JP2960285B2 - 放射率による合金化度制御方法および装置 - Google Patents

放射率による合金化度制御方法および装置

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JP2960285B2
JP2960285B2 JP15887593A JP15887593A JP2960285B2 JP 2960285 B2 JP2960285 B2 JP 2960285B2 JP 15887593 A JP15887593 A JP 15887593A JP 15887593 A JP15887593 A JP 15887593A JP 2960285 B2 JP2960285 B2 JP 2960285B2
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靖隆 川口
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一裕 真島
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯めっき表面の合
金化処理を行う合金化炉において、金属帯表面の合金化
度を制御する合金化度制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば亜鉛めっき鋼板などのコ
イルの製品品質を決定するめっき状態の測定方法とし
て、(a)サンプリングした試料の曲げ・曲げ戻し試験
で剥離しためっき層の量を目視によって判定する、いわ
ゆるパウダリング試験、(b)サンプリングした試料の
めっき層中の平均Fe濃度を測定する化学分析法、
(c)サンプリングした試料を断面研磨して、光学顕微
鏡または走査型電子顕微鏡等を用いて観察して、ζ相、
δ1 相およびΓ相の厚みを測定する方法、(d)分析用
X線回折装置を用いて、サンプリングした試料のX線回
折プロファイルを測定してζ相、δ1 相およびΓ相のX
線回折強度を測定する方法、(e)合金化処理後のめっ
き層の輻射エネルギーや反射光強度を測定する方法、
(f)η−Zn相のX線回折強度、η−Zn相とδ1
のX線回折強度比、およびΓ相とα相のX線回折強度比
を測定する方法、等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た(a),(b),(c)の測定方法は、製品からサン
プリングした試験片を使用したオフライン測定であるた
め、リアルタイム制御には適用できない。また、(d)
の測定方法は、ライン内に測定装置を配置することは可
能であるが、X線回折プロファイル測定および信号処理
に時間を要し、フィードバック制御には使用できない。
また、(e),(f)の方法は、オンライン測定が可能
で、かつリアルタイム性があるが、全体のシステム構成
が複雑で、高価になる傾向にある。
【0004】このように、簡単な構成で金属帯のめっき
状態を測定する方法が無く、従来は加熱帯の出側板温を
検出することによって合金化度を推定して、加熱量の制
御を行っている。
【0005】本発明の目的は、前述した課題を解決する
ため、金属帯の合金化度、放射率および表面温度間の相
関関係を利用して、放射率を測定、制御することによっ
て、金属帯の合金化度を、比較的簡単な構成で、かつ安
価に制御することが可能な放射率による合金化度制御方
法および装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に溶融金
属が付着した金属帯を加熱して、合金化度を制御する合
金化度制御方法において、金属帯の合金化度、放射率お
よび表面温度間の相関関係を利用して、放射率を測定す
る工程と、当該放射率と予め定められた目標放射率とを
比較して放射率偏差を求める工程と、金属帯の板温を測
定する工程と、当該板温と予め定められた目標板温とを
比較して板温偏差を求める工程と、放射率および板温を
入力変数とし、放射率および板温の大きさに応じて区分
された複数の領域ごとに異なる制御則を持つオーバーラ
イドテーブルを用いて、前記放射率偏差と前記板温偏差
とを切換えて目標加熱量を出力する工程と、前記目標加
熱量に基づいて金属帯への加熱量を制御する工程とを含
むことを特徴とする放射率による合金化度制御方法であ
る。
【0007】
【0008】
【0009】また本発明は、表面に溶融金属が付着した
金属帯を加熱して、合金化度を制御する合金化度制御装
置において、金属帯の合金化度、放射率および表面温度
間の相関関係を利用して、放射率を測定する放射率測定
手段と、当該放射率と予め定められた目標放射率とを比
較して放射率偏差を求める放射率調節手段と、金属帯の
板温を測定する板温測定手段と、当該板温と予め定めら
れた目標板温とを比較して板温偏差を求める板温調節手
段と、放射率および板温を入力変数とし、放射率および
板温の大きさに応じて区分された複数の領域ごとに異な
る制御則を持ち、前記放射率偏差と前記板温偏差とを切
換えて目標加熱量を出力するオーバーライドテーブル
と、当該目標加熱量に基づいて、金属帯への加熱量を制
御する加熱量制御手段とを具備することを特徴とする放
射率による合金化度制御装置である。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】本発明に従えば、金属帯の合金化度、放射率お
よび表面温度間の相関関係を利用して、放射率を測定す
ることによって、金属帯の合金化度を精度良く捕捉する
ことができる。以下詳説すると、対象物の分光放射輝度
を測定する条件、すなわち測定波長、光学系等を固定し
た場合、放射率は対象物表面の組成や表面粗さ等の物性
的な性質、すなわち表面状態として捉えることができ
る。これを式で表現すると、1−(反射率)=(放射
率)となる。
【0013】図3は、金属帯の加熱時間に対する金属帯
の板温および放射率の変化を示すグラフである。このグ
ラフにおいて、金属帯の表面にめっき金属が付着した直
後では、板温Tは500℃近傍を示しているにも拘わら
ず、表面のめっき金属は溶融状態のままであり、光反射
性の金属光沢を有する。したがって、波長λ1=1.5
5μmで測定した放射率ελ1、および波長λ2=2.
2μmで測定した放射率ελ2は、0.1〜0.2程度
の値となる。その後、時間経過とともに合金化が進行す
ると、板温Tはほとんど変化しないにも拘らず、表面の
金属光沢が徐々に失われ、放射率ελ1,ελ2が次第
に単調増加してゆく。その後、加熱し過ぎの状態、いわ
ゆるハードベーク状態になると、合金化度が飽和して板
温Tはあまり変化しないが、放射率ελ1,ελ2は
0.5〜0.6程度の値となる。このように、合金化が
進行するにつれて放射率ελ1,ελ2が単調に増加す
るという相関関係を利用することによって、合金化度を
制御することが可能となる。
【0014】さらに、測定された放射率と予め定められ
た目標放射率とを比較して放射率偏差を求め、これを目
標加熱量として金属帯への加熱量を制御することによっ
て、金属帯の合金化度を精度良く制御することができ
る。
【0015】また、金属帯の板温を測定し、この板温と
予め定められた目標板温とを比較して、板温偏差を求
め、オーバーライドテーブルを用いてこの板温偏差と前
述の放射率偏差とを切換えて目標加熱量を出力すること
によって、これら2つの偏差状態に応じて板温制御また
は放射率制御のどちらを優先的に動作させるかを切換え
ることが可能になる。オーバーライドテーブルは、放射
率および板温の大きさに応じて複数の領域に区分されて
おり、各領域はそれぞれ異なる制御則を持つ。したがっ
て、たとえばある目標値から大きく外れている場合は、
板温制御を用いて温度安定化を優先させ、目標値近傍に
収束している場合は放射率制御を用いて、合金化度の安
定化を優先させることによって、板温制御と放射率制御
の協調制御が可能になるため、制御の安定性および安全
性を向上させることができる。
【0016】また、金属帯の板温に対応して、放射率の
測定波長を切換えることによって、より高精度な放射率
測定を行うことができるため、合金化度制御の目標精度
を向上させることができる。
【0017】また本発明に従えば、金属帯の合金化度、
放射率および表面温度間の相関関係を利用して、放射率
を測定する放射率測定手段を備えることによって、前述
のように、金属帯の合金化層を精度よく捕捉することが
できる。さらに、測定された放射率と予め定められた目
標放射率とを比較して放射率偏差を求め、これを目標加
熱量として出力する放射率調節手段と、この目標加熱量
に基づいて金属帯への加熱量を制御する加熱量制御手段
とを備えることによって、金属帯の合金化度を精度良く
制御することができる。
【0018】また、金属帯の板温を測定する板温制御手
段と、この板温と予め定められた目標板温とを比較して
板温偏差を求める板温調節手段と、この板温偏差と前記
放射率偏差とを切換えて目標加熱量を出力するオーバー
ライドテーブルとを備えることによって、これら2つの
偏差状態に応じて、板温制御または放射率制御のどちら
を優先的に動作させるかを切換えることが可能になり、
板温制御と放射率制御の協調制御によって制御系の安定
性および安全性を向上させることができる。
【0019】また、金属帯の板温に対応して、放射率の
測定波長を切換えることによって、より高精度の放射率
測定を行うことができるため、合金化度制御の目標精度
を向上させることができる。
【0020】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。鋼板などの金属帯10は、所定速度で搬
送され、溶融亜鉛などの溶融金属12を貯留するめっき
浴槽11に浸漬され、シンクロール13によって搬送方
向が垂直上方へ変えられ、高圧ノズルなどのワイピング
装置14によって所定のめっき付着量に調整された後、
加熱帯15に進入する。加熱帯15において、直火式バ
ーナなどのバーナ60a,60b,60c,60dによ
って金属帯10が合金化処理に必要な温度にまで加熱さ
れ、表面から一定深さまで合金化が進行する。
【0021】加熱帯15の出側から所定距離の位置に放
射温度計30が設置され、この放射温度計30と接続さ
れた変換器31から金属帯10の放射率ελ1,ελ2
および板温Tが出力される。放射温度計30は、加熱さ
れた金属表面からの輻射波をレンズで集光し、ミラーや
干渉フィルタによって分光し、異なる波長領域毎に、G
eやPbSなどの複数の光検出素子で受光し、各波長に
おける分光輝度を計測するものである。各波長λx、板
温Tにおける放射率εxは、εx=Lx/Lb(λx,
T)という式で与えられる。なお、Lxは分光放射輝度
であり、Lbは黒体分光放射輝度である。
【0022】こうして、変換器31は、たとえば波長λ
1=1.55μmで測定した放射率ελ1、波長λ2=
2.2μmで測定した放射率ελ2および板温Tを出力
する。これら2つの放射率ελ1,ελ2は、スイッチ
32に入力され、測定波長選択器20の指令に基づい
て、どちらか一方の放射率が選択され、放射率調節計3
6に入力される。
【0023】一方、制御基準値となる目標放射率を設定
するため、各波長毎にλ1放射率設定部33およびλ2
放射率設定部34が設けられ、各出力はスイッチ35に
それぞれ入力される。スイッチ35は、測定波長選択器
20の指令に基づいて、一方の出力を選択して、放射率
調節計36へ出力する。なお、測定波長選択器20にお
ける放射率測定波長の切換えは、オペレータの手動で行
うことも可能であるが、変換器31から出力される板温
Tを判定して測定波長選択器20に対して指令を行う自
動判定部21を設けることによって、より高い精度で放
射率測定を行うことが可能になる。
【0024】放射率調節計36において、スイッチ32
で選択された放射率とスイッチ35で選択された目標放
射率との放射率偏差が求められて、たとえばPID制御
が行われ、後述するオーバライドテーブル39に入力さ
れる。
【0025】一方、変換器31から出力される板温Tは
板温調節計38に入力され、板温設定部37で設定され
た目標板温との板温偏差が算出されて、たとえばPID
制御が行われ、同様にオーバライドテーブル39に入力
される。
【0026】図2は、図1のオーバライドテーブル39
の一例を示すグラフである。オーバライドテーブル39
は、X軸に板温Tを、Y軸に放射率εをとって、設定変
更可能な板温TL,THおよび放射率εL,εHを境界
とする5つの領域R1〜R5に区分されており、変換器
31から出力される板温Tおよび放射率εがどの領域に
該当するかによって、オーバライドテーブル39の出力
値が変化する。以下、分説すると、 (1)領域R1(T<TLかつε>εH)に実測値
(T,ε)が位置する場合、放射率制御より優先して実
測板温Tを板温TLとTHの範囲内に収めるため、実測
板温Tと板温TLとの差を、次段の目標制御値として出
力する。したがって、全体の制御ループが動作すると、
実測値(T,ε)は板温TLに向かって近づくように制
御される。
【0027】(2)領域R2(T<TLかつε≦εH)
に実測値(T,ε)が位置する場合、放射率偏差と板温
偏差の大きい方を速やかに収束させるため、実測板温T
と板温TLとの差、および実測放射率εと目標放射率ε
Sとの差をそれぞれ求めて、絶対値の大きな方を次段の
目標制御値として出力する。したがって、全体の制御ル
ープが動作すると、実測値(T,ε)は点E(TL,ε
S)に向かって階段状に近づくよう制御される。
【0028】(3)領域R3(TL≦T≦TH)に実測
値(T,ε)が位置する場合、板温制御より優先して実
測放射率εを速やかに目標放射率εSに近づけるため
に、実測放射率εと目標放射率εSとの差を次段の目標
制御値として出力する。したがって、全体の制御ループ
が動作すると、実測値(T,ε)は目標放射率εSに向
かって近づくように制御される。
【0029】(4)領域R4(T>THかつε≧εL)
に実測値(T,ε)が位置する場合、放射率偏差と板温
偏差の大きい方を速やかに収束させるため、実測板温T
と板温THとの差、および実測放射率εと目標放射率ε
Sとの差をそれぞれ求めて、絶対値の大きな方を次段の
目標制御値として出力する。したがって、全体の制御ル
ープが動作すると、実測値(T,ε)は点G(TH,ε
S)に向かって階段状に近づくよう制御される。
【0030】(5)領域R5(T>THかつε<εL)
に実測値(T,ε)が位置する場合、放射率制御より優
先して実測板温Tを板温TLとTHとの範囲内に速やか
に収めるために、実測板温Tと板温THとの差を、次段
の目標制御値として出力する。したがって、全体の制御
ループが動作すると、実測値(T,ε)は板温THに向
かって近づくように制御される。
【0031】この動作を具体的に説明すると、先ず、変
換器31から出力される実測値(T,ε)が点U1であ
る場合は、領域R3に向かってX軸と平行に移動して、
オーバシュート等により、点U2まで達する。すると、
点U2では、線分EGに向かってY軸と平行に移動す
る。こうして、領域R1に属した実測値は、線分EG近
傍に収束する。
【0032】次に、実測値(T,ε)が点P1である場
合は、板温TLとの偏差より目標放射率εSとの偏差の
方が大きいため、先ずY軸に平行に移動して、オーバシ
ュート等により点P2まで達する。すると、点U2では
目標放射率εSとの偏差より板温Tとの偏差の方が大き
いため、X軸に平行に移動して点P3まで達する。する
と、点P3では、板温との偏差より目標放射率εSとの
偏差の方が大きいため、Y軸に平行に移動する。こうし
て、板温TLとの偏差と目標放射率εSとの偏差とが等
しくなる直線(破線で示す)を跨ぐようにして、階段状
に点E近傍に収束する。
【0033】次に、実測値(T,ε)が点Q1である場
合は、領域R2と同様に、板温THとの偏差と目標放射
率εSとの偏差が等しくなる直線(破線で示す)を跨ぐ
ようにして、点Q2,Q3と階段状に移動して点G近傍
に収束する。
【0034】次に、実測値(T,ε)が点V1である場
合は、領域R1と同様に、先ず点V2に移動した後、線
分EGに向かって収束する。
【0035】このようにして、各領域R1〜R5に位置
した実測値(T,ε)は、最終的に線分EGの近傍に収
束するように制御される。なお、オーバライドテーブル
39の区分する領域の数および配置は、図2のものに限
られず、操業条件に応じて適宜変更することができる。
【0036】図1に戻って、オーバライドテーブル39
の出力は、4つの負荷配分テーブル40a〜40dに入
力され、各バーナ60a〜60dに対応した目標燃焼量
に変換される。負荷配分テーブル40aの出力は、制御
モード切換器22の指令に基づいて切換わるスイッチ5
2aの一方に入力される。一方、板温調節計38からの
出力は、4つの負荷配分テーブル41a〜41dに入力
され、各バーナ60a〜60dに対応した目標燃焼量に
変換される。そして、負荷配分テーブル41aの出力
は、スイッチ52aの他方に入力される。なお、制御モ
ード切換器22は、放射率制御と板温制御の協調制御モ
ードまたは板温制御モードを選択するために設けられ
る。スイッチ52aの出力は、ローセレクト部53aに
入力される。
【0037】一方、バーナ60aの近傍に配置された熱
電対などの炉温計61aからの出力は、炉温調節計51
aに入力されており、炉温設定部37で設定された目標
炉温との炉温偏差が求められて、たとえばPID制御が
行われ、同様にローセレクト部53aに入力される。
【0038】ローセレクト部53aでは、スイッチ52
aから出力される目標燃焼量と炉温調節計51aから出
力される目標燃焼量とを比較して、小さい方を選択して
出力する。したがって、放射率制御や板温制御が出力す
る目標燃焼量が異常に高くなった場合、炉温制御が優先
され、制御系の安全性が確保されている。
【0039】ローセレクト部53aで選択された目標燃
焼量は、燃料調節計54aおよびエア調節計57aに入
力され、カスケード制御が行われる。燃料タンクなどの
燃料供給装置(図示せず)から送られる燃料は、流量計
55aおよび流量制御弁56aを通ってバーナ60aに
供給される。流量計55aで測定された燃料流量は燃料
調節計54aに入力され、目標燃焼量と比較されて、た
とえばPID制御され、流量制御弁56aの開度が調節
される。
【0040】また、エアタンクなどのエア供給装置(図
示せず)から送られるエアは、流量計58aおよび流量
制御弁59aを通ってバーナ60aに供給される。同様
に、流量計58aで測定されたエア流量は、エア調節計
50がaに入力され、目標燃焼量と比較されて、たとえ
ばPID制御され、流量制御弁59aの開度が調節され
る。
【0041】以上、バーナ60aでの燃焼量を制御する
バーナ制御系Aを詳しく説明したが、他にバーナ制御系
B,C,Dが設けられており、制御モード切換器22か
らの指令、負荷配分テーブル40b〜40d、41b〜
41dからの出力、炉温計61b〜61dからの出力が
各バーナ制御系B,C,Dにそれぞれ入力され、さらに
各バーナ60b〜60dへ供給される燃焼およびエアの
流量が制御されている。
【0042】このように構成された合金化制御装置の動
作および本発明に係る合金化度制御方法について説明す
る。金属帯10が所定速度で搬送され、めっき浴槽12
に浸漬して、ワイピング装置14によってめっき付着量
が調整された後、加熱帯15に進入してバーナ60a〜
60dによって加熱される。加熱帯15の炉温は、炉温
計61a〜61dによって測定される。
【0043】加熱帯15の出側に設けられた放射温度計
30が金属帯10の放射率および板温を測定して、たと
えば波長λ1での放射率ελ1が放射率調節計36に入
力されて、放射率偏差が求められ、オーバライドテーブ
ル39に入力される。一方、放射温度計30で測定され
た板温は、板温調節計35に入力され、板温偏差が求め
られ、オーバライドテーブル39に入力される。
【0044】オーバライドテーブル39では、板温偏差
と放射率偏差の値に応じて、所定の目標燃焼量を算出し
て、4つの負荷配分テーブル40a〜40dに出力す
る。バーナ制御系Aにおいて、負荷配分テーブル40a
の出力が燃料調節計51aの出力より低い場合は、ロー
セレクト部53aにおいてそのまま出力され、燃料調節
計54aおよびエア調節計57aの制御目標値として入
力され、燃料流量およびエア流量が制御されてバーナ6
0aへ供給される。このようにして、制御パラメータと
して金属帯の放射率および板温を用いて、放射率制御と
板温制御の協調制御を行うことによって、金属帯の合金
化処理が進行して表面状態が変化しても適切な合金化度
に制御することが可能になる。
【0045】このような協調制御において、放射温度計
30で測定される板温Tに応じて放射率の測定波長を切
換えることによって、金属帯の合金化度をより精度良く
捕捉することかできる。なお、制御パラメータとして、
板温だけを用いる板温制御に切換える場合は、スイッチ
52aを図1右方へ切換えることによって実現される。
【0046】なお、以上の実施例において金属帯10を
加熱する手段としてバーナ60a〜60dを用いる例を
説明したが、交流磁界を金属帯10に印加して誘導加熱
するような誘導加熱ヒータを用いても構わない。
【0047】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、従
来の板温制御で使用している合金化度制御装置に、簡単
かつ低コストの変更を加えるだけで、放射率制御が可能
になり、金属帯の合金化度をより精度良く捕捉すること
ができるため、安定な合金化処理を行うことができる。
また、オーバーライドテーブルを用いた板温制御と放射
率制御の協調制御によって、放射率の急激な変動に対し
ても制御系が暴走しなくなるため、より安全な合金化処
理を行うことができる。したがって、製品の品質、製造
歩留まりが向上するとともに、製品種類に応じた操業条
件を再現性良く変更することができ、生産性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のオーバライドテーブル39の一例を示す
グラフである。
【図3】金属帯の加熱時間に対する金属帯の板温および
放射率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 金属帯 11 めっき浴槽 12 溶融金属 13 シンクロール 14 ワイピング装置 15 加熱帯 20 測定波長切換器 21 自動判定部 22 制御モード切換器 30 放射温度計 31 変換器 32,35,52a スイッチ 33 λ1放射率設定部 34 λ2放射率設定部 36 放射率調節計 37 板温設定部 38 板温調節計 39 オーバライドテーブル 40a〜40d,41a〜41d 負荷配分テーブル 50a 炉温設定部 51a 炉温調節計 53a ローセレクト部 54a 燃料調節計 55a 流量計 56a 流量制御弁 57a エア調節計 58a 流量計 59a 流量制御弁 60a〜60d バーナ 61a〜61d 炉温計
フロントページの続き (72)発明者 竹崎 勝之 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社 堺製造所内 (72)発明者 真島 一裕 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社 堺製造所内 (72)発明者 秋田 穂積 大阪府大阪市北区大淀中1−1−30 株 式会社東芝 関西支社内 (72)発明者 鈴木 浩之 大阪府大阪市北区大淀中1−1−30 株 式会社東芝 関西支社内 (56)参考文献 特開 平5−98409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に溶融金属が付着した金属帯を加熱
    して、合金化度を制御する合金化度制御方法において、 金属帯の合金化度、放射率および表面温度間の相関関係
    を利用して、放射率を測定する工程と、 当該放射率と予め定められた目標放射率とを比較して放
    射率偏差を求める工程と、 金属帯の板温を測定する工程と、 当該板温と予め定められた目標板温とを比較して板温偏
    差を求める工程と、 放射率および板温を入力変数とし、放射率および板温の
    大きさに応じて区分された複数の領域ごとに異なる制御
    則を持つオーバーライドテーブルを用いて、前記放射率
    偏差と前記板温偏差とを切換えて目標加熱量を出力する
    工程と、 前記目標加熱量に基づいて金属帯への加熱量を制御する
    工程とを含むことを特徴とする放射率による合金化度制
    御方法。
  2. 【請求項2】 表面に溶融金属が付着した金属帯を加熱
    して、合金化度を制御する合金化度制御装置において、 金属帯の合金化度、放射率および表面温度間の相関関係
    を利用して、放射率を測定する放射率測定手段と、 当該放射率と予め定められた目標放射率とを比較して放
    射率偏差を求める放射率調節手段と、 金属帯の板温を測定する板温測定手段と、 当該板温と予め定められた目標板温とを比較して板温偏
    差を求める板温調節手段と、 放射率および板温を入力変数とし、放射率および板温の
    大きさに応じて区分された複数の領域ごとに異なる制御
    則を持ち、前記放射率偏差と前記板温偏差とを切換えて
    目標加熱量を出力するオーバーライドテーブルと、 当該目標加熱量に基づいて、金属帯への加熱量を制御す
    る加熱量制御手段とを具備することを特徴とする放射率
    による合金化度制御装置。
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