JPH10199863A - プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH10199863A
JPH10199863A JP1761197A JP1761197A JPH10199863A JP H10199863 A JPH10199863 A JP H10199863A JP 1761197 A JP1761197 A JP 1761197A JP 1761197 A JP1761197 A JP 1761197A JP H10199863 A JPH10199863 A JP H10199863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
plasma processing
cyclotron resonance
electron cyclotron
vacuum vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1761197A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Ozaki
成則 尾▲崎▼
Masashi Inoue
雅司 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP1761197A priority Critical patent/JPH10199863A/ja
Publication of JPH10199863A publication Critical patent/JPH10199863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料上において均一なエネルギー分布のプラ
ズマを得ること。 【解決手段】 真空容器(12,14)のマイクロ波導
入側の端面から試料(10)に向かって、マイクロ波の
波長λの2/3以内、更に好ましくは約1/2の位置に
おいて電子サイクロトロン共鳴が成立するように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品や半導体
素子の製造工程におけるエッチング及び薄膜形成等の処
理をプラズマを利用して行うプラズマ処理技術に関し、
特に、プラズマの励起に電子サイクロトロン共鳴(EC
R:Electron Cyclotron Resonace)を利用したプラズ
マ処理方法、プラズマ処理装置、並びに当該プラズマ処
理技術を使用した半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ処理装置においては、微量の反
応ガスを含む真空容器内にマイクロ波を導入し、当該真
空容器内でガス放電を生起させてプラズマを生成する。
そして、このプラズマを試料基板の表面に照射すること
によって、エッチング及び薄膜形成等の処理が行われ
る。このようなプラズマ処理装置は、高集積半導体素子
の製造に欠かせないものとして、その研究が進められて
いる。特に、プラズマの励起に電子サイクロトロン共鳴
を利用したECRプラズマ処理装置は、低ガス圧領域下
で活性度の高いプラズマを生成できる装置として有望視
されている。
【0003】ECRプラズマ処理装置においては、真空
容器に導入されたマイクロ波の電界と電磁コイルの発生
する磁界との相互作用によって、電子サイクロトロン共
鳴を生じさせ、真空容器内に供給されたガスを効率よく
プラズマ化する。すなわち、真空容器内の電子が磁界か
らのローレンツ力を受けて旋回運動を行い、電子の旋回
運動の周期と電磁波の周波数がほぼ一致した時点で、電
子サイクロトロン共鳴(ECR)が起こり、電子は電磁
波から効率よくエネルギーを吸収してプラズマを生成す
る。そして、プラズマ生成時に発生するイオン及びラジ
カル(イオン化直前の活性粒子)等のプラズマ粒子が、
磁力線の方向に流れてシリコンウエハ等の試料に照射さ
れ、当該試料に対するエッチング、CVD、スパッタリ
ング等の処理が行われる。
【0004】このようなECRプラズマ処理装置をエッ
チング処理に適用した場合には、高精度、高選択比、低
損傷でエッチングを行うことができるという利点があ
る。また、気相成長(CVD: Chemical Vapor Deposit
ion) 処理においては、SiO2,Si3N4 などの各種薄膜を加
熱なしの低温で、緻密且つ高品質に形成でき、基板への
損傷も極めて低いという利点を有する。このような理由
から、ECRプラズマ処理装置は今後の超LSIの製造
に不可欠と考えられている。
【0005】ところで、ECRプラズマ処理装置におけ
る処理品質の向上のためには、プラズマが試料の全範囲
にわたって均等な密度を有することが重要である。特
に、近年開発の進んでいる直径12インチの半導体ウエ
ハのように試料の面積が大きくなると、そのウエハ上に
おけるプラズマ(イオン)の強度分布を均一に保つこと
が今まで以上に重要となる。真空容器内で生成されるプ
ラズマ粒子の分布が不均一であると、試料上において高
イオン密度領域と低イオン密度領域とが形成され、エッ
チング処理においては、異方性を悪化させる等の不都合
が生じる。また、試料上のイオン密度分布が不均一であ
ると、当該試料上で電位差が生じて電流が流れてしま
う。そして、その結果試料上に形成される半導体素子を
破壊するという事態も生じかねない。一方、CVD処理
においては、半導体基板等の試料上のイオン電流密度が
不均一であると、当該基板上に生成される膜厚の偏りな
どが生じて均一な成膜が困難になる。そして、最終的に
はプラズマ処理を経て製造される半導体装置の性能劣化
につながることになる。
【0006】そこで、従来においては、真空容器内に導
入されるマイクロ波のモードを制御したり、或いは、所
定形状のスリットが形成されたマイクロ波分散板を真空
容器の手前に配置し、真空容器に導入されるマイクロ波
の電界強度分布の均一化を図っていた。
【0007】マイクロ波の動作モードの変換に関する技
術については、特開平6−45098,特公平7−54
759,特開平5−174995,特開平7−1830
95等に開示されている。導波管内を伝播するマイクロ
波(電磁波)には、2つの基本的なクラスのモードとし
てTEモードとTMモードが存在する。TE(Transver
se Electric) モードにおいては、電場は伝播方向と直
交し、磁場は伝播方向の成分を有する。TM (Transver
se Magnetic)モードは、磁場が伝播方向と直交し、電場
が伝播方向の成分を有する。円形導波管で最もよく用い
られているのは、基本モードであるTE11モードであ
る。上記のようなプラズマ処理装置においてTE11モー
ドを使用した場合には、円形断面の中心部が特に電界が
強く且つ対称性が無く、中心軸上のプラズマ密度が高く
なる傾向にある。そこで、例えば、TM01モードやTE
01モードといった断面の中心部の電界が弱く、且つ対称
性のあるモードにモード変換することにより、ECR条
件を満たすプラズマ領域に所望のエネルギー分布を有す
るマイクロ波を供給していた。
【0008】一方、マイクロ波分散板に関する技術につ
いては、特開平6−5386や特開平2−209484
等に開示されているように、円盤状のマイクロ波分散板
の一部に開口部を形成し、当該開口部を介してマイクロ
波を真空容器内に導入するようになっている。そして、
偏りのある電力密度分布(電界強度分布)を有するマイ
クロ波が当該開口部を通過することによって、でECR
条件を満たすプラズマ領域に達するマイクロ波の電界強
度分布を制御して、生成されるプラズマの均一化を図っ
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の対応では、真空容器内におけるマイクロ波の
電界強度分布の均一化にも限界があり、試料に照射され
るプラズマ分布の均一性を十分に向上させることができ
なかった。
【0010】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであり、試料に照射されるプラズマの均一性の向
上を図り得るプラズマ処理方法を提供することを第1の
目的とする。
【0011】また、試料に照射されるプラズマの均一性
の向上を図り得るプラズマ処理装置を提供することを第
2の目的とする。
【0012】更に、半導体装置の製造過程の1工程とし
て、均一なエネルギー分布のプラズマによって試料の処
理を行うことのできる半導体装置の製造方法を提供する
ことを第3の目的とする。ここで、半導体装置として
は、トランジスタのような半導体素子それ自体や、RA
M等の完成された半導体ディバイス等を含むものとす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様であるプラズマ処理方法におい
ては、真空容器(12,14)のマイクロ波導入側の端
面から試料(10)に向かって、マイクロ波の波長λの
2/3以内、更に好ましくは約1/2の位置において電
子サイクロトロン共鳴が成立するように設定している。
【0014】本発明の第2の態様にかかるプラズマ処理
装置においては、電子サイクロトロン共鳴を励起するた
めに真空容器(12,14)内に磁場を印可する電磁コ
イル(22,24,26,28)と;真空容器(12,
14)のマイクロ波導入側の端面から試料(10)に向
かって、マイクロ波の波長λの2/3以内、更に望まし
くは約1/2の位置において電子サイクロトロン共鳴が
成立するように電磁コイル(22,24,26,28)
を制御する制御手段(30,40,42)とを備えてい
る。制御手段としては、電磁コイル(22,24,2
6,28)に供給される電流値を制御する電流制御手段
(40,42)を使用することが好ましい。ここで、電
磁コイル(22,24,26)は、複数の電磁コイルユ
ニットで構成し、制御手段(40a〜40g,42)に
よって、これら複数の電磁コイルユニットに供給される
電流値を各々独立に制御することが好ましい。更に、マ
イクロ波の進行方向と垂直な面内において、電子サイク
ロトロン共鳴発生位置(100)と真空容器(12,1
4)のマイクロ波導入側端面との距離の最大値と最小値
の差が当該マイクロ波の波長の1/6以下になるよう
に、電磁コイルへの電流値を制御することが望ましい。
電子サイクロトロン共鳴が発生する位置の他の制御手段
としては、マイクロ波の進行方向における電磁コイル
(22,24,26)の位置を調整する位置調整手段
(30)を適用することができる。更に、真空容器(1
2,14)に導入されるマイクロ波の電界強度分布を均
一にする電界強度均一化手段(17,18)を設けるこ
とが好ましい。電界強度均一化手段としては、マイクロ
波の進行方向に対して垂直に配置された導体板の一部に
マイクロ波を透過する開口部を設けたマイクロ波分散板
(18)や、マイクロ波の動作モードを所定のモードに
変換するモード変換器(17)を採用することが出来
る。
【0015】本発明の第3の態様にかかる半導体装置の
製造方法においては、真空容器(12,14)のマイク
ロ波導入側の端面から試料(10)に向かって、マイク
ロ波の波長λの2/3以内、更に好ましくは1/2の位
置において電子サイクロトロン共鳴が成立するように設
定している。
【0016】
【作用】上記のように、本発明においては真空容器(1
2,14)のマイクロ波導入側の端面から電子サイクロ
トロン共鳴(ECR)の発生位置に着目し、その位置を
マイクロ波の波長λの2/3以内に設定しているため、
マイクロ波導入窓等の部分で導波路断面の不連続性が存
在する場合でも、ECR面(100)に達するマイクロ
波の電界強度分布を均一に保つことが可能となる。すな
わち、導波路断面が不連続であると、一般にマイクロ波
に動乱を生じ、マイクロ波が1波長λの距離を進む間に
導入したモードの一部が他のモードに変換されてしま
う。しかし、本発明においては、導入モードが不要に変
換されてしまう前、すなわち、マイクロ波が本来のモー
ドをある程度維持している状態でECR面に達すること
になる。
【0017】一方、マイクロ波導入側の端面からECR
面(100)間での距離が短すぎると、導波管或いはマ
イクロ波分散板によって比較的シャープに調整された電
界強度分布がECR面(100)において強く残りす
ぎ、当該ECR面(100)に達するマイクロ波は必ず
しも均一な電界強度分布を持つことにはならない。そこ
で、真空容器(12,14)のマイクロ波導入側の端面
からECR面(100)までの位置をマイクロ波の波長
の約1/2にすることにより、マイクロ波の動作モード
が崩れることもなく、マイクロ波分散板によって形成さ
れるシャープな電界強度分布がある程度緩んでくる。こ
れにより、最適な電界強度分布を有するマイクロ波によ
ってプラズマ励起が行われる。別言すると、真空容器
(12,14)のマイクロ波導入側の端面からECR面
(100)までの位置をマイクロ波の波長の約1/2に
することにより、電界強度分布の均一性の向上のために
現在行われているモード変換技術やマイクロ波分散板の
効果を有効に活用できると同時に、これらの手法では不
十分だった電界強度分布の均一性を更に改善させること
が可能となる。その結果、試料上においてイオン電流密
度の均一性が極めて高いプラズマを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例を用いて説明する。直後に示す各実施例は、半
導体装置の製造工程の一部であるシリコンウエハのプラ
ズマ処理に本発明の技術的思想を適用したものである。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズ
マ処理装置の構成を示す。本実施例のプラズマ処理装置
は、直径12インチのシリコンウエハ10に対してエッ
チング等の所定のプラズマ処理を行うものであり、プラ
ズマを生成するプラズマ生成室12と、プラズマ生成室
12に連通した反応室14とを備えている。本装置で処
理される試料としては、直径12インチのシリコンウエ
ハ10以外にも8インチのウエハ等、均一なプラズマ処
理が要求される各種の試料を対象とすることが出来る。
プラズマ生成室12は、中空円筒形状に形成され、直径
(φ)約270mm、深さ(D)約190mm に設計され
ている。プラズマ生成室12の上部には、マグネトロン
等のマイクロ波発振器に接続されたモード変換器17が
連結されており、このモード変換器17によってTE11
モードからTM01モードに変換されたマイクロ波(2.
45GHz)を円形導波管16を介してプラズマ生成室
12に導くようになっている。なお、モード変換器17
は、マイクロ波の動作モードとしてTM01モードの他
に、TE01モードや、TE11モード、及びこれらのモー
ドの混合モードを得るように構成することができる。
【0020】円形導波管16とプラズマ生成室12との
間には、図2に示す所謂スロットアンテナとして機能す
るマイクロ波分散板18及びマイクロ波導入窓20が配
置されている。マイクロ波分散板18は、図2に示すよ
うに、円盤状に成形され、外周部近傍に8つの矩形スリ
ット18aが等間隔に形成されている。そして、スリッ
ト18aを透過することによって、マイクロ波の電界強
度分布状態が調整されるようになっている。マイクロ波
分散板18の下方に配置されたマイクロ波導入窓20
は、石英ガラス等のマイクロ波透過物質からなり、プラ
ズマ生成室12を気密に封止するように設計されてい
る。プラズマ生成室12の外側には、円形導波管16の
接続部を含み、これらを同心円状に囲む様に3段のメイ
ンコイル22,24,26が配置されている。メインコ
イル22,24,26の下方には、1段のサブコイル2
8が配置されている。これらのメインコイル22,2
4,26とサブコイル28は、プラズマ生成室12内に
磁束密度875ガウスの軸方向磁界(ミラー磁場)を印
可し、ECR現象を引き起こすように機能する。メイン
コイル22,24,26は、図中においては3段に示さ
れているが、実際には6分割構成になっている(図6参
照)。なお、コイルの数は、3段や6段に限らず、後述
するECR面の位置調整等に応じて適宜設計変更するこ
とが望ましい。
【0021】メインコイル22,24,26はモータ等
の所定の動力源を有する駆動機構30に連結されてお
り、マイクロ波の進行方向(Z方向)での位置調整が可
能となっている。メインコイル22,24,26のZ方
向に移動によって、ECRの発生部(875ガウス領
域)であるECR面100の位置を所望の位置に調整す
る。すなわち、マイクロ波導入窓20の下面からECR
面100までの距離zを、プラズマ生成室12内に導入
されるマイクロ波の波長λ(約12.2cm)の2/3以
下にする。なお、距離zの設定方法及び根拠については
後に詳述する。
【0022】プラズマ生成室12に連通された反応室1
4内には、シリコンウエハ10を静電気吸着等の固定手
段によって保持する試料台32が設置されている。反応
室14は、また、上端からシリコンウエハ10までの距
離Lが約100mm から300mm まで可変となるように
設計されている。反応室14の側壁には、プラズマ生成
室12及び反応室14のガスを排気する排気管34が設
けられており、当該排気管からの真空排気によりプラズ
マ生成室12と反応室14を高真空状態に維持するよう
になっている。
【0023】反応室14には、プラズマ生成に必要な反
応ガスを供給するためのガス供給管36が設けられてい
る。また、図示しないが、プラズマ生成室12の周囲に
はクーラントパスが形成され、このクーラントパスを循
環する冷却水(クーラント)によってプラズマ生成室1
2を冷却するようになっている。
【0024】次に、本実施例によるECR面100の位
置の設定方法について、図3及び図4を参照して説明す
る。上述したように、本実施例においては、マイクロ波
導入窓20の下面からECR面100までの距離zをマ
イクロ波の波長λ(約12.2cm)の2/3以下にす
る。すなわち、駆動機構30によってメインコイル2
2,24,26をZ方向に移動することにより、マイク
ロ波導入窓20の下面からECR面100までの距離z
を約8cm以下に設定する。また、マイクロ波の進行方
向(Z方向)に垂直な面における距離zの最大値と最小
値の差がマイクロ波の波長λの1/6、或いは2cm以
下になるような制御を行う。
【0025】図3は、ECR面100の位置を2cm〜
18cmまで変化させたときの、マイクロ波の進行方向
(Z方向)に垂直な面内におけるマイクロ波の電界強度
分布を示す。各位置での電界強度分布は、電界プローブ
によって測定した。図より判るように、ECR面100
の位置がマイクロ波導入窓20からあまり離れすぎると
(例えば、16cmや18cm)、円形導波管16から
導入されたマイクロ波のモードが崩れてしまい、中央付
近の電界強度が極端に強くなってしまう。すなわち、マ
イクロ波導入窓20の部分で導波路断面が不連続である
ため、マイクロ波に動乱を生じ、マイクロ波が1波長λ
程度の距離を進む間に導入したモードの一部が他のモー
ドに変換されてしまう。一方、ECR面100の位置が
マイクロ波導入窓20にあまり近すぎると(例えば、2
cm)、マイクロ波分散板18を透過したマイクロ波の
強度分布が強く残りすぎ、周辺部の電界強度が強くな
る。
【0026】図4は、マイクロ波導入窓20の下面から
ECR面100までの距離zと、シリコンウエハ10上
でのイオン電流均一性(±%)の関係を示す。ECR面
100でのマイクロ波の電界強度分布が均一であって
も、実際のウエハ10上のイオン電流密度が不均一であ
ると意味がなくなってしまうため、図4に示すようなイ
オン電流均一性を測定した。なお、イオン電流均一性
は、以下の式によって求められる。
【0027】イオン電流均一性(±%)={(最大値−最小
値)/(2×平均値)}×100%
【0028】図4より判るように、z=(2/3)λ付
近を境界に、zが大きくなるにつれてイオン電流均一性
が悪化している。また、この傾向はLに依らない。図3
及び図4に示されたデータに基づき、本実施例において
は、マイクロ波導入窓20の下面からECR面100ま
での距離zをマイクロ波の波長λ(約12.2cm)の2
/3(8cm)〜1/3(4cm)になるように、メイ
ンコイル22,24,26の位置調整を行う。特に、マ
イクロ波導入窓20の下面からECR面100までの距
離zをマイクロ波の波長λの約1/2である6cmに設
定すれば、ECR面100におけるマイクロ波の電界強
度分布が略フラットになると同時に、シリコンウエハ1
0上においても優れたイオン電流均一性を得ることがで
きる。
【0029】次に、本実施例の全体的な動作について説
明する。本実施例の装置を用いてシリコンウエハ10上
に形成されたポリシリコン膜のエッチングを行う場合に
は、まず、処理対象となるシリコンウエハ10を試料台
32上に固定し、排気管34からの真空排気により、プ
ラズマ生成室12及び反応室14の内圧を所定圧にまで
減圧する。次に、ガス供給管36から反応室14及びプ
ラズマ生成室12内に反応ガス(Cl2=30sccm)を導
入し、プラズマ生成室12及び反応室14の内圧を1×
10-3Torr 前後に保つ。
【0030】その後、メインコイル22,24,26及
びサブコイル28の通電によりプラズマ生成室12の内
部に磁界を形成すると共に、円形導波管16からマイク
ロ波導入窓20及びマイクロ波分散板18を経てプラズ
マ生成室12内にマイクロ波を導入する。このマイクロ
波は、周波数f=2.45GHz(波長λ=約12.2c
m)、パワー1000Wに設定されている。なお、上述
したように、マイクロ波導入窓20の下面からECR面
100までの距離zがマイクロ波の波長λの約1/2と
なるように、メインコイル22,24,26のZ方向の
位置を駆動機構30により予め調整してある。すなわ
ち、マイクロ波導入窓20の下面から距離z(1/2
λ)の位置において875ガウスの磁場が印可されるよ
うな設定をする。
【0031】プラズマ生成室12内にマイクロ波が導入
されると、ECR面100において反応ガスを共鳴励起
し、プラズマを生成する。メインコイル22,24,2
6及びサブコイル28により形成される磁界は、反応室
14側に向かうに従って磁束密度が低下する発散磁界で
あり、プラズマ生成室12で生成されたプラズマは、こ
の発散磁界の作用により反応室14に引き出され、試料
台32上のシリコンウエハ10表面に照射されて、エッ
チングが行われる。ここで、ECR面100は上述した
ように図3及び図4に示されるデータに基づいて最適な
位置(1/2λ)に設定されているため、ECR面10
0でのマイクロ波の電界強度分布が均一となり、シリコ
ンウエハ10上でのイオン電流密度も均一となる。その
結果、エッチングの異方性が向上するとともに、イオン
密度分布の差に起因する電位差によってシリコンウエハ
10上の素子破壊が生じることもなく、高品質な半導体
装置を製造することができる。なお、ここで言う半導体
装置には、トランジスタのような半導体素子それ自体
や、RAM等の完成された半導体ディバイス等を含むも
のとする。
【0032】一方、本実施例の装置を用いてシリコンウ
エハ10への薄膜形成を行う場合には、以上の各手順に
加え、ガス供給管36を経て所定の原料ガスを導入し、
当該ガスにより生成されたプラズマをシリコンウエハ1
0に照射する。これによりシリコンウエハ10の表面に
は、原料ガスの反応により生成される物質の薄膜が形成
される。
【0033】このような薄膜形成においても、ECR面
100におけるマイクロ波の電界強度分布の均一化によ
り、均等な密度を有するプラズマが生成され、シリコン
ウエハ10の表面に形成される薄膜の膜厚分布が均等化
される。その結果、最終的に製造される半導体装置の品
質、性能が向上する。なお、上記第1実施例において
は、モード変換器17とマイクロ波分散板18を併用し
ているが、必要に応じて、モード変換器17のみを用
い、マイクロ波分散板18を省略した構成にしても良
い。
【0034】図5は、本発明の第2実施例にかかるプラ
ズマ処理装置の構成を示す。なお、図5において、図1
に示す第1実施例のプラズマ処理装置と同一又は対応す
る構成要素については、同一の符号を付すとともに、重
複した説明を省略する。上述した第1実施例において
は、マイクロ波導入窓20からECR面100までの距
離zの設定をメインコイル22,24,26の位置調整
によって行っているが、本実施例においては、これらメ
インコイル22,24,26及びサブコイル28に供給
される電流値の制御によって行う。図5において、メイ
ンコイル22,24,26は、制御部42によって出力
が制御される電流供給部40から必要な電流の供給を受
けるようになっている。
【0035】図6は、メインコイル22,24,26と
サブコイル28の電流制御系の構成を示す。メインコイ
ル22,24,26は、第1実施例でも説明したよう
に、それぞれ2つずつコイルから成り、全体で6つのコ
イル(電磁コイルユニット)に分割されている。一方、
電流供給部40は、これら6つのコイルに別々に電流を
供給する電源40a,40b,40c,40d,40
e,40fとサブコイル28に電流を供給する電源40
gの7つの電源回路から構成されている。そして、これ
ら7つの電源40a,40b,40c,40d,40
e,40f,40gを制御部42によって統括的に制御
するようになっている。すなわち、制御部42は、マイ
クロ波導入窓20からECR面100までの距離zがマ
イクロ波の波長の2/3以下になるように、各電源40
a,40b,40c,40d,40e,40f,40g
の出力電流値をそれぞれ独立に制御する。
【0036】図7は、メインコイル22,24,26及
びサブコイル28を構成する7つのコイルに供給される
電流値をS1〜S11の条件で変更したときのプラズマ
生成室12内におけるECR面100の位置を示す。図
8には、条件S1〜S11における各コイル22,2
4,26,28に供給される具体的な電流値を示す。図
7及び図8から判るように、条件S1〜S4の時に、マ
イクロ波導入窓20の下面からECR面100までの位
置(z)が2/3λ以下となる。
【0037】本実施例においても、上記第1実施例と同
様に、ECR面100が最適な位置(2/3λ以下)に
設定されているため、ECR面100に達するマイクロ
波の磁界強度分布が均一となり、試料台32上のシリコ
ンウエハ10上でのイオン電流密度も均一となる。その
結果、最終的に製造される半導体装置の性能、品質が向
上する。
【0038】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に示された本発明の技術的思想とし
ての要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子サイクロトロン共鳴の発生位置(ECR面)をマイク
ロ波の波長λの2/3以下に設定しているため、プラズ
マ励起時の電界強度分布の均一性が向上し、試料上にお
いて均等な密度のプラズマを得ることができる。このた
め、このようなプラズマを利用した各種の処理品質の向
上が図れ、更には、最終的に製造される半導体装置の性
能が向上するという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズマ
処理装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】図2は図1に示すプラズマ処理装置に使用され
るマイクロ波分散板の構成を示し、(A)が平面図、
(B)が断面図である。
【図3】図3は、実施例の基礎となるデータを示すグラ
フであり、マイクロ波の進行方向と直交する断面におけ
る電界強度分布を示す。
【図4】図4は、実施例の基礎となるデータを示すグラ
フであり、ECR面の位置とイオン電流均一性の関係を
示す。
【図5】図5は、本発明の第2実施例にかかるプラズマ
処理装置の概略構成を示す概念図である。
【図6】図6は、第2実施例の装置におけるコイルと電
源制御系の関係を示すブロック図である。
【図7】図7は、第2実施例を実行するための基礎とな
るデータを示すグラフであり、コイルに供給する電流値
とECR面の位置の関係を示す。
【図8】図8は、図7に示す条件における各コイルに供
給される電流値を示す表である。
【符号の説明】
10・・・シリコンウエハ 12・・・プラズマ生成室 14・・・反応室 16・・・円形導波管 18・・・マイクロ波分散板 20・・・マイクロ波導入窓 22,24,26・・・メインコイル 28・・・サブコイル 30・・・駆動機構 40・・・電流供給部 42・・・制御部 100・・・ECR面(電子サイクロトロン共鳴発生位
置)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に導入されたマイクロ波に対し
    て磁場を印可することによって電子サイクロトロン共鳴
    を励起し、当該電子サイクロトロン共鳴によって生成さ
    れるプラズマを用いて前記真空容器内に配置された試料
    に対して所定の処理を施すプラズマ処理方法において、 前記真空容器の前記マイクロ波導入側の端面から前記試
    料に向かって、前記マイクロ波の波長の2/3以内の位
    置において前記電子サイクロトロン共鳴が成立するよう
    に設定したことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】前記真空容器の前記マイクロ波導入側の端
    面から前記試料に向かって、前記マイクロ波の波長の約
    1/2の距離の位置において前記電子サイクロトロン共
    鳴が成立するように設定したことを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】真空容器内に導入されたマイクロ波による
    電子サイクロトロン共鳴によってプラズマを生成し、当
    該プラズマを用いて前記真空容器内に配置された試料に
    対して所定の処理を施すプラズマ処理装置において、 前記電子サイクロトロン共鳴を励起するために前記真空
    容器内に磁場を印可する電磁コイルと;前記真空容器の
    前記マイクロ波導入側の端面から前記試料に向かって、
    前記マイクロ波の波長の2/3以内の位置において前記
    電子サイクロトロン共鳴が成立するように前記電磁コイ
    ルを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記真空容器の前記マイ
    クロ波導入側の端面から前記試料に向かって、前記マイ
    クロ波の波長の約1/2の距離の位置において前記電子
    サイクロトロン共鳴が成立するように前記電磁コイルを
    制御することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処
    理装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、前記電磁コイルに供給さ
    れる電流値を制御する電流制御手段を含むことを特徴と
    する請求項3又は4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】前記電磁コイルは、複数の電磁コイルユニ
    ットから構成され、 前記制御手段は、前記複数の電磁コイルユニットに供給
    される電流値を各々独立に制御することを特徴とする請
    求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、前記マイクロ波の進行方
    向と垂直な面内において、前記電子サイクロトロン共鳴
    発生位置と、前記真空容器の前記マイクロ波導入側端面
    との距離の最大値と最小値の差が当該マイクロ波の波長
    の1/6以下になるように、前記電磁コイルへの電流値
    を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載のプ
    ラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、前記マイクロ波の進行方
    向における前記電磁コイルの位置を調整する位置調整手
    段を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のプラ
    ズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記真空容器に導入される前記マイクロ波
    の電界強度分布を均一にする電界強度均一化手段を更に
    備えたことを特徴とする請求項3,4,5,6,7又は
    8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記電界強度均一化手段は、前記マイク
    ロ波の進行方向に対して垂直に配置された導体板の一部
    に当該マイクロ波を透過する開口部を設けたマイクロ波
    分散板を含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズ
    マ処理装置。
  11. 【請求項11】前記電界強度均一化手段は、前記マイク
    ロ波の動作モードを所定のモードに変換するモード変換
    器を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載のプ
    ラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】真空容器内に導入されたマイクロ波に対
    して磁場を印可することによって電子サイクロトロン共
    鳴を励起し、当該電子サイクロトロン共鳴によって生成
    されるプラズマを用いて前記真空容器内に配置された試
    料に対して所定の処理を施すプラズマ処理工程を含む半
    導体装置の製造方法において、 前記真空容器の前記マイクロ波導入側の端面から前記試
    料に向かって、前記マイクロ波の波長の2/3以内の位
    置において前記電子サイクロトロン共鳴が成立するよう
    に設定したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記真空容器の前記マイクロ波導入側の
    端面から前記試料に向かって、前記マイクロ波の波長の
    約1/2の距離の位置において前記電子サイクロトロン
    共鳴が成立するように設定したことを特徴とする請求項
    12に記載の半導体装置の製造方法。
JP1761197A 1997-01-14 1997-01-14 プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法 Pending JPH10199863A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1761197A JPH10199863A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1761197A JPH10199863A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10199863A true JPH10199863A (ja) 1998-07-31

Family

ID=11948691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1761197A Pending JPH10199863A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10199863A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019057375A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
CN116390320A (zh) * 2023-05-30 2023-07-04 安徽农业大学 一种电子回旋共振放电装置及应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019057375A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
CN116390320A (zh) * 2023-05-30 2023-07-04 安徽农业大学 一种电子回旋共振放电装置及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3650025B2 (ja) プラズマプロセス装置
KR100498584B1 (ko) 플라즈마처리장치및플라즈마처리방법
JP3233575B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2570090B2 (ja) ドライエッチング装置
JPH06251896A (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP2010050046A (ja) プラズマ処理装置
JPH11260596A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP3254069B2 (ja) プラズマ装置
JP3973283B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
KR102498944B1 (ko) 유기 재료들의 자가 제한 에칭을 수행하기 위한 프로세스
JPH10199863A (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法
JP3732287B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH06104098A (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
JP3192352B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH06120169A (ja) プラズマ生成装置
JPH09321030A (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
JPH1074599A (ja) プラズマ処理方法および装置
JP3796265B2 (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置、半導体装置の製造方法及びマイクロ波分散板
JPH10284292A (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置、半導体装置の製造方法及び電界強度分布制御装置
JP2001077085A (ja) 試料の表面処理方法
JP2515885B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH10312900A (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法
JPH11340200A (ja) プラズマ処理装置
JPH10284294A (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置、半導体装置の製造方法及びマイクロ波分散板
JPH10289798A (ja) プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040113

A977 Report on retrieval

Effective date: 20040708

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041125