
である。
【0010】請求項2記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1と同様な効果がある。請求項3記載の光ヘッド装
置は、請求項1または請求項2において、開口制限手段
が円形であるものである。請求項3記載の光ヘッド装置
によれば、請求項1または請求項2と同様な効果があ
る。
【0011】請求項4記載の光ヘッド装置は、請求項
1、請求項2または請求項3において、回折素子がホロ
グラム素子であり、前記開口制眼手段は前記ホログラム
素子と同一平面内にあるものである。請求項4記載の光
ヘッド装置によれば、開口制限手段が回折素子であるホ
ログラム素子と同一平面内にあるため、往路の回折光を
効果的に遮蔽することができる。
【0012】請求項5記載の光ヘッド装置は、請求項4
において、開口制限手段が、前記ホログラム素子を形成
する材料に貼付された不透明体であるものである。請求
項5記載の光ヘッド装置によれば、開口制限手段をホロ
グラム素子を形成する材料に貼付された不透明体で形成
したため、請求項4と同様なほか、開口制限手段を容易
に形成することができる。
【0013】請求項6記載の光ヘッド装置は、請求項4
において、開口制限手段が、前記ホログラム素子に蒸着
された不透明物質であるものである。請求項6記載の光
ヘッド装置によれば、開口制限手段をホログラム素子に
蒸着された不透明物質により形成したため、請求項4と
同様な効果があるほか、開口制限手段とホログラム素子
との相対位置精度を容易に高めることができる。
【0014】請求項7記載の光ヘッド装置は、請求項4
において、開口制限手段が、前記放射光に対して反射率
および透過率が非常に低く、吸収率の高い材質によって
形成されているものである。請求項7記載の光ヘッド装
置によれば、開口制限手段を放射光に対して反射率およ
び透過率が非常に低く、吸収率の高い材質によって形成
しているため、請求項4と同様な効果とともに、開口制
限手段に入射した往路の回折光や、開口制限手段からの
反射光がディテクタに入射するのを防止することができ
る。
【0015】請求項8記載の光ヘッド装置は、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項
6または請求項7において、前記開口制限手段が、前記
放射光源と、前記回折素子と、前記ディテクタとを一定
の位置関係に保つ支持手段の一部によって形成されてい
るものである。請求項8記載の光ヘッド装置によれば、
開口制限手段を前記放射光源と、前記回折素子と、前記
ディテクタとを一定の位置関係に保つ支持手段の一部に
よって形成したため、請求項1、請求項2、請求項3、
請求項4、請求項5、請求項6または請求項7と同様な
効果のほか、開口制限手段の構成を簡単にすることがで
き、部品点数を削減できる。
【0016】請求項9記載の光ヘッド装置は、請求項l
または請求項2記載の光ヘッド装置において、前記回折
素子の2方向の回折光の一方の回折強度が大きく、かつ
他方の回折強度が小さくなるように、前記回折素子を形
成する格子の断面形状を非対称に形成したものである。
請求項9記載の光ヘッド装置によれば、請求項1または
請求項2の開口制限手段に代えて、前記回折素子の2方
向の回折光の一方の回折強度が大きく、かつ他方の回折
強度が小さくなるように、前記回折素子を形成する格子
の断面形状を非対称に形成したため、ディテクタに入射
する往路の回折光の強度を小さくできるとともに、ディ
テクタに入射する帰路の回折光の強度を大きくできるの
で、信号強度が強くなりS/N比が向上する。
【0017】請求項10記載の光ヘッド装置は、請求項
9において、前記放射光源から前記回折素子に入射する
ことにより生じた往路の回折光が、前記情報担体を反射
して前記ディテクタに入射するのを遮蔽する開口制限手
段を有するものである。請求項10記載の光ヘッド装置
によれば、請求項9において放射光源から回折素子に入
射することにより生じた往路の回折光が、前記ディテク
タに入射するのを遮蔽する開口制限手段を有するため、
デイテクタに入射する往路の回折光をより確実に遮蔽で
きる。
【0018】請求項11記載の光ヘッド装置は、放射光
源と、この放射光源により出射する放射光を情報担体に
集光する集光光学系と、前記情報担体で反射した光ビー
ムを前記集光光学系を透して受光するディテクタとを備
えた光ヘッド装置であって、前記光ビームの内、ある開
口範囲内の光ビームを前記ディテクタで受光して情報信
号を検出するための開口制御手段を有することを特徴と
するものである。
【0019】請求項11記載の光ヘッド装置によれば、
請求項1と同様な効果がある。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図
1に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態を原理
的に説明するための図である。放射光源1は通常半導体
レーザーである。放射光源1を出射した放射光2は、回
折素子であるホログラム素子5や開口制限手段7を透過
後、集光光学系である対物レンズ3によって情報担体4
の情報記録面上に集光される。情報担体4の情報記録面
上で反射した放射光2は再び対物レンズ3を透過し、ホ
ログラム素子5に入射する。ホログラム素子5で回折し
た回折光のうち、+1次の回折光8は、ディテクタ6に
入射する。
【0021】前記開口制限手段7の必要性を、図2にお
いて説明する。前述したように放射光源1から出射した
放射光2は、放射光源1から情報担体4へ向かう往路に
おいてもホログラム素子5を通過する。このときも回折
が起こるため、図2に示すように、往路の−1次の回折
光9が発生する。例えば、放射光源1から、ホログラム
素子5の図2点aの付近へ入射する光線から回折した往
路の−1次の回折光9は、図2において矢印で示すよう
に対物レンズ3へ入射し、情報担体4で反射して再びホ
ログラム素子5の点bへ戻ってくる。そしてホログラム
素子5を透過してディテクタ6の点cに入射する。
【0022】なお、この実施の形態のディテクタ6はホ
ログラム素子5を回析する帰路の回折光の+1次の回析
光を検出しているため、往路の+1次の回折光は情報担
体4を反射した後、放射光源1に対してディテクタ6と
反対側に進むためディテクタ6に入射しない。このよう
に、往路の−1次の回折光9も、ディテクタ6に入射す
るわけであるが、情報担体4上での集光点が図1に示す
往路の透過光の集光点とは異なっている。従って、前記
(2)式のようにして情報信号RFを得ようとした場合
に、往路の−1次の回折光9は雑音を発生させることに
なる。
【0023】また、例えばフォーカスサーボ信号方式と
して非点収差法を用いる場合のように、ホログラム素子
5がレンズ作用を持つように設計されている場合には、
往路の−1次の回折光9は帰路の+1次の回折光8の共
役波となるため、フォーカスサーボ信号を劣化させてし
まう。さらに、往路の−1次の回折光9の一部は対物レ
ンズ3の開口制限を受けて遮断されてしまうので、残り
の光量だけがディテクタ6に入射して、サーボ信号や情
報信号にオフセットを生じさせる。
【0024】したがって、往路の−1次の回折光9がデ
ィテクタ6に入射することを避けなければならない。そ
こで、開口制搬手段7を用いることによって往路の−1
次の回折光9がディテクタ6に入射することを防げられ
ることを、図3を用いて説明する。まず、図3のホログ
ラム素子5の点Aに向かって放射光源1から出射した放
射光は開口制限手段7があるために遮断されてしまう。
従って往路の−1次の回折光9は対物レンズ3に到達し
ない。次にホログラム素子5の点Bに向かって放射光源
1から出射した放射光からは図3に示すように、往路の
−1次の回折光9が対物レンズ3を透過するが、情報担
体4で反射した後、開口制御手段7の点Cにおいて遮断
される。従ってディテクタ6に入射することはない。
【0025】このように、開口制限手段7を用いること
により往路の−1次の回折光9の発生量を減少させると
共に、発生した往路の−1次の回折光9を帰路において
遮断することができる。もちろん、帰路の回折光を得る
ための往路の透過光は、対物レンズ3の全有効面積に入
射しなければ実質的に対物レンズ3のN.A.(開口
数)が小さくなってしまうので、放射光源1に対する対
物レンズ3のN.A.よりも、開口制限手段7の放射光
源1に対するN.A.は大きくなければならない。ま
た、この条件を常に満たすためには、組立誤差やトラッ
ク追従による対物レンズ3の動きも考慮して、開口制限
手段7の開口は大きめにするのが望ましい。特にトラッ
ク追従によって対物レンズ3の動く方向の開口径を大き
くすることが望ましい。
【0026】また図3に示すように、往路の−1次の回
折光9は情報担体4で反射して対物レンズ3を透過した
後、ディテクタ6の方向に行くため、開口制限手段7
は、放射光源1に近付けた方が良いことがわかる。但
し、開口制限手段7をホログラム素子5よりも放射光源
1の側に置くと、帰路の+1次の回折光8も遮断されて
しまう。よって開口制限手段7はホログラム素子5の近
傍に置けばよい。このようにすると、効果的に往路の回
折光9を遮蔽することができる。
【0027】このように、往路の回折光が、全く集光光
学系である対物レンズ3に入らないところまで、開口制
限によって遮光するのではなく、このように往路の回折
光の少なくとも一部は集光光学系に入射する構成にする
ことにより、開口制限の開口径を例えば従来例2(特開
平1−269246号)より大きくできるので、対物レ
ンズ3がトラッキング追従のために移動したり、光ヘッ
ドの組立誤差によって対物レンズ3の光軸とホログラム
素子5の中心がずれた場合などでも、対物レンズ3の有
効開口のホログラム素子5上への投影開口が例えば絞り
を用いた開口制御手段7によって一部遮られることはな
く、対物レンズ3内に必要な光ビームが入る。
【0028】この点について、図3により具体的に説明
する。図3において、dは光源1の発光点とディテクタ
6上の回折光の距離、hはホログラム素子5と光源1の
距離、fcは対物レンズ3と光源1の距離、f0 は対物
レンズ3と情報担体4の距離(焦点距離)、Rはレンズ
有効半径、r0 はレンズ有効半径Rのホログラム素子5
上への投影、r1 はこの実施の形態による開口制限の半
径、r2 は従来例による開口制限の半径(中心からB点
まで)、Lcはレンズ中心である。
【0029】r0 =R(h/fc)、 r1 =d(fc−h)/fc、 またr2 に関して、(R+d)/fc=(R+r2 )/
(fc−h) したがって、r2 ={(fc−h)/fc}(R+d)
−R である。
【0030】設計例としては、fc=20mm、f0
3.3mm、R=1.5mm、d=0.6mmにおい
て、h=3mmとするとき、r0 =0.225mm、r
1 =0.51mm、r2 =0.285mmとなる。また
第2の設計例としては、h=4mmとするとき、r0
0.3mm、r1=0.48mm、r2 =0.18mm
となる。
【0031】h=3mmでは、この実施の形態の開口制
限(r1 )は最小有効径(r0 )の倍以上あり十分な余
裕があるので、レンズシフトと組立誤差(50〜100
μm必要)を許容できるが、従来例2(r2 )ではr0
に対して60μm大きいだけなのでレンズシフトと組立
誤差(50〜100μm必要)を許容できない。またh
=4mmでは、この実施の形態では180μmの十分な
余裕があるが、従来例2ではr2 <r0 となり、設計解
がでない。
【0032】ホログラム素子5と光源1の距離hを小さ
くすると、r0 が小さくなりそれだけホログラム素子5
の組立許容誤差が小さくなるが、従来例2では前記した
ようにh=3mmまで小さくてもなお60μmの余裕し
かない。一方、この実施の形態ではh=3mmではもち
ろん、h=4mmでも、組立誤差およびレンズシフトを
許容することができる。
【0033】また、この実施の形態は、光ヘッド装置に
おける往路の回折光の遮光方法も提供し、前記と同様な
作用効果を得ている。すなわち、この遮光方法は、放射
光源1と、この放射光源1より出射する放射光を情報担
体4に集光する集光光学系である対物レンズ3と、情報
担体4で反射した光ビームを対物レンズ3を透して受け
て復路の回折光を発生する回折素子であるホログラム素
子5と、回折光を受光するディテクタ6とを備えた光ヘ
ッド装置における往路の回折光の遮光方法であって、ホ
ログラム素子5の例えば近傍に開口制限手段7を設け
て、放射光源1から出射した光ビームが対物レンズ3に
達する前にホログラム素子5に入射した時にも発生する
往路の回折光の発生量を抑圧すると共に、往路の回折光
の少なくとも一部は対物レンズ3に入射し、情報担体4
で反射され、往路の回折光が情報媒体4で反射した後に
ディテクタ5に入射しないように開口制限手段7によっ
て遮光するものである。
【0034】この発明の第2の実施の形態を図4により
説明する。すなわち、この光ヘッド装置は、開口制限手
段7をホログラム素子5と同一平面に配置したものであ
る。特にガラス板のようなホログラム素子形成材料10
の片面にレリーフ形状を作るなどして複素屈折率変化部
11を作るような場合、複素屈折率変化部11と同じ面
に開口制限手段7を設ける。
【0035】また開口制限手段7は薄いアルミニウム板
のような不透明体を貼付している。これにより開口制限
手段7を容易に形成することができる。この発明の第3
の実施の形態は、第2の実施の形態においてCr膜など
の不透明物質を蒸暑して開口制限手段7を形成するもの
である。この実施の形態によれば、リソグラフイの手法
を用いることができるため、開口制限手段7とホログラ
ム素子5との相対位置精度を容易に高めることができ
る。
【0036】この発明の第4の実施の形態を図3により
説明する。すなわち、この光ヘッド装置の開口制限手段
7は、放射光源1に対して反射率および透過率が非常に
低く、吸収率の高い材質によって形成されているもので
ある。放射光源1から出射して点Aなどの開口制限手段
7に向かった放射光は、開口制限手段7で反射するとデ
ィテクタ6に入射して、本来の信号に対して雑音やオフ
セットの原因となることがある。このような場合、開口
制限手段7を黒色アルマイト加工したり、炭素の蒸着に
よって形成するなどして、吸収率を高くすることによ
り、ディテクタ6に反射光が入射するのを防止すること
ができる。
【0037】この発明の第5の実施の形態を図5に示
す。すなわち、この光ヘッド装置は、放射光源1と、回
折素子である示ログラム素子5と、ディテクタ6とを一
定の位置関係に保つ支持手段12の一部によって開口制
限手段7を形成している。実施の形態では支持手段12
は光源1およびホログラム素子5を収納するパッケージ
を実施の形態とし、その開口を開口制限手段7に兼用し
ている。13は放射光源1およぴディテクタ6を取付け
るマウント、14は外部接続端子である。
【0038】ホログラム素子5はディテクタ6や放射光
源1と一定の位置関係を保つように支持しなければなら
ないが、この実施の形態によれば、前記支持手段12の
一部を開口制限手段7に兼用しているため、構成が簡単
になり、部品点数を削減できる。この発明の第6の実施
の形態を図6により説明する。すなわち、この光ヘッド
装置は、回折素子であるホログラム素子5を形成する格
子がブレーズ化、すなわち回折素子の2方向の回折光の
一方の回折強度が大きく、かつ他方の回折強度が小さく
なるように、前記回折素子を形成する格子の断面形状を
非対称に形成したものである。実施の形態では、ホログ
ラム素子5の断面形状を左右で非対称にして、−1次の
回折光の回折効率に対して、+1次の回折光の回折効率
を高くしている。
【0039】この実施の形態によれば、同図(a)の帰
路においては+1次の回折光8が強くなるので信号強度
が強くなってS/N比が向上する.また同図(b)の往
路においては−1次の回折光9が弱くなるため、ディテ
クタ6で信号として検出するのを防止することが可能に
なるという効果がある。この図において、15は往路の
ホログラム素子5に入射する入射光、16はその透過
光、17は同じく+1次の回折光、18は帰路の入射
光、19はその透過光、20は同じく−1次の回折光で
ある。
【0040】また、この実施の形態において、図1に示
す開口制限手段7を設けると、より確実に往路の回折光
がディテクタ6に入射するのを防止することができる。
この発明の第7の実施の形態を図7により説明する。す
なわち、この光ヘッド装置は、放射光源1から回折素子
であるホログラム素子5に入射することにより生じた往
路の回折光が、集光光学系である対物レンズ3に入射し
ないようにホログラム素子5の回折角を大きく設定した
ものである。
【0041】実施の形態では、対物レンズ3の任意の点
とホログラム素子5の任意の点を結ぶ直線がディテクタ
6を含む面と交わって得られる点の集合として得られる
領域外に、+1次の回折光8等のすべての回折光がある
ようにホログラム素子5を設計している。このように、
回折角を大きく設計すると、往路の−1次の回折光9は
対物レンズ3に入射しないため、ディテクタ6にも入射
しない。一方、このようにホログラム素子5を設計すれ
ば、ディテクタ6と放射光源1の距離が長くなったりす
るが、ことさら開口制限手段7を設けなくても往路の回
折光9がディテクタ6に入射することを防ぐことができ
る利点がある。
【0042】なお、以上の実施の形態から、放射光源
と、この放射光源により出射する放射光を情報担体に集
光する集光光学系と、前記情報担体で反射したビームを
前記集光光学系を透して受けて回折光を発生する回折素
子と、前記回折光を受光するディテクタとを備えた光ヘ
ッド装置であって、前記光ビームの内、ある開口範囲内
の光ビームを前記ディテクタで受光して情報信号を検出
するための開口制御手段を有することを特徴とする光ヘ
ッド装置が把握される。
【0043】また開口制限手段が円形である場合が把握
される。さらに、放射光源と、この放射光源により出射
する放射光を情報担体に集光する集光光学系と、前記情
報担体で反射した光ビームを前記集光光学系を透して受
光するディテクタとを備えた光ヘッド装置であって、前
記光ビームの内、ある開口範囲内の光ビームを前記ディ
テクタで受光して情報信号を検出するための開口制御手
段を有することを特徴とする光ヘッド装置が把握され
る。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の光ヘッド装置によれば、
放射光源から回折素子に入射することにより生じた往路
の回折光が、情報担体で反射してディテクタに入射する
のを遮蔽する開口制限手段を設けたため、放射光の往路
の回折光がディテクタに入射するのを開口制限手段によ
り防止でき、ディテクタにおいて雑音やオフセットの少
ない良質な情報信号やサーボ信号を容易に得ることがで
きるという効果がある。
【0045】請求項2記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1と同様な効果がある。請求項3記載の光ヘッド装
置によれば、請求項1または請求項2と同様な効果があ
る。請求項4記載の光ヘッド装置によれば、開口制限手
段が回折素子であるホログラム素子と同一平面内にある
ため、往路の回折光を効果的に遮蔽することができる。
【0046】請求項5記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段をホログラム素子を形成する材料に貼付され
た不透明体で形成したため、請求項4と同様なほか、開
口制限手段を容易に形成することができる。請求項6記
載の光ヘッド装置によれば、開口制限手段をホログラム
素子に蒸着された不透明物質により形成したため、請求
項4と同様な効果があるほか、開口制限手段とホログラ
ム素子との相対位置精度を容易に高めることができる。
【0047】請求項7記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段を放射光に対して反射率および透過率が非常
に低く、吸収率の高い材質によって形成しているため、
請求項4と同様な効果とともに、開口制限手段に入射し
た往路の回折光や、開口制限手段からの反射光がディテ
クタに入射するのを防止することができる。請求項8記
載の光ヘッド装置によれば、開口制限手段を前記放射光
源と、前記回折素子と、前記ディテクタとを一定の位置
関係に保つ支持手段の一部によって形成したため、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
項6または請求項7と同様な効果のほか、開口制限手段
の構成を簡単にすることができ、部品点数を削減でき
る。
【0048】請求項9記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1または請求項2の開口制限手段に代えて、前記回
折素子の2方向の回折光の一方の回折強度が大きく、か
つ他方の回折強度が小さくなるように、前記回折素子を
形成する格子の断面形状を非対称に形成したため、ディ
テクタに入射する往路の回折光の強度を小さくできると
ともに、ディテクタに入射する帰路の回折光の強度を大
きくできるので、信号強度が強くなりS/N比が向上す
る。
【0049】請求項10記載の光ヘッド装置によれば、
請求項9において放射光源から回折素子に入射すること
により生じた往路の回折光が、前記ディテクタに入射す
るのを遮蔽する開口制限手段を有するため、デイテクタ
に入射する往路の回折光をより確実に遮蔽できる。請求
項11記載の光ヘッド装置によれば、請求項1と同様な
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を説明する説明図
である。
【図2】往路の回折光の経路の説明図である。
【図3】開口制限手投の動作を説明する説明図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態を説明するホログ
ラム素子の要部構成図である。
【図5】この発明の第5の実施の形態を示す説明図であ
る。
【図6】この発明の第6の実施の形態の回折光を説明す
る説明図である。
【図7】この発明の第7の実施の形態を説明する説明図
である。
【図8】従来例の説明図である。
【図9】その要部構成図である。
【図10】ディテクタ上の光スポットを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 放射光源 2 放射光 3 集光光学系である対物レンズ 4 情報担体 5 回折素子であるホログラム素子 6 ディテクタ 7 開口制限手段 8 帰路の回折光
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光ヘッド装置および光ヘッド装置
における往路の回折光の遮光方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光情報装置にお
いて、情報の記録または再生を行う光ヘッド装置および
光ヘッド装置における往路の回折光の遮光方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ホログラム素子を用いて光ヘッド装置の
光学系を簡略化したものとして、最近では、図8に示す
ようなものがあった(たとえば特開昭62-97141号公
報)。図8において、50は放射光源である。この放射
光源50から出射したビームは回折素子であるホログラ
ム素子51を透過して集光光学系である対物レンズ52
に入射し、情報担体53上に集光される。情報担体53
上で反射した光はもとの光路を逆にたどってホログラム
素子51に入射する。ホログラム素子51は図9に示す
ように第1格子54と第2格子55に2分割されてい
て、それぞれ、同じピッチPを持つホログラム素子であ
る。この時、ホログラム素子51に入射したビームか
ら、それぞれ図9に示すディテクタ(光検出器)56〜
59の分割線60,61上に像形成する回折光が生じ
る。62,63は格子細条を示す。ディテクタ56〜5
9は回折光を複数の分割領域で分割して受光し、受光し
た光量を電気倍号に変換するものである。図10はディ
テクタ56〜59上での回折光64の光スポットを模式
的に示したもので、同図(b)はジャストフォーカス位
置の場合、同図(a)および同図(b)はジャストフォ
ーカス位置前後の場合を示す。従って、これらのディテ
クタ56〜59から得られるフオーカスエラー信号FE
は、ディテクタ56〜59で得られる出力をそれぞれS
56〜S59として、 FE=(S56+S59)−(S57+S58) ………(1) という演算によって得られる。
【0003】また、フォーカスサーボと、トラッキング
サーボが正常に動作しているとき、情報信号RFは RF=S56+S57+S58+S59 ………(2) という演算によって得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この光ヘッド
装置は、放射光源50から情報担体53までの光路(以
下往路と呼ぶ)においてもホログラム素子51によって
回折光が発生し、この往路の回折光も情報担体53で反
射してディテクタ56〜59上に戻ってくる。この往路
の回折光は、情報担体53上において往路の透過光と異
なる位置に照射されるため、前記(2)式によって得ら
れる情報信号RFに対して雑音を形成してしまうという
問題がある。
【0005】さらにまた、ホログラム素子51が回折光
64に対してレンズ作用を持つように設計されている場
合には、ディテクタ56〜59上では往路の−1次の回
折光と、情報担体53からディテクタ56〜59へ向か
う光路(以下帰路と呼ぶ)において発生する+1次の回
折光がディテクタ上において重なるために、この2つの
共役な回折光がデフォーカスに対して正反対の形状変化
をする。このため、フォーカスサーボ信号を劣化させて
しまうという問題もある。
【0006】これに対して、他の従来例2として例え
ば、特開平1−269246号には、ホログラム素子を
備えた光ピックアップ(光ヘッド)装置において、ホロ
グラム素子上に絞りを設け、迷光の発生を防止した光ピ
ックアップ装置が開示されている。この従来例では、光
源から出射した光ビームがホログラム素子に入射した時
に発生する往路の回折光が集光レンズ(対物レンズ)に
全く入射しないようにホログラム素子上に絞りを設けて
いるため、往路の回折光が受光素子(ディテクタ)に入
射することを防止することができる。
【0007】しかし、往路の回折光が集光レンズに全く
入射しないようにするためにはホログラム素子上に設け
る絞りの開口を小さくする必要がある。このため、集光
レンズがトラッキング追従のために移動したり、光ヘッ
ドの組立誤差によって集光レンズの光軸とホログラム素
子の中心がずれた場合などに、集光レンズの有効開口の
ホログラム素子上への投影開口が前記の絞りによって一
部遮られていまい、集光レンズ内に必要な光ビームが入
らないと言う課題がある。
【0008】また、別の従来例3として例えば、特開昭
62−145545号には、光源と集光レンズの間にブ
レーズ特性を有する回折格子を配し、情報担体からの戻
り光を上記回折格子により分割し、光検出器に導くピッ
クアップ装置が開示されている。この従来例では、回折
格子をブレーズ化し、一方向の回折光に光エネルギーを
すべて集中させることによって迷光が光検出器に入射す
ることを防いでいる。
【0009】しかし、一方向の回折光に光エネルギーを
全部集中させるため、0次回折光すなわち直進する透過
光のエネルギーもなくなってしまい、記録担体上に集光
スポットを形成できないという欠陥がある。したがっ
て、この発明の目的は、絞り開口を小さくすることな
く、ホログラム素子の往路の回折光がディテクタに入射
するのを防止することができる光ヘッド装置および光ヘ
ッド装置における往路の回折光の遮光方法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光ヘッド
装置は、放射光源と、この放射光源より出射する放射光
を情報担体に集光する集光光学系と、前記情報担体で反
射した光ビームを前記集光光学系を透して受けて復路の
回折光を発生する回折素子と、前記回折光を受光するデ
ィテクタとを備えた光ヘッド装置であって、前記放射光
源から出射した光ビームが前記集光光学系に達する前に
前記回折素子に入射した時にも往路の回折光が発生し、
前記往路の回折光の少なくとも一部は前記集光光学系に
入射して前記情報担体で反射され、前記往路の回折光が
前記情報媒体で反射した後に前記ディテクタに入射しな
いように遮光する開口制限手段を有することを特徴とす
るものである。
【0011】請求項1記載の光ヘッド装置によれば、放
射光源より放射した放射光が回折素子を透して集光光学
系により情報担体に集光され、情報担体の反射光が集光
光学系を透して回折素子に入射しその帰路の回折光をデ
ィテクタで検出する。この場合、回折素子に開口制限手
段を設けて、放射光源から出射した光ビームが集光光学
系に達する前に回折素子に入射した時にも発生する往路
の回折光の発生量を低減すると共に、往路の回折光の少
なくとも一部は集光光学系に入射し、情報担体で反射さ
れ、かつ、往路の回折光が情報媒体で反射した後にディ
テクタに入射しないように復路において開口制限手段に
よって遮光される。このように、往路の回折光が、全く
集光光学系に入らないところまで、開口制限によって遮
光するのではなく、往路の回折光の少なくとも一部は集
光光学系に入射する構成にすることにより、開口制限の
開口径を従来例より大きくすることができるので、集光
光学系がトラッキング追従のために移動したり、光ヘッ
ドの組立誤差によって集光光学系の光軸と回折素子の中
心がずれた場合などでも、集光光学系の有効開口の回折
素子上への投影開口が開口制限手段によって一部遮られ
ることはなく、集光光学系内に必要な光ビームが入る。
なおかつ、往路の回折光が情報媒体で反射した後にディ
テクタに入射しないように復路において開口制限手段に
よって遮光するので、不要な迷光がディテクタに入射す
ることを防ぐことができる。
【0012】請求項2記載の光ヘッド装置は、請求項1
において、放射光源と、ディテクタと回折素子を一個の
パッケージに一体化したものである。請求項2記載の光
ヘッド装置によれば、請求項1と同様な効果のほか、放
射光源とディテクタと回折素子を一体にパッケージ化す
ることにより光学系が熱的変化による膨張収縮変形に対
して安定な構成になる上に、パッケージ手段により開口
制限手段を兼ねることによって部品点数の増加を伴わず
に往路の不要な回折光がディテクタに入射することを防
ぐことができる。
【0013】請求項3記載の光ヘッド装置は、請求項1
または請求項2において、開口制限手段が円形であるも
のである。請求項3記載の光ヘッド装置によれば、請求
項1または請求項2と同様な効果がある。請求項4記載
の光ヘッド装置は、請求項1、請求項2または請求項3
において、回折素子がホログラム素子であり、前記開口
制眼手段は前記ホログラム素子と同一平面内にあるもの
である。
【0014】請求項4記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1、請求項2または請求項3と同様な効果のほか、
開口制限手段が回折素子であるホログラム素子と同一平
面内にあるため、往路の回折光を効果的に遮蔽すること
ができる。請求項5記載の光ヘッド装置は、請求項4に
おいて、開口制限手段が、前記ホログラム素子を形成す
る材料に貼付された不透明体であるものである。
【0015】請求項5記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段をホログラム素子を形成する材料に貼付され
た不透明体で形成したため、請求項4と同様なほか、開
口制限手段を容易に形成することができる。請求項6記
載の光ヘッド装置は、請求項4において、開口制限手段
が、前記ホログラム素子に蒸着された不透明物質である
ものである。
【0016】請求項6記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段をホログラム素子に蒸着された不透明物質に
より形成したため、請求項4と同様な効果があるほか、
開口制限手段とホログラム素子との相対位置精度を容易
に高めることができる。請求項7記載の光ヘッド装置
は、請求項4において、開口制限手段が、前記放射光に
対して反射率および透過率が非常に低く、吸収率の高い
材質によって形成されているものである。
【0017】請求項7記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段を放射光に対して反射率および透過率が非常
に低く、吸収率の高い材質によって形成しているため、
請求項4と同様な効果とともに、開口制限手段に入射し
た往路の回折光や、開口制限手段からの反射光がディテ
クタに入射するのを防止することができる。請求項8記
載の光ヘッド装置は、請求項1、請求項2、請求項3ま
たは請求項4において、前記開口制限手段が、前記放射
光源と、前記回折素子と、前記ディテクタとを一定の位
置関係に保つ支持手段の一部によって形成されているも
のである。
【0018】請求項8記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段を前記放射光源と、前記回折素子と、前記デ
ィテクタとを一定の位置関係に保つ支持手段の一部によ
って形成したため、請求項1、請求項2、請求項3また
は請求項4と同様な効果のほか、開口制限手段の構成を
簡単にすることができ、部品点数を削減できる。請求項
9記載の光ヘッド装置は、請求項l記載の光ヘッド装置
において、前記回折素子の2方向の回折光の一方の回折
強度が大きく、かつ他方の回折強度が小さくなるよう
に、前記回折素子を形成する格子の断面形状を非対称に
形成したものである。
【0019】請求項9記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1と同様な効果があるほか、前記回折素子の2方向
の回折光の一方の回折強度が大きく、かつ他方の回折強
度が小さくなるように、前記回折素子を形成する格子の
断面形状を非対称に形成したため、ディテクタに入射す
る往路の回折光の強度を小さくできるとともに、ディテ
クタに入射する帰路の回折光の強度を大きくできるの
で、信号強度が強くなりS/N比が向上する。また、開
口制限手段を用いることによって、往路に不要な回折光
が発生してもこの開口制限手段で遮光し、ディテクタに
不要な回折光が入射することを防ぐことができる。ま
た、一方向の回折光にすべてのエネルギーを集中させる
必要がないので、ブレーズ化することによって0次回折
光と信号検出用の回折光成分の積を大きく設計すること
も可能であり、これにより光の利用効率を向上させ、信
号成分の対雑音比を大きくでき、信号品質の向上、ひい
ては安定な信号再生を行うことができる。
【0020】請求項10記載の光ヘッド装置は、請求項
1において、回折素子の回折角を大きく設定したもので
ある。請求項10記載の光ヘッド装置によれば、請求項
1と同様な効果のほか、回折素子の回折角を大きくする
ことにより、往路に発生する回折光が集光光学系に入射
する量を減らして開口制御手段の開口を大きくすること
が可能である。
【0021】請求項11記載の光ヘッド装置における往
路の回折光の遮光方法は、放射光源と、この放射光源よ
り出射する放射光を情報担体に集光する集光光学系と、
前記情報担体で反射した光ビームを前記集光光学系を透
して受けて復路の回折光を発生する回折素子と、前記回
折光を受光するディテクタとを備えた光ヘッド装置にお
ける往路の回折光の遮光方法であって、前記回折素子の
近傍に開口制限手段を設けて、前記放射光源から出射し
た光ビームが前記集光光学系に達する前に前記回折素子
に入射した時にも発生する往路の回折光の発生量を抑圧
すると共に、前記往路の回折光の少なくとも一部は前記
集光光学系に入射し、前記情報担体で反射され、前記往
路の回折光が前記情報媒体で反射した後に前記ディテク
タに入射しないように前記開口制限手段によって遮光す
ることを特徴とするものである。
【0022】請求項11記載の光ヘッド装置における往
路の回折光の遮光方法によれば、請求項1と同様な効果
がある。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図
1に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態を原理
的に説明するための図である。放射光源1は通常半導体
レーザーである。放射光源1を出射した放射光2は、回
折素子であるホログラム素子5や開口制限手段7を透過
後、集光光学系である対物レンズ3によって情報担体4
の情報記録面上に集光される。情報担体4の情報記録面
上で反射した放射光2は再び対物レンズ3を透過し、ホ
ログラム素子5に入射する。ホログラム素子5で回折し
た回折光のうち、+1次の回折光8は、ディテクタ6に
入射する。
【0024】前記開口制限手段7の必要性を、図2にお
いて説明する。前述したように放射光源1から出射した
放射光2は、放射光源1から情報担体4へ向かう往路に
おいてもホログラム素子5を通過する。このときも回折
が起こるため、図2に示すように、往路の−1次の回折
光9が発生する。例えば、放射光源1から、ホログラム
素子5の図2点aの付近へ入射する光線から回折した往
路の−1次の回折光9は、図2において矢印で示すよう
に対物レンズ3へ入射し、情報担体4で反射して再びホ
ログラム素子5の点bへ戻ってくる。そしてホログラム
素子5を透過してディテクタ6の点cに入射する。
【0025】なお、この実施の形態のディテクタ6はホ
ログラム素子5を回析する帰路の回折光の+1次の回析
光を検出しているため、往路の+1次の回折光は情報担
体4を反射した後、放射光源1に対してディテクタ6と
反対側に進むためディテクタ6に入射しない。このよう
に、往路の−1次の回折光9も、ディテクタ6に入射す
るわけであるが、情報担体4上での集光点が図1に示す
往路の透過光の集光点とは異なっている。従って、前記
(2)式のようにして情報信号RFを得ようとした場合
に、往路の−1次の回折光9は雑音を発生させることに
なる。
【0026】また、例えばフォーカスサーボ信号方式と
して非点収差法を用いる場合のように、ホログラム素子
5がレンズ作用を持つように設計されている場合には、
往路の−1次の回折光9は帰路の+1次の回折光8の共
役波となるため、フォーカスサーボ信号を劣化させてし
まう。さらに、往路の−1次の回折光9の一部は対物レ
ンズ3の開口制限を受けて遮断されてしまうので、残り
の光量だけがディテクタ6に入射して、サーボ信号や情
報信号にオフセットを生じさせる。
【0027】したがって、往路の−1次の回折光9がデ
ィテクタ6に入射することを避けなければならない。そ
こで、開口制搬手段7を用いることによって往路の−1
次の回折光9がディテクタ6に入射することを防げられ
ることを、図3を用いて説明する。まず、図3のホログ
ラム素子5の点Aに向かって放射光源1から出射した放
射光は開口制限手段7があるために遮断されてしまう。
従って往路の−1次の回折光9は対物レンズ3に到達し
ない。次にホログラム素子5の点Bに向かって放射光源
1から出射した放射光からは図3に示すように、往路の
−1次の回折光9が対物レンズ3を透過するが、情報担
体4で反射した後、開口制御手段7の点Cにおいて遮断
される。従ってディテクタ6に入射することはない。
【0028】このように、開口制限手段7を用いること
により往路の−1次の回折光9の発生量を減少させると
共に、発生した往路の−1次の回折光9を帰路において
遮断することができる。もちろん、帰路の回折光を得る
ための往路の透過光は、対物レンズ3の全有効面積に入
射しなければ実質的に対物レンズ3のN.A.(開口
数)が小さくなってしまうので、放射光源1に対する対
物レンズ3のN.A.よりも、開口制限手段7の放射光
源1に対するN.A.は大きくなければならない。ま
た、この条件を常に満たすためには、組立誤差やトラッ
ク追従による対物レンズ3の動きも考慮して、開口制限
手段7の開口は大きめにするのが望ましい。特にトラッ
ク追従によって対物レンズ3の動く方向の開口径を大き
くすることが望ましい。
【0029】また図3に示すように、往路の−1次の回
折光9は情報担体4で反射して対物レンズ3を透過した
後、ディテクタ6の方向に行くため、開口制限手段7
は、放射光源1に近付けた方が良いことがわかる。但
し、開口制限手段7をホログラム素子5よりも放射光源
1の側に置くと、帰路の+1次の回折光8も遮断されて
しまう。よって開口制限手段7はホログラム素子5の近
傍に置けばよい。このようにすると、効果的に往路の回
折光9を遮蔽することができる。
【0030】このように、往路の回折光が、全く集光光
学系である対物レンズ3に入らないところまで、開口制
限によって遮光するのではなく、このように往路の回折
光の少なくとも一部は集光光学系に入射する構成にする
ことにより、開口制限の開口径を上記の従来例2(特開
平1−269246号)より大きくできるので、対物レ
ンズ3がトラッキング追従のために移動したり、光ヘッ
ドの組立誤差によって対物レンズ3の光軸とホログラム
素子5の中心がずれた場合などでも、対物レンズ3の有
効開口のホログラム素子5上への投影開口が例えば絞り
を用いた開口制御手段7によって一部遮られることはな
く、対物レンズ3内に必要な光ビームが入る。
【0031】この点について、図3により具体的に説明
する。図3において、dは光源1の発光点とディテクタ
6上の回折光の距離、hはホログラム素子5と光源1の
距離、fcは対物レンズ3と光源1の距離、f0 は対物
レンズ3と情報担体4の距離(焦点距離)、Rはレンズ
有効半径、r0 はレンズ有効半径Rのホログラム素子5
上への投影、r1 はこの実施の形態による開口制限の半
径、r2 は従来例による開口制限の半径(中心からB点
まで)、Lcはレンズ中心である。
【0032】r0 =R(h/fc)、 r1 =d(fc−h)/fc、 またr2 に関して、(R+d)/fc=(R+r2 )/
(fc−h) したがって、r2 ={(fc−h)/fc}(R+d)
−R である。
【0033】設計例としては、fc=20mm、f0
3.3mm、R=1.5mm、d=0.6mmにおい
て、h=3mmとするとき、r0 =0.225mm、r
1 =0.51mm、r2 =0.285mmとなる。また
第2の設計例としては、h=4mmとするとき、r0
0.3mm、r1=0.48mm、r2 =0.18mm
となる。
【0034】h=3mmでは、この実施の形態の開口制
限(r1 )は最小有効径(r0 )の倍以上あり十分な余
裕があるので、レンズシフトと組立誤差(50〜100
μm必要)を許容できるが、従来例2(r2 )ではr0
に対して60μm大きいだけなのでレンズシフトと組立
誤差(50〜100μm必要)を許容できない。またh
=4mmでは、この実施の形態では180μmの十分な
余裕があるが、従来例2ではr2 <r0 となり、設計解
がでない。
【0035】ホログラム素子5と光源1の距離hを小さ
くすると、r0 が小さくなりそれだけホログラム素子5
の組立許容誤差が小さくなるが、従来例2では前記した
ようにh=3mmまで小さくてもなお60μmの余裕し
かない。一方、この実施の形態ではh=3mmではもち
ろん、h=4mmでも、組立誤差およびレンズシフトを
許容することができる。
【0036】また、この実施の形態は、光ヘッド装置に
おける往路の回折光の遮光方法も提供し、前記と同様な
作用効果を得ている。すなわち、この遮光方法は、放射
光源1と、この放射光源1より出射する放射光を情報担
体4に集光する集光光学系である対物レンズ3と、情報
担体4で反射した光ビームを対物レンズ3を透して受け
て復路の回折光を発生する回折素子であるホログラム素
子5と、回折光を受光するディテクタ6とを備えた光ヘ
ッド装置における往路の回折光の遮光方法であって、ホ
ログラム素子5の例えば近傍に開口制限手段7を設け
て、放射光源1から出射した光ビームが対物レンズ3に
達する前にホログラム素子5に入射した時にも発生する
往路の回折光の発生量を抑圧すると共に、往路の回折光
の少なくとも一部は対物レンズ3に入射し、情報担体4
で反射され、往路の回折光が情報媒体4で反射した後に
ディテクタ5に入射しないように開口制限手段7によっ
て遮光するものである。
【0037】この発明の第2の実施の形態を図4により
説明する。すなわち、この光ヘッド装置は、開口制限手
段7をホログラム素子5と同一平面に配置したものであ
る。特にガラス板のようなホログラム素子形成材料10
の片面にレリーフ形状を作るなどして複素屈折率変化部
11を作るような場合、複素屈折率変化部11と同じ面
に開口制限手段7を設ける。
【0038】また開口制限手段7は薄いアルミニウム板
のような不透明体を貼付している。これにより開口制限
手段7を容易に形成することができる。この発明の第3
の実施の形態は、第2の実施の形態においてCr膜など
の不透明物質を蒸暑して開口制限手段7を形成するもの
である。この実施の形態によれば、リソグラフイの手法
を用いることができるため、開口制限手段7とホログラ
ム素子5との相対位置精度を容易に高めることができ
る。
【0039】この発明の第4の実施の形態を図3により
説明する。すなわち、この光ヘッド装置の開口制限手段
7は、放射光源1に対して反射率および透過率が非常に
低く、吸収率の高い材質によって形成されているもので
ある。放射光源1から出射して点Aなどの開口制限手段
7に向かった放射光は、開口制限手段7で反射するとデ
ィテクタ6に入射して、本来の信号に対して雑音やオフ
セットの原因となることがある。このような場合、開口
制限手段7を黒色アルマイト加工したり、炭素の蒸着に
よって形成するなどして、吸収率を高くすることによ
り、ディテクタ6に反射光が入射するのを防止すること
ができる。
【0040】この発明の第5の実施の形態を図5に示
す。すなわち、この光ヘッド装置は、放射光源1と、回
折素子である示ログラム素子5と、ディテクタ6とを一
定の位置関係に保つ支持手段12の一部によって開口制
限手段7を形成している。実施の形態では支持手段12
は光源1およびホログラム素子5を収納するパッケージ
を実施の形態とし、その開口を開口制限手段7に兼用し
ている。13は放射光源1およぴディテクタ6を取付け
るマウント、14は外部接続端子である。
【0041】ホログラム素子5はディテクタ6や放射光
源1と一定の位置関係を保つように支持しなければなら
ないが、この実施の形態によれば、前記支持手段12の
一部を開口制限手段7に兼用しているため、構成が簡単
になり、部品点数を削減できる。この発明の第6の実施
の形態を図6により説明する。すなわち、この光ヘッド
装置は、回折素子であるホログラム素子5を形成する格
子がブレーズ化、すなわち回折素子の2方向の回折光の
一方の回折強度が大きく、かつ他方の回折強度が小さく
なるように、前記回折素子を形成する格子の断面形状を
非対称に形成したものである。実施の形態では、ホログ
ラム素子5の断面形状を左右で非対称にして、−1次の
回折光の回折効率に対して、+1次の回折光の回折効率
を高くしている。
【0042】この実施の形態によれば、同図(a)の帰
路においては+1次の回折光8が強くなるので信号強度
が強くなってS/N比が向上する.また同図(b)の往
路においては−1次の回折光9が弱くなるため、ディテ
クタ6で信号として検出するのを防止することが可能に
なるという効果がある。この図において、15は往路の
ホログラム素子5に入射する入射光、16はその透過
光、17は同じく+1次の回折光、18は帰路の入射
光、19はその透過光、20は同じく−1次の回折光で
ある。
【0043】また、この実施の形態において、図1に示
す開口制限手段7を設けると、より確実に往路の回折光
がディテクタ6に入射するのを防止することができる。
この発明の第7の実施の形態を図7により説明する。す
なわち、この光ヘッド装置は、放射光源1から回折素子
であるホログラム素子5に入射することにより生じた往
路の回折光が、集光光学系である対物レンズ3に入射し
ないようにホログラム素子5の回折角を大きく設定した
ものである。
【0044】実施の形態では、対物レンズ3の任意の点
とホログラム素子5の任意の点を結ぶ直線がディテクタ
6を含む面と交わって得られる点の集合として得られる
領域外に、+1次の回折光8等のすべての回折光がある
ようにホログラム素子5を設計している。このように、
回折角を大きく設計すると、往路の−1次の回折光9は
対物レンズ3に入射しないため、ディテクタ6にも入射
しない。一方、このようにホログラム素子5を設計すれ
ば、ディテクタ6と放射光源1の距離が長くなったりす
るが、ことさら開口制限手段7を設けなくても往路の回
折光9がディテクタ6に入射することを防ぐことができ
る利点がある。
【0045】なお、以上の実施の形態から、開口制限手
段が円形である場合が把握される。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の光ヘッド装置によれば、
放射光源より放射した放射光が回折素子を透して集光光
学系により情報担体に集光され、情報担体の反射光が集
光光学系を透して回折素子に入射しその帰路の回折光を
ディテクタで検出する。この場合、回折素子に開口制限
手段を設けて、放射光源から出射した光ビームが集光光
学系に達する前に回折素子に入射した時にも発生する往
路の回折光の発生量を低減すると共に、往路の回折光の
少なくとも一部は集光光学系に入射し、情報担体で反射
され、かつ、往路の回折光が情報媒体で反射した後にデ
ィテクタに入射しないように復路において開口制限手段
によって遮光される。このように、往路の回折光が、全
く集光光学系に入らないところまで、開口制限によって
遮光するのではなく、往路の回折光の少なくとも一部は
集光光学系に入射する構成にすることにより、開口制限
の開口径を従来例より大きくすることができるので、集
光光学系がトラッキング追従のために移動したり、光ヘ
ッドの組立誤差によって集光光学系の光軸と回折素子の
中心がずれた場合などでも、集光光学系の有効開口の回
折素子上への投影開口が開口制限手段によって一部遮ら
れることはなく、集光光学系内に必要な光ビームが入
る。なおかつ、往路の回折光が情報媒体で反射した後に
ディテクタに入射しないように復路において開口制限手
段によって遮光するので、不要な迷光がディテクタに入
射することを防ぐことができる。
【0047】請求項2記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1と同様な効果のほか、放射光源とディテクタと回
折素子を一体にパッケージ化することにより光学系が熱
的変化による膨張収縮変形に対して安定な構成になる上
に、パッケージ手段により開口制限手段を兼ねることに
よって部品点数の増加を伴わずに往路の不要な回折光が
ディテクタに入射することを防ぐことができる。
【0048】請求項3記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1または請求項2と同様な効果がある。請求項4記
載の光ヘッド装置によれば、請求項1、請求項2または
請求項3と同様な効果のほか、開口制限手段が回折素子
であるホログラム素子と同一平面内にあるため、往路の
回折光を効果的に遮蔽することができる。
【0049】請求項5記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段をホログラム素子を形成する材料に貼付され
た不透明体で形成したため、請求項4と同様なほか、開
口制限手段を容易に形成することができる。請求項6記
載の光ヘッド装置によれば、開口制限手段をホログラム
素子に蒸着された不透明物質により形成したため、請求
項4と同様な効果があるほか、開口制限手段とホログラ
ム素子との相対位置精度を容易に高めることができる。
【0050】請求項7記載の光ヘッド装置によれば、開
口制限手段を放射光に対して反射率および透過率が非常
に低く、吸収率の高い材質によって形成しているため、
請求項4と同様な効果とともに、開口制限手段に入射し
た往路の回折光や、開口制限手段からの反射光がディテ
クタに入射するのを防止することができる。請求項8記
載の光ヘッド装置によれば、開口制限手段を前記放射光
源と、前記回折素子と、前記ディテクタとを一定の位置
関係に保つ支持手段の一部によって形成したため、請求
項1、請求項2、請求項3または請求項4と同様な効果
のほか、開口制限手段の構成を簡単にすることができ、
部品点数を削減できる。
【0051】請求項9記載の光ヘッド装置によれば、請
求項1と同様な効果があるほか、前記回折素子の2方向
の回折光の一方の回折強度が大きく、かつ他方の回折強
度が小さくなるように、前記回折素子を形成する格子の
断面形状を非対称に形成したため、ディテクタに入射す
る往路の回折光の強度を小さくできるとともに、ディテ
クタに入射する帰路の回折光の強度を大きくできるの
で、信号強度が強くなりS/N比が向上する。また、開
口制限手段を用いることによって、往路に不要な回折光
が発生してもこの開口制限手段で遮光し、ディテクタに
不要な回折光が入射することを防ぐことができる。ま
た、一方向の回折光にすべてのエネルギーを集中させる
必要がないので、ブレーズ化することによって0次回折
光と信号検出用の回折光成分の積を大きく設計すること
も可能であり、これにより光の利用効率を向上させ、信
号成分の対雑音比を大きくでき、信号品質の向上、ひい
ては安定な信号再生を行うことができる。
【0052】請求項10記載の光ヘッド装置によれば、
請求項1と同様な効果のほか、回折素子の回折角を大き
くすることにより、往路に発生する回折光が集光光学系
に入射する量を減らして開口制御手段の開口を大きくす
ることが可能である。請求項11記載の光ヘッド装置に
おける往路の回折光の遮光方法によれば、請求項1と同
様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を説明する説明図
である。
【図2】往路の回折光の経路の説明図である。
【図3】開口制限手投の動作を説明する説明図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態を説明するホログ
ラム素子の要部構成図である。
【図5】この発明の第5の実施の形態を示す説明図であ
る。
【図6】この発明の第6の実施の形態の回折光を説明す
る説明図である。
【図7】この発明の第7の実施の形態の回折光を説明す
る説明図である。
【図8】従来例の説明図である。
【図9】その要部構成図である。
【図10】ディテクタ上の光スポットを示す説明図であ
る。
【符号の説明】 1 放射光源 2 放射光 3 集光光学系である対物レンズ 4 情報担体 5 回折素子であるホログラム素子 6 ディテクタ 7 開口制限手段 8 帰路の回折光 12 支持手段 13 マウント

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射光源と、この放射光源より出射する
    放射光を情報担体に集光する集光光学系と、前記情報担
    体で反射したビームを前記集光光学系を透して受けて回
    折光を発生する回折素子と、前記回折光を受光するディ
    テクタとを備えた光ヘッド装置であって、前記光ビーム
    が前記情報担体で反射され後、前記回折素子に入射する
    ことにより生じる帰路の回折光を制限する開口制限手段
    を有することを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 放射光源と、この放射光源により出射す
    る放射光を情報担体に集光する集光光学系と、前記情報
    担体で反射したビームを前記集光光学系を透して受けて
    回折光を発生する回折素子と、前記回折光を受光するデ
    ィテクタとを備えた光ヘッド装置であって、前記光ビー
    ムの内、ある開口範囲内の光ビームを前記ディテクタで
    受光して情報信号を検出するための開口制御手段を有す
    ることを特徴とする光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 開口制限手段が円形である請求項1また
    は請求項2記載の光ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 回折素子はホログラム素子であり、前記
    開口制眼手段は前記ホログラム素子と同一平面内にある
    請求項1、請求項2または請求項3記載の光ヘッド装
    置。
  5. 【請求項5】 開口制限手段は、前記ホログラム素子を
    形成する材料に貼付された不透明体である請求項4記載
    の光ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 開口制限手段は、前記ホログラム素子に
    蒸着された不透明物質である請求項4記載の光ヘッド装
    置。
  7. 【請求項7】 開口制限手段は、前記放射光に対して反
    射率および透過率が非常に低く、吸収率の高い材質によ
    って形成されている請求項4記載の光ヘッド装置。
  8. 【請求項8】 開口制限手段は、前記放射光源と、前記
    回折素子と、前記ディテクタとを一定の位置関係に保つ
    支持手段の一部によって形成されている請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または
    請求項7記載の光ヘッド装置。
  9. 【請求項9】 請求項lまたは請求項2記載の光ヘッド
    装置において、前記回折素子の2方向の回折光の一方の
    回折強度が大きく、かつ他方の回折強度が小さくなるよ
    うに、前記回折素子を形成する格子の断面形状を非対称
    に形成した光ヘッド装置。
  10. 【請求項10】 前記放射光源から前記回折素子に入射
    することにより生じた往路の回折光が、前記情報担体を
    反射して前記ディテクタに入射するのを遮蔽する開口制
    限手段を有する請求項9記載の光ヘッド装置。
  11. 【請求項11】 放射光源と、この放射光源により出射
    する放射光を情報担体に集光する集光光学系と、前記情
    報担体で反射した光ビームを前記集光光学系を透して受
    光するディテクタとを備えた光ヘッド装置であって、前
    記光ビームの内、ある開口範囲内の光ビームを前記ディ
    テクタで受光して情報信号を検出するための開口制御手
    段を有することを特徴とする光ヘッド装置。
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US7792005B2 (en) 2006-05-26 2010-09-07 Sharp Kabushiki Kaisha Optical pickup apparatus

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