JPH10204746A - 耐水性及び形態安定性を改善した布帛 - Google Patents

耐水性及び形態安定性を改善した布帛

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JPH10204746A
JPH10204746A JP9013409A JP1340997A JPH10204746A JP H10204746 A JPH10204746 A JP H10204746A JP 9013409 A JP9013409 A JP 9013409A JP 1340997 A JP1340997 A JP 1340997A JP H10204746 A JPH10204746 A JP H10204746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂コーティング等を施さなくても、高度の耐
水性及び高度の耐久性、快適性、使用の利便性、ファッ
ション性を有する布帛を提供する。 【解決手段】芯成分の融点が鞘成分の融点より低い芯鞘
型複合糸を、経糸及び/又は緯糸に使用し、且つ該繊維
の布帛表面に占める割合が少なくとも30%であり、且
つ耐水圧が500mm以上である布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防風性や運動性を
有し、耐水性及び形態安定性に優れる布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】耐水性が必要な用途としては、スポーツ
衣料、雨着、傘、テント、テーブルクロス、壁材、造
花、その他の家庭用品、産業資材等は勿論、通常の衣服
においても少なからず必要である。これまでの耐水性の
付与は、ビニールコーティング、樹脂コーティング、ゴ
ムコーティング等が一般的であるが、水は通さないが空
気も或いは水蒸気も通さない為に蒸れたり、水滴となり
結露したり、着用感、使用感が悪く又黴の発生や保温性
の低下等、機能性の低下も大きい。この種の防水コーテ
ィングでは、コーティング面において、染料の移行が起
こり易い。例えば、乗用車のリヤウインドウ部等高温下
に放置された場合、色むらになったり、プリント柄が不
鮮明になるなど、商品としては致命的な欠陥を生じる。
又、素材によっては硬さや染色性、強度、耐光性等の問
題があり、実用性の面で問題があった。こうした点を改
善する為に、コーティングしない繊維構造物を用いて、
繊維繊維間の微小な空間を調整し、水は通さないが空気
や水蒸気は通す素材、つまり透湿・防水素材が開発され
た。
【0003】例えば、特開昭55−98971号公報に
は、布帛にポリウレタンコーティング後に湿式凝固させ
て、ミクロポーラスな皮膜を形成させる事や延伸ポリテ
トラフルオロエチレン皮膜をラミネートし、耐水性を持
たせる事が提案されている。しかし、これらの透湿・防
水素材は繊維・繊維間の微小な空間の存在と空隙の大き
さ、ボリュームにより耐水性や通気性、透湿性を制御し
ている為に、繊維の磨滅、布帛の伸び縮み、汚染物の付
着、洗濯等によって性能の低下や布帛の部分による変化
が生じる。又、本願発明とは逆の構成からなる繊維であ
るが、芯成分に低融点ポリマーを用いた芯鞘型複合糸を
使用した布帛も提案されている。例えば、特開平6−2
20770号公報では、布帛表面に明確な皺状凹凸と色
差を有する布帛の提案が、特開平4−11006号公報
では、耐摩擦溶融性を向上したスポーツ衣料の提案され
ている。しかし、これらのいずれも本願が目標とした着
用感や耐水性の極めて改善された布帛の提案も示唆もな
されておらず、又本願の目的には適用できない物であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芯鞘型複合
糸を使用した布帛で、樹脂コーティング等を施さなくて
も、高度の耐水性及び高度の耐久性、快適性、使用の利
便性、ファッション性を有する布帛を提案する事を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯成分が融点
を有しないか、芯成分の融点が鞘成分の融点より低い芯
鞘型複合糸を、経糸及び/又は緯糸に使用し、且つ該繊
維の布帛表面に占める割合が少なくとも30%であり、
且つ耐水圧が500mm以上である布帛である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、前記複合糸は、
布帛全体に使用されるのが好ましいが、必要な部分のみ
に使用されても良い。使用される量は、目的とする商
品、要求性能によっても異なるが少なくとも30%は必
要である。
【0007】本発明の前記複合糸は織物の経糸又は緯糸
のいずれか一方に使用されるなど、部分的に使用されて
もよいが、布帛表面での使用率が少なくとも30%、好
ましくは40%、更に好ましくは50%である。使用率
が30%より少ない場合は、目標とする耐水性が得られ
ない。又、90%を超えると耐水性や形態安定性は非常
に良好であるが、用途によっては風合いの硬化等欠点も
出てくる。目標性能、用途に応じて適宜使用率を設定す
ることが出来る。
【0008】使用方法としては、単独糸で使用しても良
く、又、他の繊維と混繊して使用しても良い。単独で使
用する場合は、織物の経糸或いは緯糸に使用したり、経
糸緯糸同時に使用したり、適宜選択して使用することが
出来る。又、混繊の場合は、通常混繊する場合と同様の
混繊方法が利用できる。混繊の具体的方法については、
後述する。
【0009】本発明の複合糸に使用するポリマーは、芯
成分ポリマーとしては融点が、鞘成分ポリマーの融点よ
り20℃以上低く、また、芯成分ポリマーの軟化点が、
200℃以下であるのが好ましい。なお、該複合糸の鞘
成分ポリマーは、エステル系ポリマー又はアミド系ポリ
マー等の通常の繊維形成性ポリマーからなるものでよ
く、また芯成分ポリマーに使用されるポリマーは、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリプロピレンやエチレン・酢
酸ビニル共重合体等の非晶性ポリマーや低結晶性ポリマ
ーが使用出来る。
【0010】鞘成分ポリマーがポリエステルで、芯成分
ポリマーが、共重合ポリエステル系ポリマーからなる芯
鞘型複合糸を使用する場合、例えば、イソフタル酸共重
合ポリエステルでは、後述の如き可逆性ある熱セット性
を求めない場合、イソフタル酸成分を8モル%以上、2
0モル%未満とするのがよい。なお、芯鞘型複合糸の芯
/鞘の比率は、容積比率で5/1〜1/5、特に3/1
〜1/2が好ましい。複合糸の断面形状は、円形、楕円
形、多角形、星形などのいずれでもよい。また、芯と鞘
は、同心的に配置されても、偏心的に配置されてもよい
が、操業性、品質の点からは中心に芯成分を有する方が
好ましい。繊維の形態は、紡糸、延伸等繊維製造の容易
さの点では、円断面で芯と鞘が同心的に配置されたもの
を使用するのがよいが、耐水性や形態安定性等では扁平
糸も好ましい。
【0011】扁平糸の形状は下記の扁平率(R)で示さ
れるが、扁平糸を使用する場合、Rは好ましくは少なく
とも1.5、更に好ましくは2.0〜4.0である。扁
平率は大きいほど、耐水性が優れるが、あまり大きくな
ると紡糸、延伸の際に操業性の低下が引き起こされ好ま
しくはない。繊維の扁平率の制御は紡糸口金の形状を変
えることにより、容易に変更することができる。 R=(繊維の長径/繊維の短径)
【0012】本発明で使用する新規な複合糸は、鞘成分
がエステル系ポリマー又はアミド系ポリマー等の通常の
繊維形成性ポリマーからなるものであってよいが、芯成
分は鞘成分と同族の共重合ポリマーで、且つ窒素雰囲気
下、10℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融
点ピークを生じない実質的に非晶質のポリマーか、ある
いはその融点が鞘成分の融点より低いポリマーからなる
のが好ましい。
【0013】特に、鞘成分が通常のポリエステルからな
り、芯成分が60〜80℃のガラス転移点を有し、10
℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピーク
を生じない実質的に非晶質のポリマーであり、かつ軟化
点が200℃以下である共重合ポリエステル系ポリマー
からなる芯鞘型複合糸を使用するのが好ましい。
【0014】かかる共重合ポリエステルの代表的なもの
は、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とし、
共重合成分として、酸成分にシュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸等の公知のジカルボン酸成分の
一種または二種以上を、またジオール成分に1、4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリアルキレングリコール、1、4−シクロヘ
キサンジメタノール等の公知のジオール成分の一種また
は二種以上を使用したものであるが、その他の共重合成
分としてジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等が添加されてもよい。
【0015】本発明で使用する共重合ポリエステルは、
前述の如き共重合成分を、所望の軟化点となるように、
紡糸及び加工操業性を損なわない物性範囲内で適宜選択
して使用したものでよいが、テレフタル酸とエチレング
リコールを主成分とし、共重合成分としてイソフタル酸
を使用したものが、工業的に安価に、安定して入手で
き、しかもポリマー物性もよく、好ましい。かかるイソ
フタル酸共重合ポリエステルでは、イソフタル酸成分が
20〜40モル%であるのが好ましく、また、芯鞘型複
合糸の芯/鞘の比率は、容積比率で5/1〜1/5、特
に3/1〜1/2程度であるのが好ましい。複合糸の断
面形状は、円形、楕円形、多角形、星形などのいずれで
もよく、また、芯と鞘は、同心的に配置されても、偏心
的に配置されてもよいが、一般に断面形状が円形或いは
扁平形で芯と鞘が同心的に配置されたものを使用するの
がよい。本願発明の繊維の繊度は通常使用される範囲の
物に適用できるが、衣料用としては単糸デニールが高々
10d、高々好ましくは5d、更に好ましくは1d〜5
dである。一方テント、産業資材等の重泊に使用する場
合も衣料繊維と同一の物も使用可能であるが、それより
やや繊度は大き目の5d〜20d程度が耐久性の点で良
好である。
【0016】次に、本願発明の製造方法の一例を示して
本発明を具体的に説明する。芯成分にイソフタル酸25
モル%変性ポリエステルを、又、鞘成分に未変性のレギ
ュラーポリエステルを使用する。本複合繊維の紡糸・延
伸は従来の複合繊維と同様に可能である。例えば、2ヶ
の溶融押し出し機、ギアポンプを通じて、芯成分、鞘成
分のポリマーを定量的に複合紡糸ヘッドに送り込み、口
金のノズルより冷却空気中に押し出す。吐出された糸状
は冷却、油剤付着後、所定の速度で巻き取られる。2種
類のポリマーの吐出量は複合繊維の芯成分/鞘成分の比
率によって決定する。すなわち、芯/鞘成分の接合比率
が1/2であれば、芯/鞘成分のポリマーの吐出量を1
/2とする。巻き取り速度は、1500m/分以下のコ
ンベンショナル紡糸と呼ばれる方法、4000m/分程
度までのPOYと呼ばれる方法やそれ以上の巻き取り速
度の高速紡糸と呼ばれる方法のいずれも採用できる。
又、紡糸即延伸法(SPD)も生産性の点で好ましいも
のである。コンベンショナル紡糸では、紡糸後に糸質を
整える為に延伸を行うが、延伸倍率は通常、2〜5倍、
好ましくは3〜4倍である。又、延伸温度は通常ポリマ
ーのガラス転移点(Tg)付近にて行うのが良く、好ま
しくは50〜120℃、更に好ましくは60〜100
℃、特に好ましくは70〜80℃である。延伸後、結晶
化の促進や収縮率を一定にする為に、熱処理を行う。熱
処理の温度は通常延伸温度以上であり、好ましくは10
0〜200℃、更に好ましくは120〜180℃であ
る。勿論、使用するポリマー種や芯/鞘の接合比率によ
っても適宜選定する必要がある。延伸装置は、加熱ロー
ラー方式、或いは加熱ローラーと加熱板との組み合わせ
等、使用する材料や目的とする性能によって適宜選択す
ればよい。
【0017】本願発明による布帛では、上述の芯/鞘複
合糸の形態保持性、耐水性により布帛としての性能を発
現するものであり、布帛表面に該複合繊維が少なくとも
30%、好ましくは50%存在するものである。複合繊
維の比率が30%より低い場合は、耐水性、形態安定性
共に不十分である。耐水性、形態安定性の向上には該複
合糸の比率は大きいほど良い。
【0018】織り上がった布帛は通常の精錬、染色工
程、仕上げ工程で製品とされる。特に、仕上げ工程に
て、カレンダー加工等、熱処理により芯/鞘型複合糸を
熱変形させる事によって、耐水性、形態安定性を発現す
るものである。従って、カレンダー処理温度としては、
芯/鞘型複合糸の芯成分の融点或いは軟化点以上の十分
に熱変形する温度にて処理する。
【0019】カレンダー加工等を使用した加圧下での熱
セットにより、複合糸の芯成分を溶融変形し、織編組織
の間隙(例えば、経糸と緯糸の交点のコーナーにできる
間隙)を詰めて、水不透過性とすることで樹脂コーティ
ングしなくても耐水性ある製品とすることができるので
ある。
【0020】かかる布帛の熱セットは、通常のカレンダ
ー加工等で可能であるが、布帛を傘やブラインド、或い
はテント、雨衣、等の所定の形状に仕上げた後に実施す
ることにより、より効果的に目的とする製品を得ること
ができる。
【0021】ポリマーの融点は示差走査熱量計(DS
C)にて窒素気流中10℃/分の昇温速度にて加熱して
いった場合の融解のメインピークの温度を示し、又ポリ
マーの軟化点は、JIS K 7196の熱機械分析法
(TMA)にて測定する。
【0022】又、風合い改善や染色性等の改善の為に、
該複合繊維と他の繊維を混合して使用する事も出来る。
例えば、該繊維と単独糸デニールが10d以下、好まし
くは1〜5dの繊維を混合する。使用する繊維は、該芯
/鞘複合糸と同種のポリマーよりなる繊維でも良いし、
別種のポリマーからなる繊維でも良い。混合に使用する
繊維は、フィラメントでも良いしステープル(短繊維)
でもよい。又、形態としては、フィラメントではストレ
ートな形状でもよいし、仮撚り捲縮や自発的な捲縮を有
していても良い。ステープルでは、通常捲縮が必要であ
り、機械的な捲縮でも自発捲縮でも良い。目標とする用
途、性能に応じて選定すればよい。例えば、耐久性、染
色性、柔軟性等を重視するのであればナイロン繊維との
混合が適当であり、強力、ハリ、コシ、弾性率等を重視
するのであれば、ポリエステル繊維との混合が好まし
い。混合のやり方は、従来混合紡糸、紡糸混繊、延撚混
繊、仮撚り混繊、合撚、エアージェットやカバリングに
よる後混繊等ヤーン同士の混合や、製織時に経糸或いは
緯糸の一部或いは全部に多種の繊維を同時に使用する方
法でも良い。均一な構造、品質を得るためには、ヤーン
同士の混繊が好ましく、異染効果、異色効果の発現の為
には、織り編み時の混合が良い。
【0023】使用する糸は、無撚でもよいし、撚りを入
れたものでも良い。撚りの入れ方としては、仮撚り、実
撚りの方法がある。撚り数としては、通常使用されてい
る程度の撚り数でよい。即ち、仮撚りでは1000T/
m程度から3000T/m程度、実撚りでは数百から高
々3000T/m程度である。耐水性、形態安定性とい
う目的からは、仮撚りか或いは、実撚りでも中撚り(1
500T/m)程度までの方が好ましい。
【0024】テント、雨衣或いは傘のように均一な耐水
圧と形態安定性の両機能を付与することが好ましい製品
では、布帛を加圧熱セットした後、所定の形状にした状
態で、熱セットするのがより好ましい。
【0025】更に、必要であれば通常布帛に行われるフ
ッ素系撥水処理剤やシリコーン系処理剤にて処理する事
も可能である。この場合、樹脂付着量としては、通常高
々5%、好ましくは1〜3%であり、次いで150〜1
80℃にて熱固定する。
【0026】仕上げ加工として、針布、エメリーペーパ
ー等による起毛、サンディング加工も表面感の改善や耐
水性、防汚性の改善に有効である。
【0027】本発明の耐熱性に優れた布帛は、芯/鞘複
合糸は芯成分に、結晶化度が低く、或いは実質的に非晶
質のポリマーよりなる繊維を主成分として使用している
為、繰り返し変形されても、可逆的に形態の復旧が可能
であり、また、耐水性も従来のように樹脂コーティング
皮膜を使っていない為に、洗濯耐久性が高く、且つ耐水
性能の経時的劣化は少ない。又、布帛表面には、複合糸
の芯成分が現れないため、風合が固くならず、染色堅牢
度の低下や均染性の低下という問題も生じ難い。
【0028】かかる本発明の布帛は、例えば、プリーツ
をつけたカーテンや衣料、造花、扇子、電気の傘、レイ
ンコート、ウインドブレーカー、雨傘、テント、自動車
カバー、鞄地、手袋、鯉のぼり、提灯等に非常に効率よ
く使用できるものとなるが、更に、本発明の布帛の一部
に、鞘成分に低融点ポリマーを用いた芯鞘型複合糸を組
み込んでもよく、この場合、形態保持機能が強化され、
また、風合のよいドットレスの接着芯地の提供も可能と
なる。
【0029】
【実施例】以下、実施例について具体的に説明する。な
お、実施例中「部」とあるのはことわりのない限り「重
量部」を意味し、「%」とあるのはことわりのない限り
「重量%」を意味する。固有粘度〔η〕は、フェノール
/テトラクロロエタン=6/4の混合溶剤中20℃で常
法により求めた。融点(Tm)は理学電気社製示差走査
熱量計(以下DSCと記す)の吸熱ピ−クのピーク値よ
り求めた。耐水性はJIS L−1092A法(静水圧
法)により評価した。又、形態安定性は直径10mmのガラ
ス管に試料を巻き付け、熱セット・冷却後10kg/m
2 の荷重を乗せて5分間経過後、荷重を除去し布帛の状
態にて判断した。
【0030】実施例1 [η]=0.64でTm=265℃のポリエチレンテレ
フタレート(ホモPET)を鞘成分とし、酸成分として
イソフタル酸を25モル%共重合し[η]=0.67で
実質的に融点を有しておらず、軟化点が約150℃の共
重合ポリエステルを芯成分として使用した。鞘成分/芯
成分を1/1とし、円形断面になるよう複合紡糸を行っ
た。1500m/分で巻き取り、引き続き延伸温度70
℃、セット温度150℃にて延伸を行い、50d/24
fで3.8g/dの糸強度、32%伸度を有する繊維:
Aを得た。又、この繊維Aの鞘成分に用いたポリエチレ
ンテレフタレートを同一条件にて単独で紡糸し繊維Bと
した。繊維Bは、50d/24fで、4.8g/dの強
度と32%の伸度を有した。表1に示す比率(繊維A/
繊維B)で繊維A、Bを経糸緯糸として使用してタフタ
を製織した。織り上がった布帛は通常の布帛と同様に精
錬し、仕上げ加工をし経糸密度125本/インチ、緯糸
密度101本/インチであった。また、本織物組織のT
CF値は1598であった。次いで450000kg/
2 の圧力で220℃の加熱ローラー処理をし、布帛の
表面を平滑化した。緯糸に使用した繊維Aは加熱ローラ
ーに圧迫されてやや扁平に変形されていた。性能を表1
に示す。尚、Exp.-7には、繊維Aの芯成分と鞘成分のポ
リマー成分を逆にして同一銘柄の繊維Cを紡糸し、Exp.
-5と同一の繊維の組み合わせにて布帛をつくり、同様に
評価した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 実施例1の繊維Aを芯として、レギュラーポリエステル
繊維(50d/36f)の仮撚糸(仮撚数3500T/
m)をエアー混繊にて、均一に混繊後、これを経糸、緯
糸につかい、タフタを製織した。織物は精錬後、実施例
1と同条件にて加工、加熱ローラー処理を行った。風合
いは実施例1よりもよりソフトで良好であった。又、耐
水圧は610mmを示し、形態安定性も良好(○)であ
った。
【0033】
【発明の効果】本発明の布帛は耐水性や加熱セットによ
る形態安定性が良好なのみでなく、従来の耐水性布帛に
見られた様な水蒸気の通過性が悪くて結露すると言うこ
ともなく、衣服、衣料資材、雨衣、テント地等にした場
合軽量で持ち運びが良く着用性が非常に快適であるとい
う特徴を有する。しかも、耐水性や形態安定性を発現す
るのが従来のような加工布帛へのゴム皮膜やビニールコ
ーティング、或いは架橋性の樹脂による加工でなく布帛
を構成する原糸そのものの性能による為に工業的安価に
且つ容易に製造できるという大きなメリットを有する。
又、従来の製品では縫製時に縫い目の耐水性が低下する
事もあるが本発明の布帛ではそういう懸念もないなど取
り扱い性も格段に優れる。又、形態安定性に関しては、
一定の形を付与し加熱処理を施すことによって新たな形
状を記憶できるという極めて新規な特徴も有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分が融点を有しないか、或いは芯成
    分の融点が鞘成分の融点より低い芯鞘型複合糸を、経糸
    及び/又は緯糸に使用し、且つ該繊維の布帛表面に占め
    る割合が少なくとも30%であり、且つ耐水圧が500
    mm以上である布帛。
  2. 【請求項2】 前記複合糸の芯成分の融点が、鞘成分の
    融点より20℃以上低いことを特徴とする請求項1の布
    帛。
  3. 【請求項3】 前記複合糸の芯成分の軟化点が、200
    ℃以下であることを特徴とする請求項1又は2の布帛。
  4. 【請求項4】 布帛の経糸と緯糸のカバーファクターの
    和が少なくとも1500であることを特徴とする請求項
    1又は2の布帛。
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