JPH1074599A - プラズマ処理方法および装置 - Google Patents

プラズマ処理方法および装置

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JPH1074599A
JPH1074599A JP8231202A JP23120296A JPH1074599A JP H1074599 A JPH1074599 A JP H1074599A JP 8231202 A JP8231202 A JP 8231202A JP 23120296 A JP23120296 A JP 23120296A JP H1074599 A JPH1074599 A JP H1074599A
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JP
Japan
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chamber
plasma
wave
frequency
plasma processing
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JP8231202A
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English (en)
Inventor
Yasunori Yasaka
保能 八坂
Kunihide Tachibana
邦英 橘
Wataru Ito
亘 伊藤
Tadashi Enomoto
匡志 榎本
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PLASMA SYST KK
PLASMA SYSTEM
Original Assignee
PLASMA SYST KK
PLASMA SYSTEM
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のプラズマ源であると、大口径かつ均一
なプラズマを得ることが困難であり、また、チャンバ壁
からのコンタミネーションの問題が発生するという欠点
があった。 【解決手段】 チャンバ2内へと高周波電界および磁界
を導入することにより、このチャンバ2内に低域混成波
を励起し、この低域混成波によりプラズマを発生させて
チャンバ2内に導入された基板3aのプラズマ処理を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板、ディ
スプレイ基板、マルチチップモジュール(MCM)、プ
リント基板、等を対象として、エッチング、アッシン
グ、デポジション、表面改質、表面クリーニング、等の
プラズマ処理を行うためのプラズマ処理方法およびその
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のLSI等の製造工程における半導
体基板等のエッチング、アッシング、デポジション、表
面改質、表面クリーニング、等においては、減圧下でプ
ラズマを発生させて基板を処理する各種のプラズマ処理
方法が広く用いられている。
【0003】この種のプラズマ処理方法にあっては、近
年、半導体基板等の処理基板の大型化に伴って、処理室
内で発生させるプラズマの大口径化、および、高均一性
を有するプラズマの使用が要求されている。また、処理
基板上のデバイス構造の微細化に伴い、微細形状を選択
的に高速エッチングするために高真空のもとで高密度プ
ラズマを生成することも要求され、かつクリーンなプロ
セスであることが重視されている。
【0004】前記要求に対し、高密度プラズマを生成す
る手法として、例えば、高周波誘導結合プラズマ(Indu
ctively Coupled Plasma、ICP)、磁界を併用して共
鳴現象によりマイクロ波のエネルギーを効率よくプラズ
マ生成へ利用する電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマ、あるいは、有磁界のもとで誘導結合により励起
されるヘリコン波を利用したプラズマ、等を使用する試
みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記I
CPでは、通常コイル状アンテナに高周波電流を流す際
に、高周波電源の接地電極と高周波電極とをアンテナ両
側に直接接続するだけのため、アンテナとプラズマとの
間に静電界が形成されてしまう。故に、アンテナ近傍の
チャンバ壁の誘電体表面に自己バイアスが形成されて、
プラズマ中の荷電粒子により、チャンバ壁がスパッタさ
れてしまうことになる。その結果発生する不純物が基板
性能、および特性等に悪影響を与えることになる。
【0006】ECRプラズマは、マイクロ波(2.45
GHz)の使用に対して875ガウスの磁界強度の領域
で共鳴が生じるので、磁界配置によってプラズマの発生
が決定される。故に、発生領域で大面積、高均一性を確
保することが難しい。一般的には、プラズマ発生領域か
ら十分離れた、すなわち下流に処理基板を設置する構造
となる。このように、プラズマ発生領域より下流に基板
を設置するということは、その領域で要求される処理を
満たすのに十分な密度を確保するために、入力電力の増
加を招いてしまう。つまり、効率よく高密度なプラズマ
を得ることができない。
【0007】一方、ヘリコン波プラズマは、上記ECR
プラズマに比べ弱磁界(50〜200ガウス)のもとで
ECRよりも高密度プラズマの生成が期待されるもので
ある。しかし、プラズマ発生領域では中心付近に密度の
ピークを持つため、発生領域で大面積、高均一性を得る
ことは難しく、上記ECRと同様に、拡散領域を設ける
必要がある。また、上記ECR、ヘリコン波プラズマ
は、真空容器の壁近傍でもプラズマが発生するため、チ
ャンバ壁からの不純物発生の問題も付随する。
【0008】以上のように、上記従来のプラズマ生成法
であると、大面積で高均一性を確保することが困難であ
り、そして、高密度プラズマの生成が困難であり、さら
に、チャンバ壁等からの不純物発生を抑えたクリーンな
プラズマを生成することが困難であった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、大口径においても高密度かつ高均一性を有するとと
もにコンタミネーションフリーなプラズマ処理をなし得
るプラズマ処理方法を提供することを目的とする。ま
た、そのようなプラズマ処理方法を実現し得るプラズマ
処理装置を提供することも、本発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のプラズマ
処理方法においては、チャンバ内へと高周波電界および
磁界を導入することにより、このチャンバ内に低域混成
波を励起し、この低域混成波によりプラズマを発生させ
て前記チャンバ内に導入された基板のプラズマ処理を行
うことを特徴としている。請求項2記載のプラズマ処理
方法においては、請求項1記載のプラズマ処理方法にお
いて、前記高周波電界を印加するためのアンテナを設け
ておき、該アンテナにより励起される前記低域混成波の
磁化方向波数を制御して、前記低域混成波の伝搬特性を
制御することを特徴としている。請求項3記載のプラズ
マ処理方法においては、請求項2記載のプラズマ処理方
法において、前記アンテナを複数設けておき、これら各
アンテナに供給する前記高周波電界に位相差を持たせる
ことにより励起される前記低域混成波の磁化方向波数を
制御して、前記低域混成波の伝搬特性を制御することを
特徴としている。
【0011】請求項4記載のプラズマ処理装置において
は、電磁波の透過が可能な電磁波導入部を有して構成さ
れたチャンバと、前記電磁波導入部を通して前記チャン
バ内へと高周波電界を印加するためのアンテナと、前記
電磁波導入部を通して前記チャンバ内へと磁界を印加す
るための磁界印加手段とを具備してなり、前記アンテナ
には、低域混成波を励起するために、使用する処理ガス
の種類に応じたイオンサイクロトロン周波数と電子サイ
クロトロン周波数との間に相当する周波数の電源が接続
されていることを特徴としている。請求項5記載のプラ
ズマ処理装置においては、請求項4記載のプラズマ処理
装置において、前記アンテナは、複数のものが設けれら
れ、これら各アンテナは、それぞれに供給される前記高
周波電界に位相差が発生して前記低域混成波の伝搬特性
が制御され得るように前記電源に接続されていることを
特徴としている。請求項6記載のプラズマ処理装置にお
いては、請求項5記載のプラズマ処理装置において、前
記各アンテナは、移相器を介して同一の前記電源に接続
されていることを特徴としている。
【0012】請求項1記載の発明によると、チャンバ内
に低域混成波を励起し、この低域混成波を電子と相互作
用させてプラズマを発生させ、プラズマ処理が行われ
る。低域混成波において、電子のエネルギー吸収が共鳴
点近傍で起こることは、従来のECRプラズマと同様で
ある。しかし、決定的に異なるのが、低域混成波の場
合、例えば、印加磁界B0 、印加周波数ωを一定とした
条件のもとに低域混成波の磁化方向波数k//(波長
λ//)を変化させることにより、共鳴領域を変化させる
ことが可能であるということである。つまり、励起波動
の伝搬特性の制御が可能であるので、電子との相互作用
を起こす位置(共鳴領域)、相互作用させる電子の速
度、等を選択することができる。よって、大口径かつ均
一なプラズマが得られる。しかも、電子との相互作用を
起こす位置を選択することにより、かつ、相互作用させ
る電子の速度を高く設定してバルク電子のみを相互作用
の対象とすることにより、チャンバ壁から離れた領域で
のプラズマの発生が可能であり、コンタミネーションフ
リーなプラズマ処理が行われる。請求項2記載の発明に
よると、設けられたアンテナにより励起される低域混成
波の磁化方向波数が制御されることにより、低域混成波
の伝搬特性の制御がなされる。請求項3記載の発明によ
ると、複数のアンテナに供給する高周波電界に位相差が
与えられる。これにより、磁化方向の波数k//の制御が
容易に実現される。
【0013】請求項4記載の発明によると、アンテナに
は、使用している処理ガスの種類に応じたイオンサイク
ロトロン周波数と電子サイクロトロン周波数との間に相
当する周波数の電源が接続される。よって、低域混成波
が励起され、この低域混成波によりプラズマを発生させ
てプラズマ処理が行われる。請求項5記載の発明による
と、複数のアンテナは、それぞれに供給される高周波電
界に位相差が発生して低域混成波の伝搬特性を制御し得
るように電源に接続されている。よって、低域混成波の
伝搬特性の制御、例えば、伝搬方向の波数の制御が容易
に実現される。請求項6記載の発明によると、各アンテ
ナは、移相器を介して同一の電源に接続されており、電
源が1個であっても、低域混成波の伝搬特性の制御が実
現される。すなわち、簡易な手段で実現されている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマ処理方法
および装置の実施の形態について、図面を参照して説明
する。
【0015】〔第1実施形態〕図1は、本発明のプラズ
マ処理装置の第1実施形態を示すもので、図において、
プラズマ処理装置1は、チャンバ2、基板保持台3、ア
ンテナ4、電源5、移相器5a、整合回路5b、磁気コ
イル(磁界印加手段)6、等を備えて構成されたもので
あって、例えば、アッシング装置、エッチング装置、等
である。また、図示しないものの、プラズマ処理装置1
には、真空排気手段、ガス供給手段、基板搬送手段、基
板加熱手段、基板回転手段、プロセス制御のための各種
制御機構、等が備えられている。さらに、エッチング等
の処理での使用において、積極的にプラズマ中の荷電粒
子の入射エネルギーを制御するために、プラズマ発生用
の電源とは別に、別途電源を用意し、バイアス用の高周
波電力を印加しても良い。
【0016】チャンバ2は、電磁波の透過が可能な材
料、例えば、シリカ、アルミナ、等から構成された電磁
波導入部2aを有している減圧チャンバである。チャン
バ2には、ガス導入ポート2b、ガス排気ポート2c、
等が設けられている。チャンバ2内には、図示しない基
板搬送手段により搬送されたシリコンウェハ等の基板3
aが、基板保持台3が設けられている。なお、基板保持
台3は、必要に応じて回転可能に設けられるものであっ
ても良い。
【0017】アンテナ4は、電磁波導入部2aを通して
チャンバ2内へと高周波電界を印加するためのもので、
図示例においては、電磁波導入部2aの周囲に巻回され
たコイル電極の形態とされている。この場合、アンテナ
4は、互いに絶縁された3個のコイル電極とされてい
る。
【0018】電源5は、移相器5aを介して各アンテナ
4に接続されている。電源5の周波数は、低域混成波を
励起するために、使用している処理ガスの種類に応じた
イオンサイクロトロン周波数と電子サイクロトロン周波
数との間に相当する周波数の電源とされている。この場
合、電源5からの電力印加は、電源5と移相器5aとの
間に接続された整合回路5bを介してなされている。電
源5としては、その周波数が例えば、1MHz〜1GH
zの間のものが使用される。
【0019】磁気コイル6は、電磁波導入部2aを通し
てチャンバ2内へと磁界を印加するためのもので、電磁
波導入部2aの周囲に巻回されたコイル状とされてい
る。これにより、磁界が、チャンバ2の軸方向に印加さ
れるようになっている。本実施形態において使用する磁
界の大きさは、100〜2kガウスの範囲である。
【0020】本実施形態において使用する電源周波数
ω、および、印加磁界強度B0 は、以下の理論に基づい
て決定される。まず、低域混成周波数ωLHは、次式で表
される。(ωpi>>ωciの場合)
【数1】 上式を満たすように励起周波数ω、印加磁界強度B0
電子密度n、イオンの質量Mの組合せが決定される。た
だし、共鳴領域は、上記の式で与えられる位置よりも低
密度側となる。ここで、イオンプラズマ周波数ωpi、電
子プラズマ周波数ωpe、電子のサイクロトロン周波数ω
ceは、以下の通りである。
【数2】
【数3】
【数4】 さらに、波が共鳴点(ω=ωLHとなる点)に達する前に
反射されずに伝搬するためには、磁力線方向の屈折率N
z に関して
【数5】 の条件を満たすように、磁力線方向の波数k//≡2π/
λ//を選ばなければならない。加えて、このk//の値
は、ヘリコン波の分散式を満たさないようにするとなお
良い。以上により、扱う処理ガスに応じた励起周波数、
磁界強度が選択されることとなる。
【0021】次に、上記のプラズマ処理装置1の使用方
法について説明する。
【0022】まず、基板3aをチャンバ2内に搬入す
る。そして、適宜の真空引きの後、例えば、水素ガスを
チャンバ2内に導入しつつ真空引きを行い、チャンバ2
内を所定の圧力、例えば、1mTorrに維持する。さ
らに、磁気コイル6により、例えば、890ガウスの磁
界を印加した状態で、アンテナ4によりチャンバ2内
に、例えば、56MHzの高周波電界を導入する。これ
により、チャンバ2内には、低域混成波(λ//=25c
m)が励起され、およそ1×1012cm-3の高密度水素
プラズマが生成される。また、チャンバ2内へ導入する
処理ガスとして、酸素を用いることでフォトレジスト剥
離のためのアッシング処理、フロロカーボン系や塩素系
ガスを用いることでエッチング処理が行える。
【0023】このようにして励起された低域混成波は、
チャンバ2の軸方向へと進みながら半径方向内側へと伝
搬してゆき、低域混成共鳴点付近で静電波へとモード変
換し、バルク電子を加速して、プラズマを発生させる。
この場合、移相器5aにより各アンテナ4に供給する高
周波電界の位相調整を行うことで低域混成波の軸方向の
波数を変化させて、低域混成波の伝搬特性の制御、例え
ば、電子との相互作用を起こす位置、相互作用させる電
子の速度、等の制御を行う。これにより、プラズマの密
度、均一性、発生位置、等の制御が行われる。
【0024】以上により、低域混成波に基づくプラズマ
によるプラズマ処理が達成される。
【0025】上記において生成される低域混成波励起プ
ラズマの一例について、図2を参照して説明する。図2
は、アンテナ4近傍におけるポテンシャル分布と共鳴位
置とを示したものである。アンテナ4には移相器5aを
介して上記の高周波電力が供給されており、各々のアン
テナ4には、例えば、図示のように位相差(φ=0、
π、2π)が与えられている。この場合には、図示にお
いて一例として示すような電位分布が形成される。ここ
で、処理ガス種に応じて印加する周波数ω、磁界強度B
0 、位相差φを調整することにより、図に示すように、
チャンバ2の壁から離れた領域に共鳴位置を定めてプラ
ズマを発生させることが可能である。故に、コンタミネ
ーションフリーなプラズマ処理が実現できるとともに、
プラズマの均一性が図られる。
【0026】上記のプラズマ処理方法においては、チャ
ンバ2内に低域混成波を励起し、この低域混成波を電子
と相互作用させてプラズマを発生させ、プラズマ処理が
行われる。従来のECRプラズマは、マイクロ波(2.
45GHz)の使用に対して875ガウスの磁界強度の
領域で共鳴が生じるため、磁界配位によって決定される
ある領域(ECRポイント)においてのみしか電子のエ
ネルギー吸収が生じない。故に、電子のエネルギー吸収
領域の制御という点においては劣るものである。また、
従来のヘリコン波励起プラズマにおいては、電子のエネ
ルギー吸収のメカニズムがランダウ減衰やトラッピング
によるため、電子のエネルギー吸収は、波の存在領域の
すべてで行われる。故に、ECRプラズマと同様に、エ
ネルギー吸収を空間的に制御するのは困難である。これ
ら従来のプラズマに対して、本発明の低域混成波は、印
加磁界、印加周波数が同一の値であっても、励起される
低域混成波の磁化方向波数を変化させることにより、共
鳴領域を変化させることが可能であるということを最大
の特徴点とするものである。したがって、伝搬特性の制
御が可能となり、電子との相互作用を起こす位置、相互
作用させる電子の速度、等を自在に制御することが可能
である。よって、電子との相互作用を起こす位置を選択
することにより、チャンバ2の壁から離れた領域で共鳴
させて、大口径かつ均一なプラズマを発生させることが
可能であり、コンタミネーションフリーなプラズマ処理
を行うことができる。
【0027】また、複数のアンテナ4に供給する高周波
電界に位相差が与えられる。これにより、低域混成波の
伝搬特性の制御、例えば、伝搬方向の波数の制御を容易
に実現することができる。
【0028】また、上記プラズマ処理装置1にあって
は、各アンテナ4は、移相器5aを介して同一の電源5
に接続されており、電源が1個であっても、低域混成波
の伝搬特性の制御を達成することができる。
【0029】低域混成波は、従来の電子サイクロトロン
波やヘリコン波とは異なり、電磁的および静電的性質を
合わせ持つものであって、アンテナ4による励起点近傍
では、電磁的性質により励起効率が高く、共鳴点近傍で
は、静電的性質が強くなり、バルク電子と強く相互作用
してプラズマ生成効率が高いという利点を有している。
つまり、プロセスに必要なイオンやラジカルが効率良く
生成される。
【0030】また、低域混成波は、電子サイクロトロン
波よりも波長が長いため、大口径均一生成に有利であ
る。そして、低域混成波は、ヘリコン波に比べて、位相
速度が十分に小さく、電子の加速効率が高いので、有害
なビーム成分を作らないという利点がある。
【0031】以上のように、低域混成波プラズマ源は、
従来の電子サイクロトロン波やヘリコン波と比較して、
プラズマプロセスの高速化、高均一化、高精度化、コン
タミネーションフリー、等の要請に十分に応え得るもの
である。
【0032】〔第2実施形態〕図3および図4には、本
発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を示す。本実施
形態が、上記第1実施形態と異なるのは、高周波電界の
印加手段の構成のみである。その他については、同様の
構成であるので、説明を省略する。上記実施形態におい
ては、移相器5aを介した複数のコイル電極4で低域混
成波を制御していたが、この実施形態においては、単一
アンテナ10により低域混成波の制御を行う。
【0033】図において、電源20は、整合回路21を
介して、電磁波の透過が可能な誘電体、例えば、石英等
から構成されるチャンバ2の外部に設置され、かつ、一
種の伝送線路アンテナをなすアンテナ10に接続されて
いる。この場合、電源20は、例えば、1MHz〜1G
Hzの間の周波数の高周波電力を供給する高周波電源で
ある。また、チャンバ2の外部には、容器内軸方向に1
00〜2kガウスの範囲の磁界B0 を供給できる磁気コ
イル(磁界印加手段)6が設けられており、低域混成波
を励起することができる。励起された波は、軸方向へと
進みながら半径方向へ伝搬してゆき、低域混成共鳴点付
近で静電波へとモード変換し、バルク電子を加速、プラ
ズマが生成される。
【0034】本実施形態においては、アンテナ10に接
続されたコンデンサ11、抵抗12、等の調整で波の伝
搬特性を制御することができる。よって、本実施形態に
おいては、上記実施形態と同様の作用効果を奏すること
ができる。
【0035】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、以下の形態とすることもできる。 a)プラズマ処理としてアッシング処理あるいはエッチ
ング処理を行うことに代えて、デポジション、表面改
質、等他の任意のプラズマ処理を行うこと。 b)基板3aとしてシリコンウェハを使用することに代
えて、半導体基板、ディスプレイ基板、マルチチップモ
ジュール(MCM)、プリント基板、等他の任意の基板
を使用すること。 c)プラズマ処理装置1を図示のように直立型とするこ
とに代えて、横型とすること。また、基板3aを上方か
ら処理することに代えて、下方、側方等任意の方向から
処理すること。 d)アンテナ4の形態を図示形状に限らず、任意の形態
とすること。また、3個に分割することに代えて、任意
の数に分割すること。 e)アンテナ4をチャンバ2の外部に設けることに代え
て、チャンバ2の内部に設けること。 f)複数のアンテナ4を移相器5aを介して1個の電源
5に接続することに代えて、移相器を介さず複数の電源
に個別に接続すること。 g)磁気コイルの形態を図示形状に限らず、任意の形態
とすること、すなわち、電磁石、永久磁石、等、任意の
形態として良い。 h)プラズマ処理条件、すなわち、ガス種、ガス圧力、
磁界の強さ、電源周波数、等、を上記例に限らず、低域
混成波に基づくプラズマを発生させる限りにおいて、任
意に設定すること。
【0036】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理方法および装置に
よれば、以下の効果を奏する。請求項1記載のプラズマ
処理方法によれば、チャンバ内に低域混成波を励起し、
この低域混成波を電子と相互作用させてプラズマを発生
させ、プラズマ処理を行うので、高密度かつ高均一性を
有するプラズマによる処理を行うことができる。しか
も、低域混成波であることにより伝搬特性の制御が可能
であることから、例えば、チャンバ壁から離れた領域で
プラズマを発生させることによりコンタミネーションフ
リーなプラズマ処理を行うことができる。請求項2記載
のプラズマ処理方法によれば、設けたアンテナにより低
域混成波の磁化方向波数を制御することにより低域混成
波の伝搬特性を自在に制御することができ、発生するプ
ラズマの均一性の制御が可能であるとともに、容易にコ
ンタミネーションフリーなプラズマ処理を達成すること
ができる。請求項3記載のプラズマ処理方法によれば、
複数のアンテナに供給する高周波電界に位相差を持たせ
ることで、低域混成波の伝搬方向の波数を容易に制御す
ることができ、容易な手段によりコンタミネーションフ
リーなプラズマ処理を達成することができる。
【0037】請求項4記載のプラズマ処理装置によれ
ば、アンテナには、使用している処理ガスの種類に応じ
たイオンサイクロトロン周波数と電子サイクロトロン周
波数との間に相当する周波数の電源が接続されているの
で、低域混成波を励起することができ、この低域混成波
によりプラズマを発生させてプラズマ処理を行うことが
できる。よって、高密度かつ大面積で高均一性を満たす
プラズマが得られるとともに、コンタミネーションフリ
ーなプラズマ処理を行うことができる。請求項5記載の
プラズマ処理装置によれば、複数のアンテナが、それぞ
れに供給される高周波電界に位相差が発生して低域混成
波の伝搬特性を制御し得るように電源に接続されている
ことにより、低域混成波の伝搬特性、例えば、伝搬方向
の波数を容易に制御することができ、均一性を改善し得
るとともに、容易にコンタミネーションフリーなプラズ
マ処理を達成することができる。請求項6記載のプラズ
マ処理装置によれば、各アンテナが移相器を介して同一
の電源に接続されていることにより、複数のアンテナに
よる低域混成波の伝搬特性の制御を容易な手段で実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を
概略的に示す図である。
【図2】 図1に示すプラズマ処理装置におけるアンテ
ナ近傍を概略的に示す説明図である。
【図3】 本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を
概略的に示す図である。
【図4】 図3に示すプラズマ処理装置におけるアンテ
ナ近傍を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 プラズマ処理装置 2 チャンバ 2a 電磁波導入部 3a 基板 4 アンテナ 5 電源 5a 移相器 6 磁気コイル(磁界印加手段) 10 アンテナ 20 電源
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/3065 H05H 1/16 21/304 341 H01L 21/30 572A H05H 1/16 21/302 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内へと高周波電界および磁界を
    導入することにより、このチャンバ内に低域混成波を励
    起し、 この低域混成波によりプラズマを発生させて前記チャン
    バ内に導入された基板のプラズマ処理を行うことを特徴
    とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、 前記高周波電界を印加するためのアンテナを設けてお
    き、 該アンテナにより励起される前記低域混成波の磁化方向
    波数を制御して、前記低域混成波の伝搬特性を制御する
    ことを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプラズマ処理方法におい
    て、 前記アンテナを複数設けておき、 これら各アンテナに供給する前記高周波電界に位相差を
    持たせることにより励起される前記低域混成波の磁化方
    向波数を制御して、前記低域混成波の伝搬特性を制御す
    ることを特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 電磁波の透過が可能な電磁波導入部を有
    して構成されたチャンバと、 前記電磁波導入部を通して前記チャンバ内へと高周波電
    界を印加するためのアンテナと、 前記電磁波導入部を通して前記チャンバ内へと磁界を印
    加するための磁界印加手段とを具備してなり、 前記アンテナには、低域混成波を励起するために、使用
    する処理ガスの種類に応じたイオンサイクロトロン周波
    数と電子サイクロトロン周波数との間に相当する周波数
    の電源が接続されていることを特徴とするプラズマ処理
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、 前記アンテナは、複数のものが設けれられ、 これら各アンテナは、それぞれに供給される前記高周波
    電界に位相差が発生して前記低域混成波の伝搬特性が制
    御され得るように前記電源に接続されていることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のプラズマ処理装置におい
    て、 前記各アンテナは、移相器を介して同一の前記電源に接
    続されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002510841A (ja) * 1998-03-31 2002-04-09 ラム リサーチ コーポレーション 並列アンテナ・トランスフォーマー・カップルド・プラズマ発生システム
JP2010166011A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置およびプラズマ生成装置
JP2014044961A (ja) * 2009-01-15 2014-03-13 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置
KR101533683B1 (ko) * 2008-11-11 2015-07-06 위순임 유동성 플라즈마 제어 시스템

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