JPH10201531A - 低酸素透過性化粧品容器及び化粧品 - Google Patents

低酸素透過性化粧品容器及び化粧品

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JPH10201531A
JPH10201531A JP696497A JP696497A JPH10201531A JP H10201531 A JPH10201531 A JP H10201531A JP 696497 A JP696497 A JP 696497A JP 696497 A JP696497 A JP 696497A JP H10201531 A JPH10201531 A JP H10201531A
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JP
Japan
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cosmetic
container
cap
low oxygen
resin
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Withdrawn
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JP696497A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Kusawake
昌利 艸分
Yoshiki Hori
宜喜 堀
Sadahiro Oohara
禎裕 大原
Masaki Yamada
正喜 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧品容器において、容器のキャップや容器
本体の器壁を透過して酸素が容器本体内部に進入するこ
とを防止し、中身の化粧品の安定性を高める。 【解決手段】 化粧品を充填する低酸素透過性化粧品容
器11を、化粧品の取り出し可能な口部13を有する容
器本体12と、口部13を螺合して覆い、かつ化粧品吐
出口14を有するポリブチレンテレフタレート樹脂製ノ
ズルキャップ15と、ノズルキャップ15の化粧品吐出
口14を螺合して覆うオーバーキャップ17とを有し、
オーバーキャップ17がアルミニウムでコートされた樹
脂製パッキンからなるパッキン部16を有し、該パッキ
ンがノズルキャップ15の化粧品吐出口14を密閉する
ようにオーバーキャップ17はノズルキャップ15の化
粧品吐出口14を覆うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧品用の容器にか
かり、特に内部の化粧品を、容器のキャップや容器本体
の器壁を透過して進入する酸素から保護する化粧品容器
及びかかる容器に充填されて安定化された化粧品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】化粧品は、例えば美白、皺取り、育毛等
の使用目的に合わせて様々な特性を有する数種から数十
種類に及ぶ有機薬剤や無機薬剤を混合して構成されたも
のであるが、日常生活において毎日または長期に渡って
連用されるものであるために、あらゆる条件を考えに入
れ、使用上安全でなくてはならない。
【0003】つまり、毒性やアレルギー性や重金属試験
による安全性の確認がなされることはもちろん、化粧品
自体の安定性も必須の要件であるとされ、色調安定性、
耐光性、匂い安定性、耐温度・耐湿度特性、防腐性等が
具体的な要件とされている。このような安全性は化粧品
のみならず、それを収納、充填する容器にも当然求めら
れる。
【0004】つまり、その化粧品を充填する容器は意匠
的な効果ももちろん有するが、本質的には内部の化粧品
を化学的・物理的に保護するためのものであり、自身が
化学的・物理的に安定で、内部に充填される化粧品によ
っては外部からの不要な水分の進入や含有する薬剤の分
解を引き起こすような高濃度の酸素の進入や紫外線の入
射等を防止できるものであることが必要である。
【0005】さらに、固体、クリーム状の高粘性の液
体、さらさらの低粘性液体、ジェル等の様々な化粧品の
形態に合わせて化粧品の充填・収納や取り出しが容易
で、加えて容器自身の取扱いがしやすいものであること
も求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような要求の
下、化粧品容器として化学的に安定であるガラス製の瓶
容器が多用されてきたが、従来のガラス製瓶容器の多く
がそうであるように、化粧品不使用時の瓶口の密閉性を
確保するために、また、それを比較的低コストで確保す
るために瓶口を覆って蓋するキャップには多くの場合、
樹脂性のものを用いてきた。
【0007】また、化粧品がクリーム状の高粘度の液体
であったり、ジェルである場合には、容器としてはガラ
ス製のものは用いず、自身の変形が容易で内部のクリー
ム状等の化粧品を容易に吐出しうるチューブ状の容器が
用いられる事が多い。その場合、チューブ状容器を構成
する材料としては、酸素の透過が無く、当然水分の進入
も無く、また遮光効果も完全なアルミニウムの薄板が用
いられるが、アルミニウムは同等の変形性能を有する樹
脂等に比べ高価な材料であり、製品のコスト上昇の原因
となっていた。
【0008】また、たとえアルミニウムの薄板をチュー
ブの材料に用い、化粧品容器本体を構成したとしても、
そのキャップにはガラス瓶容器と同様の理由から樹脂製
のものが多く用いられてきた。キャップ等に用いられる
樹脂としては成形の容易さと安価な材料であることから
ポリプロピレン樹脂(以下、PPと称す。)が多用され
ている。
【0009】しかし、例えばL−アスコルビン酸を含有
するなど、比較的酸化分解のしやすい成分を含む化粧品
においては、PP製キャップの容器に充填して数か月程
度の期間を経過すると人体に影響する程度のものではな
いが分解による変色や異臭を発生する場合がある。この
ような化粧品はたとえ安全性に問題がなくとも商品価値
はなくなってしまう。
【0010】この化粧品の変色や異臭の原因としては、
PP製キャップを透過して進入する酸素がL−アスコル
ビン酸を分解するためであるとされる。従って、樹脂と
しての成形容易性を保ち、容器のキャップなどに用いた
場合、容器口部との密閉性の確保を容易とし、さらに自
身を酸素が透過しにくい樹脂が求められており、そし
て、そのような樹脂を用いた化粧品容器が求められてい
る。
【0011】よって、本発明の目的は、化粧品容器を構
成する樹脂部をポリブチレンテレフタレート樹脂等のポ
リプロピレンより低い酸素透過性能を有する樹脂により
形成した低酸素透過性化粧品容器を提供し、さらにアス
コルビン酸等比較的酸素との反応性が高い成分を含みな
がらかかる容器に収納されて分解の防止された化粧品を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
低酸素透過性化粧品容器において、化粧品容器を構成す
る樹脂部をポリプロピレンより小さい酸素透過係数を有
する樹脂により形成したことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の低
酸素透過性化粧品容器において、前記のポリプロピレン
より小さい酸素透過係数を有する樹脂がポリブチレンテ
レフタレート樹脂であることを特徴とする。請求項3記
載の発明は、低酸素透過性化粧品容器において、化粧品
の取り出し可能な口部を有する容器本体と、該口部を覆
うキャップとを有し、該キャップがポリブチレンテレフ
タレート樹脂からなることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の低
酸素透過性化粧品容器において、前記容器本体がポリブ
チレンテレフタレート樹脂からなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、低酸素透過性化粧品容器におい
て、化粧品の取り出し可能な口部を有する容器本体と、
該口部を覆い、かつ化粧品吐出口を有するポリブチレン
テレフタレート樹脂製ノズルキャップと、該ノズルキャ
ップの化粧品吐出口を覆うオーバーキャップとを有し、
該オーバーキャップがアルミニウム層からなる表面を持
つパッキンを有し、該パッキンが該ノズルキャップの化
粧品吐出口を密閉するように該オーバーキャップは該ノ
ズルキャップの化粧品吐出口を覆っていることを特徴と
する。
【0015】請求項6記載の発明は、低酸素透過性化粧
品容器において、化粧品の取り出し可能な口部を有する
容器本体と、該口部を覆い、かつ化粧品吐出口を有する
ポリブチレンテレフタレート樹脂製ノズルキャップと、
該ノズルキャップの化粧品吐出口を覆うポリブチレンテ
レフタレート樹脂製オーバーキャップとを有しているこ
とを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項5及び請求
項6記載の低酸素透過性化粧品容器において、前記容器
本体がポリブチレンテレフタレート樹脂若しくはアルミ
ニウム製のチューブ状であることを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明は、化粧品において、
アスコルビン酸を含有し、化粧品容器を構成する樹脂部
をポリブチレンテレフタレート樹脂により形成した低酸
素透過性化粧品容器に充填することにより安定化された
ことを特徴とする。
【0018】請求項9記載の発明は、化粧品において、
アスコルビン酸を含有し、化粧品の取り出し可能な口部
を有する容器本体と、該口部を覆うキャップとを有し、
該容器本体または該キャップの少なくとも一方がポリブ
チレンテレフタレート樹脂からなる低酸素透過性化粧品
容器に充填することにより安定化されたことを特徴とす
る。
【0019】化粧品容器の酸素透過防止能力を高めるた
めには、それに用いられる樹脂の酸素透過特性を把握す
る必要がある。樹脂の酸素透過特性については酸素透過
係数の比較によってなされるのが一般的である。「プラ
スチックデータハンドブック」(工業調査会、1980
年発行)によれば樹脂の酸素透過係数(単位は10-13
cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg)はPPが900であるのに
対し、高密度ポリエチレンは700、延伸ポリエチレン
テレフタレートは20〜70、硬質ポリ塩化ビニルは9
0である。
【0020】また、「Guide To Plastic」によれば延伸
ポリエチレンテレフタレートの酸素透過係数(単位はcc
/MIL/10011/Day)が6.0〜8.0、高密度ポリエチレ
ンが185であるのに対し、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂(以下、PBTと称す。)は2.7〜5.4であ
り、PPに比べるとはるかに小さい酸素透過係数を有す
ることになり、PPに比べて酸素透過の抑制効果が著し
く高いことが分かる。
【0021】そして、PBTは成形等も容易であり、ガ
ラス製瓶容器やアルミニウム製チューブのキャップに用
いることも可能である。請求項1記載の発明によれば、
容器が樹脂部を含んで構成されている場合、PPを化粧
品容器の構成部材として用いた従来例に比べ、構成部材
自身を透過して容器内部に進入する酸素量を減少させる
ことが可能となり、従来の化粧品容器に比べ、化粧品の
安定性をより高くした化粧品容器を提供できる。
【0022】請求項2記載の発明によれば、化粧品容器
の構成部材としてPPに比べ著しく低酸素透過性で、か
つ成形容易なPBTを用いており、PPを化粧品容器の
構成部材として用いた従来例に比べ、容器の製造容易性
を損なうことなく、構成部材自身を透過して容器内部に
進入する酸素量を著しく減少させることが可能となり、
PPを構成部材として用いた従来化粧品容器に比べ、化
粧品の安定性を著しく高くした化粧品容器を提供でき
る。
【0023】請求項3記載の発明によれば、化粧品容器
の口部を密閉するキャップの構成材料としてPPに比べ
著しく低酸素透過性で、かつ成形も容易なPBTを用い
ている。従って、PPを化粧品容器のキャップとして用
いた従来例に比べ、キャップの製造容易性と口部の密閉
性を損なうことなく、キャップ自身を透過して容器内部
に進入する酸素量を著しく減少させることが可能とな
り、PPを用いた従来化粧品容器に比べ、化粧品の安定
性を著しく高くした化粧品容器を提供できる。
【0024】請求項4記載の発明によれば、キャップに
PBTを用いるとともに、化粧品を充填する化粧品容器
本体の構成材料としてPP等の汎用樹脂に比べ著しく低
酸素透過性で、かつ成形も容易なPBTを用いている。
従って、ガラス瓶やアルミニウム製チューブを化粧品容
器本体として用いた従来例に比べて、容器本体の器壁か
らの酸素透過に対する抑制効果を損なうことなく、樹脂
を用いて容器本体を構成することが可能であり、従来化
粧品容器に比べ、化粧品の安定性を損なうこと無く低コ
ストの化粧品容器を提供できる。
【0025】請求項5記載の発明によれば、容器内部か
ら容器本体口部を通して化粧品を取り出す際に、化粧品
の吐出量の調節をできるように容器本体の口部にノズル
キャップが設けられている。このノズルキャップは容器
本体への取付けが容易なように樹脂で作られるが、その
樹脂にPBTを用いている。従って、ノズルキャップ自
身を透過して酸素が容器本体内部に進入することが防止
されている。
【0026】また、ノズルキャップの吐出口は、ノズル
キャップ上に設けられたオーバーキャップの有するパッ
キンであって、アルミニウムでコートされる等してアル
ミニウム層からなる表面を持つパッキンによって密閉さ
れており、アルミニウム自身は酸素を透過しないことか
ら、ノズルキャップ及びオーバーキャップを透過して酸
素が容器本体内部に進入するこは防止されている。
【0027】よって、従来化粧品容器に比べ、化粧品の
安定性を著しく高くしつつ、ノズルキャップを有して使
用性を向上させることが可能な化粧品容器を提供でき
る。請求項6記載の発明によれば、容器内部から容器本
体口部を通して化粧品を取り出す際に、化粧品の吐出量
の調節をできるように容器本体の口部にノズルキャップ
が設けられている。このノズルキャップは容器本体への
取付けが容易なように樹脂で作られるが、その樹脂にP
BTを用いている。従って、ノズルキャップ自身を透過
して酸素が容器本体内部に進入することが防止されてい
る。
【0028】また、ノズルキャップの吐出口は、ノズル
キャップ上に設けられたPBT製のオーバーキャップよ
って密閉されており、ノズルキャップ及びオーバーキャ
ップを透過して酸素が容器本体内部に進入することは防
止されている。よって、従来化粧品容器に比べ、化粧品
の安定性を著しく高くしつつ、ノズルキャップを有して
使用性を向上させることが可能な化粧品容器を提供でき
る。
【0029】請求項7記載の発明によれば、酸素透過性
の低いPBT若しくは酸素の透過しないアルミニウムを
用いてチューブ状の容器本体を構成している。さらに口
部には酸素透過性の低いPBTからなり、その吐出口が
アルミニウムでコートされる等アルミニウム層からなる
表面に有するパッキンまたはPBT製オーバーキャップ
により密閉可能とされたノズルキャップを有している。
【0030】よって、クリーム状の高粘性液体やジェル
からなる化粧品の取り出しが容易であって、中身の化粧
品の安定性を著しく高くすることが可能な化粧品容器を
提供できる。請求項8及び請求項9記載の発明によれ
ば、安定化剤であるアスコルビン酸を含有しており、他
の主薬剤の安定性を確保している。
【0031】このアスコルビン酸は酸素との反応性が他
の化粧品構成材料に比べてやや高いため、通常使用では
本来は起こりえないが、特殊な状況下では起きる可能性
がある高濃度の酸素との長時間の接触によって、自身が
分解する可能性を有しており、化粧品本体に異臭等の問
題を引き起こす場合がある。
【0032】よって、アスコルビン酸を酸素と接触させ
ないために低酸素透過性のPBTを使用した低酸素透過
性化粧品容器を用いている。従って、含有する薬剤成分
の安定性を高めて、化粧品としての安定性を確保した高
安定性、高安全性の化粧品を提供できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0034】
【実施例】
(実施例1)図1は本実施例に係る低酸素透過性化粧品
容器の構造を示す図であり、要部の断面図を示してい
る。
【0035】本実施例に係る低酸素透過性化粧品容器1
は、化粧品の取り出し可能な口部3を有する容器本体2
と、口部3を覆うキャップ4とを有している。そして、
容器本体2はアルミニウムからなるチューブ状の形状を
有しており、キャップ4は口部3と螺合して口部3を密
閉し、容器本体2内部への口部3を通しての酸素の進入
を防止している。
【0036】キャップの材質としてはPPより小さい酸
素透過係数を有する樹脂材料が使用可能であり、具体的
にはPBT、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリ塩化ビニル等の材料が成形容易であり、
入手も容易であることから望ましい。
【0037】本実施例においては、上記の樹脂材料の中
で最も酸素透過係数の小さいPBTを用いてキャップを
形成した。次に、安定性等の確認が既になされている汎
用の化粧品用香料aとL−アスコルビン酸を含有するク
リーム状液体である化粧品Aと、化粧品用香料aとは別
種であるがやはり安定性等の確認が既になされている汎
用の化粧品用香料bとL−アスコルビン酸を含有するク
リーム状液体である化粧品Bとを準備する。
【0038】そして、化粧品Aと化粧品Bをそれぞれ前
記の低酸素透過性化粧品容器1に充填し、50°Cの温
度条件下、3日間放置する。そして、放置後のそれぞれ
の化粧品の匂いを官能試験により調べ、変臭の有無及び
その程度を検査する。比較例としてはPPをキャップの
材料として用いた以外は全く本実施例と同一容器に充填
された前記の2種の化粧品を用い、本実施例の場合と同
一の検討と検査を行った。
【0039】結果は、比較例として用いた何れの化粧品
においても、化粧品としての安定性として問題となる程
度ではないが、僅かの変臭が確認されたのに対し、本実
施例の低酸素透過性化粧品容器に充填された化粧品は全
く変臭が無かった。 (実施例2)容器本体の材質をPBTとした以外は実施
例1と同一の低酸素透過性化粧品容器を用いて、実施例
1と全く同一の試験を行った。
【0040】その結果、本実施例の低酸素透過性化粧品
容器に充填された化粧品においては全く変臭が認められ
なかった。尚、以上の実施例においては容器本体として
チューブ状のものを用いているが、容器本体の形状はチ
ューブ状に限定される必要はなく、ガラス製の瓶状のも
のや、アルミニウム等の金属製の缶のようなもの等、チ
ューブ状以外の形状の容器本体を用いた場合や、さらに
化粧品の状態が、さらさらの液状のものや固体状の場合
にも適用可能である。
【0041】(実施例3)図2は本実施例に係る低酸素
透過性化粧品容器の構造を示す図であり、要部の断面図
を示している。本実施例に係る低酸素透過性化粧品容器
11は、化粧品の取り出し可能な口部13を有する容器
本体12と、口部13を螺合して覆い、かつ化粧品吐出
口14を有するポリブチレンテレフタレート樹脂製ノズ
ルキャップ15と、ノズルキャップ15の化粧品吐出口
14を螺合して覆うオーバーキャップ17とを有してい
る。
【0042】そして、オーバーキャップ17がパッキン
部16を有し、パッキン部16が有するパッキンにより
ノズルキャップ15の化粧品吐出口14を密閉するよう
にオーバーキャップ17はノズルキャップ15の化粧品
吐出口14を覆っている。ノズルキャップ15は酸素透
過性の低いPBT製とする。そして、パッキン部16の
パッキンには酸素透過性の無いアルミニウムをコートし
て、その表面にアルミニウム層を備えた樹脂を使用して
いる。このアルミニウムでコートした樹脂製パッキンで
ノズルキャップ15の化粧品吐出口14を密閉すること
により、容器本体12内部への口部13を通しての酸素
の進入を防止している。
【0043】パッキン部16のパッキンについては、全
体をPBT等の酸素透過性の低い樹脂からつくることが
望ましく使用可能であるが、アルミニウム等の酸素透過
性の無い材料から作ることがさらに望ましい。アルミニ
ウムを用いる場合、アルミニウムのみからパッキンを構
成することも可能であるが、アルミニウムは固いため吐
出口との密閉性の確保が困難な場合がある。その場合
は、ポリエチレンやPP等の樹脂や木材や紙等のより弾
力性のある部材にアルミニウムをラミネート等の方法で
表面のみをコートし、その内部の樹脂部分の弾力性によ
り吐出口との密着性を高め、吐出口の密閉性をより高く
して使用することが望ましい。よって、本実施例におい
ては上記の構成からなるパッキンを使用している。
【0044】また、アルミニウムのコートについては、
パッキン表面の全体をコートする必要は必ずしも無く、
吐出口と密着する表面のみをコートし、吐出口の密閉性
を確保することも可能である。尚、容器本体12につい
ては、その構造をアルミニウムからなるチューブ状と
し、またオーバーキャップ17の材質はPPとした。
【0045】この低酸素透過性化粧品容器11を用い、
容器の酸素透過量の測定を行った。測定は、低酸素透過
性化粧品容器11を5つ用い、化粧品の代わりにアルゴ
ンガスを充填し、50°Cで1週間放置し、放置後の内
部の酸素濃度を測定することによって行う。比較のため
第一比較例としてノズルキャップの材質をPPとし、ア
ルミニウムでコートされたパッキン等からなるパッキン
部16を設けないものと、第二比較例としてノズルキャ
ップ及びオーバーキャップを設けず、アルゴンガス充填
後に容器本体の口部をアルミニウムで塞いで密閉したも
のとをそれぞれ5つずつ準備した。
【0046】評価結果は表にまとめた。
【0047】
【表1】
【0048】表に示された結果から、本実施例の酸素透
過量は第二比較例とした容器本体の口部をアルミニウム
で塞いで密閉したものに近い値であり、第一比較例とし
たノズルキャップの材質をPPとし、パッキン部16を
設けないものに比べ6倍程度の非常に高い酸素透過防止
能力を有していることがわかった。
【0049】次に、安定性等の確認が既になされている
汎用の化粧品用香料cとL−アスコルビン酸を含有する
クリーム状液体である化粧品Cを準備する。そして、化
粧品Cを低酸素透過性化粧品容器11に充填し、50°
Cの温度条件下で放置する。そして、放置後のそれぞれ
の化粧品の匂いを官能試験により調べ、変臭の有無及び
その程度を検査した。
【0050】比較例としてはPPをノズルキャップの材
料を用い、アルミニウムでコートされたパッキン等から
なるパッキン部16を設けないとした以外は全く本実施
例と同一容器に充填された化粧品Cを用い、本実施例の
場合と同一の検討と検査を行った。
【0051】結果は、比較例として用いた化粧品Cにお
いては、1日間の放置後変色と変臭が確認されたのに対
し、本実施例の低酸素透過性化粧品容器に充填された化
粧品Cは10日間の放置までは変色、変臭が認められな
かった。そして、10日間の放置後に極僅かな変色が認
められたが変臭は無く、その状況は14日間の放置後も
変化は無かった。
【0052】10日間の放置後に認められた極僅かな変
色は、化粧品の安定性として問題となる程度のものでは
なく、また、50°C14日間の放置は室温条件下にお
ける約9か月の放置に相当する。よって、本実施例にか
かる低酸素透過性化粧品容器11は非常に高い酸素透過
防止能力を有し、結果として、本実施例にかかる低酸素
透過性化粧品容器11に充填された化粧品Cは室温条件
下で1年以上の安定性を有していることになり、従来容
器に充填された従来化粧品に比べはるかに高い安定性を
有していることになる。
【0053】(実施例4)図3は本実施例に係る低酸素
透過性化粧品容器の構造を示す図であり、要部の断面図
を示している。本実施例に係る低酸素透過性化粧品容器
21は、化粧品の取り出し可能な口部23を有する容器
本体22と、口部23を螺合して覆い、かつ化粧品吐出
口24を有するポリブチレンテレフタレート樹脂製ノズ
ルキャップ25と、ノズルキャップ25の化粧品吐出口
24を螺合して覆うポリブチレンテレフタレート樹脂製
オーバーキャップ26とを有している。
【0054】ノズルキャップ25とオーバーキャップ2
6を酸素透過性の低いPBT製とし、容器本体22内部
への口部23を通しての酸素の進入を防止している。
尚、容器本体22については、その構造をアルミニウム
からなるチューブ状とした。
【0055】この低酸素透過性化粧品容器21に、実施
例3で用いた化粧品Cを充填し、実施例3における試験
と同様に、50°Cの温度条件下で放置する。そして、
放置後のそれぞれの化粧品の匂いを官能試験により調
べ、変臭の有無及びその程度を検査した。
【0056】その結果は、実施例3と同様であり、本実
施例の低酸素透過性化粧品容器に充填された化粧品Cは
10日間の放置までは変色、変臭が認められなかった。
そして、10日間の放置後に極僅かな変色が認められた
が変臭は無く、その状況は14日間の放置後も変化は無
かった。
【0057】尚、本実施例においては、化粧品容器を構
成する部品にPBTを用いる場合は、該部品全体をPB
Tによって形成しているが、そのように部品全体をPB
Tで形成する必要は必ずしも無い。つまり、部品の外気
に触れない部分や部品内部に酸素透過性は大きいが安価
な材料を用い、外気に触れる部位や表面付近のみPBT
を用いることや、外気に触れるとしても部品の厚みが十
分であるため酸素の透過が起きない部分には酸素透過性
は大きいが安価な材料をそのまま用いることなども可能
である。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、従来の化
粧品容器に比べ、化粧品の安定性をより高くした化粧品
容器を提供できる。請求項2記載の発明によれば、容器
の製造容易性を損なうことなく、構成部材自身を透過し
て容器内部に進入する酸素量を著しく減少させることが
可能となり、PPを構成部材として用いた従来化粧品容
器に比べ、化粧品の安定性を著しく高くした化粧品容器
を提供できる。
【0059】請求項3記載の発明によれば、キャップの
製造容易性と口部の密閉性を損なうことなく、キャップ
自身を透過して容器内部に進入する酸素量を著しく減少
させることが可能となり、PPを用いた従来化粧品容器
に比べ、化粧品の安定性を著しく高くした化粧品容器を
提供できる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、容器本体の
器壁からの酸素透過に対する抑制効果を損なうことな
く、樹脂を用いて容器本体を構成することが可能であ
り、従来化粧品容器に比べ、化粧品の安定性を損なうこ
と無く低コストの化粧品容器を提供できる。
【0061】請求項5記載の発明によれば、従来化粧品
容器に比べ、化粧品の安定性を著しく高くしつつ、ノズ
ルキャップを有して使用性を向上させることが可能な化
粧品容器を提供できる。請求項6記載の発明によれば、
従来化粧品容器に比べ、化粧品の安定性を著しく高くし
つつ、ノズルキャップを有して使用性を向上させること
が可能な化粧品容器を提供できる。
【0062】請求項7記載の発明によれば、中身の化粧
品の安定性を著しく高くすることが可能な化粧品容器を
提供できる。請求項8及び請求項9記載の発明によれ
ば、含有する薬剤成分の安定性を高めて、化粧品として
の安定性を確保した高安定性、高安全性の化粧品を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る低酸素透過性化粧品
容器の要部の断面図である。
【図2】本発明の第三実施例に係る低酸素透過性化粧品
容器の要部の断面図である。
【図3】本発明の第四実施例に係る低酸素透過性化粧品
容器の要部の断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 低酸素透過性化粧品容器 2,12、22 容器本体 3,13,23 口部 4 キャップ 14,24 吐出口 15,25 ノズルキャップ 16 パッキン部 17,26 オーバーキャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 正喜 静岡県掛川市長谷1120番地 株式会社資生 堂掛川工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧品容器を構成する樹脂部をポリプロ
    ピレンより小さい酸素透過係数を有する樹脂により形成
    したことを特徴とする低酸素透過性化粧品容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の低酸素透過性化粧品容器
    において、 前記のポリプロピレンより小さい酸素透過係数を有する
    樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特
    徴とする低酸素透過性化粧品容器。
  3. 【請求項3】 化粧品の取り出し可能な口部を有する容
    器本体と、 該口部を覆うキャップとを有し、 該キャップがポリブチレンテレフタレート樹脂からなる
    ことを特徴とする低酸素透過性化粧品容器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の低酸素透過性化粧品容器
    において、 前記容器本体がポリブチレンテレフタレート樹脂からな
    ることを特徴とする低酸素透過性化粧品容器。
  5. 【請求項5】 化粧品の取り出し可能な口部を有する容
    器本体と、 該口部を覆い、かつ化粧品吐出口を有するポリブチレン
    テレフタレート樹脂製ノズルキャップと、 該ノズルキャップの化粧品吐出口を覆うオーバーキャッ
    プとを有し、 該オーバーキャップがアルミニウム層からなる表面を持
    つパッキンを有し、 該パッキンが該ノズルキャップの化粧品吐出口を密閉す
    るように該オーバーキャップは該ノズルキャップの化粧
    品吐出口を覆っていることを特徴とする低酸素透過性化
    粧品容器。
  6. 【請求項6】 化粧品の取り出し可能な口部を有する容
    器本体と、 該口部を覆い、かつ化粧品吐出口を有するポリブチレン
    テレフタレート樹脂製ノズルキャップと、 該ノズルキャップの化粧品吐出口を覆うポリブチレンテ
    レフタレート樹脂製オーバーキャップとを有しているこ
    とを特徴とする低酸素透過性化粧品容器。
  7. 【請求項7】 請求項5及び請求項6記載の低酸素透過
    性化粧品容器において、 前記容器本体がポリブチレンテレフタレート樹脂若しく
    はアルミニウム製のチューブ状であることを特徴とする
    低酸素透過性化粧品容器。
  8. 【請求項8】 アスコルビン酸を含有し、 化粧品容器を構成する樹脂部をポリブチレンテレフタレ
    ート樹脂により形成した低酸素透過性化粧品容器に充填
    することにより安定化されたことを特徴とする化粧品。
  9. 【請求項9】 アスコルビン酸を含有し、 化粧品の取り出し可能な口部を有する容器本体と、該口
    部を覆うキャップとを有し、該容器本体または該キャッ
    プの少なくとも一方がポリブチレンテレフタレート樹脂
    からなる低酸素透過性化粧品容器に充填することにより
    安定化されたことを特徴とする化粧品。
JP696497A 1997-01-17 1997-01-17 低酸素透過性化粧品容器及び化粧品 Withdrawn JPH10201531A (ja)

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