JPH10204046A - 抗菌防汚剤及びブロモアセトアミド誘導体 - Google Patents

抗菌防汚剤及びブロモアセトアミド誘導体

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JPH10204046A
JPH10204046A JP1081897A JP1081897A JPH10204046A JP H10204046 A JPH10204046 A JP H10204046A JP 1081897 A JP1081897 A JP 1081897A JP 1081897 A JP1081897 A JP 1081897A JP H10204046 A JPH10204046 A JP H10204046A
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JP
Japan
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ethyl
mixture
nitrophenyl
tribromoacetamide
group
Prior art date
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Pending
Application number
JP1081897A
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English (en)
Inventor
Daisuke Kamimura
大輔 上村
Akihiro Yamada
昭浩 山田
Kazuyoshi Yazawa
一良 矢澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は独立に水素原子、又は置換基を
有してもよい、アルキル基、アリール基、もしくはアラ
ルキル基を表し、Xは臭素原子又は水素原子を表す。)
で表されるブロモアセトアミド誘導体を有効成分とする
抗菌防汚剤、及び新規ブロモアセトアミド誘導体。 【効果】 上記ブロモアセトアミド誘導体は付着性細菌
に対して強い発育阻止作用を持ち、海洋の付着生物に対
しても強い付着阻害活性を示し、抗菌防汚剤として使用
しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブロモアセトアミド
誘導体を有効成分とする抗菌防汚剤及び新規なブロモア
セトアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】カビや細菌は種々の疾病を引き起こす
他、農林水産業、工業等広い範囲の産業及び生活の場で
様々な汚染の原因となり、植物病原菌による樹木、果
樹、野菜、芝などの疾病、糸状菌や海洋細菌によるスラ
イム形成などの障害を与えている。その防御のために各
種抗菌剤(例えばポリオキシン、ブラストサイジン、グ
リセオフルビン)が用いられているが、常により有効
で、安全かつ入手し易いものが求められているのみなら
ず、耐性種との関連で新規物質の発見が不可欠となって
いる。特に、容易に合成できる低分子量物質であれば供
給、及び使用後の生態系への安全性などの面から有利で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は細
菌、特に海洋付着性細菌に対して抗菌性の高い物質を開
発することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ブロモア
セトアミドの各種誘導体を合成し、その抗菌活性を評価
した結果、下記一般式(I)で表されるブロモアセトア
ミド誘導体が、細菌に対してインビトロの生育阻害活性
を、またフィールドにおいて防汚活性を示すことを見出
し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1およびR2は独立に水素原子、
又は置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基、
もしくはアラルキル基を表し、Xは臭素原子又は水素原
子を表す。)で表されるブロモアセトアミド誘導体を有
効成分とする抗菌防汚剤を提供する。
【0008】また本発明は、新規化合物である、下記一
般式(Ia)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1は水素原子、又は置換基を有
してもよい、アルキル基、アリール基、もしくはアラル
キル基を表し、R2'は置換基を有してもよい2−フェニ
ルエチル基を表し、Xは臭素原子又は水素原子を表
す。)で表されるブロモアセトアミド誘導体を提供する
ものである。
【発明の実施の形態】
【0011】前記一般式(I)中、R1及びR1'で示され
るアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基などが、アリール基としてはフェニ
ル基、ナフチル基などが、またアラルキル基としてはベ
ンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピ
ル基、ナフチルメチル基などが例示できる。置換基とし
ては、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基等を例
示することができる。
【0012】本発明の前記一般式(I)で表されるブロ
モアセトアミド誘導体は、海藻などから単離しうるほ
か、一部市販されており、また公知の方法、例えば対応
するアミンとブロモアセチルクロリドとを反応させるこ
とにより製造することができる。
【0013】本発明における前記一般式(I)又は(I
a)に含まれる化合物としては具体的には、トリブロモ
アセトアミド、ジブロモアセトアミド、N−メチルトリ
ブロモアセトアミド、N−メチルジブロモアセトアミ
ド、N−エチルトリブロモアセトアミド、N−エチルジ
ブロモアセトアミド、N−プロピルトリブロモアセトア
ミド、N−プロピルジブロモアセトアミド、N−ブチル
トリブロモアセトアミド、N−ブチルジブロモアセトア
ミド、N,N−ジメチルトリブロモアセトアミド、N,
N−ジメチルジブロモアセトアミド、N,N−ジエチル
トリブロモアセトアミド、N,N−ジエチルジブロモア
セトアミド、N,N−ジプロピルトリブロモアセトアミ
ド、N,N−ジプロピルジブロモアセトアミド、N,N
−ジブチルトリブロモアセトアミド、N,N−ジブチル
ジブロモアセトアミド、N−2−[(4−ニトロフェニ
ル)エチル]トリブロモアセトアミド、N−2−[(4−
ニトロフェニル)エチル]ジブロモアセトアミド、N−
2−[(2,4−ジニトロフェニル)エチル]トリブロモ
アセトアミド、N−2−[(2,4−ジニトロフェニ
ル)エチル]ジブロモアセトアミド、N−2−[(4−ク
ロロフェニル)エチル]トリブロモアセトアミド、N−
2−[(4−クロロフェニル)エチル]ジブロモアセトア
ミド、N−2−[(2,4−ジクロロフェニル)エチル]
トリブロモアセトアミド、N−2−[(2,4−ジクロ
ロフェニル)エチル]ジブロモアセトアミド、N−2−
[(4−ヒドロキシフェニル)エチル]トリブロモアセト
アミド、N−2−[(4−ヒドロキシフェニル)エチル]
ジブロモアセトアミド、N−2−[(2−ヒドロキシフ
ェニル)エチル]トリブロモアセトアミド、N−2−
[(2−ヒドロキシフェニル)エチル]ジブロモアセトア
ミド、N−2−フェニルエチルトリブロモアセトアミ
ド、N−2−フェニルエチルジブロモアセトアミド、N
−ベンジルトリブロモアセトアミド、N−ベンジルジブ
ロモアセトアミド、N−フェニルトリブロモアセトアミ
ド、N−フェニルジブロモアセトアミドなどを例示する
ことができる。
【0014】本発明において付着性細菌とは、水系、例
えば海洋での生物汚損において、大型生物の付着に先立
って生じるバイオフィルム(Chemistry & Industry, 5
March 1990, 123-127頁参照)を形成する細菌を意味
し、例えばロドスピリルム、シクロバクテリウム、ハイ
フォミクロビウム、ハイフォモナス、ペヂオミクロビウ
ム、プロセセコミクロビウム、アルテロモナス、デレ
ヤ、シュードモナス、マリノモナス属に属する細菌が挙
げられる。
【0015】本発明の抗菌防汚剤は、本発明の前記一般
式(I)で表されるブロモアセトアミド誘導体をそのま
まの形で使用することもできるが、通常は製剤化して用
いる。製剤化にあたっては、慣用の希釈剤、担体、増量
剤、添加剤などを用い、この分野で通常行われている方
法を適用することができる。液剤、乳化剤、固形剤、粉
末剤、水和剤などの形態での使用が可能である。本発明
のブロモアセトアミド誘導体を有効成分とする抗菌防汚
剤は人体や動物の他、農林水産業、工業など広い範囲の
産業および植物病原菌による樹木、果樹、野菜、芝など
の疾病、糸状菌や海洋細菌によるスライム形成の防御に
用いることができる。具体的には皮膚、髪、衣類、食
器、医療器具などの消毒、殺菌に使用できるほか、産業
用製造工程または家畜舎等の消毒防臭剤、植物抗菌剤、
プール、冷却水などの水処理用殺菌剤、スライムコント
ロール剤、水系汚染防止剤などとして有用である。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明をさら
に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0017】実施例1. トリブロモアセトアミドの単
【0018】
【化5】
【0019】沖縄で採集した海藻(600 g)をメタノー
ル(20 l)で抽出し、減圧下で濃縮したのち酢酸エチル
と水で分配し、酢酸エチル層を濃縮した。濃縮した酢酸
エチル層をヘキサンと70%エタノールで分配し、70%エタ
ノール層を濃縮後、ODSカラムクロマトグラフィー(25,
50, 75, 100%メタノール-水)で分離し、25%メタノー
ル-水溶離液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム)で分離し、トリブロモアセトア
ミド(化合物(1))と同定される物質を2.1mgを得
た。
【0020】13C-NMR(CDCl3, ppm): δ 36.7, 166.9. EIMS: 293(M+), 295, 297, 299.
【0021】実施例2. N−2−[(4−ニトロフェ
ニル)エチル]トリブロモアセトアミドの合成
【0022】
【化6】
【0023】トリブロモ酢酸(1.53 g)を100 mlナス型
フラスコに入れ、10 mlの塩化チオニルと0.1 mlのN,
N−ジメチルホルムアミドを加え,5時間還流し濃縮し
た.これに2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩
酸塩(1.04 g)を遊離のアミンにしたもののジクロロメ
タン(5 ml)溶液にトリエチルアミン1 ml加えたものを
氷冷下加えた.室温で17時間反応させた後,20 %炭酸ナ
トリウム水溶液(50 ml)を加え7時間撹拌後酢酸エチル
(50 ml)で抽出,濃縮し,シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム)で精製しN−2−[(4−
ニトロフェニル)エチル]トリブロモアセトアミド(化
合物(2))(1.28 g)を得た。
【0024】1H-NMR(CDCl3, ppm): δ 3.05(2H,t,J=7H
z), 3.69(2H,q,J=7Hz), 6.91(1H,br. s), 7.41(2H,d,J=
9Hz), 8.19(2H,d,J=9Hz). CIMS: 443(M+H)+, 445, 447, 449.
【0025】実施例3. N−2−[(4−ニトロフェ
ニル)エチル]ジブロモアセトアミドの合成
【0026】
【化7】
【0027】ジブロモ酢酸(1.09 g)を100 mlナス型フ
ラスコに入れ、10 mlの塩化チオニルと0.1 mlのN,N
−ジメチルホルムアミドを加え,5時間還流し濃縮し
た.これに2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩
酸塩(1.04 g)を遊離のアミンにしたもののジクロロメ
タン(5 ml)溶液にトリエチルアミン1 ml加えたものを
氷冷下加えた.室温で17時間反応させた後,20 %炭酸ナ
トリウム水溶液(50 ml)を加え7時間撹拌後酢酸エチル
(50 ml)で抽出,濃縮し,シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム)で精製し、N−2−[(4
−ニトロフェニル)エチル]ジブロモアセトアミド(化
合物(3))(0.90 g)を得た。
【0028】1H-NMR(CDCl3, ppm): δ 3.01(2H,t,J=7H
z), 3.63(2H,q,J=7Hz), 5.78(1H, s),6.54(1H,br. s),
7.40(2H,d,J=9Hz), 8.19(2H,d,J=9Hz). CIMS: 365(M+H)+, 367, 369.
【0029】試験例1. 発育阻害活性試験 液体培地(ペプトン 0.5%、イーストエキス 0.1%、1/
2 濃度人工海水)8ml中にサンプルを塗布したすりガラ
ス片を入れ、同時に同じ組成の液体培地で1日間培養し
たロドスピリルム・サレキシゲンス(Rodospirillum sa
rexigens SCRC-113 (FERM P-13599))培養液の100μlを
接種し、3日間25℃で振とう培養を行い、吸光度計(測定
波長:610 nm)で培養液の濁度を測定し、菌の発育量とし
た。サンプル量を変えて試験を行い、半阻止塗布量(IC
50)をもとめた。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 表1. 発育阻害活性試験結果 ───────────────────── 試料 IC50 (μg/cm2) ───────────────────── 化合物(1) 4.9 化合物(2) 4.9 化合物(3) 1.5 ─────────────────────
【0031】試験例2. 付着阻害活性試験 塩化ビニルの試験板(250mm x 250mm)の上部に2カ所穴
を開け、半径2.5 cmまたは1.8 cmの円を9個ディバイダ
で描き、この円内に被験化合物と樹脂をクロロホルム中
で混合したものを塗った。樹脂の量は一円当り半径2.5
cmの円には150mg、半径1.8 cmの円には75 mgで固定し
た。この試験板を海中に沈め観察を行った。結果を表2
に示す。
【0032】
【表2】 表2. 付着阻害活性試験結果 ────────────────────── 試料 濃度(μmol/cm2) 効果 ────────────────────── 化合物(1) 250 〇 ────────────────────── 〇:付着が認められない △:僅かに付着が認められる ×:付着が認められる
【0033】
【発明の効果】本発明の化合物は付着性細菌に対して強
い発育阻止作用を持ち、海洋の付着生物に対しても強い
付着阻害活性を示し、抗菌防汚剤として使用しうる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 233/13 C07C 233/13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は独立に水素原子、又は置換基を
    有してもよい、アルキル基、アリール基、もしくはアラ
    ルキル基を表し、Xは臭素原子又は水素原子を表す。)
    で表されるブロモアセトアミド誘導体を有効成分とする
    抗菌防汚剤。
  2. 【請求項2】 一般式(Ia) 【化2】 (式中、R1は水素原子、又は置換基を有してもよい、
    アルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基を表
    し、R2'は置換基を有してもよい2−フェニルエチル基
    を表し、Xは臭素原子又は水素原子を表す。)で表され
    るブロモアセトアミド誘導体。
JP1081897A 1997-01-24 1997-01-24 抗菌防汚剤及びブロモアセトアミド誘導体 Pending JPH10204046A (ja)

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