JPH10201156A - 回転電気機械用の電機子コイル - Google Patents

回転電気機械用の電機子コイル

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JPH10201156A
JPH10201156A JP136397A JP136397A JPH10201156A JP H10201156 A JPH10201156 A JP H10201156A JP 136397 A JP136397 A JP 136397A JP 136397 A JP136397 A JP 136397A JP H10201156 A JPH10201156 A JP H10201156A
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JP
Japan
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coil
layer
synthetic resin
thermosetting synthetic
wire
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JP136397A
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Akinobu Nakayama
昭伸 中山
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】頭部等の詰め物やコイル固め層の電気的,熱的
な性質を改良した回転電気機械用の電機子コイルを提供
する。 【解決手段】この発明になる電機子コイルであるギッタ
ーコイル1は、従来例に対して、粒状などのアルミナが
混入されているコンパウンド材を用いた詰め物部2が採
用されている。また、この発明になる別の電機子コイル
である半完成状態の亀甲形コイル3は、従来例に対し
て、粒状などのアルミナが混入されている熱硬化性合成
樹脂材を用いたコイル固め層4が採用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、比較的に高い電
圧で使用される回転電気機械に適用される電機子コイル
に係わり、頭部等の詰め物やコイル固め層の電気的,熱
的な性質を改良したその構成に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的に高い電圧や大形の回転電気機械
(発電機,電動機などである)の電機子(固定子等であ
る)に適用されるコイルである電機子コイルにおいて
は、素線として平角銅線が採用され、これに適宜の素線
絶縁が施されたうえで、所定の形状に形成されることが
一般である。この種の回転電気機械に採用されている電
機子コイルには、亀甲形コイルや,素線に転位が施され
ているギッターコイルが多くの場合に適用されている。
以下に図面を用いて従来例の回転電気機械用の電機子コ
イルについて説明する。
【0003】図3は、従来例のギッターコイルを詰め物
部を除いて模式的に示したその斜視図であり、図4は、
図3に示したギッターコイルの詰め物部を含む要部の図
3におけるA−A断面図である。図3,図4において、
9は、素線81を用いて素線81の整列体として形成さ
れたコイル部8と、詰め物部91と、対地主絶縁層92
とを備えたギッターコイルである。
【0004】素線81は、平角銅線の外周に図示しない
素線絶縁層が形成されているものである。この素線絶縁
層に用いられる電気絶縁材としては、テープ状の基材
(ガラスクロス,高分子フィルムなどが一般である)に
合成樹脂が含浸されるなどした電気絶縁テープ材(例え
ば、エポキシガラステープ材である)などが用いられて
おり、集成マイカを貼り合わせた電気絶縁テープ材が用
いられる事例も多い。素線絶縁層は、テープ状の電気絶
縁材である前記の電気絶縁テープ材を、平角銅線に半重
ね状態などとしてテープ巻き状態に巻き付けることによ
って形成されている。
【0005】ところで一般に、素線(例えば、素線81
である)に用いられている平角銅線においては、電機子
で発生された漏れ磁束の影響を受けることによって、平
角銅線中を通流する電流に偏りが生じることがある。こ
れを避けるために、素線に転位を施すことが慣用されて
おり、素線に転位を施したコイルがギッターコイルであ
る。そうして、図3,図4に示したギッターコイル9が
備えるコイル部8にも、転位が施されている。
【0006】しかしながら、転位が施されているコイル
部8においては、その頭部(図4におけるB部とC部と
である)における素線81の外側面を連ねる包絡面は凹
凸状になる。コイル部8の頭部の端面の凹凸度を低減す
るために、コイル部8の頭部には、素線81の外側面を
連ねる包絡面の凹部を埋めて、例えば、エポキシ樹脂材
とマイカ片とを混合したコンパウンド材が詰められるこ
とで、詰め物部91が形成されている。コイル部8で
は、頭部ばかりで無く、図4中に示したように、その側
面部にも前記のコンパウンド材が詰められることで、コ
イル部8の側面部の素線81相互間の凹凸をも無くすよ
うにしている。なお、製造原価を低減するなどのため
に、側面部には詰め物部91の形成を行わないギッター
コイルの事例も知られている。
【0007】対地主絶縁層92は、コイル部8に詰め物
部91を形成することで頭部や側面部の凹凸度合いが低
減されたその外周面の必要部分に形成されている。この
対地主絶縁層92の形成方法を、樹脂含浸タイプとして
知られている事例で説明すると、対地主絶縁層92に
は、基材(ポリエステル不織布,ガラスクロス,高分子
フィルムなどが一般である)に、はがしマイカまたは集
成マイカを貼り合わせてなるマイカシート等の電気絶縁
シート材が用いられている。
【0008】この電気絶縁シート材を、詰め物部91を
介してコイル部8の外周に所定の厚さになるように巻き
重ねられた後、エポキシ樹脂などの熱硬化性合成樹脂材
を真空含浸し、整形用金型を併用するなどしてこの熱硬
化性合成樹脂材を加熱硬化処理することにより、対地主
絶縁層92が形成されている。かくして得られたギッタ
ーコイル9は、対地主絶縁層92の部分において図示し
ない電機子鉄心が持つ溝内に収められて、回転電気機械
に用いられることになる。なお、対地主絶縁層92の形
成方法としては、レジンリッチタイプも知られている。
【0009】次に、従来例の亀甲形コイルについて、図
5,図6を用いて説明する。ここで図5は、半完成状態
の従来例の亀甲形コイルを模式的に示したその上面図で
あり、図6は、図5に示した半完成状態の亀甲形コイル
の図5におけるD−D断面図である。図5,図6におい
ては、図3,図4に示した従来例のギッターコイルと同
一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0010】図5,図6において、7は、素線81を用
いて素線81の整列体として形成されたコイル部6と、
素線81の整列状態が崩れるのを防止するために,コイ
ル部6の外周部に形成されたコイル固め層71とを備え
た半完成状態の亀甲形コイルである。半完成状態の亀甲
形コイル7は、図5,図6に示されたように作製された
後、コイル部6に対してこれを六角状にする成形処理が
施され、その後前述のギッターコイル9の場合と同様に
図示しない対地主絶縁層が形成されて、亀甲形コイルが
完成する。かくして得られた亀甲形コイルは、対地主絶
縁層の部分において図示しない電機子鉄心が持つ溝内に
収められて、回転電気機械に用いられることになる。
【0011】従来例の亀甲形コイルにおけるコイル固め
層71は、電機子鉄心が持つ溝内に収めらる部分に形成
されることが一般であり、エポキシ樹脂などの熱硬化性
合成樹脂材が塗布される場合と、ガラスクロスやガラス
テープなどの基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性合成樹
脂材を含浸したうえで半硬化処理を行ったプリプレグシ
ート材やプリプレグテープ材が適用される場合(プリプ
レグシート材やプリプレグテープ材は、コンソリデーシ
ョンシート,コンソリデーションテープと呼ばれること
もある)とがある。コイル固め層71に熱硬化性合成樹
脂材が用いられる場合には、その熱硬化性合成樹脂材
は、硬化前の流動状態でコイル部6の外周部に塗布さ
れ、その後、加熱硬化処理が施される。
【0012】コイル固め層71にプリプレグシート材や
プリプレグテープ材(以降、プリプレグシート材とプリ
プレグテープ材とを総称して、プリプレグ材と称するこ
とがある。)が用いられる場合には、次記する3種類の
施工法が知られている。第1の施工法は、まずプリプレ
グ材をコイル部6の4つの外周面の寸法に合わせて裁断
し、裁断されたプリプレグ材をコイル部6の対応する外
周面のそれぞれに貼り付ける施工法である。
【0013】第2の施工法は、まずプリプレグ材をコイ
ル固め層71の素線81の長さ方向に沿う寸法(図5中
のL寸法である)と同一の幅寸法に裁断し、裁断された
プリプレグ材をコイル部6の外周面に、あたかもコイル
部6が芯にされた海苔巻きのような外観として巻き付け
る施工法である。第3の施工法は、プリプレグ材として
前記のL寸法よりもかなり狭い幅寸法を持つプリプレグ
テープ材を用い、このプリプレグテープ材をコイル部6
の外周面に、テープ巻き状態に巻き付ける施工法であ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る回転電気機械用の電機子コイル、例えば、ギッターコ
イル9,および半完成状態が亀甲形コイル7を基にした
亀甲形コイルにおいては、通常の使用状態においては、
長期間にわたって安定な電気絶縁特性などを得ることが
できている。しかしながら、近年における回転電気機械
は、大きな負荷変動の下で運転されることが多くなる傾
向にあり、これに伴って問題が生じるようになってきて
いる。
【0015】近年における回転電気機械に多く見られる
ようになった運転状態について、回転電気機械が発電機
の場合を例にとって更に説明をする。近年における電力
事情は、空調負荷の増加等を反映して日々あるいは同日
にあっては時間毎の負荷変動が大きくなる傾向にある。
これに伴い電力を供給する発電機は、負荷の変動に対応
して起動・停止を繰り返して行う経済的運用に対応させ
て運転されることが一般化しており、この傾向は、中容
量の発電機(多くの場合に高電圧の発電機でもある)の
場合に比較的多く見受けられるようになっている。
【0016】このような発電機の運転状態は、電機子コ
イルにとっては大きな温度変化が繰り返し印加されるこ
とである。電機子コイルに大きな温度変化が繰り返し印
加されることは、コイル部(例えば、コイル部6やコイ
ル部8である)に用いられている銅材製の素線(例え
ば、素線81である)と、各種の電気絶縁材が用いられ
ている部位(例えば、前述の素線絶縁層,コイル固め
層,詰め物部,および対地主絶縁層のことである)との
熱膨張係数の差異により、両者間に熱応力が繰り返し作
用することである。素線と各種の電気絶縁材が用いられ
ている部位(以降、電気絶縁材部と略称することがあ
る。)との間にに熱応力が繰り返し作用すると、素線と
比較して機械的強度の弱い電気絶縁材部に剥離が顕著に
発生する事態が惹起される。
【0017】この電気絶縁材部の剥離は、前述の構成を
持つ従来技術の電機子コイルにおいては、素線絶縁層と
対地主絶縁層よりもコイル固め層や詰め物部に比較的に
高い確率で発生する。これ等の部位に剥離が発生する
と、周知のごとくに剥離を起こした部位にはコロナ放電
が発生し、その付近の電気絶縁物が劣化をすることにな
る。すなわち、コイル固め層や詰め物部が、コロナ放電
によって劣化を受けることになっている。
【0018】素線絶縁層は、素線に直接に接する電気絶
縁材部ではあるが、コイル固め層や詰め物部よりも剥離
が発生し難いという事実がある。このことは、前述した
ように、素線絶縁層には機械的強度が比較的大きな電気
絶縁テープ材が用いられ、しかも、素線にテープ巻き状
態に巻き付けられることによって形成されているためと
考えられている。また、コイル固め層の内、プリプレグ
材を用いて、前述の第3の施工法によって形成されたコ
イル固め層は、素線絶縁層に比較的に類似した構成を有
しているのではあるが、電気絶縁テープ材がコイル部の
外周面に巻き付けられるものであるので、素線絶縁層の
場合と比較してその素線に沿わせられる長さが長くなら
ざるを得ない。このことが、第3の施工法によって形成
されたコイル固め層であっても、素線絶縁層よりも剥離
の発生確率が高くなる原因になっていると考えられてい
る。
【0019】従来技術の回転電気機械においては、コイ
ル固め層や詰め物部がコロナ放電によって劣化を受ける
ことを見越して、対地主絶縁層の厚さを増大することで
対処を行っており、このことが、回転電気機械の体格の
低減,すなわち回転電気機械の小形化の妨げになってい
る。また、素線は電機子においては最も高温になる部材
であり、しかも、素線の近傍は電界が集中する部位でも
ある。これ等のことから、コロナ放電による劣化を起こ
し難く,冷却性能が向上され,しかも素線の近傍の電界
強度の緩和が図れる回転電気機械用の電機子コイルが強
く望まれているのである。
【0020】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、頭部等の詰め物や
コイル固め層の電気的,熱的な性質を改良した回転電気
機械用の電機子コイルを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)転位が施されると共に素線絶縁が施された素線導体
の整列体からなるコイルと、熱硬化性合成樹脂材が用い
られた電気絶縁材によって,少なくともコイルの頭部の
素線導体が存在していない部位などに形成されてなる詰
め物部と、コイルおよび詰め物部の外周を覆う対地主絶
縁層とを備える回転電気機械用の電機子コイルにおい
て、詰め物部は、熱硬化性合成樹脂材に電気絶縁性の無
機質充填材が混入されてなる構成とすること、または、 2)素線絶縁が施された素線導体の整列体からなるコイ
ルと、熱硬化性合成樹脂材が用いられた電気絶縁材によ
ってコイルの外周部に施されたコイル固め層と、コイル
固め層を介してコイルの外周を覆う対地主絶縁層とを備
える回転電気機械用の電機子コイルにおいて、コイル固
め層は、熱硬化性合成樹脂材に電気絶縁性の無機質充填
材が混入されてなる構成とすること、により達成され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。なお、この項の以下の説明におい
ては、図3〜図6に示した従来例の回転電気機械用の電
機子コイルと同一部分には同じ符号を付し、その説明を
省略する。図1は、この発明の実施の形態の一例による
回転電気機械用の電機子コイルを示す図面で、(a)は
ギッターコイルの要部の前述の図4と同等部位における
断面図であり、(b)は半完成状態の亀甲形コイルの前
述の図6と同等部位における断面図である。
【0023】まず、図1(a)に示したこの発明になる
ギッターコイルについて説明する。図1(a)におい
て、1は、図3,図4に示した従来例によるギッターコ
イル9に対して、詰め物部91に替えて詰め物部2を用
いるようにしたギッターコイルである。詰め物部2は、
従来例の詰め物部91と対比すると、用いるコンパウン
ド材が異なることのみが相異している。すなわち、この
発明になる詰め物部2では、従来例の詰め物部91に用
いられているコンパウンド材に対して、例えば、適宜な
形状とされたアルミナなどの無機質の充填材が混入され
ていることがその特長である。この無機質の充填材の形
状は、粒状や繊維状などの適宜な形状を選択することが
できる。
【0024】次に、図1(b)に示したこの発明になる
亀甲形コイルについて説明する。図1(b)において、
3は、図5,図6に示した半完成状態の従来例による亀
甲形コイル7に対して、コイル固め層71に替えてコイ
ル固め層4を用いるようにした半完成状態の亀甲形コイ
ルである。コイル固め層4は、従来例のコイル固め層7
1と対比すると、用いる熱硬化性合成樹脂材が異なるこ
とのみが相異している。
【0025】すなわち、この発明になるコイル固め層4
では、従来例のコイル固め層71に用いられている熱硬
化性合成樹脂材に対して、前述のこの発明になるギッタ
ーコイル1の場合と同様に、例えば、適宜な形状とされ
たアルミナなどの無機質の充填材が混入されていること
がその特長である。この無機質の充填材の形状は、粒状
や繊維状などの適宜な形状を選択することができる。な
お、コイル固め層4にプリプレグ材を用いる場合には、
無機質の充填材は、基材に含浸される前などの半硬化さ
れる前の状態の熱硬化性合成樹脂材に混入される。
【0026】図1に示すこの発明の実施の形態の一例に
よる電機子コイルであるギッターコイル1や,半完成状
態の亀甲形コイル3を基にした亀甲形コイルでは、前述
の構成としたので、詰め物部2に用いられるコンパウン
ド材やコイル固め層4に用いられる熱硬化性合成樹脂材
は、アルミナなどの無機質の充填材が混入されることに
よって、無機質充填材が持つ好ましい電気的,熱的な性
質(高い絶縁耐力、高くかつ温度依存性の少ない誘電
率、高い対コロナ性、高い熱伝導率、小さい体積熱膨張
係数などである)によって、その電気的,熱的な性質が
改善される。すなわち、この発明になる電機子コイルに
用いられる熱硬化性合成樹脂材は、従来技術の場合に対
して、絶縁耐力,誘電率,対コロナ性,熱伝導率が向上
され、また、その体積熱膨張係数が銅材の体積熱膨張係
数に近かずくことになる。
【0027】無機質充填材が混入されることによって熱
硬化性合成樹脂材の性質が改善されるその一例を、誘電
率に関して図2に示す。ここで図2は、この発明になる
電機子コイルに用いられる熱硬化性合成樹脂材の誘電率
に関する特性の測定例を、従来技術の場合と比較して示
すグラフである。図2において、X軸は温度を、Y軸は
誘電率をそれぞれフリースケールで示している。また、
図2中には、この発明による場合を実線で、また、従来
技術による場合を点線で示している。
【0028】図2を視察することにより、この発明の場
合に用いられる熱硬化性合成樹脂材は、比較的に低温に
おいても高い誘電率を持ち、かつ、その値は温度の変化
に対して安定であることが分かる。このような誘電率特
性を持つ熱硬化性合成樹脂材を詰め物部2やコイル固め
層4に用いることによって、素線81の近傍の電界強度
を低温状態であっても緩和することができるのである。
これによって、素線81の近傍の電気絶縁層の厚さを低
減することができることになる。
【0029】また、高い対コロナ性を持つ熱硬化性合成
樹脂材の採用によって、詰め物部2やコイル固め層4が
コロナ放電によって劣化を受ける度合いが著しく低減さ
れる。このことによって、コイル固め層や詰め物部がコ
ロナ放電によって劣化を受けることを見越し、従来技術
の回転電気機械において行われていた対地主絶縁層の厚
さを増大する対処を、不要にすることがきる。すなわ
ち、この発明になる電機子コイルでは、従来技術の場合
に対して、対地主絶縁層の厚さを低減することができ
る。そうして、対地主絶縁層の厚さが低減されること
と、熱硬化性合成樹脂材が高い熱伝導率を持つこととが
相俟って、コイル部6やコイル部8の冷却性能が向上さ
れ、その周辺の電気絶縁層の熱的劣化が低減される。
【0030】すなわち、この発明になる電機子コイルで
は、詰め物部2やコイル固め層4に無機質の充填材が混
入された熱硬化性合成樹脂材を用いることによって、対
地主絶縁層の厚さを低減することができると共に、素線
絶縁層,コイル固め層4,詰め物部2,対地主絶縁層な
どの電気絶縁層の寿命の延長され、このことによって、
電気絶縁層,したがって,この電機子コイルを用いた回
転電気機械の長期信頼性を向上することができるのであ
る。このことはまた、回転電気機械の耐負荷変動性の向
上を図ることに繋がることになるのである。
【0031】
【発明の効果】この発明になる回転電気機械用の電機子
コイルにおいては、前記の課題を解決するための手段の
項で述べた構成とすることにより、次記する効果を奏す
る。 前記の課題を解決するための手段の項の第(1)項に
よる構成とすることにより、対地主絶縁層などの厚さが
低減されることで、ギッターコイルを用いた回転電気機
械の小形化が達成されると共に、その製造原価を低減す
ることが可能となる。また、電気絶縁層の寿命の延長さ
れることにより、ギッターコイルを用いた回転電気機械
の長期信頼性を向上することができる。また、 前記の課題を解決するための手段の項の第(2)項に
よる構成とすることにより、亀甲形コイルを用いた回転
電気機械の場合においても、前記の項のの場合と同様
の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例による回転電気機
械用の電機子コイルを示す図面で、(a)はギッターコ
イルの要部の後記の図4と同等部位における断面図、
(b)は半完成状態の亀甲形コイルの後記の図6と同等
部位における断面図
【図2】この発明になる電機子コイルに用いられる熱硬
化性合成樹脂材の誘電率に関する特性の測定例を従来技
術の場合と比較して示すグラフ
【図3】従来例のギッターコイルを詰め物部を除いて模
式的に示したその斜視図
【図4】図3に示したギッターコイルの詰め物部を含む
要部の図3におけるA−A断面図
【図5】半完成状態の従来例の亀甲形コイルを模式的に
示したその上面図
【図6】図5に示した半完成状態の亀甲形コイルの図5
におけるD−D断面図
【符号の説明】
1 ギッターコイル 2 詰め物部 3 亀甲形コイル 4 コイル固め層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転位が施されると共に素線絶縁が施された
    素線導体の整列体からなるコイルと、熱硬化性合成樹脂
    材が用いられた電気絶縁材によって,少なくともコイル
    の頭部の素線導体が存在していない部位などに形成され
    てなる詰め物部と、コイルおよび詰め物部の外周を覆う
    対地主絶縁層とを備える回転電気機械用の電機子コイル
    において、 詰め物部は、熱硬化性合成樹脂材に電気絶縁性の無機質
    充填材が混入されてなることを特徴とする回転電気機械
    用の電機子コイル。
  2. 【請求項2】素線絶縁が施された素線導体の整列体から
    なるコイルと、熱硬化性合成樹脂材が用いられた電気絶
    縁材によってコイルの外周部に施されたコイル固め層
    と、コイル固め層を介してコイルの外周を覆う対地主絶
    縁層とを備える回転電気機械用の電機子コイルにおい
    て、 コイル固め層は、熱硬化性合成樹脂材に電気絶縁性の無
    機質充填材が混入されてなることを特徴とする回転電気
    機械用の電機子コイル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008514173A (ja) * 2004-09-16 2008-05-01 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 平角線巻線を有する永久磁石同期機
GB2456374A (en) * 2008-01-08 2009-07-15 Gen Electric Stator bar components with high thermal conductivity
JP2009165346A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 General Electric Co <Ge> 高熱伝導性樹脂、ワニスおよびパテを用いたステータバー部品

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