JPH10207351A - ナビゲーションシステム及びそれに用いるナビゲーションプログラムを記憶した媒体 - Google Patents

ナビゲーションシステム及びそれに用いるナビゲーションプログラムを記憶した媒体

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JPH10207351A
JPH10207351A JP775297A JP775297A JPH10207351A JP H10207351 A JPH10207351 A JP H10207351A JP 775297 A JP775297 A JP 775297A JP 775297 A JP775297 A JP 775297A JP H10207351 A JPH10207351 A JP H10207351A
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眞幸 渡部
Masayuki Takada
雅行 高田
Toshiaki Takahashi
利彰 高橋
Ken Oizumi
大泉  謙
Norimasa Kishi
則政 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路地図を立体鳥瞰図表示して、リアリティ
を向上させる。 【解決手段】 地形データから表示対象領域の適宜密度
のサンプリング点それぞれの3次元データを読み出して
透視投影変換処理によって立体鳥瞰図にして表示装置に
表示し、また道路、地名等の地図要素も立体地形図上に
表示するようにして、道路地図を立体鳥瞰図表示して、
リアリティを向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車載用または携帯用
のナビゲーションシステム及びそれに用いるナビゲーシ
ョンプログラムを記憶した媒体に関し、特に地形情報と
地図情報を立体鳥瞰図表示するナビゲーションシステム
及びそれに用いるナビゲーションプログラムを記憶した
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車載用または携帯用のナビゲーシ
ョンシステムとして、本願出願人の出願にかかる発明を
記載した特開平7−220055号公報に記載されたも
のが知られている。この従来のナビゲーションシステム
は、GPS(Grobal Posistiong S
ystem)や自立航法システムによって利用者の現在
位置を検出してその検出現在位置を指定し、あるいはキ
ーボードやリモコン操作器を用いて特定の位置を指定し
て表示基準点に決め、この表示基準点と進行方向に基づ
いて視点座標、視線方向を算定し、外部記憶装置に登録
されている地図データに透視投影変換を施して図28に
示すような鳥瞰図にしてディスプレイに表示するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のナビ
ゲーションシステムでは、使用者の現在位置等のある定
められた表示基準点に近い領域は詳細な(縮尺が大き
い)地図情報を表示し、表示基準点から遠くなるにした
がって表示領域が広がる(縮尺が小さい)地図情報を表
示し、遠方までの道路状況を直感的に把握することがで
きる利点がある。
【0004】しかしながら、このような従来の経路誘導
では、利用する地図データが原則として2次元座標系で
記述されたものであり、地図の背景となる地面について
は単に平坦面と見なして表示していたために、実際の地
面は起伏に富んだ地形の場所を表示する場合にも平坦面
として表示されてしまい、特に使用者の現在位置を表示
基準点として表示するときに周囲の現実の景観と符合せ
ず、現在位置を地図上で確認したり周囲環境との関連を
把握したりする上で違和感があるという問題点があっ
た。
【0005】地形を3次元モデル化して表示するアプリ
ケーションソフトウェアとして、各種シミュレーション
ソフトやゲームソフトが存在するが、経路誘導に必要な
道路情報や地名等の情報を表示することはない、表示さ
れる地形領域が限定された範囲である、あるいは現実の
地形とは無関係な架空世界を表示しているにすぎない等
の理由によりナビゲーションシステムに利用することが
できるものではない。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、現実の地形に基づいた標高値データを
用いて立体的に地形を表示し、さらに道路や地名等の地
図表示要素をその地形上に配して立体地図を作成して表
示することにより、現実の地勢によく近似した立体道路
地図表示ができるナビゲーションシステム及びそれに用
いるナビゲーションプログラムを記憶した媒体を提供す
ることを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、表示基準点の標高値
に対して所定の高さを加えた高さ位置に視点を設定する
ことにより、表示規準点の標高値が高低変化してもその
標高値に対して所定の相対高度を有する視点から見た地
形状態を表示することができるナビゲーションシステム
及びそれに用いるナビゲーションプログラムを記憶した
媒体を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、近くの高い山
等に隠れて見えないそれよりも遠方の道路の様子を他と
区別できる態様で表示することによって使用者にその様
子を理解しやすくしたナビゲーションシステム及びそれ
に用いるナビゲーションプログラムを記憶した媒体を提
供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、近くの高い山
等に隠れて見えないそれよりも遠方の地点を表示する文
字列について、近くの高い山等によって隠されているよ
うに見せることにより、立体鳥瞰図表示の現実感をより
高めることができるナビゲーションシステム及びそれに
用いるナビゲーションプログラムを記憶した媒体を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のナビゲ
ーションシステムは、地形平面座標に対して標高値を与
えることのできる地形形状データを記憶する地形データ
記憶手段と、道路、地名等の地図上に表示する地図表示
要素の位置情報及び付帯情報を記憶する地図データ記憶
手段と、表示される地図の位置、方向を決定するための
表示基準点位置座標及び視線方向角を入力する表示基準
点等入力手段と、前記表示基準点等入力手段から入力さ
れた表示基準点位置座標及び視線方向角にしたがって画
面上に表示される地図上の対象領域(表示対象領域)を
決定する表示対象領域決定手段と、前記表示対象領域決
定手段によって決定された表示対象領域に相当する地形
形状データを前記地形データ記憶手段から読込み、この
地形形状データを用いて地形の形状モデル化を行う地形
形状モデリング手段と、前記表示基準点等入力手段から
入力された表示基準点位置座標と前記地形形状モデリン
グ手段によって得られた地形形状モデルとから前記表示
基準点の標高値を決定する表示基準点標高決定手段と、
前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
置座標及び視線方向角と、前記表示基準点標高決定手段
によって決定された表示基準点標高値とから透視投影変
換の視点座標を決定する視点座標決定手段と、前記地図
データ記憶手段から前記表示対象領域に相当する地図表
示要素を読込み、必要に応じて前記地形形状モデリング
手段によって得られた地形形状モデルに基づいて各地図
表示要素の標高値を決定し、表示用図形データを作成す
る地図要素標高決定手段と、前記視点座標決定手段によ
って決定された視点座標と前記表示基準点等入力手段か
ら入力された視線方向角とに基づいて前記地形形状モデ
ルと前記標高値の決定された地図表示要素とを透視投影
変換する座標変換手段と、前記座標変換手段によって透
視投影変換されたデータから立体地図が像を生成する描
画処理手段と、前記立体地図画像を表示する画像表示手
段とを備えたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1のナビゲーシ
ョンシステムにおいて、前記描画処理手段が、前記座標
変換手段によって透視投影変換されたデータを隠面消去
を実行しながら描画し、立体地図画像を出力するもので
ある。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、
誘導経路を通常の道路と異なった描画色若しくは線種に
よって描画するものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1〜3のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記地形形状モデリング手
段が、前記表示対象領域決定手段が決定した表示対象領
域内に所定密度のサンプリング点群を設定し、各サンプ
リング点の平面座標(x,y)に対して相当する標高値
zを前記地形データ記憶手段より読込んで3次元サンプ
リング点(x,y,z)群を生成し、この3次元サンプ
リング点群を所定のルールにしたがって稜線で接続する
ことによって開いた多面体形状の地形形状モデルを作成
するものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項4のナビゲーシ
ョンシステムにおいて、前記地形形状モデリング手段
が、前記表示対象領域のうちの視点座標から近い部分領
域においては分布密度の高いサンプリング点群を設定
し、前記視点座標から遠い部分領域においては分布密度
の低いサンプリング点群を設定するものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項1〜5のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記視点座標決定手段が、
前記表示基準点標高決定手段が決定した表示基準点標高
値にしたがって前記視点座標の標高座標値を変化させる
ものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項6のナビゲーシ
ョンシステムにおいて、前記視点座標決定手段が、前記
表示基準点標高決定手段が決定した表示基準点標高値に
対して一定のオフセットを加えて前記視点座標の標高値
を決定するものである。
【0017】請求項8の発明は、請求項1〜7のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定手段
が、前記地図データ記憶手段に記憶されている地図デー
タが道路と地名を含む地図表示要素の標高を除く位置情
報を2次元座標の形で記憶するものである場合、前記地
図表示要素の有する2次元位置座標に対して、地形形状
モデリング手段により形状モデル化された地形形状モデ
ルを参照して対応する2次元位置座標の標高値を読出
し、この標高値を含めた3次元座標で表現される地図表
示要素の表示用図形データを作成するものである。
【0018】請求項9の発明は、請求項8のナビゲーシ
ョンシステムにおいて、前記地図データ記憶手段に記憶
されている地図データが、少なくとも道路線素を構成す
る点群の2次元座標で記述された位置情報と、相当する
道路線素が高架またはトンネルであるか否かを示す道路
種別情報とを有し、前記地図要素標高決定手段が、前記
道路線素構成点の2次元位置情報と前記地形形状モデル
とに基づいて当該構成点の標高値を決定する際に、当該
構成点が高架またはトンネルである一連の道路線素群の
内部構成点である場合には、当該地形形状モデルに基づ
かずに、高架またはトンネルである一連の道路線素群の
両端点を示す2つの構成点のすでに算出された標高値か
ら当該内部構成点の標高値を算出するものである。
【0019】請求項10の発明は、請求項8または9の
ナビゲーションシステムにおいて、前記地図データ記憶
手段に記憶されている地図データが、少なくとも道路線
素を構成する点群の2次元座標で記述された位置情報
と、相当する道路線素が高架またはトンネルであるか否
かを示す道路種別情報とを有し、前記地図要素標高決定
手段が、前記道路線素構成点の位置情報と前記地形形状
データの標高値とに基づいて当該構成点の標高値を算出
する際に、当該構成点に相当する道路線素が高架または
トンネルでなく、かつ当該構成点の密度が前記地形形状
モデリング手段が設定したサンプリング点群の密度より
も小さい場合に、前記道路線素に対してこれを内分する
点を新たな構成点として付加し、この付加した構成点に
対して、前記地形形状モデリング手段による地形形状モ
デルを参照して標高値を算出するものである。
【0020】請求項11の発明は、請求項1〜10のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定
手段が、道路、鉄道、水系及び施設の表示用図形データ
を作成する際に、外部から与えられ、若しくは自ら決定
する本来の標高値に対して、あらかじめ定められたオフ
セット値を加えたものを当該道路、鉄道、水系及び施設
の高さ方向の座標値として決定し、表示用図形データを
作成するものである。
【0021】請求項12の発明は、請求項11のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定手段
が、前記道路、鉄道、水系及び施設の本来の標高値に対
して加えるオフセット値として、前記道路及び鉄道に用
いるオフセット値を前記水系及び施設に用いるオフセッ
ト値よりも大きい値とするものである。
【0022】請求項13の発明は、請求項1〜12のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定
手段が、前記オフセット値として、前記誘導経路に用い
るオフセット値を前記道路及び鉄道に用いるオフセット
値よりも大きい値とするものである。
【0023】請求項14の発明は、請求項1〜13のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定
手段が、車両現在位置を示す図形データの標高値を決定
する際に、前記地形形状モデリング手段による地形形状
モデルに基づいて決定した標高値に対して、あらかじめ
定められたオフセット値を加えたものを当該車両現在位
置の高さ方向の座標値として決定し、前記図形データを
作成するものである。
【0024】請求項15の発明は、請求項14のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定手段
が、前記車両現在位置を示す図形データの標高値に対し
て加えるオフセット値として、前記道路及び鉄道に対し
て用いるオフセット値よりも大きい値を用いるものであ
る。
【0025】請求項16の発明は、請求項1〜15のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定
手段が、地名の表示位置を示す点の表示用図形データを
作成する際に、外部から与えられ、若しくは自ら決定す
る本来の標高値に対して、前記道路に対して定められた
オフセット値よりも大きいオフセット値を加えたものを
当該地名の表示位置を示す点の高さ方向の座標値として
決定し、表示用図形データを作成するものである。
【0026】請求項17の発明は、請求項1〜16のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高決定
手段が、地名の表示位置を示す点の表示用図形データを
作成する際に、外部から与えられ、若しくは自ら決定す
る本来の標高値に対して、当該表示位置に表示される文
字列のいずれの文字も当該文字の表示位置における地形
形状に隠されることがない値だけのオフセット値を加え
たものを当該地名の表示位置を示す点の高さ方向の座標
値として決定し、表示用図形データを作成するものであ
る。
【0027】請求項18の発明は、請求項1〜17のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、
前記座標変換手段による透視投影変換の結果、地形形状
と地図表示要素を含む各描画要素のうち複数の描画要素
が前記視点から発する同一直線上に重なり部分を持つ場
合、当該視点からより遠くに存在する描画要素を表示す
る際に前記重なり部分を除いた部分のみを前記画像表示
手段に表示させるものである。
【0028】請求項19の発明は、請求項1〜17のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、
前記座標変換手段による透視投影変換の結果、地形形状
と地図表示要素を含む各描画要素のうち複数の描画要素
が前記視点から発する同一直線上に重なり部分を持つ場
合、当該視点からより遠くに存在する描画要素を表示す
る際に前記重なり部分を前記画像表示手段に他の部分と
異なる色で表示させるものである。
【0029】請求項20の発明は、請求項19のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記異なる色として、前記
描画要素の重なり部分以外の部分を表示する色と当該描
画要素と重なり部分を持つ他の描画要素を表示する色と
を定められた比率に基づいて混合した色を用いるもので
ある。
【0030】請求項21の発明は、請求項1〜17のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、
前記座標変換手段による透視投影変換の結果、地形形状
と地図表示要素を含む各描画要素のうち複数の描画要素
が前記視点から発する同一直線上に重なり部分を持つ場
合、前記視点からより遠くに存在する描画要素が線図形
であるときに当該重なり部分を前記画像表示手段に破線
で表示させるものである。
【0031】請求項22の発明は、請求項1〜21のナ
ビゲーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、
地形形状を示す前記多面体形状を描画する際に、標高に
応じて変化する描画色を用いて当該多面体形状の各面を
描画するものである。
【0032】請求項23の発明は、請求項22のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記描画処理手段が、地形
形状を示す前記多面体形状を描画する際に、前記各面を
標高に応じた描画色によって描画すると共に、前記頂点
間各々を接続する稜線群を描画するものである。
【0033】請求項24の発明は、請求項23のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記頂点間各々を接続する
稜線群のうち、経線、緯線方向と一致する向きの稜線群
のみを描画するものである。
【0034】請求項25の発明のナビゲーションシステ
ムは、地形平面座標に対して標高値を与えることのでき
る地形形状データを記憶する地形データ記憶手段と、道
路、地名等の地図上に表示する地図表示要素の位置情報
及び付帯情報を記憶する地図データ記憶手段と、表示さ
れる地図の位置、方向を決定するための表示基準点位置
座標及び視線方向角を入力する表示基準点等入力手段
と、前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準
点位置座標及び視線方向角にしたがって画面上に表示さ
れる地図上の対象領域(表示対象領域)を決定する表示
対象領域決定手段と、前記表示対象領域決定手段が決定
した表示対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設
定し、各サンプリング点の平面座標(x,y)に対して
相当する標高値zを前記地形データ記憶手段より読込ん
で3次元サンプリング点(x,y,z)群を生成し、こ
の3次元サンプリング点群を所定のルールにしたがって
稜線で接続することによって開いた多面体形状の地形形
状モデルを作成する地形形状モデリング手段と、前記表
示基準点等入力手段から入力された表示基準点位置座標
と前記地形形状モデリング手段によって得られた地形形
状モデルとから前記表示基準点の標高値を決定する表示
基準点標高決定手段と、前記表示基準点等入力手段から
入力された表示基準点位置座標及び視線方向角と、前記
表示基準点標高決定手段によって決定された表示基準点
標高値とから透視投影変換の視点座標を決定する視点座
標決定手段と、前記地図データ記憶手段から前記表示対
象領域に相当する地図表示要素を読込み、必要に応じて
前記地形形状モデリング手段によって得られた地形形状
モデルに基づいて各地図表示要素の標高値を決定し、表
示用図形データを作成する地図要素標高決定手段と、前
記視点座標決定手段によって決定された視点座標と前記
表示基準点等入力手段から入力された視線方向角とに基
づいて前記地形形状モデルと前記標高値の決定された地
図表示要素とを透視投影変換する座標変換手段と、前記
座標変換手段によって透視投影変換された地形形状を示
す多面体を、前記視点に対して奥の方の面から上書きに
より描画し、立体地図画像を出力する地形形状描画処理
手段と、前記地図要素標高決定手段によって決定された
地図表示要素それぞれの表示位置の標高値と相応する地
形形状の標高値とを比較する地図要素標高比較手段と、
前記地図要素標高比較手段の比較結果に基づき、前記地
図表示要素の方が相応する地形形状と標高値が等しいも
のまたはより大きいものについて前記地形形状に上書き
により描画する地図要素描画処理手段と、前記地形形状
描画処理手段からの立体地図画像と前記地図要素描画処
理手段からの地図要素画像とを合成して表示する画像表
示手段とを備えたものである。
【0035】請求項26の発明は、請求項25のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記地図要素標高比較手段
は、前記地図表示要素それぞれの表示位置の標高値と相
応する地形形状の標高値とを地形描画色に基づいて比較
するものである。
【0036】請求項27の発明は、請求項25または2
6のナビゲーションシステムにおいて、前記地図要素描
画処理手段は、前記地図表示要素が誘導経路である場合
に前記地図表示要素が通常の道路である場合と異なった
描画色若しくは異なって線種にして描画するものであ
る。
【0037】請求項28の発明は、請求項25〜27の
ナビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高比
較手段が、前記地図表示要素が線図形である場合、その
線素の両端点の標高値、また前記地図表示要素が面図形
である場合、その面素の全頂点の標高値が相応する地形
形状の標高値と等しいときまたはより大きいときに前記
地図要素描画処理手段に当該線素及び面素の上書き指令
を出力するものである。
【0038】請求項29の発明は、請求項25〜27の
ナビゲーションシステムにおいて、前記地図要素標高比
較手段が、前記地図表示要素が線図形である場合、その
線素の両端点のいずれかの標高値、また前記地図表示要
素が面図形である場合、その面素の全頂点の標高値が相
応する地形形状の標高値よりも小さいときに前記地図要
素描画処理手段に当該線素部分及び面素部分を他の部分
と異なる描画色または点線で上書きするように指令する
ものである。
【0039】請求項30の発明のナビゲーションシステ
ムは、地形平面座標に対して標高値を与えることのでき
る地形形状データを記憶する地形データ記憶手段と、道
路、河川、鉄道のような線図形を地図上に表示する位置
情報及び付帯情報を記憶する線図形データ記憶手段と、
地名、アイコン等のような文字列及び図柄を地図上に表
示する位置情報及び付帯情報を記憶する地名、背景デー
タ記憶手段と、表示される地図の位置、方向を決定する
ための表示基準点位置座標及び視線方向角を入力する表
示基準点等入力手段と、前記表示基準点等入力手段から
入力された表示基準点位置座標及び視線方向角にしたが
って画面上に表示される地図上の対象領域(表示対象領
域)を決定する表示対象領域決定手段と、前記表示対象
領域決定手段が決定した表示対象領域内に所定密度のサ
ンプリング点群を設定し、各サンプリング点の平面座標
(x,y)に対して相当する標高値zを前記地形データ
記憶手段より読込んで3次元サンプリング点(x,y,
z)群を生成し、この3次元サンプリング点群を所定の
ルールにしたがって稜線で接続することによって開いた
多面体形状の地形形状モデルを作成する地形形状モデリ
ング手段と、前記表示基準点等入力手段から入力された
表示基準点位置座標と前記地形形状モデリング手段によ
って得られた地形形状モデルとから前記表示基準点の標
高値を決定する表示基準点標高決定手段と、前記表示基
準点等入力手段から入力された表示基準点位置座標及び
視線方向角と、前記表示基準点標高決定手段によって決
定された表示基準点標高値とから透視投影変換の視点座
標を決定する視点座標決定手段と、前記線図形データ記
憶手段から前記表示対象領域に相当する線図形データを
読込み、前記地名、背景データ記憶手段から前記地名、
背景データを読込み、必要に応じて前記地形形状モデリ
ング手段によって得られた地形形状モデルに基づいて各
線図形及び地名、アイコン等の表示点の標高値を決定
し、表示用図形データを作成する地図要素標高決定手段
と、前記視点座標決定手段によって決定された視点座標
と前記表示基準点等入力手段から入力された視線方向角
とに基づいて前記地形形状モデルと前記標高値の決定さ
れた線図形及び地名、アイコン等の表示用図形データと
を透視投影変換する座標変換手段と、前記座標変換手段
によって透視投影変換されたデータを隠面消去を実行し
ながら描画し、立体地図画像を出力する描画処理手段
と、前記地図要素標高決定手段によって決定された線図
形データの各線素の端点の標高値と相応する地形形状の
標高値とを比較する線図形データ標高比較手段と、前記
線図形データ標高比較手段の比較結果に基づき、前記線
図形の前記線素の端点の標高値の方が相応する地形形状
と標高値が等しいものまたはより大きいものについて前
記地形形状に上書きにより描画する線図形データ描画処
理手段と、前記描画処理手段からの立体地図画像と前記
線図形データ描画処理手段からの線図形画像とを合成し
て表示する画像表示手段とを備えたものである。
【0040】請求項31の発明は、請求項30のナビゲ
ーションシステムにおいて、前記線図形データ描画処理
手段は、前記線図形が誘導経路である場合に、前記線図
形が通常の道路である場合と異なった描画色、若しくは
異なった線種で描画するものである。
【0041】請求項32の発明は、請求項30または3
1のナビゲーションシステムにおいて、前記線図形デー
タ標高比較手段が、前記線図形の各線素の両端点の標高
値が相応する地形形状の標高値と等しいときまたはより
大きいときに前記線図形データ描画処理手段に当該線素
の上書き指令を出力するものである。
【0042】請求項33の発明は、請求項30または3
1のナビゲーションシステムにおいて、前記線図形デー
タ標高比較手段が、前記線図形の各線素の両端点のいず
れかの標高値が相応する地形形状の標高値よりも小さい
ときに前記線図形データ描画処理手段に当該線素部分を
他の部分と異なる描画色または点線で上書きするように
指令するものである。
【0043】請求項34の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体は、表示基準点の位置座標と視線方
向角データに基づいて表示対象領域を決定し、この表示
対象領域に相当する地形形状データを取り込んで地形形
状のモデル化を行い、前記表示基準点の位置座標と前記
地形形状モデルとから当該表示基準点の標高値を決定
し、前記表示基準点の位置座標及び視線方向角と、前記
表示基準点標高値とから透視投影変換の視点座標を決定
し、前記表示対象領域に相当する地図表示要素データを
取り込み、必要に応じて前記地形形状モデルに基づいて
各地図表示要素の標高値を決定して表示用図形データを
作成し、前記地形形状モデルと前記標高値の決定された
地図表示要素とを前記視点座標と前記視線方向角とに基
づいて透視投影変換し、前記透視投影変換されたデータ
から立体地図画像信号を生成するナビゲーションプログ
ラムを記憶したものである。
【0044】請求項35の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体は、表示基準点の位置座標及び視線
方向角データに基づいて表示対象領域を決定し、この表
示対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設定し、
各サンプリング点の平面座標(x,y)に対して相当す
る標高値zを取り込んで3次元サンプリング点(x,
y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点群を所
定のルールにしたがって稜線で接続することによって開
いた多面体形状の地形形状モデルを作成し、前記表示基
準点の位置座標と前記地形形状モデルとから当該表示基
準点の標高値を決定し、前記表示基準点の位置座標及び
視線方向角と、前記表示基準点の標高値とから透視投影
変換の視点座標を決定し、前記表示対象領域に相当する
地図表示要素データを取り込み、必要に応じて前記地形
形状モデルに基づいて各地図表示要素の標高値を決定し
て表示用図形データを作成し、前記地形形状モデルと前
記標高値の決定された地図表示要素とを前記視点座標と
前記視線方向角とに基づいて透視投影変換し、この透視
投影変換された地形形状を示す多面体を、視点に対して
奥の方の面から上書きにより描画する画像信号を生成
し、前記地図表示要素それぞれの表示位置の標高値と相
応する前記地形形状モデルの標高値とを比較し、この比
較結果に基づき、前記地図表示要素の方が相応する地形
形状よりも標高値が大きいものについて地形形状モデル
に上書きにより描画する画像信号を生成するナビゲーシ
ョンプログラムを記憶したものである。
【0045】請求項36の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体は、表示基準点の位置座標及び視線
方向角データに基づいて表示対象領域を決定し、この表
示対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設定し、
各サンプリング点の平面座標(x,y)に対して相当す
る標高値zを取り込んで3次元サンプリング点(x,
y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点群を所
定のルールにしたがって稜線で接続することによって開
いた多面体形状の地形形状モデルを作成し、前記表示基
準点の位置座標と前記地形形状モデルとから当該表示基
準点の標高値を決定し、前記表示基準点の位置座標及び
視線方向角と、前記表示基準点の標高値とから透視投影
変換の視点座標を決定し、前記表示対象領域に相当する
線図形データを取り込み、また地名、背景データを取り
込み、必要に応じて前記地形形状モデルに基づいて各線
図形及び地名、アイコン等の表示点の標高値を決定して
表示用図形データを作成し、前記視点座標と前記視線方
向角とに基づいて、前記地形形状モデルと標高値の決定
された線図形及び地名、アイコン等の表示用図形データ
とを透視投影変換し、この透視投影変換されたデータを
隠面消去を実行しながら描画し、立体地図画像信号を生
成し、これと共に前記線図形の各線素の端点の標高値と
相応する地形形状モデルの標高値とを比較し、この比較
結果に基づいて、線図形の線素の端点の標高値の方が相
応する地形形状モデルの標高値よりも大きいものについ
て前記地形形状モデルに上書きする描画像信号を生成す
るナビゲーションプログラムを記憶したものである。
【0046】請求項1の発明のナビゲーションシステム
では、外部の記憶手段に地形平面座標に対して標高値を
与えることのできる地形形状データと、道路、地名等の
地図上に表示する地図表示要素の位置情報及び付帯情報
を記憶する地図データとをあらかじめ記憶させておく。
【0047】そして経路誘導のために道路地図を表示さ
せる必要が生じたときには、表示基準点等入力手段によ
って表示基準点位置座標及び視線方向角を入力すること
により、表示対象領域決定手段が画面上に表示すべき地
図上の対象領域(表示対象領域)を決定し、地形形状モ
デリング手段が、この表示対象領域に相当する地形形状
データを地形データ記憶手段から読込み、地形形状のモ
デル化を行う。
【0048】そして表示基準点標高決定手段が、入力さ
れた表示基準点位置座標と地形形状モデルとから表示基
準点の標高値を決定し、視点座標決定手段が、表示基準
点位置座標及び視線方向角と、表示基準点標高値とから
透視投影変換の視点座標を決定し、さらに地図要素標高
決定手段が、地図データ記憶手段から表示対象領域に相
当する地図表示要素を読込み、必要に応じて地形形状モ
デルに基づいて各地図表示要素の標高値を決定し、表示
用図形データを作成する。
【0049】そして座標変換手段が、地形形状モデルと
標高値の決定された地図表示要素とを視点座標と視線方
向角とに基づいて透視投影変換し、さらに描画処理手段
がこの透視投影変換されたデータから所定の処理によっ
て立体地図画像を生成し、この立体地図画像を画像表示
手段に表示する。
【0050】これによってこのナビゲーションシステム
では、道路地図を立体的鳥瞰図表示することができ、利
用者にとって現実感の高い道路地図表示ができて、誘導
経路や現在位置等を利用者に直感的に把握させることが
できるようになる。
【0051】請求項2の発明のナビゲーションシステム
では、描画処理手段が座標変換手段が透視投影変換した
データを隠面消去を実行しながら描画して立体地図画像
を出力することにより、画像表示手段に道路地図の立体
的鳥瞰図表示を行う。
【0052】請求項3の発明のナビゲーションシステム
では、描画処理手段が誘導経路を通常の道路と異なった
描画色若しくは線種で描画することにより、誘導経路を
通常の道路と明確に識別できるようにする。
【0053】請求項4の発明のナビゲーションシステム
では、地形形状モデリング手段が、表示対象領域内に所
定密度のサンプリング点群を設定し、各サンプリング点
の平面座標(x,y)に対して相当する標高値zを地形
データ記憶手段より読込んで3次元サンプリング点
(x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点
群を所定のルールにしたがって稜線で接続することによ
って開いた多面体形状によって地形形状の近似モデルを
作成する。
【0054】請求項5の発明のナビゲーションシステム
では、地形形状モデリング手段が、表示対象領域のうち
の視点座標から近い部分領域においては分布密度の高い
サンプリング点群を設定し、視点座標から遠い部分領域
においては分布密度の低いサンプリング点群を設定する
ことにより、演算回数を少なくして高速描画処理を可能
にする。
【0055】請求項6の発明のナビゲーションシステム
では、視点座標決定手段が、表示基準点標決定手段の決
定した表示基準点標高値にしたがって視点座標の標高座
標値を変化させることにより、常に表示対象領域を見下
ろす形の立体鳥瞰図表示を可能とする。
【0056】請求項7の発明のナビゲーションシステム
では、視点座標決定手段が、表示基準点標高決定手段の
決定した表示基準点標高値に対して一定のオフセットを
加えて視点座標の標高値を決定することにより、表示基
準点の標高値が変化してもその表示基準点の標高を基準
平面にした立体鳥瞰図表示ができ、視点が地表面の下に
潜って正しい表示ができなくなる等の不具合を避けるこ
とができる。
【0057】請求項8の発明のナビゲーションシステム
では、地図要素標高決定手段が、地図データ記憶手段に
記憶されている地図データが道路と地名を含む地図表示
要素の標高を除く位置情報を2次元座標の形で記憶する
ものである場合、地図表示要素の有する2次元位置座標
に対して、地形形状モデリング手段による地形形状モデ
ルを参照して対応する2次元位置座標の標高値を読出
し、その標高値を含めた3次元座標で表現される地図表
示要素の表示用図形データを作成する。
【0058】請求項9の発明のナビゲーションシステム
では、地図データ記憶手段に記憶されている地図データ
が、少なくとも道路線素を構成する点群の2次元座標で
記述された位置情報と、相当する道路線素が高架または
トンネルであるか否かを示す道路種別情報とを有し、地
図要素標高決定手段が、道路線素構成点の2次元位置情
報と地形形状モデルとに基づいて当該構成点の標高値を
決定する際に、当該構成点が高架またはトンネルである
一連の道路線素群の内部構成点である場合には、高架ま
たはトンネルである一連の道路線素群の両端点を示す2
つの構成点のすでに算出された標高値から当該内部構成
点の標高値を算出することにより、山に隠れているよう
に、あるいは高架として道路が上空を渡っているように
道路線素を表示することができて、現実感がより向上す
る。
【0059】請求項10の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図データ記憶手段に記憶されている地図デー
タが、少なくとも道路線素を構成する点群の2次元座標
で記述された位置情報と、相当する道路線素が高架また
はトンネルであるか否かを示す道路種別情報とを有し、
地図要素標高決定手段が、道路線素構成点の位置情報と
地形データの標高値とに基づいて当該構成点の標高値を
算出する際に、当該構成点に相当する道路線素が高架ま
たはトンネルでなく、かつ当該構成点の密度が地形形状
モデリング手段が設定したサンプリング点群の密度より
も小さい場合に、道路線素に対してこれを内分する点を
新たな構成点として付加し、この付加した構成点に対し
て、地形形状モデルを参照して標高値を算出することに
より、高架やトンネルをくぐっていない道路については
トンネルのように地面を貫通したり、高架のように上空
に浮き上がることなく、常に地表面に沿って道路が走っ
ているかのように表示する。
【0060】請求項11の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が、道路、鉄道、水系及
び施設等の線図形や面図形の表示用図形データを作成す
る際に、外部から与えられ、若しくは自ら決定する本来
の標高値に対して、あらかじめ定められたオフセット値
を加えたものを当該線図形や面図形の高さ方向の座標値
として決定し、表示用図形データを作成することによ
り、地形形状とこれらの線図形や面図形との標高値が一
致するような部分についても常に線図形や面図形を地形
形状に優先させて表示し、地形形状によって標高値の等
しい線図形や面図形の表示がかすれることがないように
する。
【0061】請求項12の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が、道路、鉄道、水系及
び施設の本来の標高値に対して加えるオフセット値とし
て、道路及び鉄道に用いるオフセット値を水系及び施設
に用いるオフセット値よりも大きい値とすることによ
り、地形形状と線図形や面図形との標高値が一致するよ
うな部分についても常に線図形や面図形を地形形状に優
先させて表示すると共に、道路地図として重要な道路及
び鉄道の図形を水系及び施設の等図形よりも優先させて
表示し、地形形状、水系、施設等の図形によって標高値
の等しい道路及び鉄道の図形の表示がかすれることがな
いようにする。
【0062】請求項13の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が地図表示要素の本来の
標高値に加えるオフセット値として、誘導経路に対して
道路及び鉄道よりも大きい値を用いることにより、誘導
経路を通常の道路から明確に識別して描画できるように
する。
【0063】請求項14の発明のナビゲーションシステ
ムでは、表示基準点標高決定手段が、車両現在位置を示
す図形データの標高値を決定する際に、地形形状モデリ
ング手段による地形形状モデルに基づいて決定した標高
値に対して、あらかじめ定められたオフセット値を加え
たものを当該車両現在位置の高さ方向の座標値として決
定し、図形データを作成することにより、地形形状と標
高値が同じであっても地形形状に優先させて車両現在位
置を表示し、地形形状によって車両現在位置の表示がか
すれることがないようにする。
【0064】請求項15の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が、車両現在位置を示す
図形データの標高値に対して加えるオフセット値とし
て、道路及び鉄道に対して用いるオフセット値よりも大
きい値を用いることにより、これらの線図形によって車
両現在位置の表示がかすれることがないようにする。
【0065】請求項16の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が、地名の表示位置を示
す点の表示用図形データを作成する際に、外部から与え
られ、若しくは自ら決定する本来の標高値に対して、道
路に対して定められたオフセット値よりも大きいオフセ
ット値を加えたものを当該地名の表示位置を示す点の高
さ方向の座標値として決定し、表示用図形データを作成
することにより、重要な情報である地名の文字列が標高
値の等しい道路図形によってかすれることがないように
する。
【0066】請求項17の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高決定手段が、地名の表示位置を示
す点の表示用図形データを作成する際に、外部から与え
られ、若しくは自ら決定する本来の標高値に対して、当
該表示位置に表示される文字列のいずれの文字も当該文
字の表示位置における地形形状に隠されることがない値
だけのオフセット値を加えたものを当該地名の表示位置
を示す点の高さ方向の座標値として決定し、表示用図形
データを作成することにより、地名の文字列が地形形状
の勾配によって一部隠されることがないで全体を表示で
きるようにする。
【0067】請求項18の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、座標変換手段による透視投影
変換の結果、地形形状と地図表示要素を含む各描画要素
のうち複数の描画要素が視点から発する同一直線上に重
なり部分を持つ場合、当該視点からより遠くに存在する
描画要素を表示する際に重なり部分を除いた部分のみを
画像表示手段に表示させることにより、現実に見た景観
に近い立体地図表示を行う。
【0068】請求項19の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、座標変換手段による透視投影
変換の結果、地形形状と地図表示要素を含む各描画要素
のうち複数の描画要素が視点から発する同一直線上に重
なり部分を持つ場合、当該視点からより遠くに存在する
描画要素を表示する際に重なり部分を画像表示手段に他
の部分と異なる色で表示させることにより、道路の一部
が手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠され
ている部分の様子を利用者に理解できるようにする。
【0069】請求項20の発明のナビゲーションシステ
ムでは、請求項18における重なり部分に用いる異なる
色として、描画要素の重なり部分以外の部分を表示する
色と当該描画要素と重なり部分を持つ他の描画要素を表
示する色とを定められた比率に基づいて混合した色を用
いることにより、道路の一部が手前側の地形形状に隠さ
れている場合でもその隠されている部分を地形形状を透
かして見えるように表示する。
【0070】請求項21の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、座標変換手段による透視投影
変換の結果、地形形状と地図表示要素を含む各描画要素
のうち複数の描画要素が視点から発する同一直線上に重
なり部分を持つ場合、視点からより遠くに存在する描画
要素が線図形であるときに当該重なり部分を画像表示手
段に破線で表示させることにより、道路の一部が手前側
の地形形状に隠されている場合でもその隠されている部
分の様子を利用者に理解できるようにする。
【0071】請求項22の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、地形形状を示す多面体形状を
描画する際に、標高に応じて変化する描画色を用いて当
該多面体形状の各面を描画することにより、より立体感
を高めた表示となる。
【0072】請求項23の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、地形形状を示す多面体形状を
描画する際に、各面を標高に応じた描画色によって描画
すると共に、頂点間各々を接続する稜線群を描画するこ
とにより、地形形状の起伏の様子を利用者に直感的に理
解しやすくする。
【0073】請求項24の発明のナビゲーションシステ
ムでは、描画処理手段が、地形形状を示す多面体形状を
描画する際に、各面を標高に応じた描画色によって描画
すると共に、頂点間各々を接続する稜線群群のうち、経
線、緯線方向と一致する向きの稜線群のみを描画するこ
とにより、地形形状の起伏の様子を利用者に直感的に理
解しやすくすると共に、描画される稜線群の本数を少な
くして煩雑さを防ぎ、さらに利用者にとって方位の認識
を容易にする。
【0074】請求項25の発明のナビゲーションシステ
ムでは、外部の記憶手段に地形平面座標に対して標高値
を与えることのできる地形形状データと、道路、地名等
の地図上に表示する地図表示要素の位置情報及び付帯情
報を記憶する地図データとをあらかじめ記憶させてお
く。
【0075】そして表示される地図の位置、方向を決定
するための表示基準点位置座標及び視線方向角を表示基
準点等入力手段から入力することにより、表示対象領域
決定手段が、表示基準点位置座標及び視線方向角にした
がって画面上に表示される地図上の対象領域(表示対象
領域)を決定し、地形形状モデリング手段が、この表示
対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設定し、各
サンプリング点の平面座標(x,y)に対して相当する
標高値zを地形データ記憶手段より読込んで3次元サン
プリング点(x,y,z)群を生成し、この3次元サン
プリング点群を所定のルールにしたがって稜線で接続す
ることによって開いた多面体形状の地形形状モデルを作
成する。
【0076】そして表示基準点標高決定手段が、入力さ
れた表示基準点位置座標と地形形状モデルとから表示基
準点の標高値を決定し、視点座標決定手段が、表示基準
点位置座標及び視線方向角と、表示基準点標高値とから
透視投影変換の視点座標を決定し、さらに地図要素標高
決定手段が、地図データ記憶手段から表示対象領域に相
当する地図表示要素を読込み、必要に応じて地形形状モ
デルに基づいて各地図表示要素の標高値を決定し、表示
用図形データを作成する。
【0077】そして座標変換手段が、地形形状モデルと
標高値の決定された地図表示要素とを視点座標と視線方
向角とに基づいて透視投影変換し、地形形状描画処理手
段が、この透視投影変換された地形形状を示す多面体
を、視点に対して奥の方の面から上書きにより描画し、
立体地図画像を出力する。これと共に、地図要素標高比
較手段が、地図表示要素それぞれの表示位置の標高値と
相応する地形形状の標高値とを比較し、この比較結果に
基づき、地図要素描画処理手段が地図表示要素の方が相
応する地形形状と標高値が等しいものまたはより大きい
ものについて地形形状に上書きにより描画する指令を出
力する。そして画像表示手段が、地形形状描画処理手段
からの立体地図画像に地図要素描画処理手段からの地図
要素画像を上書き合成して表示する。
【0078】これによってこのナビゲーションシステム
では、道路地図を立体的鳥瞰図表示することができ、利
用者にとって現実感の高い道路地図表示ができて、誘導
経路や現在位置等を利用者に直感的に把握させることが
できるようになる。しかもこのナビゲーションシステム
の場合、隠面消去処理をしない分、演算処理にかかる中
央演算処理装置の負担を軽減することができ、高速描画
が可能となる。
【0079】請求項26の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高比較手段が、地図表示要素それぞ
れの表示位置の標高値と相応する地形形状の標高値とを
地形描画色に基づいて比較し、この比較結果に基づき、
地図要素描画処理手段が地図表示要素の方が相応する地
形形状と標高値が等しいものまたはより大きいものにつ
いて地形形状に上書きにより描画する指令を出力するこ
とにより、表示用に作成した画像をそのまま用いること
ができて処理速度を高めることができる。
【0080】請求項27の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素描画処理手段が、地図表示要素が誘導
経路である場合に通常の道路である場合と異なった描画
色若しくは異なって線種にして描画することにより、誘
導経路を明確に識別できるようにする。
【0081】請求項28の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高比較手段が、地図表示要素が線図
形である場合、その線素の両端点の標高値、また地図表
示要素が面図形である場合、その面素の全頂点の標高値
が相応する地形形状の標高値と等しいときまたはより大
きいときに地図要素描画処理手段に当該線素及び面素の
上書き指令を出力することにより、地形形状のサンプリ
ング点の密度よりも小さい密度の線素及び面素について
も、線素及び面素に内部構成点を付加する処理をしなく
ても途切れることなくその全体を表示するようになる。
【0082】請求項29の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地図要素標高比較手段が、地図表示要素が道
路、河川、鉄道のような線図形である場合、その線素の
両端点のいずれかの標高値が相応する地形形状の標高値
よりも小さいときに地図要素描画処理手段に当該線素部
分を他の部分と異なる描画色または点線で上書きするよ
うに指令することにより、道路のような線図形の一部が
手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠されて
いる部分の様子を利用者に理解できるようにする。
【0083】請求項30の発明のナビゲーションシステ
ムでは、地形データ記憶手段に地形平面座標に対して標
高値を与えることのできる地形形状データを記憶させ、
線図形データ記憶手段に道路、河川、鉄道のような線図
形を地図上に表示する位置情報及び付帯情報を記憶さ
せ、地名、背景データ記憶手段に地名、アイコン等のよ
うな文字列及び図柄を地図上に表示する位置情報及び付
帯情報を記憶させておく。
【0084】そして表示される地図の位置、方向を決定
するための表示基準点位置座標及び視線方向角を表示基
準点等入力手段から入力することにより、表示対象領域
決定手段が、表示基準点位置座標及び視線方向角にした
がって画面上に表示される地図上の対象領域(表示対象
領域)を決定し、地形形状モデリング手段が、この表示
対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設定し、各
サンプリング点の平面座標(x,y)に対して相当する
標高値zを地形データ記憶手段より読込んで3次元サン
プリング点(x,y,z)群を生成し、この3次元サン
プリング点群を所定のルールにしたがって稜線で接続す
ることによって開いた多面体形状の地形形状モデルを作
成する。
【0085】また表示基準点標高決定手段が、入力され
た表示基準点位置座標と地形形状モデリング手段による
地形形状モデルとから表示基準点の標高値を決定し、視
点座標決定手段が、入力された表示基準点位置座標及び
視線方向角と、表示基準点標高決定手段による表示基準
点標高値とから透視投影変換の視点座標を決定し、地図
要素標高決定手段が、線図形データ記憶手段から表示対
象領域に相当する線図形データを読込み、地名、背景デ
ータ記憶手段から地名、背景データを読込み、必要に応
じて地形形状モデリング手段による地形形状モデルに基
づいて各線図形及び地名、アイコン等の表示点の標高値
を決定し、表示用図形データを作成する。
【0086】そして座標変換手段が、視点座標決定手段
により決定された視点座標と入力された視線方向角とに
基づいて、地形形状モデリング手段による地形形状モデ
ルと標高値の決定された線図形及び地名、アイコン等の
表示用図形データとを透視投影変換し、さらに描画処理
手段が、この透視投影変換されたデータを隠面消去を実
行しながら描画し、立体地図画像を出力する。これと共
に線図形データ標高比較手段が、線図形データの各線素
の端点の標高値と相応する地形形状の標高値とを比較
し、この比較結果に基づき、線図形データ描画処理手段
が、線図形の線素の端点の標高値の方が相応する地形形
状と標高値が等しいものまたはより大きいものについて
地形形状に上書きにより描画する指令を出力する。そし
て画像表示手段が、描画処理手段からの立体地図画像に
線図形データ描画処理手段からの線図形画像を上書き合
成して立体道路地図を表示する。
【0087】これによってこのナビゲーションシステム
では、道路地図を立体的鳥瞰図表示することができ、利
用者にとって現実感の高い道路地図表示ができて、誘導
経路や現在位置等を利用者に直感的に把握させることが
できるようになる。
【0088】請求項31の発明のナビゲーションシステ
ムでは、線図形データ描画処理手段が線図形が誘導経路
である場合に通常の道路である場合と異なった描画色、
若しくは異なった線種で描画することにより、誘導経路
を明確に識別できるようにする。
【0089】請求項32の発明のナビゲーションシステ
ムでは、線図形データ標高比較手段が、線図形の各線素
の両端点の標高値が相応する地形形状の標高値と等しい
ときまたはより大きいときに線図形データ描画処理手段
に当該線素の上書き指令を出力することにより、地形形
状のサンプリング点の密度よりも小さい密度の線素につ
いても、線素に内部構成点を付加する処理をしなくても
途切れることなく線素の全体を表示するようになる。
【0090】請求項33の発明のナビゲーションシステ
ムでは、線図形データ標高比較手段が、線図形の各線素
の両端点のいずれかの標高値が相応する地形形状の標高
値よりも小さいときに線図形データ描画処理手段に当該
線素部分を他の部分と異なる描画色または点線で上書き
するように指令することにより、道路のような線図形の
一部が手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠
されている部分の様子を利用者に理解できるようにす
る。
【0091】請求項34の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体では、これをナビゲーションシステ
ムの中央演算処理装置に実行させることによって上記の
請求項1のナビゲーションシステムを実現することがで
きる。
【0092】請求項35の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体では、これをナビゲーションシステ
ムの中央演算処理装置に実行させることによって上記の
請求項25のナビゲーションシステムを実現することが
できる。
【0093】請求項36の発明のナビゲーションプログ
ラムを記憶した媒体では、これをナビゲーションシステ
ムの中央演算処理装置に実行させることによって上記の
請求項30のナビゲーションシステムを実現することが
できる。
【0094】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、道路地
図を立体的鳥瞰図表示することができ、利用者にとって
現実感の高い道路地図表示ができて、誘導経路や現在位
置等を利用者に直感的に把握させることができる。
【0095】請求項3の発明によれば、誘導経路を通常
の道路と明確に識別できるように表示することができ
る。
【0096】請求項4の発明によれば、開いた多面体形
状によって地形形状の近似モデルを作成し、地形形状を
立体表示することができる。
【0097】請求項5の発明によれば、演算回数を少な
くして地形形状の高速描画が可能となる。
【0098】請求項6の発明によれば、常に表示対象領
域を見下ろす形の自然な立体鳥瞰図表示が可能となる。
【0099】請求項7の発明によれば、表示基準点の標
高値が変化してもその表示基準点の標高を基準平面にし
た立体鳥瞰図表示ができ、視点が地表面の下に潜って正
しい表示ができなくなる等の不具合を避けることができ
る。
【0100】請求項8の発明によれば、隠面消去処理に
おいて地形形状と地図表示要素とを同時に扱い、立体道
路地図を作成することができる。
【0101】請求項9の発明によれば、トンネルをくぐ
っている道路であれば山に隠れているように、また高架
であれば道路が上空を渡っているように表示することが
できて、現実感がより向上する。
【0102】請求項10の発明によれば、高架を渡った
りトンネルをくぐったりしていない道路については常に
地表面に沿って道路が走っているかのように表示するこ
とができる。
【0103】請求項11の発明によれば、地形形状と線
図形や面図形との標高値が一致するような部分について
も常に線図形や面図形を地形形状に優先させて表示し、
地形形状によって標高値の等しい線図形や面図形の表示
がかすれないように表示することができる。
【0104】請求項12の発明によれば、地形形状と線
図形や面図形との標高値が一致するような部分について
も常に線図形や面図形を地形形状に優先させて表示する
と共に、道路地図として重要な道路及び鉄道の図形を水
系及び施設の図形よりも優先させて表示し、地形形状、
水系、施設等の図形によって標高値の等しい道路及び鉄
道の等図形の表示がかすれないように表示することがで
きる。
【0105】請求項13の発明によれば、誘導経路を通
常の道路から明確に識別して描画することができる。
【0106】請求項14の発明によれば、地形形状と標
高値が同じであっても地形形状に優先させて車両現在位
置を表示し、地形形状によって車両現在位置の表示がか
すれないように表示することができる。
【0107】請求項15の発明によれば、河川及び鉄道
の線図形によって車両現在位置の表示がかすれないよう
に表示することができる。
【0108】請求項16の発明によれば、重要な情報で
ある地名の文字列が標高値の等しい道路図形によってか
すれないように表示することができる。
【0109】請求項17の発明によれば、地名の文字列
が地形形状の勾配によって一部隠されることなく、全体
を表示できる。
【0110】請求項18の発明によれば、現実に見た景
観に近い立体地図表示を行うことができる。
【0111】請求項19の発明によれば、道路の一部が
手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠されて
いる部分の様子を利用者に理解できるように表示するこ
とができる。
【0112】請求項20の発明によれば、道路の一部が
手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠されて
いる部分を地形形状を透かして見えるように表示するこ
とができ、利用者に容易に理解させることができる。
【0113】請求項21の発明によれば、道路の一部が
手前側の地形形状に隠されている場合でもその隠されて
いる部分の様子を利用者に理解させることができる。
【0114】請求項22の発明によれば、より立体感を
高めた道路地図表示が可能となる。
【0115】請求項23の発明によれば、地形形状の起
伏の様子を利用者に直感的に理解しやすく表示すること
ができる。
【0116】請求項24の発明によれば、地形形状の起
伏の様子を利用者に直感的に理解しやすくすると共に、
描画される稜線群の本数を少なくして煩雑さを防ぎ、さ
らに利用者にとって方位の認識を容易にすることができ
る。
【0117】請求項25の発明によれば、道路地図を立
体的鳥瞰図表示することができ、利用者にとって現実感
の高い道路地図表示ができて、誘導経路や現在位置等を
利用者に直感的に把握させることができ、しかも隠面消
去処理をしない分、演算処理にかかる中央演算処理装置
の負担を軽減することができ、高速描画が可能となる。
【0118】請求項26の発明によれば、標高値の比較
を描画色に基づいて行うことにより、表示用に作成した
画像をそのまま用いることができて処理速度を高めるこ
とができる。
【0119】請求項27の発明によれば、導経路を通常
の道路から明確に識別して描画することができる。
【0120】請求項28の発明によれば、地形形状のサ
ンプリング点の密度よりも小さい密度の線素及び面素に
ついても、線素及び面素に内部構成点を付加する処理を
しなくても途切れることなくその全体を表示することが
できる。
【0121】請求項29の発明によれば、道路のような
線図形の一部が手前側の地形形状に隠されている場合で
もその隠されている部分の様子を利用者に理解できるよ
うに表示することができる。
【0122】請求項30の発明によれば、道路地図を立
体的鳥瞰図表示することができ、利用者にとって現実感
の高い道路地図表示ができて、誘導経路や現在位置等を
利用者に直感的に把握させることができる。
【0123】請求項31の発明によれば、誘導経路を通
常の道路から明確に識別して描画することができる。
【0124】請求項32の発明によれば、地形形状のサ
ンプリング点の密度よりも小さい密度の線素について
も、線素に内部構成点を付加する処理をしなくても途切
れることなく線素の全体を表示することができる。
【0125】請求項33の発明によれば、道路のような
線図形の一部が手前側の地形形状に隠されている場合で
もその隠されている部分の様子を利用者に理解できるよ
うに表示することができる。
【0126】請求項34の発明によれば、これを用いて
請求項1のナビゲーションシステムを実現することがで
きる。
【0127】請求項35の発明によれば、これを用いて
請求項25のナビゲーションシステムを実現することが
できる。
【0128】請求項36の発明によれば、これを用いて
請求項30のナビゲーションシステムを実現することが
できる。
【0129】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の
システム構成を示しており、ハードウェア的には従来か
ら知られているGPSセンサにより若しくは車速セン
サ、方位センサ及びジャイロセンサの信号に基づき自立
航法によって検出する車両の現在位置と進行方向を指定
し、あるいはリモコン操作器やキーボードによって任意
の地点と進行方向を指定することによって表示基準点位
置座標と視線方向角を算出する表示基準点等入力装置1
と、各地点の標高値データで成る地形データ2aと道路
や地名の情報を含む地図データ2bとを記憶する外部記
憶装置2と、高速演算処理が可能な中央演算処理装置、
内部記憶装置、入出力インタフェースを備えたコンピュ
ータで成る演算処理装置3、そしてこの演算処理装置3
から出力される画像信号によって表示を行う画像表示装
置4から構成されている。
【0130】地形データ2aは図2(a)に示すような
実際の経度・緯度座標点ごとの標高値データを同図
(b)に示すようなマトリクステーブル形式のデータに
して記憶している。すなわち、水平面方向に一定密度、
たとえば、経線(y)・緯線(x)各方向に一定間隔で
格子点状に配置された各点(サンプリング点)に対して
その点における実際の標高値をマトリクステーブル形式
で記憶している。
【0131】さらに、外部記憶装置2にはこのような地
形データ2aを複数種の密度のサンプリング点に対して
記述された標高値データを、それぞれ異なる精度の地形
データとして、若しくは異なる精度と見なして記憶させ
ておくことができる。たとえば、100mごと、500
mごと、5kmごとに配置されたサンプリング点の標高
値データを3種類の精度の地形データ2aとして別々に
記憶させておくのである。またこの場合、物理的に最高
精度である100mごとのサンプリング点の標高値デー
タを地形データとして1種類だけ記憶させておき、地図
表示時の縮尺指定に応じてそのまま用いたり、5点おき
に存在するものを中精度の地形データとして抽出し、さ
らに50点おきに存在するものを低精度の地形データと
して抽出して用いるようにしておくこともできる。
【0132】なお、この地形データ2aそのもののデー
タ形式はこれに限定されず、図3に示すように実際の等
高線表現されているデータであってもよく、またたとえ
ば、緯度x、経度yとしてz=f(x,y)で与えられ
る曲面方程式の形式で登録しておくこともでき、特にデ
ータ形式が制限されることはない。
【0133】地図データ2bは、道路や地名等の地図上
に表示される表示要素とその位置情報及び必要な場合に
は属性等の付帯情報も含めて記憶している。たとえば、
道路については、稜線または連続する稜線群の形式で表
示するものとして各端点を示す一連の点列の位置座標を
当該道路の位置情報とし、また湖沼や流域の広い河川、
ゴルフ場や駅構内等の面図形については、多角形の形式
で表示するものとして各頂点や内部の分割点を示す一連
の点列の位置座標を当該水系、施設の位置情報とし、各
点の接続形態を属性として備えている。
【0134】つまり、図4(a)に示すような水系又は
施設が頂点1〜5と内部点6,7で定義されている場
合、分割される小多角形(ここでは三角形であるが、こ
れに限定されることはない)を構成する頂点の組、つま
り同図(b)に示す頂点の組を属性として備えているの
である。そこで、この水系又は施設を表すときには、7
つの相接する小多角形(ここでは小三角形)を属性であ
る接続形態にしたがって描くことにより、水系又は施設
のような面図形の全体を表示するのである。
【0135】加えて、地名や道路名については、地図上
に文字列を表示する位置の座標を位置情報とし、文字列
を属性として備えているものとする。さらに道路リンク
に対して付加される属性情報には、その道路の種別(高
速道路か、国道か、県道かによって表示色を変える必要
があるので)や形態(通常路かトンネルか高架か等)が
ある。そしてこれらの位置情報は経度、緯度に相当する
2次元座標で記述して記憶しておくことができ、また標
高値データも含む3次元座標として記憶させておくこと
もできる。 さらに、中央演算処理装置が別のプログラ
ムの実行によって得た目的地までの誘導経路あるいは使
用者自らが設定した誘導経路については、該当する道路
データの各リンク(線素)において、それが誘導経路で
あることを示すフラグを設定することによって通常の道
路と識別できるようにして内部記憶上に記憶している。
たとえば、道路データを短い直線(線素)の接続によっ
て表現している場合、その道路データは(x0,y
0),(x1,y1),(x2,y2),(x3,y
3),…の各座標を直線で結ぶように指定することにな
るが、このような道路データに対して、それが誘導経路
に指定された場合には、(x0,y0;1),(x1,
y1;1),(x2,y2;1),…というようにフラ
グを設定してこれらが誘導経路の線素(リンク)である
ことを識別するのである。
【0136】演算処理装置3が実行する各種演算処理機
能の構成を説明すると、表示対象領域決定部3−1、地
形形状モデリング部3−2、表示基準点標高決定部3−
3、視点座標決定部3−4、地図要素標高決定部3−
5、座標変換部3−6及び隠面消去描画処理部3−7か
ら成る。
【0137】表示対象領域決定部3−1は、表示基準点
等入力装置1から入力される表示基準点座標、視線方向
角に基づいて、表示される地図上の対象領域を表示基準
点と同じ標高に仮想的に置かれた水平面上で決定する部
分である。地形形状モデリング部3−2は、表示対象領
域決定部3−1が決定した表示対象領域内に適当に分布
する点群を設定し、各点の平面座標(x,y)に対して
相当する標高値zを地形データ2bから読込んで(x,
y,z)の3次元データを生成し、この(x,y,z)
を頂点として各頂点間を適当な稜線で接続して地形形状
を示す多面体を作成する部分である。
【0138】表示基準点標高決定部3−3は、表示基準
点等入力装置1から入力される表示基準点のx,y座標
値(Px,Py)と、地形形状モデリング部3−2で求
められた地形形状から表示基準点の高さ方向z座標値P
zを内挿によって求める部分であり、視点座標決定部3
−4は、表示基準点標高決定部3−3で求めた表示基準
点の位置座標(Px,Py,Pz)に基づいて視点の座
標(Vx,Vy,Vz)を求める部分であり、地図要素
標高決定部3−5は、表示対象領域内の地図要素データ
を地図データ2bから読込み、標高値がなければ表示基
準点標高決定部3−3の演算処理と同じ手順によって内
挿によって相当する標高値を求め、また地形近似の誤差
や後述する隠面消去による表示のかすれを低減するため
に、求めた標高値に微小のオフセットを加える処理を行
う部分である。
【0139】座標変換部3−6は、透視投影変換によっ
て表示画面上の2次元座標(Sx,Sy)と奥行き座標
Szを求める部分であり、隠面消去描画処理部3−7
は、画素ごとに奥行き座標を比較し、すでに描画した画
素よりも奥行きの小さいものだけを更新描画することに
より隠面消去を有効にした立体地図描画信号を生成し、
この立体地図描画信号を画像表示装置4に出力して立体
道路地図を表示させる部分である。描画色は標高値によ
って異なるものを割り付け、また道路、河川、地名等に
ついても別の描画色を割り付ける。さらに誘導経路につ
いては通常の道路と異なる描画色で、特に目立つ色、た
とえば、赤、黄、青のような色を割り付ける。
【0140】次に、上記構成のナビゲーションシステム
の動作について、図5のフローチャートに基づいて説明
する。演算処理装置3による画像表示装置4の表示画面
への立体地図の表示処理は、表示基準点等入力装置1か
ら入力される表示基準点の更新ごとに、表示対象領域の
決定、地形及び地図データの読込み、視点座標の決定、
表示用図形データの作成、透視投影法による座標変換、
クリッピング等の描画処理という一連の演算処理を繰り
返すことによって実行する。
【0141】表示基準点等入力装置1から表示基準点の
位置座標及び視線方向角が入力されると、演算処理装置
3の表示対象領域決定部3−1は、これらの表示基準点
の位置座標と視線方向角に基づいて画面上に表示される
地図上の対象領域を決定する(ステップS301)。こ
こで表示基準点とは、表示される地図の位置を決定する
ための表示画面内における代表点のことであり、また視
線方向角とは視線の水平面上への正射影の方位角のこと
である。そしてこの表示基準点の入力には、たとえば、
車載型のナビゲーションシステムでは、自車両の現在位
置を中心にその近辺の地図を表示する場合には、GPS
センサや車速センサ、ジャイロセンサにより現在位置と
進行方向を計測して出力する自車両位置計測装置を表示
基準点等入力装置1として用いることができる。またあ
るいは利用者が地図上の任意の地点を指定してその近辺
の地図を所望の視線方向で表示する場合には、表示基準
点等出力装置1としてリモコン操作器やキーボードのよ
うな地点指定手段を用いることもできる。
【0142】ここで図6に基づいて視点、表示基準点と
表示対象領域との位置関係を説明する。表示対象領域は
標高値にかかわらず、経度・緯度に相当する2次元座標
系(x,y)で特定するものとし、ここでは表示基準点
と同じ標高の水平面を地図平面と仮定する。さらに視点
座標の高さを表示基準点の標高値からのオフセットhで
記述することとすれば、図6に示した位置関係は標高の
いかにかかわらず常に成立し、従来の鳥瞰図表示のナビ
ゲーションシステムと同様に表示対象領域を特定するこ
とができる。すなわち、表示基準点の標高を除く2次元
位置座標(Px,Py)及び視線方向角φが表示基準点
等入力装置1から与えられると、あらかじめ定められた
視点高さオフセットh、視線俯角θ、視野角β、表示基
準点表示位置δ等を用いて表示対象領域を求めることが
できる。
【0143】次に、地形形状モデリング部3−2におい
て、図7に示すようにステップS301で求めた表示対
象領域を十分カバーできる範囲の地形データを外部記憶
装置2から読込み、地形形状のモデル化を行う(ステッ
プS302)。この場合、後述する複数精度の地形デー
タのように、表示対象領域をいくつかの部分領域に分割
し、各領域で異なるデータを用いる場合には部分領域ご
とにそれを十分にカバーすることができる範囲に相当す
る地形データを読込むことになる。なお、この地形デー
タの読込みに際して、必要なデータの一部または全部が
前回の表示処理にも使われていてすでに演算処理装置3
の内部記憶装置(図示せず)に記憶されている場合に
は、重複部分のデータはその内部記憶データを用い、外
部記憶装置2からは必要なデータだけを読込むようにし
てデータ転送時間を短縮することができる。
【0144】地形形状のモデル化処理では、図7(a)
に示すように表示対象領域決定部3−1が求めた表示対
象領域に対して、それを十分にカバーする範囲に含まれ
るサンプリング点(つまり、地形データが登録されてい
る(x,y)点群)を設定し、それらの各サンプリング
点ごとに標高値データzを読込み、同図(b)に示すよ
うにサンプリング点ごとに(x.y,z)座標で頂点を
発生させ、さらに同図(c)に示すようにこれらの頂点
を緯度、経度が隣接するもの同士を接続して小四辺形
(必ずしも平面になるとは限らない)を生成し、さらに
これらの各小四辺形においてたとえば、南東・北西方向
の頂点同士を結んだ対角線によって2つの小三角形(平
面となる)に分割するようにして開いた多面体形状を作
成するのである。
【0145】なお、ここにおいても図8に示すように、
異なる2つの精度の地形データを用いて表示対象領域の
地形形状をモデル化する場合には、視点に近い領域では
高精度の地形データを用い、視点から遠い領域では低精
度の地形データを用い、両精度の地形データが隣接する
部分では実空間点を接続して、多面体を構成するすべて
の面が三角形となるようにする。
【0146】次には、表示基準点標高決定部3−3にお
いて表示基準点(Px,Py)の標高値Pzを決定する
(ステップS303)。これには、表示基準点等入力装
置1が十分な精度の標高値Pzを入力することができる
場合には直接その値を用いることができる。しかしなが
ら、十分な精度が保証されないシステムの場合や標高値
Pzそのものを計測しないシステムの場合、表示基準点
の2次元位置座標(Px,Py)と前ステップS302
で読込まれた地形データから相当する標高値Pzを近似
演算する。この方法について図9に基づいて説明する。
まず地形データの標高値を与えるサンプリング点の中で
xy2次元座標系において表示基準点(Px,Py)に
近接する3点を求める。次に、これらの3点に各々の標
高値を与えた3次元空間内の点A,B,Cとして、これ
らの空間3点A,B,Cを通る平面の方程式を求める。
この平面の方程式に(x,y)=(Px,Py)を代入
して得られるz値を表示基準点の標高値Pzとする。す
なわち、空間3点A,B,Cの位置ベクトルをA,B,
Cとすれば、Pzは、次の(1)式によって求められ
る。
【0147】
【数1】 ただし、ここでは、
【数2】 であり、(Dx,Dy,Dz)は3点A,B,Cによる
平面に垂直なベクトルを表わすものである。
【0148】次に、視点座標決定部3−4では、このよ
うにして求めた表示基準点の標高値Pzに対して、あら
かじめ定められた視点高さオフセットhを加えることに
よって視点座標の高さ方向の座標値Vz(=Pz+h)
を求める。また視点のxy座標(Vx,Vy)も、視線
方向角等に基づいて求める(ステップS304)。すな
わち、図6を参照して次の(3)式に基づいて視点座標
(Vx,Vy,Vz)を算出するのである。
【0149】
【数3】 さらに地図要素標高決定部3−5は、表示対象領域決定
部3−1が決定した表示対象領域に基づき、外部記憶装
置2の地図データ2bからその表示対象領域内の道路、
地名等の地図要素データを読込み、また標高値データが
ない場合には表示基準点標高値の算出手順と同様に内挿
によって相当する標高値を決定し、さらに必要な標高値
のオフセット処理を行う(ステップS305)。
【0150】すなわち、地図データ2bには各地図表示
要素の位置座標を位置情報として持っているが、これが
2次元座標(x,y)で記述されている場合には、表示
基準点の場合と同様に各地図表示要素ごとにその位置座
標を内部に含む3つのサンプリング点を特定し、ステッ
プS302で読込まれた地形データからこれらの3つの
サンプリング点ごとの標高値データを求め、前述の
(1)式に基づいて各地図表示要素の標高値を求めるの
である。
【0151】ただし、この場合に地図表示要素が道路リ
ンクである場合には、必要に応じて図10に示すような
例外処理を行う。いま点列P1〜P8で構成される道路
リンクがあるとする。各構成点に地形データから内挿し
た標高値を付して地形形状と共に表示すると、同図
(a)に示すようになる。各標高値を地表面の標高値と
一致するように求めるので、全体として道路リンクP1
〜P8は地表面に沿うことになる。ここでもし、実際の
道路においては点列P2〜P7に相当する部分がトンネ
ルであるとすると、同図(a)の表示では実情にそぐわ
ない。
【0152】そこで、地図データ2bに道路リンク構成
点の位置情報と共に属性情報として該当するリンクがト
ンネルに相当するか否かのデータをも備えているなら
ば、トンネルに相当する一連のリンク列の両端を除く内
部構成点については、まず両端点の標高値を地形データ
に基づいて算出し、その後、この結果を用いて内部構成
点の標高値を算出する。つまり、図10の例では、属性
情報を調べることによってP2〜P7がトンネルに相当
することが分かるので、端点P2とP7について標高値
h2,h7を地形データから(1)式の内挿によって算
出し、内部構成点P3,P4,P5,P6の標高値h
3,h4,h5,h6については、たとえば、各点から
両端点まで道のり距離に応じて端点P2,P7の標高値
h2,h7を比例配分した値を適用するものとする。す
なわち、次の式(4)によってトンネル内の各点の標高
値hiを求めるのである。
【0153】
【数4】 ここでdjkはPj からPk まで積算した道のりである。
このようにして求めた標高値に基づき、道路リンクと地
形形状を表示すると、図10(b)に示すように道路リ
ンクP2〜P7の間がトンネルになっていることを示す
表示にすることができるようになる。
【0154】逆に、実際には起伏があるにもかかわら
ず、リンクを定義している構成点の数が少ないために、
構成点間を直線で接続するだけでは実情の起伏を表現で
きない道路リンクについては、地形形状に沿って道路の
起伏を示す必要がある。そこで図10(b)の状態から
内部構成点を追加して同図(a)に示すように補正する
処理を行う。つまり、図10(b)に示すように道路リ
ンクがP1,P2,P7,P8である場合(この場合、
道路リンクP2−P7間は長い直線道路となってい
る)、この端点P2,P7間に内部構成点P3,P4,
P5,P6を付加し、それぞれの位置座標(x,y)を
求め、さらに上記の表示基準点の内挿による標高値算出
と同じ演算処理を行って各点の標高値h3,h4,h
5,h6を算出して同図(a)に示すようにP2〜P7
が実情通りに地表面に沿って表示させるようにするので
ある。この処理を実行する場合、道路リンク内の内部構
成点間の間隔は、サンプリング点密度に比較して密度が
低い場合(つまり、リンクが長い場合)には相当する構
成点間にこれを内分する新たな構成点を付加し、これを
該当するすべての構成点密度がサンプリング点密度以上
となるまで再帰的に繰り返し、その後に通常と同様に地
形データに基づいて各点P3〜P6の標高値を算出する
のである。
【0155】以上の補正処理は、地形形状が凹となる場
合の高架に相当する道路リンクや相当しない道路リンク
にも当てはめる。すなわち、図10(a)の点P2−P
7間は実際には高架である場合、それらの点P2〜P7
の構成点それぞれの属性からこれらの道路リンクが高架
であることが判明すると、この間の構成点P3〜P6に
ついては凹となった地形に対してその上空を渡る形態で
表示するのである。また逆に、図10(b)に示すよう
に点P2−P7間に1つの長い道路リンクになってい
て、その間の地形形状が凹である場合には、上記と同じ
処理によって相当する構成点P2,P7間にこれを内分
する新たな構成点を付加し、これを該当するすべての構
成点密度がサンプリング点密度以上となるまで再帰的に
繰り返し、その後に通常と同様に地形データに基づいて
各点P3〜P6の標高値を算出するのである。 地図表
示要素を示す図形データを作成する際、以上のようにし
て求められた各地図表示要素の標高値、またもともと地
図データが地図表示要素の位置情報を3次元座標値で記
述している場合には、その高さ方向座標値として与えら
れる標高値に対して、さらにある微小量のオフセットを
加えたものを表示用の高さ方向座標値として標高値のオ
フセット処理を行う。この高さのオフセットについて、
以下に説明する。
【0156】後述する描画処理の段階で隠面消去の処理
を行うが、たとえばある平面と数学的に厳密にその平面
上に存在する直線とを描画した場合、表面画面の解像度
や計算機の丸め誤差等によって実際の表示では直線がか
すれてしまったり、部分的に平面に隠されてしまったり
する現象が起きる。立体地図において、地表面上に道路
等を表示するときにこの現象が起きるのを避ける必要が
あるので(後述する基準線等の表示ではこのようなかす
れが発生した方が好ましい場合もある)、道路等の地図
表示要素の図形データ作成の際にはその高さ方向の座標
値を若干量上乗せする。ここで適当なオフセット値を厳
密に求めることは難しく、また中央演算処理装置の演算
負荷が過大となることもあるので、この実施の形態では
次の手順によって定めた段階的な値を適用する。
【0157】図11に示すように、いま視点よりも視点
高さオフセットhだけ下方の仮想地図平面上にあって、
この平面上で視点からdだけ離れた点Pを考える。点P
の高さをΔhだけ情報にシフトさせた点Qとするなら
ば、立体地図の表示画面内において本来仮想地図平面上
に存在する点Pを明瞭に表示するためには、2点P,Q
を後述する変換式に基づいて透視投影変換して求められ
る奥行き座標Pdepth,Qdepthの差があらかじめ設定さ
れている奥行き座標の分解能よりも大きくなればよい。
Qdepthは次の式(5)により与えられる。
【0158】
【数5】 ここで、f及びnは透視投影変換の対象空間を限定する
ための奥行き座標の上限値及び下限値であり、求めた奥
行き座標がこの範囲内に存在しないものはクリッピング
処理により表示されないことになる。Pdepthの値は、
上記の(5)式においてΔh=0を代入したものとなる
から、両者の差Δdepthは、次の式(6)のようにな
る。
【0159】
【数6】 一方、奥行き座標を記憶するレジスタの記憶容量をMと
する、すなわち、奥行き座標は0〜M−1の範囲の整数
値により保持されるものとすると、表示対象となる奥行
き座標の範囲が上述のようにn〜fであることを考慮し
て、分解能Resは、次のようになる。
【0160】
【数7】 この式(6),(7)からΔdepth>ResにおいてΔhに
ついて解けば、高さオフセットΔhの必要条件が求めら
れる。ここで、(6)式を参照すると、Δdepthの値は
dが小さいほど、すなわち点Pが視点に近いほどΔhに
対して大きくなる。したがって、あるdに対して求めた
Δhを一律に高さオフセットとして用いれば、それより
も視点に近い範囲では必ず条件が満たされることにな
る。実際、視点から遠く離れた範囲では投影画像は圧縮
されてしまうために、視認性は比較的低く、高さをオフ
セットさせて表示することの実質的な効果は少ない。そ
こでdの代表値として、点Pが視線と仮想地図平面との
交点にある場合、すなわち、d=hcos θにおけるΔde
pthの値を用いて条件式を解くことによって次の式
(8)を得る。
【0161】
【数8】 以上の導出において、点Pは仮想地図平面上に存在する
ものとしたが、視点と点Pとの標高差が変われば条件は
異なる。また本来、自由曲面である地表面を多面体形状
で近似しているため、道路等と地表面との標高値の誤差
はさらに大きくなる。したがって、(8)式の条件はご
く大まかな指標でしかなく、実際にはこの範囲内でより
大きな値にΔhを設定する必要がある。
【0162】さらに、地図データ2bとして記憶されて
いる地図表示要素が、道路リンク以外に、たとえば湖等
の水系やゴルフ場等の施設を表すポリゴンを含んでいる
場合には、前述と同様の理由によって水系、施設のオフ
セットされた標高値に対して道路の標高値はそれよりさ
らに上方にオフセットされなければならない。そこで、
たとえば、水系、施設の標高値のオフセットとしてΔh
を用いた場合、道路の標高値のオフセットには2Δhを
用いることができる。またさらに、誘導経路について
も、通常の道路よりもさらに大きいオフセット2Δh′
(>2Δh)を設定するようにする。
【0163】また地図データ2bとして記憶されている
地図表示要素ではないが、たとえば、表示基準点が自車
両の現在位置に相当し、これを示すための何らかの図形
(ここでは、車両現在地マーク)を作成して表示する場
合には、その標高値のオフセットとして、たとえば、2
Δhを用いることによって表示基準点を水系、施設に隠
されずに表示することができるようになり、さらに3Δ
hを用いるならば、表示基準点を道路に隠されずに表示
することができるようになる。
【0164】加えて、地名の表示用図形データ、つまり
文字列を作成する場合にも、標高値のオフセットが必要
である。地名の場合、地図データ2bに記憶されている
位置情報は、地名文字列の地図上の表示位置を特定する
代表点の座標である。したがって、代表点自体の標高値
を地表面等より上方にオフセットさせることは、直接の
目的ではない。しかし、たとえば図12に示すように代
表点の高さ座標が文字列下辺と一致する設定になってい
れば、文字列をその下辺まで明瞭に表示させるためには
地表面や他の表示要素等よりも上方に標高値を修正しな
ければならない。
【0165】さらに地名の場合は、表示文字列が長さを
持っているために、図12に示すように地表面が勾配を
持っている場合、代表点は地表面等より上方にあっても
文字列の一部が地表面等に潜り込む形で隠されてしまう
場合が起こり得る。これを避けるために、この実施の形
態では地表面の勾配と文字列の長さに応じて適当なオフ
セットを算出して標高をオフセットさせる。この場合、
図13(a)に示すように文字列の長さは透視投影図の
表示画面上のどこでも一定であるため、地図空間内の相
応する長さは同図(b)に示すように表示位置によって
変わることになる。そこで代表値として、表示画面中心
付近での1文字に相当する実空間距離Lをあらかじめ求
めておき、文字数nとの積によって文字列長を求める。
一方、代表点の2次元座標よりその近傍の3つの地形デ
ータサンプリング点を求め、これらより得られる面形状
からその最大勾配Ψを求めることができる。
【0166】
【数9】 ただし、ここにDx,Dy,Dzは(2)式によって求
められる値である。
【0167】そしてこれらの値から図14に示すように
地名を示す図形データの文字列長に見合った標高値のオ
フセットΔhstr を得る。
【0168】
【数10】 ただし、文字数が多い場合や勾配が大きい場合にはΔh
str も大きくなり、地名を本来表示したい位置から極端
に離れた位置に文字列が表示されてしまうことになりか
ねないので、あらかじめΔhstr の上限値を定めてお
き、(10)式の右辺がこの上限値を超える場合には上
限値を適用することにしてもよい。また逆に、勾配が小
さい場合にはΔhstr も小さくなり、たとえばΔhでオ
フセットした水系、施設ポリゴンの標高よりも小さくな
ることもあり得るので、下限値をたとえば2Δhに定め
て、(10)式の右辺との大きい方を標高値のオフセッ
トとして適用することにしてもよい。
【0169】以上の地図要素標高決定部3−5が実行す
るステップS305の地図データ読込、標高値決定ルー
チンを詳しく示したのが、図15のフローチャートであ
る。この図15のフローチャートに基づいてさらに説明
すると、地図表示要素の各々についてオフセットされた
標高値をすでに持っているかどうか判断し、そのような
標高値を持っていれば再計算する必要はないのでリター
ンする。しかしながら、オフセットされた標高値を持っ
ていない地図表示要素があれば、このルーチンにおいて
標高値のオフセットを行う(ステップS501)。
【0170】それにはまず、対象となる地図表示要素に
ついて、表示基準点の場合と同様に(1),(2)式に
基づいて地形データ2aより標高値を内挿する演算処理
を行う(ステップS502)。そして地図表示要素が道
路リンクであるか、水系、施設であるか、地名であるか
を判別し、道路リンクであれば(ステップS503)、
トンネルや高架かどうか判断し(ステップS504)、
トンネルや高架の場合には、両端を除く構成点ごとの標
高値を(4)式に基づき、両端点の標高値から内挿によ
って算出する(ステップS505)。またトンネルや高
架ではない場合には、逆に道路リンクの構成点密度が十
分あるかどうか判断し(ステップS506)、構成点密
度が十分でなければリンクを内分して構成点を付加し、
付加した各構成点について地形データより標高値を内挿
して算出する。
【0171】こうして道路リンクについて必要に応じて
トンネル、高架の処理、また構成点密度を増加させる処
理が終了すれば、構成点各々の標高値に対して、それが
誘導経路であるか通常の道路であるが判断し(ステップ
S508)、通常の道路であればあらかじめ設定したオ
フセットΔh1(たとえば、上述の2Δh)を加えて標
高値をオフセットさせ、誘導経路であれば通常の道路よ
りも大きいオフセットΔh1′(>Δh1)によって標
高値をオフセットさせる(ステップS509,S51
0)。
【0172】続いて、地図表示要素が水系、施設であれ
ば(ステップS511)、その標高値に対していちばん
低いオフセットΔh2(同じく、上述のΔh)を加える
オフセットを行う(ステップS512)。
【0173】さらに地図表示要素が地名である場合(ス
テップS513)、その地名表示の代表点の2次元平面
座標よりその近傍の3つの地形データサンプリング点を
求め、これより得られる面形状からその最大勾配Ψを求
め(ステップS514)、さらに(10)式によって文
字列長に見合ったオフセットΔhstr を求め(ステップ
S515)、さらにあらかじめ定めてある下限値Δh3
とこのオフセットΔhstr とを比較し、大きい方を標高
値のオフセットとして代表点の標高値に加える(ステッ
プS516)。
【0174】さらに地図表示要素が自車両位置である場
合(ステップS517)、これに対しては最大のオフセ
ットΔh4を標高値に加えるオフセットを行う(ステッ
プS518)。
【0175】こうしてすべての地図表示要素について標
高値の決定処理が完了すると、座標変換部3−6によっ
て図5のフローチャートにおけるステップS306の処
理、つまり、透視投影変換を実行することになる。この
透視投影変換では、地形形状、地図表示要素、表示基準
点等の表示用図形データに対して透視投影変換を施し、
表示画面上の座標値を算出する。この変換式を同次座標
系で表すと、次の(11)式のようになる。
【0176】
【数11】 ここに、ベクトルMは変換される表示用図形データの地
図空間座標(Mx,My,Mz)に第4成分として1を
加えたもの、Vx,Vy,Vzは(3)式で求められる
視点座標、φ,θは視線方向角及び俯角、f,nは奥行
き座標におけるクリッピング範囲を指定する上限及び下
限値、Dsは視点から表示画面までの理論的距離を画素
単位で表したものである。
【0177】変換の結果として得られる同次座標T=
(Tx,Ty,Tz,Tw)に対して、描画に用いられ
る2次元座標(Sx,Sy)は、Sx=Tx/Tw,S
y=Ty/Twにより求められる。また奥行き座標はS
z=Tz/Twとなる。
【0178】この透視投影変換処理の後、隠面消去描画
処理部3−7は隠面消去を含む描画処理を実行して画像
表示装置4に出力し、道路地図の立体的鳥瞰図表示を行
わせる(ステップS307)。
【0179】この処理では、座標変換後の各描画要素に
クリッピング処理等を施して描画する。x及びy方向の
クリッピングについては、表示画面の大きさによりあら
かじめ定められた描画範囲に基づき、(Sx,Sy)が
この範囲内にあるもののみを描画対象とし、それ以外の
部分は描画しない。また奥行き方向については、n≦S
z≦fの範囲内にあるもののみを描画対象とする。さら
に描画対象となった画素については、画素ごとに奥行き
座標を比較し、すでに描画した画素より奥行きの小さい
ものだけ更新描画することにより、隠面消去を有効にし
た立体地図の描画を行うのである。
【0180】描画対象となる各描画要素はあらかじめ定
められた描画色を用いて表示する。この場合、たとえば
地形形状については、図16に示すようにその標高値に
応じて連続的に変化する描画色を用いて描画することに
する。そしてこの場合、標高値とそれに割り付ける描画
色との対応関係をあらかじめ定めておき、たとえば、標
高値0〜50m、50〜100m、100〜200m、
200〜400mと標高値に幅を持たせ、その範囲に入
る標高値に対しては同一色を割り付けることによって図
16に示すように描画することができる。
【0181】また地形形状を表す多面体の面を描画する
と同時にその稜線も描画するようにしてもよい。そして
この場合に、図17に示すように全稜線のうち、緯線・
経線方向に対応するもののみを描画する(破線の稜線は
描画しない)ことにより、単に稜線を明確に表示して3
次元形状として地形を認識させる効果を高めることがで
きるだけでなく、立体地図において東西南北の方位をも
明確に認識させることができるようになる。
【0182】また各描画要素については表示画面上の相
当する画素を定められた描画色で画素ごとに塗りつぶす
ことにより実行されるが、画面座標(Sx,Sy)に位
置する画素を塗りつぶす際に、相当する奥行き座標Sz
を(Sx,Sy)に相当するレジスタに記憶しておき、
次に別の描画要素について同じ画素(Sx,Sy)を塗
ろうとする場合に、新たな奥行き座標Sz1をすでに相当
するレジスタに記憶されている値Sz0と比較して、Sz1
の方が小さい場合、すなわち、後から描画しようとする
要素の方が視点に近い場合にのみ相当する画素の描画色
とレジスタ内の奥行き座標とを更新し、そうでない場合
には更新を行わない。この処理はZバッファリングと呼
ばれる隠面消去の一手法であり、各描画要素を描画する
順序に関係なく、常に視点に対して近いものが画素ごと
に表示される。
【0183】このようなZバッファリングを有効にして
おくことにより、図18に示すように向こう側に存在す
る描画要素は同一視線上で重なる部分だけが隠されて表
示され、視点の移動に応じてその可視範囲が徐々に変化
するように表示され、より現実的な表現ができることに
なる。
【0184】さらに道路リンク等の隠面消去により非可
視化されても、その存在位置が地図情報として重要であ
るような描画要素(たとえば誘導経路)については、図
19(a)に示すように隠される部分についても同図
(b)に示すように描画色を変えて表示したり、あるい
は同図(c)に示すように破線で表示したりすることに
してもよい。このためには、たとえば、地形形状と道路
リンクを通常のZバッファリングにより描画した後、奥
行き座標Sz0,Sz1との比較条件を逆に設定し、視点か
らより遠い道路リンクについては描画色を変えたり、破
線にしたりして再描画する手法を追加することによって
実現する。なお、この描画色の変更には、たとえば、道
路リンクの本来の描画色とすでに表示されている地形形
状の描画色とを混合した色とすることにより、地形形状
を透かして道路が見えているような効果を与えることが
できる。
【0185】こうしてステップS307までの描画処理
の実行により1枚の立体地図画面を作成して画像表示装
置4に表示させることができ、さらにステップS308
において地図表示を続けるか否かが判断され、続ける場
合にはステップS301に戻って次の画面の作成、表示
のための手続を繰り返す。なお、継続しない場合には以
上の一連の処理手続を終了し、自車位置検出や経路計算
等のナビゲーションシステムの別処理に移る。
【0186】このようにして本発明の第1の実施の形態
による立体鳥瞰図による地図画面は図20のようにな
り、実際の地形形状の標高値データ及び地図データに基
づいて立体的に表現された地形形状の上に地図表示要素
を配した立体地図を作成して表示することができ、強い
現実感を利用者に与える地図表示ができ、現在位置の確
認や周囲環境との関連性を直感的に認識させることがで
きる。
【0187】次に、本発明の第2の実施の形態を図21
〜図25に基づいて説明する。この第2の実施の形態の
特徴とするところは、演算処理装置3における座標変換
部3−6が実行した透視投影変換処理結果のデータに対
して、第1の実施の形態のように隠面消去処理を省略
し、代わりに、表示対象領域における視点に対して奥の
方の面から順次上書き形式で手前側まで描画する処理を
行うことによって第1の実施の形態と同様に図20に示
すような立体地図の描画ができるようにした点にある。
【0188】この第2の実施の形態の構成について、図
21に基づいて説明する。ハードウェア構成は図1に示
した第1の実施の形態と同じであるが、演算処理装置3
における演算処理機能の構成に変更が加えられている。
演算処理装置3は、第1の実施の形態と同様の表示対象
領域決定部3−1〜視点座標決定部3−4を備えてい
る。そして第1の実施の形態と異なる構成要素として地
図要素標高決定部3−5′、座標変換部3−6′、地形
形状描画処理部3−8、地図要素標高比較部3−9及び
地図要素描画処理部3−10を備えている。
【0189】新たな構成要素のうち、地図要素標高決定
部3−5′は、表示対象領域内の地図要素データを地図
データ2bから読込み、標高値が登録されていなければ
表示基準点標高決定部3−3と同じようにその代表点を
囲むサンプリング点3点を用いて(1),(2)式に基
づく内挿によって相当する標高値を算定する部分である
が、第1の実施の形態と異なり、標高値のオフセットは
設定しない。
【0190】座標変換部3−6′は、透視投影変換によ
り表示画面上の2次元座標(Sx,Sy)を求める部分
であるが、第1の実施の形態と異なり、奥行き座標Sz
は求めない。
【0191】地形形状描画処理部3−8は、地形形状を
示す多面体を視点に対して奥の方の面から順次上書きに
より描画する部分である。この地形形状の描画処理で
も、標高値に応じて描画色を変化させる。地図要素標高
比較部3−9は、各地図表示要素に対して、道路、水
系、施設等の場合には各構成点、地名の場合には代表点
のみについてその標高値と画面上の同じ位置にすでに描
画されている地形標高値とを比較する部分である。ここ
で地図表示要素の標高値の方が小さくなければ地表面よ
りも手前にあるとする。図22(a),(b)に示すよ
うに、鳥瞰図上で点Pの位置に地図表示要素を描画しよ
うとした場合、地形形状がすでに標高値に応じた描画色
で描画されているならば、点Pの画素の色は視線上、視
点にもっとも近い点Aの標高値h1を示している。した
がって、描画しようとする地図要素の標高値がこれより
も小さいならば、この地図要素は同図では山の裏側の点
Bに存在することになり、隠れて見えないことになる。
【0192】地図要素描画処理部3−10は、道路等の
場合、各線素について両端点共に地表面よりも標高値が
小さくなければ通常通り描画し、少なくとも一方の端点
が地表面よりも低ければ色を変えて描画し、または破線
で描画し、または描画せず(これはあらかじめいずれに
するかは設定しておく)、また面図形で表わされる水
系、施設等の場合には、これを構成する各面素(小多角
形)についてすべての頂点が地表面よりも標高値が小さ
くなければ通常通り描画し、少なくとも1つの頂点が地
表面よりも低ければ色を変えて描画し、または稜線のみ
を破線で描画し、または描画せず、さらに地名等の場合
には代表点の標高値が小さくなければ描画し、小さけれ
ば描画しないという処理を実行し、その指示を画像表示
装置4に出力する部分である。すなわち、図23に示す
ように、地形形状を多面体に近似してモデル化している
ので、道路の標高値を構成点ごとに求めても、構成点間
の地形形状が凸であれば道路を見えなくなる。第1の実
施の形態で実行する隠面消去処理では画素ごとに見えて
いるか隠れているかを判別するために、両端点が見えて
いても部分的に道路が消えてしまうことが起こり得る。
しかしこの第2の実施の形態では、両端点のみの見え隠
れを判別することによって線分全体を描画するか否かを
決定することにより、演算処理の単純化ができ、またト
ンネルでないところで道路が途切れる現象を避けること
ができる。
【0193】以上の構成の第2の実施の形態のナビゲー
ションシステムの動作について、図24及び図25のフ
ローチャートに基づいて説明する。演算処理装置3にお
ける表示対象領域決定部3−1により表示対象領域の決
定し(ステップS301)、地形形状モデリング部3−
2により地形データを読込んで地形形状のモデル化を行
い(ステップS302)、表示基準点標高決定部3−3
により表示基準点標高値を決定し(ステップS30
3)、視点座標決定部3−4により視点座標を決定する
手順(ステップS304)は図5のフローチャートに示
した第1の実施の形態の手順と共通する。
【0194】そしてこれらの処理の後、地図要素標高決
定部3−5′は第1の実施の形態の地図要素標高決定部
3−5と同様に表示対象領域決定部3−1が決定した表
示対象領域に基づき、外部記憶装置2の地図データ2b
からその表示対象領域内の道路、地名等の地図要素デー
タを読込み、また標高値データがない場合には表示基準
点標高値の算出手順と同様に内挿によって相当する標高
値を決定する。ただし、この実施の形態の場合には図1
5のフローチャートにおける標高値のオフセット処理は
行わない(ステップS305′)。
【0195】続いて座標変換部3−6′により、第1の
実施の形態の座標変換部3−6と同様に透視投影変換を
実行し、変換の結果として得られる前述の同次座標T=
(Tx,Ty,Tz,Tw)に対して、描画に用いられ
る2次元座標(Sx,Sy)をSx=Tx/Tw,Sy
=Ty/Twにより求める。ただし、この実施の形態の
場合には奥行き座標Szは求めない(ステップS30
6′)。
【0196】続いて、地形形状描画処理部3−8は地形
形状を表す多面体を、視点に対して奥の方の面から順に
上書きモードで描画処理して画像表示装置4に表示させ
る。この際、標高値に応じて描画色を変化させる(ステ
ップS310)。
【0197】さらに地図要素標高比較部3−9と地図要
素描画処理部3−10とが連携し、表示対象領域内の各
地図表示要素に対して、それが地名等であるかどうか判
断し(ステップS311)、それが地名のような代表点
と文字列を含むデータであれば代表点の標高値をその代
表点の2次元座標における地形の標高値と比較し(ステ
ップS312)、そして代表点の標高値が地形の標高値
と等しいかより大きい場合には代表点に割り付けられて
いる文字列のような地図要素を地形形状に上書きする
(ステップS313)。
【0198】ステップS311の判断で、地図要素が地
名等でなければ、次に地図要素が道路、河川、鉄道のよ
うな線図形であるかどうか判断する(ステップS31
4)。そして線図形の場合には、各リンクの端点1(一
方の端点)、端点2(他方の端点)それぞれの標高値を
該当する2次元座標の地形の標高値と比較し(ステップ
S315,S316)、両端点が地形の標高値と等しい
かより大きいときにはこの線図形の地図表示要素を地形
表示上に上書きする(ステップS317)。しかしなが
ら、いずれかの端点の標高値が相応する座標の地形の標
高値よりも小さい場合には、あらかじめ設定されている
オプションに応じて、当該端点1,2間を結ぶ線図形の
地図要素を描画色を変えて、または破線にして上書き
し、あるいは描画しない処理を行う(ステップS31
8)。
【0199】さらにステップS314の判断で、地図要
素が線図形でもなければ、湖沼、流域の広い河川あるい
は駅施設、ゴルフ場その他の水系、施設を表す面図形で
あるので、その面図形を図4に示す方法で分割した小多
角形の各頂点1〜nのすべてが地形の標高値と等しいか
それよりも大きいかどうか判断し(ステップS319−
1〜319−n)、いずれの頂点1〜nも地形の標高値
と等しいかより大きい場合にはその面図形の地図表示要
素を地形表示上に上書きする(ステップS3110)。
しかしながら、面図形の小多角形の頂点1〜nのいずれ
かが地形の標高値より小さい場合(ステップS319−
1〜S319−nのいずれかでYESに分岐する場合)
には、面図形の地図要素を描画色を変えて、または稜線
を破線にして上書きし、あるいは描画しない処理を行う
(ステップS3111)。
【0200】そして以上のステップS311〜S311
1の処理を表示対象領域に含まれるすべての地図要素に
ついて繰り返し実行する。また自車両位置マークのよう
な表示基準点マークの表示もこの地図要素の表示に準じ
て行う(ステップS3112)。これによって画像表示
装置4の画面には図20に示したのと同様に、道路地図
の立体鳥瞰図表示が行えることになる。
【0201】さらにステップS3113において地図表
示を続けるか否かが判断され、続ける場合にはステップ
S301に戻って次の画面の作成、表示のための手続を
繰り返す。なお、継続しない場合には以上の一連の処理
手続を終了し、自車位置検出や経路計算等のナビゲーシ
ョンシステムの別処理に移る。
【0202】このようにして本発明の第2の実施の形態
によれば、第1の実施の形態と同様に実際の地形形状の
標高値データ及び地図データに基づいて立体的に表現さ
れた地形形状の上に地図表示要素を配した立体地図を作
成して表示することができ、現実感を利用者に与える地
図表示ができ、現在位置の確認や周囲環境との関連性を
直感的に認識させることができる。
【0203】しかも第2の実施の形態の場合、中央演算
処理装置に大きな負担をかける隠面消去処理をする必要
がないために中央演算処理装置の負担が軽減し、実用化
するためにシステムに搭載すべき中央演算処理装置に要
求される性能を低くすることができ、その分コストの低
廉化が図れる。また逆に、システムが高性能中央演算処
理装置を搭載している場合には描画処理がそれだけ高速
化できることにもなる。加えて、第2の実施の形態の場
合、地形形状の近似誤差による道路等の線図形の途切れ
をなくすことができ、正しく表示することができるよう
になる。
【0204】次に、本発明の第3の実施の形態を図26
に基づいて説明する。この第3の実施の形態のナビゲー
ションシステムのハードウェア構成は図1に示した第1
の実施の形態、図21に示した第2の実施の形態それぞ
れと同じであるが、外部記憶装置2に記憶されているデ
ータ種別、また演算処理装置3における演算処理機能の
構成に変更が加えられている。
【0205】外部記憶装置2には第1の実施の形態と同
様の地形データ2aを記憶しているが、地図データは地
形、アイコン等の代表点位置情報と地名文字列等の付帯
情報、さらに水系、施設等の面図形で表わされる地図要
素の位置情報と接続形態等の付帯情報とを記憶する地
名、背景データ2b1と、道路、鉄道、河川等の線図形
で表わされる地図要素の位置情報と各属性等の付帯情報
とを記憶する線図形データ2b2に分けて記憶してい
る。
【0206】演算処理装置3は、第1の実施の形態と同
様の表示対象領域決定部3−1〜視点座標決定部3−4
を備えている。そして第1の実施の形態と異なる構成要
素として地図要素標高決定部3−5″、座標変換部3−
6″、隠面消去描画処理部3−7′、線図形データ標高
比較部3−11及び線図形データ描画処理部3−12を
備えている。
【0207】新たな構成要素のうち、地図要素標高決定
部3−5″は、表示対象領域内の地図要素データを外部
記憶装置2の地名、背景データ2b1と線図形データ2
b2から読込み、標高値が登録されていなければ表示基
準点標高決定部3−3と同じようにその代表点を囲むサ
ンプリング点3点を用いて(1),(2)式に基づく内
挿によって相当する標高値を算定する部分である。ただ
し、第1の実施の形態と異なり、線図形データについて
は標高値のオフセットは設定しない。
【0208】座標変換部3−6″は、第1の実施の形態
と同様に透視投影変換により表示画面上の2次元座標
(Sx,Sy)を求め、また線図形データ2b2以外の
地図表示要素、つまり地名、背景データ2b1と地形デ
ータ2aについては奥行き座標Szも求める部分であ
る。
【0209】隠面消去描画処理部3−7′は、第1の実
施の形態と同様の処理によって線図形データ以外のデー
タ、つまり地形データ、地名、背景データに対して隠面
消去を有効にして画像表示装置4に表示させる部分であ
る。
【0210】線図形データ標高比較部3−11は、第2
の実施の形態の地図要素標高比較部3−9と同様に線図
形データの各線素の端点の標高値と画面上の同じ位置に
すでに描画されている地形標高値(描画色により与えら
れている)とを比較する部分である。
【0211】そして線図形データ描画処理部3−12
は、第2の実施の形態の地図要素描画処理部3−10と
同様に線図形データの各線素について、両端点共に地表
面よりも標高値が小さくなければ通常通り描画し、少な
くとも一方の端点が地表面よりも低ければ色を変えて描
画し、または破線で描画する処理を行い、あるいは描画
しないことにして何も出力しない部分である。
【0212】次に、上記の第3の実施の形態のナビゲー
ションシステムの動作について、図27のフローチャー
トに基づいて説明する。演算処理装置3における表示対
象領域決定部3−1により表示対象領域の決定し(ステ
ップS301)、地形形状モデリング部3−2により地
形データを読込んで地形形状のモデル化を行い(ステッ
プS302)、表示基準点標高決定部3−3により表示
基準点標高値を決定し(ステップS303)、視点座標
決定部3−4により視点座標を決定する手順(ステップ
S304)は図5のフローチャートに示した第1の実施
の形態の手順と共通する。
【0213】そしてこれらの処理の後、地図要素標高決
定部3−5″は第1の実施の形態の地図要素標高決定部
3−5と同様に表示対象領域決定部3−1が決定した表
示対象領域に基づき、地図要素データを外部記憶装置2
の地名、背景データ2b1、線図形データ2b2からそ
の表示対象領域内の道路、地名等の地図要素データを読
込み、また標高値データがない場合には表示基準点標高
値の算出手順と同様に内挿によって相当する標高値を決
定する。ただし、この第3の実施の形態の場合にも、図
15のフローチャートにおける標高値のオフセット処理
は線図形データに対しては行わない(ステップS30
5″)。
【0214】続いて座標変換部3−6″により、第1の
実施の形態の座標変換部3−6と同様に透視投影変換を
実行し、変換の結果として得られる前述の同次座標T=
(Tx,Ty,Tz,Tw)に対して、描画に用いられ
る2次元座標(Sx,Sy)をSx=Tx/Tw,Sy
=Ty/Twにより求め、また線図形データ以外のデー
タ(つまり、地形データ及び地名、背景データ)につい
て、奥行き座標Sz(=Tz/Tw)を求める(ステッ
プS306″)。
【0215】続いて、隠面消去描画処理部3−7′は、
地形データ、地名、背景データ等の線図形データ以外の
データについて第1の実施の形態の隠面消去描画処理部
3−7と同様に隠面消去を有効にして画像表示装置4に
表示させる(ステップS307′)。
【0216】そしてさらに、線図形データ標高比較部3
−11と線図形データ描画処理部3−12とが連携し、
表示対象領域内の各線図形に対して、各リンクの端点1
(一方の端点)、端点2(他方の端点)それぞれの標高
値を該当する2次元座標の地形の標高値と比較し(ステ
ップS320〜S322)、両端点が共にそれぞれの座
標の地形の標高値よりも大きいときにはこの線図形を地
形及び地名、アイコン等の表示上に上書きする(ステッ
プS323)。しかしながら、いずれかの端点の標高値
が相応する座標の地形の標高値よりも小さい場合にはあ
らかじめ設定されているオプションに応じて、当該端点
間を結ぶ線図形の地図要素を描画色を変えて、または破
線にして上書きし、あるいは描画しない処理を行う(ス
テップS324)。そして以上のステップS320〜S
324の処理を表示対象領域に含まれるすべての線図形
について繰り返し実行する(ステップS325)。
【0217】これによって画像表示装置4の画面には図
20に示したのと同様に、道路地図の立体鳥瞰図表示が
行えることになる。
【0218】さらにステップS326において地図表示
を続けるか否かが判断され、続ける場合にはステップS
301に戻って次の画面の作成、表示のための手続を繰
り返す。なお、継続しない場合には以上の一連の処理手
続を終了し、自車位置検出や経路計算等のナビゲーショ
ンシステムの別処理に移る。
【0219】このようにして本発明の第3の実施の形態
によれば、第1の実施の形態と同様に実際の地形形状の
標高値データ及び地図データに基づいて立体的に表現さ
れた地形形状の上に地図表示要素を配した立体地図を作
成して表示することができ、強い現実感を利用者に与え
る地図表示ができ、現在位置の確認や周囲環境との関連
性を直感的に認識させることができる。
【0220】しかも第3の実施の形態の場合、道路等の
線図形は端点のみにより見え隠れを判別するために、地
形形状の近似誤差による途切れをなくすことができ、ま
た地名、アイコン等の隠面消去による描画処理を行うた
めに代表点が隠れていても部分的に表示することがで
き、立体感をさらに高めることができる。
【0221】なお、上記の第1〜第3の実施の形態では
ナビゲーションシステムについて説明したが、これらの
ナビゲーションシステムの演算処理装置3に組み込まれ
た各種処理機能部についてはソフトウェアプログラムに
して内部記憶装置に組み込み、あるいはアプリケーショ
ンソフトウェアプログラムとして適当な記憶媒体に記憶
させて、使用に際して演算処理装置3の内部記憶装置に
読み込ませて実行する方式とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能ブロック図。
【図2】上記の実施の形態における地形データ構造の一
例を示す説明図。
【図3】上記の実施の形態における地形データ構造の他
の例を示す説明図。
【図4】上記の実施の形態における面図形のデータ構造
を示す説明図。
【図5】上記の実施の形態による地図表示処理のフロー
チャート。
【図6】上記の実施の形態における視点、表示対象領域
の決定原理を示す説明図。
【図7】上記の実施の形態における地形形状のモデリン
グを示す説明図。
【図8】上記の実施の形態における表示対象領域中のサ
ンプリング点の決定方法の他の例を示す説明図。
【図9】上記の実施の形態における表示基準点の標高値
算定方法を示す説明図。
【図10】上記の実施の形態におけトンネル内の道路の
標高値の内挿処理及び地形形状に応じた道路構成点の付
加処理の原理を示す説明図。
【図11】上記の実施の形態における地図表示要素のオ
フセットの設定原理を示す説明図。
【図12】上記の実施の形態における地名の文字列の隠
れ現象を示す説明図。
【図13】上記の実施の形態における地名文字幅の地図
上での相対距離及び絶対距離を示す説明図。
【図14】上記の実施の形態における地名の文字列に対
するオフセットの設定例を示す説明図。
【図15】上記の実施の形態における標高値決定処理の
フローチャート。
【図16】上記の実施の形態における地形データに基づ
いて作成した多面体形状の一表示例を示す説明図。
【図17】上記の実施の形態における地形データに基づ
いて作成した多面体形状の他の表示例を示す説明図。
【図18】上記の実施の形態における視点の移動による
地名表示の変化を示す説明図。
【図19】上記の実施の形態における道路の隠れ部分の
表示例を示す説明図。
【図20】上記の実施の形態による道路地図の立体鳥瞰
図表示例を示す説明図。
【図21】本発明の第2の実施の形態の機能ブロック
図。
【図22】上記の実施の形態における立体鳥瞰図表示の
原理を示す説明図。
【図23】上記の実施の形態における道路の隠れた部分
の表示処理を示す説明図。
【図24】上記の実施の形態による地図表示処理の前段
のフローチャート。
【図25】上記の実施の形態による地図表示処理の後段
のフローチャート。
【図26】本発明の第3の実施の形態の機能ブロック
図。
【図27】上記の実施の形態による地図表示処理のフロ
ーチャート。
【図28】従来例の道路地図の鳥瞰図表示を示す説明
図。
【符号の説明】
1 表示基準点等入力装置 2 外部記憶装置 2a 地形データ 2b 地図データ 2b1 地名、背景データ 2b2 線図形データ 3 演算処理装置 4 画像表示装置 3−1 表示対象領域決定部 3−2 地形形状モデリング部 3−3 表示基準点標高決定部 3−4 視点座標決定部 3−5,3−5′,3−5″ 地図要素標高決定部 3−6,3−6′,3−6″ 座標変換部 3−7,3−7′ 隠面消去描画処理部 3−8 地形形状描画処理部 3−9 地図要素標高比較部 3−10 地図要素描画処理部 3−11 線図形データ標高比較部 3−12 線図形データ描画処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大泉 謙 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 岸 則政 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地形平面座標に対して標高値を与えるこ
    とのできる地形形状データを記憶する地形データ記憶手
    段と、 道路、地名等の地図上に表示する地図表示要素の位置情
    報及び付帯情報を記憶する地図データ記憶手段と、 表示される地図の位置、方向を決定するための表示基準
    点位置座標及び視線方向角を入力する表示基準点等入力
    手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角にしたがって画面上に表示される
    地図上の対象領域(表示対象領域)を決定する表示対象
    領域決定手段と、 前記表示対象領域決定手段によって決定された表示対象
    領域に相当する地形形状データを前記地形データ記憶手
    段から読込み、この地形形状データを用いて地形の形状
    モデル化を行う地形形状モデリング手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標と前記地形形状モデリング手段によって得られた
    地形形状モデルとから前記表示基準点の標高値を決定す
    る表示基準点標高決定手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角と、前記表示基準点標高決定手段
    によって決定された表示基準点標高値とから透視投影変
    換の視点座標を決定する視点座標決定手段と、 前記地図データ記憶手段から前記表示対象領域に相当す
    る地図表示要素を読込み、必要に応じて前記地形形状モ
    デリング手段によって得られた地形形状モデルに基づい
    て各地図表示要素の標高値を決定し、表示用図形データ
    を作成する地図要素標高決定手段と、 前記視点座標決定手段によって決定された視点座標と前
    記表示基準点等入力手段から入力された視線方向角とに
    基づいて前記地形形状モデルと前記標高値の決定された
    地図表示要素とを透視投影変換する座標変換手段と、 前記座標変換手段によって透視投影変換されたデータか
    ら立体地図画像を生成する描画処理手段と、 前記立体地図画像を表示する画像表示手段とを備えて成
    るナビゲーションシステム。
  2. 【請求項2】 前記描画処理手段は、前記座標変換手段
    によって透視投影変換されたデータを隠面消去を実行し
    ながら立体地図画像を生成することを特徴とする請求項
    1に記載のナビゲーションシステム。
  3. 【請求項3】 前記描画処理手段は、誘導経路を通常の
    道路と異なった描画色若しくは線種によって描画するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーショ
    ンシステム。
  4. 【請求項4】 前記地形形状モデリング手段は、前記表
    示対象領域決定手段が決定した表示対象領域内に所定密
    度のサンプリング点群を設定し、各サンプリング点の平
    面座標(x,y)に対して相当する標高値zを前記地形
    データ記憶手段より読込んで3次元サンプリング点
    (x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点
    群を所定のルールにしたがって稜線で接続することによ
    って開いた多面体形状の地形形状モデルを作成すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナビゲー
    ションシステム。
  5. 【請求項5】 前記地形形状モデリング手段は、前記表
    示対象領域のうちの視点座標から近い部分領域において
    は分布密度の高いサンプリング点群を設定し、前記視点
    座標から遠い部分領域においては分布密度の低いサンプ
    リング点群を設定することを特徴とする請求項4に記載
    のナビゲーションシステム。
  6. 【請求項6】 前記視点座標決定手段は、前記表示基準
    点標高決定手段が決定した表示基準点標高値にしたがっ
    て前記視点座標の標高座標値を変化させることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のナビゲーションシ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記視点座標決定手段は、前記表示基準
    点標高決定手段が決定した表示基準点標高値に対して一
    定のオフセットを加えて前記視点座標の標高値を決定す
    ることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記地図要素標高決定手段は、前記地図
    データ記憶手段に記憶されている地図データが道路と地
    名を含む地図表示要素の標高を除く位置情報を2次元座
    標の形で記憶するものである場合、前記地図表示要素の
    有する2次元位置座標に対して、地形形状モデリング手
    段により形状モデル化された地形形状モデルを参照して
    対応する2次元位置座標の標高値を読出し、この標高値
    を含めた3次元座標で表現される地図表示要素の表示用
    図形データを作成することを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載のナビゲーションシステム。
  9. 【請求項9】 前記地図データ記憶手段に記憶されてい
    る地図データが、少なくとも道路線素を構成する点群の
    2次元座標で記述された位置情報と、相当する道路線素
    が高架またはトンネルであるか否かを示す道路種別情報
    とを有し、 前記地図要素標高決定手段は、前記道路線素構成点の2
    次元位置情報と前記地形形状モデルとに基づいて当該構
    成点の標高値を決定する際に、当該構成点が高架または
    トンネルである一連の道路線素群の内部構成点である場
    合には、当該地形形状モデルに基づかずに、高架または
    トンネルである一連の道路線素群の両端点を示す2つの
    構成点のすでに算出された標高値から当該内部構成点の
    標高値を算出することを特徴とする請求項8に記載のナ
    ビゲーションシステム。
  10. 【請求項10】 前記地図データ記憶手段に記憶されて
    いる地図データが、少なくとも道路線素を構成する点群
    の2次元座標で記述された位置情報と、相当する道路線
    素が高架またはトンネルであるか否かを示す道路種別情
    報とを有し、 前記地図要素標高決定手段は、前記道路線素構成点の位
    置情報と前記地形形状データの標高値とに基づいて当該
    構成点の標高値を算出する際に、当該構成点に相当する
    道路線素が高架またはトンネルでなく、かつ当該構成点
    の密度が前記地形形状モデリング手段が設定したサンプ
    リング点群の密度よりも小さい場合に、前記道路線素に
    対してこれを内分する点を新たな構成点として付加し、
    この付加した構成点に対して、前記地形形状モデリング
    手段による地形形状モデルを参照して標高値を算出する
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のナビゲーシ
    ョンシステム。
  11. 【請求項11】 前記地図要素標高決定手段は、道路、
    鉄道、水系及び施設の表示用図形データを作成する際
    に、外部から与えられ、若しくは自ら決定する本来の標
    高値に対して、あらかじめ定められたオフセット値を加
    えたものを当該道路、鉄道、水系及び施設の高さ方向の
    座標値として決定し、表示用図形データを作成すること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のナビゲ
    ーションシステム。
  12. 【請求項12】 前記地図要素標高決定手段は、前記道
    路、鉄道、水系及び施設の本来の標高値に対して加える
    オフセット値として、前記道路及び鉄道に用いるオフセ
    ット値は前記水系及び施設に用いるオフセット値よりも
    大きい値とすることを特徴とする請求項11に記載のナ
    ビゲーションシステム。
  13. 【請求項13】 前記地図要素標高決定手段は、前記オ
    フセット値として、前記誘導経路に用いるオフセット値
    を前記道路及び鉄道に用いるオフセット値よりも大きい
    値とすることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに
    記載のナビゲーションシステム。
  14. 【請求項14】 前記地図要素標高決定手段は、車両現
    在位置を示す図形データの標高値を決定する際に、前記
    地形形状モデリング手段による地形形状モデルに基づい
    て決定した標高値に対して、あらかじめ定められたオフ
    セット値を加えたものを当該車両現在位置の高さ方向の
    座標値として決定し、前記図形データを作成することを
    特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のナビゲー
    ションシステム。
  15. 【請求項15】 前記地図要素標高決定手段は、前記車
    両現在位置を示す図形データの標高値に対して加えるオ
    フセット値として、前記道路及び鉄道に対して用いるオ
    フセット値よりも大きい値を用いることを特徴とする請
    求項14に記載のナビゲーションシステム。
  16. 【請求項16】 前記地図要素標高決定手段は、地名の
    表示位置を示す点の表示用図形データを作成する際に、
    外部から与えられ、若しくは自ら決定する本来の標高値
    に対して、前記道路に対して定められたオフセット値よ
    りも大きいオフセット値を加えたものを当該地名の表示
    位置を示す点の高さ方向の座標値として決定し、表示用
    図形データを作成することを特徴とする請求項1〜15
    のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
  17. 【請求項17】 前記地図要素標高決定手段は、地名の
    表示位置を示す点の表示用図形データを作成する際に、
    外部から与えられ、若しくは自ら決定する本来の標高値
    に対して、当該表示位置に表示される文字列のいずれの
    文字も当該文字の表示位置における地形形状に隠される
    ことがない値だけのオフセット値を加えたものを当該地
    名の表示位置を示す点の高さ方向の座標値として決定
    し、表示用図形データを作成することを特徴とする請求
    項1〜16のいずれかに記載のナビゲーションシステ
    ム。
  18. 【請求項18】 前記描画処理手段は、前記座標変換手
    段による透視投影変換の結果、地形形状と地図表示要素
    を含む各描画要素のうち複数の描画要素が前記視点から
    発する同一直線上に重なり部分を持つ場合、当該視点か
    らより遠くに存在する描画要素を表示する際に前記重な
    り部分を除いた部分のみを前記画像表示手段に表示させ
    ることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の
    ナビゲーションシステム。
  19. 【請求項19】 前記描画処理手段は、前記座標変換手
    段による透視投影変換の結果、地形形状と地図表示要素
    を含む各描画要素のうち複数の描画要素が前記視点から
    発する同一直線上に重なり部分を持つ場合、当該視点か
    らより遠くに存在する描画要素を表示する際に前記重な
    り部分を前記画像表示手段に他の部分と異なる色で表示
    させることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記
    載のナビゲーションシステム。
  20. 【請求項20】 前記異なる色として、前記描画要素の
    重なり部分以外の部分を表示する色と当該描画要素と重
    なり部分を持つ他の描画要素を表示する色とを定められ
    た比率に基づいて混合した色を用いることを特徴とする
    請求項19に記載のナビゲーションシステム。
  21. 【請求項21】 前記描画処理手段は、前記座標変換手
    段による透視投影変換の結果、地形形状と地図表示要素
    を含む各描画要素のうち複数の描画要素が前記視点から
    発する同一直線上に重なり部分を持つ場合、前記視点か
    らより遠くに存在する描画要素が線図形であるときに当
    該重なり部分を前記画像表示手段に破線で表示させるこ
    とを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載のナビ
    ゲーションシステム。
  22. 【請求項22】 前記描画処理手段は、地形形状を示す
    前記多面体形状を描画する際に、標高に応じて変化する
    描画色を用いて当該多面体形状の各面を描画することを
    特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載のナビゲー
    ションシステム。
  23. 【請求項23】 前記描画処理手段は、地形形状を示す
    前記多面体形状を描画する際に、前記各面を標高に応じ
    た描画色によって描画すると共に、前記頂点間各々を接
    続する稜線群を描画することを特徴とする請求項22に
    記載のナビゲーションシステム。
  24. 【請求項24】 前記頂点間各々を接続する稜線群のう
    ち、経線、緯線方向と一致する向きの稜線群のみを描画
    することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーショ
    ンシステム。
  25. 【請求項25】 地形平面座標に対して標高値を与える
    ことのできる地形形状データを記憶する地形データ記憶
    手段と、 道路、地名等の地図上に表示する地図表示要素の位置情
    報及び付帯情報を記憶する地図データ記憶手段と、 表示される地図の位置、方向を決定するための表示基準
    点位置座標及び視線方向角を入力する表示基準点等入力
    手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角にしたがって画面上に表示される
    地図上の対象領域(表示対象領域)を決定する表示対象
    領域決定手段と、 前記表示対象領域決定手段が決定した表示対象領域内に
    所定密度のサンプリング点群を設定し、各サンプリング
    点の平面座標(x,y)に対して相当する標高値zを前
    記地形データ記憶手段より読込んで3次元サンプリング
    点(x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング
    点群を所定のルールにしたがって稜線で接続することに
    よって開いた多面体形状の地形形状モデルを作成する地
    形形状モデリング手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標と前記地形形状モデリング手段によって得られた
    地形形状モデルとから前記表示基準点の標高値を決定す
    る表示基準点標高決定手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角と、前記表示基準点標高決定手段
    によって決定された表示基準点標高値とから透視投影変
    換の視点座標を決定する視点座標決定手段と、 前記地図データ記憶手段から前記表示対象領域に相当す
    る地図表示要素を読込み、必要に応じて前記地形形状モ
    デリング手段によって得られた地形形状モデルに基づい
    て各地図表示要素の標高値を決定し、表示用図形データ
    を作成する地図要素標高決定手段と、 前記視点座標決定手段によって決定された視点座標と前
    記表示基準点等入力手段から入力された視線方向角とに
    基づいて前記地形形状モデルと前記標高値の決定された
    地図表示要素とを透視投影変換する座標変換手段と、 前記座標変換手段によって透視投影変換された地形形状
    を示す多面体を、前記視点に対して奥の方の面から上書
    きにより描画し、立体地図画像を出力する地形形状描画
    処理手段と、 前記地図要素標高決定手段によって決定された地図表示
    要素それぞれの表示位置の標高値と相応する地形形状の
    標高値とを比較する地図要素標高比較手段と、 前記地図要素標高比較手段の比較結果に基づき、前記地
    図表示要素の方が相応する地形形状と標高値が等しいも
    のまたはより大きいものについて前記地形形状に上書き
    により描画する地図要素描画処理手段と、 前記地形形状描画処理手段からの立体地図画像と前記地
    図要素描画処理手段からの地図要素画像とを合成して表
    示する画像表示手段とを備えて成るナビゲーションシス
    テム。
  26. 【請求項26】 前記地図要素標高比較手段は、前記地
    図表示要素それぞれの表示位置の標高値と相応する地形
    形状の標高値とを地形描画色に基づいて比較することを
    特徴とする請求項25に記載のナビゲーションシステ
    ム。
  27. 【請求項27】 前記地図要素描画処理手段は、前記地
    図表示要素が誘導経路である場合に前記地図表示要素が
    通常の道路である場合と異なった描画色若しくは異なっ
    て線種にして描画することを特徴とする請求項25また
    は26に記載のナビゲーションシステム。
  28. 【請求項28】 前記地図要素標高比較手段は、前記地
    図表示要素が線図形である場合、その線素の両端点の標
    高値、また前記地図表示要素が面図形である場合、その
    面素の全頂点の標高値が相応する地形形状の標高値と等
    しいときまたはより大きいときに前記地図要素描画処理
    手段に当該線素または面素の上書き指令を出力すること
    を特徴とする請求項25〜27のいずれかに記載のナビ
    ゲーションシステム。
  29. 【請求項29】 前記地図要素標高比較手段は、前記地
    図表示要素が道路、河川、鉄道のような線図形である場
    合、その線素の両端点のいずれかの標高値が相応する地
    形形状の標高値よりも小さいときに前記地図要素描画処
    理手段に当該線素部分を他の部分と異なる描画色または
    点線で上書きするように指令することを特徴とする請求
    項25〜27のいずれかに記載のナビゲーションシステ
    ム。
  30. 【請求項30】 地形平面座標に対して標高値を与える
    ことのできる地形形状データを記憶する地形データ記憶
    手段と、 道路、河川、鉄道のような線図形を地図上に表示する位
    置情報及び付帯情報を記憶する線図形データ記憶手段
    と、 地名、アイコン等のような文字列及び図柄を地図上に表
    示する位置情報及び付帯情報を記憶する地名、背景デー
    タ記憶手段と、 表示される地図の位置、方向を決定するための表示基準
    点位置座標及び視線方向角を入力する表示基準点等入力
    手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角にしたがって画面上に表示される
    地図上の対象領域(表示対象領域)を決定する表示対象
    領域決定手段と、 前記表示対象領域決定手段が決定した表示対象領域内に
    所定密度のサンプリング点群を設定し、各サンプリング
    点の平面座標(x,y)に対して相当する標高値zを前
    記地形データ記憶手段より読込んで3次元サンプリング
    点(x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング
    点群を所定のルールにしたがって稜線で接続することに
    よって開いた多面体形状の地形形状モデルを作成する地
    形形状モデリング手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標と前記地形形状モデリング手段によって得られた
    地形形状モデルとから前記表示基準点の標高値を決定す
    る表示基準点標高決定手段と、 前記表示基準点等入力手段から入力された表示基準点位
    置座標及び視線方向角と、前記表示基準点標高決定手段
    によって決定された表示基準点標高値とから透視投影変
    換の視点座標を決定する視点座標決定手段と、 前記線図形データ記憶手段から前記表示対象領域に相当
    する線図形データを読込み、前記地名、背景データ記憶
    手段から前記地名、背景データを読込み、必要に応じて
    前記地形形状モデリング手段によって得られた地形形状
    モデルに基づいて各線図形及び地名、アイコン等の表示
    点の標高値を決定し、表示用図形データを作成する地図
    要素標高決定手段と、 前記視点座標決定手段によって決定された視点座標と前
    記表示基準点等入力手段から入力された視線方向角とに
    基づいて前記地形形状モデルと前記標高値の決定された
    線図形及び地名、アイコン等の表示用図形データとを透
    視投影変換する座標変換手段と、 前記座標変換手段によって透視投影変換されたデータを
    隠面消去を実行しながら描画し、立体地図画像を出力す
    る描画処理手段と、 前記地図要素標高決定手段によって決定された線図形デ
    ータの各線素の端点の標高値と相応する地形形状の標高
    値とを比較する線図形データ標高比較手段と、 前記線図形データ標高比較手段の比較結果に基づき、前
    記線図形の前記線素の端点の標高値の方が相応する地形
    形状と標高値が等しいものまたはより大きいものについ
    て前記地形形状に上書きにより描画する線図形データ描
    画処理手段と、 前記描画処理手段からの立体地図画像と前記線図形デー
    タ描画処理手段からの線図形画像とを合成して表示する
    画像表示手段とを備えて成るナビゲーションシステム。
  31. 【請求項31】 線図形データ描画処理手段は、前記線
    図形が誘導経路である場合に、前記線図形が通常の道路
    である場合と異なった描画色、若しくは異なった線種で
    描画することを特徴とする請求項30に記載のナビゲー
    ションシステム。
  32. 【請求項32】 前記線図形データ標高比較手段は、前
    記線図形の各線素の両端点の標高値が相応する地形形状
    の標高値と等しいときまたはより大きいときに前記線図
    形データ描画処理手段に当該線素の上書き指令を出力す
    ることを特徴とする請求項30または31に記載のナビ
    ゲーションシステム。
  33. 【請求項33】 前記線図形データ標高比較手段は、前
    記線図形の各線素の両端点のいずれかの標高値が相応す
    る地形形状の標高値よりも小さいときに前記線図形デー
    タ描画処理手段に当該線素部分を他の部分と異なる描画
    色または点線で上書きするように指令することを特徴と
    する請求項30または31に記載のナビゲーションシス
    テム。
  34. 【請求項34】 表示基準点の位置座標と視線方向角デ
    ータに基づいて表示対象領域を決定し、 この表示対象領域に相当する地形形状データを取り込ん
    で地形形状のモデル化を行い、 前記表示基準点の位置座標と前記地形形状モデルとから
    当該表示基準点の標高値を決定し、 前記表示基準点の位置座標及び視線方向角と、前記表示
    基準点標高値とから透視投影変換の視点座標を決定し、 前記表示対象領域に相当する地図表示要素データを取り
    込み、必要に応じて前記地形形状モデルに基づいて各地
    図表示要素の標高値を決定して表示用図形データを作成
    し、 前記地形形状モデルと前記標高値の決定された地図表示
    要素とを前記視点座標と前記視線方向角とに基づいて透
    視投影変換し、 前記透視投影変換されたデータから立体地図画像信号を
    生成するナビゲーションプログラムを記憶した媒体。
  35. 【請求項35】 表示基準点の位置座標及び視線方向角
    データに基づいて表示対象領域を決定し、 この表示対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設
    定し、各サンプリング点の平面座標(x,y)に対して
    相当する標高値zを取り込んで3次元サンプリング点
    (x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点
    群を所定のルールにしたがって稜線で接続することによ
    って開いた多面体形状の地形形状モデルを作成し、 前記表示基準点の位置座標と前記地形形状モデルとから
    当該表示基準点の標高値を決定し、 前記表示基準点の位置座標及び視線方向角と、前記表示
    基準点の標高値とから透視投影変換の視点座標を決定
    し、 前記表示対象領域に相当する地図表示要素データを取り
    込み、必要に応じて前記地形形状モデルに基づいて各地
    図表示要素の標高値を決定して表示用図形データを作成
    し、 前記地形形状モデルと前記標高値の決定された地図表示
    要素とを前記視点座標と前記視線方向角とに基づいて透
    視投影変換し、 この透視投影変換された地形形状を示す多面体を、視点
    に対して奥の方の面から上書きにより描画する画像信号
    を生成し、 前記地図表示要素それぞれの表示位置の標高値と相応す
    る前記地形形状モデルの標高値とを比較し、この比較結
    果に基づき、前記地図表示要素の方が相応する地形形状
    よりも標高値が大きいものについて前記地形形状モデル
    に上書きにより描画する画像信号を生成するナビゲーシ
    ョンプログラムを記憶した媒体。
  36. 【請求項36】 表示基準点の位置座標及び視線方向角
    データに基づいて表示対象領域を決定し、 この表示対象領域内に所定密度のサンプリング点群を設
    定し、各サンプリング点の平面座標(x,y)に対して
    相当する標高値zを取り込んで3次元サンプリング点
    (x,y,z)群を生成し、この3次元サンプリング点
    群を所定のルールにしたがって稜線で接続することによ
    って開いた多面体形状の地形形状モデルを作成し、 前記表示基準点の位置座標と前記地形形状モデルとから
    当該表示基準点の標高値を決定し、 前記表示基準点の位置座標及び視線方向角と、前記表示
    基準点の標高値とから透視投影変換の視点座標を決定
    し、 前記表示対象領域に相当する線図形データを取り込み、
    また地名、背景データを取り込み、必要に応じて前記地
    形形状モデルに基づいて各線図形及び地名、アイコン等
    の表示点の標高値を決定して表示用図形データを作成
    し、 前記視点座標と前記視線方向角とに基づいて、前記地形
    形状モデルと標高値の決定された線図形及び地名、アイ
    コン等の表示用図形データとを透視投影変換し、 この透視投影変換されたデータを隠面消去を実行しなが
    ら描画し、立体地図画像信号を生成し、 これと共に前記線図形の各線素の端点の標高値と相応す
    る地形形状モデルの標高値とを比較し、この比較結果に
    基づいて、線図形の線素の端点の標高値の方が相応する
    地形形状モデルの標高値よりも大きいものについて前記
    地形形状モデルに上書きする画像信号を生成するナビゲ
    ーションプログラムを記憶した媒体。
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