JPH10202895A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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- JPH10202895A JPH10202895A JP918197A JP918197A JPH10202895A JP H10202895 A JPH10202895 A JP H10202895A JP 918197 A JP918197 A JP 918197A JP 918197 A JP918197 A JP 918197A JP H10202895 A JPH10202895 A JP H10202895A
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- ink chamber
- individual
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ピエゾ素子に電圧を印加してインクを吐出さ
せ、ピエゾ素子への電圧の印加をやめてピエゾ素子を初
期状態に回復させた時、個別インク室の入り口側の小孔
からインクが補充されて個別インク室内をインクが充満
した状態に回復させる時間を短くする。 【解決手段】個別インク室3内底面に存在する共通イン
ク室4に通じるインク入り口とノズル開口部に通じるイ
ンク出口との中間位置より出口側の個別インク室3の高
さを入り口側に比べて低くし、インク入り口の面積をイ
ンク出口の面積よりも大きくする。
せ、ピエゾ素子への電圧の印加をやめてピエゾ素子を初
期状態に回復させた時、個別インク室の入り口側の小孔
からインクが補充されて個別インク室内をインクが充満
した状態に回復させる時間を短くする。 【解決手段】個別インク室3内底面に存在する共通イン
ク室4に通じるインク入り口とノズル開口部に通じるイ
ンク出口との中間位置より出口側の個別インク室3の高
さを入り口側に比べて低くし、インク入り口の面積をイ
ンク出口の面積よりも大きくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関する。
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ノズル開口から微小なインク滴を吐出
し、記録媒体上にインク滴を付着させて形成するドット
の集合により画像を印刷するインクジェット記録装置
は、記録ヘッド内のインクタンクから各ノズル開口に繋
がるインク室にインクを導き、インク室内のインクに運
動エネルギを与えることにより、ノズル開口からインク
滴を吐出させ、そのインクを記録媒体に付着させてドッ
トを形成する構成である。インクに運動エネルギを与え
る駆動方法の一つとして、インク室を構成する壁の一部
に接着したピエゾ素子を駆動部材とし、ピエゾ素子にパ
ルス電圧を印加することによってピエゾ素子を瞬間的に
変形させ、壁を変形させてインク室の体積を減少させる
ことによって発生する圧力でインクを吐出させる方法が
ある。特公平2−51734 号公報には、この方法によって
インクを吐出させる記録ヘッドに使用されるピエゾ素子
の形状,弾性係数,厚さ、及び壁の弾性係数,厚さとの
相関関係について開示されている。また、特開平8−193
3 号公報には、ピエゾ素子の配列方法とピエゾ素子への
電圧印加方法について開示されている。
し、記録媒体上にインク滴を付着させて形成するドット
の集合により画像を印刷するインクジェット記録装置
は、記録ヘッド内のインクタンクから各ノズル開口に繋
がるインク室にインクを導き、インク室内のインクに運
動エネルギを与えることにより、ノズル開口からインク
滴を吐出させ、そのインクを記録媒体に付着させてドッ
トを形成する構成である。インクに運動エネルギを与え
る駆動方法の一つとして、インク室を構成する壁の一部
に接着したピエゾ素子を駆動部材とし、ピエゾ素子にパ
ルス電圧を印加することによってピエゾ素子を瞬間的に
変形させ、壁を変形させてインク室の体積を減少させる
ことによって発生する圧力でインクを吐出させる方法が
ある。特公平2−51734 号公報には、この方法によって
インクを吐出させる記録ヘッドに使用されるピエゾ素子
の形状,弾性係数,厚さ、及び壁の弾性係数,厚さとの
相関関係について開示されている。また、特開平8−193
3 号公報には、ピエゾ素子の配列方法とピエゾ素子への
電圧印加方法について開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ピエゾ素子を用いたイ
ンクジェットプリンタでの印刷方法は、インクタンクか
ら各ノズル開口に繋がる個別インク室にインクを導き、
ピエゾ素子に電圧を印加することによって変形させ、そ
の応力で個別インク室の壁を変形させた時に個別インク
室の体積が減少することにより、ノズル開口部からイン
クが外部に吐出する。そして、電圧の印加を止めたとき
にピエゾ素子が元の状態に戻り、共通インク室より個別
インク室にインクが供給され、次のインク吐出に備え
る。この個別インク室へのインク供給速度が速いほど、
短周期でインクを吐出させることができる。ピエゾ素子
の変形状態は印加電圧の大きさに依存するため、電圧パ
ルスの立ち上がり(または立ち下がり)にピエゾ素子の
変形が追従する。個別インク室内のインクは個別インク
室の壁の変形に対して遅れて流動し、その遅れ時間はイ
ンクの粘性係数とインクタンクから個別インク室までの
通路の形状に依存する。インクジェットプリンタに用い
られるインクの溶媒は、乾燥してノズルにインクの目詰
まりが発生しない性質を有するもの、かつ粘性係数が低
いものが使用される。したがって、インクジェットプリ
ンタ向けのインクの溶媒はアルコール系のものが多く使
用されており、インクの粘性係数には大きな差がみられ
ない。つまり、個別インク室の形状やインクタンクから
個別インク室までの通路の形状が最適になるように設計
することにより、短周期でインクを吐出させることを検
討する必要があるが、従来のインクジェットプリンタで
はまだ十分に考慮されていなかった。
ンクジェットプリンタでの印刷方法は、インクタンクか
ら各ノズル開口に繋がる個別インク室にインクを導き、
ピエゾ素子に電圧を印加することによって変形させ、そ
の応力で個別インク室の壁を変形させた時に個別インク
室の体積が減少することにより、ノズル開口部からイン
クが外部に吐出する。そして、電圧の印加を止めたとき
にピエゾ素子が元の状態に戻り、共通インク室より個別
インク室にインクが供給され、次のインク吐出に備え
る。この個別インク室へのインク供給速度が速いほど、
短周期でインクを吐出させることができる。ピエゾ素子
の変形状態は印加電圧の大きさに依存するため、電圧パ
ルスの立ち上がり(または立ち下がり)にピエゾ素子の
変形が追従する。個別インク室内のインクは個別インク
室の壁の変形に対して遅れて流動し、その遅れ時間はイ
ンクの粘性係数とインクタンクから個別インク室までの
通路の形状に依存する。インクジェットプリンタに用い
られるインクの溶媒は、乾燥してノズルにインクの目詰
まりが発生しない性質を有するもの、かつ粘性係数が低
いものが使用される。したがって、インクジェットプリ
ンタ向けのインクの溶媒はアルコール系のものが多く使
用されており、インクの粘性係数には大きな差がみられ
ない。つまり、個別インク室の形状やインクタンクから
個別インク室までの通路の形状が最適になるように設計
することにより、短周期でインクを吐出させることを検
討する必要があるが、従来のインクジェットプリンタで
はまだ十分に考慮されていなかった。
【0004】本発明の目的は、個別インク室へのインク
の補給を速くして短周期でインクの吐出が可能な高速の
インクジェットヘッドを提供することにある。
の補給を速くして短周期でインクの吐出が可能な高速の
インクジェットヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、目的を達成す
るために、ピエゾ素子の変形によってインクに運動エネ
ルギを与えてインクを吐出させる方式のインクジェット
記録装置において、ノズル開口部と同数の個別インク室
の形状、及び個別インク室へ入出するインク通路の大き
さを適切な値に設定するものである。
るために、ピエゾ素子の変形によってインクに運動エネ
ルギを与えてインクを吐出させる方式のインクジェット
記録装置において、ノズル開口部と同数の個別インク室
の形状、及び個別インク室へ入出するインク通路の大き
さを適切な値に設定するものである。
【0006】具体的には、インク滴を吐出する多数のノ
ズル開口部と、ノズル開口部ごとに設けた個別インク室
と、個別インク室に供給するインクを一時蓄える共通イ
ンク室と、インクタンクから共通インク室を経て個別イ
ンク室を連結する供給通路を有し、ピエゾ素子の変形に
よってインクに運動エネルギを与えてインクを吐出させ
る方式のインクジェット記録装置において、個別インク
室内の共通インク室側のインク入り口とノズル開口部側
の出口との中間位置より出口側のインク室高さが入り口
側に比べて低いこと、及び出口側の小孔の面積が小さい
ことによって、インクを吐出させた後の個別インク室へ
のインク補給が早くなるので、短周期でインクが吐出可
能となり、高速なインクジェット記録装置を提供するこ
とができる。
ズル開口部と、ノズル開口部ごとに設けた個別インク室
と、個別インク室に供給するインクを一時蓄える共通イ
ンク室と、インクタンクから共通インク室を経て個別イ
ンク室を連結する供給通路を有し、ピエゾ素子の変形に
よってインクに運動エネルギを与えてインクを吐出させ
る方式のインクジェット記録装置において、個別インク
室内の共通インク室側のインク入り口とノズル開口部側
の出口との中間位置より出口側のインク室高さが入り口
側に比べて低いこと、及び出口側の小孔の面積が小さい
ことによって、インクを吐出させた後の個別インク室へ
のインク補給が早くなるので、短周期でインクが吐出可
能となり、高速なインクジェット記録装置を提供するこ
とができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図8は本発明になるインクジェッ
ト記録装置の一実施形態を示している。10はインクタ
ンク、11は記録ヘッド、12は記録ヘッド支持部材、
13は記録媒体、14は記録媒体搬送ロール、15は記
録ヘッド移動手段、16はモータである。
ト記録装置の一実施形態を示している。10はインクタ
ンク、11は記録ヘッド、12は記録ヘッド支持部材、
13は記録媒体、14は記録媒体搬送ロール、15は記
録ヘッド移動手段、16はモータである。
【0008】記録ヘッド11は適当な間隔で配列された
多数のノズル開口部を備え、このノズル開口部を下方に
向けてヘッド支持部材12に支持され、ノズル開口部の
並び方向が記録媒体13の搬送方向と交差する方向とな
るように配置される。モータ16aの駆動力が記録ヘッ
ド移動手段15に伝達され、記録ヘッド11は記録媒体
13の上方を移動しながら数十μmの大きさに形成され
ているノズル開口部よりインクを吐出して印刷が実行さ
れる。記録ヘッド移動手段15としては、ベルト状のゴ
ムなどがよく用いられる。カラー印刷が可能なインクジ
ェット記録装置においては、記録ヘッド11には、シア
ン,マゼンタ,イエロー,黒の4色分のノズル開口群が
形成される。各ノズル開口部からインク滴を吐出させる
駆動部材を付勢する電気パルスは、パーソナルコンピュ
ータなどのホスト装置から与えられる印刷データに従っ
て、インクジェット記録装置内の制御装置(図示せず)
が発生する。制御装置は、マイクロコンピュータを中心
に構成され、ホスト装置から与えられる印刷データに従
って電気パルスの発生を制御して記録ヘッド11からイ
ンク滴を発生させ、モータ16aやモータ16bを回転
させて記録ヘッド11や記録媒体搬送ロール14を駆動
させる機能を有する。
多数のノズル開口部を備え、このノズル開口部を下方に
向けてヘッド支持部材12に支持され、ノズル開口部の
並び方向が記録媒体13の搬送方向と交差する方向とな
るように配置される。モータ16aの駆動力が記録ヘッ
ド移動手段15に伝達され、記録ヘッド11は記録媒体
13の上方を移動しながら数十μmの大きさに形成され
ているノズル開口部よりインクを吐出して印刷が実行さ
れる。記録ヘッド移動手段15としては、ベルト状のゴ
ムなどがよく用いられる。カラー印刷が可能なインクジ
ェット記録装置においては、記録ヘッド11には、シア
ン,マゼンタ,イエロー,黒の4色分のノズル開口群が
形成される。各ノズル開口部からインク滴を吐出させる
駆動部材を付勢する電気パルスは、パーソナルコンピュ
ータなどのホスト装置から与えられる印刷データに従っ
て、インクジェット記録装置内の制御装置(図示せず)
が発生する。制御装置は、マイクロコンピュータを中心
に構成され、ホスト装置から与えられる印刷データに従
って電気パルスの発生を制御して記録ヘッド11からイ
ンク滴を発生させ、モータ16aやモータ16bを回転
させて記録ヘッド11や記録媒体搬送ロール14を駆動
させる機能を有する。
【0009】図1は本発明に使用されるインクジェット
記録装置の記録ヘッドの断面図である。1はピエゾ素
子、2は隔壁、3は個別インク室、4は共通インク室、
6はノズル開口部、7はインク通路である。インクはイ
ンクタンクより共通インク室4に入り、その先の多数に
分割された個別インク室3に入る。個別インク室3の上
方には厚さ10μm程度の隔壁2が接続され、さらに隔
壁2の上方にはピエゾ素子1が接続されている。ピエゾ
素子1の厚み方向に電圧が印加されると、ピエゾ素子1
は長手方向に収縮するため、隔壁2が変形して個別イン
ク室3の体積が減少する。そのため、個別インク室3内
のインクに圧力がかかり、インクはノズル開口部6より
吐出する。
記録装置の記録ヘッドの断面図である。1はピエゾ素
子、2は隔壁、3は個別インク室、4は共通インク室、
6はノズル開口部、7はインク通路である。インクはイ
ンクタンクより共通インク室4に入り、その先の多数に
分割された個別インク室3に入る。個別インク室3の上
方には厚さ10μm程度の隔壁2が接続され、さらに隔
壁2の上方にはピエゾ素子1が接続されている。ピエゾ
素子1の厚み方向に電圧が印加されると、ピエゾ素子1
は長手方向に収縮するため、隔壁2が変形して個別イン
ク室3の体積が減少する。そのため、個別インク室3内
のインクに圧力がかかり、インクはノズル開口部6より
吐出する。
【0010】図1のような構成のヘッドを製作する方法
は、薄いステンレスの板にプレス加工によって所定の形
と形状の多数の穴をあけ、その複数枚の穴をあけた板と
隔壁2とを接着した部材の上部にピエゾ素子を接着して
ヘッドを構成する方法や、インク室部分や隔壁をセラミ
ックスで製作して、さらにその後部材を一体焼結した部
材の上に、高温雰囲気中でピエゾ素子1を印刷して積層
する方法(特開平8−1933号公報)などが知られている
が、本発明ではヘッドの製作方法を規定するものではな
い。
は、薄いステンレスの板にプレス加工によって所定の形
と形状の多数の穴をあけ、その複数枚の穴をあけた板と
隔壁2とを接着した部材の上部にピエゾ素子を接着して
ヘッドを構成する方法や、インク室部分や隔壁をセラミ
ックスで製作して、さらにその後部材を一体焼結した部
材の上に、高温雰囲気中でピエゾ素子1を印刷して積層
する方法(特開平8−1933号公報)などが知られている
が、本発明ではヘッドの製作方法を規定するものではな
い。
【0011】ここで、図1の構成のヘッドでのインクの
流れを図3〜図5を用いてさらに詳しく説明する。
流れを図3〜図5を用いてさらに詳しく説明する。
【0012】図3は図1での断面a−a′を示す。隔壁
2の上にノズル開口部数のピエゾ素子1a,1b,1c
〜1mが並んでいる。ここではピエゾ素子1が一列に並
んだ状態を示しているが、複数列に並べても問題はな
い。また、断面内にはインクタンクと共通インク室を連
結するインク通路7が存在する。
2の上にノズル開口部数のピエゾ素子1a,1b,1c
〜1mが並んでいる。ここではピエゾ素子1が一列に並
んだ状態を示しているが、複数列に並べても問題はな
い。また、断面内にはインクタンクと共通インク室を連
結するインク通路7が存在する。
【0013】図4は図1での断面b−b′を示す。断面
内にはピエゾ素子に対応する位置に個別インク室3a,
3b,3c〜3mが並んでいる。この個別インク室3
a,3b,3c〜3mにはインクタンクからインクが流
れ込む小孔とノズル開口部につながる小孔があけられて
いる。また、図3と同様に、断面内にはインクタンクと
共通インク室を連結するインク通路7が存在する。
内にはピエゾ素子に対応する位置に個別インク室3a,
3b,3c〜3mが並んでいる。この個別インク室3
a,3b,3c〜3mにはインクタンクからインクが流
れ込む小孔とノズル開口部につながる小孔があけられて
いる。また、図3と同様に、断面内にはインクタンクと
共通インク室を連結するインク通路7が存在する。
【0014】図5は図1での断面c−c′を示す。共通
インク室4からノズル開口部数の連結通路5a,5b,
5c〜5mに枝分かれしてインクが流れ込む。この連結
通路のインクが毛細管現象によって図4の個別インク室
3a,3b,3c〜3mに入っていく。また、断面内に
はノズル開口部につながる小孔列8a,8b,8c〜8
mが存在する。
インク室4からノズル開口部数の連結通路5a,5b,
5c〜5mに枝分かれしてインクが流れ込む。この連結
通路のインクが毛細管現象によって図4の個別インク室
3a,3b,3c〜3mに入っていく。また、断面内に
はノズル開口部につながる小孔列8a,8b,8c〜8
mが存在する。
【0015】次にインクの吐出時のピエゾ素子の動作と
インクの流れを説明する。
インクの流れを説明する。
【0016】図2(a)はインク吐出時の個別インク室
の様子を示している。インク吐出時にはピエゾ素子1に
電圧が印加され、その時ピエゾ素子1は長手方向に収縮
するので、隔壁2は下方にたわみ、個別インク室の体積
が減少する。隔壁2は個別インク室の上面の壁であり、
個別インク室3の長手方向の中央部で最も下方にたわむ
ので、個別インク室の形状が直方体である場合には、個
別インク室3内のインクの半分がインクタンク側(個別
インク室入り口側)に流れ、残り半分がノズル開口部側
(個別インク室出口側)に流れ、この出口部に流れたイ
ンクがノズル開口部6より吐出する。インクが吐出した
後は、ピエゾ素子1への電圧の印加を中止してピエゾ素
子を初期状態に回復させる。その時、個別インク室3の
入り口側の小孔からインクが補充されて個別インク室3
内は初期状態に回復する。
の様子を示している。インク吐出時にはピエゾ素子1に
電圧が印加され、その時ピエゾ素子1は長手方向に収縮
するので、隔壁2は下方にたわみ、個別インク室の体積
が減少する。隔壁2は個別インク室の上面の壁であり、
個別インク室3の長手方向の中央部で最も下方にたわむ
ので、個別インク室の形状が直方体である場合には、個
別インク室3内のインクの半分がインクタンク側(個別
インク室入り口側)に流れ、残り半分がノズル開口部側
(個別インク室出口側)に流れ、この出口部に流れたイ
ンクがノズル開口部6より吐出する。インクが吐出した
後は、ピエゾ素子1への電圧の印加を中止してピエゾ素
子を初期状態に回復させる。その時、個別インク室3の
入り口側の小孔からインクが補充されて個別インク室3
内は初期状態に回復する。
【0017】ところで、インクを連続させて吐出させる
場合、その周期は個別インク室3へのインク補充時間に
依存する。つまり、インクの補充が早いほど連続吐出の
周期が短くなり、高速な印刷が可能となる。図2(b)
は個別インク室3へのインク補充を早くする方法を示し
ている。図2(a)との違いは個別インク室3の中央部
より出口側の高さが低くなっていること、及び、出口側
の小孔の面積が小さいことである(h0<h1,w1<
w2)。図2(b)のような構成になっていると、ピエ
ゾ素子1が収縮して隔壁2が変形した場合に、出口側の
インクの流速が入り口側に比べて速くなるため、個別イ
ンク室3の中央部よりも入り口側のインクが出口側に流
れ込むようになる。出口側に流れたインクの体積分がノ
ズル開口部より吐出されるので、図2(b)の構成と図
2(a)の構成とでインク吐出量が等しいならば、図2
(b)の構成の方が吐出時に入り口側に流れる(共通イ
ンク室側に戻る)インク量が少ない。したがって、ピエ
ゾ素子1が元の状態に戻った際の個別インク室3へのイ
ンク補充量が少なくて済むため、個別インク室3が初期
状態に戻る時間を短縮できる。初期状態に戻るまでの時
間が短縮されれば、吐出周期を短くすることができるの
で、高速印刷が可能となる。
場合、その周期は個別インク室3へのインク補充時間に
依存する。つまり、インクの補充が早いほど連続吐出の
周期が短くなり、高速な印刷が可能となる。図2(b)
は個別インク室3へのインク補充を早くする方法を示し
ている。図2(a)との違いは個別インク室3の中央部
より出口側の高さが低くなっていること、及び、出口側
の小孔の面積が小さいことである(h0<h1,w1<
w2)。図2(b)のような構成になっていると、ピエ
ゾ素子1が収縮して隔壁2が変形した場合に、出口側の
インクの流速が入り口側に比べて速くなるため、個別イ
ンク室3の中央部よりも入り口側のインクが出口側に流
れ込むようになる。出口側に流れたインクの体積分がノ
ズル開口部より吐出されるので、図2(b)の構成と図
2(a)の構成とでインク吐出量が等しいならば、図2
(b)の構成の方が吐出時に入り口側に流れる(共通イ
ンク室側に戻る)インク量が少ない。したがって、ピエ
ゾ素子1が元の状態に戻った際の個別インク室3へのイ
ンク補充量が少なくて済むため、個別インク室3が初期
状態に戻る時間を短縮できる。初期状態に戻るまでの時
間が短縮されれば、吐出周期を短くすることができるの
で、高速印刷が可能となる。
【0018】図1に示す構成のインクジェットヘッドで
は、図3に示すような形状のピエゾ素子を使用する。縦
幅a≪横幅bの形状のピエゾ素子に電圧を印加して伸縮
させると、ピエゾ素子1の横幅bに依存した共振周波数
で振動する。この振動の周波数は、例えば横幅bが2mm
の場合には700kHz程度であり、振動は隔壁2を通
して個別インク室内に入り音速で伝搬する。個別インク
室内の振動はインクを媒体として伝搬するので、インク
室の壁がこの振動を閉じこめるように形成されていれ
ば、個別インク室内にインクを取り込むような流れを作
ることができる。図6は個別インク室の入り口部分を拡
大した図である。個別インク室3の高さh1と供給通路
5の高さh2の和が、個別インク室3の上面と共通通路
の底面との距離h3より大きいならば個別インク室3内
に振動が閉じこめられるため、個別インク室3内のイン
クがインクタンク側に戻る動きが少ない。
は、図3に示すような形状のピエゾ素子を使用する。縦
幅a≪横幅bの形状のピエゾ素子に電圧を印加して伸縮
させると、ピエゾ素子1の横幅bに依存した共振周波数
で振動する。この振動の周波数は、例えば横幅bが2mm
の場合には700kHz程度であり、振動は隔壁2を通
して個別インク室内に入り音速で伝搬する。個別インク
室内の振動はインクを媒体として伝搬するので、インク
室の壁がこの振動を閉じこめるように形成されていれ
ば、個別インク室内にインクを取り込むような流れを作
ることができる。図6は個別インク室の入り口部分を拡
大した図である。個別インク室3の高さh1と供給通路
5の高さh2の和が、個別インク室3の上面と共通通路
の底面との距離h3より大きいならば個別インク室3内
に振動が閉じこめられるため、個別インク室3内のイン
クがインクタンク側に戻る動きが少ない。
【0019】しかし、図7のように、個別インク室3の
高さh1と供給通路5の高さh2の和が、個別インク室
3の上面と共通通路の底面との距離h3よりも小さい構
成とすると、個別インク室3内の振動は供給通路5に漏
れるので、インクタンク側に向かうインクの流れを発生
させ、インク吐出時の個別インク室3内のインク補充時
間を長くなる。したがって、個別インク室3と供給通路
5の位置関係は図6のように設定する必要がある。
高さh1と供給通路5の高さh2の和が、個別インク室
3の上面と共通通路の底面との距離h3よりも小さい構
成とすると、個別インク室3内の振動は供給通路5に漏
れるので、インクタンク側に向かうインクの流れを発生
させ、インク吐出時の個別インク室3内のインク補充時
間を長くなる。したがって、個別インク室3と供給通路
5の位置関係は図6のように設定する必要がある。
【0020】
【発明の効果】図2(b)のように、個別インク室3の
高さが共通インク室に通じるインク入り口とノズル開口
部に通じるインク出口との中間より出口側の方が低い構
成になっていると、ピエゾ素子1が収縮して隔壁2が変
形した場合に、出口側のインクの流速の方が速くなるた
め、個別インク室3の中央部付近では、入り口側に存在
するインクが出口側に流れ込むようになり、入り口側か
ら共通インク室に戻るインクが少なくなる。出口側に流
れたインクの体積分がノズル開口部より吐出されるの
で、図2(a),(b)でインク吐出量が等しい場合で、
図2(b)の構成では図2(a)の構成に比べて吐出時
に入り口側に流れるインク量(共通インク室に戻るイン
ク量)が少ない。したがって、ピエゾ素子1が元の状態
に戻った際に個別インク室3へのインク補充量が少なく
て済むため、個別インク室3が初期状態に戻る時間を短
縮できる。初期状態に戻るまでの時間が短縮されれば、
吐出周期を短くすることができるので、高速印刷が可能
となる効果がある。
高さが共通インク室に通じるインク入り口とノズル開口
部に通じるインク出口との中間より出口側の方が低い構
成になっていると、ピエゾ素子1が収縮して隔壁2が変
形した場合に、出口側のインクの流速の方が速くなるた
め、個別インク室3の中央部付近では、入り口側に存在
するインクが出口側に流れ込むようになり、入り口側か
ら共通インク室に戻るインクが少なくなる。出口側に流
れたインクの体積分がノズル開口部より吐出されるの
で、図2(a),(b)でインク吐出量が等しい場合で、
図2(b)の構成では図2(a)の構成に比べて吐出時
に入り口側に流れるインク量(共通インク室に戻るイン
ク量)が少ない。したがって、ピエゾ素子1が元の状態
に戻った際に個別インク室3へのインク補充量が少なく
て済むため、個別インク室3が初期状態に戻る時間を短
縮できる。初期状態に戻るまでの時間が短縮されれば、
吐出周期を短くすることができるので、高速印刷が可能
となる効果がある。
【図1】本発明になるインクジェットヘッドの実施形態
を示す縦断面図。
を示す縦断面図。
【図2】図1に示したインクジェットヘッドよりインク
を吐出する際のインク室の状態を示す説明図。
を吐出する際のインク室の状態を示す説明図。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドの一横断面
図。
図。
【図4】図1に示したインクジェットヘッドの一横断面
図。
図。
【図5】図1に示したインクジェットヘッドの一横断面
図。
図。
【図6】図1に示したインクジェットヘッドのインク室
のインク供給部の説明図。
のインク供給部の説明図。
【図7】図6と比較対照するインクジェットヘッドのイ
ンク室のインク供給部の説明図。
ンク室のインク供給部の説明図。
【図8】本発明になるインクジェット記録装置の実施形
態を示す説明図。
態を示す説明図。
1…ピエゾ素子、2…隔壁、3…個別インク室、4…共
通インク室、5…インク供給通路、7…インク通路。
通インク室、5…インク供給通路、7…インク通路。
Claims (3)
- 【請求項1】インク滴を吐出する多数のノズル開口部
と、前記ノズル開口部ごとに設けた個別インク室と、前
記個別インク室に供給するインクを一時的に蓄える共通
インク室と、インクタンクから前記共通インク室を経て
前記個別インク室を連結する供給通路を有するインクジ
ェット記録装置において、前記個別インク室の底面の両
端部に前記共通インク室に通じるインク入り口とノズル
開口部に通じるインク出口とが存在し、前記入り口と出
口との中間位置より出口側の前記個別インク室までの高
さが入り口側の高さに比べて低いことを特徴とするイン
クジェット記録装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記個別インク室の底
部に存在する前記共通インク室側のインク入り口の面積
がノズル開口部側のインク出口の面積よりも大きいイン
クジェット記録装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記個別インク室のイ
ンク入り口部の高さh1と、前記共通インク室と前記個
別インク室とを連結する供給通路の高さh2との和が、
前記個別インク室の上壁と供給通路の底面との距離h3
よりも大きいインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP918197A JPH10202895A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP918197A JPH10202895A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202895A true JPH10202895A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11713394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP918197A Pending JPH10202895A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10202895A (ja) |
-
1997
- 1997-01-22 JP JP918197A patent/JPH10202895A/ja active Pending
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