JPH10202051A - 排煙脱硫方法および排煙脱硫装置 - Google Patents

排煙脱硫方法および排煙脱硫装置

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JPH10202051A
JPH10202051A JP9017880A JP1788097A JPH10202051A JP H10202051 A JPH10202051 A JP H10202051A JP 9017880 A JP9017880 A JP 9017880A JP 1788097 A JP1788097 A JP 1788097A JP H10202051 A JPH10202051 A JP H10202051A
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JP
Japan
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exhaust gas
gas
heat exchanger
cooled
temperature
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JP9017880A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kanda
哲郎 神田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多大のエネルギーや装置の大型化および複雑
化を招くこと無く、簡易な設備の増設のみで、これまで
除去が困難であった微細ダストについても効率的に捕集
して除去することができる排煙脱硫方法およびこれに用
いられる排煙脱硫装置を得る。 【解決手段】 集塵機2によってダストを捕集した後の
排ガスを、熱交換器3において冷却し、次いでこれを増
湿冷却した後に反応槽20においてアルカリ性吸収液と
気液接触させて排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去して大
気中に放出するに際して、上記排ガスを、熱交換器3に
おいて冷却される低温排ガスと、熱交換器を迂回する高
温排ガス11とに分離し、低温排ガスを第1の冷却塔1
0で増湿冷却して低温の水蒸気飽和排ガスとし、他方高
温排ガスを第2の冷却塔12で増湿冷却して高温の水蒸
気飽和排ガスとし、次いでこれら低温および高温の水蒸
気飽和排ガスを混合してミストを発生させて、反応槽2
0に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスから硫黄酸
化物およびダストを除去するための排煙脱硫方法および
排煙脱硫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、火力発電所用ボイラーや大型
焼却炉等から排出される多量の排ガスから、亜硫酸ガス
(SO2 )等の硫黄酸化物やSiO2、Al23 等から
なるダストを除去して無害化するための排煙脱硫装置の
一種として、先ず電気集塵機などの集塵機によって上記
排ガス中のダストを捕集した後に、当該排ガスを石灰石
スラリー等のカルシウムを主成分とする吸収液や、アン
モニア水溶液等からなる吸収液と気液接触させることに
より、排ガス中に含まれる硫黄酸化物を石膏や硫安とし
て固定して除去するものが知られている。図4は、従来
のこの種の排煙脱硫装置の概略構成を示すものである。
図4において、図中符号1が火力発電所用ボイラー等か
ら延出した排ガスのダクトであり、このダクト1に沿っ
て、順次電気集塵機(集塵機)2、ガスガスヒータ(熱
交換器)3、冷却塔4、反応槽5、上記ガスガスヒータ
3との間に供給の熱媒体が循環ライン6を介して供給さ
れるガスガスヒータ(熱交換器)7および煙突8が設け
られたものである。
【0003】上記構成からなる排煙脱硫装置において
は、電気集塵機2においてダクト1から送気されてくる
排ガス中のダストを除去した後に、ガスガスヒータ3に
よって上記排ガスから熱を回収し、次いでガスガスヒー
タ3によって降温された排ガスを冷却塔4で増湿冷却し
た後に反応槽5に導入し、この反応槽5内においてアル
カリ性吸収液と気液接触させて排ガス中の亜硫酸ガス等
を吸収除去し、次いで、ガスガスヒータ7によって、反
応槽5から排出された処理ガスを上記ガスガスヒータ3
において回収された熱により再加熱して白煙の発生を防
止したうえで、煙突8から大気に放出するようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
排煙脱硫装置においては、電気集塵機2において排ガス
に含まれる比較的粒径の大きなダストは効率良く捕集す
ることができるものの、粒径が1ミクロン以下の微細ダ
ストは捕集することができない。一方、このような排ガ
スの処理に対して、近年における環境保護の要請の高ま
りから、硫黄酸化物のみならずダストについても、その
放出基準がより一層厳しくなりつつある。そこで、上述
した電気集塵機2においても捕集されない微細ダストに
ついても、これを効率的に捕集して昨今における最も厳
しい排出基準にも適用可能な排煙脱硫装置の開発が望ま
れている。そこで、反応槽5の上流側において、排ガス
を何等かの方法によって冷却することにより、水蒸気の
凝縮によってミストを発生させてその核となる微細ダス
トを捕集しようとする種々の提案がなされているが、こ
れらの方法にあっては、いずれも排ガスの冷却に多大の
エネルギーを必要としたり、あるいは別途大きな熱交換
器を増設する必要がある等、経済的ではなく、その実行
性に乏しいという欠点があった。
【0005】本発明は、かかる要請に基づいてなされた
もので、多大のエネルギーや装置の大型化および複雑化
を招くこと無く、簡易な設備の増設のみで、これまで除
去が困難であった微細ダストについても効率的に捕集し
て除去することができる排煙脱硫方法およびこれに用い
られる排煙脱硫装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る排煙脱硫方法は、集塵機によってダストを捕集し
た後の排ガスを、熱交換器において冷却し、次いでこれ
を増湿冷却した後に反応槽においてアルカリ性吸収液と
気液接触させて上記排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去し
て大気中に放出するに際して、上記排ガスを、上記熱交
換器において冷却される低温排ガスと、上記熱交換器を
迂回する高温排ガスとに分離し、低温排ガスを増湿冷却
して低温の水蒸気飽和排ガスとし、他方高温排ガスを増
湿冷却して高温の水蒸気飽和排ガスとし、次いでこれら
低温および高温の水蒸気飽和排ガスを混合してミストを
発生させて、反応槽に導入することを特徴とするもので
ある。
【0007】この際に、請求項2に記載の発明は、上記
熱交換器が、反応槽の上流側および下流側に設けられ、
上流側において上記排ガスから回収した熱によって下流
側の処理ガスを再加熱するガスガスヒータであることを
特徴とするものである。さらに、請求項3に記載の発明
は、請求項1または2に記載の反応槽において、アルカ
リ性吸収液中に排ガスを噴出させることによって気液混
合のジエットバブリング層を形成することにより、上記
アルカリ性吸収液中に、排ガス中の硫黄酸化物を吸収す
るとともに、残留ダストを捕集して除去することを特徴
とするものである。
【0008】また、請求項4に記載の本発明に係る排煙
脱硫装置は、排ガスのダクトに沿って、順次排ガス中の
ダストを除去する集塵機と、上記排ガスから熱を回収す
る熱交換器と、この熱回収器によって降温された排ガス
を増湿冷却する第1の冷却部と、アルカリ性吸収液と気
液接触させて当該排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去する
反応槽と、この反応槽から排出された処理ガスを上記熱
交換器において回収された熱によって再加熱する熱交換
器とが設けられ、かつ上記熱回収器の入口側に、上記ダ
クトから分岐して排ガスの一部を導く高温排ガスダクト
が枝配管され、この高温排ガスダクトに、上記熱交換器
を迂回した高温排ガスを増湿冷却する第2の冷却部が設
けられるとともに、この第2の冷却部の出口側の上記高
温排ガスダクトが、上記第1の冷却部の出口側の上記ダ
クトと接続されていることを特徴とするものである。
【0009】ここで、請求項5に記載の発明は、上記反
応槽が、アルカリ性吸収液を貯留する貯留部と、この貯
留部内に上記排ガスを噴出させる多数本のスパージャー
パイプとを有するジェットバブリング方式の反応槽であ
ることを特徴とするものである。
【0010】請求項1〜3のいずれかに記載の排煙脱硫
方法およびこれに用いられる請求項4または5に記載の
排煙脱硫装置にあっては、集塵機によって比較的粒径の
大きなダストが捕集された後の低温排ガスが熱交換器に
おいて増湿冷却されることにより、図3の湿度図表の拡
大部分に示すように、飽和曲線S上において湿球温度が
低い水蒸気飽和ガスAとなり、他方上記熱交換器を迂回
した排ガスの一部が増湿冷却されることにより、飽和曲
線S上における湿球温度が高い水蒸気飽和排ガスBとな
る。そして、これら低温および高温の水蒸気飽和排ガス
A、Bを混合すると、得られた混合ガスの温度および湿
度は、上記A、B点を直線で結んだ線上のC点、すなわ
ち飽和曲線Sの上方に位置する過飽和の排ガスとなる。
この結果、混合された排ガスが含有する水分量と、当該
排ガス温度における飽和曲線S上の絶対水分量との差
(図中αで示す量)に相当する過飽和の水分量によっ
て、微細ダストを核として水蒸気が凝縮してミストが発
生する。このようにして微細ダストを核とするミストを
含んだ排ガスは、反応槽においてアルカリ性吸収液と気
液接触して上記排ガス中の硫黄酸化物が吸収除去される
とともに、同時に上記ミストも吸収液に吸収されること
により、微細ダストが一体的に捕集される。
【0011】これを具体的に説明すると、例えば130
℃で水分量が10%の排ガスを増湿冷却して得られた5
8.0℃(絶対水分量=0.1358kg/kg:近似
値として空気の物性を使用)の高温排ガス20%と、熱
交換器によって冷却された80℃で水分量が10%の排
ガスを増湿冷却することにより得られた54.5℃(絶
対水分量=0.1113kg/kg:同)の排ガス80
%とを混合すると、水分量が0.1162kg/kgの
55.2℃の排ガスが得られる。一方、飽和曲線上にお
ける55.2℃の絶対水分量は0.1157kg/kg
であるから、その差分に相当する500mg/kgの水
分がミストとして発生する。これにより、数十mg/m
3 の量のダストは、数百mg/m3 の量の上記ミストに
よって見掛け上の径が大きくなるとともに、質量(=慣
性)が約10倍になるために、反応槽に送って吸収液と
気液接触させることにより、効率的に上記吸収液中に捕
集することが可能になる。
【0012】このように、上記排煙脱硫方法および排煙
脱硫装置によれば、大型の熱交換器や、多大な排ガス冷
却用のエネルギーを必要とすること無く、排ガスダクト
の僅かな追加のみで、集塵機で捕集されずに同伴した粒
径1ミクロン以下の微細ダストについても容易に捕集す
ることができ、よって処理ガス中のダスト量を一層低減
化させることが可能になるとともに、この結果上記集塵
機の所要能力もより小さいものにすることができて経済
的である。
【0013】この際、特に請求項3または5に記載の発
明のように、上記反応槽が、アルカリ性吸収液中に排ガ
スを噴出させることによって気液混合のジエットバブリ
ング層を形成することにより、上記アルカリ性吸収液中
に、排ガス中の硫黄酸化物を吸収するジェットバブリン
グ方式の反応槽である場合には、微細ダストを核とする
粒径の大きなミストが上記ジェットバブリング層におい
て直接吸収液と接触するために、当該微細ダストをより
効率的に捕集することができて好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
排煙脱硫装置の一実施形態を示すもので、図4に示した
ものと同一構成部分については、同一符号を付してその
説明を簡略化する。図1に示すように、この排煙脱硫装
置においては、排ガスから熱を回収する熱交換器3の下
流側に、この熱回収器3によって降温された排ガスを増
湿冷却する低温側冷却塔(第1の冷却部)10が配設さ
れるとともに、熱回収器3の入口側に、ダクト1から分
岐して排ガスの一部を導く高温排ガスダクト11が枝配
管されている。さらに、この高温排ガスダクト11に、
熱交換器3を迂回した高温排ガスを増湿冷却する高温側
冷却塔(第2の冷却部)12が設けられている。そし
て、この高温側冷却塔11の出口側の高温排ガスダクト
11が、低温側冷却塔10の出口側のダクト1と接続さ
れて反応槽20に導かれている。
【0015】この反応槽20は、排ガス中に含まれる亜
硫酸ガスを、石灰石(CaCO3 )を溶解または懸濁し
た吸収液と気液接触させることにより、吸収液中に吸収
して石膏として除去するもので、図2に示すように、内
部が上下方向に間隔をおいて上部デッキ21と下部デッ
キ22が配設されている。これら上下部デッキ21、2
2は、反応槽20の内部空間を気密に画成する隔壁とし
て設けられており、下部デッキ22の下側空間が吸収液
を貯留する貯留槽23、上部デッキ21と下部デッキ2
2間の空間が入口プレナム24、上部デッキ21の上側
空間が出口プレナム25となっている。そして、貯留槽
23の内部には、石灰石スラリーからなる吸収液が所定
レベルで貯留されている。また、入口プレナム24に
は、反応槽20内に排ガスを導入する入口ダクト1が接
続され、他方出口プレナム25には、反応槽20におい
て脱硫された処理ガスを外部に導出するダクト1が接続
されている。
【0016】ここで、下部デッキ22には、多数の開口
が穿設されており、各開口には、下部デッキ22の下面
に垂下されたスパージャーパイプ26の上端が接続され
ている。このスパージャーパイプ26は、下端が貯留槽
23内の吸収液中に挿入されており、下端外周に水平方
向に向けて排ガス噴出孔が穿設されている。この排ガス
噴出孔は、吸収液の液面下の所定深さに開口しており、
吸収液の液面下において排ガスを水平方向に噴出するよ
うになっている。
【0017】また、下部デッキ22と上部デッキ21間
には、貯留槽23の吸収液面上の上部空間23aを出口
プレナム25側に連通させるガスライザー27が、入口
プレナム24を貫通する形で設けられている。さらに、
貯留槽23の底部には、酸化用空気を噴出させる酸化用
空気の供給管28と、吸収液を攪拌するための攪拌機2
9とが設けられている。また、反応槽20には、補充用
の吸収液を反応槽20内に補給するための供給管30が
接続され、他方貯留槽23の底部には、当該貯留槽23
において生成した石膏スラリーをポンプ31によって抜
出す抜出し管32と、石膏を分離する石膏分離器33
と、分離された母液を上記供給管30から反応槽20内
に戻す母液管34が配管されている。
【0018】次に、以上の構成からなる排煙脱硫装置を
用いた本発明に係る排煙脱硫方法の一実施形態について
説明する。先ず、火力発電所用の石炭焚きボイラー等か
ら排気された排ガスは、ダクト1から電気集塵機2に送
られて、比較的粒径の大きなダストが捕集された後に、
その5〜15%がそのまま熱交換器3を迂回して高温排
ガスダクト11から高温側冷却塔12に送られて増湿冷
却され、湿球温度が高い水蒸気飽和排ガスになる。他
方、その他の熱交換器3に送られた排ガスは、ここで循
環ライン6の熱媒体によって熱が回収されて降温された
後に、さらに低温側冷却塔10において増湿冷却され、
湿球温度が低い水蒸気飽和ガスになる。そして、高温排
ガスダクト11とダクト1との接続部において、これら
低温および高温の水蒸気飽和排ガスが混合されることに
より、上述したように過飽和の排ガスとなり、この結果
電気集塵機2において捕集されなかった微細ダストを核
として水蒸気が凝縮してミストが発生する。
【0019】次いで、上記ミストおよび亜硫酸ガス等の
硫黄酸化物を含んだ排ガスは、反応槽20に送られ、入
口プレナム24を経て各スパージャーパイプ26の下端
の噴出孔から噴出し、吸収液と激しく混合して、液相連
続のジェットバブリング層Jを形成する。この際、攪拌
機29を回転させて吸収液を攪拌するとともに、供給管
28から供給された酸化用空気を先端部のノズルから吸
収液中に連続的に供給する。これにより、上記ジェット
バブリング層Jにおいて高効率な気液接触が行われ、排
ガス中に含まれる亜硫酸ガス等が酸化されるとともに、
吸収液中の石灰石によって中和される反応が行われて、
上記亜硫酸ガスが極めて高い効率で吸収・除去される。
また、これと並行して、微細ダストを核とする粒径の大
きなミストが上記ジェットバブリング層Jにおいて直接
吸収液と接触し、当該吸収液中に効率的に捕集される。
【0020】このようにして、脱硫されるとともに微細
なダストまでが捕集された無害化された排ガスは、ガス
ライザー27から出口プレナム25を経て、ガスガスヒ
ータ7に送られ、ここで循環ライン6から供給される熱
媒体によって再加熱された後に、煙突8から外部に排気
される。他方、亜硫酸ガス(SO2 )を酸化・中和する
ことによって吸収液中に生成した石膏(CaSO4 ・2
2 O)は、結晶成長して粗大粒子化することにより吸
収液石膏スラリーとなり、ポンプ31によって貯留槽2
3から抜き出されて、石膏分離機33において母液と石
膏とに分離される。
【0021】したがって、上記排煙脱硫方法および排煙
脱硫装置によれば、電気集塵機2で捕集されずに同伴し
た粒径1ミクロン以下の微細ダストについても、大型の
熱交換器や、多大な排ガス冷却用のエネルギーを必要と
すること無く、高温排ガスダクト11および高温側冷却
塔12の追加のみで、容易に捕集することができる。こ
のため、大気に放出される処理ガス中のダスト量を、よ
り一層低減化させることが可能になるとともに、併せて
電気集塵機2の所要能力もより小さいものにすることが
できて経済的である。この際、特に反応槽20として、
ジェットバブリング方式のものを用いているので、ジェ
ットバブリング層Jにおいて微細ダストを核とする粒径
の大きなミストを直接吸収液と接触させることができ、
よって上記微細ダストを極めて効率的に捕集することが
できる。
【0022】なお、上記実施の形態においては、反応槽
として最も好適な例としてジェットバブリング方式のも
のを用いた場合についてのみ説明したが、これに限定さ
れるものではなく、スプレー塔式等の他の反応槽につい
ても適用することが可能である。また、上記実施の形態
では、第1および第2の冷却部として、独立した低温側
冷却塔10および高温側冷却塔12を配設した場合につ
いてのみ説明したが、これに限らず、ガスガスヒータ3
の出口側のダクト1内に冷却水管を導入し、排ガスにス
プレーすることによって増湿冷却し、他方ガスガスヒー
タ3を迂回した排ガスを同様に高温排ガスダクト内にお
いてスプレーすることにより増湿冷却した後に、両ダク
ト1、12の接続部においてこれら低温および高温の水
蒸気飽和排ガスを混合して、ミストを発生させた状態で
反応槽20に導入するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3のい
ずれかに記載の排煙脱硫方法およびこれに用いられる請
求項4または5に記載の排煙脱硫装置によれば、大型の
熱交換器や、多大な排ガス冷却用のエネルギーを必要と
すること無く、排ガスダクトの僅かな追加のみで、集塵
機で捕集されなずに同伴した粒径1ミクロン以下の微細
ダストについても容易に捕集することができ、よって処
理ガス中のダスト量を一層低減化させることが可能にな
るとともに、併せて上記集塵機の所要能力もより小さい
ものにすることができる。特に、請求項3または5に記
載の発明のように、上記反応槽としてジェットバブリン
グ方式の反応槽を用いれば、微細ダストを核とする粒径
の大きなミストが上記ジェットバブリング層において直
接吸収液と接触するために、当該微細ダストをより効率
的に捕集することができ、一層顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排煙脱硫装置の一実施形態を示す概略
構成図である。
【図2】図1の反応槽を示す縦断面図である。
【図3】飽和曲線部分の一部を拡大した湿度図表であ
る。
【図4】従来の排煙脱硫装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 排ガスのダクト 2 電気集塵機(集塵機) 3、7 ガスガスヒータ(熱交換器) 10 低温側冷却塔(第1の冷却部) 11 高温排ガスダクト 12 高温側冷却塔(第2の冷却部) 20 反応槽 23 貯留槽 26 スパージャーパイプ J ジェットバブリング層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集塵機によってダストを捕集した後の排
    ガスを、熱交換器において冷却し、次いでこれを増湿冷
    却した後に反応槽においてアルカリ性吸収液と気液接触
    させて上記排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去し大気中に
    放出する排煙脱硫方法において、 上記排ガスを、上記熱交換器において冷却される低温排
    ガスと、上記熱交換器を迂回する高温排ガスとに分離
    し、上記低温排ガスを増湿冷却して低温の水蒸気飽和排
    ガスとし、他方上記高温排ガスを増湿冷却して高温の水
    蒸気飽和排ガスとし、次いでこれら低温および高温の水
    蒸気飽和排ガスを混合してミストを発生させて上記反応
    槽に導入することを特徴とする排煙脱硫方法。
  2. 【請求項2】 上記熱交換器は、上記反応槽の上流側お
    よび下流側に設けられ、上記上流側において上記排ガス
    から回収した熱によって、上記下流側において処理ガス
    を再加熱するガスガスヒータであることを特徴とする請
    求項1に記載の排煙脱硫方法。
  3. 【請求項3】 上記反応槽において、上記アルカリ性吸
    収液中に上記排ガスを噴出させることによって気液混合
    のジエットバブリング層を形成することにより、上記ア
    ルカリ性吸収液中に、排ガス中の硫黄酸化物を吸収する
    とともに、上記ミストの核となる残留ダストを捕集して
    除去することを特徴とする請求項1または2に記載の排
    煙脱硫方法。
  4. 【請求項4】 排ガスのダクトに沿って、順次上記排ガ
    ス中のダストを除去する集塵機と、上記排ガスから熱を
    回収する熱交換器と、この熱回収器によって降温された
    排ガスを増湿冷却する第1の冷却部と、アルカリ性吸収
    液と気液接触させて当該排ガス中の硫黄酸化物を吸収除
    去する反応槽と、この反応槽から排出された処理ガスを
    上記熱交換器において回収された熱によって再加熱する
    熱交換器とが設けられ、かつ上記熱回収器の入口側に、
    上記ダクトから分岐して上記排ガスの一部を導く高温排
    ガスダクトが枝配管され、この高温排ガスダクトに、上
    記熱交換器を迂回した高温排ガスを増湿冷却する第2の
    冷却部が設けられるとともに、この第2の冷却部の出口
    側の上記高温排ガスダクトが、上記第1の冷却部の出口
    側の上記ダクトと接続されていることを特徴とする排煙
    脱硫装置。
  5. 【請求項5】 上記反応槽は、アルカリ性吸収液を貯留
    する貯留部と、この貯留部内に上記排ガスを噴出させる
    多数本のスパージャーパイプとを有するジェットバブリ
    ング方式の反応槽であることを特徴とする請求項4に記
    載の排煙脱硫装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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