JPH10206238A - 塗膜焼き付け温度の測定方法 - Google Patents

塗膜焼き付け温度の測定方法

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JPH10206238A
JPH10206238A JP9006363A JP636397A JPH10206238A JP H10206238 A JPH10206238 A JP H10206238A JP 9006363 A JP9006363 A JP 9006363A JP 636397 A JP636397 A JP 636397A JP H10206238 A JPH10206238 A JP H10206238A
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measured
temperature
light source
measurement
wavelength
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JP9006363A
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Norio Inoue
紀夫 井上
Toshiki Manabe
俊樹 真鍋
Yoshiro Yamada
善郎 山田
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜焼き付け工程において表面の温度を測定
する。 【解決手段】 塗装板から放射される赤外線のうち2.
2μm 以下の波長を測定対象として放射温度計により測
定する。測定に際して、棒状光源を用い、これを回転し
ながら照射面を走査し、光源を点滅させながら点灯時に
反射輝度を、滅灯時に放射輝度を測定し、反射輝度を溶
剤の赤外線透過率で補正し、反射輝度から反射率を求
め、温度を算出する。 【効果】 一般の有機溶剤の赤外線透過率は、波長2.
2μm 以下で大きく且つ安定しているので、溶剤が充満
している焼き付け炉内でも正確な温度測定ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被塗装板に塗料
を塗布し、これを加熱することによって塗膜を形成させ
る時の塗装板の表面温度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板やアルミニウム板或いは銅板等の塗
装では、一般に自然乾燥塗装よりも強靱な塗膜が得られ
る焼き付け塗装を行うことが多い。この焼き付け塗装で
は、塗料の種類や溶剤に合わせた最適の昇温パターンが
あり、これにしたがって加熱することにより、最も良質
な塗膜を能率良く形成させることができる。
【0003】従来、塗装鋼板の連続塗膜焼き付けは、最
も量産化が進んでいる技術の一つであるが、加熱炉の出
口で塗膜の温度や厚さ等が測定され、これらの測定に基
づいて加熱条件のチェックが行われていた。
【0004】例えば、特開昭63−7870号公報に
は、塗膜が焼き付けられた鋼帯の表面温度、塗膜厚、塗
膜面の色彩を加熱炉出側で検出し(以下、出側検出法と
称す)、検出結果に基づいて加熱炉の温度及び塗料の塗
布量を制御する技術が記載されている。
【0005】又、特開昭63−190681号公報に
は、加熱炉を二段にし、前段加熱炉の出口で塗膜温度を
測定し(以下、二段炉法と称す)、この測定結果から前
段加熱炉をフィードバック制御するとともに、後段加熱
炉をフィードフォワード制御する方法が記載されてい
る。
【0006】一般に、塗膜の温度測定は、非接触で測定
できる放射温度計により行われる。そして、放射温度計
では、非測定体から放射される赤外域の放射線の輝度を
測定し、その輝度(以下、放射輝度と称す)から被測定
体の温度が求められる。最も手軽な温度計では5μm 〜
11μm の波長域で測定が行われ、厳密な測定を期す場
合には、放射率は波長に依存するので、単波長例えば
3.43μm 、2.34μm 等で測定が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗料の
焼き付け過程では塗料溶剤が周辺に存在し、溶剤により
赤外線が吸収されている。このため、正確な放射輝度が
測定されず測定温度に誤差が伴うという問題があった。
【0008】更に、均一で良質な塗膜を得るためには、
焼き付け過程においてきめ細かく温度を制御し最適の昇
温パターンで加熱することが望ましく、このためには焼
き付け炉内においても温度測定が必要になる。しかし、
出側検出法では焼き付け終了後に温度測定を行うのみで
あり、又、二段法では加熱炉を一段増やし、焼きつけ途
中での温度測定を一回行うだけである。しかも、二段法
では加熱を一旦中止しなければ温度測定ができない。換
言すれば、従来では塗膜形成時の温度を任意の時点で測
定する方法が無かった。
【0009】この発明は、上記の問題を解決するために
なされたもので、塗膜形成時の温度を任意の時点で正確
に測定できる方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する手段
は、次に記載する発明である。
【0011】第1の発明は、塗料の焼き付け工程におい
て、塗装板から放射される赤外線のうち2.2μm 以下
の波長を選んで輝度測定を行い、前記塗装板に塗布され
た塗料が加熱により塗膜を形成しつつある時の塗装板の
表面温度を放射温度計によリ測定する塗膜焼き付け温度
の測定方法である。
【0012】塗料の塗布に際しては、溶剤によって塗料
に適正な流動性を与えてこれを塗布する。塗布後、加熱
炉に塗装板を導入し加熱することによって塗膜の形成が
始まり、加熱炉から導出後冷却して塗膜の形成が完了す
る。この焼き付け工程においては溶剤が揮発し、雰囲気
には溶剤が充満している。塗装板の温度測定で、放射輝
度はこの溶剤を通して測定される。
【0013】しかし、溶剤のような有機化学物質は分子
内に有する結合基によって赤外域の固有の波長を吸収す
る。そして、一般の溶剤では短波長側の赤外線は比較的
よく透過するが、2.2μm を超える長波長側ではこれ
を吸収する現象が顕著となる。このような波長域では、
雰囲気中の溶剤濃度や測定線の波長幅等により測定値が
大きく変動し、正確な輝度測定が困難となる。
【0014】したがって、塗装板から放射される赤外線
のうち、2.2μm を超える波長を避けて、2.2μm
以下の波長を選んで輝度を測定する。これによって、溶
剤の吸収による影響を除いた状態で正しい輝度を測定す
ることができる。
【0015】第2の発明は,前記の塗装板の表面温度の
測定に際して、棒状光源を用いて塗装板表面の反射率を
求め、この反射率から放射率を算出し前記表面温度を測
定する前記した塗膜焼き付け温度の測定方法である。
【0016】放射温度計による測定では、直接検出され
るのは被測定板の放射輝度であり、被測定体が黒体であ
る場合は、その放射輝度と表面温度との関係が知られて
いる。そして、被測定体が黒体でない場合では、上記の
関係に放射率が導入されて、測定された放射輝度から表
面温度が算出される。
【0017】この放射率は被測定体の表面性状と測定波
長によって変わるので、被測定体の放射率が既知の場合
を除き、放射輝度測定とともに放射率を求める必要があ
る。放射率は反射率と一定の関係にあることが知られて
いるので、光源を用いて反射率を測定し、反射率から放
射率を求める。
【0018】反射率の測定に際しては、光源として棒状
光源を用いると簡単な装置で反射率を測定することがで
き、放射率が時間とともに変化する場合でも、その時の
放射率を求めて温度測定を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】温度は塗料の重合反応において重
要な因子であり、又塗膜の均一な形成を大きく左右す
る。このため、塗料を完全に重合させ強靱な塗膜を均一
に形成させるためには、塗料焼き付け工程において複数
の時点で温度測定を行い、塗膜の到達温度の他に、昇温
速度を制御することが理想である。例えば、塗料の重合
が進み粘性が増加した過程で急激な溶剤の揮発が起こる
と脱泡時も凹部が残ったまま塗膜が固化し、塗膜に不均
一点を生じる。このような脱泡が盛んな時期では塗膜の
昇温速度を抑制する等その制御が必要であり、複数時点
での温度測定が望まれる。しかし、この時期に塗装体は
加熱炉内にあり、その周囲には溶剤が充満している。
【0020】放射温度計による表面温度測定では、被測
定体からの放射線を分光するか或いは特定波長に感ずる
検出器を用いるか又はフィルタを用いて波長域を制限
し、特定波長の輝度を測定する。そして、得られた測定
値に必要に応じて補正を施し黒体の放射輝度Lを求め
る。黒体の放射輝度Lと表面温度Tとの間には、放射輝
度が最大となる波長以下では、次の(1)式の関係があ
る。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、C1 、C2 は定数であり、λは測
定波長である。塗料の焼き付け工程においては、被測定
体と測定器との間に溶剤が充満し、この溶剤雰囲気によ
って吸収された分は測定されず透過した放射線のみが測
定される。このため、吸収分を補正しないと放射輝度は
求まらない。又、一般に被測定体は黒体ではなく放射率
補正が必要になる。雰囲気吸収率をζとし、放射率をε
とすると、測定値Lm と黒体の放射輝度Lとの間には次
の(2)式の関係がある。
【0023】
【数2】
【0024】そして、(1)式と(2)式とから、被塗
装体の表面温度Tは、(3)式によって求められる。
【0025】
【数3】
【0026】放射率は、同一品種の塗装体を繰り返し生
産する場合や、予め試験片により求めておく等、既知の
場合もある。しかし、このような場合でも吸収率ζ又は
透過率(1−ζ)が正確に求まらなくては正確な温度測
定はできない。
【0027】一般に用いられる種々の溶剤について赤外
線の透過率(1−ζ)を調べると、溶剤により透過曲線
は異なるが、共通した特徴も見られる。代表的な透過曲
線を図1に示す。
【0028】図で、縦軸は赤外線の透過率(1−ζ)、
横軸は波長λである。(a)図は、セロソルブアセテー
ト〔C2H4(CH302)2〕の透過曲線であり、(b)図は、メ
チルエチルケトン(C2H5CH3CO )の透過曲線である。
(a)図では、波長2.2μm以下では透過率は大きく
即ち吸収率は小さく、波長2.2μm を超えると急に透
過率が小さくなるとともに殆ど透過しない波長帯が現れ
る。(b)図では、波長1.4μm 近辺から波を打ちな
がら徐々に透過率が低下し、やはり2.2μm を超える
と透過率は極端に小さくなる。
【0029】セロソルブアセテートは波長2.2μm を
超えて急に透過率が小さくなる溶剤の代表例で、メチル
エチルケトンは1.4μm 近辺から徐々に透過率が小さ
くなる溶剤の代表例である。他の溶剤はこれら両者の中
間的な透過率曲線を示し、キシレンやイソホロンの透過
率曲線はセロソルブアセテートのそれに類似し、メチル
セロソルブの透過率曲線はメチルエチルケトンのそれに
類似する。
【0030】又、シクロヘキサノンや酢酸エチル等の溶
剤は、1.4μm 近辺からの透過率の減少は見られるが
その程度はメチルエチルケトンやメチルセロソルブより
小さく、2.2μm を超えると急に透過率が低下する。
このように、溶剤により透過率曲線は異なるが、共通す
る特徴は波長が2.2μm を超えると顕著に吸収されて
しまう波長帯が現れることである。
【0031】したがって、温度測定に際して2.2μm
以下の波長を選んで輝度測定を行う。この波長の選定で
は、曲線の傾斜部の波長を避け山頂部或いは肩等の平坦
部の波長を選ぶことが望ましい。又、塗料焼き付け時の
到達温度は300℃前後であり、測定温度域では可視光
に近い近赤外域の放射量は少ないので、1μm 以下の波
長を避け、2.2μm 以下で可及的に長い波長を選ぶと
よい。
【0032】塗膜の放射率が既知の場合は、選んだ波長
の使用溶剤による透過率を(3)式に適用して温度を求
めればよいが、放射率が未知の場合や塗膜の形成過程で
放射率が変化する場合は、放射率を測定して補正を施さ
なければならない。特に、塗膜のように種々の色を持ち
反射率が各々異なる被測定体では、放射率を正確に把握
しなければ高い測定精度は得られない。
【0033】以下に、放射率の求め方と棒状光源の利点
について説明する。放射率を求める方法として、被測定
体に光を照射しその反射光を測定して反射率を求め、キ
ルヒホッフの法則即ち反射率と放射率との和が1になる
ことを利用して放射率を算出する方法が知られている。
反射率は入射光量に対する反射光量の比であるから、既
知の光量を一点に入射しこの入射点の輝度を全ての方向
から測定し、全反射光量を求めれば反射率を測定するこ
とができる。
【0034】全反射光量測定の原理は、入射点を中心と
する半球面に輝度測定器を置き、これを半球面全体にわ
たって移動させながら輝度を測定し、その総和を反射光
量とするものである。図7を用いて更に詳しく述べると
次のようである。図7(a)図は、測定面1が理想的な
鏡面の場合である。この場合、光源2から照射されたス
ポット光3は照射点Pで全て鏡面反射されるので、輝度
測定器10を鏡面反射の方向に固定して全ての反射光を
捉えることができる。
【0035】しかし、一般の被測定体表面は鏡面ではな
く、鏡面反射と拡散反射とが起こる。図7(b)図に示
すように、反射光は四方に向かいその輝度パターン6
は、照射点Pからこれと接する楕円体の面となる。これ
らの反射光の輝度を全て捉えるためには、輝度測定器1
0を入射点Pを中心とする半球面全体にわたって移動さ
せて測定しなければならない。
【0036】この移動には時間がかかり、鋼板の連続塗
装のように被測定体が移動するものでは測定することが
できない。移動させる代わりに半球面全体を覆うように
輝度測定器を配置すれば問題は解消するが、測定設備が
大きくて複雑となり現実には困難である。
【0037】ところが、塗装体が金属板のように平面を
もつ場合、便法を用いて反射輝度パターンを測定するこ
とができる。即ち、点光源から広がりをもった光を測定
面に入射し、照射面の各点を輝度測定器で走査測定する
ことによって反射輝度パターンを捉えることができる。
【0038】図8(a)図は、光源2に点光源を用いた
場合である。輝度測定器10を測定点Pの鏡面反射の方
向に置くと照射点Pからの鏡面反射光4が測定され、拡
散反射光5は測定されない。しかし、輝度測定器10を
他の照射点Qに向けると、今度は鏡面反射光4は測定さ
れないが、拡散反射光5が測定される。このようにし
て、照射面全体を二次元走査すると、広がりが無限であ
れば全ての反射光を測定することができる。実際には広
がりに限界があるので広がり補正を施す。
【0039】図8(b)図は、光源2に棒状光源を用い
た場合である。輝度測定器10を照射点Pの鏡面反射の
方向に置くと、光源2の光点2aから照射され照射点P
で反射された鏡面反射光4と、光点2bから照射され照
射点Pで反射された拡散反射光5とが同時に測定され
る。即ち、棒状光源の長さが無限であれば、輝度測定器
10を固定したままで、光源2と輝度測定器10を含む
面に沿った反射光の全てを測定することができる。実際
には棒状光源の長さに限りがあるので、長さ補正を施
す。
【0040】このように、一面に沿った反射光の輝度は
輝度測定器を固定して測定されるが、他の方向の面に沿
った反射光の輝度はやはり点光源の場合と同様に走査に
よって測定する。しかし、走査は前記一面と垂直の方向
に一次元に行えばよく、したがって測定時間は点光源の
場合に較べ極端に短縮される。
【0041】以上のようにして測定される反射輝度の測
定値には、厳密には放射輝度が含まれている。被測定面
の温度が常温に近い場合には、放射輝度は小さく無視さ
れるが、焼き付け過程の塗膜では反射輝度と放射輝度と
を分離して測定しなければならない。
【0042】このために、光源からの光を点滅させて輝
度を測定する。点灯時の測定値には反射輝度と放射輝度
とが含まれており、滅灯時には放射輝度のみが測定され
る。点灯時の測定値から滅灯時の測定値を差し引いて反
射輝度を求め、反射輝度から反射率を算出し、この反射
率を1から差し引いて放射率を算出する。
【0043】このようにして、求めた放射輝度Lm と放
射率ε、及び前段で説明した透過率(1−ζ)を用いて
(3)式により温度Tを算出する。この方法では、焼き
付け過程で表面性状が変化しても、温度測定の時点での
放射率が得られる。これに加えて、溶剤による放射線の
吸収が考慮されているので、正確な温度を算出すること
ができる。
【0044】
【実施例】
実施例1 連続塗装装置を用いて、塗料を塗布し焼き付け過程で温
度測定を行った。測定箇所を図2に示す。金属帯21は
塗布装置22で塗料が塗布され、防塵帯23を通り、焼
き付け炉24に入って加熱される。焼き付け炉24で金
属帯21は、塗料の種類や付着量によって決められる昇
温パターンに従って加熱され、焼き付け炉の最終点で最
高温度に達する。
【0045】焼き付け炉24を出た金属帯21は、後防
塵帯25を経て空冷帯26で徐冷され続いて水冷帯27
で室温にまで冷却される。防塵帯23及び後防塵帯25
は、塗膜が完全に固化する以前の塵埃の付着を防ぐもの
で、外気からは隔離されている。温度測定は、焼き付け
炉24内の二箇所及び後防塵帯25内に、各々温度測定
器11a,11b,11cを設置して行った。これらの
温度測定器は測定制御器31によりコントロールされ、
信号処理装置32に測定信号を送る。
【0046】温度測定器の概要を図3に示す。光源2に
は径20mm長さ400mmの石英ロッドを用いてこれを棒
状光源とし、色温度3000℃のハロゲンランプ12か
らフィルタ13を通してバンドルファイバー14によっ
て光を送る。ハロゲンランプ12を測定制御器31によ
り点滅させ、輝度測定器10では放射輝度及び放射輝度
と反射輝度の和を交互に求め、信号処理装置32で演算
処理を行う。フィルタ13は、1.3μm 以下の短波長
の赤外線を遮断するために用いる。測定制御器31は輝
度測定器10の走査も制御し、同時に演算処理に必要な
走査信号及び点滅信号等の制御信号を信号処理装置32
に送る。
【0047】塗料に用いた溶剤の主成分はシクロヘキサ
ノン(C6H10O)で、その透過曲線は図4に示す通りであ
る。この曲線では、波長1.5〜1.6μm で透過率が
安定しており、しかも93%と高い値を示している。こ
のことから、測定波長には1.55μm を選び、輝度測
定に用いた検出素子はIn−Ga−Asである。そし
て、(3)式における透過率(1−ζ)に0.93を代
入して表面温度を求める。
【0048】このようにして、焼き付け過程で形成され
つある塗膜の表面温度を測定し、焼き付け炉内の加熱装
置を制御した結果、温度測定器11aの位置では120
℃±2℃に、11bの位置では200℃±2℃に、又、
11cの位置では225℃±3℃に制御することができ
た。そして、製品の品質を調べたところ、この発明によ
る製品では焼き付け温度が昇温速度も含めて管理された
ので、従来の製品に較べ、加工性、耐溶剤性、色の均一
性等の特性が一段と優れていた。
【0049】実施例2 溶剤に主としてブチルセロソルブ(CH3C3H6OCH3CH2OH)
を使用した塗料を鋼板に塗布し、炉内で加熱して放射温
度測定を行い、熱電対による温度測定値と比較した。放
射温度測定は、この発明による2.16μm の波長を選
んだ実施例と市販の2.34μm の波長を選んだ比較例
とについて行った。輝度測定にはPbS検出素子を用い
た。
【0050】温度測定の結果を図6に示す。図中、○印
はこの発明の実施例による測定温度であり、□印は比較
例による測定温度である。発明の実施例では熱電対測定
温度とよく一致しているが、比較例ではバラツキが大き
い。この原因はブチルセルソルブの赤外線透過率にあ
る。
【0051】ブチルセロソルブの赤外線透過率曲線を図
5に示す。波長2.16μm には透過率が48.5%の
山があるが、波長2.34μm では透過率は10%に至
らずしかもこの近辺では曲線は傾斜している。即ち、透
過率が小さく且つ不安定なため測定温度のバラツキが大
きくなったものと考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、塗装
板から放射される赤外線のうち溶剤を透過し易い2.2
μm 以下の波長を測定対象として、塗装板の表面温度を
放射温度計により測定する。このため、溶剤が充満する
雰囲気においても正確な温度測定が可能である。これに
加えて、棒状光源を用いて放射輝度と放射率を同時に測
定するので正確な温度測定が瞬時に行え、しかも測定装
置が複雑にならない。このようにして、連続塗装ライン
においても焼き付け炉内やこれに隣接する防塵帯等での
正確な温度測定を可能とし、的確な昇温パターンの実現
に貢献するこの発明の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の原理を説明するための、溶剤の代表的な
赤外線透過率を示すグラフであり、(a)図はセロソル
ブアセテート、(b)図はメチルエチルケトンのグラフ
である。
【図2】発明の温度測定方法を適用した連続塗装装置の
概念図である。
【図3】棒状光源を用いて放射率及び放射輝度を測定す
るための温度測定器の概念図である。
【図4】実施例に用いたシクロヘキサノンの赤外線透過
率を示すグラフである。
【図5】実施例に用いたブチルセロソルブの赤外線透過
率を示すグラフである。
【図6】放射温度計による測定温度と熱電対測定温度と
の対比を示すグラフである。
【図7】放射率測定を説明するための鏡面反射を示す図
であり、(a)図は鏡面の場合で、(b)図は一般の表
面の場合である。
【図8】放射率測定を説明するための鏡面反射光と拡散
反射光を示す図であり、(a)図は点光源の場合で、
(b)図は棒状光源の場合である。
【符号の説明】
1 測定面 2 光源 3 スポット光 4 鏡面反射光 5 拡散反射光 6 輝度パターン 10 輝度測定器 11 温度測定器 12 ハロゲンランプ 13 フィルタ 14 バンドルファイバ 21 金属帯 22 塗布装置 23 防塵帯 24 焼き付け炉 25 後防塵帯 26 空冷帯 27 水冷帯 31 測定制御器 32 信号処理装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料の焼き付け工程において、塗装板か
    ら放射される赤外線のうち2.2μm 以下の波長を選ん
    で輝度測定を行い、前記塗装板に塗布された塗料が加熱
    により塗膜を形成しつつある時の塗装板の表面温度を放
    射温度計によリ測定することを特徴とする塗膜焼き付け
    温度の測定方法。
  2. 【請求項2】 前記塗装板の表面温度の測定に際して、
    棒状光源を用いて塗装板表面の反射率を求め、この反射
    率から放射率を算出し前記表面温度を測定する請求項1
    記載の塗膜焼き付け温度の測定方法。
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